JP2002107512A - 光拡散性シート及び光学素子 - Google Patents
光拡散性シート及び光学素子Info
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Abstract
抑え、かつ表面散乱による白ぼけが殆ど認めらず、像鮮
明性のよい光拡散層を有する光拡散性シート、さらには
当該光拡散性シートが設けられている光学素子を提供す
ること。 【解決手段】 透明基板の少なくとも片面に、表面に微
細凹凸形状を有する樹脂皮膜層からなる光拡散層が形成
されている光拡散性シートにおいて、当該光拡散性シー
トのヘイズ値が40%以上であって、かつJIS K7
105における0.5mm幅の光学くしで測定した像鮮
明性が35以上であることを特微とする光拡散性シー
ト。
Description
(LCD)、EL、PDPなどにおいて、画面の視認性
の低下を抑えるために用いられている光拡散性シート、
当該光拡散性シートが設けられている光学素子に関す
る。
示装置表面に蛍光燈などの室内照明、窓からの太陽光の
入射、操作者の影などの写り込みにより、画像の視認性
が妨げられる。そのため、ディスプレイ表面には、画像
の視認性を向上するために、表面反射光を拡散し、外光
の正反射を抑え、外部環境の写り込みを防ぐことができ
る(防眩性を有する)微細凹凸構造を形成させた光拡散
層が設けられている。光拡散層の形成方法としては、構
造の微細化が容易なこと、また生産性がよいことから微
粒子を分散した樹脂をコーティングして樹脂皮膜層を形
成する方法が主流となっている。
以上)なLCDの場合に、上記光拡散層を装着すると、
光拡散層の表面で突出した粒子により形成される微細凹
凸構造に起因すると思われるギラツキ(輝度の強弱の部
分)がLCD表面に発生し視認性を低下させる問題があ
る。
凹凸構造表面をコントロールすると、ギラツキの改善と
共に、表面散乱が起こり表示画面が白っぽくなる、いわ
ゆる白ぼけにより画面表示コントラストが低下するとい
う問題や、透過画の像鮮明性が悪くなったりする問題が
生じる。たとえば、特開平11−326608号には光
拡散性シートの曇価(ヘイズ)を10%以上40%未
満、像鮮明性を50以上とすることにより、ギラツキを
防止できるという技術が開示されている。しかしなが
ら、当該技術は12.1インチXGA(106ppi)
でのギラツキ防止効果を有するに留まり、パネルがより
高精細化され、200ppi以上(例えば6インチ、X
GA;210ppi)になっている場合には、ギラツキ
の問題は解消されていない。
CDに適用した場合にも、防眩性を維持しつつ、画面の
ギラツキ現象を抑え、かつ白ぼけが殆ど認めらず、像鮮
明性のよい光拡散層を有する光拡散性シート、さらには
当該光拡散性シートが設けられている光学素子を提供す
ることを目的とする。
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す特性を有
する光拡散性シートにより前記目的を達成できることを
見出し、本発明を完成するに到った。
も片面に、表面に微細凹凸形状を有する樹脂皮膜層から
なる光拡散層が形成されている光拡散性シートにおい
て、当該光拡散性シートのヘイズ値が40%以上であっ
て、かつJIS K7105における0.5mm幅の光
学くしで測定した像鮮明性が35以上であることを特微
とする光拡散性シート、に関する。
40%以上とし、像鮮明性を35以上とすることによ
り、ギラツキ及び白ぼけを抑え、しかも像鮮明性を確保
している。ヘイズ値が40%未満では、高精細化した場
合のギラツキを抑えられない。ヘイズ値は40%以上と
するのが好ましい。一方、ヘイズ値が高くなると透過率
が低下するため、ヘイズ値は60%以下が好ましい。ヘ
イズ値は、特に40〜50%とするのが好ましい。また
像鮮明性が35未満では透過画像がぼけるため、高精細
LCDを用いる場合に、その意味が低減する。像鮮明性
は40以上、特に40〜60の範囲とするのが好まし
い。
が微粒子を含有しており、かつ樹脂皮膜層の表面凹凸形
状が微粒子によって形成されていることが好ましい。ま
た、樹脂皮膜層に含有される微粒子は有機系微粒子であ
ることが好ましい。また、樹脂皮膜層が紫外線硬化型樹
脂により形成されていることが好ましい。さらには、樹
脂皮膜層がチクソトロピー剤を含有していることが好ま
しい。
を有する樹脂皮膜層を簡易かつ確実に実現でき、また上
記ヘイズ値、像鮮明性の調整も容易である。特に、微粒
子として有機系微粒子を用いた場合には、ギラツキを抑
えるうえで有効である。また、紫外線硬化型樹脂は紫外
線照射による硬化処理にて、簡単な加工操作にて効率よ
く樹脂皮膜層(光拡散層)を形成することができる。さ
らには、樹脂皮膜層の形成に当たり、チクソトロピー剤
を含有させることにより、樹脂皮膜層(光拡散層)の表
面において、突出粒子により微細凹凸構造を容易に形成
することができる。
脂皮膜層の凹凸形状表面に、樹脂皮膜層の屈折率よりも
低い屈折率の低屈性率層が設けられていることを特徴と
する光拡散性シート、に関する。
き、ディスプレイ等の画像表面の乱反射による画面の白
ぼけを有効に抑えることができる。
が、光学素子の片面又は両面に設けられていることを特
徴とする光学素子、に関する。
いることができ、たとえば、光学素子に用いられる。
を、図面を参照しながら説明する。図1は、微粒子3が
分散されている樹脂皮膜層2からなる光拡散層4が、透
明基板1上に形成されている光拡散性シートであり、樹
脂皮膜層2中に分散されている微粒子3は、光拡散層4
の表面において凹凸形状を形成している。なお、図1で
は、樹脂皮膜層2が1層の場合を示しているが、樹脂皮
膜層2と透明基板1との間には、別途、微粒子を含有す
る樹脂皮膜層を形成することにより、光拡散層を複数の
樹脂皮膜層によって形成することもできる。
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチ
ルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネ
ート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリ
ル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムがあげ
られる。またポリスチレン、アクリロニトリル・スチレ
ン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポ
リオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレ
フィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや
芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマ
ーからなるフィルムもあげられる。さらにイミド系ポリ
マー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポ
リマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリ
フェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系
ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラー
ル系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチ
レン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーの
ブレンド物等の透明ポリマーからなるフィルムなどもあ
げられる。特に光学的に複屈折の少ないものが好適に用
いられる。
が、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点
より10〜500μm程度である。特に20〜300μ
mが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
は、透明基板1上に形成されていれば、その形成方法は
特に制限されず、適宜な方式を採用することができる。
たとえば、前記樹脂皮膜層2の形成に用いたフィルムの
表面を、予め、サンドブラストやエンボスロール、化学
エッチング等の適宜な方式で粗面化処理してフィルム表
面に微細凹凸構造を付与する方法等により、樹脂皮膜層
2を形成する材料そのものの表面を微細凹凸構造に形成
する方法があげられる。また、樹脂皮膜層2上に別途樹
脂皮膜層を塗工付加し、当該樹脂皮膜層表面に、金型に
よる転写方式等により微細凹凸構造を付与する方法があ
げられる。また、図1のように樹脂皮膜層2に微粒子3
を分散含有させて微細凹凸構造を付与する方法などがあ
げられる。これら微細凹凸構造の形成方法は、二種以上
の方法を組み合わせ、異なる状態の微細凹凸構造表面を
複合させた層として形成してもよい。前記樹脂皮膜層2
の形成方法のなかでも、微細凹凸構造表面の形成性等の
観点より、微粒子3を分散含有する樹脂皮膜層2を設け
る方法が好ましい。
層2を設ける方法について説明する。当該樹脂皮膜層2
を形成する樹脂としては微粒子3の分散が可能で、樹脂
皮膜層形成後の皮膜として十分な強度を持ち、透明性の
あるものを特に制限なく使用できる。前記樹脂としては
熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子
線硬化型樹脂、二液混合型樹脂などがあげられるが、こ
れらのなかでも紫外線照射による硬化処理にて、簡単な
加工操作にて効率よく光拡散層を形成することができる
紫外線硬化型樹脂が好適である。
系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン
系、エポキシ系等の各種のものがあげられ、紫外線硬化
型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等が含まれる。好
ましく用いられる紫外線硬化型樹脂は、例えば紫外線重
合性の官能基を有するもの、なかでも当該官能基を2個
以上、特に3〜6個有するアクリル系のモノマーやオリ
ゴマーを成分を含むものがあげられる。また、紫外線硬
化型樹脂には、紫外線重合開始剤が配合されている。
成)には、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止
剤等の添加剤を用いることができる。チクソトロピー剤
を用いると、微細凹凸構造表面における突出粒子の形成
に有利である。チクソトロピー剤としては、0.1μm
以下のシリカ、マイカ等があげられる。これら添加剤の
含有量は、通常、紫外線硬化型樹脂100重量部に対し
て、1〜15重量部程度とするのが好適である。
ス、プラスティックなどの透明性を有するものを特に制
限なく使用することができる。例えばシリカやアルミ
ナ、チタニアやジルコニア、酸化カルシウムや酸化錫、
酸化インジウムや酸化カドミウム、酸化アンチモン等の
導電性のこともある無機系微粒子、ポリメチルメタクリ
レート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル−スチ
レン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、ポリカー
ボネート等の各種ポリマーからなる架橋又は未架橋の有
機系微粒子やシリコーン系微粒子などがあげられる。こ
れら微粒子3は、1種または2種以上を適宜に選択して
用いることができるが、有機系微粒子が好ましい。微粒
子の平均粒子径は1〜10μm、好ましくは2〜5μm
である。
法は特に制限されず、適宜な方式を採用することができ
る。たとえば、前記透明基板1上に、微粒子3を含有す
る樹脂(たとえば、紫外線硬化型樹脂:塗工液)を塗工
し、乾燥後、硬化処理して表面に凹凸形状を呈するよう
な樹脂皮膜層2により形成することにより行う。なお、
塗工液は、ファンテン、ダイコーター、キャスティン
グ、スピンコート、ファンテンメタリング、グラビア等
の適宜な方式で塗工される。
鮮明性を前記範囲とするには、前記塗工液に含まれる微
粒子3の平均粒子径、その割合や樹脂皮膜層2の厚さを
適宜に調整する。
に制限されないが、樹脂100重量部に対して、1〜2
0重量部、さらには5〜15重量部とするのが、ギラツ
キ、白ぼけ等の特性を満足するうえで好ましい。また、
樹脂皮膜層2の厚さは特に制限されないが、1〜10μ
m程度、特に3〜5μmとするのが好ましい。
凹凸形状表面には、反射防止機能を有する低屈折率層を
設けることができる。低屈折率層の材料は樹脂皮膜層2
よりも屈折率の低いものであれば特に制限されないが、
たとえば、フッ素含有ポリシロキサンなどの低屈折率材
料を用いることができる。低屈折率層の厚さは特に制限
されないが、0.05〜0.3μm程度、特に0.1〜
0.3μmとするのが好ましい。
板1には、光学素子を接着することができる(図示せ
ず)。光学素子としては、偏光板、位相差板、楕円偏光
板、光学補償付き偏光板等があげられ、これらは積層体
として用いることができる。光学素子の接着は、必要に
応じて、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の粘着剤
やホットメルト系接着剤などの透明性や耐候性などに優
れる適宜な接着層を介することができる。
フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フ
ィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フ
ィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や染料等を吸
着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処
理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如き偏光フィル
ムがあげられる。位相差板としては、前記透明基板で例
示したポリマーフィルムの一軸または二軸延伸フィルム
や液晶ポリマーフィルムなどがあげられる。位相差板
は、2層以上の延伸フィルムの重畳体などとして形成さ
れていてもよい。楕円偏光板、光学補償付き偏光板は、
偏光板と位相差板を積層することにより形成しうる。楕
円偏光板、光学補償付き偏光板は、偏光板側の面に、光
拡散層を形成している。
明するが、本発明はこれら実施例によって何等限定され
るものではない。
系モノマー)100重量部に、平均粒子径が3μmのポ
リスチレンビーズを15重量部、チクソトロピー剤(雲
母)3重量部および光重合開始剤(商品名:イルガキュ
ア907,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)3
重量部をトルエンを介して混合し、50重量%に調整し
た塗工液をトリアセチルセルロースフィルム(厚み80
μm)上に塗布し、120℃で5分間乾燥した後、紫外
線照射により硬化処理して、厚さ約5μmの微細凹凸構
造表面の樹脂皮膜層を有する光拡散性シートを作製し
た。
ラミンビーズ15重量部を用いたこと以外は実施例1と
同様にして光拡散性シートを作製した。
に樹脂皮膜層の屈折率(1.52)よりも屈折率の低い
低屈折率層(材料として日産化学(株)のLR−202
を使用,屈折率:1.39)を0.1μmを設けたこと
以外は実施例1と同様にして光拡散性シートを作製し
た。
のシリカビーズ15重量部を用いたこと以外は実施例1
と同様にして光拡散性シートを作製した。
ラミンビーズ1.5重量部を用いたこと以外は実施例1
と同様にして光拡散性シートを作製した。
リコーン粒子20重量部を用いたこと以外は実施例1と
同様にして光拡散性シートを作製した。
ートのヘイズ値、像鮮明性を測定した。なお、実施例3
については低屈折率層を設けていない場合の値である。
結果を表1に示す。
イズメーター(東京電色工業社製モデルTC−H3D
P)を用いて測定した。
スガ試験機製写像鮮明性測定装置により、0.5mm幅
の光学くしで測定した。
性シートに偏光板(185μm)を接着したものを、ガ
ラス基板に接着し、ライトテーブル上に固定されたマス
クパターン(6インチのXGAに相当するパターン(2
10ppi))上でギラツキ度合い(ギラツキ)を目視
により以下の基準で評価した。またガラス基板の偏光板
接着面と反対側の面に黒テープを貼りつけて、白ぼけを
目視により以下の基準で評価した。また、上記ガラス基
板上に文字を印刷した紙を置き、この文字を見た際の鮮
明性を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
なお、蛍光灯下における写り込み(防眩性)はいずれも
良好であった。
にて10名が、 良好:各特性に対して好印象である、 普通:各特性に対して実使用上の影響を感じない、 不良:各特性に対して実使用上の影響を感じる、で判定
し、 ◎:9人以上が良好、 ○:5人以上が良好、 ×:3人以上が不良、と評価した。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 透明基板の少なくとも片面に、表面に微
細凹凸形状を有する樹脂皮膜層からなる光拡散層が形成
されている光拡散性シートにおいて、当該光拡散性シー
トのヘイズ値が40%以上であって、かつJIS K7
105における0.5mm幅の光学くしで測定した像鮮
明性が35以上であることを特微とする光拡散性シー
ト。 - 【請求項2】 樹脂皮膜層が微粒子を含有し、かつ樹脂
皮膜層の表面凹凸形状が微粒子によって形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の光拡散性シート。 - 【請求項3】 微粒子が有機系微粒子であることを特徴
とする請求項2記載の光拡散性シート。 - 【請求項4】 樹脂皮膜層が紫外線硬化型樹脂により形
成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載の光拡散性シート。 - 【請求項5】 樹脂皮膜層がチクソトロピー剤を含有し
ていることを特微とする請求項1〜4のいずれかに記載
の光拡散性シート。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散
性シートの樹脂皮膜層の凹凸形状表面に、樹脂皮膜層の
屈折率よりも低い屈折率の低屈性率層が設けられている
ことを特徴とする光拡散性シート。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散
性シートが、光学素子の片面又は両面に設けられている
ことを特徴とする光学素子。
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---|---|---|---|
JP2000302240A JP3698978B2 (ja) | 2000-10-02 | 2000-10-02 | 光拡散性シート及び光学素子 |
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Publications (3)
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-
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- 2000-10-02 JP JP2000302240A patent/JP3698978B2/ja not_active Expired - Lifetime
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