JP2002116163A - 表面分析装置におけるスペクトルピーク位置の補正方法 - Google Patents

表面分析装置におけるスペクトルピーク位置の補正方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電中和機構を設けたり補正基準用の参照物
質の蒸着などの試料処理を必要としない、表面分析装置
におけるスペクトルピーク位置の補正方法を提供する。 【解決手段】 試料表面をエッチングしながらX線又は
電子線を照射して得られる試料の深さ方向のエネルギー
スペクトルのピーク位置を検出して、試料の元素の化学
状態を分析する表面分析装置におけるスペクトルピーク
位置の補正方法において、分析対象元素が存在する試料
上層部と接する基板部の界面領域の基板部を構成する元
素のエネルギースペクトルのピーク位置の帯電によるシ
フト量に基づいて、上層部に存在する分析対象元素のエ
ネルギースペクトルのピーク位置を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子線又はX線
を励起源として光電子やオージェ電子を測定対象とする
光電子分光装置又はオージェ電子分光装置などの表面分
析装置におけるエネルギースペクトルのピーク位置の補
正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線又はX線を励起源として光電子や
オージェ電子を測定対象とする光電子分光装置やオージ
ェ電子分光装置などの表面分析装置においては、測定さ
れたエネルギースペクトルピークに基づいて試料の構成
元素を検出するようになっているが、元素の化学結合状
態が変化すると、ピーク位置やピーク形状が変化する。
したがって、ピーク位置のシフトを観測することにより
元素の化学結合状態を判定することができる。
【0003】従来、このようにして元素の化学結合状態
を判定するには、予め測定されている文献値を参照し、
合致した文献値により目的とする分析対象元素の化学結
合状態を判定するようにしている。
【0004】しかしながら、このように文献値を参照し
て化学結合状態を判定する場合には、エネルギースペク
トルのピーク位置は試料測定中の帯電により変動するの
で、その文献値が求められた際の測定方法や試料の前処
理が適切であったか否かを検証する必要があり、また文
献値を求める際に使用された測定装置のエネルギーアナ
ライザが正しく較正されていたかを検証する必要があ
る。
【0005】このような検証を必要とするという問題点
を解消するために、従来は帯電中和状態を監視しながら
目的元素のスペクトルを測定するようにしたり、被測定
試料上にピーク位置を補正するために基準として使用す
る参照物質を蒸着するなどの手法が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に帯電中和機構を有する表面分析装置を用いる場合に
は、測定中にスペクトル波形を監視するなどして、帯電
中和作用が正しく行われているかを常時モニターしなけ
ればならない。また、補正基準となる参照物質を蒸着し
ておく手法の場合には、特別な試料処理を必要とするば
かりでなく、深さ方向の分析の進行にしたがって、蒸着
された参照物質がイオンエッチングによって消失してし
まうので、深さ方向の分析におけるスペクトルピークの
補正は行えなくなってしまうという問題点がある。
【0007】本発明は、従来の表面分析装置における上
記問題点を解消するためになされたもので、帯電中和機
構を設けたり、あるいは補正基準用の参照物質の蒸着な
どの特別な試料処理を必要としない、表面分析装置にお
けるスペクトルピーク位置の補正方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に係る発明は、試料表面をエッチングしな
がらX線又は電子線を照射して得られる試料の深さ方向
のエネルギースペクトルのピーク位置を検出して、試料
の元素の化学状態を分析する表面分析装置におけるスペ
クトルピーク位置の補正方法において、分析対象元素が
存在する試料上層部と接する基板部の界面領域の基板部
を構成する元素のエネルギースペクトルのピーク位置の
帯電によるシフト量に基づいて、上層部に存在する分析
対象元素のエネルギースペクトルのピーク位置を補正す
ることを特徴とするものである。
【0009】絶縁物層を上層部に有する被測定試料に対
して深さ方向分析を行う際に、特に被測定試料の上層部
に存在する分析対象元素が基板部を構成する元素と異な
り、また基板部が導電性を有する場合には、上層部と基
板部の界面領域から観測される基板部を構成する元素の
スペクトルピークの帯電によるピークシフト量を利用し
て、上層部で測定される目的元素の帯電によるピークシ
フト量を見積もることが可能である。したがって、この
ような試料においては、上記請求項1に係る発明で示し
たように、基板部から観測される元素のスペクトルピー
クの帯電によるシフト量に基づいて、上層部に存在する
目的元素のエネルギースペクトルのピーク位置を補正す
ることにより、上層部に存在する目的元素の化学状態に
対応する、帯電の影響によるシフトを補正した真の化学
シフト値を、推定することが可能となる。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1に係る表
面分析装置におけるスペクトルピーク位置の補正方法に
おいて、前記試料上層部を構成する元素の内、分析対象
となる元素が基板部に含まれる元素と一致する場合に
は、検出された界面領域のエネルギースペクトルを波形
分離処理することにより、上層部に属する元素と基板部
に属する元素の各スペクトルピークを分離して求めるこ
とを特徴とするものである。
【0011】絶縁物層を上層部に有する被測定試料にお
いて、上層部を構成する元素の内、分析対象となる元素
が基板部を構成する元素と一致する場合には、基板部に
おける元素のスペクトルピークと上層部の元素のスペク
トルピークとが近接し、界面領域における基板部の元素
のスペクトルピークの帯電によるシフト量を単純に測定
することは困難である。
【0012】このような上層部に存在する目的元素が基
板部にも含まれる試料では、上記請求項2に係る発明の
ように、波形分離処理により界面領域における近接スペ
クトルピークを、基板部に属する元素のスペクトルピー
クと上層部に属する元素のスペクトルピークに分離す
る。そして、この波形分離処理で得られた基板部に属す
る元素のスペクトルピークのシフト量に基づいて、上層
部に属する目的元素のエネルギースペクトルのピーク位
置を補正することにより、絶縁物である上層部に属する
化学状態における目的元素の真のスペクトルピーク位
置、すなわち化学シフト値を推定することが可能とな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、実施の形態について説明す
る。図1は、本発明に係る表面分析装置におけるスペク
トルピーク位置の補正方法を実施するための表面分析装
置の実施の形態を示すブロック構成図である。この実施
の形態は、本発明をオージェ電子分光装置に適用したも
のを示しており、図1において、1は被測定試料等を配
置する分析室、2は電子銃で、試料上に電子線を照射
し、オージェ電子を励起するための励起源となるもので
ある。3はイオン銃で、試料上にイオン化した不活性ガ
スなどを照射し、試料表面をエッチングして深さ方向分
析(スパッタデプスプロファイル分析)を行えるように
するものである。4は試料から発生したオージェ電子を
エネルギー分光し、オージェスペクトルを測定するエネ
ルギーアナライザ、5は電子銃2の加速電圧、エミッシ
ョン電流、電子線の照射位置などを制御する電子銃制御
部、6はイオン銃3の加速電圧、エミッション電流、イ
オンの照射位置などを制御するイオン銃制御部、7はエ
ネルギーアナライザ/検出系制御部で、エネルギーアナ
ライザ4の電圧制御及び検出されたオージェ電子を電気
信号に変換するものである。8は分析機能制御コンピュ
ータで、深さ方向分析を行うためにスペクトル測定とエ
ッチングのスケジュールを管理すると共に、オージェス
ペクトル測定やイオンエッチングを行うために、電子銃
2,イオン銃3,エネルギーアナライザ4を制御し、更
に深さ方向分析によって測定されたスペクトルに対し
て、波形分離処理及び定量計算処理などを行って、化学
状態に基づくピークシフト位置の補正を行い、補正され
たピークシフト位置と定量結果のテーブルの作成等の処
理を行うものである。
【0014】次に、このように構成されている実施の形
態における動作について説明する。この実施の形態にお
いて、電子銃による電子線とイオン銃によるイオンビー
ムを用いた試料の深さ方向分析で各レベルのエネルギー
スペクトル群を得るまでの動作は、従来と全く同様であ
るので、その説明は省略し、上記動作により得られたス
ペクトル群の化学状態に基づくピークシフト位置の補正
処理等について、図2に示すフローチャートを参照しな
がら説明する。
【0015】まず、基板上に上層部を有する被測定試料
に対して、深さ方向分析法を適用して得られるスペクト
ル群を、分析機能制御コンピュータ8に取り込む(ステ
ップS1)。そして、被測定試料に関して、試料上層部
を構成する元素の内、分析対象となる元素が基板部に含
まれる元素と同一か否かの判定を行う(ステップS
2)。両者が同一でない場合は、基板部を構成する元素
の試料帯電の影響によるエネルギースペクトルのピーク
シフト量を求め、ピークシフトテーブルを作成する(ス
テップS3)。
【0016】ここで、試料の帯電の影響によるエネルギ
ースペクトルのピークシフト量は、次のようにして求め
られる。すなわち、本発明においては、基板部は導体又
は半導体であることを前提としているものであるが、試
料表面をエッチングしながら基板部からの元素のみが観
測される程度まで深さ方向分析(スパッタデプスプロフ
ァイル分析)を行うことにより、帯電による影響のない
基板部の元素に対するスペクトルが得られる。そこで、
この部位(レベル)のスペクトルを基準スペクトルに採
用して、上層部の元素と混在する部位(レベル)のスペ
クトルのピークシフト量を求め、そのピーク位置を補正
するものである。
【0017】次に、ステップS2において、上層部の分
析対象となる元素が基板部に含まれる元素と同一である
場合には、基板部の元素のスペクトルピークと上層部に
含まれる元素のスペクトルピークとが近接し、界面付近
における基板部の元素のスペクトルピークの帯電による
シフト量を単純に測定することはできないので、測定さ
れたエネルギースペクトルに対して波形分離処理を行
う。そして、その波形分離処理に利用する基準スペクト
ルを決定し(ステップS4)、その基準スペクトルに基
づいて波形分離処理を実行する(ステップS5)。この
波形分離処理に使用する基準スペクトル波形としては、
例えば深さ方向分析で得られた実スペクトルを参照スペ
クトルとして利用し、波形分離を実行する。ここで、基
準スペクトルに使用する実スペクトルとしては、目的の
化学状態を示す化合状態にあるものを使用し、これは分
離されたスペクトルである。すなわち、Si O2 /Si3
4/Si という層を有する試料の場合は、Si O2
Si34 及びSi の各々の状態に対応するスペクトル
を、それぞれの基準スペクトルとする。もしSi O2
Si34 膜が薄く、各々のピークを単独で識別できない
ような試料の場合には、その時点で測定している試料そ
のものからではなく、他のSi O2 又はSi34単独か
ら形成される試料の測定で得られたスペクトルを基準ス
ペクトルとする。
【0018】この際、参照スペクトルとして数学的な関
数で発生したスペクトル形状を利用することも可能であ
る。数学関数には Gauss型、 Lorentz型又はこれらの混
合関数を使用する。 Gauss型:G(x)=I0 exp (−A/2) ここでI0 :スペクトル強度 A=(x−u)2 /b2 u=ピーク位置 b=(ピーク半値幅)/2 Lorentz型:L(x)=I0 /(1+A) ここでI0 :スペクトル強度 A=(x−u)2 /b2 Gauss−Lorentz 混合型 M(x)=I0 exp {−(1−M)ln2 B}/(1+M
B) ここでI0 :スペクトル強度 B=(x−u)2 /(Zb)2 Z=Σi=0 to 6i ii :混合比 Ai :係数 以上の式に対してピーク強度(スペクトル強度)とピー
ク半値幅を与えて算出する。
【0019】以上のようにして、深さ方向分析で得られ
た各レベルの実測スペクトルを波形分離処理した際に得
られる各成分の成分比を記録した成分比テーブルと、基
準スペクトルに対するピークシフト量を記録したピーク
シフトテーブルを作成する(ステップS6)。
【0020】ここで、波形分離処理した際に取得される
各成分の成分比は、次のようにして得られる。積分型の
波形については、観測スペクトル及び基準スペクトルか
ら対象エネルギー範囲における最小値を減算し(ベース
ラインの除去)、観測スペクトル及び基準スペクトルの
強度の最大値を“1”に正規化する。そして、これらを
用いて、非線形最小二乗法により、次式による残差スペ
クトルが最小になるように、計数値の最適化を行う。 残差スペクトル=(観測スペクトル−係数×基準スペク
トル)2 この最適化の過程にピーク位置のシフトが含まれてお
り、この最適化の過程で得られる係数比が、波形分類処
理した際に得られる成分比となる。
【0021】次いで、ステップS3で求められた基板部
に属する元素に対して作成された帯電の影響によるピー
クシフトテーブルと、ステップS6で求められた化学状
態を表すスペクトルのピーク位置シフトテーブルに基づ
いて、目的元素のスペクトルピーク位置又は化学状態に
属するスペクトルピーク値を補正する(ステップS
7)。これについて更に詳述すると、目的元素又は化学
状態に対するピーク位置の補正は、導電性を有する基板
層に属する元素の基板レベルで観測されるピーク位置に
対するピークシフト量によって補正する。すなわち、デ
プスプロファイル分析の結果から基板層部分で測定され
た基板層に属する元素のピーク位置を基準として、この
基準値に対して上位層と基板層の界面部分における基板
層に含まれる元素のピークシフト量をもって、各レベル
における帯電によるピークシフト量とみなすものであ
る。
【0022】一方、ステップS1においてコンピュータ
8に取り込んだ試料の深さ方向分析で得られた各レベル
の処理対象スペクトル群に基づいて、各元素の濃度比を
定量計算により求める(ステップS8)。そして、この
定量計算により求められた濃度比に対して、ステップS
6において波形分離で得られた目的元素の各化学状態に
応じた成分比を乗じ、目的元素の各化学状態における成
分比を濃度比に変換する(ステップS9)。次いで、目
的化学状態に対応する化学量論比に適合するレベル番号
を検索する(ステップS10)。ここで、レベル番号の検
索とは、波形分離処理によって分離された目的元素の化
学状態に対応するスペクトル強度と、この元素と化合物
を構成している元素に対して定量計算を行い、原子濃度
比を作成し、ここで作成された各レベルに対する原子濃
度比が、推定される化合物の組成比(化学量論比)と適
合(一致)するレベルを検索することを指している。
【0023】次いで、前記ステップS10において検索さ
れた目的化学状態に対応したレベル番号のスペクトルピ
ーク位置を、この化学状態のピーク位置とし、この位置
を基準にして目的化学状態のピークシフトテーブルを再
構成する(ステップS11)。これにより、帯電による影
響が除外された、補正スペクトルピーク位置/元素濃度
比テーブルを作成する(ステップS12)。
【0024】この点について、更に説明すると、ピーク
シフトテーブルはある基準ピーク位置を基にして、これ
に対する相対位置を示しており、一方、補正スペクトル
ピーク位置は、基準ピーク位置にピークシフトテーブル
に記録された相対位置を加算(又は減算)することによ
って得られるピークの絶対位置を示している。すなわ
ち、(補正されたピーク位置)=(基準ピーク位置)+
(ピークシフト値)で表され、このピークシフト値は基
準値に対する変位量を示し、負又は正の値を有してい
る。なお、ここで用いるピークシフトテーブルは、波形
分離を実行する際に基準としたピーク位置に対するシフ
ト量(変位量)に対し、基板部の元素の化学状態に対応
するピーク位置のシフト量で帯電の影響を除去し、目的
元素の目的化学状態に対応する組成比を有するレベルの
ピーク位置を基準として、この値をもとに各レベルのピ
ーク位置の変位量を求めた結果を示している。
【0025】次に、具体的な試料に関するピークシフト
補正について説明する。図3の(A)に示すグラフは、
図3の(B)に示すようにSi 基板上にSi34 層を有
し最上層に酸化Si(Si O2)層をもつ試料に対してイオ
ンエッチング法を用いた深さ方向分析を行い、得られた
Si スペクトルに波形分離手法を適用して求められた窒
化Si 及び基板Si のSi ピークのピークシフトの変化
を示している。図3の(A)において、グラフの横軸は
イオンエッチングとピーク測定の繰り返しを示し、左側
は試料表面付近を示し、右側は試料内部の様子を示して
いる。
【0026】このグラフでは、窒化Si の標準スペクト
ルとしてグラフのレベル番号13のスペクトルを使用し、
Si の標準スペクトルとしてレベル番号37を使用してい
る。図3の(A)において、曲線aは波形分離処理で得
られたSixNy (未補正)のピークシフト量を示し、曲
線bは同じく波形分離処理で得られたSi のピークシフ
ト量を示している。また曲線cは、波形分離処理で得ら
れたSi のピークシフト量(曲線b)でSixNy (未補
正)のピークシフト量(曲線a)を補正した結果(Si
で補正されたSixNy ピークシフト)を示す。また、こ
のグラフでは更に、Si で補正されたSixNy ピークシ
フト量(曲線c)に対し、レベル番号17におけるピーク
がSi34 に対応するピークであるとして、このレベル
番号17のピーク値を基準として、Si で補正されたSix
Ny ピークシフト(曲線c)を補正し、レベル番号17を
基準としたSixNy ピークシフト量として曲線dで示し
ている。
【0027】次に、図1に示したオージェ電子分光装置
の実施の形態の変形例を図4に基づいて説明する。この
変形例は、電子銃の代わりにX線源2aを設け、試料上
にX線を照射し光電子及びオージェ電子を励起させる励
起源として用いるもので、これに対応してX線源制御部
5aを設けた点に特徴を有するものであり、他の構成は
図1に示した実施の形態と同様にである。
【0028】図5は、図1に示したオージェ電子分光装
置の実施の形態の他の変形例を示す図である。この変形
例は、試料から光電子及びオージェ電子を励起させるた
めの励起源として電子銃2と共にX線源2aを設け、そ
れに対応して電子銃制御部5と共にX線源制御部5aを
設けたもので、他の構成は図1に示した実施の形態と同
様である。
【0029】上記オージェ電子分光装置の実施の形態及
びその変形例においては、オージェ電子分光装置本体と
分析機能制御コンピュータとで構成したものを示した
が、図6に示すようにオージェ電子分光装置などの表面
分析装置11に対して別個の分析結果処理コンピュータ12
を設け、表面分析装置11において深さ方向分析で得られ
たエネルギースペクトルデータを、データ通信や記録媒
体によって分析結果処理コンピュータ12に読み込ませ、
そのデータに対して波形分離などの処理によってピーク
位置の補正処理を行うようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項1に係る発明によれば、基板部から観測され
る元素のスペクトルピークのシフト量に基づいて、上層
部に存在する目的元素のエネルギースペクトルのピーク
位置を補正するようにしているので、上層部に存在する
目的元素の化学状態に対して帯電の影響によるシフトを
補正した真の化学シフト値を推定することができる。請
求項2に係る発明によれば、上層部に存在する目的元素
が基板部にも含まれる試料においても、波形分離処理を
行って得られる基板部に属する元素のスペクトルピーク
のシフト量に基づいて、目的元素のスペクトルピーク位
置の補正をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面分析装置におけるスペクトル
ピーク位置の補正方法を実施するためのオージェ電子分
光装置の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図2】図1に示した実施の形態の主たる動作を説明す
るためのフローチャートである。
【図3】表面に酸化Si 層を有するSi34 層を上層部
としたSi 基板からなる試料に対して、イオンエッチン
グ法を用いて深さ方向分析を行って得られた窒化Si と
Si のピークシフトの補正を説明するグラフ図である。
【図4】図1に示した実施の形態の変形例を示す図であ
る。
【図5】図1に示した実施の形態の他の変形例を示す図
である。
【図6】図1に示した実施の形態の更に他の変形例を示
す図である。
【符号の説明】
1 分析室 2 電子銃 2a X線源 3 イオン銃 4 エネルギーアナライザ 5 電子銃制御部 5a X線源制御部 6 イオン銃制御部 7 エネルギーアナライザ及び検出系制御部 8 分析機能制御コンピュータ 11 表面分析装置 12 分析結果処理コンピュータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面をエッチングしながらX線又は
    電子線を照射して得られる試料の深さ方向のエネルギー
    スペクトルのピーク位置を検出して、試料の元素の化学
    状態を分析する表面分析装置におけるスペクトルピーク
    位置の補正方法において、分析対象元素が存在する試料
    上層部と接する基板部の界面領域の基板部を構成する元
    素のエネルギースペクトルのピーク位置の帯電によるシ
    フト量に基づいて、上層部に存在する分析対象元素のエ
    ネルギースペクトルのピーク位置を補正することを特徴
    とする表面分析装置におけるスペクトルピーク位置の補
    正方法。
  2. 【請求項2】 前記試料上層部を構成する元素の内、分
    析対象となる元素が基板部に含まれる元素と一致する場
    合には、検出された界面領域のエネルギースペクトルを
    波形分離処理することにより、上層部に属する元素と基
    板部に属する元素の各スペクトルピークを分離して求め
    ることを特徴とする請求項1に係る表面分析装置におけ
    るスペクトルピーク位置の補正方法。
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