JP2002119945A - 廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法 - Google Patents

廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法

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JP2002119945A
JP2002119945A JP2000312358A JP2000312358A JP2002119945A JP 2002119945 A JP2002119945 A JP 2002119945A JP 2000312358 A JP2000312358 A JP 2000312358A JP 2000312358 A JP2000312358 A JP 2000312358A JP 2002119945 A JP2002119945 A JP 2002119945A
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exhaust gas
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Toshihiro Tadami
俊宏 多々見
Hiroshi Yamamoto
浩 山本
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物焼却炉から発生したダストを効率よく
処理することができる廃棄物焼却排ガスとダストの処理
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 廃棄物焼却炉10から発生した排ガスを
捕集性能の異なる2種類の集塵機を用いて2段階で集塵
処理し、捕集したダストをそれぞれ処理する方法であっ
て、最初にサイクロン12で集塵し、次いでバグフィル
タ15で集塵することにより、排ガス中のダストを重金
属の含有量が少ない粗粒分と重金属の含有量が多い微粒
分に分別して捕集し、粗粒分を安定化処理装置20へ送
って重金属の安定化処理を行い、微粒分を重金属回収処
理を行う設備21へ送って処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物焼却炉から
発生した排ガスと、排ガス中のダストの処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、都市ごみ焼却施設においては、
ごみ焼却炉で発生した排ガスをボイラなどで熱回収した
後、バグフィルタなどの集塵機へ導入して集塵処理し、
ごみ焼却排ガス中のダストを捕集している。
【0003】このごみ焼却排ガス中のダストには、鉛、
カドミウムなどの有害な重金属が含まれているので、こ
れを埋立て処分する際には、法令により定められた方法
によって、ダスト中の有害な重金属を安定化させる処理
(以下、ダストの安定化処理と記す)をしなければなら
ない。このダストの安定化処理に際しては、多くの場
合、処理操作が簡単な薬剤混練法が採用されているが、
一部のダストについては、溶融固化法により処理されて
いる。
【0004】薬剤混練法においては、ダストに液体キレ
ート剤を加えて混練し、ダスト中の重金属と液体キレー
ト剤を反応させて水に不溶性のキレート錯体を形成させ
る処理が行われる。
【0005】溶融固化法においては、高温に保持された
溶融炉にダストを装入して溶融し、この溶融物を排出し
て固化させて、重金属が安定化されたスラグを得るとと
もに、ダスト中に含まれていた重金属を気化させて集塵
機で捕集している。この処理によって得られたスラグは
土木用資材である砕石や砂などの代替品として使用する
ことができる。
【0006】一方、近年、埋め立て処分場の確保が困難
になり、さらに環境汚染の防止に対して一層厳しく対処
しなければならない状況になるとともに、資源のリサイ
クルが叫ばれるようになり、ダストの処分方法が埋め立
て処分から重金属を回収する方法に指向されつつある。
この重金属の回収処理においては、ダストに酸を加えて
亜鉛や鉛などの重金属を溶出させた後、この抽出液にア
ルカリを加えて水酸化物を沈殿させ、或いは、さらに水
溶性硫化物を加えて硫化物を沈殿させる。次いで、濾別
して沈殿物を分離し、非鉄製錬に供することができるも
のを得ている。又、溶融固化法においても、還元雰囲気
で溶融して重金属を積極的に気化させ、重金属を多量に
含むダストを回収する方向にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液体キレート
剤を添加するダストの安定化処理においては、液体キレ
ート剤が非常に高価な薬剤であるので、潜在的な問題と
して、ダストの処理コストが非常に高くなるということ
が挙げられる。さらに、この処理方法においては、鉛な
どの有害重金属の含有量に応じて液体キレート剤が添加
されるので、特に、重金属の含有量が多いダストを処理
する場合には、高価な液体キレート剤を多量に使用しな
ければならず、ダストの処理コストが一層高くなる。こ
のため、コストの面からみると、このダスト処理法が必
ずしも効率的な方法であるとは言えない。
【0008】又、溶融固化法によるダストの安定化処理
は重金属を確実に安定化させ、又重金属を気化させて分
離することができる有用な方法であるが、高温に保持可
能な溶融炉を備えなければならないので、多額の設備投
資が必要になり、又、多量のエネルギーを必要とするた
め、ダストの処理コストが高くなる。このため、コスト
の面からみると、このダストの処理が効率的であるとは
言えない。
【0009】又、ダスト中の重金属を酸抽出して回収す
る方法においては、次のような問題がある。ごみ焼却炉
から排出されたダスト中の重金属の含有量は亜鉛が0.
5〜2mass%、鉛が0.2〜1mass%程度であ
り、非鉄製錬原料として供給される他の原料に比べ非常
に少ない。このため、このダストを製錬原料に供給した
場合、重金属の回収処理が効率的に行われない。
【0010】本発明は、上記の問題を解決し、廃棄物焼
却炉から発生したダストを効率よく処理することができ
る廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するための調査の一環として、廃棄物焼却炉か
ら発生するダストの性状を調べたところ、粒度によって
成分組成が異なることを見出した。
【0012】この知見は、ある自治体の都市ごみ焼却設
備のバグフィルタで捕集されたダストについて、各種成
分の含有量を粒度別に調べた結果に基づくものである。
この調査は、排ガス中の塩化水素を除去するための消石
灰粉の吹き込みを行わない場合に採取したダストを調べ
たものであって、その結果は図4〜図6及び表1に示す
通りであった。図4〜図6はレーザ回折式粒度分布測定
器を使用し、イソプロピルアルコールを媒体として、粒
径分布を測定した示す図である。図4はバグフィルタで
捕集されたダストの粒径分布を測定した結果を示す図で
ある。図5、図6は、目標分別粒径を10μmにして分
級した際に得られた粗粒分と微粒分の粒径分布を示す図
であって、図5は粒径10μmを超えるものを主とする
粗粒分の粒径分布を示し、図6は粒径10μm以下のも
のを主とする微粒分の粒径分布を示す。なお、上記各図
における粒径分布は体積比で示す。表1は上記各ダスト
の成分分析値を示す。
【0013】
【表1】
【0014】図4〜図6及び表1によれば、10μm以
下のものを主とする微粒分には、重金属や塩素分(塩化
物)の成分が多く含まれており、重金属の含有量は粗粒
分の値に対し3〜4倍であった。一方、Si、Ca、A
lなどの灰分成分は10μmを超える粒度の粗粒分に多
く含まれており、10μm以下の粒度のものには少なく
なっていた。この結果、廃棄物焼却炉から発生するダス
トにおいては、主として重金属や塩類が微細な粒子とし
て存在し、主として灰分成分からなるものが相対的に粗
い粒子として存在していることが判った。
【0015】このことから、相対的に粗い粒子はSi、
Ca、Alなどの灰分成分を多く含む飛散灰やこれらが
焼却炉の高温部で溶融してガラス化したものであり、微
細な粒子の多くは塩類や重金属化合物が焼却炉の高温部
で気化した後、凝縮して固化したものであるものと考え
られる。そして、塩類や重金属化合物の粒子は気化して
生成したものであって、極めて微細な粒子であるので、
廃棄物焼却炉から発生するダストにおいては、或る粒径
を境に成分の偏りが生じているものと考えられる。
【0016】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、次のような特徴を有する。
【0017】請求項1の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、廃棄物焼却炉から発生した排ガス
を捕集性能の異なる2種類の集塵機を用いて2段階で集
塵処理し、捕集したダストをそれぞれ処理する方法であ
って、最初に粗粒分捕集用の集塵機で集塵し、次いで微
粒分捕集用の集塵機で集塵することにより、排ガス中の
ダストを重金属の含有量が少ない粗粒分と重金属の含有
量が多い微粒分に分別して捕集し、分別捕集された2種
類のダストをそれぞれ異なる方法により処理することを
特徴としている。
【0018】請求項2の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1の発明において、粗粒分
捕集用の集塵機がサイクロンであり、微粒分捕集用の集
塵機がバグフィルタであることを特徴としている。
【0019】請求項3の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1又は請求項2の発明にお
いて、粗粒分を安定化処理装置へ送って重金属の安定化
処理を行うことを特徴としている。
【0020】請求項4の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1又は請求項2の発明にお
いて、粗粒分を廃棄物焼却残渣の溶融炉へ装入して溶融
処理することを特徴としている。
【0021】請求項5の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1又は請求項2の発明にお
いて、微粒分に水を加えて水溶性塩類を抽出する処理を
行い、その抽出残渣を粗粒分と共に廃棄物焼却残渣の溶
融炉へ装入することを特徴としている。
【0022】請求項6の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1〜請求項4の何れかの発
明において、微粒分を重金属回収処理を行う設備へ送っ
て処理することを特徴としている。
【0023】請求項7の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1〜請求項3の何れかの発
明において、微粒分を廃棄物焼却残渣の溶融炉へ装入し
て溶融処理することを特徴としている。
【0024】前述のように、ダスト中の重金属の分布が
微粒分に偏析しているので、廃棄物焼却炉から発生した
ダストを或る粒径で分級して粗粒分と微粒分の2種類の
ダストに分ければ、重金属を多く含むダストと重金属の
含有量が少ないダストに分別することができる。そし
て、このような2種類のダストに分別することができれ
ば、それぞれに適した処理方法を選定して処理すること
ができるので、廃棄物焼却炉から発生したダストを総合
的に効率よく処理することができる。
【0025】そこで本発明においては、廃棄物焼却炉か
ら発生した排ガスを、粗粒分捕集用の集塵機と微粒分捕
集用の集塵機よりなる2種類の集塵機を用いて2段階で
集塵処理し、排ガス中のダストを捕集する。この2段階
の集塵により、排ガス中のダストが重金属の含有量が少
ない粗粒分と重金属の含有量が多い微粒分に分けて捕集
されるので、粗粒分のダストと微粒分のダストを、それ
ぞれに適した処理方法を選択して処理することができ
る。
【0026】例えば、重金属含有量が少ない粗粒分のダ
ストについては、液体キレート剤などの薬剤混練法によ
り安定化処理をすれば、薬剤の添加量が少なくて済むの
で、埋め立て処分するダストを低コストで安定化処理す
ることができる。
【0027】又、重金属を多く含む微粒分のダストにつ
いては、重金属回収処理を行う装置へ送って重金属を回
収する処理を行えば、鉛や亜鉛などの濃縮物が得られ、
この濃縮物を鉛や亜鉛などの製錬原料として有効利用す
ることができる。
【0028】又、重金属を多く含む微粒分のダストだけ
を廃棄物焼却残渣の溶融炉へ装入して溶融処理すれば、
処理量が減少するので、溶融炉の設備を小型化すること
ができる。このため、設備投資額を少なくすることがで
き、電力などのエネルギー消費を減少させることができ
る。
【0029】本発明においては、廃棄物焼却炉から発生
する排ガス中のダストを重金属の含有量が少ない粗粒分
と重金属の含有量が多い微粒分に分別して捕集するため
に、最初に、所定の分別粒径より大きい粒子を捕集する
ための粗粒分捕集用の集塵機で捕集し、次いで、さらに
微細な粒子を捕集するための微粒分捕集用の集塵機で捕
集する。上記2種類の集塵機は、通常、粗粒分捕集用の
集塵機にサイクロンが使用され、微粒分捕集用の集塵機
にバグフィルタが使用される。
【0030】上記のような目的で行う2段階の集塵処理
においては、重金属の多くが粒径10μm以下の微粒分
に含まれているので、排ガス中のダストを粗粒分と微粒
分に分別する粒径の設定を10μm〜30μm程度の範
囲にし、この粒径の範囲内で適宜選択した粒径を捕集粒
径として設計された集塵機を粗粒分捕集用として使用す
るのがよい。
【0031】上記分別粒径の設定値の範囲は次のように
して定められた。分別粒径を10μmを下回る値に設定
すると、重金属含有量が多い微粒子の一部が粗粒分捕集
用の集塵機で捕集され、粗粒分として捕集されるダスト
中の重金属が多くなるので、好ましくない。
【0032】又、分別粒径を30μmを超える値に設定
すると、捕集性能の低い集塵機を粗粒分捕集用として使
用することができるが、重金属の含有量が少ない粒径の
粒子が微粒分に含まれるので、微粒分として捕集される
ダストの量が多くなり、かつ微粒分の重金属含有率が低
くなって微粒分の処理効率が低下する。又、分別粒径を
30μmを超える値に設定すると、微粒分として捕集さ
れるダストの比率が50%を上回ってしまうので、好ま
しくない。
【0033】なお、上記の説明においては、本発明にお
ける好ましい条件を粗粒分捕集用集塵機の捕集粒径に基
づいて定めたが、粗粒分捕集用集塵機で捕集されるダス
ト量の比率により定めてもよい。図4に示すように、排
ガス中のダストは30μm以下の粒子が約50%であ
り、10μm以下の粒子が約20%であるので、粗粒分
ダストの捕集比率が50%〜80%の範囲になる捕集性
能を有する粗粒分捕集用集塵機を使用すれば、粗粒分の
ダストと微粒分のダストの何れについても、効率よく処
理することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図3により本発明を
具体的に説明する。なお、本発明においては、分別され
た粗粒分と微粒分のダストの処理・処分に際し、粗粒分
と微粒分のダストにそれぞれ適した処理方法が適宜選択
されるが、図1〜図3には、粗粒分と微粒分の処理方法
の主要な組み合わせを示した。
【0035】図1は本発明の実施の形態に係る一例を示
す図である。図1において、10はごみ焼却炉、11は
廃熱ボイラ、12は粗粒分捕集用の集塵機であるサイク
ロンある。サイクロン12は、排ガス流量、ダストの密
度、排ガス中のダスト濃度などの操業条件の予想値に基
づいて、主として所定の分別粒径より大きい粒子が捕集
されるように設計されたものが配置されている。なお、
通常のごみ焼却炉から排出される排ガスの第1段階の集
塵処理においては、分別粒径が10μm〜30μm程度
の範囲内で適宜選択した粒径を捕集粒径として設計され
たサイクロンが使用される。
【0036】13は減温塔、14は排ガス中の塩化水素
などの酸性ガスを除去するための石灰吹き込み装置、1
5は微粒分捕集用の集塵機であるバグフィルタである。
そして、16は誘引送風機、17は煙突である。
【0037】20はサイクロン12で捕集されたダスト
を安定化するための安定化処理装置である。21はバグ
フィルタ15で捕集されたダストから重金属を抽出する
ための重金属回収装置である。
【0038】上記のように構成されたごみ焼却設備にお
いて、ごみ焼却炉10で発生した排ガスは廃熱ボイラ1
1で熱回収された後、サイクロン12へ導入され、第1
段階の集塵処理が行われる。サイクロン12において
は、焼却炉10から飛散してきたダストのうち、主とし
て所定粒径(10μm〜30μmの範囲で適宜選択され
る粒径)以上の粒子、すなわち粗粒分のダストが捕集さ
れる。粗粒分のダストが除かれた排ガスは減温塔13へ
導入されて水が噴霧され、後工程の排ガス処理に適する
温度まで急冷される。
【0039】次いで、石灰吹き込み装置14から、排ガ
スが流れている煙道内へ消石灰粉が吹き込まれ、排ガス
に含まれている塩化水素などの酸性ガスを除去する処理
が行われる。消石灰粉が吹き込まれた排ガスはバグフィ
ルタ15へ導入され、第2段階の集塵処理が行われる。
バグフィルタ15では、サイクロン12で捕集されなか
った微細なダストと、石灰吹き込み装置14から吹き込
まれた消石灰と塩化水素などとの反応生成物や未反応の
消石灰が捕集される。集塵処理された排ガスは、必要に
応じて、さらに有害ガスを除去する処理がなされた後、
放散される。
【0040】上記の排ガス処理工程において、サイクロ
ン12とバグフィルタ15の2箇所から集塵ダストが排
出される。サイクロン12においては、主として所定粒
径を超える大きさの粒子よりなる粗粒分だけが捕集され
るので、サイクロン12から排出されるダスト中の重金
属含有率は非常に少ない。しかし、逆に、バグフィルタ
15から排出されるダスト中の重金属含有率は多くなっ
ている。
【0041】サイクロン12から排出された粗粒分のダ
ストは安定化処理装置20へ送られて安定化処理された
後、埋め立て処分される。安定化処理装置20では、粗
粒分に液体キレート剤を添加して混練し、重金属を安定
化する処理が行われる。この安定化処理においては、上
記のように、粗粒分の重金属含有率が非常に低くなって
おり、さらに処理するダストが粗粒分だけであるので、
重金属を安定化させるための液体キレート剤の添加量が
少量で済み、埋め立て処分するダストを低コストで安定
化処理することができる。
【0042】バグフィルタ15から排出された微粒分の
ダストは重金属回収装置21へ送られる。重金属回収装
置21では、ダスト中の重金属を酸抽出して濃縮する処
理が行われ、その濃縮物は鉛や亜鉛などの製錬に供され
る。
【0043】図2は本発明の実施の形態に係る他の例を
示す図である。図2において、図1と同じ構成に係る部
分については、同一の符号を付し説明を省略する。この
実施の形態においては、溶融炉22が設けられており、
バグフィルタ15から排出された微粒分のダストが溶融
処理されるようになっている。溶融炉22は廃棄物焼却
残渣を溶融処理するための炉であって、電気抵抗式灰溶
融炉、回転表面溶融炉など、装入したダストの飛散が少
ない型式の溶融炉を使用することが望ましい。又、捕集
したダストから亜鉛を回収しようとする場合には、電気
抵抗式灰溶融炉などのような還元雰囲気で溶融する炉を
使用することが望ましい。
【0044】溶融炉22へ装入された微粒分のダストは
溶融状態で排出され、冷却・固化されてスラグとなる。
微粒分のダストに含まれていた重金属はその一部が気化
して集塵機で捕集される。この集塵ダストは重金属回収
装置21へ送られる。重金属回収装置21では、ダスト
を酸抽出処理あるいは水洗処理してダスト中の重金属を
濃縮する処理が行われ、その濃縮物は鉛や亜鉛などの製
錬に供される。そして、この集塵ダストはバグフィルタ
15から排出された微粒分のダストよりも重金属の含有
率が高くなっているので、鉛や亜鉛などの抽出を効率的
に行うことができる。
【0045】図3は本発明の実施の形態に係るさらに他
の例を示す図である。図3において、図1と同じ構成に
係る部分については、同一の符号を付し説明を省略す
る。この実施の形態においては、溶融炉22が設けられ
ており、サイクロン12から排出された粗粒分のダスト
とバグフィルタ15から排出された微粒分のダストが一
緒に溶融処理されるようになっている。ただし、バグフ
ィルタ15から排出された微粒分のダストは塩類抽出処
理装置23でアルカリ金属の塩化物や塩化カルシウムな
どの塩類が取り除かれる処理がなされた後、その残渣が
溶融炉22へ装入される。
【0046】塩類抽出処理装置23においては、バグフ
ィルタ15から排出された微粒分のダスト微粒分のダス
トに水を加えてスラリ状にし、これを攪拌して、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどの水溶性
塩類を溶出させる。この際、スラリのpHが10〜11
になるように調整して、水溶性塩類の形態で存在してい
る重金属を水酸化物の形態にし、溶出しないようにす
る。このpH調整により、水溶性塩類のうち、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどの塩類だけ
が溶出して液側へ移行する。次いで、濾過、遠心沈降な
どの操作によりスラリを固液分離し、浸出残渣を溶融炉
22装入する。浸出液は排水処理設備へ送られる。
【0047】この実施の形態によれば、溶融炉の操業時
に種々の障害となる塩類が取り除かれ、溶融処理するダ
ストの量が減少するので、溶融炉22を小型化すること
ができると共に、溶融エネルギーが低減される。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、廃棄物焼却炉から発生
した排ガスを、粗粒分捕集用の集塵機と微粒分捕集用の
集塵機を用いて2段階で集塵処理することにより、排ガ
ス中のダストを重金属の含有量が少ない粗粒分と重金属
の含有量が多い微粒分に分別して捕集し、分別捕集され
た2種類のダストをそれぞれに適した異なる処理方法を
選定して処理することができるので、廃棄物焼却炉から
発生したダストを効率よく処理することができる。
【0049】例えば、重金属の含有量が少ない粗粒分を
埋め立て処分するダストとし、重金属を多く含む微粒分
を重金属回収用のダストにすれば、埋め立て処分するダ
ストを安定化させる処理コストを大幅に低減することが
でき、又、重金属回収の処理を効率よく行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る一例を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態に係る他の例を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態に係るさらに他の例を示す
図である。
【図4】都市ごみ焼却設備のバグフィルタで捕集された
ダストの粒径分布の例を示す図である。
【図5】粒径10μmを超えるものを主とする粗粒分の
粒径分布を示す図である。
【図6】粒径10μm以下のものを主とする微粒分の粒
径分布を示す。
【符号の説明】
10 ごみ焼却炉 11 廃熱ボイラ 12 サイクロン 13 減温塔 14 石灰吹き込み装置 15 バグフィルタ 20 安定化処理設備 21 重金属回収装置 22 溶融炉 23 塩類抽出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 304G Fターム(参考) 4D004 AA36 AB03 AC05 BA02 BA05 BB03 CA15 CA29 CA34 CA50 CB05 CC03 CC08 CC12 4D058 JA04 QA08 RA19 TA01 UA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物焼却炉から発生した排ガスを捕集
    性能の異なる2種類の集塵機を用いて2段階で集塵処理
    し、捕集したダストをそれぞれ処理する方法であって、
    最初に粗粒分捕集用の集塵機で集塵し、次いで微粒分捕
    集用の集塵機で集塵することにより、排ガス中のダスト
    を重金属の含有量が少ない粗粒分と重金属の含有量が多
    い微粒分に分別して捕集し、分別捕集された2種類のダ
    ストをそれぞれ異なる方法により処理することを特徴と
    する廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法。
  2. 【請求項2】 粗粒分捕集用の集塵機がサイクロンであ
    り、微粒分捕集用の集塵機がバグフィルタであることを
    特徴とする請求項1に記載の廃棄物焼却排ガスとダスト
    の処理方法。
  3. 【請求項3】 粗粒分を安定化処理装置へ送って重金属
    の安定化処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法。
  4. 【請求項4】 粗粒分を廃棄物焼却残渣の溶融炉へ装入
    して溶融処理することを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法。
  5. 【請求項5】 微粒分に水を加えて水溶性塩類を抽出す
    る処理を行い、その抽出残渣を粗粒分と共に廃棄物焼却
    残渣の溶融炉へ装入することを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の廃棄物焼却排ガスとダストの処理方
    法。
  6. 【請求項6】 微粒分を重金属回収処理を行う設備へ送
    って処理することを特徴とする請求項1〜請求項4の何
    れかに記載の廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法。
  7. 【請求項7】 微粒分を廃棄物焼却残渣の溶融炉へ装入
    して溶融処理することを特徴とする請求項1〜請求項3
    の何れかに記載の廃棄物焼却排ガスとダストの処理方
    法。
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