JP2002160497A - 可逆性表示媒体及びそれを用いた情報媒体 - Google Patents

可逆性表示媒体及びそれを用いた情報媒体

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JP2002160497A JP2000360822A JP2000360822A JP2002160497A JP 2002160497 A JP2002160497 A JP 2002160497A JP 2000360822 A JP2000360822 A JP 2000360822A JP 2000360822 A JP2000360822 A JP 2000360822A JP 2002160497 A JP2002160497 A JP 2002160497A
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Hideyuki Yamada
英幸 山田
Toru Endo
徹 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】形状記憶樹脂を可視情報の可逆的な表示に応用
した際に、コントラスト高く、意匠性に優れ、図形や文
字などを明瞭に表示する可逆性表示媒体、情報媒体を提
供すること。 【解決手段】その表面に光を散乱する凹凸が形成された
形状記憶材料層1を可逆性表示媒体の表面に設け、凹凸
の形状変化によって光の散乱・透過を制御して表示を可
逆的におこなうこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可逆性表示媒体に
関するものであり、特に、図形や文字などを明瞭に表示
することのできる形状記憶樹脂を用いた可逆性表示媒
体、及び情報媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】可逆性の記録媒体は、主にプリペイドカ
ードやポイントカード等のカード分野で用いられてい
る。これら可逆性の記録には、特開平2−188293
号公報記載に代表されるロイコ染料や、特開平1−16
3094号公報記載に代表される有機低分子を用いたも
のがある。一般に、ロイコ染料を用いた場合では透明も
しくは白の背景色から、青もしくは黒への変化を、ま
た、有機低分子を用いた場合では透明から白色への変化
をその画像表示に用いている。
【0003】これらの可逆性記録媒体への画像の書き込
みには、外部からの熱刺激が利用され、印字の精密さや
読み書き装置の小型化の必要性からサーマルヘッドが多
く用いられている。これら従来の可逆性記録媒体は、加
工特性が良く量産向きで価格も安く設定できる。また、
特開平5−238181号公報記載に代表される、液晶
と2色性染料を用いた記録層を電場及び熱により印字/
消去を行なう可逆性表示媒体が知られている。
【0004】さらに近年、特開平6−139616号公
報記載に代表されるような、高密度情報記録向けに開発
されてきた形状記憶樹脂を用いた記録技術が、例えば、
特開平10−297110号公報記載のポリウレタン系
形状記憶樹脂を用いた記録媒体で知られるように、可視
情報の記録に対しても応用がなされている。
【0005】形状記憶樹脂は、初期成形加工時の形状
(形状1)を加熱、加圧、冷却などの外部刺激を与える
ことにより自由な形状(形状2)に変形、固定させて情
報を記録することができ、且つ、さらに加熱加圧などの
外部刺激を与えることで再び初期の形状(形状1)に戻
ろうとする形状記憶性が働き情報を消去することができ
る樹脂である。初期の形状(形状1)に成形する際、高
温処理や架橋処理を行うものや、自由な変形(形状2)
を行ったのち冷却処理を伴うものなど、選択する材料系
により様々な方式が用いられる。このような形状記憶樹
脂を用いた表示媒体は記録方式を単純化できる可能性が
あり、安価で丈夫な媒体の提供が期待できる。また、こ
の形状記憶樹脂は、玩具、電線被覆、センサー等の分野
でも実用化されている。
【0006】一方、OVD(Optical aria
ble Device)画像の可逆性表示媒体への応用
が,例えば、特開平05ー249873号公報や特開平
08ー207444号公報などによりなされている。ホ
ログラムや回折格子のようなOVDは、微細な凹凸パタ
ーンや、屈折率の異なる縞状パターンなどの回折構造か
らなっており、光の干渉と回折により見る角度(すなわ
ち、ホログラムを支持している角度)に応じて、固有の
像や色の変化(カラーシフト)が生じるものである。
【0007】また、多層薄膜のようなOVDは、光学特
性の異なるセラミックスや金属を幾重にも積層した構造
である。この多層薄膜は構成する材料の光学特性と膜厚
により得られる光の干渉作用を利用したものであり、特
定の波長域に反射・透過特性を有しているため、観察す
る角度によりカラーシフトが生じるものである。以下で
は、これらの光の干渉を利用したホログラム、回折格
子、多層薄膜などを総称してOVDと称することとす
る。
【0008】これらのOVDは立体画像やカラーシフト
といった独特な印象を与えるため、優れた装飾効果を有
しており、各種包装材、絵本、カタログ等の一般的な印
刷物に利用されている。しかし、これらOVD画像の表
示媒体への応用は、それが可逆性表示媒体であってもO
VD画像のもつセキュリティ性を媒体へ付与する応用が
主であり、表示媒体における表示技術や記録技術そのも
のへの応用は十分になされていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記ポリウレタン系樹
脂のような形状記憶樹脂を可視情報に応用した場合、背
景と印字部のコントラストが低く、明瞭な図形や文字な
どを表示することは困難なことである。本発明は、形状
記憶樹脂を可視情報の可逆的な表示に応用した際に、背
景と印字部のコントラストを高くし、意匠性に優れた、
明瞭な図形や文字などの表示を可能とする可逆性表示媒
体を提供することを課題とするものである。また、その
可逆性表示媒体を用いた情報媒体を提供することを課題
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、可逆性表示媒
体において、その表面に光を散乱する凹凸が形成された
形状記憶材料層を該可逆性表示媒体の表面に設け、該凹
凸の形状変化によって光の散乱・透過を制御して表示を
可逆的におこなうことを特徴とする可逆性表示媒体であ
る。
【0011】また、本発明は、上記発明による可逆性表
示媒体において、前記形状記憶材料層の形状記憶材料と
して、樹脂単独で形状記憶性を示す形状記憶樹脂を用い
たことを特徴とする可逆性表示媒体である。
【0012】また、本発明は、上記発明による可逆性表
示媒体において、前記形状記憶材料層の形状記憶材料と
して、熱溶融性樹脂フィラーを分散することにより形状
記憶性を示すゴム弾性を有する樹脂を用いたことを特徴
とする可逆性表示媒体である。
【0013】また、本発明は、上記発明による可逆性表
示媒体において、前記可逆性表示媒体がOVD画像を具
備することを特徴とする可逆性表示媒体である。
【0014】また、本発明は、上記発明による可逆性表
示媒体において、前記凹凸が加熱・加圧によるエンボス
によって形成されたことを特徴とする可逆性表示媒体で
ある。
【0015】また、本発明は、上記発明による可逆性表
示媒体において、前記凹凸が形状記憶材料の粒子を定着
させて形成されたことを特徴とする可逆性表示媒体であ
る。
【0016】また、本発明は、上記発明による可逆性表
示媒体をカード、紙、シールなどの支持媒体上の一部も
しくは全面に設けたことを特徴とする情報媒体である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は、本発明による可逆性表示媒体の一
実施例の断面図である。図1に示すように可逆性表示媒
体は、支持基材(4)、OVD層(5)、形状記憶材料
層(1)で構成されたものである。形状記憶材料層
(1)には、その表面に光を散乱する凹凸が形成されて
いる。また、OVD層(5)は、OVD画像(31)が
形成されるOVD形成層(3)とOVD効果層(2)と
で構成されている。
【0018】この可逆性表示媒体は、先ず、支持基材
(4)上に硬化性樹脂から成るOVD形成層(3)を印
刷法により2μm設けた後、エンボスによってOVD画
像(31)を形成し、さらにOVD効果層(2)として
光反射性の透明蒸着層を設けた。次に、このように形成
されたOVD層(5)上に、粒子化した形状記憶樹脂を
バインダーと共にコーティング法により5μm厚になる
ように定着させて表面に光を散乱する凹凸が形成された
形状記憶材料層(1)を得たものである。
【0019】図2は、本発明による可逆性表示媒体の他
の例の断面図である。図2に示すように可逆性表示媒体
は、OVD層(5)、支持基材(4)、形状記憶材料層
(1)で構成されたものである。形状記憶材料層(1)
には、その表面に光を散乱する凹凸が形成されている。
また、OVD層(5)は、OVD画像(31)が形成さ
れるOVD形成層(3)とOVD効果層(2)とで構成
されている。
【0020】この可逆性表示媒体は、先ず、支持基材
(4)の片面上に硬化性樹脂から成るOVD形成層
(3)をコーティング法により設けた後、エンボスによ
ってOVD画像(31)を形成し、さらにOVD効果層
(2)をAl蒸着により設けOVD層(5)を形成し
た。次に、支持基材(4)の他面上に印刷法により形状
記憶樹脂を5μm厚に設け、さらにエンボスによって表
面に光を散乱する凹凸が形成された形状記憶材料層
(1)を得たものである。
【0021】図3は、本発明による情報媒体の一実施例
の断面図である。図2に示すように情報媒体は、図1に
示す可逆性表示媒体と、支持体(6)上に印刷絵柄
(7)が設けられた支持媒体(8)とが接着層(9)を
介して一体化されたものである。
【0022】この情報媒体を構成する可逆性表示媒体の
作製は、先ず、支持基材(4)上に硬化性樹脂から成る
OVD形成層(3)を印刷法により2μm設けた後、エ
ンボスによってOVD画像(31)を形成し、さらにO
VD効果層(2)として光反射性の透明蒸着層を設け
た。次に、このように形成されたOVD層(5)上に、
粒子化した形状記憶樹脂をバインダーと共にコーティン
グ法により5μm厚になるように定着させて表面に光を
散乱する凹凸が形成された形状記憶材料層(1)を設
け、可逆性表示媒体を作製した。情報媒体は、このよう
にして得られた可逆性表示媒体と、支持体(6)上に印
刷絵柄(7)が設けられた支持媒体(8)とを、その支
持基材(4)面と印刷絵柄(7)面を対向させ接着層を
介し、熱圧により一体化したものである。
【0023】図4は、本発明による可逆性表示媒体の表
示原理を示すものである。表面に光を散乱する凹凸が形
成されている状態(A)では、下層のOVDのカラーシ
フト等の特有の光学的特性は得られないが、表面の凹凸
の形状を変化させて平滑性を高めた状態(B)では、下
層のOVDのカラーシフト等の光学的特性を得ることが
でき意匠性の高い表現が可能となる。また、状態(B)
にて、表面へ加熱を行うと材料の形状記憶性からふたた
び状態(A)へ回復する。
【0024】本発明における可逆性表示媒体の支持基材
(4)は、機械的に強靭で柔軟性や可とう性を有するポ
リエチレン、ポリプロピレン、その他の透明性を有する
高分子材料で厚さ10〜100μmのプラスチック製フ
ィルム等が用いられる。コーティングや印刷時の搬送性
や加工性を考慮すると25〜50μmのポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルムが好ましく用いられ
る。
【0025】形状記憶材料層(1)は、表面の凹凸の形
状を変化させることで表面の光の散乱を制御し、例え
ば、図1に示す可逆性表示媒体においては、下層に設け
たOVD形成層及びOVD効果層の入射光の干渉による
カラーシフトや立体画像の効果の発現を操作するもので
ある。表面の凹凸は形状記憶樹脂が凹凸に形成されたも
のであり、印刷法またはコーティング法により設け、初
期成形時に架橋が必要な場合は凹凸の形状を設ける為の
エンボス処理時に架橋を行ってもよい。
【0026】また、あらかじめ架橋した樹脂を粒子状に
加工して、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系、ウレタ
ン系、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系などの
バインダーと共に印刷法、コーティング法によりOVD
層上または透明基材上に設けることができる。なお、バ
インダーを用いる場合その厚みは、使用する形状記憶材
料の粒子の大きさによって、粒子径の30%〜200%
の厚みが好ましいものであり、通常は5〜20μmの厚
さを印刷法、コーティング法により設ける。
【0027】形状記憶材料を構成する樹脂の内、樹脂単
独で形状記憶性を示す形状記憶樹脂としては、スチレン
・ブタジエン共重合体、ポリノルボルネン、ポリブタジ
エン、天然ゴム、ポリイソプレン、ブチルゴム、エチレ
ン・プロピレン・ジエン共重合体、ニトリルゴム、シリ
コンゴム、ポリウレタン系樹脂が挙げられ、これら樹脂
を単独または混合体で、必要であるならば加硫などの架
橋処理を加えて用いる。これら樹脂は、形状記憶性は内
在するものの、樹脂単独では形状変化の速度、形状変化
の変化率が小さいので、フィラーを分散することによっ
て助長され形状記憶性が発現するものである。
【0028】また、ゴム弾性を有する樹脂中に分散する
熱溶融性樹脂フィラーとしては、融点が60〜200℃
好ましくは80〜160℃で、すみやかに熱により融解
し、冷却時の結晶化が速い樹脂を用いる。例えば、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどのポリオ
レフィン系樹脂や、ポリオレフィン系樹脂とポリフェニ
レンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂などのポリマ
ーアロイを用いる事ができる。ゴム弾性を有する樹脂中
に、熱溶融性樹脂フィラーを20〜50%の割合で配合
し、熱溶融製樹脂フィラーの粒径が0.5〜1μm程度
になるようにアロイ化を行なう。
【0029】その場合、形状記憶材料の粒子の直径は1
μm〜10μmまでの大きさを持つことができ、それら
大きさに分布を持っていてもよい。また、形状は真球状
や楕円形でもよく表面の凹凸が形成できるのであれば不
均一な形状でもよい。また、これらエンボスまたは粒子
の定着により、凹凸を形成した場合、凹凸表面の中心線
平均粗さ(Ra)は3〜6μmであることが好ましい。
さらに、加熱・加圧による二次成形及び成形後の冷却に
より表面の平滑性を高めた場合、中心線平均粗さ(R
a)は0.7〜3μmであることが好ましい。
【0030】OVD形成層(3)は、前述した光の干渉
を利用したOVD画像を形成する層であり、立体画像の
表現や見る角度により色が変化するカラーシフトを生じ
る表示体を形成する層である。その中でホログラムや回
折格子のごときOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹
凸パターンとして平面に記録するレリーフ型や体積方向
に干渉縞を記録する体積型が挙げられる。
【0031】ホログラムは、一般に、光学的な撮影方法
により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスタ
ーホログラムを作製し、次に、このマスターホログラム
から電気メッキ法により凹凸パターンを複製したニッケ
ル製のプレス版を作製し、そして、このプレス版をホロ
グラムを形成する層上に加熱押圧するという方法により
大量複製が行われている。このタイプのホログラムはレ
リーフ型ホログラムと称されている。
【0032】また、体積型ホログラムと称し、感光性樹
脂などの記録材を用いて感光性樹脂の屈折率を体積方向
に変化させ、体積方向に干渉縞を記録して反射型ホログ
ラムとしたものがある。このタイプのホログラムはリッ
プマンホログラムと呼ばれる。
【0033】更に、回折格子を用いたものは、このよう
な立体画像を再生し得るホログラムとは異なり、微小な
エリアに複数種類の単純な回折格子を配置して画素と
し、グレーティングイメージ、ピクセルグラムと呼ばれ
る画像を表現するものである。このような回折格子を用
いた画像は、レリーフ型ホログラムと同様な方法で大量
複製が行われている。
【0034】一方、ホログラムや回折格子と手法が異な
り、光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を
積層し、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生
じる多層膜方式もOVDの一例である。これら、OVD
の中でも量産性やコストを考慮した場合には、レリーフ
型ホログラム(回折格子)や多層薄膜方式のものが好ま
しい。以降、これらに関して詳しく説明する。
【0035】図1、及び図2はレリーフ型のホログラム
や回折格子をOVDとして用いた例であり、OVD層
(5)はOVD形成層(3)およびOVD効果層(2)
から構成されており、OVD効果層は、より回折効率が
得られるよう光を反射する高屈折材料薄膜によりなる。
このようにOVD層の構成はOVD形成方法により異な
り、その形態により複数の材料を積層した構成となる。
それゆえ、その構成は図1、及び2に限定されるもので
はない。
【0036】レリーフ型のホログラム(回折格子)は前
述したように微細な凹凸パターンを有するプレス版を加
熱しOVD形成層に押し当て、凹凸パターンを複製す
る。それゆえ、OVD形成層は熱による成形性が良好
で、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られる材
料であることが必要であり、例えば、ポリカーボネート
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱
可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、或いは、ラジカル重
合性不飽和基を有する紫外線や電子線硬化性樹脂を単独
あるい複合して用いることができる。また、上記以外も
のでも、OVD形成層として凹凸パターンを形成可能な
安定な材料であれば使用可能である。
【0037】また、OVDにレリーフ型ホログラム(回
折格子)を用いた場合、その回折効率を高めるためレリ
ーフ面を構成する高分子材料と屈折率の異なるOVD効
果層(反射層)を設けることが好ましい。OVD効果層
は、OVD形成層を設ける場所により、高屈折率透明材
料を用いる場合と、反射性金属薄膜を用いることを選択
できる。OVD層の下に設ける印刷絵柄を生かす場合
や、形状記憶材料層の直ぐ下にOVD形成層を設ける場
合は、反射性と透過性を併せ持つ高屈折率透明材料を使
用するのが望ましい。
【0038】高屈折率透明材料としては、Sb2 O3
、Fe2 O3 、TiO2 、CdS、CeO2
、ZnS、PbCl2 、CdO、Sb2 O3 、
WO3、SiO、Si2 O3 、In2 O3 、P
bO、Ta2 O3 、ZnO、ZrO2 、Cd2
O3 、Al2 O3 などが使用可能である。また、
図2に示すように、支持基材を介してOVD形成層を設
ける場合は、OVD形成層の下にAl、Cr、Sn、N
i、Cu等の反射性金属材料を用いることができる。
【0039】いずれの方式のOVD効果層も、形成する
方法としては真空蒸着法の他、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法等の成膜手段が適応可能であり、膜
厚としては10nm〜1000nm程度の範囲にあるこ
とが好ましい。図1、図2,及び図3に示づOVD形成
層及びOVD効果層は、上記の方法を用いて直接に支持
基材上に設けてもよいし、別の基材上に積層し支持基材
上に転写するなどの方法を用いて設けてもよい。可逆性
表示媒体がOVD画像を具備することにより、OVDの
カラーシフト等の光学的特性を得ることができ意匠性の
高い表現が可能となる。
【0040】接着層(9)は、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂など、通
常接着剤として用いられるもので良く、とくに限定され
るものではない。膜厚は、グラビア法など既存の方法に
より、約0.1〜20μm程度に設けられる。
【0041】図3に示す支持体(6)は、図1に示す可
逆性表示媒体と一体化させる対象として用いるものであ
り、材質としては、白色、有色或いは透明なポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンやポリプロ
ピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹
脂等の材料が使用できる。厚みとしては印刷適性を考慮
し、50μm〜2mmの範囲から選択される。これらは
好ましくは、さらに支持体をセンターコアとオーバーシ
ートに分けて最終的にラミネートしてもよく、その場
合、非接触ICチップ、アンテナをあらかじめ支持体上
に配置し、何層かのシートによるラミネートによりセン
ターコアとしてもよい。
【0042】印刷層(7)は、通常の着色インキ、蛍光
インキ、赤外線発色インキ、紫外線発色インキ等の単体
もしくはこれらを混合して用い、従来公知のグラビア印
刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の印刷方
式や、あらかじめ用意された絵柄転写シートを用いて設
けることができる。
【0043】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
【0044】 (調液) (OVD形成層塗液の調液) ・アクリルポリオール ……………… 20部 (大日本インキ化学工業(株)製 アクリディックA817) ・HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート) ………………… 5部 (旭化成工業(株)製 デュラネートD24A100) ・酢酸ブチル ……………… 50部 ・トルエン ……………… 25部 (接着層塗液の調液) ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ………… 30重量部 ・ポリエステル樹脂 ………… 20重量部 (富士写真フィルム(株)製 スタフィックスSOC−30M) ・メチルエチルケトン ………… 50重量部 ・トルエン ………… 50重量部 (形状記憶材料層塗液の調液) 「樹脂単独」 ・ポリノルボルネン ………… 30重量部 (日本ゼオン(株)製 ノーソレックス) ・トルエン ………… 60重量部 「熱溶融フィラーを分散する樹脂」 ・EDPM/PPアロイ(粉砕品:4μm径) ………… 40重量部 (三井化学(株): 三井エプタロイ/EDPM100重量部:PP20重量部) ・ポリエステル系樹脂 ………… 40重量部 (東洋紡績(株):バイロン1400) ・トルエン ……… 100重量部 ・メチルエチルケトン ……… 100重量部
【0045】<実施例1>25μm厚PETを支持基材
として、OVD形成層をグラビア法で1μm、OVD効
果層としてTiO2 を真空蒸着にて50nm形成した
後、ロールエンボス法を用いて140℃に熱したレリフ
ー型レインボーホログラムのスタンパーを押し当て、レ
インボーホログラムパターンを成形した。さらに、これ
らOVD層上に形状記憶材料層(熱溶融フィラーを分散
する樹脂)をバーコートにより6μmに設けた。
【0046】このようにして得た可逆性表示媒体は、表
面の中心線平均粗さ(Ra)が3μm以上であり下に設
けたOVDのカラーシフトはみられず、散乱により表面
は白濁したようにみえる。しかし、分散した熱溶融フィ
ラーの融点以上(160℃)に加熱したロールラミ機を
用いて表面を平滑に変形させた直後に金属ロールを用い
て冷却した場合の表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.
5μmとなり下に設けたOVDのカラーシフトが確認さ
れた。さらに、160℃のロールラミ機を用いて表面を
走査させた場合、表面の凹凸が元に回復しOVDのカラ
ーシフトの確認が再びできなくなった。
【0047】<実施例2>25μm厚PETを支持基材
として、OVD形成層をグラビア法で1μm、OVD効
果層としてAlを真空蒸着にて80nm形成した後、ロ
ールエンボス法を用いて140℃に熱したレリフー型レ
インボーホログラムのスタンパーを押し当て、レインボ
ーホログラムパターンを成形した。さらにこれらOVD
層の反対面に形状記憶材料層(樹脂単独)をバーコート
により6μmに設けた。
【0048】この層にロールエンボス機によるエンボス
処理を行った。このようにして得た可逆性表示媒体のO
VDパターン形成面に接着層を5μm厚に設けた後、厚
さ0.7m厚のカード上にロールラミ機により一体化し
た。このようにして得られた情報媒体の表面の中心線平
均粗さ(Ra)が3μm以上であり反対面に設けたOV
D層のカラーシフトはみられず、散乱により表面は白濁
してみえる。
【0049】しかし、ロールラミ機を用いて表面を平滑
に変形させた直後金属ロールを用いて冷却した場合、中
心線平均粗さ(Ra)が1.5μmとなり下に設けたO
VD層のカラーシフトが確認された。さらに、160℃
のロールラミ機を用いて表面を走査させた場合、表面の
凹凸が元に回復しOVD層のカラーシフトの確認が再び
できなくなった。
【0050】
【発明の効果】本発明は、その表面に光を散乱する凹凸
が形成された形状記憶材料層を該可逆性表示媒体の表面
に設け、該凹凸の形状変化によって光の散乱・透過を制
御して表示を可逆的におこなう可逆性表示媒体であるの
で、形状記憶樹脂を可視情報の可逆的な表示に応用した
際に、背景と印字部のコントラストが高く、意匠性に優
れた、明瞭な図形や文字などの表示を可能とする可逆性
表示媒体となる。
【0051】また、本発明は、可逆性表示媒体がOVD
画像を具備するので、OVDのカラーシフト等の光学的
特性を得ることができ、意匠性の高い表現が可能な可逆
性表示媒体となる。
【0052】また、本発明は、上記可逆性表示媒体をカ
ード、紙、シールなどの支持媒体上の一部もしくは全面
に設けた情報媒体であるので、背景と印字部のコントラ
ストが高く、意匠性に優れた、明瞭な図形や文字などの
表示を可能とする可逆性表示媒体を用いた情報媒体とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可逆性表示媒体の一実施例の断面
図である。
【図2】本発明による可逆性表示媒体の他の例の断面図
である。
【図3】本発明による情報媒体の一実施例の断面図であ
る。
【図4】本発明による可逆性表示媒体の表示原理を示す
ものである。
【符号の説明】
1…形状記憶材料層 2…OVD効果層 3…OVD形成層 4…支持基材 5…OVD層 6…支持体 7…印刷絵柄 8…支持媒体 9…接着層 31…OVD画像 A…表面に光を散乱する凹凸が形成されている状態 B…表面の凹凸の平滑性を高めた状態

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可逆性表示媒体において、その表面に光を
    散乱する凹凸が形成された形状記憶材料層を該可逆性表
    示媒体の表面に設け、該凹凸の形状変化によって光の散
    乱・透過を制御して表示を可逆的におこなうことを特徴
    とする可逆性表示媒体。
  2. 【請求項2】前記形状記憶材料層の形状記憶材料とし
    て、樹脂単独で形状記憶性を示す形状記憶樹脂を用いた
    ことを特徴とする請求項1記載の可逆性表示媒体。
  3. 【請求項3】前記形状記憶材料層の形状記憶材料とし
    て、熱溶融性樹脂フィラーを分散することにより形状記
    憶性を示すゴム弾性を有する樹脂を用いたことを特徴と
    する請求項1記載の可逆性表示媒体。
  4. 【請求項4】前記可逆性表示媒体がOVD画像を具備す
    ることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3
    記載の可逆性表示媒体。
  5. 【請求項5】前記凹凸が加熱・加圧によるエンボスによ
    って形成されたことを特徴とする請求項1、請求項2、
    請求項3、又は請求項4記載の可逆性表示媒体。
  6. 【請求項6】前記凹凸が形状記憶材料の粒子を定着させ
    て形成されたことを特徴とする請求項1、請求項2、請
    求項3、又は請求項4記載の可逆性表示媒体。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載
    の可逆性表示媒体をカード、紙、シールなどの支持媒体
    上の一部もしくは全面に設けたことを特徴とする情報媒
    体。
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