JP2002167278A - 飛翔体の衝突による衝撃を緩和する保護部材 - Google Patents

飛翔体の衝突による衝撃を緩和する保護部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 継ぎ目のない、あるいは避弾経始のための曲
面構造をとる、あるいはリブ構造や中空構造のような複
雑形状の保護部材や該保護部材を外殻に用いた飛翔体の
衝突による衝撃を緩和する保護部材を簡便にかつ低コス
トで製造する事。 【解決手段】 セラミックス粉体を鋳込成形した後に焼
結させたセラミックス焼結体を構成要素として含む、飛
翔体の衝突による衝撃を緩和する保護部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高剛性のセラミック
ス焼結体を構成要素として含む、飛翔体の衝突による衝
撃を高効率で緩和する保護部材に関する。
【0002】
【従来の技術】人体、構造物、移動体などに対する飛翔
体の衝突による衝撃を緩和する保護部材の開発は人類の
歴史始まって以来の重要課題であり、古代の矢や投槍か
ら保護するための盾や鎧から、現在の宇宙船の隕石との
衝突を想定した保護構造に至るまで絶え間ない進歩を続
けてきた。その進歩の歴史の中で一貫して主役の座を占
めてきたのは、金属特に鉄系の合金であり、宇宙時代に
入って鉄系の耐熱性が問題にされるようになっても、耐
熱特殊鋼の開発などにより金属の重要性は少しも低下し
ていない。
【0003】このような金属の保護部材としての優位性
は、衝撃強度が強いことと、所望の形状に加工が容易で
ある事の2点をあげることができる。これに対して保護
部材として要求されるもう一つの特性として高硬度であ
ることがあげられるが、この点において高硬度の工業材
料としてまずあげられるのがセラミックス材料である。
しかしながらセラミックス材料には固いがもろくて割れ
易いというイメージがあるように、その金属に比べて衝
撃強度が劣ることは如何ともし難く、近年に至るまでセ
ラミックス材料を飛翔体の衝突による衝撃から緩和する
保護部材に用いようとする試みはなされていなかった。
【0004】ところが近年、所謂チョバム複合装甲と呼
ばれるセラミックス素材を用いた保護部材が開発され
た。これはセラミックス単独ではその脆さを克服できな
いものの、セラミックス板を高靭性鋼板などと組み合せ
たりあるいは一部中空構造を取りいれるなどにより衝撃
を緩和する構造が達成できたのものである。この様な構
造が出現した背景には、発射したときの速度によってそ
の衝撃が限定されるAP、APC、APDS、APFS
DS等の運動エネルギー中心の飛翔体から、保護部材近
辺におけるジェット噴射を利用したHEAT等の化学エ
ネルギー中心の飛翔体に保護の主たる対象が変化し、従
来と比較すると桁外れに高速の飛翔体の衝突による衝撃
から保護する必要が生じたためである。この傾向はさら
に高速の飛翔体からの保護を必要とする宇宙船等の用途
ではさらに顕著である。
【0005】このようにセラミックスを用いた保護部材
が実用化される様になると、次にセラミックス素材の金
属に対して軽量であることが注目されて、特に航空宇宙
用途を中心に開発が進むようになった。現在特にこの軽
量化を重点とした保護材料においてはセラミックスタイ
ルに繊維強化樹脂のバックアップ層を設けた構造が一般
的であり、例えば米国特許4739690、米国特許5
996113、WO98/51988などにその構造例
が開示されている。
【0006】またセラミックス工業材料として最も軽量
であるものとしては炭化硼素が挙げられ、上記米国特許
4739690、米国特許5996113、WO98/
51988などにはセラミックスタイルとして炭化硼素
を用いる技術が開示されている。また特開平7−972
64には炭化硼素の常圧焼結法が開示されているが、こ
の方法においては複雑大型形状の製品を作ることは不可
能であり、焼結度も96%程度がその最大である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術においては次のような問題点があった。すなわちセ
ラミックス素材を飛翔体の衝突による衝撃を緩和する保
護部材の構成要素として用いる場合、後述するような理
由により板状、タイル状のものしか製造できず、保護部
材の構造に制限がある。そのために複雑構造の装置の保
護部材に応用しようとすると板状セラミックス部材の組
み合わせでは制限があり、またその継ぎ目の部分が問題
になる。例えば上記米国特許4739690、米国特許
5996113、WO98/51988等にはその継ぎ
目構造として、継ぎ目部分を厚く盛り上げたり、突き合
わせ構造としたり接着剤を使用したりといった技術が開
示されているが、この様な構造においてはその継ぎ目部
分の脆弱性を補うのに充分とはいえない。
【0008】また平板上構造の保護部材は所謂避弾経始
の構造をとることが難しく、従来の金属素材の保護部材
が丸みを帯びた曲面構造をとる場合が多いのに比べ、セ
ラミックス複合保護部材は角張った構造をとらざるを得
ず、その防御力が減少するという欠点がある。
【0009】また本発明において好適に使用される窒化
珪素や炭化珪素などのセラミックスは難焼結体であると
共に難成形体でもあり、大型品を経済的に成形・焼結す
ることは難しい。特に従来の製造方法においては、小型
のテストピースではない実用に供される大型の製品にお
いては加圧焼結(ホットプレス)が必要とされており、こ
の加圧焼結を用いる限りその製造コストは莫大なものと
なり、また複雑形状のものを製造することはできない。
また例えばサンドイッチ構造のセラミックス複合装甲に
は、リブ構造や中空構造を採用することがその衝撃を分
散させるために考えられるが、このような構造をとるこ
とはますますその成形・焼成が難しくなる結果を招いて
しまう。その中でも炭化硼素は最もその焼結が難しいセ
ラミックスであり、本発明に用いられるような大型品を
経済的に成形・焼結させることは不可能であった。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは軽量かつ高機能
で低コストの飛翔体の衝突による衝撃を緩和する保護部
材を開発することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、セラミックス粉体を鋳込成形した後に焼結
させたセラミックス焼結体を構成要素として含む飛翔体
の衝突による衝撃を緩和する保護部材を提供する。そう
することにより、例えば継ぎ目のない、あるいは避弾経
始のための曲面構造をとる、あるいはリブ構造や中空構
造のような複雑形状の保護部材や該保護部材を外殻に用
いた飛翔体の衝突による衝撃を緩和する保護部材を簡便
にかつ低コストで製造する事を可能とする。
【0012】
【発明の実施の態様】まず以下に本発明の構成要素につ
いて説明する。本発明において用いられるセラミックス
焼結体としては比剛性率が100GPa以上、さらに好
ましくは110GPa以上のものを用いることが好まし
い。なお比剛性率とはヤング率をかさ比重で割った値で
あり、かさ比重の単位は無名数であるので、結局比剛性
率の単位はヤング率と同様にGPaで表わすことができ
る。本発明においては好ましい下限未満の比剛性率の材
料を用いると飛翔体の衝突による衝撃の吸収が不十分で
ある場合がある。また比剛性率の好ましい上限が存在せ
ず比剛性率は大きければ大きいほど好ましいが、セラミ
ック材料を用いた場合達成可能な比剛性率は200GP
a程度である。
【0013】保護部材の比剛性率が飛翔体の衝突による
衝撃の吸収にどのように影響するかは完全に理論解明さ
れているわけではないが、概略以下のように考えること
ができる。例えば高剛性セラミックスの裏面に繊維強化
プラスチックのバックアップ層を設けた構造材料に対し
て高速の飛翔体が衝突した場合について述べる。飛翔体
がセラミックス材料表面に衝突するとその衝撃による弾
性波の一種である圧縮波はセラミックス材料内を比剛性
率の平方根に比例したスピードでバックアップ層の方に
向かい衝突点を頂点とした円錐形に伝播することにな
る。そしてこの速度が大きいほど該圧縮波がバックアッ
プ層に到達する段階において広い範囲で衝撃が吸収され
ることになり、結果的に耐衝撃性が向上することにな
る。一方飛翔体が持っていたエネルギーは保護部材に吸
収されるだけでなく、飛翔体自身の破壊に向けられる圧
縮波としても消費され、その圧縮波に配分されるエネル
ギーはセラミックス素材中と飛翔体中を伝播する圧縮波
の速度の差が大きいほど大きい。この場合飛翔体の比剛
性率とセラミックス素材の比剛性率は当然後者の方が大
きく、したがって結果的に比剛性率が大きいセラミック
スを構成材料として用いるほど、保護部材としての耐衝
撃性は向上することになる。
【0014】また上記のような保護部材の本質的な機能
である耐衝撃性を向上させるための比剛性率の向上以外
においても、例えば移動体の保護部材、特に航空宇宙用
途の保護部材に用いる場合にはその軽量化が要求され
る。また破壊に耐えるための強度が要求されることも当
然である。
【0015】以上のような高比剛性率、軽量、高強度と
いう要求物性を満足させる好ましいセラミックス材料と
してはまず炭化硼素焼結体を挙げることができる。炭化
硼素焼結体は常圧焼結により製造されるものであって、
その気孔率が10体積%以下であることが好ましく、3
体積%以下であればさらに好ましい。なおここでいう気
孔率とは開気孔と閉気孔の両方を含む気孔率であるが、
本発明においては開気孔率は実質的に0に近いため、気
孔率は閉気孔率と実質的に同等である。なお、炭化硼素
焼結体は常圧焼結後、さらにHIP処理を行うことによ
り、前記好ましい気孔率に到達させる事も可能である。
気孔率が好ましい上限を超えると比剛性率が不十分であ
ったり、焼結後の加工時にチッピングを起こし易くなる
等の不具合が発生する場合がある。なお気孔率には特に
好ましい下限はなく、所望の比剛性率に到達するまで気
孔率を小さくすれば良い。
【0016】この炭化硼素の常圧焼結においては焼結雰
囲気はアルゴン、窒素、真空などの非酸化雰囲気で、最
高温度を2000〜2400℃とすることが好ましい。
この焼成条件で焼結させるためには焼結助剤が必要であ
る。その焼結助剤の主成分としては有機物が好ましく、
例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチ、タール、
カーボンブラック、ポリカルボンシラン、炭化タングス
テンなどを適宜組合せて用いることができる。
【0017】また、本発明におけるセラミックス焼結体
のもう一つの好ましい例として炭化珪素焼結体を挙げる
ことができる。炭化珪素焼結体は前記炭化硼素焼結体に
比較するとその比剛性率においては劣るものの、価格が
安い点や、焼結後の加工性が優れているという利点があ
る。炭化珪素焼結体は常圧焼結により製造されるもので
あって、その気孔率が5体積%以下であることが好まし
く、3体積%以下であればさらに好ましい。なお、炭化
珪素焼結体は常圧焼結後、さらにHIP処理を行うこと
により、前記好ましい気孔率に到達させる事も可能であ
る。気孔率が好ましい上限を超えると比剛性率が不十分
であったり、焼結後の加工時にチッピングを起こし易く
なる等の不具合が発生する場合がある。なお気孔率には
特に好ましい下限はなく、所望の比剛性率に到達するま
で気孔率を小さくすれば良い。
【0018】この炭化珪素の常圧焼結においては焼結雰
囲気はアルゴン、窒素、真空などの非酸化雰囲気で、最
高温度を1800〜2400℃とすることが好ましい。
この焼成条件で焼結させるためには焼結助剤が必要であ
る。その焼結助剤の主成分としては炭素原子を含む化合
物、硼素原子を含む化合物、アルミニウム原子を含む化
合物からなる群より選択された化合物が好ましく、例え
ば炭化硼素、アルミニウム、アルミナ、窒化アルミニウ
ム、フェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチ、タール、カ
ーボンブラック、等を適宜組合せて用いることができ
る。
【0019】また本発明におけるセラミックス焼結体の
好ましいもう一つの例として、再結晶炭化珪素焼結体に
金属を含浸させたものを挙げることができる。この金属
含浸再結晶炭化珪素焼結体は、上記の炭化珪素焼結体に
比べると焼結時の収縮が非常に小さいため、大型複雑形
状品に応用するのに有利である反面、比剛性率は炭化珪
素焼結体に比べるとやや落ちることや、含浸した金属に
起因する耐酸、耐アルカリ、耐プラズマなどの化学的特
性の低下が見られるなどの欠点もある。
【0020】再結晶炭化珪素焼結体は多孔質体であるた
め、本発明におけるセラミックス焼結体として使用する
ためには金属を含浸させて緻密体とする必要がある。含
浸させる金属としてはシリコン、アルミニウム、アルミ
ニウム合金などが好ましく、特に好適なものはシリコン
である。
【0021】また本発明におけるセラミックス焼結体の
好ましいもう一つの例として、反応焼結により製造され
たシリコン含浸炭化珪素焼結体を挙げることができる。
この反応焼結シリコン含浸炭化珪素焼結体はシリコン含
浸再結晶炭化珪素焼結体と比較すると、焼結時の寸法変
化に起因するクラックの発生を防止という観点からの寸
法・形状の自由度はやや劣るものの、反応焼結・シリコ
ン含浸が同時に行われるため製造コストが安いという利
点がある。
【0022】以上述べたようなセラミックス焼結体以外
にもアルミナ、窒化珪素、窒化硼素などのセラミックス
焼結体や、これまで述べてきたようなセラミックス焼結
体を繊維強化した材料などを用いることができる。
【0023】本発明におけるセラミックス焼結体の焼結
工程前の成形工程における好ましい成形方法としては鋳
込成形を挙げることができる。鋳込成形とはセラミック
粉末を主成分とし成形助剤及び焼結助剤と共に溶媒中に
分散させたスラリーを多孔質型に注型し、多孔質型に溶
媒の一部を型の毛管吸引力やスラリーへの直接加圧等に
より吸収させることにより該スラリーを固化させてから
脱型・乾燥させる成形方法である。溶媒としては水や各
種有機溶媒が用いられるが、最も汎用性があるのは水を
主成分とする溶媒である。なお、本発明における移動体
装置で特に大型・肉圧の製品を鋳込成形する場合におい
ては、長時間の着肉を行うとスラリーの沈降やいわゆる
すわりなどの現象により均一な成形体が得られない場合
がある。この場合短時間で着肉を達成する方法のひとつ
として、着肉中のスラリーに加圧する加圧成形の手段を
あげることができる。加圧のための圧力には特に制限は
なく、高圧にするほど着肉速度が大きくなるが、工業的
には0.3MPa〜10MPa程度の圧力が適当である。
【0024】ここでいう成形助剤とはスラリーの流動特
性やスラリー中の粉体の分散特性を向上させると共に成
形体のバインダーや可塑性付与剤として機能して成形体
強度を向上させるものであることが好ましく、好ましい
成形助剤としてはアルギン酸ナトリウム、アルギン酸ア
ンモニウム、アルギン酸トリエタノールアミン等のアル
ギン酸塩、ポリカルボン酸アンモニウム、ジブタルフタ
ール、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメ
チルセルロースナトリウム、カルボキシルメチルセルロ
ースアンモニウム、メチルセルロース、メチルセルロー
スナトリウム、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロ
キシルエチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、アクリル酸またはそのアンモニウム塩のオリゴマ
ー、モノエチルアミンなどの各種アミン、ピリジン、ピ
ペリジン、水酸化テトラメチルアンモニウム、デキスト
リン、ペプトン、溶性デンプン、各種ポリマー、各種エ
マルジョン等の有機物や粘土類を挙げることができる。
【0025】なおここでいうスラリーの流動特性を向上
させるとは増粘または解膠作用によりスラリーの粘性を
最適値に調節することやスラリーの流動特性にチクソト
ロピー性を付与することをさしており、特に焼結特性の
みを考慮してセラミック粉体の粒度分布幅を狭くした場
合スラリーはダイラタンシー性を示すようになるため、
この成形助剤の添加により流動特性をチクソトロピック
に改質することは重要である。
【0026】この焼結特性と流動特性を両立させるため
の好ましいセラミック粉体の粒度分布としては、平均粒
径の1/2より小さな粒径を持つ粉体の体積分率が10
%以上を占めるようにすることが好ましい。この体積分
率が好ましい下限未満になると、成形助剤の添加によっ
ては好ましいスラリーの流動特性が得られない場合があ
る。この体積分率には好ましい上限はなく、各粉体の焼
結特性により、焼結度が悪化しない範囲で粒度分布を広
くすることが好ましい。
【0027】以上本発明における構成材料としてセラミ
ックス焼結体を用いる場合の成形方法及び焼結方法に関
して述べてきたが、それぞれの工程に用いられる成形助
剤、焼結助剤として共通のものを用いる手段を優れた物
性の焼結体を得る手段としてあげることができる。これ
は例えば成形助剤が焼結に関与しないものである場合、
その成形助剤を焼結工程中で加熱により取り除く必要が
あり、その取り除かれた焼結助剤の分だけ充填が低くな
って焼結が妨げられてしまうことを防ぐためである。
【0028】この成形助剤として働くと共に焼結助剤と
しての働きを呈する成分としては、例えば非酸化物セラ
ミックス用の助剤としては有機物を、酸化物セラミック
スやシリカまたはアルミナが焼結助剤として働くセラミ
ックス用としては粘土をあげることができ、その中でも
特に好適なものは、高分子有機物である。
【0029】成形助剤及び焼結助剤として両方の働きを
する高分子有機物としては、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、弗素樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ス
チロール樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、酢
酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化
ビニル樹脂、セルロース樹脂、糖類などをあげることが
できる。高分子有機物の場合、焼結助剤として働くのは
主として炭素分であるため、焼結助剤としての効率を上
げるためには炭素分の含有量が多い有機物が好ましく、
例えばフェノール樹脂やフラン樹脂をあげることができ
る。
【0030】上述のような成形助剤及び焼結助剤として
作用する高分子有機物は成形工程及び焼結工程において
均一にセラミックス粉体周辺に存在することが好まし
い。そのために通常考えられる方法としては溶媒中に高
分子有機物を溶解させた状態で成形し、成形工程の進行
に伴って溶媒分が減少し、ついには溶媒分が完全になく
なるにつれて溶解していた高分子有機物が粉体の間隙に
存在せしめるという方法を採ることができる。
【0031】その他の高分子有機物を成形工程及び焼結
工程中に均一に粉体周辺に存在せしめる手段としては、
使用する溶媒に実質的に溶解しない高分子有機物をあら
かじめコーティングした粉体を用いて成形する方法を挙
げることができる。例えば溶媒として水を用いて鋳込成
形を行う場合においては、まず有機溶媒に溶解するが水
には実質的に溶解しない高分子有機物を有機溶媒中に溶
解させ、該溶液とセラミックス粉体を混合した後に該混
合物から有機溶剤を蒸発などの手段により実質的に取り
除いた、高分子有機物がコーティングされた粉体を製造
する。次に高分子有機物がコーティングされた粉と水を
混合してスラリーを製造し、そのスラリーを用いて鋳込
成形を行う。有機溶媒を用いて鋳込成形を行う場合にお
いては全く逆に水溶性であるが該有機溶媒には実質的に
溶解しない高分子有機物を用いて、セラミックス粉体表
面をあらかじめコーティングしておけばよい。これは従
来の湿式成形法の常識となっている使用する溶媒に可溶
の成形助剤を用いるという概念の全く反対である。なお
この場合の各溶媒に対しての水溶性、油溶性というのは
水性または油性のエマルジョンを形成するものも含んで
応用することができる。また水や有機溶媒に溶解しない
という意味は、全く溶解しないというわけではなく仮に
ごく微量溶解するにせよ実質的な意味でそれは無視する
ことができるという意味である。例えば高分子有機物と
してフェノール樹脂を用いる場合においては、フェノー
ル樹脂には油溶性のものが多いノボラック型と水溶性の
ものが多いレゾルシン型があり、溶媒として水を用いて
鋳込成形を行う場合は油溶性のノボラック型を用い、溶
媒として有機溶媒を用いて鋳込成形を行う場合は水溶性
のレゾルシン型を用いると好適である。この方法が優れ
ている点としては例えば鋳込成形型が高分子有機物を吸
い込むことによって目詰まりを起こすことを防ぐこと
や、また成形体の乾燥工程において高分子有機物の成形
体中の部分的な偏析が発生することを防ぐことをあげる
ことができる。またこの方法は従来の溶媒に可溶の助剤
を使用する場合に比べると成形体にずば抜けて優れた可
塑性及び/または強度を付与する事ができる。
【0032】この粉体にあらかじめ高分子有機物をコー
ティングしておく場合の好ましい粉体と高分子有機物の
比率は、粉体100体積部に対して高分子有機物1−4
0体積部であり、高分子有機物の量が好ましい範囲の下
限以下であると助剤としての効果が充分に発揮できない
場合があり、高分子有機物の量が好ましい上限以上であ
ると、焼結が充分に進まなかったり鋳込成形を行う場合
スラリーの粘性が高すぎて鋳込みに適さなくなるなどの
場合がある。
【0033】なお、このような樹脂などの成形助剤及び
焼結助剤としての両方の働きを示す成分が発現する成形
助剤としての機能としては、成形工程において成形体に
可塑性及び/または強度を付与する機能をあげる事がで
きる。この可塑性とは成形体にしなやかさを与えること
により、工程中に成形体に何らかの応力がかかった場合
においても変形によるクラックが発生するのを抑える働
きをするものである。また強度とは文字通り成形体の強
度を向上させることにより、成形体に衝撃などの外力が
加えられた場合にも破損などが生じないようにすること
を意味している。可塑性は主として成形体中に溶媒が比
較的に多い場合に重要なファクターであり、成形体の乾
燥が進み溶媒が比較的少なくなってからは強度が重要な
ファクターとなる。
【0034】なお、上記のように樹脂などの成形助剤及
び焼結助剤の両方の働きを示す成分が発現する成形助剤
としての機能は主として可塑性及び/または強度である
ため、その他の機能を示す成形助剤として例えば解膠剤
や分散剤は別途加える必要がある場合が多い。また可塑
性や強度を向上させる成形助剤を更に別途組み合せて用
いることもできる。焼結助剤に関しても同様に、成形助
剤及び焼結助剤の両方の機能を呈する成分以外に、別の
焼結助剤と組み合せることも可能である。
【0035】また本発明における保護部材の重量をさら
に低減させたりまた耐衝撃性を向上させたりする方法と
してセラミックス部材を中空構造および/又はリブ構造
とする手段を挙げることができる。この様な複雑な構造
をとるためには、剛性の高い材料、特にセラミックス焼
結体を用いる場合、焼結後の研削加工の工数をなるべく
少なくする必要があり、ニアネットシェイプ構造をでき
るだけ成形工程でおりこむ必要がある。
【0036】セラミック焼結体でこのような中空構造及
び/又はリブ構造のものを製造する手段として最も簡便
な手段としてはまず鋳込成形の型割によりこのような構
造を作りこむ手段を挙げることができる。鋳込成形に
は、成形体の両面に型を配して溶媒を吸収させる固形
(2重)鋳込成形と、成形体の片面に型を配してもう片
面の余剰泥漿を排出する排泥(1重)鋳込成形があり、
中空構造を作る場合には中空部の泥漿を排出するような
型割に、またリブ構造を作る場合には、固形鋳込成形で
リブ部分の両側からはさみこんだ型により溶媒を吸収す
る型割とする手段が好適である。
【0037】その他の手段としては成形体同志の接合又
は焼結体同志の接合により目的とする構造を作りこむ手
段を挙げることができる。その場合の接合剤としては、
成形体を接合する場合には成形体を構成するセラミック
粉体と同じセラミック粉体を主成分として分散媒や増粘
剤等の添加剤を加えたものが好ましく、また焼成体を接
合する場合には各種合金やシリコンなどのろう剤が好ま
しい。
【0038】本発明においては比剛性のなるべく大きな
構成材料を用いる必要があるが、汎用工業材料として最
も比剛性が大きいのは炭化硼素であり、本発明に用いら
れる構成材料としては価格面では炭化珪素などと比較す
ると劣るものの、物性面では最も好適である。
【0039】炭化硼素を鋳込成形する場合の焼結性が好
ましい炭化硼素の平均粒径は0.3μm〜1.5μmであ
り、これは通常の鋳込成形に比べると非常に微粒である
ため成形体の充填があがりにくく、成形体の可塑性や強
度も発現しにくい粒度構成である。この様な成形体の物
性を向上させるためには前述の成形助剤としても焼結助
剤としても作用する助剤を用いることが好ましく、特に
好ましい助剤はフェノール樹脂、フラン樹脂などの樹脂
分である。焼結助剤としては上記樹脂分を単独で用いて
も良く、硼化チタン、ポリカルボシラン、炭化タングス
テン、炭化鉄、炭化タリウム、弗化アルミニウム、炭化
ジルコニウムなどと組み合せることもできる。
【0040】助剤として用いられる樹脂分等は非酸化性
雰囲気下の焼結工程中の昇温過程において、蒸し焼きに
されて炭素分を骨格成分とする物質に変換され、この物
質が炭化硼素の粒成長を抑制して焼結助剤としての働き
を示す。この炭素分の焼結助剤としての作用は常圧焼結
に特有のものであり、焼成体中の炭化硼素結晶の平均粒
径を好ましい範囲である10μm以下におさえることが
できる。なお、粒成長が進み、結晶粒子径が好ましい範
囲を超えると強度などの物性に悪影響が及ぶ場合があ
る。なお、焼結前の炭化硼素はB4Cに比べて硼素分が
多い結晶を多量に含んでいる場合が多いが、それらの結
晶中に焼結助剤の炭素が取り込まれて、焼結体中の炭化
硼素はB4Cがその主成分となる。なお、焼結助剤とし
ての炭素分の一部は黒鉛結晶としても焼結体中に存在す
る。
【0041】また本発明における好ましい飛翔体の衝突
による衝撃を緩和する保護部材としてはセラミックス焼
結体にバックアップ材を貼りあわせた構造のものをあげ
ることができる。好ましいバックアップ材料としては例
えば繊維強化プラスチックをあげることができる。この
場合の繊維強化プラスチックとしては例えばエポキシ樹
脂やポリエステル樹脂などをガラス繊維、炭素繊維、炭
化珪素繊維、アラミド繊維等で強化したものをあげるこ
とができる。
【0042】また本発明における好ましい飛翔体の衝突
による衝撃を緩和する保護部材としてはセラミックス焼
結体を他材質でサンドイッチ構造にはさみこんだものを
あげることもできる。この場合のセラミックス焼結体を
はさみこむ材料としては例えばアルミニウム、各種鋼
材、各種超合金等の金属材料をあげることができる。ま
たこの様なサンドイッチ構造の保護部材においては、は
さみこまれるセラミックス焼結体をリブ構造や中空構造
にすることが保護部材の軽量化と飛翔体の衝突による衝
撃吸収機能の向上の両面から好適な場合がある。
【0043】また本発明における保護部材は、飛翔体の
衝突予想方向に対し斜めに配置されるような構造の装置
に適用されるとさらにその効果を増すことができる。こ
れは該保護部材が飛翔体の衝突方向に対しθの角度で傾
くと、その見かけ上の厚みが1/cosθとして機能す
る避弾経始の原理を応用したものである。飛翔体が特定
の方向から飛来することが判っている場合においてはそ
の方向に対して大きな角度をつけた平板状の保護部材を
設計することも可能であるが、その方向が一概に特定で
きない場合においては、丸みを帯びた曲面状の構造の保
護部材が有利な場合があり、このような保護部材の構造
に合せるためにその構成部材としてのセラミックス焼結
体も複雑な曲面形状が要求される場合があり、本発明の
技術を好適に応用することができる。またその他にも従
来の板状のセラミックスを用いたのでは不可能であった
複雑形状の保護部材の製造が可能となったり、複数の保
護部材の組み合わせによってしか達成できなかった構造
が一体で製造したりする事ができるようになる。
【0044】本発明における保護部材が応用できる対象
には特に制限がなく、各種構築物・建築物、宇宙船・飛
行機・ヘリコプター・ヘリコプターの乗員席・各種車両
・戦車・船舶等の移動体、人体保護具など、飛翔体の衝
突の危険が予想される装置に広範囲に応用することがで
きる。
【0045】
【実施例】以下の方法によって、種々のセラミックス焼
結体を作成した。 (実施例1)炭化硼素粉末(平均粒径0.74μm、比重
2.5、エレクトロシュメルツベルクケンプテン社製)
に、所定量のノボラック型フェノール樹脂(比重1.1
8、昭和高分子(株)製)をアセトン溶液として加え、混
合攪拌し、アセトンを十分蒸発させた後粉砕して、フェ
ノール樹脂をコーティングした炭化硼素粉末を得た。こ
の炭化硼素粉末を25体積部、水75体積部となるよう
に各原料を調合し、混合攪拌してスラリーとした。なお
分散剤として、ポリカルボン酸アンモニウム塩(花王
(株)製)を炭化硼素粉末100重量部に対して1重量部添
加した。攪拌方法は、凝集粒子をできるだけ均一に分散
させることを目的に10000rpmの高速せん断応力を
加えた。その後300rpmで真空攪拌を行い脱泡し
た。このようにして得られた鋳込み成形用炭化硼素粉末
スラリーを35mmΦの石膏型に流し込み、排泥鋳込成
形を行った。5mm着肉させた後に排泥し、5分間放置
した後に離型、乾燥して成形体を得た。離型時と乾燥後
の重量変化から成形体の充填率を算出した。また前記乾
燥後の成形体から試験片を切り出し、アルキメデス法に
より乾燥体の充填率を測定した。さらに前記試験片を次
のヒートカーブで焼成した。 20〜1200℃(真空下):1時間 1200〜2250℃(Arガス雰囲気下):1時間40分 2250℃に保持(Arガス雰囲気下):30分 得られた焼結体の相対密度をアルキメデス法により測定
した。これらの結果を表1に示す。なおフェノール樹脂
添加量は、炭化硼素粉末に対する体積部で表記した。
【0046】(実施例2)炭化硼素粉末(平均粒径0.
74μm、比重2.5、エレクトロシュメルツベルクケ
ンプテン社製)に、ノボラック型フェノール樹脂(比重
1.18、昭和高分子(株)製)のアセトン溶液とポリカ
ルボシランのヘキサン溶液との混合溶液を加え、混合攪
拌し、有機溶剤を十分蒸発させた後粉砕して、出発原料
である炭化硼素粉末とした。この粉末を用いて実施例1
と同一の方法、条件により成形・焼成を行った。なおフ
ェノール樹脂及びポリカルボシランの添加量は炭化硼素
粉末に対する体積部で表記した。
【0047】(実施例3)炭化硼素粉末(平均粒径0.
74μm、比重2.5、エレクトロシュメルツベルクケ
ンプテン社製)約200gに、炭化硼素の焼結助剤とし
てTiC、ZrC、Fe3C、TiB2、AlF3粉末をそれぞれ所定の添
加量になるように配合した混合粉体に、水約1000g
を加えてポットミルで24時間混合し、炭化硼素粉末と
焼結助剤粉末を水中で均一に分散させた後、この混合物
を乾燥、粉砕して出発原料の炭化硼素質混合粉末を得
た。この粉末を用いて実施例1と同一の方法、条件によ
り成形・焼成を行った。なお各粉末焼結助剤の添加量
は、炭化硼素粉末に対する体積部で表記した。
【0048】(実施例4)実施例3で作製した炭化硼素
と各種粉末系焼結助剤との混合粉末に、実施例1と同一
の方法でフェノール樹脂をコーティングさせた。この炭
化硼素粉末、粉末焼結助剤及びフェノール樹脂との混合
粉末を用いて、実施例1と同一の方法、条件により成形
・焼成を行った。
【0049】(比較例1)炭化硼素粉末を30体積部、
水70体積部を調合し、実施例1と同一の方法により成
形体を作製し、炭化硼素焼結体を製造し、得られた焼結
体の相対密度を測定した。なお分散剤として、ポリカル
ボンアンモニウム塩を炭化硼素粉末に対して1重量部添
加した。
【0050】(比較例2)比較例1の材料に加えレゾル
シン型フェノール樹脂水溶液(昭和高分子(株)製)を炭
化硼素粉末100体積部に対し5−50体積部加えてス
ラリーを作成し、石膏型に鋳込成形を行った。その結果
はほとんど着肉現象が発生せず、成形体を得る事はでき
なかった。
【0051】実施例1−4、比較例1の各物性の測定結
果を表1に示す。なお表中の空欄は未測定であることを
示し、比較例2については成形体を得る事ができなかっ
たため当然ながら結果は表示していない。なお実施例
1,2,4の成形体は脱型時に高い可塑性を示し脱型時
の成形体を曲げたりひねったりしてもクラックが発生し
なかったのに対し、実施例3、比較例1の成形体に関して
は脱型時に成形体を少し曲げたりひねったりしただけで
クラックが発生した。また乾燥後の成形体に関しては実
施例1,2,4の成形体は高強度で10cmほどの高さ
から落下させても破損しないのに対し、実施例3、比較
例1の成形体は5cm程度の高さから落下させると大き
く破損した。なお、実施例3のサンプルは成形体の可塑
性や強度に関して他の実施例に比べて劣るものの、焼成
体の物性においては遜色がなく、成形時に変形や破損の
危険がないプロセスにおいては充分に実用可能である。
【0052】
【表1】
【0053】(実施例6)実施例1のフェノール樹脂添
加率18.9体積部の組成にて、石膏成形による固形鋳
込成形、及び1.8MPaの加圧成形による排泥鋳込成
形の手段により成形体を作成した。なお、石膏成形にお
いては着肉予想時間の2倍の土締め時間を設定し、加圧
成形においては排泥終了後0.3MPaの圧力で10分
間の土締めを実施した。得られた成形体を乾燥して乾燥
体充填率を測定した後に、後述の焼成パターンI、II
に従い焼結したサンプルをJISR1601の手法によ
る3点曲げ強度、JISR1602の手段による共振法
によるヤング率および3点曲げによるヤング率、アルキ
メデス法による焼成体相対密度及びかさ比重を測定し
た。その測定結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】(実施例7)実施例6のスラリーにさらに
炭化硼素100体積部に対しTiB2を2.8体積部加
えたスラリーを実施例6と同様に成形・焼成して同様の
物性測定を行った。その測定結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】なお、上記焼成パターンI IIは以下の
通りである。 I 20〜1200℃(真空下):1時間 1200〜2000℃(Arガス雰囲気下):1時間10分 2000〜2250℃(Arガス雰囲気下):30分 2250℃に保持(Arガス雰囲気下):30分 加熱OFF(自然冷却、Arガス雰囲気下) II 20〜1200℃(真空下):3時間 1200〜2000℃(Arガス雰囲気下):2時間10分 2000〜2250℃(Arガス雰囲気下):30分 2250℃に保持(Arガス雰囲気下):30分 2250〜1200℃:(Arガス雰囲気下)2時間30分 1200〜200℃:(Arガス雰囲気下)2時間40分 加熱OFF(自然冷却、Arガス雰囲気下)
【0058】
【発明の効果】上述のように本発明によれば継ぎ目のな
い、あるいは避弾経始のための曲面構造をとる、あるい
はリブ構造や中空構造のような複雑形状の保護部材や該
保護部材を外殻に用いた飛翔体の衝突による衝撃を緩和
する保護部材を簡便にかつ低コストで製造する事ができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G001 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BB22 BB23 BB24 BB25 BB26 BC13 BC17 BC21 BC25 BC32 BC54 BD13 BD14 BE31

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉体を鋳込成形した後に焼
    結させたセラミックス焼結体を構成要素として含む、飛
    翔体の衝突による衝撃を緩和する保護部材。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス焼結体が、セラミック
    ス粉体と溶媒と助剤を主成分とする混合物を出発原料と
    して、該混合物を鋳込成形及び焼結することにより製造
    したものであり、該溶媒の主成分が水であることを特徴
    とする、請求項1に記載の飛翔体の衝突による衝撃を緩
    和する保護部材。
  3. 【請求項3】 前記助剤の主成分が高分子有機物であ
    る、請求項2に記載の飛翔体の衝突による衝撃を緩和す
    る保護部材。
  4. 【請求項4】 前記焼結工程の全部または一部を非酸化
    性雰囲気とすることにより、前記高分子有機物を該高分
    子有機物の炭素分を骨格成分とする物質に変換し、該炭
    素分を骨格成分とする物質が該粉体の焼結助剤としての
    作用を示すことを特徴とする、請求項3に記載の飛翔体
    の衝突による衝撃を緩和する保護部材。
  5. 【請求項5】 前記助剤が成形工程においては成形体に
    可塑性及び/または強度を付与する成形助剤として作用
    し、焼結工程においては該助剤が焼結を促進する焼結助
    剤としての効果を呈するものであることを特徴とする請
    求項2乃至4に記載の飛翔体の衝突による衝撃を緩和す
    る保護部材。
  6. 【請求項6】 前記セラミックス粉体が炭化硼素粉体で
    ある請求項1乃至5に記載の飛翔体の衝突による衝撃を
    緩和する保護部材。
  7. 【請求項7】 前記炭化硼素粉体の平均粒径が0.3μ
    m〜1.5μmであることを特徴とする請求項6に記載
    の飛翔体の衝突による衝撃を緩和する保護部材。
  8. 【請求項8】 前記助剤が高分子有機物であり、焼結工
    程の全部または一部を非酸化性雰囲気とすることによ
    り、該高分子有機物を炭素分を骨格成分として含む物質
    に変換し、該炭素分を骨格成分として含む物質が該粉体
    の焼結助剤としての作用を示し、焼結終了時には該炭素
    分の一部または全部が焼結体中に黒鉛として存在するこ
    とを特徴とする請求項6または7に記載の飛翔体の衝突
    による衝撃を緩和する保護部材。
  9. 【請求項9】 前記炭素分の一部が焼結終了時に焼結体
    中に、炭化硼素結晶の炭素分としても存在することを特
    徴とする請求項8に記載の飛翔体の衝突による衝撃を緩
    和する保護部材。
  10. 【請求項10】 前記セラミックス粉体が炭化珪素粉体
    である請求項1乃至5に記載の飛翔体の衝突による衝撃
    を緩和する保護部材。
  11. 【請求項11】 前記セラミックス焼結体の気孔率が3
    体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至10に
    記載の飛翔体の衝突による衝撃を緩和する保護部材。
  12. 【請求項12】 前記高分子有機物が前記溶媒に実質的
    に溶解しないものであり、該高分子有機物を前記セラミ
    ックス粉体にコーティングする工程が前記セラミックス
    焼結体の製造工程中に含まれることを特徴とする、請求
    項3乃至11に記載の飛翔体の衝突による衝撃を緩和す
    る保護部材。
  13. 【請求項13】 前記構成要素としてさらに、飛翔体の
    衝突による衝撃を吸収するための前記セラミック焼結体
    のバックアップ材を含むことを特徴とする、請求項1乃
    至12に記載の飛翔体の衝突による衝撃を緩和する保護
    部材。
  14. 【請求項14】 前記セラミックス焼結体を他材質では
    さみこむサンドイッチ構造をとることを特徴とする、請
    求項1乃至13に記載の飛翔体の衝突による衝撃を緩和
    する保護部材。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至14に記載の飛翔体の衝
    突による衝撃を緩和する保護部材を外殻の全部または一
    部に用いる装置。
  16. 【請求項16】 前記飛翔体の衝突による衝撃を緩和す
    る保護部材を用いた外殻の全部または一部が、飛翔体の
    衝突予想方向に対して斜めに配置されたことを特徴とす
    る請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 装置外殻の全部または一部が飛翔体の
    衝突予想方向に対して斜めに配置されるための、曲面構
    造を有するセラミックス焼結体を構成要素として含む飛
    翔体の衝突による衝撃を緩和する曲面構造を有する保護
    部材。
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