JP2002105765A - カーボンナノファイバー複合体およびカーボンナノファイバーの製造方法 - Google Patents

カーボンナノファイバー複合体およびカーボンナノファイバーの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体表面に、高密度化したカーボンナノファ
イバーを成長させる。 【解決手段】 ニッケル酸化物とマグネシウム酸化物と
の中間相からなる基体1を還元雰囲気下に配置すると、
ニッケル酸化物が選択的に還元・析出される。中間相か
ら析出されるニッケルは基体表面に微小サイズで、均一
かつ緻密に配列されるため、このニッケルから成長する
カーボンナノファイバー2も微細で、均一かつ緻密なも
のとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーボンナノファイ
バー複合体およびカーボンナノファイバーの製造方法に
係り、特に基体上に複数のカーボンナノファイバーを高
密度に成長させたカーボンナノファイバー複合体および
カーボンナノファイバーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カーボンナノチューブなどに代表
されるカーボンナノファイバーは、種々の優れた特性が
見出され、その研究が盛んに行われるようになってき
た。
【0003】例えば、水素吸収・放出能を有することや
(J.Phys.Chem.B,102(1998)4253.)、また高いメタン
(天然ガス)吸収特性なども報告されている。また、極
めて高い電界放出電子の電流密度から、ディスプレイ用
の電子放出材料としても着目されている。
【0004】一方、このカーボンナノファイバーは、従
来ニッケルなどの種元素微粒子に、1本のカーボンナノ
ファイバーを成長させることで得られている。
【0005】得られるカーボンナノファイバーは、非常
に微細なため取扱いが困難であり、また、個々に成長し
たカーボンナノファイバーを単純に充填するだけでは嵩
高になることが避けられない。
【0006】そのため、水素あるいはメタンガス吸収に
用いる際に、容器内に高密度に充填できず、また充填後
においても容器から排出されてしまい、容器の容積あた
りのガス吸収量が低くなるという問題があった。
【0007】また、Ni基板表面にカーボンナノファイ
バーを方向性を揃えて成長させる方法も知られている
が、カーボンナノファイバーの成長にプラズマCVDを
使用する必要があるため、生産性が低く、また、製造コ
ストも高くなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
カーボンナノファイバーは、高密度化した集合体として
簡便に製造することが困難であった。
【0009】本発明は、簡便な方法で製造できる、基体
表面にカーボンナノファイバーを高密度に成長させたカ
ーボンナノファイバー複合体およびカーボンナノファイ
バーの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のカーボンナノフ
ァイバー複合体は、遷移金属の酸化物および難還元性金
属酸化物の中間相を有する基体と、この基体表面に析出
した前記種元素から成長したカーボンナノファイバーを
有することを特徴とする。
【0011】本発明のカーボンナノファイバーの製造方
法は、遷移金属の酸化物および難還元性金属酸化物の中
間相を有する基体を還元雰囲気中で還元することで前記
中間相中の種元素を析出し、析出された前記種元素に炭
素含有ガスを接触させて、前記種元素からカーボンナノ
ファイバーを成長させることを特徴とする。
【0012】また、遷移金属を含有する種元素酸化物粉
末および難還元性金属酸化物粉末を含有する混合粉末を
反応温度まで加熱し前記中間相を有する前記基体を形成
することができる。
【0013】本発明のカーボンナノファイバーの製造法
は、Fe23とAl23とからなる混合粉末を1200
℃以上の温度で加熱しFeAlO3からなる中間相を有
する基体を形成し、前記基体を還元雰囲気中で還元する
ことで前記中間相中のFeを析出し、析出された前記F
eに炭素含有ガスを接触させて、Feを触媒としてカー
ボンナノファイバーを成長させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
【0015】図1は、本発明のカーボンナノファイバー
複合体を断面的に示した概念図である。
【0016】遷移金属を含有する種元素酸化物と難還元
性の酸化物の中間相からなる基体1表面に、無数のカー
ボンナノファイバーが隙間なく成長されている。
【0017】基体1は、遷移金属を含有する種元素酸化
物と難還元性金属酸化物の中間相を有するものであれば
よく、例えば、図1に示すような中間相のみからなる基
体、あるいは基板表面の一部に中間相を形成した基体を
使用しても良い。
【0018】なお、本発明に係る種元素の酸化物と難還
元性金属酸化物の「中間相」とは、通常合金系において
使用されるように、種元素の酸化物、あるいは難還元性
の酸化物の純粋な相ではなく、かつ、明確に識別できる
相である。すなわち、種元素の酸化物と難還元性金属酸
化物とを反応させて得られる化合物であり、種元素と難
還元性金属元素と酸素とからなる結晶構造を有する相を
指す。
【0019】種元素の酸化物は、例えばFe、Co、C
rあるいはNiなどの酸化物を使用すればよく、これら
の酸化物を還元すると、中間相中に種元素が形成され
る。この種元素を触媒としてカーボンナノファイバーが
成長する。
【0020】難還元性金属酸化物とは、少なくとも使用
される種元素の酸化物よりも還元性の低い金属の酸化物
を指し、特に15℃〜1000℃の水素もしくはプラズ
マ条件下で金属へ還元されない金属酸化物を使用するこ
とが好ましい。15℃〜500℃の水素もしくはプラズ
マ条件下で金属へ還元される金属酸化物を使用すると、
種元素の還元時に難還元性金属酸化物まで還元されてし
まい、種元素と難還元性金属との合金が析出してしまう
恐れがあり、その結果種元素の触媒としての機能を低下
させてしまう。
【0021】また、難還元性金属酸化物は、種元素の酸
化物と中間相を形成するものを使用する必要がある。中
間相は使用する種元素の酸化物との組合わせによって異
なり、例えば種元素の酸化物として酸化鉄を選択した場
合、Al、Y、Mg、Zn、Ti、Cu、VあるいはM
nの酸化物が挙げられる。同様に、種元素の酸化物とし
て酸化ニッケルを使用した場合はAl、SiあるいはV
の酸化物を、酸化クロムを使用した場合はYあるいはM
gの酸化物を、酸化コバルトを使用した場合にはAl、
Si、TiあるいはVの酸化物を挙げることができる。
【0022】このような組合わせで得られる中間相は、
FeAlO3、FeYO3、Fe2MgO4、Fe2Zn
4、Fe2TiO5、Fe2CuO4、FeVO4、FeV
26、FeV24、Fe2MnO4、NiAl24、Ni
Al610、 Ni2Al1829、Ni2SiO4、Ni(V
3)2、Ni3(VO42、Cr2MgO4、CoAl
2 4、Co2SiO4、Co2TiO4、CoTiO3、C
oTi25あるいはCo(VO3)2、Co3(VO42
Co227などが挙げられる。
【0023】また、本発明に係るカーボンナノファイバ
ーとは、グラファイト構造を有し、直径1μm以下、長
さ1μm〜1mm程度の繊維形状をしたものであり、例
えばグラファイトのc面を繊維長方向に積層した形状
や、グラファイトのc面を側壁とするチューブ形状をし
たものなどがある。
【0024】次に、本発明のカーボンナノファイバー複
合体の製造方法を説明する。
【0025】まず、本発明に係る基体の製造方法につい
て説明する。
【0026】本発明に係る基体は、種元素の酸化物と難
還元性金属酸化物とから作製することができる。
【0027】例えば、種元素の酸化物粉末と難還元性金
属酸化物粉末との両原料粉末が均一に分散した混合粉末
を準備し、この混合粉末を所望の形状に加圧成形した
後、両粉末の反応温度以上の温度で焼結することで、種
元素の酸化物と難還元性金属酸化物との中間相からなる
基体を得ることができる。
【0028】例えば、種元素の酸化物としてFe2
3を、難還元性金属酸化物としてAl23を原料として
FeAlO3からなる中間相を作製する場合、 Fe23
とAl23の反応温度である1200℃以上の温度で、
0.5時間以上の加熱を施せばよい。
【0029】また、種元素と難還元性金属、種元素の酸
化物と難還元性金属、あるいは種元素と難還元性金属酸
化物を、酸素含有雰囲気下で、前述したような条件の加
熱を施すことで中間相を有する基体を作成することもで
きる。
【0030】このようにして得られる中間相、例えばF
eAlO3は、 Fe23およびAl 23の基本となる格
子が六方晶(Hexagonal)であるのに対し、反応した結
果斜方晶(Orthrhombic)になる。
【0031】中間相が形成される組成比率であれば、種
元素の酸化物と難還元性金属酸化物との比率は特に制限
されないが、炭素を含有するガスとの接触面全面に一様
な密度のカーボンナノファイバーを成長させることを考
慮すると、形成する中間相の種元素と難還元性金属との
比率(例えばFeAlO3の場合1:1)と略同程度の
比率とすることが望ましい。
【0032】また、使用する原料粉末の平均粒径は、そ
れぞれ100μm以下の範囲内にすることが望ましい。
原料粉末の平均粒径が100μmよりも大きいと混合粉
末の反応に時間がかかり、場合によっては未反応の両原
料粉末が残存してしまう恐れがある。一方、平均粒径が
10nmよりも小さな原料粉末は、その製造が困難であ
ると共に、取扱い性が悪いため、通常0.05μm〜5
0μm程度の平均粒径の原料粉末を使用する。
【0033】また、任意の基板表面に中間相からなる層
を形成して基体とすることもできる。
【0034】例えば導電性、あるいは絶縁性の所望の基
板を用意し、蒸着などのPVD法、めっき法、あるいは
アルコキシドを用いたゾル−ゲル法によって、種元素の
酸化物および難還元性金属酸化物からなる混合層を形成
し、この混合層を反応温度以上の温度に加熱すること
で、中間相を基板表面に形成することができる。
【0035】また、前述したように焼結により得られた
中間相をスパッタターゲットあるいは蒸着源に用いて、
基板表面に中間相からなる層を直接形成することもでき
る。
【0036】基板表面に中間相からなる層を形成した上
で炭素を含有するガスと接触させると、中間相が存在す
る領域のみにカーボンナノファイバーが形成される。し
たがって、例えばマスクパターンなどを用いて所望の形
状に中間相からなる層を形成することで、基体の所望の
領域のみから選択的にカーボンナノファイバーを成長さ
せることが可能になる。
【0037】また、例えば導電性基板表面に中間相を形
成した基体を使用することで、導電性基板と種元素の酸
化物とを電気的に接続することも可能である。後述する
が、中間相中の種元素成分は還元され、一部中間相中に
析出される。そのため、導電性基板表面に薄い中間相か
らなる層を形成すれば、導電性基板とカーボンナノファ
イバーとが種元素を介して接続されるため、基体とカー
ボンナノファイバーとが電気的に接続されたカーボンナ
ノファイバー複合体を形成することができる。
【0038】このように、基体と種元素の酸化物との間
を電気的に接続するためには、中間相からなる層の厚さ
を100μm以下とすることが望ましい。ただし、中間
相からなる層の厚さが小さすぎると種元素成分の絶対量
が少なくなり、カーボンファイバーが成長しなくなる恐
れがある。そのため中間相からなる層の膜厚は1μm以
上であることが望ましい。
【0039】次に、基体表面にカーボンナノファイバー
を成長させる方法について説明する。
【0040】前述したようにして得られた基体を還元雰
囲気下で加熱することで、中間相中の種元素成分を還元
し析出させる。析出された種元素は炭素を含有するガス
を分解する触媒として機能し、このガスを分解させつつ
種元素の酸化物を析出させる機能を持つ。
【0041】種元素成分を還元できるものであれば、還
元ガスは特に制限されるものではないが、例えば、水素
ガスや一酸化炭素ガスを使用すればよい。また、炭素を
含有するガスを使用して種元素成分を還元することもで
き、この場合は後述する種元素の酸化物の成長も同時に
行うことも可能となる。
【0042】このようにして還元ガスによって還元され
た中間相には種元素が析出されるが、中間相中には、種
元素が原子オーダーで均一に分散しているため、中間相
表面で無数の個所で析出される種元素は微細で均一な大
きさ、かつ均一な間隔となる。
【0043】析出された種元素に接触させる炭素を含有
するガス、すなわちカーボンナノファイバーを成長させ
るための原料ガスは、例えばメタンガスや、エチレンガ
スなどを使用することができる。
【0044】還元を行う際の加熱温度や加熱時間は、中
間相の組成によって異なるが、例えばFeAlO3を中
間相として使用した場合、加熱温度は400〜1000
℃の範囲、加熱時間は1分〜3時間の範囲とすることが
好ましい。加熱温度が400℃に満たないと、種元素成
分を十分に還元し析出させることが困難である。一方、
加熱温度が1000℃を超えると、種元素の析出速度が
速くなり、析出させる種元素のサイズを制御することが
困難になり、得られる各カーボンナノファイバーの直径
が大きくなったり、場合によっては成長する各カーボン
ナノファイバーの間隔が大きくなる恐れがある。また、
還元開始温度以降の加熱時間が1分より短いと、種元素
成分の析出を十分に行えず、カーボンナノファイバーを
成長させることができなくなる恐れがあり、また、加熱
時間を3時間を超えて行うと、析出される種元素のサイ
ズが大きくなり、得られる各カーボンナノファイバーの
直径が大きくなったり、場合によっては成長する各カー
ボンナノファイバーの間隔が大きくなる恐れがある。
【0045】このように、原子オーダーで均一に種元素
元素が分散した基体を用いてカーボンナノファイバーを
成長させているために、カーボンナノファイバーを成長
させるための触媒として機能する種元素が等間隔で略同
じサイズに析出されるために、この触媒から略均一にカ
ーボンナノファイバーの核生成が発生するため、基体表
面に、均一に、緻密にカーボンナノファイバーを成長さ
せることが可能になる。
【0046】仮に、難還元性金属酸化物と種元素の酸化
物とが例えば、加熱処理が不十分なために未反応で、難
還元性金属酸化物と種元素の酸化物とからなる単なる固
溶体を基体として用いた場合、核エンブリオが臨界核を
越えるタイミングが、種元素の濃度むらのによって異な
ってしまう。図4に、難還元性金属酸化物と種元素の酸
化物との固溶体(基体両酸化物が反応しておらず、中間
相を形成してない基体)を基体として用いた時のカーボ
ンナノファイバー複合体の概念図を示す。図4に示すよ
うに、単なる固溶体を基体101に使用した場合には、
析出される種元素の粒径が異なるために、得られる種元
素の酸化物の直径が異なり、カーボンナノファイバー1
02が基体表面に均一に成長しない恐れや直径の粗大化
が生じる恐れがある。また、カーボンナノファイバーが
成長しない領域(種元素が触媒として機能するに十分な
サイズに成長しない領域)が残存し、カーボンナノファ
イバー間に隙間ができる恐れがある。このような理由
で、基体表面に緻密な、無数のカーボンナノファイバー
を隙間なく成長させることができなくなる恐れがある。
【0047】
【実施例】実施例1 平均粒径1.5μmのFe23粉末(種元素の酸化物)
6gと、平均粒径0.8μmのAl23粉末4g(難還
元性金属酸化物)とを基体の原料紛として準備し(モル
比1:1)、両粉末をエタノールと共にボールミルを用
いて5分程度湿式混合し、混合粉とした。この混合粉を
金型に入れ、油圧プレス機を用いて直径2cmのディス
ク形状の成形体とした。
【0048】得られた成形体に大気炉で1400℃で1
0時間熱処理を施すことで、混合粉を反応させて基体を
作製した。得られた基体をXRD解析したところ、Fe
AlO3であることが確認できた。すなわち、六方晶
(Hexagonal)であるFe23(種元素の酸化
物)と、六方晶( Hexagonal)であるAl2
3(難還元性金属酸化物)との中間相であるFeAlO3
(斜方晶)の基体が得られたことを確認した。
【0049】この基体を5mm□に加工した試料を、石
英ボートに乗せて、熱処理炉に挿入した。その後、熱処
理炉に水素を1リットル/minで流し、次いで炉内温
度を600℃にして5分間保持して中間相中のFeを部
分還元し、析出させた。
【0050】なお、基体を5mm□に加工したのは、熱
処理炉内に収納できるサイズにするためであり、大型の
炉があれば、より大型の試料を使用することができる。
【0051】次いで、水素の供給を流しつつ、熱処理炉
内にエチレンガスを0.1リットル/min流し、カー
ボンナノファイバーを成長させ、カーボンナノファイバ
ー複合体を作製した。
【0052】図2は、得られたカーボンナノファイバー
複合体を示す写真である。この写真は、カーボンナノフ
ァイバー複合体の形状を分かりやすくするために、得ら
れたカーボンナノファイバー複合体を砕き、基体の粒径
を2μm程度にしたものである。
【0053】図2に示されるとおり、基体表面に無数の
カーボンナノファイバーが隙間なく成長し、直径1〜2
μm程度の束状に形成されていることが分かる。また図
3はこのカーボンナノファイバーのさらに拡大した写真
であり、各カーボンナノファイバーは10nm程度の均
一な直径を有していた。
【0054】参考例 実施例1と同様にして、 Fe23粉末とAl23粉末
とからなる混合紛からなる直径2cmのディスク形状の
成形体を作製した。
【0055】得られた成形体に大気炉で1000℃で1
時間熱処理を施し、Fe23とAl 23との固溶体から
なる基体を作製した。
【0056】得られた基体をXRDで解析したところ、
Fe23のピークとAl23のピークとが観察され、
FeAlO3のピークは観察されなかった。すなわち、
Fe23とAl23との中間相は形成されていなかっ
た。
【0057】以降、実施例1と同様にして基体に還元処
理を施して基体表面に種元素を析出させ、さらに実施例
1と同様にしてカーボンナノファイバーを成長させ、カ
ーボンナノファイバー複合体を得た。
【0058】得られたカーボンナノファイバー複合体の
写真を図5に示す。
【0059】図示するように、得られたカーボンナノフ
ァイバー間には隙間があり、かつ、それぞれのカーボン
ナノファイバーの直径が異なる。また、得られたカーボ
ンナノファイバーの直径は約100nm〜300nmで
あり、実施例で得られたものと比べその直径は大きい。
これは、析出された種元素の粒径成長しすぎたことと、
それぞれの種元素の大きさが異なるためである思われ
る。
【0060】実施例2〜16 表1に示す原料紛を用いたことを除いて、実施例1と同
様にして基体の作製および、基体表面にカーボンナノフ
ァイバーを作製したところ、図2、3に示すものと同様
に、均一な太さのカーボンナノファイバーが基体表面に
隙間なく形成された。
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、高密度なカーボンナノ
ファイバー複合体を簡便な製造方法で提供することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカーボンナノファイバー複合体を示
す模式図。
【図2】 実施例で得られたカーボンナノファイバー複
合体の写真。
【図3】 実施例で得られたカーボンナノファイバーの
拡大写真。
【図4】 固溶相を基板として使用して得られたカーボ
ンナノファイバー複合体を示す模式図。
【図5】 固溶相を基板として使用して得られたカーボ
ンナノファイバー複合体を示す写真。
【符号の説明】
1、101…基体 2、102…カーボンナノファイバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末永 誠一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 五戸 康広 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G046 CA02 CB01 CB08 CB09 CC02 CC06 CC08 4L037 CS03 FA02 FA12 PA04 PA06 PA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属の酸化物および難還元性金属酸化
    物の中間相を有する基体と、 この基体表面に析出した前記遷移金属から成長したカー
    ボンナノファイバーを有することを特徴とするカーボン
    ナノファイバー複合体。
  2. 【請求項2】遷移金属および難還元性金属酸化物の中間
    相を有する基体を還元雰囲気中で還元することで前記中
    間相中の遷移金属を析出し、析出された前記遷移金属に
    炭素含有ガスを接触させて、析出した前記遷移金属から
    カーボンナノファイバーを成長させることを特徴とする
    カーボンナノファイバーの製造方法。
  3. 【請求項3】遷移金属を含有する種酸化物粉末および難
    還元性金属酸化物粉末を含有する混合粉末を反応温度ま
    で加熱し前記中間相を有する前記基体を形成することを
    特徴とする請求項2記載のカーボンナノファイバーの製
    造方法。
  4. 【請求項4】Fe23とAl23とからなる混合粉末を
    1200℃以上の温度で加熱しFeAlO3からなる中
    間相を有する基体を形成し、前記基体を還元雰囲気中で
    還元することで前記中間相中のFeを析出し、析出され
    た前記Feに炭素含有ガスを接触させて、Feを触媒と
    してカーボンナノファイバーを成長させることを特徴と
    するカーボンナノファイバーの製造方法。
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