JP2002110176A - カーボンナノファイバー複合体およびその製造方法 - Google Patents

カーボンナノファイバー複合体およびその製造方法

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Seiichi Suenaga
誠一 末永
Miho Maruyama
美保 丸山
Yasuhiro Itsudo
康広 五戸
Yoshihiko Nakano
義彦 中野
Hiroyasu Sumino
裕康 角野
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板表面に高密度にカーボンナノファイバー
を成長させたカーボンナノファイバーの提供 【解決手段】 遷移金属の酸化物および難還元性金属酸
化物との固溶体相からなる基体1をメタンガス中で加熱
することで、前記遷移金属の酸化物を還元し、前記基体
表面に遷移金属を形成すると共に、この遷移金属からカ
ーボンナノファイバー2を析出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンナノファ
イバー複合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンナノファイバーは、カーボンナ
ノチューブあるいはグラファイトナノファイバー等とも
呼ばれ、数十nm以下の直径を有するカーボンの繊維
で、電池の電極材料、ディスプレイ用のエミッタ材料な
どとしての応用が期待されている。
【0003】この材料は、一般に遷移金属からなる触媒
粒子に、メタンガスなどの炭素含有ガスを接触させ、炭
素含有ガスを気相から分解することで合成しており、こ
のようにして得られるカーボンナノファイバーは、各繊
維の成長する方向がランダムなために、カーボンナノフ
ァイバーを高密度化した集合体として使用することが困
難であった。
【0004】一方、例えば、燃料電池は二酸化炭素のエ
ミッションが少なく、環境負荷の少ない発電技術として
近年大きく注目されている。
【0005】この燃料電池のカソードでは、外部から供
給される酸素と電解質から供給される水素イオンとを触
媒に接触させて水を生成する反応により正孔を生成し、
この正孔をリード端子に供給する(リード端子から触媒
に電子を供給する)。そのため、触媒に電子を供給する
ために、通常触媒を担持したカーボン粒子をバインダー
などを用いて成形した成形体を電極材料を使用してい
る。
【0006】しかしながら、カーボン粒子をバインダー
などを用いて成形した電極では、カーボン粒子間におい
て電子の損失が生じる。
【0007】カーボン粒子の粒径に対して、繊維長を長
くできるカーボンナノファイバーを使用することで、電
子の損失を低減させることが考えられるが、従来のカー
ボンナノファイバーは、Niなどの個々の遷移金属微粒
子から一本のカーボンナノファイバーを成長させている
ため、基板表面に均一な粒径の遷移金属を、均一かつ高
密度に分散させて担持させなければならない。その結
果、精密な作業を必要とするため、その生産性が極めて
低くなるという問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のカーボンナノファイバーは、Niなどの遷移金属から
なる微粒子から成長させているため、高密度化すること
が困難であった。
【0009】本発明は、このような問題に鑑みて為され
たものであり、基体表面に複数のカーボンナノファイバ
ーを直接成長させたカーボンナノファイバー複合体、お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のカーボンナノフ
ァイバー複合体は、遷移金属の酸化物および難還元性金
属酸化物との固溶体相を含有する基体と、この基体上に
析出された前記遷移金属から成長されせたカーボンナノ
ファイバーとからなることを特徴とするカーボンナノフ
ァイバー複合体。
【0011】前記難還元性金属酸化物は、Cu、Zn、
Sn、Cd、Pb、HgおよびAgから選ばれる少なく
とも1種の金属の酸化物であり、前記遷移金属に対して
0.1〜50atm%ですることが好ましい。
【0012】本発明のカーボンナノファイバー複合体の
製造方法は、遷移金属の酸化物および難還元性金属酸化
物との固溶体相を含有する基体を還元性雰囲気下で加熱
して前記基体表面に遷移金属を析出し、前記基体を炭素
構成元素とするガス中で加熱して析出した前記遷移金属
からカーボンナノファイバーを成長させることを有する
ことを特徴とする。
【0013】また、本発明のカーボンナノファイバー複
合体の製造方法は、遷移金属の酸化物および難還元性金
属酸化物との固溶体相を含有する基体を炭素を構成元素
とするガス中で加熱して前記基体表面に遷移金属を形成
すると共に、この析出した遷移金属からカーボンナノフ
ァイバーを成長させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の説明を図面を用い
て行う。
【0015】図1は、本発明に係るカーボンナノファイ
バー複合体の概念図である。
【0016】基体1は、遷移金属の酸化物と難還元性金
属酸化物との固溶体で形成されており、この基体1表面
の遷移金属元素が存在する領域からカーボンナノファイ
バー2が成長しており、このカーボンナノファイバーは
複数本が基体1の全面に形成されている。
【0017】基体1は、遷移金属の酸化物と難還元性金
属酸化物との固溶体相を含有するものであれば特に制限
されず、例えば、図1に示すように、固溶体相で形成さ
れた基板をそのまま基体として使用しても良いし、金属
あるいは炭素などの導電性材料やセラミックスなどの絶
縁性材料からなる基板表面に前記固溶体相が形成された
基体を使用しても良い。
【0018】遷移金属の酸化物は、例えばFe、COあ
るいはNiなどの酸化物を使用すればよく、これらの酸
化物を還元し、固溶体相中に遷移金属を形成する。この
遷移金属を触媒としてカーボンナノファイバーが成長す
る。
【0019】また、Cu、Zn、Sn、Cd、Pb、H
gあるいはAgなどの金属あるいはこれらの合金成分の
酸化物を固溶体中に含有させることができる。このよう
な金属を固溶体中に含有させると、遷移金属とこれらの
金属とが合金し、この合金からカーボンナノファイバー
が成長する。その結果触媒としての機能が高まり、均質
なカーボンナノファイバーを効率よく成長させることが
可能になる。
【0020】例えば、遷移金属の酸化物、難還元性金属
酸化物および合金成分の酸化物からなる三元系の固溶体
相を用い、この三元系の固溶体相を還元し、遷移金属と
合金成分からなる合金を析出させ、この合金からカーボ
ンナノファイバーを成長させることができる。
【0021】したがって、これらの合金成分を使用する
際には、難還元性金属酸化物は合金成分の酸化物よりも
還元性の低い材料を使用することが望まれる。なお、C
u、Zn、Sn、Cd、Pb、HgあるいはAgなどの
元素を混合する比率は、遷移金属に対して0.1〜50
atm%とすることが好ましい。
【0022】難還元性金属酸化物とは、少なくとも遷移
金属の酸化物よりも還元性の低い金属の酸化物を指し、
特に15℃〜700℃の水素もしくはプラズマ条件下で
金属へ還元されない金属酸化物を使用することが好まし
い。15℃〜700℃の水素もしくはプラズマ条件下で
金属へ還元される金属酸化物を使用すると、遷移金属の
還元時に難還元性金属酸化物まで還元されてしまい、遷
移金属と難還元性金属との合金が析出してしまう恐れが
あり、その結果遷移金属の触媒としての機能を低下させ
てしまう。
【0023】このような難還元性金属としては、例えば
Al,Mg,Si,Zr,Ti,Hf,CaあるいはC
eなどを挙げることができる。
【0024】また、難還元性金属酸化物は、遷移金属の
酸化物との間で全固溶する材料を選択することが好まし
く、このような材料を選択することで遷移金属の酸化物
と難還元性金属酸化物との比率を任意の値に設定でき
る。全固溶する遷移金属の酸化物と、難還元性金属酸化
物との組合わせとしては、例えば、NiO−MgO、F
eO−MgOあるいはCoO−MgOの組合わせが挙げ
られる。また、全固溶する組合わせに限られず、Zr、
NiおよびOの三元系、Ti、NiおよびOの三元系、
あるいはCe、NiおよびOの三元系など、所定範囲の
比率でのみ固溶しあう材料を組合わせたものでもよい。
【0025】また、難還元性金属酸化物と遷移金属の酸
化物とからなる固溶相中における、遷移金属の酸化物の
比率は30〜70wt%の材料とすることが望ましい。
【0026】遷移金属の酸化物の比率が30wt%に満
たないと、遷移金属の酸化物を還元することが困難にな
る。その結果、カーボンナノファイバーを成長させるた
めの触媒(遷移金属)が生成されなくなる恐れがある。
また、70wt%を超えると、固溶相を還元した時に、
析出される遷移金属の粒径を制御することが困難にな
る。すなわち、触媒として析出される遷移金属の粒径が
大きくなり、その結果、触媒表面に成長するカーボンナ
ノファイバーの直径が大きくなってしまう恐れがある。
【0027】本発明に係るカーボンナノチューブは、グ
ラファイト構造の炭素材料であり、直径1μm以下の繊
維形状をしたものであり、例えばグラファイトのc面を
繊維長方向に積層した形状や、グラファイトのc面を側
壁とするチューブ形状をしたものがある。
【0028】次に、本発明のカーボンナノファイバーの
製造方法を説明する。
【0029】まず、前述した基体の製造方法について説
明する。
【0030】難還元性金属酸化物粉末および、遷移金属
の酸化物粉末とを準備し、所望の比率で混合した後、1
000℃以上の高温に加熱し両粉末を加熱反応させるこ
とで固溶体を作製することができる。
【0031】この原料に用いる粉末は、平均粒径1〜1
00μm程度の微粉末を使用することが望ましい。粒径
が1μmよりも小さいと作業性が悪くなり、粒径が10
0μmよりも大きいと、均一な固溶体が得られず、遷移
金属の酸化物の濃度の高い領域のみが選択的に還元され
てしまい、所望のカーボンナノファイバーが得られなく
なる恐れがある。
【0032】この固溶体をそのまま基体として使用して
も良いし、ガラス基板など、所望の基板表面に、この固
溶体を原料として、スパッタ法やPVD法などにより固
溶体からなる層を成膜しても良い。さらに、ゾルゲル法
などの湿式合成法により基体表面に固溶体からなる薄膜
層を形成することができる。
【0033】固溶体からなる層の膜厚は、0.01μm
以上、10μmとすることが好ましい。膜厚が0.01
μmよりも小さいと、触媒として機能するに十分な粒径
の遷移金属粒子が析出されない恐れがあり、膜厚が10
μmよりも大きいと、基板との密着性が低下したり、固
溶体からなる層の形成が困難になる。
【0034】また、固溶体からなる層の膜厚を薄くする
ことで、基板との電気的な接続性を制御することができ
る。例えば、導電性基板表面に、この導電性基板と電気
的に接続されるカーボンナノファイバーを接続する場
合、固溶体からなる層の膜厚を0.01μm以上、1μ
m以下とすることで、カーボンナノファイバーと導電性
基板とを電気的に接続することができる。すなわち、後
述するように、固溶体からなる層の一部を構成する遷移
金属が還元され、この導電性を持つ遷移金属を介してカ
ーボンナノファイバーと導電性基板が接続されるため
に、カーボンナノファイバーと導電性基板との間に電気
的な接続を持たせることができる。
【0035】また、固溶体として、導電体あるいは半導
体を使用すれば、固溶体の厚さにかかわらず、カーボン
ナノファイバーと基板との間に導電性を付与できる。
【0036】当然、カーボンナノファイバーを表面に有
する絶縁性基板を作製したい場合には、絶縁性の固溶体
を使用し、固溶体からなる層の膜厚を0.01μm以
上、10μm以下とし、使用する基板を絶縁性材料で形
成すればよい。
【0037】次に、この基体表面にカーボンナノファイ
バーを成長させる方法についてより詳細に説明する。
【0038】例えば、前述した固溶体層を有する基板
(すなわち、遷移金属の酸化物と難還元性金属酸化物の
固溶相を含有する基体)を還元雰囲気下で加熱し、固溶
相中の遷移金属の酸化物成分を還元し、遷移金属を析出
させる。
【0039】さらに、固溶体層を有する基板をカーボン
ナノファイバーの原料ガスである炭化水素ガス雰囲気中
で加熱し、この析出した遷移金属を触媒として炭化水素
ガスを分解し、この析出した遷移金属上に繊維状の炭素
を析出させることができる。すなわち、遷移金属表面に
カーボンナノファイバーを成長させることができる。
【0040】遷移金属の酸化物成分を還元するための還
元ガスとして、炭化水素ガスを使用し、遷移金属の析出
と、この遷移金属表面への炭素の析出を同時に行うこと
ができる。
【0041】遷移金属の析出を別の還元ガスで行い、還
元を完了した後に炭素の析出を行うと、析出した遷移金
属の粒径が大きくなり、その結果遷移金属表面に成長す
るカーボンナノファイバーの直径が大きくなってしまう
恐れがある。
【0042】したがって、固溶相を有する基体を炭化水
素中で加熱することで、遷移金属を還元すると同時にカ
ーボンナノファイバーを成長させることが好ましい。
【0043】このようにして得られるカーボンナノファ
イバー複合体は、基体の一部を構成する遷移金属から直
接カーボンナノファイバーを成長させているため、例え
ば、別途作製されたカーボンナノファイバーを基板に付
着させた場合に比べ、基体に対するカーボンナノファイ
バーの接合力は大きなものとなる。
【0044】また、カーボンナノファイバーが密集しな
がら同時に成長するため、各カーボンナノファイバー同
士は基体面に対して垂直方向に配向する。
【0045】カーボンナノファイバーの成長に使用され
る原料ガスとしては、メタンガスに限られず、エチレン
ガス、アセチレンガスなどの炭化水素ガスを使用するこ
ともできる。また、原料ガスとしては、炭化水素ガスで
なくとも遷移金属の酸化物成分を還元可能で、遷移金属
と接触して分解され炭素を析出する炭素含有のガスであ
れば使用でき、例えば一酸化炭素あるいは二酸化炭素な
どの炭酸ガスと水素ガスとの混合ガスを用い、この混合
ガス中で前記基体を加熱し、遷移金属の析出と、この遷
移金属表面への炭素の析出を行い、カーボンナノファイ
バーを成長させることもできる。また、本発明に係る基
体を減圧された容器中に配置し、この減圧された容器中
に原料ガスを導入しても良い。
【0046】また、原料ガスとして炭化水素ガスを使用
する場合においても、水素や、Ar、Heなどの不活性
ガスとの混合ガスとして用いることもできる。特にエチ
レンガスなど、炭素成分が多く含まれ熱的に不安定な炭
化水素ガスを使用する際には、このような混合ガスとし
て使用することが望ましい。すなわち、不安定な炭化水
素ガスは炭素の析出速度が速いために、遷移金属表面に
成長するカーボンナノファイバーの太さ、長さなどにば
らつきが生じやすく、時にはファイバー状に炭素が成長
しない場合もある。
【0047】例えば、本発明に係る基体を350℃〜1
000℃の反応容器内に配置し、原料ガス分圧を10〜
100%で導入し、10分〜10時間程度反応させるこ
とでカーボンナノファイバーを基体上に成長させること
が可能になる。
【0048】加熱温度が350℃よりも低い、原料ガス
分圧が10%よりも少ない、あるいは反応時間が10分
より短いと遷移金属が析出されなかったり、遷移金属表
面に炭素が析出されず、基体表面にカーボンナノファイ
バーが成長しない恐れがある。また、反応温度が800
℃よりも高いと析出される炭素の直径が大きくなってし
まう恐れがある。
【0049】以上詳述したように、本発明によれば、遷
移金属の酸化物および難還元性金属酸化物との固溶体相
を含有する基体を還元雰囲気下に配置することで、還元
された遷移金属からなる、無数の微小領域を形成するこ
とが可能になるため、この基体表面にカーボンナノファ
イバーを高密度に成長させることが可能になる。
【0050】
【実施例】実施例1 カーボンナノファイバーの作製 NiOとMgOがモル比で2:1の固溶体ターゲットを
用いて多孔質カーボンからなる基板表面にNiO−Mg
O固溶体層を0.1μm成膜し、固溶体相を有する基体
を作製した。
【0051】ついで、得られた基体を電気加熱炉内に収
納し、大気圧メタンガスを100cc/minの流量で
導入し、800℃で1時間熱処理を施した。
【0052】熱処理後、基体を電気加熱炉より取り出
し、表面を観察したところ、平均サイズで、直径約30
nmで長さが約1.5μmの無数のカーボンナノファイ
バーが基体面に対して垂直方向に析出しており、基体表
面にカーボンナノファイバーを成長させたカーボンナノ
ファイバー複合体が得られていることが確認された。
【0053】燃料電池への応用 得られたカーボンナノファイバー複合体のカーボンナノ
ファイバー表面に塩化Pt酸水溶液中に塗布し、さらに
塩化Pt酸水溶液に炭酸水素ナトリウムを滴下し両者を
反応させることでPtを沈殿させた後、乾燥させること
でカーボンナノファーバー表面に燃料電池用触媒として
のPt微粒子を10wt%担持させたカソードを作製し
た。
【0054】アノードとしては、カーボン粒子表面にP
t−Ru微粒子を担持させた触媒バインダーと共にカー
ボンクロス表面に塗布・固化した、通常使用される電極
を準備した。
【0055】この2枚の電極間に箔状の電解質膜(デュ
ポン社製:製品名ナフィオン)を挟み、燃料電池セルを
作製した。
【0056】この燃料電池セルのアノードに2mol%
のメタノール水溶液燃料を送り、カソードに空気を送
り、発電実験を行ったところ、100mW/cm2の発
電を確認できた。
【0057】比較例1 Pt−Ru微粒子の代わりにPt微粒子を用いたことを
除き実施例1で用いたアノードと同様にして得られたカ
ソードを使用したことを除き実施例1と同様にして燃料
電池セルを作製した。
【0058】この燃料電池の発電試験を実施例1と同様
にして行ったところ、20mW/cm2の発電が確認で
きた。
【0059】実施例2〜6 表1に示す組成の固溶体ターゲットを使用したことを除
き、実施例1と同様にして固溶体相を有する基体を作製
した。
【0060】さらに、この基体に対して表1に示す熱処
理を施して基体表面にカーボンナノチューブを成長させ
た。
【0061】なお、表1には実施例1の条件も併記す
る。
【表1】 このようにして得られたカーボンナノファイバー複合体
を観察したところ、実施例1と同様に直径約30nmで
長さが約1.5μmの無数のカーボンナノファイバーが
成長していることを確認できた。
【0062】さらに、これらのカーボンナノファイバー
複合体を用いて、実施例1と同様にして燃料電池を作製
し発電出力を測定したところ、実施例2乃至6におい
て、それぞれ60mW/cm2、65mW/cm2、85
mW/cm2、80mW/cm2、75mW/cm2であ
った。
【0063】このように、本発明のカーボンナノファイ
バー複合体を例えば燃料電池に使用すると、燃料電池を
高出力化することが可能になる。
【0064】なお、本実施例においては、多孔質支持基
板表面に固溶体相を形成してカーボンナノファイバーを
成長させたが、金属製の基板表面に固溶体相を形成して
も良い。
【0065】通常、燃料電池には酸性の電解液が使用さ
れるため、金属製の基板を使用すると基板が腐食してし
まう。しかしながら、本発明のカーボンナノファイバー
複合体では一般に化学的に安定なセラミックからなる固
溶体に被覆されているために酸性雰囲気中で使用した際
の金属製基板の腐食を低減させることが可能である。
【0066】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば基板表
面に高密度にカーボンナノファイバーを成長させたカー
ボンナノファイバー複合体を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカーボンナノファイバーの断面図で
ある。
【符号の説明】
1…基体 2…カーボンナノファイバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五戸 康広 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中野 義彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 角野 裕康 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4L037 CS03 FA02 FA12 PA04 PA06 PA12 5H018 AS02 AS03 BB01 DD05 EE05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属の酸化物および難還元性金属酸化
    物との固溶体相を含有する基体と、 この基体上に析出された前記遷移金属から成長させたカ
    ーボンナノファイバーとからなることを特徴とするカー
    ボンナノファイバー複合体。
  2. 【請求項2】遷移金属の酸化物および難還元性金属酸化
    物との固溶体相を含有する基体を還元性雰囲気下で加熱
    して前記基体表面に前記遷移金属を析出し、前記基体を
    炭素構成元素とするガス中で加熱して析出した前記遷移
    金属からカーボンナノファイバーを成長させることを特
    徴とするカーボンナノファイバー複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】遷移金属の酸化物および難還元性金属酸化
    物との固溶体相を含有する基体を炭素を構成元素とする
    ガス中で加熱して前記基体表面に前記遷移金属を形成す
    ると共に、この析出した前記遷移金属からカーボンナノ
    ファイバーを成長させることを特徴とするカーボンナノ
    ファイバー複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記難還元性金属酸化物は、Cu、Zn、
    Sn、Cd、Pb、HgおよびAgから選ばれる少なく
    とも1種の金属の酸化物であり、前記遷移金属に対して
    0.1〜50atm%であることを特徴とする請求項1
    記載のカーボンナノファイバー複合体。
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