JP2002094286A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JP2002094286A
JP2002094286A JP2000279568A JP2000279568A JP2002094286A JP 2002094286 A JP2002094286 A JP 2002094286A JP 2000279568 A JP2000279568 A JP 2000279568A JP 2000279568 A JP2000279568 A JP 2000279568A JP 2002094286 A JP2002094286 A JP 2002094286A
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hologram
resin
wave absorber
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JP2000279568A
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Yoichi Higuchi
洋一 日口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波吸収層側に、斜めから電波が入射する場
合でも、極めて吸収効率が良い(斜入射特性の良い)上
に、施工場所における電磁波到達度合いに応じて最適な
電磁波吸収面を容易に作り出すことが可能となる電波吸
収体を提供すること。 【解決手段】 2層以上の電波吸収層と、熱伝達変換層
とから構成された電波吸収体であって、前記各電波吸収
層側にホログラム層を設けたことを特徴とする電波吸収
体とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は室内LAN対応、レ
ーダ偽像防止、無線障害防止、およびElectro
Magnetic Interference(EM
I)対策分野で使用される電波吸収体に関するものであ
る。特に斜めからの電波の入射でも極めて吸収効率が良
い(斜入射特性の良い)、ミリ波を含む高周波電波吸収
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の発達により種々な
電子機器が事務所、工場、研究所、店舗、一般家庭等の
あらゆる場所に導入されて使用される様に成って来た
が、これら電子機器に起因する電波障害の問題が多く発
生し、その防止策として電磁波シールド材を壁材として
用いたり、シールドルームを設けたりしている。
【0003】この様な電磁波シールド材に就いては種々
提案されており、また、電波吸収材と電波反射材との複
合材に就いても種々提案されている。斯様な電磁シール
ド材の一例として、例えば特開昭64−86595号公
報記載のものを列挙することが出来る。
【0004】併し乍ら、シールドルームの設置には多額
の費用が掛かる等の問題が有り、また、電磁波シールド
材を壁材として使用するものでは、室内を金属材料でシ
ールドしたシールド・ビルが知られているが、この様な
シールド・ビルに用いられる金属系のシールド材は電波
をほゞ100%反射することによって機能するために、
反射された電波が更に他に悪影響を及ぼす等の問題や、
無線LAN等のOA化に対しても十分でない等の問題が
見られる。即ち、電磁波シールドの場合、基本的には入
射される不要電磁波に対して反射作用を利用して、電子
機器筐体内に電磁波が侵入されるのを防ぐ事となる。そ
のためこの場合には、利用空間内に対して電磁波は何ら
かの意味で存在していることになり、2次的ノイズのも
とになってしまう。
【0005】一方、従来の電磁波吸収体の場合は、設計
段階から完全反射体である金属板からの反射レベルに対
して、幾何学的に同面積の電波吸収体層からの反射レベ
ルがどの程度低下するか、つまりは入射電磁波に対して
どの程度吸収されるかを考慮して製造される。そのため
この場合には、利用空間内に対して入射された電磁波は
存在しなくなる。そのため不要電磁波に対する根本的な
解決となり両者はその作用・構成等において明確に区別
される。
【0006】この電磁波吸収体としては、最も基本的な
ものとして構造的に単純な金属で裏打ちした1層型電波
吸収体がある。一般にはゴム材料に炭素粒子を混入した
1層型ゴムシート電波吸収体が多い。さらには、表面層
と吸収層を有する2層型電波吸収体がある。これは、グ
ラファイト含有発泡スチロールや炭化ケイ素FRPを用
いた電波吸収体が多い。
【0007】さらには、電波暗室に使用する電波吸収体
のように広帯域性を必要とする多層型電波吸収体があ
る。これは構造形態より、ピラミッド形のものやウエッ
ジ形のものに区分される。薄膜多層構造電磁波吸収体と
しては、例えば日本エネシス株式会社の「フレクステ
ル」(商品名)がある。これは、15種類を超える素材
を施工状況から組み合わせを決定し製造する。さらに各
層は特殊な熱可塑性接着剤で強固に結合させるものであ
り、施工後の修正あるいはその場での修正は不可能であ
る。また、周波数に応じた形態にならざるをえず、構成
材料を別にそれぞれ用意しておく必要が生じる。
【0008】また、最近は携帯電話を中心としたミリ波
帯を意識した電波の需要が急速に進み、それに伴ないミ
リ波帯(特に60GHz、90GHz)における電波吸
収体の研究開発も盛んに行なわれている。この場合一般
には、抵抗皮膜型電波吸収体が多くある。しかしなが
ら、電波吸収体の電波吸収層面に対して、斜めからの電
波の入射でも極めて吸収効率が良い(斜入射特性の良
い)電波吸収体は、今までには無かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、高周波(1GHz〜70GHz)対応の電
波吸収体において、斜入射特性を改善し、なるべく薄
く、軽量・安価で、高効率、広帯域の電波吸収能を持つ
とともに、必要に応じて、施工の容易さをも実現するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の「電波吸収体」は、 (1)2層以上の電波吸収層と、熱伝達変換層とから構
成された電波吸収体であって、前記各電波吸収層側にホ
ログラム層(回折格子層)を設けたことを特徴とする電
波吸収体。 (2)前記電波吸収体の各層間に易接着層を設けたこと
を特徴とする(1)に記載の電波吸収体。 (3)熱伝達変換層が有機繊維や無機繊維を用いた高熱
伝導性樹脂シートであることを特徴とする(1)又は
(2)に記載の電波吸収体。 としたのである。例えば、ホログラム層が表面に形成さ
れた電波及び/または電磁波を吸収するための電波吸収
層を2層以上持ち、これと各電波吸収層で吸収された電
波や電磁波を熱エネルギーに変換する役目をする熱伝達
変換層を積層した構成とした。本発明で製造した電波吸
収特性の異なる各種電波吸収層は複層で用いる。易接着
層を介して複数積層させて用いても良い。吸収効率と電
磁波周波数に応じて、各層に機能分離するほうがより有
利であり、これにより帯域も広がり高周波全域を無駄無
く吸収することが可能となる。
【0011】また、本発明の「電波吸収体」は、上記構
成において更に、熱伝達変換層が有機繊維を用いた高熱
伝導性樹脂シートから成る構成とした。熱伝達変換層
は、一般にはアルミニウムや銅などの金属板、金属ネッ
トを複合加工して製品としているが、本発明では軽量か
つ放熱性および熱伝導率の点から炭素繊維等の有機繊維
等を用いた高熱伝導性樹脂シートを用いた。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電波吸収体につい
て、実施の形態を説明する。
【0013】先ず本発明の電波吸収体の典型的な構造を
図1及び図2を引用して説明する。図1は本発明の電波
吸収体の一実施例の断面図である。図1の電波吸収体7
は、ホログラム層付き電波吸収層A(図示の符号1)と
ホログラム層付き電波吸収層B(図示の符号3)とホロ
グラム層付き電波吸収層C(図示の符号4)と熱伝達変
換層5とをそれぞれ易接着層2を介して積層された構成
である。また、図2は本発明の電波吸収体(図1)の一
実施例の分解した構成を示す斜視図である。図2の電波
吸収体は、ホログラム層付き電波吸収層A(図示の符号
1)とホログラム層付き電波吸収層B(図示の符号3)
とホログラム層付き電波吸収層C(図示の符号4)と熱
伝達変換層5とをそれぞれ易接着層2を介して積層され
た構成である。ホログラム層付き電波吸収層A(図示の
符号1)とホログラム層付き電波吸収層B(図示の符号
3)とホログラム層付き電波吸収層C(図示の符号4)
はいずれも、角部を切断され、剥離用切り込み6が形成
されている。
【0014】以下、これら各層について更に詳述する。
【0015】(電波吸収層)電波及び/または電磁波を
吸収するための電波吸収層は、軽量化を意識した材料を
用いるのが好ましい。すなわち、一般にはフェライトを
中心とした磁性金属類が用いられるが、ここではさらな
る軽量化を実現するために、カーボン粉体(カーボンブ
ラック)あるいは希土類粉体または磁性スピンを有する
Co、Feなどを中心金属とした有機金属錯体類などを
用いる。これらを固定させ電波吸収層を作製する方法に
は、主に圧延ロール法とホットプレス法がある。ここで
は、実験室レベルで簡便で、異方性の生じにくいホット
プレス法によった。
【0016】ホットプレス法は、ゴムなどの結着用材料
に対するカーボンブラックの混合比を変化させ混入し、
これをペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを
各種調整してホットプレスすることにより製作する。も
ちろんカーボンブラックの代わりに希土類粉体または磁
性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした有機
金属錯体類などを結着用材料に分散、練り込んでも良
い。また分散、混合する代わりにカーボンブラックある
いは希土類粉体または磁性スピンを有するCo、Feな
どを中心金属とした有機金属錯体類を結着用材料で含浸
させ硬化結着させる方法や含浸させ硬化結着させなが
ら、スペーサで厚みを各種調整してホットプレスや圧延
ロールにより製作することもある。
【0017】結着用材料としては、エポキシ変性ウレタ
ンゴム等の各種ゴム類、シリコーン、各種の合成樹脂が
用いられる。例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチ
レン−プロピレン共重合樹脂、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重
合樹脂等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン
ナフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレ
ート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー
等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチ
ル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、ポリ(メ
タ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル
−(メタ)アクリル酸ブチル共重合樹脂等のアクリル樹
脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリア
ミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリス
チレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシフェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、エポキシウレタン変性樹脂、又はフェノール樹
脂等である。上記の内、エポキシ変性ウレタンゴム、シ
リコーン、エポキシフェノール樹脂、エポキシウレタン
変性樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などを用いる
のが好ましい。
【0018】混合、分散するための分散機は、前記した
ペイントロール以外にもペイントシェーカ、ビーズミ
ル、アトライターなどを用いても良い。スペーサで設計
厚みに調整してホットプレスによって作製する際、例え
ば、設計数値等に関しては橋本修等の論文を参考に分散
調合を決定していった。(橋本修等:電子情報通信学会
論文誌 B Vol.J82−B No.3 pp.4
69−475 1999年3月)
【0019】カーボンブラックあるいは希土類粉体また
は磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした
有機金属錯体類などの種類や混合比や電波吸収層の厚み
によって、電波吸収特性の異なる各種電波吸収層を作製
できる。
【0020】さらにこのようにして製造したものの表面
に後記のホログラム層が形成された、電波吸収特性の異
なる各種電波吸収層は、易接着層2を介して複数積層さ
せて用いても良い(図1、2)。吸収効率と電磁波周波
数に応じて、各層に機能分離するほうが有利であり、こ
れにより帯域も広がり高周波全域を無駄無く吸収するこ
とが可能となる。
【0021】(熱伝達変換層)熱伝達変換層5は、一般
にはアルミニウムや銅などの金属板、金属ネットを複合
加工して製品としている。ここでは、軽量かつ放熱性お
よび熱伝導率の点から有機繊維または無機繊維を用いた
高熱伝導性樹脂シートを用いた。
【0022】これは炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊
維等の特殊な繊維の繊維方向を制御して高濃度で整列さ
せエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂で硬
化させることによって得られる。例えば、日機装株式会
社の商品名 MATELIGHT(炭素繊維強化プラス
チック、アラミド繊維強化プラスチック、ガラス繊維強
化プラスチック)やポリマテック株式会社の繊維配向複
合材などを使用するのがよい。この炭素繊維は、レーヨ
ン系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、フェノール
樹脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系など、各種の炭素
繊維が使用でき、そして、通常、繊維直径が2〜30μ
m程度、平均繊維長さが0.1〜10mm程度のものを
使用するのが好ましい。
【0023】ここで炭素繊維、アラミド繊維(芳香族ポ
リアミド繊維)、ガラス繊維等の特殊な繊維の繊維方向
を制御しないでエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬
化性樹脂で硬化させても良い。熱硬化性樹脂は、例え
ば、エポキシ樹脂、BMI系樹脂(フェノール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂など)、ポリイミド
樹脂等の一般の熱硬化性樹脂であり、特に限定されるも
のではない。なお、熱硬化性樹脂には、必要に応じて、
硬化剤等の配合剤を配合することができる。また、エポ
キシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂の代わり
に、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
ファイド等の熱可塑性樹脂を使用しても良い。
【0024】特殊な繊維としては綿、麻、竹、木等の植
物原料から得た繊維(セルロースパルプを含む)等の天
然有機繊維、または炭化珪素繊維、金属繊維、セピオラ
イト、石綿等の天然乃至は人造無機繊維や、ポリエステ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリビニールアルコール、
ポリプロピレン、ポリアミド繊維等の人造有機繊維も使
用できる。
【0025】(ホログラム層)前記電波吸収層の上に
は、ホログラム層、即ち、ホログラムまたは回折格子を
形成した層を設けておく。ホログラムまたは回折格子自
体は、平面ホログラム、体積ホログラムともに使用で
き、具体例としては、レリーフホログラム、リップマン
ホログラム、フルネルホログラム、フラウンホーファホ
ログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、レーザ
ー再生ホログラム(イメージホログラムなど)、白色光
再生ホログラム(レインボーホログラムなど)、カラー
ホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディ
スプレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィ
ックステレオグラム、ホログラフィック回折格子などが
挙げられる。
【0026】これらのホログラム層を形成する層の材料
には、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、PMM
A)、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの熱可塑性
樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリ
エステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アク
リレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテ
ル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレ
ート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系ア
クリレートなどの熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、或いは
上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用する
ことができ、更には、ラジカル重合性不飽和基を有する
熱成形性物質、或いは、これらにラジカル重合性不飽和
単量体を加え電離放射線硬化性としたものなどを使用す
ることができる。このほか、銀塩、重クロム酸ゼラチ
ン、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレ
ジスト、強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモク
ロミックス材料、カルコゲンガラスなどの感光材料など
も使用できる。
【0027】上記の材料を用いてホログラム層を形成す
る方法は、従来既知の方法によって形成することがで
き、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸
のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞
が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、前
記熱伝達変換層上に電波吸収層を積層した電波吸収体の
電波吸収層の上に、前記ホログラム層形成用樹脂の塗布
液をグラビアコート法、ロールコート法、バーコート法
などの手段で塗布して、塗膜を形成し、その上に前記原
版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加
熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製すること
ができる。また、フォトポリマーを用いる場合は、前記
電波吸収体の電波吸収層の上に、フォトポリマーを同様
にコーティングした後、前記原版を重ねてレーザー光を
照射することにより複製することができる。このよう
に、表面凹凸のレリーフとして回析格子やホログラムの
干渉縞をホログラム層の表面に記録する方法は、量産性
があり、コストも低くできる点で特に好ましい。このよ
うなホログラム層の膜厚は0.1〜6μmの範囲が好ま
しく、0.1〜4μmの範囲が更に好ましい。さらに
は、ホログラム面における入射特性をさらに良好とする
ためブレーズドアングルで形状を微細加工したり、回折
格子のピッチ配列をチャーピングによる焦点調整をおこ
なってもよい。また、これらのホログラム記録に関して
は、光学露光方式として、レーザの2光束干渉法や間接
的に設けたマスターマスクからのレーザ露光によってホ
ログラム感材へ記録し作製する。
【0028】また、本発明の「電波吸収体」は、図1と
図2におけるように、ホログラム層付きの電波吸収層A
〜Cと熱伝達変換層5の各層間に易接着層2をもたせた
もので、これにより施工場所における電磁波到達度合い
に応じて最適な電磁波吸収面を、剥離用切り込み6を指
標に剥離することで容易に作り出すことが可能となる。
【0029】易接着層2の一例としては、信越化学株式
会社製のアクリルシリコーンエマルジョン溶液を溶媒
(トルエンとアセトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈
したものをメイヤーバーや各種コーティング法によって
1〜25μmの厚さに塗布して形成する。また、易接着
層2の材料としての樹脂(バインダー)には、ポリビニ
ルアルコール単独あるいはその部分ケン化品(商品名
ポバール)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を使用でき、接着力の強弱を調
整するためシリコーン油等のシリコーン類を数%含有す
ればよい。さらには、シリコーン油のみならず、シラン
カップリング剤単独あるいはその加水分解物を数%含有
させても良い。(東芝シリコン株式会社製)ただし、ホ
ログラム材料と易接着材料の屈折率差は少ないものを選
択し使用することが好ましい。すなわち、ホログラム材
料には、感材をデュポン社製やアグファ社製8E75H
Dを記録材料として使用することが好ましい。これらの
屈折率が1.51−1.55程度であるので易接着層の
これと同等にし、表面反射等による入射特性を損なわな
いよう調整することが好ましい。各層を積層して貼り合
わせ電波吸収体7を構成させる。さらに施工現場におい
て、ホログラム層付きの電波吸収層A(図示の符号1)
を剥離用切り込み6に従って剥離したが、容易に剥離で
き、ホログラム層付きの電波吸収層B(図示の符号3)
を最表面に持ってくることもできた。
【0030】
【実施例】以下、本発明について、実施例により更に説
明する。
【0031】(実施例1)図1及び図2の如き構成の電
波吸収体7を次の様にして作製した。エポキシフェノー
ル樹脂100g当たりにカーボンブラック3.09g添
加してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを
1.91mmに調整してホットプレスによって作製した
もの(電波吸収層)の上に、下記(2)組成のホログラ
ム層形成用塗布液をグラビアリバーズコート法により、
乾燥時の厚さが2μmとなるように塗布し、100℃、
1分間の条件で乾燥させて光回折構造を形成するための
樹脂層を形成した。
【0032】 (2)ホログラム層形成用塗布液の組成 アクリル樹脂 40重量部 メラミン樹脂 10重量部 溶剤 シクロヘキサノン 50重量部 溶剤 メチルエチルケトン 25重量部
【0033】前記ホログラム層形成用樹脂層の上に、ホ
ログラム原版を載置し、150℃、50kg/cm2 、
1分間の条件で加熱圧着してホログラムレリーフを型付
けした後、ホログラム原版を剥離してホログラムレリー
フを備えたホログラム層8を形成した。これをホログラ
ム層8付き電波吸収層A(図示の符号1)とした 。
【0034】エポキシフェノール樹脂100g当たりに
カーボンブラック2.08g添加してペイントロールで
混合した後、スペーサで厚みを3.31mmに調整して
ホットプレスによって作製したもの(電波吸収層)の上
に、上記(2)組成のホログラム層形成用塗布液をグラ
ビアリバーズコート法により、乾燥時の厚さが2μmと
なるように塗布し、100℃、1分間の条件で乾燥させ
てホログラム層を形成するための樹脂層を形成した。
【0035】前記ホログラム層形成用樹脂層の上に、ホ
ログラム原版を載置し、150℃、50kg/cm2 、
1分間の条件で加熱圧着してホログラムレリーフを型付
けした後、ホログラム原版を剥離してホログラムレリー
フを備えたホログラム層9を形成した。これをホログラ
ム層9付き電波吸収層B(図示の符号3)とした 。
【0036】エポキシフェノール樹脂100g当たりに
カーボンブラック2.68g添加してペイントロールで
混合した後、スペーサで厚みを2.01mmに調整して
ホットプレスによって作製したもの(電波吸収層)の上
に、上記(2)組成のホログラム層形成用塗布液をグラ
ビアリバーズコート法により、乾燥時の厚さが2μmと
なるように塗布し、100℃、1分間の条件で乾燥させ
てホログラム層を形成するための樹脂層を形成した。
【0037】前記ホログラム層形成用樹脂層の上に、ホ
ログラム原版を載置し、150℃、50kg/cm2 、
1分間の条件で加熱圧着してホログラムレリーフを型付
けした後、ホログラム原版を剥離してホログラムレリー
フを備えたホログラム層10を形成した。これをホログ
ラム層10付き電波吸収層C(図示の符号4)とした
。ホログラム層付き電波吸収層A〜Cの角部を斜めに
切断して剥離用切り込み6を設けた。
【0038】熱伝達変換層5は、日機装株式会社の商品
名 MATELIGHT COMPOSITE(炭素繊
維強化プラスチック)0.3mm厚さをそのまま用い
た。ホログラム層付き電波吸収層A〜Cと熱伝達変換層
5の各層間には易接着層2を設けた。
【0039】易接着層2は、信越化学株式会社製のアク
リルシリコーンエマルジョン溶液を溶媒(トルエンとア
セトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈したものをメイ
ヤーバーによって5μmの厚さに塗布して形成した。
【0040】各層を積層して貼り合わせ電波吸収体7を
構成させた。さらにホログラム層付き電波吸収層A(図
示の符号1)を剥離用切り込み6に従って剥離したが、
容易に剥離でき、ホログラム層付き電波吸収層B(図示
の符号3)上のホログラム層を最表面に持ってくること
ができた。
【0041】電波吸収特性はアドバンテスト法によって
行なった。電波吸収層A、B、Cで構成の場合には1G
Hz〜20GHz(測定限界のため)においてほぼフラ
ットに−20dBの吸収損失を確認した。さらに、電波
吸収層B、Cの場合には5GHz〜20GHz(測定限
界のため)においてほぼフラットに−25dBの吸収損
失を確認した。さらに、電波吸収層Cの場合には15G
Hz〜20GHz(測定限界のため)において鋭い吸収
ピークが見られ、−35dBの吸収損失を確認した。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば各電波吸収層にホログラム層を設けたことにより、斜
めからの電波の入射でも極めて吸収効率が良い(斜入射
特性の良い)新規な構成となる電磁波吸収体を提供でき
る。さらには、同一ロットで製造ができ、安価な電波吸
収体を提供することが容易になる。同一ロットで構成さ
れているので製造工程を一括管理できる。 施工場所における電磁波到達度合いに応じて最適な電
磁波吸収面を容易に作り出すことが可能となる。例えば
屋内壁面への施工の場合には、窓面からの入射と天井面
では電磁波の散乱・反射度合いが異なる。その様な状況
に対しても周波数等の電波測定後に最適な電波吸収面ま
で剥離してその場で施工すればよい。また、施工面積に
もよるが、壁面の様な場合には予め大きさは規格化され
ているので、不要の電波吸収層は巻き取り回収すること
で再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の一実施例の断面図であ
る。
【図2】本発明の電波吸収体の一実施例(図1)の構成
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ホログラム層付き電波吸収層A 2 易接着層 3 ホログラム層付き電波吸収層B 4 ホログラム層付き電波吸収層C 5 熱伝達変換層 6 剥離用切り込み 7 電波吸収体 8 ホログラム層 9 ホログラム層 10 ホログラム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DH01 FA03 GA03 GA24 GA42 HA20 HD11 HD13 HE01 JA00 JA22 JA24 JA29 JB01 JB02 JC00 JC01 JC02 JC03 JC06 JC07 JD02 JD04 JD05 4F100 AA01C AA37 AD11 AK01C AK25 AK33 AK36 BA03 BA10A BA10C CB00 DG01C DH02C HB08A HB08B JD14A JD14B JJ01C JL11 JL16 5E321 AA41 BB02 BB23 BB24 BB25 GG11 GH03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2層以上の電波吸収層と、熱伝達変換層
    とから構成された電波吸収体であって、前記各電波吸収
    層側にホログラム層を設けたことを特徴とする電波吸収
    体。
  2. 【請求項2】 前記電波吸収体の各層間に易接着層を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  3. 【請求項3】 熱伝達変換層が有機繊維や無機繊維を用
    いた高熱伝導性樹脂シートであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の電波吸収体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069613A (ja) * 2006-09-16 2008-03-27 Wood One:Kk 電波吸収木質ボード及びその製造方法
JP2012524685A (ja) * 2009-04-24 2012-10-18 アプライド ナノストラクチャード ソリューションズ リミテッド ライアビリティー カンパニー カーボンナノチューブベースの性質制御材料

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