JP2002126643A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 扁平型振動モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 N極及びS極の磁極を交互に配置したステータと、回転中心に対して重心を偏らせて配置したコイルを備えるロータと、ロータの回転中心に設けた軸と、ロータに固定され且つコイルに接続された整流子と、整流子に接触してコイルに電流を供給するブラシと、軸の両端をそれぞれ回転自在に受ける軸受けとを備えた扁平型振動モータにおいて、軸をロータに対して回転自在に設けたことを特徴とする扁平型振動モータ。
【請求項2】 ロータと軸との摺動部及び軸受けにチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材を用いたことを特徴とする請求項1に記載の扁平型振動モータ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重心が偏心した電機子を回転させて振動を付与する扁平型振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
特公平7−85636号公報には、扁平型振動モータにおいて、ロータに軸(回転軸)を固定し、軸の両端を軸受けで回転自在に受ける構成が開示されている。
【0003】
また、この公報には、整流子を円筒状に設け、円筒の外周に配置したブラシを整流子に接触させてコイルに電流を供給する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の公報に開示された技術では、ロータが固定されている回転軸は、軸受けのみに対して回転可能であるから、軸受けと回転軸とが焼き付きを起こしたり、落下等による変形や衝撃により軸や軸受けが変形して軸受けに対して軸がロックした場合には、振動不良を生じたり、扁平型振動モータの寿命を短くするという不都合がある。
【0005】
また、環状に配置した整流子にブラシを接触させるので、整流子とブラシとが擦れあって、接触部から粉状の屑(摩耗粉)等がでやすく、このような屑は、非導通性の金属酸化物であったり、コーティング材であるため、屑が溜まると整流子とブラシとの導通を妨げたり、焼き付きを起こす等の原因になり、扁平型振動モータの寿命を短くしたり回転不良を生じるという不都合がある。
【0006】
そこで、本発明は、長寿命化を図るとともに振動不良を防止し、高品質の扁平型振動モータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、N極及びS極の磁極を交互に配置したステータと、回転中心に対して重心を偏らせて配置したコイルを備えるロータと、ロータの回転中心に設けた軸と、ロータに固定され且つコイルに接続された整流子と、整流子に接触してコイルに電流を供給するブラシと、軸の両端をそれぞれ回転自在に受ける軸受けとを備えた扁平型振動モータにおいて、軸をロータに対して回転自在に設けたことを特徴とする。
【0008】
この請求項1に記載の発明では、ブラシが整流子に順次接触してコイルに電流を供給して、偏心したロータが回転する。ロータの軸の両端は軸受けが受けており、軸は軸受けに対して回転可能であるとともに、軸はロータに対しても回転可能であるから、仮に、軸が軸受けに対して回転できなくなった場合、例えば、焼き付きや、落下等による変形や損傷が生じて軸が軸受けに対して回転できなくなった場合には、ロータは軸の周囲を回転するので、ロータの回転を阻害することがない。従って、振動不良を防止できるとともに、モータの長寿命化を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ロータと軸との摺動部及び軸受けにチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材を用いたことを特徴とする。
【0010】
この請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様な作用効果を奏するととともに、ロータと軸、及び軸受けにチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材を用いているので、簡易で且つ安価な構成で潤滑性を得ることができるとともに高い耐久性でそれぞれの摺動部を回転自在にすることができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図1乃至図4を参照して、本発明の第1実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態にかかる扁平型振動モータの断面図であり、図2は図1のA−A断面図であり、図3は整流子ユニットとブラシと拡大して示す断面図であり、図4は図1に示す扁平型振動モータの分解斜視図である。
【0016】
本実施の形態にかかる扁平型振動モータ1は、概して、ステータ3と、ロータ5と、ケース7とを組み付けて構成されている。
【0017】
ステータ3には、ブラケット9と、ブラケット9に取り付けられた軸受けユニット11と、磁石13とが設けられている。磁石13は、周方向に沿ってS極及びN極が交互に配列されており、本実施の形態では4つの磁石13はそれぞれ磁極巾が90°の機械角で配置されている。
【0018】
軸受けユニット11には、軸受け15のほかに、ブラシ17及びこのブラシ17に導通されたリード線19がユニットケース21に配置されている。尚、リード線19には、DC電流が供給される。
【0019】
軸受け15は、樹脂材料によりユニットケース21と一体成形されており、本実施の形態では、チタン酸カリウム(K2O4NTiO2 )繊維含有の樹脂材製であり、摩擦抵抗が小さく、潤滑性に優れている。尚、軸受け15は、ユニットケース21に一体に設けることに限らず、ユニットケース21と別体であってもよい。
【0020】
軸受け15には、円筒状の凹部が形成されており、この凹部に軸31が摺動自在(回転自在)に挿入されている。
【0021】
ブラシ17は、後述するように円筒状に配置された整流子23の外周面に接触するものであり、本実施の形態では、2つのブラシを互いに略90°の位置で整流子23に接触するようになっている。
【0022】
各ブラシ17は、略U字形状に形成されており、弾性を持って整流子23に接触するとともに、小さい距離での接触を図っている。尚、ブラシ17には、導電性の潤滑材がコーティングされている。
【0023】
ロータ5には、コイル27と支持ケース25とが設けられており、支持ケース25に3つのコイル27が支持されている。3つのコイル27は、それぞれ一部を重ねて配置されており、ロータ5全体としても扇型を成して重心が回転中心から偏心している。このように、重心を偏心させてロータ5の回転に振動を付与するものである。扇形状の支持ケース25には、扇型を形成する円弧の中心に整流子23が固定されている。
【0024】
整流子23は、本実施の形態では6個のあり、6個の整流子23が軸31の周囲に沿って環状に配置されて整流子ユニット29を形成している。整流子ユニット29の各隣り合う整流子23は、互いに間隙33をあけて配置されている。整流子ユニット29は、その内側に挿入される軸受け15との間に間隙35を形成している。隣り合う整流子間の間隙33の寸法Sは、屑(摩擦粉)Mが通過する寸法であり、例えば、0.10〜0.15mmである。軸受け15との間の間隙35の寸法Tは、屑Mが収納されるスペースを形成するものであればよく、例えば、0.05〜0.30mmである。
【0025】
図3に示すように、隣り合う整流子23の間の間隙33は屑Mの通路であり、円筒状の整流子ユニット29の内側の間隙35は、屑Mを収納する間隙である。
【0026】
図1に示すように、軸31は、一端31aが軸受けユニット11の軸受け15に摺動可能(回転可能)に挿入されているとともに、他端31bがケース7に嵌合固定された軸受け37に摺動可能に挿入されている。軸受け37も軸受け15と同様にチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材製であり、軸31の他端31bとの摺動抵抗を小さくしている。
【0027】
また、ロータ5には、軸31を摺動自在に受ける摺動部39が設けられており、この摺動部39はロータ5の支持ケース25に嵌合固定されており、支持ケース25と一体になって回転する。このロータ5に設けられた摺動部39は、軸31の両端部の軸受け15、37と同様にチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材製であり、軸31の他端31bとの摺動抵抗を小さくしている。尚、図4において、符号41は回路基板である。
【0028】
次に、本実施の形態の作用を説明する。リード線19からDC電流が供給されると、ブラシ17から整流子23を介して、順次コイル27に電流が流れ、ロータ5が回転し、偏心されたロータ5の回転により振動が発生する。この場合、ロータ5が回転すると、軸31は、軸受け15、37に対して回転する。
【0029】
ところで、扁平型振動モータ1を搭載したページャ等の取り扱いを誤って落下させてしまったり、何らかの理由により扁平型振動モータ1に外力が加わってケース7やブラケット9が変形したり、軸31が曲がったりしたため、軸31と軸受け15、37との摺動抵抗が大きくなったり、固定されたりすることが考えられる。このような場合、軸受け15、37に対して軸31がロックされることになる。
【0030】
しかし、本実施の形態では、仮に軸受け15、37に対して軸31の回転がロックされた場合であっても、ロータ5は摺動部39により軸31に対して回転可能であるから、ロータ5が軸31に対して回転する。従って、扁平型振動モータ1の長寿命化を図るとともに振動不良を防止することができる。
【0031】
一方、環状に配置した整流子23には常時ブラシ17が接触しているので、回転する整流子23にブラシ17が擦れて、粉状の屑等がでやすく、このような屑は、金属の酸化物であったり、コーティング材であるため、屑(摩擦粉)が溜まると整流子とブラシとの導通を妨げたり、焼き付きを起こす等の原因になることが考えられる。しかし、本実施の形態では、整流子23とブラシ17との擦れで屑Mが発生すると、整流子間の間隙33を通って、整流子ユニット29の内側にある間隙35に収納される。即ち、軸受け15と整流子23との間の間隙35内に屑Mが案内されて溜まるので、屑Mが整流子23とブラシ17との間に挟まって、導通を阻害したり、整流子23とブラシ17とを固着することがない。
【0032】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しないは似で種々変形可能である。
【0033】
例えば、図5に示す他の実施の形態では、軸31が軸受け15、31に対して固定してある例を示したものである。即ち、この図5に示す実施の形態では、軸31の両端部31a、31bまたは一端部31a(31b)をそれぞれ軸受け15、31に固定しており、ロータ5のみが軸31に対して回転するように構成したものであり、かかる扁平型振動モータにおいて、円筒状に配置した整流子23間の間隙33、及び軸受け15と整流子23との間に間隙35を設けたものである。この図5に示す実施の形態においても、屑Mが整流子23とブラシ17との間に挟まって、導通を阻害したり、整流子23とブラシ17とを固着することがない。
【0034】
整流子23、ブラシ17、磁石13及びコイル27のそれぞれの数に制限はなく、それぞれ幾つ設けても同様な効果を奏することができる。
【0035】
整流子23間の間隙33の寸法S及び軸受け15との間隙35の寸法Tは、特に制限はなく、屑Mが通ったり、溜まる寸法であればよい。
【0036】
軸受け15と整流子23との間の間隙35は、軸31の周囲に整流子23が位置する場合には、軸31との間の間隙35であり、間隙35は軸31との間の間隙であっても同様作用効果を得ることができる。
【0037】
また、上述した実施の形態では、正常な駆動時には、ロータ5とともに軸31が回転する構成にし、軸の回転がロックしたときに軸31に対してロータ5を回転可能としたが、これに限らず、正常な駆動時に軸31に対してロータ5が回転する構成として、軸31とロータ5とが固定したときに軸31が軸受け15、37に対して回転するようにしても同様な効果を得ることができる。
【0038】
更に、軸31を軸受け15、37及びロータ5に対して回転自在にする構成として、摩擦抵抗の小さい樹脂材料を用いることに限らず、回転自在であれば、他の材料やボールベアリング等を用いるものであってもよい。
【0039】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、軸は軸受け及びロータに対して回転可能であるから、仮に、軸が軸受けに対して回転できなくなった場合、例えば、焼き付きや、落下等による変形や損傷が生じて軸が軸受けに対して回転できなくなった場合には、ロータは軸の周囲を回転するので、ロータの回転を阻害することがない。従って、振動不良を防止できるとともに、モータの長寿命化を図ることができる。
【0040】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な効果を奏するととともに、ロータと軸、及び軸受けにチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材を用いているので、簡易で且つ安価な構成で潤滑性を得ることができるとともに高い耐久性でそれぞれの摺動部を回転自在にすることができる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態にかかる扁平型振動モータの断面図である。
【図2】
図1のA−A断面図である。
【図3】
整流子ユニットとブラシとを拡大して示す断面図である。
【図4】
図1に示す扁平型振動モータの分解斜視図である。
【図5】
他の実施の形態にかかる扁平型振動モータの断面図である。
【符号の説明】
1 扁平型振動モータ
3 ステータ
5 ロータ
15、37 軸受け
17 ブラシ
23 整流子
27 コイル
29 整流子ユニット
31 軸
33 間隙
35 間隙
39 軸とロータとの摺動部
【発明の名称】 扁平型振動モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 N極及びS極の磁極を交互に配置したステータと、回転中心に対して重心を偏らせて配置したコイルを備えるロータと、ロータの回転中心に設けた軸と、ロータに固定され且つコイルに接続された整流子と、整流子に接触してコイルに電流を供給するブラシと、軸の両端をそれぞれ回転自在に受ける軸受けとを備えた扁平型振動モータにおいて、軸をロータに対して回転自在に設けたことを特徴とする扁平型振動モータ。
【請求項2】 ロータと軸との摺動部及び軸受けにチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材を用いたことを特徴とする請求項1に記載の扁平型振動モータ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重心が偏心した電機子を回転させて振動を付与する扁平型振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
特公平7−85636号公報には、扁平型振動モータにおいて、ロータに軸(回転軸)を固定し、軸の両端を軸受けで回転自在に受ける構成が開示されている。
【0003】
また、この公報には、整流子を円筒状に設け、円筒の外周に配置したブラシを整流子に接触させてコイルに電流を供給する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の公報に開示された技術では、ロータが固定されている回転軸は、軸受けのみに対して回転可能であるから、軸受けと回転軸とが焼き付きを起こしたり、落下等による変形や衝撃により軸や軸受けが変形して軸受けに対して軸がロックした場合には、振動不良を生じたり、扁平型振動モータの寿命を短くするという不都合がある。
【0005】
また、環状に配置した整流子にブラシを接触させるので、整流子とブラシとが擦れあって、接触部から粉状の屑(摩耗粉)等がでやすく、このような屑は、非導通性の金属酸化物であったり、コーティング材であるため、屑が溜まると整流子とブラシとの導通を妨げたり、焼き付きを起こす等の原因になり、扁平型振動モータの寿命を短くしたり回転不良を生じるという不都合がある。
【0006】
そこで、本発明は、長寿命化を図るとともに振動不良を防止し、高品質の扁平型振動モータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、N極及びS極の磁極を交互に配置したステータと、回転中心に対して重心を偏らせて配置したコイルを備えるロータと、ロータの回転中心に設けた軸と、ロータに固定され且つコイルに接続された整流子と、整流子に接触してコイルに電流を供給するブラシと、軸の両端をそれぞれ回転自在に受ける軸受けとを備えた扁平型振動モータにおいて、軸をロータに対して回転自在に設けたことを特徴とする。
【0008】
この請求項1に記載の発明では、ブラシが整流子に順次接触してコイルに電流を供給して、偏心したロータが回転する。ロータの軸の両端は軸受けが受けており、軸は軸受けに対して回転可能であるとともに、軸はロータに対しても回転可能であるから、仮に、軸が軸受けに対して回転できなくなった場合、例えば、焼き付きや、落下等による変形や損傷が生じて軸が軸受けに対して回転できなくなった場合には、ロータは軸の周囲を回転するので、ロータの回転を阻害することがない。従って、振動不良を防止できるとともに、モータの長寿命化を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ロータと軸との摺動部及び軸受けにチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材を用いたことを特徴とする。
【0010】
この請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様な作用効果を奏するととともに、ロータと軸、及び軸受けにチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材を用いているので、簡易で且つ安価な構成で潤滑性を得ることができるとともに高い耐久性でそれぞれの摺動部を回転自在にすることができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図1乃至図4を参照して、本発明の第1実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態にかかる扁平型振動モータの断面図であり、図2は図1のA−A断面図であり、図3は整流子ユニットとブラシと拡大して示す断面図であり、図4は図1に示す扁平型振動モータの分解斜視図である。
【0016】
本実施の形態にかかる扁平型振動モータ1は、概して、ステータ3と、ロータ5と、ケース7とを組み付けて構成されている。
【0017】
ステータ3には、ブラケット9と、ブラケット9に取り付けられた軸受けユニット11と、磁石13とが設けられている。磁石13は、周方向に沿ってS極及びN極が交互に配列されており、本実施の形態では4つの磁石13はそれぞれ磁極巾が90°の機械角で配置されている。
【0018】
軸受けユニット11には、軸受け15のほかに、ブラシ17及びこのブラシ17に導通されたリード線19がユニットケース21に配置されている。尚、リード線19には、DC電流が供給される。
【0019】
軸受け15は、樹脂材料によりユニットケース21と一体成形されており、本実施の形態では、チタン酸カリウム(K2O4NTiO2 )繊維含有の樹脂材製であり、摩擦抵抗が小さく、潤滑性に優れている。尚、軸受け15は、ユニットケース21に一体に設けることに限らず、ユニットケース21と別体であってもよい。
【0020】
軸受け15には、円筒状の凹部が形成されており、この凹部に軸31が摺動自在(回転自在)に挿入されている。
【0021】
ブラシ17は、後述するように円筒状に配置された整流子23の外周面に接触するものであり、本実施の形態では、2つのブラシを互いに略90°の位置で整流子23に接触するようになっている。
【0022】
各ブラシ17は、略U字形状に形成されており、弾性を持って整流子23に接触するとともに、小さい距離での接触を図っている。尚、ブラシ17には、導電性の潤滑材がコーティングされている。
【0023】
ロータ5には、コイル27と支持ケース25とが設けられており、支持ケース25に3つのコイル27が支持されている。3つのコイル27は、それぞれ一部を重ねて配置されており、ロータ5全体としても扇型を成して重心が回転中心から偏心している。このように、重心を偏心させてロータ5の回転に振動を付与するものである。扇形状の支持ケース25には、扇型を形成する円弧の中心に整流子23が固定されている。
【0024】
整流子23は、本実施の形態では6個のあり、6個の整流子23が軸31の周囲に沿って環状に配置されて整流子ユニット29を形成している。整流子ユニット29の各隣り合う整流子23は、互いに間隙33をあけて配置されている。整流子ユニット29は、その内側に挿入される軸受け15との間に間隙35を形成している。隣り合う整流子間の間隙33の寸法Sは、屑(摩擦粉)Mが通過する寸法であり、例えば、0.10〜0.15mmである。軸受け15との間の間隙35の寸法Tは、屑Mが収納されるスペースを形成するものであればよく、例えば、0.05〜0.30mmである。
【0025】
図3に示すように、隣り合う整流子23の間の間隙33は屑Mの通路であり、円筒状の整流子ユニット29の内側の間隙35は、屑Mを収納する間隙である。
【0026】
図1に示すように、軸31は、一端31aが軸受けユニット11の軸受け15に摺動可能(回転可能)に挿入されているとともに、他端31bがケース7に嵌合固定された軸受け37に摺動可能に挿入されている。軸受け37も軸受け15と同様にチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材製であり、軸31の他端31bとの摺動抵抗を小さくしている。
【0027】
また、ロータ5には、軸31を摺動自在に受ける摺動部39が設けられており、この摺動部39はロータ5の支持ケース25に嵌合固定されており、支持ケース25と一体になって回転する。このロータ5に設けられた摺動部39は、軸31の両端部の軸受け15、37と同様にチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材製であり、軸31の他端31bとの摺動抵抗を小さくしている。尚、図4において、符号41は回路基板である。
【0028】
次に、本実施の形態の作用を説明する。リード線19からDC電流が供給されると、ブラシ17から整流子23を介して、順次コイル27に電流が流れ、ロータ5が回転し、偏心されたロータ5の回転により振動が発生する。この場合、ロータ5が回転すると、軸31は、軸受け15、37に対して回転する。
【0029】
ところで、扁平型振動モータ1を搭載したページャ等の取り扱いを誤って落下させてしまったり、何らかの理由により扁平型振動モータ1に外力が加わってケース7やブラケット9が変形したり、軸31が曲がったりしたため、軸31と軸受け15、37との摺動抵抗が大きくなったり、固定されたりすることが考えられる。このような場合、軸受け15、37に対して軸31がロックされることになる。
【0030】
しかし、本実施の形態では、仮に軸受け15、37に対して軸31の回転がロックされた場合であっても、ロータ5は摺動部39により軸31に対して回転可能であるから、ロータ5が軸31に対して回転する。従って、扁平型振動モータ1の長寿命化を図るとともに振動不良を防止することができる。
【0031】
一方、環状に配置した整流子23には常時ブラシ17が接触しているので、回転する整流子23にブラシ17が擦れて、粉状の屑等がでやすく、このような屑は、金属の酸化物であったり、コーティング材であるため、屑(摩擦粉)が溜まると整流子とブラシとの導通を妨げたり、焼き付きを起こす等の原因になることが考えられる。しかし、本実施の形態では、整流子23とブラシ17との擦れで屑Mが発生すると、整流子間の間隙33を通って、整流子ユニット29の内側にある間隙35に収納される。即ち、軸受け15と整流子23との間の間隙35内に屑Mが案内されて溜まるので、屑Mが整流子23とブラシ17との間に挟まって、導通を阻害したり、整流子23とブラシ17とを固着することがない。
【0032】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しないは似で種々変形可能である。
【0033】
例えば、図5に示す他の実施の形態では、軸31が軸受け15、31に対して固定してある例を示したものである。即ち、この図5に示す実施の形態では、軸31の両端部31a、31bまたは一端部31a(31b)をそれぞれ軸受け15、31に固定しており、ロータ5のみが軸31に対して回転するように構成したものであり、かかる扁平型振動モータにおいて、円筒状に配置した整流子23間の間隙33、及び軸受け15と整流子23との間に間隙35を設けたものである。この図5に示す実施の形態においても、屑Mが整流子23とブラシ17との間に挟まって、導通を阻害したり、整流子23とブラシ17とを固着することがない。
【0034】
整流子23、ブラシ17、磁石13及びコイル27のそれぞれの数に制限はなく、それぞれ幾つ設けても同様な効果を奏することができる。
【0035】
整流子23間の間隙33の寸法S及び軸受け15との間隙35の寸法Tは、特に制限はなく、屑Mが通ったり、溜まる寸法であればよい。
【0036】
軸受け15と整流子23との間の間隙35は、軸31の周囲に整流子23が位置する場合には、軸31との間の間隙35であり、間隙35は軸31との間の間隙であっても同様作用効果を得ることができる。
【0037】
また、上述した実施の形態では、正常な駆動時には、ロータ5とともに軸31が回転する構成にし、軸の回転がロックしたときに軸31に対してロータ5を回転可能としたが、これに限らず、正常な駆動時に軸31に対してロータ5が回転する構成として、軸31とロータ5とが固定したときに軸31が軸受け15、37に対して回転するようにしても同様な効果を得ることができる。
【0038】
更に、軸31を軸受け15、37及びロータ5に対して回転自在にする構成として、摩擦抵抗の小さい樹脂材料を用いることに限らず、回転自在であれば、他の材料やボールベアリング等を用いるものであってもよい。
【0039】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、軸は軸受け及びロータに対して回転可能であるから、仮に、軸が軸受けに対して回転できなくなった場合、例えば、焼き付きや、落下等による変形や損傷が生じて軸が軸受けに対して回転できなくなった場合には、ロータは軸の周囲を回転するので、ロータの回転を阻害することがない。従って、振動不良を防止できるとともに、モータの長寿命化を図ることができる。
【0040】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な効果を奏するととともに、ロータと軸、及び軸受けにチタン酸カリウム繊維含有の樹脂材を用いているので、簡易で且つ安価な構成で潤滑性を得ることができるとともに高い耐久性でそれぞれの摺動部を回転自在にすることができる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態にかかる扁平型振動モータの断面図である。
【図2】
図1のA−A断面図である。
【図3】
整流子ユニットとブラシとを拡大して示す断面図である。
【図4】
図1に示す扁平型振動モータの分解斜視図である。
【図5】
他の実施の形態にかかる扁平型振動モータの断面図である。
【符号の説明】
1 扁平型振動モータ
3 ステータ
5 ロータ
15、37 軸受け
17 ブラシ
23 整流子
27 コイル
29 整流子ユニット
31 軸
33 間隙
35 間隙
39 軸とロータとの摺動部
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