JP2002142622A - スピニングリール - Google Patents

スピニングリール

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JP2002142622A
JP2002142622A JP2000344669A JP2000344669A JP2002142622A JP 2002142622 A JP2002142622 A JP 2002142622A JP 2000344669 A JP2000344669 A JP 2000344669A JP 2000344669 A JP2000344669 A JP 2000344669A JP 2002142622 A JP2002142622 A JP 2002142622A
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JP
Japan
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arm
bail
weight
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JP2000344669A
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English (en)
Inventor
Kenichi Sugawara
謙一 菅原
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Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
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Priority to US09/985,588 priority patent/US6786442B2/en
Priority to MYPI20015116A priority patent/MY129252A/en
Priority to DE60108462T priority patent/DE60108462D1/de
Priority to EP01309481A priority patent/EP1205106B1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピニングリールのロータにおいて、安価か
つ精密に回転バランスを補正できるようにする。 【解決手段】 スピニングリールのロータ3は、円筒部
30と、第1及び第2ロータアーム31,32と、ベー
ルアーム44と、回転バランス補正用の重り38とを備
えている。円筒部は、リール本体2に回転自在に装着さ
れている。第1及び第2ロータアームは、円筒部の後部
外周面において対向して配置され円筒部と間隔を隔てて
前方に延びている。ベールアームは、第1及び第2ベー
ル支持部材と、第1ベール支持部材の先端に回転自在に
装着されたラインローラと、第1ベール支持部材と第2
ベール支持部材とを連結するベールとを有している。重
りは、円筒部、第1及び第2ロータアーム並びにベール
アームの少なくともいずれかに装着された焼結タングス
テン製のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータ、特に、リ
ール本体に回転自在に装着され釣り糸をスプールに案内
するためのスピニングリールのロータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にスピニングリールのロータは、リ
ール本体に回転自在に装着された円筒部と、円筒部の後
部に対向して一体で形成された第1及び第2ロータアー
ムとを有している。このロータアームには、釣り糸案内
機構とベール反転機構とが設けられている。
【0003】釣り糸案内機構は、スプールに釣り糸を案
内するための機構であり、2つのロータアームの先端に
糸案内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されて
いる。ベール反転機構は、糸開放姿勢にある釣り糸案内
機構を糸案内姿勢に復帰させるための機構であり、第1
ロータアームの内部に設けられている。釣り糸案内機構
は、第1ロータアームに揺動自在に設けられた第1ベー
ル支持部材と、第2ロータアームの先端に揺動自在に設
けられた第2ベール支持部材と、両ベール支持部材を連
結するベールとを有している。第1ベール支持部材の先
端には、釣り糸を案内するためのラインローラと、ライ
ンローラを支持するための固定軸カバーとが装着されて
おり、ベールの一端は固定軸カバーに、他端は第2ベー
ル支持部材にそれぞれ固定されている。
【0004】このような構成のロータでは、第1ロータ
アームにベール反転機構が設けられているため、第1ロ
ータアーム側が第2ロータアーム側より重くなる。ま
た、第1ベール支持部材にはラインローラなどが装着さ
れているため、釣り糸案内機構の重心が第1ロータアー
ム側に片寄り、さらに第1ロータアーム側が重くなる。
このため、ロータの回転バランスを考慮して第2ロータ
アームや円筒部の背面に回転バランス補正用の重りを装
着することがある。
【0005】従来、この種の回転バランス補正用の重り
として比重が比較的大きくて安価で成形しやすい鉛製の
ものが使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】回転バランス補正用の
重りは、限られたスペースに正確な重量のものを正確な
形状で取り付けることが必要であるため、精密な形状・
重量に仕上げられるのが好ましい。しかし、鉛は、塑性
が大きいので大雑把な加工が容易な反面、精密な形状・
重量に仕上げるのが困難な側面がある。しかも、鉛は近
年環境に与える影響が指摘されている。そこで、鉛以外
の種々の重金属を使用することが考えられる。しかし、
たとえば、環境への影響を考慮してビスマスを用いた場
合には鉛と同様に精密な形状・重量に仕上げるのが困難
である。また、その他の重金属も、一般に高価であった
り、素材自体の供給量が現段階で不安定であったりし
て、コスト面や生産量の安定の面から採用が難しい。
【0007】本発明の課題は、スピニングリールのロー
タにおいて、安価かつ精密に回転バランスを補正できる
ようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明1に係るスピニング
リールのロータは、リール本体に回転自在に装着され釣
り糸をスプールに案内するためのロータであって、円筒
部と、第1及び第2ロータアームと、ベールアームと、
重りとを備えている。円筒部は、リール本体に回転自在
に装着されている。第1及び第2ロータアームは、円筒
部の後部外周面において対向して配置され円筒部と間隔
を隔てて前方に延びている。ベールアームは、両ロータ
アームの先端に揺動自在に装着された第1及び第2ベー
ル支持部材と、第1ベール支持部材の先端に回転自在に
装着されたラインローラと、第1ベール支持部材と第2
ベール支持部材とを連結するベールとを有している。重
りは、円筒部、第1及び第2ロータアーム並びにベール
アームの少なくともいずれかに設けられた焼結タングス
テン製の回転バランス補正用のものである。
【0009】このスピニングリールのロータでは、ロー
タが回転すると、ベールからラインローラに釣り糸が導
かれスプールに釣り糸が案内されてスプールに釣り糸が
巻き付けられる。このときの回転バランスを補正するた
めに重りが装着されている。ここでは、重りが焼結タン
グステン製であるので、タングステンを単体で用いる場
合に比べて価格が安く、さらにビスマスやモリブデン等
の他の重金属より価格が安くかつ安定して供給できる。
また、タングステンは比較的腐食しにくく海水に溶けに
くい。しかも、型を使用した焼結成形により精密な形状
や重量を簡単に得ることができる。このため、安価でか
つ精密に回転バランスを補正できるようになる。
【0010】発明2に係るスピニングリールのロータ
は、発明1に記載のロータにおいて、第2ロータアーム
は、第2ベール支持部材に対向する位置に設けられた開
口と開口に連通する収納空間とを有する収納部を有し、
重りは、開口から収納空間に収納される。この場合に
は、重りが比較的軽い第2ロータアームに設けられた収
納部の収納空間に開口側から収納され、その開口が第2
ベール支持部材により閉塞される。このため、別に蓋部
材を設けることなく開口を閉塞でき、重りを簡素な構成
で脱落しないように収納できる。
【0011】発明3に係るスピニングリールのロータ
は、発明1又は2に記載のロータにおいて、ベールアー
ムは糸開放姿勢と糸案内姿勢との間で揺動自在であり、
第1ロータアームにはベールアームを糸開放姿勢と糸案
内姿勢とに保持するとともに糸開放姿勢にあるベールア
ームを糸案内姿勢に復帰させるベール反転機構が設けら
れている。この場合には、第1ロータアームの基端側が
さらに第2ロータアーム側に比べて重くなるが、開口及
び収納空間を第2ベール支持部材に対向する位置におい
て可及的に基端側に寄せることで回転バランスを補正で
きる。
【0012】発明4に係るスピニングリールのロータ
は、発明2又は3に記載のロータにおいて、収納部は、
第2ベール支持部材の揺動中心より先端側に設けられて
いる。この場合には、収納部が第2ベール支持部材の揺
動中心より先端側に設けられているので、第1ロータア
ームの先端に配置されたベールアーム等の影響により第
1ロータアームの先端側に重心が片寄っていても、回転
バランスを補正しやすい。
【0013】発明5に係るスピニングリールのロータ
は、発明2又は3に記載のロータにおいて、収納部は、
第2ベール支持部材の揺動中心より後端側に設けられて
いる。この場合には、第2ロータアームに装着されるベ
ール反転機構等の影響により第1ロータアームの基端側
に重心が片寄っても、回転バランスを補正しやすい。
【0014】発明6に係るスピニングリールのロータ
は、発明1から5のいずれかに記載のロータにおいて、
第2ベール支持部材は焼結タングステン製であり、重り
と兼用されている。この場合には、重りを別途設ける必
要がないので、ロータの構成が簡素になる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1において、本発明の一実施形
態を採用したスピニングリールは、ハンドル1と、ハン
ドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3
と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本
体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4
は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の
前部に前後移動自在に配置されている。
【0016】ハンドル1は、図2に示すように、T字状
の把手部1aと、先端に把手部1aが回転自在に装着さ
れたL字状のクランクアーム1bと、クランクアーム1
bの基端に固定された軸部1cとを有している。クラン
クアーム1bは、基端側においてワンタッチで折れ曲が
り可能である。軸部1cは、図3に示すように断面が矩
形の棒状部材である。なお、ハンドル1は、図1及び図
3に示す右位置と、図2に示す左位置との左右どちらの
装着位置でもリール本体2に装着可能である。
【0017】リール本体2は、側部に開口2cを有する
リールボディ2aと、リールボディ2aから斜め上前方
に一体で延びるT字状の竿取付脚2bと、リールボディ
2aの開口2cを閉塞するための蓋体2dとを有してい
る。
【0018】リールボディ2aは、図2及び図3に示す
ように、内部に空間を有しており、その空間内には、ロ
ータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ
駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を
均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設け
られている。
【0019】図4に示すように、リールボディ2aの図
4右側面には、筒状のボス部17aが形成されている。
ボス部17aは、ハンドル軸10(後述)の図4右端を
支持する軸受16aを収納するためにリールボディ2a
の内方に突出して形成されている。蓋体2dのボス部1
7aに対向する位置には、ボス部17bが形成されてい
る。ボス部17bはハンドル軸10の図4左端を支持す
る軸受16bを収納するためにリールボディ2aの外方
に突出して形成されている。ハンドル1が装着された側
と逆側のボス部(図4ではボス部17a)は、軸カバー
19により閉塞されている。ハンドル1が装着された側
のボス部(図4ではボス部17b)は、孔あきカバー1
9bにより水の侵入が防止されている。軸カバー19及
び孔あきカバー19bは、図1に示すように、楕円形の
部材であり、それぞれ2本のビス19aによりボス部に
取り付けられる。なお、外方に突出していないボス部1
7aには、軸カバー19及び孔あきカバー19bを面一
に装着するための楕円形の窪み18aが形成されてい
る。
【0020】ロータ駆動機構5は、ハンドル1が回転不
能に装着されたハンドル軸10と、ハンドル軸10とと
もに回転するフェースギア11と、このフェースギア1
1に噛み合うピニオンギア12とを有している。ハンド
ル軸10の両端は、軸受16a,16bを介してリール
ボディ2aに回転自在に支持されている。ハンドル軸1
0の図4右端は、軸受16aの外側面より内側に位置し
ている。ハンドル軸10の中心部には断面が矩形の貫通
孔10aが形成されており、この貫通孔10aにハンド
ル1の軸部1cが回転不能に挿入される。軸部1cの先
端面にはネジ孔1dが形成されており、このネジ孔1d
に螺合する取付ネジ20によりハンドル1がハンドル軸
10に取り付けられている。
【0021】ピニオンギア12は筒状に形成されてお
り、図3に示すように、その前部12aはロータ3の中
心部を貫通しており、ナット13によりロータ3と固定
されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部
と後端部とが、それぞれ軸受14a,14bを介してリ
ール本体2に回転自在に支持されている。
【0022】オシレーティング機構6は、スプール4の
中心部にドラグ機構60を介して連結されたスプール軸
15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動
させるための機構である。オシレーティング機構6は、
スプール軸15の略直下方に平行に配置された螺軸21
と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22
と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有し
ている。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転
不能に固定されている。中間ギア23は、ピニオンギア
12に噛み合っている。
【0023】ロータ3は、図3に示すように、円筒部3
0と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第
1及び第2ロータアーム31,32と、釣り糸をスプー
ル4に案内するためのベールアーム44とを有してい
る。円筒部30と両ロータアーム31,32とは、たと
えばアルミニウム合金製であり一体成形されている。ベ
ールアームは、両ロータアーム31,32の先端に糸案
内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されてい
る。
【0024】円筒部30の前部には前壁33が形成され
ており、前壁33の中央部にはボス部33aが形成され
ている。ボス部33aの中心部には貫通孔が形成されて
おり、この貫通孔をピニオンギアの前部12a及びスプ
ール軸15が貫通している。前壁33の前部にナット1
3が配置されており、ナット13の内部にスプール軸1
5を回転かつ移動自在に支持する軸受35が配置されて
いる。
【0025】第1ロータアーム31は、図1及び図5に
示すように、円筒部30の後部外周面に配置された第1
接続部31aと、第1接続部31aから外方に凸に湾曲
しつつ前方に延びる第1アーム部31bとを有してい
る。第1接続部31aは、円筒部30の周方向に広がっ
ており、円筒部30と周方向に滑らかに連続して形成さ
れている。第1アーム部31bは、第1接続部31aと
滑らかに連続して形成され円筒部30と間隔をあけて前
方に延びている。第1アーム部31bの外周面はスプー
ル軸15の軸芯を中心とする円弧状に形成されている。
この円弧の半径は前方側が大きくなっている。
【0026】第1ロータアーム31の先端の外周側に
は、ベールアーム44を構成する第1ベール支持部材4
0が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材4
0は、第1ロータアーム31にねじ込まれた取付ピン3
6により第1ロータアーム31に取り付けられる。この
取付ピン36は引っかかりが少ない六角孔付きボルトか
らなり、その頭部に釣り糸が引っかかりにくくなってい
る。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプ
ール4に案内するためのラインローラ41と、ラインロ
ーラ41を挟んで第1ベール支持部材40に固定された
固定軸カバー47とが装着されている。ラインローラ4
1は、第1ベール支持部材40の先端に回転自在に装着
されている。固定軸カバー47は、先端がとがった変形
円錐形状である。
【0027】第2ロータアーム32は、円筒部30の後
部外周面に配置された第2接続部32aと、第2接続部
32aから外方に凸に湾曲しつつ前方に延びる第2アー
ム部32bとを有している。第2接続部32aは、円筒
部30と周方向に滑らかに連続して形成されており、円
筒部30の周方向に間隔を隔てて配置された2つの脚部
32cを有している。第2アーム部32bは、第2接続
部32aと滑らかに連続して形成され円筒部30と間隔
をあけて前方に延びている。第2アーム部32bは、先
端部から円筒部30との接続部分に向けて2股に分岐し
ており、円筒部30と2つの脚部32cで接続されてい
る。したがって内部に開口32dが形成される。第2ア
ーム部32bの外周面もスプール軸15の軸芯を中心と
する円弧状に形成されている。
【0028】第2ロータアーム32の先端内周側には、
ベールアーム44を構成する第2ベール支持部材42が
揺動自在に装着されている。ここで、両ベール支持部材
40,42は、1本の揺動軸Mを中心に揺動自在であ
る。そして揺動軸Mと第1ロータアーム31の第1ベー
ル支持部材取付面とが交差する点を揺動中心C1とし、
揺動軸Mと第2ロータアーム32の第2ベール支持部材
取付面とが交差する点を揺動中心C2とすると、揺動中
心C2は揺動中心C1に比較して前方側に位置してい
る。すなわち、揺動軸Mは回転軸芯Xに対して直交して
おらずたとえば5度後方に傾いている。また、各ベール
支持部材40,42は、それらの揺動面が揺動軸Mに直
交するように配置されている。
【0029】第2アーム部32bの先端内周側には、図
7及び図8に示すように、第2ベール支持部材42を装
着するための他の部分より薄肉の段差部53が形成され
ている。段差部53の、図7の下側には段差部53の他
の部分より厚肉の平面視台形状の突起部54が形成され
ている。また、段差部53には、第2ベール支持部材4
2を装着するための貫通孔62が形成されている。この
貫通孔62は、機械加工を容易にするために回転軸芯X
と直交するように形成されている。
【0030】段差部53と第2ベール支持部材42との
間には、合成樹脂製の取付シート37が介装されてい
る。取付シート37は、揺動軸Mを回転軸芯Xに対して
5度傾けるために介装されている。取付シート37は、
段差部53と同様な平面形状のシート部37aと、貫通
孔62に装着されるボス部37bと、突起部54を覆う
突出部37cとを有している。貫通孔62に装着される
ボス部37bには装着孔37dが形成されている。この
装着孔37dは、貫通孔62に対して5度傾いており、
これにより揺動軸Mが回転軸芯Xに対して5度傾く。装
着孔37dには外側から鍔付きの装着ナット63が挿入
されており、装着ナット63には内側から装着ボルト6
4がネジ止めされている。これにより第2ベール支持部
材42が第2ロータアーム32に揺動自在に装着され
る。
【0031】第2ロータアーム32の揺動中心の前側に
は、図6及び図8に示すように、重り38が収納されて
いる。重り38は、たとえば焼結タングステン製であ
り、第1ロータアーム31側にベールアーム44の重心
が片寄っていることに起因する回転バランスのアンバラ
ンスを補正するために装着されている。重り38を焼結
タングステン製にすることにより、タングステンを単体
で用いる場合に比べて価格が安く、さらにビスマスやモ
リブデン等の他の重金属より価格が安く、かつ安定して
供給できる。また、タングステンは比較的腐食しにくく
海水に溶けにくい。しかも、型を使用した焼結成形によ
り精密な形状や重量を簡単に得ることができる。このた
め、安価かつ精密に回転バランスを補正できるようにな
る。さらにタングステンは比重が19.3と鉛(11.
34)に比べて大きいので、同じ質量では鉛製の重りよ
り形状を小さくでき、重り収納部39の容積も小さくて
済む。
【0032】重り38を収納する重り収納部39は、取
付シート37に対向して形成された開口39aと、開口
39aに連通して形成された収納空間39bとを有して
いる。このように重り収納部39を取付シート37で閉
塞することで別の閉塞部材を設ける必要がなくなり、重
り38の脱落を簡単な構成で防止できる。
【0033】第2ベール支持部材42は、図6〜図8に
示すように、先端が湾曲した雨滴状の部材であり、第2
ロータアーム32に全体が覆われる円盤状基部42b
と、円盤状基部42bからスプール軸方向前方に延出す
る露出部42cとを有している。露出部42cの一部
は、揺動軸Mよりベール43と逆側に位置している。ま
た、露出部42cは、外側に配置された第2ロータアー
ム32の先端内側部から先端に向かって外方に突出しな
いように外側面が形成されている。したがって外側面は
突起がない滑らかな面で構成されている。このように、
第2ベール支持部材42の露出部42cの外側面は先端
側に向かって突出していないので、釣り糸がそこで引っ
かかりにくい。このため釣り糸は第2ベール支持部材4
2で引っかからずにベール43を経て第1ベール支持部
材40側に移動しやすい。また、円盤状基部42bの全
体が第2ロータアーム32により覆われているので、よ
り釣り糸が引っかかりにくくなる。さらに、延出部42
cの一部が反ベール43側に位置しているのでベール4
3に起因する回転バランスの乱れを補正しやすい。
【0034】第2ベール支持部材42の円盤状基部42
bの外側面において、後部には、図8に点線で示す領域
に略225度の範囲に、ハッチングで示した他の領域よ
り薄肉の切欠き部42aが形成されている。切欠き部4
2aは、段差部53に形成された突起部54との間でわ
ずかに隙間があくような深さで形成されている。切欠き
部42aの両端には2つの当接部42d,42eが形成
されている。当接部42dは、図7に2点鎖線で示すよ
うに第2ベール支持部材42が糸開放姿勢に揺動したと
き、段差部53の突起部54の壁面に当接する。この結
果、第2ベール支持部材42の糸開放姿勢での位置決め
が行われる。当接部42eは、図7に実線で示すよう
に、第2ベール支持部材42が糸案内姿勢に配置された
とき、取付シート37の突出部37cの端部に当接す
る。この結果、第2ベール支持部材42の糸案内姿勢で
の位置決めが行われる。
【0035】このように構成されたロータ3では、ロー
タアーム31,32が外方に凸に湾曲して形成されてい
るので、折れ曲がり部分がなくなり、その部分での応力
集中が生じない。このため、応力が平均化されロータア
ームの肉厚を厚くすることなく強度を高く維持できる。
したがって、ロータ3の軽量化を図りつつ強度を高く維
持できる。しかも、円筒部30と両接続部31a,32
a及び両接続部31a,32aと両アーム部31b,3
2bとがそれぞれ滑らかに連続して形成されているの
で、それらの連続部分でも応力が集中しにくくなり、強
度をより高く維持できる。さらに、第2ロータアーム3
2の先端部が集合して基端部が周方向に離反して2股に
分かれる構造になるので、より軽量化を図れる。また、
両ロータアーム31,32の基端部が周方向に拡がるた
め、ロータアームの周方向の剛性も高くなり、強度をよ
り高く維持できる。
【0036】さらに第2ベール支持部材42の外側面が
突出部の無い滑らかな面で構成されているので、釣り糸
が第2ベール支持部材42で引っかかりにくくなり、釣
り糸が第2ベール支持部材42からベール43を経て第
1ベール支持部材40側に移動しやすくなる。
【0037】また、第2ロータアーム32に焼結タング
ステン製の重り38を装着しているので、安価かつ精密
に回転バランスを良好なものに維持できる。さらに、そ
の重り38を収納する重り収納部39の開口39aを取
付シート37で閉塞しているので、閉塞用の特別の部材
が不要になり、重り収納部39の構成が簡素になる。
【0038】固定軸カバー47の先端部と第2ベール支
持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状の
ベール43が固定されている。これらの第1及び第2ベ
ール支持部材40,42、ラインローラ41、ベール4
3及び固定軸カバー47により釣り糸をスプール4に案
内するベールアーム44が構成される。
【0039】第1ベール支持部材40の外周側にはカバ
ー45が装着されており、カバー45の内部にはベール
アーム44を糸開放姿勢から糸案内姿勢にロータ3の回
転に連動して復帰させるとともに、両姿勢でその状態を
保持するベール反転機構46が配置されている。
【0040】ロータ3の円筒部30の内部にはロータ3
の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構50が配置
されている。逆転防止機構50は、内輪が遊転するロー
ラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ
51を作動状態(逆転禁止状態)と非作動状態(逆転許
可状態)とに切り換える切換機構52とを有している。
【0041】スプール4は、ロータ3の第1ロータアー
ム31と第2ロータアーム32との間に配置されてお
り、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して装
着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる
糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後部に一体で形成
されたスカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に固定
されたフランジ板4cとを有している。糸巻き胴部4a
は、ストレートな円筒状の部材であり、外周面はスプー
ル軸15と平行な周面で構成されている。糸巻き胴部4
aは、2つの軸受56,57によりスプール軸15に回
転自在に装着されている。フランジ板4cは、糸巻き胴
部4aの内周面にネジ止めされたスプールリングカラー
55により糸巻き胴部4aに固定されている。
【0042】〔リールの操作及び動作〕キャスティング
時にはハンドル1を図4に示す左位置に装着した状態で
ベールアーム44を糸開放姿勢に反転させる。これによ
り第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42
は揺動する。このとき、第2ベール支持部材42におい
て、当接部42dが突出部54の壁面に当接して第2ベ
ール支持部材42が糸開放姿勢で位置決めされる。この
状態で釣り竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけな
がら釣り竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛
けの重さにより勢いよく放出される。この状態でハンド
ル1をたとえば左手で糸巻取方向に回転させると、ロー
タ駆動機構5によりロータ3が糸巻取方向に回転し、ベ
ールアーム44がベール反転機構46により糸案内姿勢
に復帰し釣り糸がスプール4に巻き付けられる。
【0043】ハンドル1を糸巻取方向に回転させるとフ
ェースギア11,ピニオンギア12を介してロータ3が
糸巻取方向に回転し、ベールアーム44に案内された釣
り糸がスプール4の外周に巻き付けられる。このような
ときに釣り糸が弛んで誤って両ベール支持部材40,4
2の一方に絡んでも両ロータアーム31,32の剛性が
高く維持されているので、両ロータアーム31,32は
破損しにくい。しかも、第2ベール支持部材42の外側
面が突出のない滑らかな面で構成されているので、釣り
糸が引っかかりにくくなる。また、両ロータアーム3
1,32は軽量化が図られているので、ハンドル1を回
転させると軽い力で回転させることができる。さらに重
り38が設けられているので、回転バランスが良好な状
態に維持される。
【0044】〔他の実施形態〕 (a)前記実施形態では、第2ロータアーム32の先端
部に重り収納部39を設けたが、図9に示すように第2
ロータアーム32の段差部53の基端側に重り収納部3
9を設けてもよい。この場合には、ベール反転機構46
を第1ベール支持部材40側に設けてロータアームの基
端側が重くなることにより起因する回転のアンバランス
を補正しやすい。この実施形態では、取付シート37
は、段差部53の壁部に沿うように90度折れ曲がった
立ち上がり部37dを有しており、開口39aは、取付
シート37の立ち上がり部37dで少なくとも一部が閉
塞されている。
【0045】なお、開口39aを全部閉塞するのではな
く、重り38の脱落を防止できる程度に一部を閉塞して
も同様な効果が得られる。また、重り収納部39は、開
口39aが第2ロータアーム32において第2ベール支
持部材42に対向する位置にあればどこに設けてもよ
い。
【0046】(b)前記実施形態では、取付シートによ
り開口が閉塞されていたが、取付シートが無い場合には
第2ロータアーム自身で開口を閉塞するように構成して
もよい。
【0047】(c)前記実施形態では、第2ロータアー
ム32に重り38を装着したが、重り38の装着位置は
前記実施形態に限定されない。たとえば、第1ロータア
ーム31や円筒部30の後面側や第1及び第2ロータア
ーム31,32と円筒部30との連結部分のいずれかに
重りを装着してもよい。さらに、第1及び第2ベール支
持部材40,42のいずれかに重りを設けてもよい。
【0048】(d)前記実施形態では、重り収納部39
を設けて重り38を収納したが、重りを接着等の適宜の
固着手段によりロータに直接取り付けてもよい。たとえ
ば、重りを円筒部30の内周に取り付けてもよく、円筒
部30の前面に取り付けてもよい。
【0049】(e)前記実施形態では、回転バランス補
正用の重りを単独で設けたが、重りを単独で設けずにロ
ータを構成する部品と兼用し、部品自体を焼結タングス
テン製にしてもよい。たとえば、第2ベール支持部材4
2全体またはその一部を焼結タングステン製にして重り
と兼用してもよい。また、ベール反転機構46の構成部
品の少なくとも一部を焼結タングステン製にして重りと
兼用してもよい。さらに、第2ロータアーム32にベー
ル反転機構を設け、構成部品の少なくとも一部を焼結タ
ングステン製にして重りと兼用してもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、重りが焼結タングステ
ン製であるので、タングステンを単体で用いる場合に比
べて価格が安く、さらにビスマスやモリブデン等の他の
重金属より価格が安くかつ安定して供給できる。また、
タングステンは比較的腐食しにくく海水に溶けにくい。
しかも、型を使用した焼結成形により精密な形状や重量
を簡単に得ることができる。このため、安価でかつ精密
に回転バランスを補正できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリー
ルの右側面図。
【図2】その背面断面図。
【図3】その左側面断面図。
【図4】図1のIV−IV断面図。
【図5】第1ロータアームの平面図。
【図6】第2ロータアームの平面図。
【図7】第2ベール支持部材装着部分の平面断面図。
【図8】図7のVIII−VIII断面図。
【図9】他の実施形態の図8に相当する図。
【符号の説明】
3 ロータ 4 スプール 30 円筒部 31 第1ロータアーム 32 第2ロータアーム 37 取付シート 38 重り 39 重り収納部 39a 開口 39b 収納空間 40 第1ベール支持部材 41 ラインローラ 42 第2ベール支持部材 44 ベールアーム 46 ベール反転機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体に回転自在に装着され釣り糸を
    スプールに案内するためのスピニングリールのロータで
    あって、 前記リール本体に回転自在に装着された円筒部と、 前記円筒部の後部外周面において対向して配置され前記
    円筒部と間隔を隔てて前方に延びる第1及び第2ロータ
    アームと、 前記両ロータアームの先端に揺動自在に装着された第1
    及び第2ベール支持部材と、前記第1ベール支持部材の
    先端に回転自在に装着されたラインローラと、前記第1
    ベール支持部材と第2ベール支持部材とを連結するベー
    ルとを有するベールアームと、 前記円筒部、前記第1及び第2ロータアーム並びに前記
    ベールアームの少なくともいずれかに設けられた焼結タ
    ングステン製の回転バランス補正用の重りと、を備えた
    スピニングリールのロータ。
  2. 【請求項2】前記第2ロータアームは、前記第2ベール
    支持部材に対向する位置に設けられた開口と前記開口に
    連通する収納空間とを有する収納部を有し、 前記重りは、前記開口から前記収納空間に収納される、
    請求項1に記載のスピニングリールのロータ。
  3. 【請求項3】前記ベールアームは糸開放姿勢と糸案内姿
    勢との間で揺動自在であり、前記第1ロータアームには
    前記ベールアームを前記糸開放姿勢と前記糸案内姿勢と
    に保持するとともに前記糸開放姿勢にある前記ベールア
    ームを前記糸案内姿勢に復帰させるベール反転機構が設
    けられている、請求項1又は2に記載のスピニングリー
    ルのロータ。
  4. 【請求項4】前記収納部は、前記第2ベール支持部材の
    揺動中心より先端側に設けられている、請求項2又は3
    に記載のスピニングリールのロータ。
  5. 【請求項5】前記収納部は、前記第2ベール支持部材の
    揺動中心より後端側に設けられている、請求項2又は3
    に記載のスピニングリールのロータ。
  6. 【請求項6】前記第2ベール支持部材は焼結タングステ
    ン製であり、前記重りと兼用されている、請求項1から
    5のいずれかに記載のスピニングリールのロータ。
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JP2014147300A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Globeride Inc 魚釣用スピニングリール
JP2019041716A (ja) * 2017-09-05 2019-03-22 株式会社シマノ 魚釣用スピニングリールのロータ
JP2020150884A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 グローブライド株式会社 魚釣用スピニングリール

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