JP2002159828A - 吸放湿性材料 - Google Patents

吸放湿性材料

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JP2002159828A
JP2002159828A JP2000359321A JP2000359321A JP2002159828A JP 2002159828 A JP2002159828 A JP 2002159828A JP 2000359321 A JP2000359321 A JP 2000359321A JP 2000359321 A JP2000359321 A JP 2000359321A JP 2002159828 A JP2002159828 A JP 2002159828A
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Toshiyuki Kojima
豪志 児島
Hideki Yamamoto
秀樹 山本
Mitsuru Nakakawara
満 中河原
Yutaka Yakabe
裕 矢賀部
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】飽和吸湿量及び吸放湿速度の両面に優れてお
り、環境空気中の湿度の長期的な変動にも短期的な変動
にも十分に対応可能な吸放湿性能を有する吸放湿性材料
を提供する。 【解決手段】吸水性物質22及び吸湿性物質23を含有
する吸放湿性材料である。例えば、高吸水性ポリマー等
の吸水性物質22及び吸湿性無機質粉体等の吸湿性物質
23を基質樹脂21中に混合分散した吸放湿性樹脂層2
を基材1上に設けて構成される。吸放湿性樹脂層2上に
発泡した透湿性保護層4を設け、絵柄印刷層5やエンボ
スによる凹凸模様6を施すこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高湿時には環境空
気中の水分を吸収する一方、低湿時には吸収していた水
分を環境空気中に放散することにより、環境空気中の湿
度の変動を緩和する機能を有する吸放湿性材料に関する
ものであり、特に建築物の内装材などとして有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】現代の建築物は、鉄筋コンクリート構造
やプレハブ工法の普及、樹脂加工合板等の合成材料から
なる新建材や扉及び窓における金属サッシの発達等によ
って、かつての純日本建築と比較すれば著しく気密性の
高いものとなっている。係る建築物の高気密性は、冷暖
房効果の向上によるエネルギー資源の節約や、防音性の
向上による近隣騒音公害の防止などの観点からは、大変
に望ましいものであると言うことができる。しかしその
反面、室内における居住者の生活活動(人間の呼気、炊
事、風呂・シャワー等)が発生する湿気が、室外に逃げ
られずに室内に籠もり易く、行き場を失った湿気が壁面
や窓ガラス、窓枠サッシ等の表面に結露して、美観上及
び触感上望ましくないのみならず、建築材料の汚損や腐
蝕の原因となって、建築物の寿命を縮める要因ともなり
兼ねないという問題がある。
【0003】この問題の解決策としては、建築物に強制
換気装置又は空気調和装置等を設置して、室内の湿度を
常に一定範囲内に保つ方法なども、一部で研究されては
いるが、廊下や収納空間等も含めた建築物内部全体を対
象に強制換気又は空気調和させる為には、初期の設備投
資負担が著しく重くなることに加えて、夜間や外出時も
含めて設備を24時間稼働させると電気代の負担も重
く、設備の保守整備の手間や費用もかかることから、一
般家庭用としてはあまり現実的な方法であるとは考えら
れていない。
【0004】そこで、上記の様な特殊な設備によらずに
室内の湿度を調節する方法として、高湿時には環境空気
中の水分を吸収する一方、低湿時には吸収していた水分
を環境空気中に放散する機能を有する、吸放湿性材料を
室内に設置することで、室内の湿度変動を緩和する方法
が考案されている。この吸放湿性材料の設置の態様とし
ては種々考えられるが、吸放湿機能を迅速且つ十分に発
揮するためには、環境空気と接触する表面積が大きいほ
ど有利であると考えられることから、建築物の室内にお
いて大きな表面積を占める壁面や天井面等を、吸放湿性
材料を使用した壁紙等の内装材で仕上げる方法が、最も
有望視されている。
【0005】上記の吸放湿性材料を使用した壁紙として
具体的には、例えば難燃紙等の裏打紙の上にポリ塩化ビ
ニル樹脂等の発泡樹脂層を設けた通常の壁紙において、
吸放湿性を具備させるために、発泡樹脂層に例えばシリ
カゲル又はゼオライト等の吸湿性無機粉体を配合したも
のや、発泡樹脂層に例えばアクリル系樹脂又はポリビニ
ルアルコール系樹脂等の高吸水性ポリマーを配合したも
のなどが考案されている。しかるに、吸湿性無機粉体を
使用したものは、湿度変動時の吸放湿速度は速いもの
の、吸湿量の絶対量が少なく、すぐに飽和又は乾燥して
しまうために、長期的には室内の湿度変動の緩和能力が
必ずしも十分ではないという問題点があった。一方、高
吸水性ポリマーを使用したものは、吸水量の絶対量が多
いので、長期的に大量の水分を吸収・放出する能力の面
では有利であるが、その反面、湿度変動時の吸放湿速度
は遅いので、環境空気中の湿度が短時間に大幅に変動す
る場合には、十分に追従することができないという問題
点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点に着目してなされたもの
で、その課題とするところは、飽和吸湿量及び吸放湿速
度の両面に優れており、環境空気中の湿度の長期的な変
動にも短期的な変動にも十分に対応可能な吸放湿性能を
有する吸放湿性材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の吸放湿性材料
は、吸水性物質及び吸湿性物質を含有することを特徴と
するものであり、特に、基材上に、吸水性物質及び吸湿
性物質を含有する吸放湿性樹脂層を少なくとも具備する
ことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
詳細に説明する。図1は本発明の吸放湿性材料の実施の
形態を示す模式断面図である。
【0009】本発明の吸放湿性材料の一例を挙げると、
図1に示す様に、支持体となる適宜の基材1の表面上
に、高吸水性ポリマー等の吸水性物質22と、吸湿性無
機質粉体等の吸湿性物質23とが基質樹脂21中に混合
分散された樹脂組成物からなる吸放湿性樹脂層2を具備
して構成されるものである。吸放湿性樹脂層2上には必
要に応じて、吸放湿性樹脂層2の吸湿時のべとつきや変
形、傷付き等を防止するための透湿性保護層4が設けら
れていても良い。
【0010】なお、本発明の吸放湿性材料は、上記の如
く吸水性物質22及び吸湿性物質23が樹脂中に混合分
散された形態に限定されるものではなく、例えば紙類、
織布、不織布、畳、繊維板等の繊維質材料や石膏、コン
クリート等の無機質材料等の内部に混合分散され又は表
面に担持された形態での利用も考えられるが、これらの
いずれの形態にあっても本発明の原理には変わるところ
がないので、以下簡単のため上記した図1に示す形態に
ついて説明する。
【0011】本発明の吸放湿性材料における基材1の具
体的な材質や形状については一切限定されるものではな
く、例えば紙、織布又は不織布等の繊維質シートや、ポ
リオレフィン系樹脂シートやポリエステル系樹脂シート
等の合成樹脂シート、合成ゴムシート、アクリル樹脂板
やポリカーボネート樹脂板、ABS樹脂板、FRP等の
合成樹脂系基材、合板や集成材、繊維板、パーティクル
ボード等の木質系基材、鋼鈑や真鍮板、アルミニウム板
等の金属系基材、石膏板や珪酸カルシウム板、セメント
板、コンクリート板等の無機質系基材等、任意のものを
使用することができ、その表面には必要に応じて、例え
ば目止め処理、ベースコート処理、プライマー処理、コ
ロナ放電処理、オゾン処理、火炎処理、研磨処理等の適
宜の表面処理が施されていてもよい。
【0012】特に、本発明の吸放湿性材料を壁紙として
使用する場合には、従来より合成樹脂系壁紙の基材とし
て使用されていた任意のシート状の材料が使用可能であ
る。具体的には例えば、木質パルプ等のセルロース系繊
維からなる抄造紙にスルファニル酸グアナジン又はリン
酸グアナジン等の水溶性難燃剤を含浸させたパルプ紙系
難燃紙や、セルロース系繊維の抄紙時に炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム等の無
機質剤を混抄した無機混抄紙、ガラス繊維又はアルミナ
繊維等の無機繊維を抄造した無機繊維紙等の難燃紙乃至
不燃紙や、同じく難燃剤や無機質剤を添加し又は無機繊
維から製造した難燃性乃至不燃性の織布又は不織布等、
何れも使用可能である。
【0013】本発明の吸放湿性材料における吸放湿性樹
脂層2は、基質樹脂21中に吸水性物質22及び吸湿性
物質23が混合分散されて構成されるものである。基質
樹脂21としては、被膜形成性を有しつつ、吸水膨潤性
が少なく、吸水性物質22の吸水膨潤時にも被膜の形態
を維持可能な樹脂材料であれば如何なる樹脂であっても
良いが、吸水性物質22や吸湿性物質23の環境空気中
との間での水分の吸収や放出を妨げることのない様に、
例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、SBR系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブテ
ン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の様に、透湿度の
高い樹脂を使用することが好ましく、これらの内いずれ
か1種を単独で使用してもよいし、2種以上の樹脂混合
物を使用することもできる。
【0014】吸放湿性樹脂層2に添加される吸水性物質
22としては、水酸基やカルボキシル基等の親水性の官
能基を多く含む比較的疎な構造の物質であって、自身の
体積を超える多量の水分を内部に吸収貯蔵可能な物質で
あれば良く、具体的には公知の一般的な高吸水性ポリマ
ー等が用いられ、例えば、デンプン−アクリル酸グラフ
ト重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合
体、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体、ポ
リビニルアルコール架橋重合体、ポリアクリル酸ナトリ
ウム架橋体、アクリル酸メチル−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物等が用いられる。また、馬鈴薯デンプンやデキス
トリン類等の天然物を用いることも可能であり、これら
の吸水性物質は単独、もしくは2種以上混合して使用す
ることもできる。
【0015】吸放湿性樹脂層2に添加される吸湿性物質
23としては、その表面に大量の水分子を吸着保持可能
な、大きな比表面積を有する多孔質の親水性無機物質の
粒子などが適当であり、具体的には例えば、シリカゲ
ル、ゼオライト、珪藻土、焼成タルク等からなる粉体等
を好適に使用することができる。
【0016】本発明の吸放湿性材料は上記の様に、吸水
性物質22と吸湿性物質23とを含有して構成されるこ
とにより、高湿状態が長期間に亘り継続する場合には、
飽和吸水量の大きな吸水性物質22の作用によって、大
量の水分を吸収蓄積してゆき、逆に低湿状態が長期間に
亘り継続すると、吸収蓄積していた大量の水分を放出し
てゆくので、湿度の長期的な変動を緩和する効果を奏す
ると共に、環境空気中に湿度が短期間に大幅に変動する
場合には、吸放湿速度の大きな吸湿性物質23の作用に
よって、短期間に大量の水分を吸収又は放出することが
できるので、湿度の短期的な変動に対する緩和効果をも
十分に奏することができる。
【0017】なお、上記した短期的な効果は、単に吸湿
性物質23が単独で吸放湿するのみならず、吸湿性物質
23が吸水性物質22の吸放湿を促進することにより、
吸湿性物質23を単独で使用した場合よりも遥かに大き
な吸放湿性能を示すことが明らかになった。その理由
は、高吸水性ポリマー等の吸水性物質22は、その周囲
に自発的に結露した水分を吸収するに留まるのに対し、
吸湿性物質は、湿度上昇時には気体状の水分子を積極的
に結露させてそれを吸水性物質22に受け渡し、一方、
湿度低下時には逆に、吸水性物質22が保有する水分を
受け取って気化蒸散させる機能を果たしているためと推
察される。
【0018】吸水性物質22と吸湿性物質23との配合
比は、本発明において特に限定されるものではないが、
吸湿性物質23自体の水分の吸収量は吸水性物質22と
比較すれば少ないので、吸水性物質22よりも吸湿性物
質23を多く配合すれば、長期的には飽和吸水量は少な
いが短期的な湿度変化時の吸放湿速度は高くなり、逆に
吸湿性物質23よりも吸水性物質22を多く配合すれ
ば、短期的な湿度変動への感度は低下するが長期的な飽
和吸水量は多くなるから、使用目的に応じて適宜設計す
ればよい。一般的には、吸湿性物質23は吸水性物質2
2の触媒的な意味で、吸水性物質22より少量で良く、
吸水性物質22の100重量部に対して吸湿性物質23
を30〜100重量部程度の配合とすることが望まし
い。
【0019】吸放湿性樹脂層2における基質樹脂21、
吸水性物質22及び吸湿性物質23の配合比は、本発明
において特に限定されるものではないが、一般的には基
質樹脂21を20〜80重量%、吸水性物質22及び吸
湿性物質23を合計80〜20重量%程度とすることが
望ましい。基質樹脂21の含有量が20重量%未満であ
ると、高湿時に吸水性物質22の吸水膨潤による著しい
変形や強度低下を十分に抑えることが困難であり、一
方、基質樹脂21の含有量が80重量%を越えると、十
分な吸放湿機能を得ることが困難である。吸放湿性樹脂
層2の厚さは、本発明において特に限定されるものでは
ないが、十分な吸放湿機能の発現と、製造時の加工性や
取扱時の可撓性等を考慮すると、一般的には10〜10
0μm程度の範囲内とすることが望ましい。
【0020】吸放湿性樹脂層2の表面上には、高湿時や
湿潤時に吸放湿性樹脂層2中の吸水性物質22が吸水膨
潤するための表面のべとつきや表面強度の低下を防止す
るために、吸放湿性樹脂層2の吸放湿機能を阻害しない
程度の透湿性を有する透湿性保護層4を設けることがで
きる。透湿性保護層4の材質としては、透湿度の高い被
膜を形成可能な親水性の樹脂組成物であることが必要で
あり、更に詳しくは、水溶液又は水分散液等の水性塗工
液の形で塗工可能であり、なお且つ、塗工乾燥後には親
水性でありながら非水溶性、耐水性の被膜を形成可能な
水性樹脂41を使用することが望ましく、同一若しくは
相異なる材質からなる2層以上の積層構造とすることも
差し支えない。
【0021】透湿性保護層4の主成分である水性樹脂4
1として具体的には、例えば水溶塩型アクリル系樹脂、
ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、カゼイン、セルロース誘導体、デキスト
リン類等の水溶性樹脂を例えばメラミン化合物、ブロッ
クイソシアネート化合物、エポキシ化合物、ヒドラジン
誘導体、アジリジン、有機過酸化物等の架橋剤の添加若
しくは電離放射線照射等の手段により架橋させて非水溶
化したものや、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、SBR系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン酢酸
ビニル共重合体樹脂、シリコーン系樹脂、ポリブテン樹
脂等の非水溶性樹脂粒子を水中に分散してなる水性エマ
ルジョン系樹脂などの少なくとも1種または2種以上の
樹脂混合物を使用することができる。塗工液の安定性や
塗工乾燥後の表面物性、微多孔状態となることによる高
透湿性などの面では、水性エマルジョン系樹脂の採用が
望ましい。水性エマルジョン系樹脂を架橋剤の配合又は
電離放射線照射等により架橋させても良いことも勿論で
ある。
【0022】透湿性保護層4は必要に応じて、機械発泡
法又は発泡剤42を配合する方法等の公知の適宜の手段
により、多孔質の細胞状に発泡させても良く、そうする
ことによって、透湿性保護層4の透湿性を更に向上し、
吸放湿性樹脂層2の吸放湿機能を更に存分に発揮させる
こともできる。また、本発明の吸放湿性材料を住宅等の
建築物における壁紙等の内装材として使用する場合に
は、透湿性保護層4を発泡させることでエンボスによる
凹凸模様6の形成を容易にし、意匠性にも優れた内装材
を容易に得ることができる利点もある。
【0023】上記発泡剤42としては、例えばアゾジカ
ルボンアミド(ADCA)等のアゾ系化合物、P、P'
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)(O
BSH)等のニトロソ化合物等の有機発泡剤又は炭酸水
素ナトリウム等の無機発泡剤等の熱分解化学発泡剤や、
例えばポリアクリロニトル系樹脂、フェノール系樹脂、
エポキシ系樹脂等の熱軟化性柔軟性殻体の内部にイソブ
タン等の低沸点液体を内包してなる膨張型マイクロカプ
セル発泡剤等を使用することができる。
【0024】上記発泡剤42の添加量は、本発明におい
て特に制限されるものではないが、一般的には透湿性保
護層4の主成分である水性樹脂41の固形分100重量
部に対して2〜20重量部を添加することが好ましく、
更に好ましくは4〜10部である。2重量部未満の場合
には、発泡倍率が低く、吸放湿性向上の効果があまり期
待できない他、エンボスの凹凸模様6による意匠性の向
上も困難である。一方、20重量部より多い場合には、
発泡セルが著しく粗雑な状態となり、シートの表面強度
が弱くなってしまう恐れがある。
【0025】透湿性保護層4には、その他必要に応じ
て、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム等の無機質系充填剤や、
酸化チタン、酸化亜鉛等の着色顔料を始め、分散剤、消
泡剤、湿潤剤、難燃剤、防炎剤、抗菌剤、防黴剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、艶調整剤、帯電
防止剤、ブロッキング防止剤、増粘剤等の各種の添加剤
から選ばれる1種以上を適宜添加することもできる。
【0026】透湿性保護層4の厚さは、本発明において
特に制限されるものではないが、薄過ぎるとべとつき防
止や表面保護の効果に乏しく、逆に厚過ぎても透湿性が
低下して吸放湿性樹脂層2の吸放湿機能を減殺するの
で、これらを勘案して適宜設計する必要がある。一般的
には、非発泡の場合には5〜100μm程度、発泡され
ている場合には20〜2000μm程度の範囲内とする
ことが好ましい。
【0027】透湿性保護層4の主成分は前述した通り、
水溶液又は水分散液等の水性塗工液を使用して塗工する
水性樹脂41を用いることが望ましいのであるが、吸水
性物質22を含有する吸放湿性樹脂層2の表面上に直接
水性塗工液を塗工すると、その塗工中に、水性塗工液中
に含まれる水分を吸放湿性樹脂層2中の吸水性物質が吸
収して膨潤し、良好な塗工状態が得られない場合があ
る。このような場合には、透湿性保護層4を形成するた
めの水性塗工液の塗工の前に、吸放湿性樹脂層2の表面
上に、吸放湿性樹脂層2と環境空気中との間での水分の
移動を妨げない程度の透湿性を有し、なお且つ、透湿性
保護層4の形成用の水性塗工液の塗工時における水性塗
工液中の水分の吸放湿性樹脂層2中への浸透が防止でき
る程度の防水性を有する、親水性且つ耐水性の樹脂組成
物からなる透湿性防水樹脂被膜3を設けておくことで、
効果的に対処することができる。
【0028】透湿性防水樹脂被膜3を構成する樹脂組成
物の組成については、本発明において特に制限されるも
のではないが、具体的には例えば上記吸放湿性樹脂層2
の基質樹脂21の例として挙げたものと同様の、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、SBR系樹脂、酢酸ビニル
系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、シリコー
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブテン樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂等を使用することができ、これらの
うちの1種の単独であっても2種以上の混合物又は積層
被膜であってもよい。
【0029】透湿性防水樹脂被膜3の厚さは、薄過ぎる
と防水性が不十分となって透湿性保護層4の塗工時に吸
放湿性樹脂層2中の吸水性物質22の膨潤を十分に阻止
することができず、一方厚過ぎても透湿度が低下して吸
放湿性樹脂層2の吸放湿性能を減殺する原因となるの
で、両者を勘案して適宜設定する必要がある。透湿性防
水樹脂被膜3を構成する樹脂組成物として例えば上掲の
各種の樹脂から選ばれるものを採用した場合には、透湿
性防水樹脂被膜3の厚さは一般に0.2〜20μm程度
の範囲内とすることが好ましい。
【0030】以上に説明した吸放湿性樹脂層2、透湿性
防水樹脂被膜3及び透湿性保護層4の形成方法は、本発
明において特に制限されるものではないが、吸放湿性樹
脂層2及び透湿性防水樹脂被膜3は疎水性の有機溶剤を
分散媒とする油性塗工液を用い、透湿性保護層4は水又
は水とアルコール類との混合物等を分散媒とする水性塗
工液を用いて、それぞれ塗工法により順次形成する方法
によるのが一般的である。塗工方法としては、例えばナ
イフコート法、ノズルコート法、グラビアコート法、マ
イクログラビアコート法、ロータリースクリーンコート
法、リバースロースコート法、コンマコート法、リップ
コート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップ
コート法、フローコート法等の従来公知の任意の塗工方
法が採用可能であり、各層の塗工後の乾燥方法として
は、例えば熱風または赤外線ヒーター等の熱源をそれぞ
れ単独もしくはこれらの複数種を組合せて用いることも
できる。
【0031】本発明の吸放湿性材料には必要に応じて、
透湿性保護層4の表面に絵柄印刷層5を設けて絵柄によ
る意匠性を付与することもできる。絵柄印刷層5の印刷
方法としては、例えばグラビア印刷法、ロータリースク
リーン印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷
法、転写印刷法等の通常の印刷法を用いることができ
る。また、立体的な意匠性を付与するために、メカニカ
ルエンボス法又はケミカルエンボス法等により凹凸模様
6加工を設けたり、表面強度を更に向上させるために、
表面に透湿性の樹脂組成物からなる表面保護層を設けた
りすることも、任意に行うことができる。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を示し、本
発明を更に詳細に説明する。
【0033】<実施例1>坪量90g/m2の無機質紙
を基材としてその表面上に、まず下記組成の吸放湿性樹
脂組成物をコンマコート法により塗布して約90℃で乾
燥し、乾燥後の塗布量約20g/m2の吸放湿性樹脂層
を設けた。続いて該吸放湿性樹脂層上に、溶剤系ウレタ
ン樹脂をグラビアコート法により乾燥後の塗布量約1g
/m2に塗布、乾燥して透湿性防水樹脂被膜を形成し、
更に該透湿性防水樹脂被膜上に、マイクロカプセル発泡
剤を固形分比6重量部添加したエチレン−酢酸ビニル共
重合体系水性エマルジョン樹脂をコンマコート法により
乾燥後の塗布量約140g/m2に塗布して約90℃で
乾燥させて透湿性保護層を形成した。そして、該透湿性
保護層の表面にグラビア印刷法により抽象柄の絵柄を印
刷した後、炉内温度約150℃の発泡加熱炉にて透湿性
保護層を約5倍に発泡させてから、発泡した透湿性保護
層の表面に冷却エンボスロールを使用してエンボス模様
を形成して、本発明の吸放湿性材料である壁紙を作製し
た。得られた壁紙は、各層の塗工ムラ等の欠陥もなく、
外観上良好な意匠性を有するものであった。
【0034】 [吸放湿性樹脂組成物の配合表] 吸水性物質 ウレタン系高吸水性ポリマー 40重量部 吸湿性物質 コロイド状合成シリカ 30重量部 基質樹脂 ポリウレタン 90重量部
【0035】<比較例1>上記実施例1において、吸放
湿性樹脂組成物に吸湿性物質を配合せず、吸水性物質の
配合量を70重量部とし、その他は上記実施例1と全く
同一の条件で、吸放湿性材料である壁紙を作製した。
【0036】<比較例2>上記実施例1において、吸放
湿性樹脂組成物に吸水性物質を配合せず、吸湿性物質の
配合量を70重量部とし、その他は上記実施例1と全く
同一の条件で、吸放湿性材料である壁紙を作製した。
【0037】<性能比較>上記実施例1及び比較例1〜
2の壁紙について、市販の塩化ビニル系結露防止壁紙
(裏打紙上に高吸水性ポリマーが添加されたポリ塩化ビ
ニル樹脂発泡層が設けられたもの)及び結露防止加工の
施されていない市販の通常の塩化ビニル系壁紙(裏打紙
上に高吸水性ポリマーが添加されていないポリ塩化ビニ
ル樹脂発泡層が設けられたもの)と共に、下記の試験方
法にて吸放湿性能を測定した結果、本発明の吸放湿性材
料である実施例1の壁紙は、図2に示される様に非常に
優れた吸放湿性能を有するものであることが確認され
た。
【0038】<吸放湿性能試験方法>試料を6cm×2
7cmの大きさに裁断し、アルミテープにより表面の小
口1cm四方及び裏面全面を覆い側面及び裏面からの透
湿防止処置を施す。以上の処置より試料の透湿可能表面
積を4cm×25cmの100m2とする。こうして作
製した試験片を、温度25℃、相対湿度50%の条件に
設定された恒温恒湿試験機内に4日間放置した後、試験
片の重量(a)を測定し、これを初期値とする。次に、
試験片を温度25℃、相対湿度90%の条件に設定され
た恒温恒湿試験機内で144時間放置した後、温度25
℃、相対湿度50%に設定された恒温高湿試験機内で1
44時間放置し、その間、適宜の時間間隔で試験片の重
量(b)を測定する。各々の時刻における試験片の吸湿
量は、次式(1)により算出する。 吸湿量[g/m2]=(試験片重量(b)[g]−試験片重量(a)[g]) /透湿可能表面積[m2] ・・・・・・(1)
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の吸放
湿性材料は、吸水性物質及び吸湿性物質を含有すること
により、飽和吸水量の大きな吸水性物質の作用により、
高湿状態又は低湿状態が長期間に亘り継続しても、水分
を大量に吸収貯蔵又は放出蒸散することができるので、
長期的な湿度調整効果に優れると共に、環境空気中の湿
度が短期間に急激に変動する局面にあっても、吸放湿速
度の遅い吸水性物質の吸放湿を吸湿性物質が促進する作
用によって、短時間に大量の水分を吸収貯蔵又は放出蒸
散することができるので、短期的な湿度変動に対する湿
度調整効果にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸放湿性材料の実施の形態を示す模式
断面図である。
【図2】本発明の吸放湿性材料の実施例の吸放湿性能試
験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1……基材 2……吸放湿性樹脂層 21…基質樹脂 22…吸水性物質 23…吸湿性物質 3……透湿性防水樹脂皮膜 4……透湿性保護層 41…水性樹脂 42…発泡剤 5……絵柄印刷層 6……凹凸模様
フロントページの続き (72)発明者 矢賀部 裕 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DB03 FA10 GA03 GA24 GA27 GA28 HA01 HA03 HA04 HA21 HB02 HB04 HC02 HC04 HD11 HE01 JA00 JA06 JA22 JC02 JC03 JD02 4D052 AA00 CA02 GA01 GB03 HA01 HA27 HA35 HB06 4F100 AA20H AK01B AK51 AK51H AK68 AT00A BA02 BA05 CA30B DG10 DJ01 GB08 HB21 HB31 JD15B JD15H JD16B JD16H JL07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性物質及び吸湿性物質を含有すること
    を特徴とする吸放湿性材料。
  2. 【請求項2】基材上に、吸水性物質及び吸湿性物質を含
    有する吸放湿性樹脂層を少なくとも具備することを特徴
    とする請求項1に記載の吸放湿性材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101082413B1 (ko) 2003-04-11 2011-11-10 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 습도 조정용 고무 성형체 및 습도 조정용 부재

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101082413B1 (ko) 2003-04-11 2011-11-10 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 습도 조정용 고무 성형체 및 습도 조정용 부재

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