JP2002092852A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2002092852A
JP2002092852A JP2000284126A JP2000284126A JP2002092852A JP 2002092852 A JP2002092852 A JP 2002092852A JP 2000284126 A JP2000284126 A JP 2000284126A JP 2000284126 A JP2000284126 A JP 2000284126A JP 2002092852 A JP2002092852 A JP 2002092852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic layer
recording medium
layer
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000284126A
Other languages
English (en)
Inventor
Masae Takano
雅穫 高野
Toshitsugu Ono
敏嗣 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000284126A priority Critical patent/JP2002092852A/ja
Publication of JP2002092852A publication Critical patent/JP2002092852A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な走行耐久性を有し、電磁変換特性に優
れる。 【解決手段】 非磁性支持体1と、非磁性支持体1上に
形成され、非磁性粉末及び結合剤を含有する非磁性層2
と、非磁性層2上に形成され、強磁性粉末及び結合剤を
含有する磁性層3とを備え、磁性層3は、極性基として
3級アミンを有するポリウレタン樹脂を含有することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体及び
磁性層を備える磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の社会では、ネットワークを介して
音声情報の配信が行われている。将来的には、音声情報
のみならず、画像情報の配信もネットワークを介して行
われる可能性がある。このように配信された種々の情報
を記録する媒体として、例えばデータストレージ用の磁
気記録媒体が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、磁気記録の分野
では、記録再生する種々のデータの容量は増大する一方
である。このため、磁気記録媒体には、大容量化やデー
タ転送レートの向上がより一層求められている。
【0004】従来、データストレージ用の磁気記録媒体
として、単層塗布型の磁気記録媒体が使用され、また、
磁気記録再生装置として、固定ヘッド記録方式のテープ
ストリーマーが使用されている。しかし、固定ヘッド記
録方式のテープストリーマーによる記録再生では、デー
タ転送レートの向上に限界がある。
【0005】そこで、ヘリカルスキャン方式のテープス
トリーマーの開発が進行している。ヘリカルスキャン方
式のテープストリーマーは、固定ヘッド記録方式のテー
プストリーマーと比較して、4倍の記録容量及びデータ
転送レートが実現可能である。
【0006】ところが、ヘリカルスキャン方式のテープ
ストリーマーを用いて単層塗布型の磁気記録媒体を多数
回走行させると、表面性が劣化して摩擦係数が上昇する
傾向がみられる。つまり、単層塗布型の磁気記録媒体
は、ヘリカルスキャン方式のテープストリーマーによる
記録再生に適応した走行耐久性を有しておらず、満足す
べき電磁変換特性を発揮することができない。
【0007】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、走行耐久性に優れ、良好な電磁
変換特性を有し、特に、ヘリカルスキャン方式の磁気記
録再生装置での使用に最適な磁気記録媒体を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者らが種々の検討を重ねた結果、非磁性支持
体上に非磁性層と磁性層とが順次形成されてなる構造、
いわゆる重層塗布型構造とするとともに、磁性層に特定
の結合剤を含有させることにより、走行耐久性に優れ、
良好な電磁変換特性を有する磁気記録媒体を得られると
の知見に至った。
【0009】本発明に係る磁気記録媒体は、このような
知見に基づいて完成されたものであり、非磁性支持体
と、非磁性支持体上に形成され、非磁性粉末及び結合剤
を含有する非磁性層と、非磁性層上に形成され、強磁性
粉末及び結合剤を含有する磁性層とを備え、磁性層は、
極性基として3級アミンを有するポリウレタン樹脂を含
有することを特徴とする。
【0010】磁性層と非磁性層とを備える重層塗布型構
造としつつ、磁性層に極性基として3級アミンを有する
ポリウレタン樹脂を含有させることにより、如何なる使
用条件下においても摩擦係数の上昇が抑制される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
について詳細に説明する。
【0012】本発明を適用した磁気記録媒体は、図1に
示すように、非磁性支持体1と、非磁性粉末及び結合剤
を含有する非磁性層2と、強磁性粉末及び結合剤を含有
する磁性層3とを備える。
【0013】磁性層3は、強磁性粉末及び極性基として
3級アミンを有するポリウレタン樹脂を含有する磁性塗
料を非磁性層2上に塗布して形成される。
【0014】この極性基として3級アミンを有するポリ
ウレタン樹脂は、磁性層3中において結合剤となるもの
である。極性基として3級アミンを有するポリウレタン
樹脂は、磁性塗料中における強磁性粉末の分散性を良好
なものとする、即ち、磁性層3中に強磁性粉末を均一に
分散配向させることができる。
【0015】極性基として3級アミンを含有するポリウ
レタン樹脂において、3級アミンの含有量は、0.01
mmol/g以上、1.0mmol/g以下であること
が好ましい。3級アミンの含有量が0.01mmol/
g未満である場合、磁性層3中に強磁性粉末を十分に分
散させることができない虞がある。一方、3級アミンの
含有量が1.0mmol/gを越える場合、磁性塗料を
塗料化する溶剤に対する溶解性が劣化したり、磁性層3
の耐湿性が劣化する虞がある。
【0016】また、極性基として3級アミンを含有する
ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、5000〜100
000であることが好ましい。極性基として3級アミン
を含有するポリウレタン樹脂の数平均分子量が5000
未満である場合、十分な耐久性が得られない虞がある。
一方、極性基として3級アミンを含有するポリウレタン
樹脂の数平均分子量が100000を越える場合、磁性
塗料を塗料化する溶剤に対する溶解性が悪くなり、ハン
ドリングが悪くなる虞がある。
【0017】磁性層3に含有させる結合剤として、極性
基として3級アミンを含有するポリウレタン樹脂を単独
で使用できるが、塗布型の磁気記録媒体用の結合剤とし
て使用される従来公知の材料を併用してもよい。併用す
る結合剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応
型樹脂等が何れも使用可能である。具体的には、塩化ビ
ニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエ
ン、アクリロニトリル等の共重合体類や、セルロース系
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が使用可能で
ある。
【0018】磁性塗料に含有させる強磁性粉末として
は、Fe、Co、Ni等の金属、Fe−Co、Fe−N
i、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、
Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−M
n、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−N
i、Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−
Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−
Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co
−V等の合金が使用可能である。また、窒化鉄、炭化鉄
よりなる強磁性粉末が使用可能である。なお、これら強
磁性粉末に、還元時の焼結防止又は形状維持等の目的
で、Al、Si、P、B等の軽金属元素を適当量添加し
たものも使用可能である。
【0019】さらに強磁性粉末として、γ−Fe2O
3、Fe3O4、γ−Fe2O3とFe3O4とのベル
トライド化合物、Co含有γ−Fe2O3、Co含有F
e3O4、Coを含有するγ−Fe2O3とFe3O4
とのベルトライド化合物、CrO2に1種またはそれ以
上の金属元素、たとえばTe、Sb、Fe、B等を含有
させた酸化物等を使用できる。さらに強磁性粉末とし
て、六方晶系板状フェライトも使用可能であり、M型、
W型、Y型、Z型のバリウムフェライト、ストロンチウ
ムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライト、
及びこれらに、保磁力を制御する目的で、Co−Ti、
Co−Ti−Zn、Co−Ti−Nb、Co−Ti−Z
n−Nb、Cu−Zr、Ni−Ti等を添加したものも
使用可能である。
【0020】磁性層3には、研磨剤を含有させることが
好ましい。研磨剤としては、モース硬度が6以上、10
以下であるもの、具体的にはα−アルミナ、溶融アルミ
ナ、酸化クロム、酸化チタン、α−酸化鉄、酸化ケイ
素、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化ホウ素、
コランダム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウ
ム、窒化ホウ素等が使用可能である。
【0021】また、磁性層3には、カーボンブラックを
含有させることが好ましい。特に、平均粒径が0.03
μm以上、0.3μm以下であるカーボンブラックを用
いることが好ましい。
【0022】このようなカーボンブラックとしては、旭
カーボンブラック社製の♯60(51nm)、♯55
(77nm)、サーマル(90nm)、♯50(94n
m)、♯35(115nm)、三菱化成社製のダイアブ
ラックG(84nm)、キャボット社製のレーガルSR
F−S(60nm)、スターリングNS(75nm)、
電気化学社製のHS100(53nm)、セバカーボン
社製のMT−CI(270nm)等が使用可能である。
【0023】磁性層3の厚みは、0.03μm以上、
0.3μm以下であることが好ましい。磁性層3の厚み
を上記範囲とすると、研磨剤やカーボンブラックが磁性
層3の表面に確実に露出するので、非磁性である研磨剤
やカーボンブラックの添加量を最小限に抑えることがで
きる。従って、強磁性粉末等の充填度を高めることがで
き、優れた電磁変換特性が実現される。
【0024】磁性層3の厚みを0.03μm未満とする
ことは、製造する上で困難である。一方、磁性層3の厚
みが0.3μmを越える場合、記録波長が0.3μm以
下であるような短波長記録領域では自己減磁損失が大き
くなる虞がある。
【0025】また、磁性層3の厚みをaとし、後述する
非磁性層2の厚みをbとするとき、b/aが8以上、1
8以下であることが好ましい。b/aが上記範囲である
ことにより、電磁変換特性と耐久性との両立が可能とな
る。
【0026】b/aが8未満である場合、カレンダー処
理による潰れが悪く、十分な再生出力が得られない虞が
ある。一方、b/aが18を越える場合、テープのカッ
ピングが大きくなり、良好な当たり波形が得られない虞
がある。
【0027】非磁性層2は、非磁性粉末及び結合剤を含
有する非磁性塗料を非磁性支持体1上に塗布して形成さ
れる。
【0028】非磁性粉末としては、酸化チタン、窒化ホ
ウ素、SnO2、SiO2、Cr23、α−Al23、α
−Fe23、α−FeOOH、SiC、酸化セリウム、
コランダム、人造ダイヤモンド、ザクロ石、ガーネッ
ト、ケイ石、窒化ケイ素、炭化ケイ素、硫酸バリウム等
が使用可能である。
【0029】非磁性層2に含有される結合剤としては、
塗布型の磁気記録媒体用の結合剤として使用される従来
公知の材料が何れも使用可能であり、具体的には、上述
した磁性層3に含有される結合剤と同様の材料が何れも
使用可能である。
【0030】非磁性層2の厚みは、1.5μm以上、
2.1μm以下であることが好ましい。非磁性層2の厚
みが1.5μm未満である場合、ベースフィルムの粗大
突起の影響で、ドロップアウトが増大する虞がある。一
方、非磁性層2の厚みが2.1μmを越える場合、テー
プのカッピングが大きくなり、良好な当たり波形が得ら
れない虞がある。
【0031】磁性層3及び非磁性層2には、潤滑剤や界
面活性剤等の従来より公知である種々の添加剤を添加す
ることが可能である。
【0032】潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、二流化タングステン等の固体潤滑剤や、シリコーン
オイル、脂肪酸、脂肪酸エステル、テルペン系化合物及
びこれらのオリゴマー等が使用可能である。これら潤滑
剤は、磁性層3のみに添加してもよく、磁性層3及び非
磁性層2の両層に添加してもよい。
【0033】非磁性支持体1としては、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレ
フイン類、セルローストリアセテート、セルロースダイ
アセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリカ
ーボネート等のプラスチック等が使用可能である。
【0034】この磁気記録媒体には、非磁性支持体1の
磁性層3が形成されてなる一主面とは反対側の他主面上
に、走行性の向上や、帯電防止及び転写防止等を目的と
した、図示しないバックコート層を設けることが可能で
ある。
【0035】この磁気記録媒体を製造する際には、ま
ず、非磁性粉末及び結合剤を溶剤中に分散させて調製し
た非磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布して非磁性層2
を形成する。次に、強磁性粉末及び極性基として3級ア
ミンを有するポリウレタン樹脂を溶剤中に分散させて調
製した磁性塗料を、非磁性層2上に塗布して磁性層3を
形成する。そして、磁性層3及び非磁性層2を乾燥させ
た後に、磁性層3の表面を平滑化するカレンダー処理等
を行う。
【0036】極性基として3級アミンを含有するポリウ
レタン樹脂を合成するには、鎖延長剤として、下記に示
す化1或いは化2の化合物と、3級アミン含有ジオール
とを使用し、これらの鎖延長剤に二官能イソシアネート
を反応させる。なお、この二官能イソシアネートとして
は、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等が使用できる。
【0037】
【化1】
【0038】
【化2】
【0039】3級アミン含有ジオールとしては、例えば
下記に示す化3、化4、化5が使用可能である。
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】さらに、下記に示す化6の1級アミンに対
して、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等を
2〜50モル付加して得られるジオール類(具体例を化
7に示す。)も、3級アミン含有ジオールとして使用可
能である。
【0044】
【化6】
【0045】
【化7】
【0046】磁性塗料及び非磁性塗料を調製する際に、
上述した各種成分を混合して塗料化するための溶剤とし
ては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳
酸エチル、エチレングリコールモノアセテート等のエス
テル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノ
エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、メチレンクロライド、エチレンクロライド、
四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素等が使用可能である。これらの溶剤は、
単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて併用
することも可能である。
【0047】磁性塗料及び非磁性塗料は、混練分散機に
より混練及び分散されて調製される。この混練分散機と
しては、従来公知である各種混練分散機が使用可能であ
る。例えば、エクストルダー、加圧ニーダ、オープンニ
ーダ、連続ニーダ、二本ロールミル、3本ロールミル等
が使用可能である。
【0048】上述のようにして調製した非磁性塗料及び
磁性塗料を塗布する塗布方法としては、従来公知である
塗布方式を何れも適用することができるが、湿潤状態に
ある非磁性層2上に磁性塗料を重ねて塗布する湿潤重層
塗布方式、いわゆるウェット・オン・ウェット塗布方式
を適用することが好ましい。
【0049】以上のように構成され、また、製造される
磁気記録媒体は、非磁性支持体1上に、非磁性層2およ
び磁性層3を順次積層されてなる重層塗布型構造である
とともに、磁性層3は、極性基として3級アミンを有す
るポリウレタン樹脂を含有するので、如何なる使用条件
下においても摩擦係数の上昇が抑制されている。従っ
て、この磁気記録媒体は、良好な走行耐久性を有すると
ともに、電磁変換特性に優れる。特に、この磁気記録媒
体は、従来の単層塗布型の磁気記録媒体と比較して走行
耐久性に一段と優れるので、ヘリカルスキャン方式の磁
気記録再生装置での使用に最適である。
【0050】
【実施例】以下、本発明に係る磁気記録媒体について、
具体的な実験結果に基づいて詳細に説明する。
【0051】〔磁性層に含有させる結合剤の合成〕ま
ず、磁性層に含有させる結合剤として、極性基として3
級アミンを含有するポリウレタン樹脂を合成し、表1に
示すような結合剤A〜Gを得た。さらに、3級アミンを
含有しない樹脂として、スルホイソフタル酸系ポリエス
テルからなる結合剤Hを合成した。
【0052】それぞれの結合剤A〜Hの骨格、極性基モ
ノマー及び極性基の含有量を合わせて表1に示す。な
お、表1において、DMHは2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール、MDIはジフェニルメタン
ジイソシアネートである。
【0053】
【表1】
【0054】サンプル1 〔磁性塗料の調製〕まず、下記の組成に準じて各成分を
秤取り、これら各成分をエクストルダーにより混練し、
さらにプレミキサー、サンドミルを用いて混合分散した
後、2μmクラスのフィルタをかけて、磁性塗料を調製
した。
【0055】 <磁性塗料組成> ・強磁性粉末:Fe−Co系金属磁性粉末 100重量部 ・結合剤:塩化ビニル共重合体 10重量部 結合剤C(表1参照) 10重量部 ・カーボンブラック 1重量部 ・研磨剤:アルミナ 5重量部 ・ステアリン酸 1重量部 ・ステアリン酸ブチル 1重量部 ・メチルエチルケトン 100重量部 ・トルエン 100重量部 ・シクロヘキサノン 100重量部 なお、強磁性粉末中に含有されるCo含有量は30at
m%であり、強磁性粉末の保磁力は188kA/m、飽
和磁化量は150emu/g、SSAは50m 2/gで
あった。また、塩化ビニル共重合体の重合度は300で
あり、極性基(−OSO3K)の含有量は0.07mm
ol/gであった。
【0056】〔非磁性塗料の調製〕次に、下記の組成に
準じて非磁性塗料の各成分を秤取り、これら各成分をエ
クストルダーにより混練し、さらにプレミキサー、サン
ドミルを用いて混合分散した後、2μmクラスのフィル
タをかけて、非磁性塗料を調製した。
【0057】 <非磁性塗料組成> ・非磁性粉末:α−Fe23を主体とする針状粉末 100重量部 ・結合剤:塩化ビニル共重合体 20重量部 ・ステアリン酸 1重量部 ・ステアリン酸ブチル 1重量部 ・メチルエチルケトン 70重量部 ・シクロヘキサノン 110重量部 なお、非磁性粉末の平均長軸長は0.15μmであっ
た。また、塩化ビニル共重合体の重合度は280であ
り、極性基(−OSO3K)の含有量は0.07mmo
l/gであった。
【0058】上述のようにして調製された磁性塗料及び
非磁性塗料に、硬化剤としてポリイソシアネート(日本
ポリウレタン工業社製:コロネートL)を4重量部添加
した。そして、この磁性塗料及び非磁性塗料を、厚み8
μmであるポリエチレンテレフタレートからなる非磁性
支持体上に湿潤重層塗布した。なお、磁性層の厚みは
0.1μm、非磁性層の厚みは1.8μmとした。
【0059】そして、非磁性層及び磁性層が未乾燥であ
るうちに磁場配向処理を行い、磁性層及び非磁性層を乾
燥させた後、カレンダ処理を行って磁性層の表面を平滑
化し、原反を得た。さらに、この原反に対して、60℃
環境下において20時間の硬化処理を行った。そして、
この原反を幅12.65mmに裁断して、磁気テープを
得た。
【0060】サンプル2 磁性層に含有させる結合剤として結合剤Aを使用し、磁
性層の厚みを0.2μmとすること以外はサンプル1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0061】サンプル3〜サンプル8 磁性層に含有させる結合剤として、下記表2に示す結合
剤を使用すること以外はサンプル2と同様にして磁気テ
ープを作製した。
【0062】サンプル9 サンプル1で調製した磁性塗料を非磁性支持体上に塗布
し、厚み3μmである磁性層のみを備える磁気テープを
作製した。
【0063】サンプル10〜サンプル17 磁性層の厚み及び非磁性層の厚みを、下記に示す表3の
ようにすること以外はサンプル1と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0064】これら各磁気テープが備える磁性層に含有
される結合剤の種類を、表2及び表3に示す。また、磁
性層の厚みをaとし、非磁性層の厚みをbとし、これら
a、b、及び非磁性層の厚みと磁性層の厚みとの比であ
るb/aも合わせて、表2及び表3に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】以上のようにして作製したサンプル1〜サ
ンプル17の磁気テープに対して下記に示す測定を行
い、各磁気テープの電磁変換特性、走行耐久性及び摩擦
を評価した。
【0068】〔電磁変換特性の評価〕19個の磁気ヘッ
ドを搭載する回転ドラムを備える磁気テープ記録再生装
置(ソニー社製:GY−8240)を用いて、各サンプ
ルの磁気テープに記録波長0.3μmの信号を記録し、
その再生出力を測定して、電磁変換特性を評価した。な
お、再生出力の値は、サンプル14の再生出力を0dB
としたときの相対値とした。
【0069】また、上述のように記録波長0.3μmの
信号を記録した各サンプルの磁気テープを100時間走
行させ、100時間走行後の再生出力を測定した。そし
て、初期の再生出力に対する100時間走行後の再生出
力の低下量を測定し、電磁変換特性を評価した。
【0070】〔走行耐久性の評価〕各サンプルの磁気テ
ープを100時間走行させた後、磁気ヘッド等への粉落
ち量を目視により観察した。そして、粉落ち量が非常に
少ないものを1点、粉落ち量が非常に多いものを5点と
して5段階評価した。
【0071】また、14個の磁気ヘッドを搭載する回転
ドラムを備える磁気テープ記録再生装置(ソニー社製:
DVW−500P)を用い、温度5℃環境下において、
各サンプルの磁気テープに記録波長0.69μmの信号
を記録した。次に、スチル再生を10分間行い、通常の
再生を20秒間行った後に巻き戻し、cue upしてから再
びスチル再生を10分間行うというサイクルを繰り返し
た。そして、RF出力が、初回のRF出力より50%減
衰するまでの時間を測定することにより、走行耐久性を
評価した。
【0072】〔摩擦の評価〕温度23℃、50%RH環
境下において、各サンプルの磁気テープを、40gの荷
重を加えた状態として、ステンレスのガイドピン上にお
いて1000回シャトル走行させた。なお、シャトルス
ピードは20mm/sec、シャトル長さは200mm
とした。また、使用したステンレスのガイドピンはSU
S303であり、直径は7mm、Rmaxは0.1μmで
あった。そして、摩擦係数を算出し、その変化を評価し
た。
【0073】なお、測定結果は、各サンプルの磁気テー
プ1種類に対し2本評価し、1000回までの最大値を
表した。
【0074】以上の測定結果のうち、サンプル1〜サン
プル9の磁気テープに関する測定結果を表4に示す。な
お表4において、※は、100回走行後に貼り付きが生
じたため測定不可能であったことを示す。
【0075】
【表4】
【0076】表4から、磁性層及び非磁性層を備える重
層塗布型構造であり、極性基として3級アミンを含有す
るポリウレタン樹脂、即ち結合剤A〜Gを含有する磁性
層を備えるサンプル1〜サンプル7の磁気テープは、再
生出力が大きく、粉落ちが少なく、実用上十分であるス
チル耐久時間を達成し、摩擦係数が小さいといえる。
【0077】これに対して、極性基として3級アミンを
含有しない樹脂、即ち結合剤Hを含有する磁性層を備え
るサンプル8の磁気テープは、出力低下が大きく、粉落
ちが多く、スチル耐久時間が短く、摩擦係数が上昇して
いることがわかる。
【0078】また、単層塗布型の磁気テープであるサン
プル9は、摩擦係数が非常に大きく、再生出力が小さい
ことがわかる。
【0079】従って、磁性層及び非磁性層を備える重層
塗布型構造であり、極性基として3級アミンを含有する
ポリウレタン樹脂を含有する磁性層を備えることによ
り、電磁変換特性に優れ、実用上十分な走行耐久性を有
し、摩擦係数の上昇が抑制された磁気記録媒体が得られ
る。
【0080】次に、サンプル10〜サンプル17の磁気
テープに関する測定結果を表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】サンプル13とサンプル16とを比較する
と、b/aが8であるサンプル13は、b/aが8未満
であるサンプル16よりも、再生出力が高く、粉落ちが
少なく、スチル耐久時間が長いことがわかる。また、サ
ンプル17と表4のサンプル1とを比較すると、b/a
が18であるサンプル1は、b/aが18を越えるサン
プル17よりも、再生出力が高く、粉落ちが少ないこと
がわかる。
【0083】従って、b/aが8以上、18以下である
ことにより、走行耐久性及び電池変換特性により優れる
磁気テープが得られる。
【0084】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体と、非磁性支持体
上に形成され、非磁性粉末及び結合剤を含有する非磁性
層と、非磁性層上に形成され、強磁性粉末及び結合剤を
含有する磁性層とを備え、磁性層は、極性基として3級
アミンを有するポリウレタン樹脂を含有するので、良好
な走行耐久性を有し、電磁変換特性に優れる。特に、こ
の磁気記録媒体は、走行耐久性に優れており、ヘリカル
スキャン方式の磁気記録再生装置での使用に最適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の一構成を示す要部断面図であ
る。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 非磁性層、3 磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/70 G11B 5/70 5/738 5/738 Fターム(参考) 4J002 CK021 DA016 DA086 DC006 DE096 DE116 DE136 DE146 DG046 DJ006 DJ016 DK006 FD170 FD200 FD206 GF00 GS01 4J038 DG001 GA09 HA216 KA20 NA22 5D006 BA15 BA19 CA05 FA02 FA05 FA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と、当該非磁性支持体上に
    形成され、非磁性粉末及び結合剤を含有する非磁性層
    と、当該非磁性層上に形成され、強磁性粉末及び結合剤
    を含有する磁性層とを備え、 上記磁性層は、極性基として3級アミンを有するポリウ
    レタン樹脂を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記磁性層の厚みが、0.03μm以
    上、0.3μm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記非磁性層の厚みが、1.5μm以
    上、2.1μm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記磁性層の厚みをaとし、上記非磁性
    層の厚みをbとするとき、b/aで表される上記非磁性
    層の厚みと上記磁性層の厚みとの比が、8以上、18以
    下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 上記3級アミンの含有量は、上記ポリウ
    レタン樹脂に対して0.01mmol/g以上、1.0
    mmol/g以下であることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
JP2000284126A 2000-09-19 2000-09-19 磁気記録媒体 Withdrawn JP2002092852A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000284126A JP2002092852A (ja) 2000-09-19 2000-09-19 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000284126A JP2002092852A (ja) 2000-09-19 2000-09-19 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002092852A true JP2002092852A (ja) 2002-03-29

Family

ID=18768393

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000284126A Withdrawn JP2002092852A (ja) 2000-09-19 2000-09-19 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002092852A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010215893A (ja) * 2009-02-20 2010-09-30 Mitsubishi Plastics Inc 二軸配向ポリエステルフィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010215893A (ja) * 2009-02-20 2010-09-30 Mitsubishi Plastics Inc 二軸配向ポリエステルフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4153657B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0479046B2 (ja)
JPH1069627A (ja) 磁気記録媒体
JP2002092852A (ja) 磁気記録媒体
JP3852198B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2004362714A (ja) 磁気記録媒体
JP2005032365A (ja) 磁気記録媒体
JP2835747B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0481248B2 (ja)
JP2005092977A (ja) 磁気記録媒体
JP3170784B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2701382B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2802769B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0817037A (ja) 磁気記録媒体
JPS62243117A (ja) 磁気記録媒体
JP2003077118A (ja) 磁気記録媒体
JPH05250652A (ja) 磁気記録媒体
JPH1173640A (ja) 磁気記録媒体
JP2005004910A (ja) 磁気記録媒体
JPH10275321A (ja) 磁気記録媒体
JPH113517A (ja) 磁気記録媒体
JPH11203655A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH1091942A (ja) 磁気記録媒体
JPH10208232A (ja) 磁気記録媒体
JPH10124847A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071204