JP2002089247A - 排気ガス浄化システム - Google Patents

排気ガス浄化システム

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JP2002089247A
JP2002089247A JP2000279565A JP2000279565A JP2002089247A JP 2002089247 A JP2002089247 A JP 2002089247A JP 2000279565 A JP2000279565 A JP 2000279565A JP 2000279565 A JP2000279565 A JP 2000279565A JP 2002089247 A JP2002089247 A JP 2002089247A
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exhaust gas
filter
purification system
gas purification
zeolite
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JP2000279565A
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Noriyuki Taoka
紀之 田岡
Yukio Oshimi
幸雄 押見
Teruo Komori
照夫 小森
Kazushige Ono
一茂 大野
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガスの浄化とフィルターの再生とを同時
に行うことができるため、少なくとも1つのフィルター
を有していればよく、また、フィルターの再生に際して
加熱装置を必要としないため、製造コストおよびランニ
ングコストが低コストである排気ガス浄化システムを提
供すること。 【解決手段】 ゼオライトを担持した吸着部と、酸化触
媒を担持したフィルターとが内燃機関の排気通路に設置
されていること特徴とする排気ガス浄化システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス浄化シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジン等の内燃機関から排
出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)等を除
去するために、排気ガス浄化用フィルターが用いられて
いる。また、このフィルターでは、CO、HC等を除去
すると同時に、排気ガス中に含まれる黒煙やSOF等の
PM(粒子状物質)を捕集するため、使用に伴いフィル
ター内にPMが堆積して、圧力損失が大きくなる。
【0003】そこで、通常、PMの堆積に対応するた
め、フィルターにヒータ等の加熱装置を配設し、加熱に
よりPMを燃焼・除去させてフィルターの再生を行って
いた。具体的には、図5に示すような排気ガス浄化シス
テムにより、PM等の捕集と、フィルターの再生とを行
っていた。図5は、従来の排気ガス浄化システムの一例
を示す模式図である。
【0004】図5に示したように、従来の排気ガス浄化
システム100では、それぞれにヒータ105、10
5′を備えたフィルター101、101′が、内燃機関
103の排気通路104、104′に設置されている。
また、排気通路104、104′には、排気ガスの流路
を切り換えるためのバルブ106、106′が配設され
ている。
【0005】このような排気ガス浄化システム100で
は、内燃機関103から排出された排気ガスが、排気通
路104およびバルブ106を通って、フィルター10
1またはフィルター101′に導入された後、浄化さ
れ、その後、排気通路104′およびバルブ106′を
通って大気中に排出される。
【0006】また、排気ガスは、バルブ106によっ
て、フィルター101またはフィルター101′の何れ
か一方にのみ流入するように制御されており、この時
に、排気ガスの流入のない他方のフィルターには再生処
理が行われるように制御されている。上記再生処理は、
フィルター内に堆積したPMを燃焼・除去するための処
理であり、ヒータ101を再生する場合には、ヒータ1
05を用いてフィルター101内を加熱することによ
り、黒煙等のPMを燃焼・除去することができる。
【0007】このように、従来の排気ガス浄化装置で
は、一定量のPMがフィルター内に堆積する毎に、少な
くとも2つのフィルターの間で排気ガス流入の切り替え
を行い、捕集と再生とを繰り返す必要があった。また、
フィルターを再生する際には、PMの燃焼温度までフィ
ルター内を加熱する必要があり、そのため、ヒータ等の
加熱装置を備え付けておく必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の排気
ガス浄化装置では、通常、2つのフィルターが必要であ
り、また、それぞれのフィルターに電気ヒータ等の加熱
装置を備えつける必要があるため、製造コストが高くな
るとともに、フィルターの再生に外部からの加熱を必要
とするため、ランニングコストが高くなるという問題が
あった。さらに、このような構成の排気ガス浄化装置で
は、装置自体が大きくなり、車両に取り付ける際に、取
り付け場所が制限されるという問題があった。また、フ
ィルターが一つの場合でもあっても、加熱装置等を取り
付ける必要があり、上述の問題を充分に解決することが
できなかった。
【0009】そこで、単一のフィルターで、排気ガスの
浄化とフィルターの再生とを同時に行うことのできる連
続再生式の排気ガス浄化システムが提案されている。こ
の排気ガス浄化システムでは、酸化セリウム(CeO
2 )等の燃料添加剤を用いて、黒煙等のPMの燃焼温度
を低下させることにより、フィルターの再生を図ってい
る。しかしながら、この方式を用いた排気ガス浄化シス
テムでは、酸化セリウム(CeO2 )等の燃料添加剤自
身は燃焼しないため、この燃料添加剤がフィルターに堆
積することとなり、一定時間作動させる毎に、逆流水洗
等によりフィルターの洗浄を行わなくてはならなかっ
た。
【0010】また、上記連続再生式排気ガス浄化システ
ムでは、燃料添加剤を供給するための装置を、別途、取
り付ける必要があるため、この場合も、上述した取り付
け場所の制限にかかる問題を解決することができなかっ
た。なお、我国においては、環境保護の観点から、酸化
セリウム(CeO2 )をディーゼルエンジンの燃料添加
剤として使用することが認められていない。
【0011】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、その目的は、排気ガスの浄化と
フィルターの再生とを同時に行うことができるため、通
常、1つのフィルターを有していればよく、また、フィ
ルターの再生に際して加熱装置や燃料添加剤供給装置等
を必要としないため、製造コストおよびランニングコス
トが低コストである排気ガス浄化システムを提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の排気ガス
浄化システムは、ゼオライトを担持した吸着部と、酸化
触媒を担持したフィルターとが、内燃機関の排気通路に
設置されていることを特徴とする。
【0013】本発明の排気ガス浄化システムでは、内燃
機関の排気通路にゼオライトを担持した吸着部が設置さ
れおり、該ゼオライトは、炭化水素の吸脱着を行うこと
ができる。従って、上記吸着部に、一定温度(約100
〜200℃)以下の排気ガスが流入した際には、この排
気ガス中に含まれる炭化水素がゼオライトに吸着し、一
定温度(約300〜500℃)以上の排気ガスが吸着部
に流入した際には、ゼオライトに吸着していた炭化水素
が脱離することとなる。
【0014】このように、一定温度以上の排気ガスが流
入することよりゼオライトから脱離した炭化水素は、排
気ガスの流れにより、酸化触媒を担持したフィルター内
に流入する。その結果、該フィルター内では、下記反応
式(1)に示す反応が進行し、炭化水素が二酸化炭素と
水とに分解される。
【0015】
【化1】
【0016】ここで、上記反応式(1)に示す反応は、
発熱反応であり、反応時に多量の熱を発生する。そのた
め、この反応で発生した熱により、フィルター内に堆積
した黒煙等のPMが、燃焼除去され、排気ガスの浄化と
並行して、フィルターの再生が行われることとなる。
【0017】また、本発明の排気ガス浄化システムで
は、炭化水素の酸化反応を利用してフィルター内の排気
ガス温度を高め、この熱によりPMの燃焼除去を行って
いるため、別途、ヒータ等の加熱装置を取り付ける必要
がない。これに加えて、上記排気ガス浄化システムで
は、PMの燃焼除去を促進するための燃料添加剤(酸化
セリウム等)を供給する必要がなく、該燃料添加剤を供
給する装置を取り付ける必要がない。従って、上記排気
ガス浄化システムでは、システム自体をコンパクトに設
計することができる。
【0018】本発明の排気ガス浄化システムでは、上述
したように、一定温度(300〜500℃)以上の排気
ガスが吸着部に流入した場合に、該吸着部が担時するゼ
オライトから炭化水素が脱離し、この炭化水素がフィル
ター内に流入し、PM等の燃焼除去が行われる。従っ
て、内燃機関が高速作動し始めた際には、排気ガスの温
度が充分に高いため、上記吸着部より炭化水素が脱離
し、フィルター内でPM等の燃焼除去が行われる。
【0019】しかしながら、内燃機関が低速作動してい
る場合や、内燃機関の作動開始初期には、排気ガスの温
度が低いため、排気ガス中に含まれる炭化水素は、上記
ゼオライトに吸着し、上記ゼオライトからの炭化水素の
脱離はほとんど発生しないため、該フィルター内に炭化
水素は流入せず、黒煙等のPMの燃焼除去を行うことが
できない。従って、このような場合(内燃機関の低速作
動時等)に、PMの燃焼除去を行うためには、排気ガス
の温度を高める必要がある。
【0020】内燃機関からの排気ガスの温度を高める方
法としては、例えば、内燃機関がディーゼルエンジンの
場合には、ポストインジェクション方式を用いることが
できる。ポストインジェクション方式とは、燃料のメイ
ンインジェクションにより、シリンダーの膨張ストロー
クが開始した後、シリンダーが圧縮ストロークに転換す
る前に、少量の燃料を注入する方式であり、この方式を
用いたディーゼルエンジンでは、排気ガスの温度を45
0℃以上に高めることができる。
【0021】内燃機関が、上記ポストインジェクション
方式を用いたディーゼルエンジンの場合、該ディーゼル
エンジンへの燃料供給装置は、コモンレール式燃料噴射
装置であることが望ましい。上記コモンレール式燃料噴
射装置とは、燃料輸送ポンプにより高圧にした燃料をコ
モンレールに高い圧力でためておき、電子制御により、
電磁弁でノズルの針弁を開閉させて燃料噴射を行う装置
であり、この燃料噴射装置では、電気信号により、それ
ぞれのシリンダに対して個別に、燃料噴射量、噴射時
期、噴射圧力を自由に選択することができるため、ポス
トインジェクション方式を用いたディーゼルエンジンに
適しているからである。このような理由により、本発明
の排気ガス浄化システムを用いる内燃機関は、コモンレ
ール式燃料供給装置を有するディーゼルエンジンが望ま
しい。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、上記排気ガス浄化システム
の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図
1は、本発明の排気ガス浄化システムの一実施形態を示
した模式図である。図1に示すように、排気ガス浄化シ
ステム10では、ゼオライトを担持した吸着部12と、
酸化触媒を担持したフィルター11とが、ディーゼルエ
ンジン13の排気通路14、14′に設置されており、
吸着部12は、フィルター11の排気ガス流れ上流部に
設置されている。従って、ディーゼルエンジン13から
排出された排気ガスは、排気通路14と吸着部12とを
通って、フィルター11に導入され、浄化された後、排
気通路14′に排出されることとなる。
【0023】吸着部12の排気ガスの流れ方向の長さ
は、50〜150mmであることが望ましい。上記吸着
部の長さが50mm未満では、吸着部に吸着している炭
化水素の量が少ないため、高温の排気ガスが接触して
も、吸着部から脱離してフイルター内に流入する炭化水
素の量が少なく、そのため、PMの燃焼除去に必要な熱
を発生することができないことがあり、一方、上記吸着
部の長さが150mmを超えると、吸着部自身が有する
熱容量が大きくなるため、該吸着部に高温の排気ガスが
流入しても、吸着部自身の昇温に熱エネルギーが奪われ
ることとなり、高温の排気ガスをフィルター内に供給す
ることができないことがある。上記吸着部のより望まし
い長さは、70〜100mmである。
【0024】また、吸着部12の材質は特に限定され
ず、例えば、コージュライト、炭化珪素等のセラミッ
ク、ステンレス等の金属等が挙げられる。これらのなか
では、コージュライトが望ましい。ゼオライトを担持さ
せるのに適するとともに、熱膨張係数が低く、耐熱衝撃
性に優れるからである。
【0025】また、吸着部12は開孔を有する多孔質体
であることが望ましい。この場合、排気ガスの流路が長
くなるとともに、ゼオライトを担持する表面積を増加さ
せることができ、これが、ゼオライトの炭化水素吸着能
の向上に繋がるからである。また、上記吸着部の形状は
特に限定されず、例えば、円柱状、楕円柱状、多角柱
状、ハニカム形状、蛇腹状等が挙げられる。
【0026】また、吸着部12のゼオライト担持部位に
は、粗面が形成されていることが望ましい。吸着部のゼ
オライト担持部位に粗面を形成することにより、吸着部
とゼオライトとの密着性を向上させることができるとと
もに、吸着部に担持させるゼオライトの表面積を増加さ
せることができ、これが、ゼオライトの炭化水素吸着能
の向上に繋がるからである。
【0027】上記ゼオライトとしては、炭化水素を吸着
することができるものであれば特に限定されず、従来公
知のゼオライトを用いることができ、具体例としては、
例えば、モレキュラーシーブ4Aやモレキュラーシーブ
5A等のA型合成ゼオライト、X型合成ゼオライト、Y
型合成ゼオライト等が挙げられる。また、上記ゼオライ
トの吸着部に対する担持量は、100〜160g/lで
あることが望ましい。上記ゼオライトの担持量が100
g/l未満では、炭化水素を充分に吸着することができ
ない場合があり、一方、ゼオライトの担持量が160g
/lを超えると、ゼオライトと吸着部との密着性が低
く、使用時にゼオライトの脱落が発生する場合がある。
【0028】また、吸着部にゼオライトを担持させる方
法としては特に限定されず、例えば、ゼオライトを溶媒
に懸濁させてスラリーを調製した後、該スラリー中にコ
ージュライト等からなる吸着部を浸漬したり、ゼオライ
トのスラリーを吸着部の表面に塗布したり、スプレーし
たりした後、乾燥させることによりゼオライトを担持さ
せることができる。
【0029】また、ゼオライトと吸着部との密着性をよ
り向上させるために、ゼオライトを担持させる際に、予
め、吸着部の表面にシリカゾルやアルミナゾル等の無機
接着剤を薄く塗布しておき、該無機接着剤の層上に上記
した方法で、ゼオライトのスラリーからなる層を形成
し、その後、乾燥させることにより吸着部にゼオライト
を担持してもよい。
【0030】また、吸着部12には、ゼオライトととも
に酸化触媒を担持させてもよい。酸化触媒を担持させる
ことにより、排気ガス中の一酸化炭素(CO)等を酸化
除去することができ、この一酸化炭素を酸化除去する反
応も発熱反応であるため、上記吸着部に酸化触媒を担持
させることにより、フィルター内に流入する排気ガスの
温度をより高温にすることができる。なお、ここで用い
る酸化触媒としては、後述するフィルターに担持させる
酸化触媒と同様のもの等が挙げられる。また、上記酸化
触媒の吸着部への担持は、該酸化触媒を含有するゼオラ
イトを担持させることにより行ってもよいし、ゼオライ
トの担持とは、別の工程で行ってもよい。
【0031】また、フィルター11は酸化触媒を担持し
ている。そのため、吸着部12に高温の排気ガスが流入
することにより脱離した炭化水素が、フィルター11に
流入し、フィルター11内で上記反応式(1)で示した
反応により、二酸化炭素と水になるとともに多量の熱を
発生し、この熱により黒煙等のPMを燃焼除去すること
ができる。また、フィルター11が担持する酸化触媒に
より、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(H
C)を完全に酸化除去することができる。
【0032】このようなフィルター11としては、以下
のような構成の多孔質セラミック部材よりなるものが望
ましい。図2は、多孔質セラミック部材よりなるハニカ
ムフィルタを模式的に示した斜視図であり、図3(a)
は、ハニカムフィルタを構成する多孔質セラミック部材
を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)のA
−A線断面図である。
【0033】図3に示したように、ハニカムフィルタ2
1を構成する多孔質セラミック部材25には、多数の貫
通孔26が長手方向に平行に形成されており、これら貫
通孔26を有する多孔質セラミック部材25の一端部
は、市松模様に充填材27が充填されている。また、図
示しない他の端部においては、一端部に充填材が充填さ
れていない貫通孔26に充填材が充填されている。
【0034】図2に示したハニカムフィルタ21では、
このような構造の多孔質セラミック部材25が耐熱性の
接着層22を介して多数結束され、円柱形状に加工され
ており、外周部にはシール材23がコーティングされて
いる。
【0035】従って、このハニカムフィルタ21では、
図3(b)に示したように、開口している一の貫通孔2
6の一端部より流入した排気ガスは、隣接する貫通孔2
6との間を隔てる多孔質の隔壁28を必ず通過し、他の
貫通孔26を通って流出するため、排気ガスが隔壁28
部分を通過する際に、排気ガス中のPMが捕捉され、フ
ィルタとしての機能を果たすことになる。
【0036】多孔質セラミック部材25を形成するセラ
ミックとしては特に限定されず、例えば、炭化珪素、窒
化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、窒化チタン、炭
化チタン等の非酸化物セラミック、アルミナ、コージェ
ライト、ムライト、シリカ、ジルコニア、チタニア等の
酸化物系セラミック等を挙げることができる。これらの
なかでは、耐熱性に優れる炭化珪素、窒化珪素、窒化ア
ルミニウム等が好ましい。
【0037】また、フィルター11に担持させる酸化触
媒としては、例えば、Pt、Pd、Rh、Ce、Cu、
V、Fe、Tu、Ag等の金属、これらの合金やこれら
の化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよ
いし、2種以上併用してもよい。
【0038】また、上記酸化触媒をフィルターに担持さ
せる方法としては、例えば、ウオッシュコート法や、ゾ
ル−ゲル法等によりアルミナからなる触媒担持層をフィ
ルターの内壁面に形成した後、該触媒担持層に上記酸化
触媒を担持させる方法等が挙げられる。これらのなかで
は、ゾル−ゲル法等によりアルミナからなる触媒担持層
を形成した後、該触媒担持層に酸化触媒を担持させる方
法が望ましい。このような方法で酸化触媒を担持させた
フィルターは、圧力損失が小さく、耐熱性に優れるとも
に、黒煙等の燃焼特性に優れるからである。
【0039】そこで、以下に、炭化ケイ素からなるハニ
カムフィルタを用い、該ハニカムフィルタの貫通孔隔壁
にゾル−ゲル法等によりアルミナからなる触媒担持層を
形成した後、該触媒担持層に酸化触媒を担持させる方法
について詳細に説明する。勿論、本発明の排気ガス浄化
システムに用いられる酸化触媒を担持したフィルター
は、このような製造方法により得られるものに限定され
るわけではなく、ハニカムフィルタに限定されるわけで
もない。
【0040】(1)まず、炭化ケイ素焼結体からなるハ
ニカムフィルタに予備処理を施し、ハニカムフィルタの
貫通孔壁面に、アルミナとの化学的な結合を助成するた
めのSiを付与するための酸化処理を行う。なお、この
処理は、必要に応じて行えばよい。
【0041】上記予備処理は、ハニカムフィルタを80
0〜1600℃の温度で5〜100時間加熱することに
より行うことが望ましい。上記温度が800℃未満で
は、酸化反応が起こりにくく、一方、1600℃を超え
ると、酸化反応が進行しすぎてフィルタの強度低下を招
くことがあるからである。より望ましい予備処理条件
は、1000〜1500℃の温度で5〜20時間の加熱
である。
【0042】(2)次に、ハニカムフィルタを構成する
各セラミック粒子の表面にそれぞれ、アルミニウム含有
金属化合物の溶液をゾル−ゲル法により含浸させること
によりアルミナの薄膜を被覆する。上記アルミニウム含
有金属化合物の溶液は、金属無機化合物又は金属有機化
合物を出発材料として調製することができる。
【0043】上記金属無機化合物としては、例えば、A
l(NO33 、AlCl3 、AlOCl、AlPO
4 、Al2 (SO43 、Al23 、Al(OH)
3 、Al等が挙げられ、上記金属有機化合物としては、
例えば、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネー
ト、金属カルボキシレート等が挙げられ、具体的には、
例えば、Al(OCH33 、Al(OC253
Al(iso−OC373等が挙げられる。また、
これらの金属化合物を溶解させる溶媒としては、例え
ば、水、アルコール、ジオール、多価アルコール、エチ
レングリコール、エチレンオキシド、トリエタノールア
ミン、キシレン等を用いることができる。
【0044】上記アルミニウム含有金属化合物の溶液を
調製する際には、触媒として、塩酸、硫酸、硝酸、酢
酸、フッ酸等を加えてもよい。また、アルミナの耐熱性
を向上させるために、Li、K、Ca、Sr、Ba、L
a、Pr、Nd、Si、Zrの単体や化合物を出発材料
に添加してもよい。
【0045】アルミニウム含有金属化合物の溶液の調製
においては、金属化合物としてAl(NO33 を用い
ることが望ましい。比較的低温で溶媒に溶解するからで
ある。また、溶媒としては、1,3−ブタンジオールを
用いることが望ましい。その第一の理由は、粘度が適当
であり、ゲル状態でSiC粒子上に適当な厚さのゲル膜
を形成することが可能だからであり、その第二の理由
は、1,3−ブタンジオールは、溶液中で金属アルコキ
シドを形成するため、酸素・金属・酸素の結合からなる
金属酸化物重合体、即ち、金属酸化物ゲルの前駆体を形
成することができるからである。
【0046】この場合、Al(NO33 の量は、10
〜50体積%であることが望ましい。10体積%未満で
は、触媒の活性を長時間維持するだけの表面積を有する
アルミナ量を担持することができず、一方、50体積%
を超えると、溶解時に発熱量が多くゲル化しやすくなる
からである。
【0047】また、アルミニウム含有金属化合物の溶液
を調製する際の温度は、50〜130℃が望ましい。5
0℃未満では、溶質の溶解度が低く、一方、130℃を
超えると、反応が急激に進行してゲル化に至るため、塗
布溶液として使用することができないことがあるからで
ある。また、この場合の攪拌時間は、1〜9時間が望ま
しい。この範囲では、溶液の粘度が安定しているからで
ある。
【0048】このようにして調製した金属化合物の溶液
を、貫通孔隔壁を構成する各セラミック粒子の間隙であ
る全ての気孔内に行き渡らせる方法としては、例えば、
容器内にハニカムフィルタを入れた後、上記金属化合物
の溶液を満たして脱気する方法や、ハニカムフィルタの
一端から上記金属化合物溶液を流し込み、ハニカムフィ
ルタの他端から脱気する方法等を用いることができる。
この場合、脱気装置としては、アスピレータや真空ポン
プ等を用いることができる。このように、貫通孔隔壁の
気孔中の空気を抜くことにより、各セラミック粒子の表
面に上記金属化合物の溶液をまんべんなく行き渡らせる
ことができる。
【0049】(3)次に、120〜170℃の温度で、
2時間程度加熱し、NO2 等の揮発成分を蒸発除去させ
ることにより、上記金属化合物の溶液をゲル化してセラ
ミック粒子の表面に固定するとともに、余分な金属化合
物の溶液を除去する。加熱温度が120℃未満では、揮
発成分が蒸発しにくいことがあり、一方、170℃を超
えると、ゲル化した膜の厚さが不均一になることがあ
る。
【0050】(4)次に、300〜500℃で加熱する
仮焼成処理を行うことにより、残留成分を除去し、アモ
ルファスアルミナの膜を形成する。加熱温度が300℃
未満では、残留有機物を除去することが困難であり、一
方、500℃を超えると、Al23 が結晶化し、この
後の熱水処理により小繊維突起状のベーマイトが形成で
きないことがあるからである。
【0051】(5)次に、仮焼成処理を施したハニカム
フィルタを熱水中に浸漬する。この処理により、アモル
ファスアルミナ薄膜表面の粒子が解膠作用を受けてゾル
状態で溶液中に放出され、また、水和によって生じたベ
ーマイト粒子が小繊維状突起となって凝縮し、解膠に対
して安定な状態となる。
【0052】即ち、この熱水処理により、各セラミック
粒子の表面に個別に付着し薄膜状を呈するアルミナ薄膜
は、小繊維状(針状粒子)となって林立し、いわゆる植
毛構造を呈して粗い表面の薄膜となる。それ故に高い比
表面積の薄膜となる。一般に、アルミナの焼結は、表面
拡散が主で進行し、α−アルミナに相転移する際に急激
に比表面積が減少する。しかし、アルミナ粒子にシリカ
が取り込まれると、このシリカが熱処理過程においてア
ルミナの空孔サイトを埋め、または、針状粒子表面に移
動して表面拡散や粒子間の焼結を抑制すると考えられ
る。従って、担持層の焼結初期には、針状粒子間の接触
点からの焼結による粘性流動機構が支配的であるが、後
期ではシリカの針状粒子間の物質移動経路を遮断するた
めに、α−アルミナへの転移が阻害され、それ以上の焼
結が進行せずに高い比表面積を維持するものと考えられ
る。
【0053】この処理において、熱水の温度は、50〜
100℃が望ましい。50℃未満では、アモルファスア
ルミナ薄膜の水和が進行せず、小繊維突起状のベーマイ
トを形成しないことがあり、一方、100℃を超えると
水が蒸発し、この処理工程を長時間維持することが難し
くなる。また、この処理における処理時間は、1時間以
上であることが望ましい。1時間より短い場合には、ア
モルファスアルミナの水和が不充分になることがあるか
らである。
【0054】(6)次に、水和によって生じたベーマイ
トを膜水させてアルミナ結晶とする本焼成処理を行う。
この本焼成処理は、500〜1000℃の温度で、5〜
20時間加熱することにより行うことが望ましい。上記
加熱温度が500℃未満では、結晶化が進行しないこと
があり、一方、1000℃を超えると、焼結が進行しす
ぎて、表面積が低下し易い傾向にある。
【0055】また、ここで形成するアルミナ結晶の形状
は、その直径が2〜50nmであり、その長さが20〜
300nmであり、全長/直径の比が5〜50であるこ
とが望ましい。上記直径が2nm未満では、Pt等の触
媒の大きさと同じか、小さいため触媒担持層としての機
能を果たすことが難しくなり、一方、50nmを超える
と、触媒担持層に必要とされる充分な比表面積を確保す
ることが難しくなる。上記直径は、5〜20nmである
ことがより望ましい。
【0056】また、上記長さが20nm未満では、触媒
担持層に必要とされる充分な表面積を確保することが難
しくなり、一方、300nmを超えると、構造的にもろ
くなることがある。また、上記全長/直径の比が5未満
では、触媒担持層に必要とされる充分な表面積を確保す
ることが難しくなり、一方、50を超えると、構造的に
もろくなることがある。上記全長/直径の比は、10〜
30であることがより望ましい。
【0057】また、アルミナ結晶は、その厚さが0.5
μm以下で、その比表面積が50〜300m2 /gであ
ることが望ましい。なお、上記アルミナ結晶の厚さと
は、SiC粒子表面から小繊維突起状のアルミナのSi
C粒子表面からの最遠部までの距離の平均である。上記
比表面積が50m2 /g未満では、小繊維突起状アルミ
ナのシンタリングが過剰に進行するため耐久性に劣るこ
とがあり、一方、比表面積が300m2 /gを超える
と、小繊維突起状アルミナ微細になりすぎるため、いわ
ゆる触媒担持層として機能しなくなるとともに、構造的
にもろくなることがある。このような(1)〜(6)の
処理を経ることにより、ハニカムフィルタの貫通孔の隔
壁表面に、アルミナ薄膜(触媒担持層)を形成すること
ができる。
【0058】(7)次に、上記触媒担持層の表面にPt
等の酸化触媒を担持させる。具体的には、蒸発乾固法、
平衡吸着法、インシピアント・ウエットネス法等の含浸
法やスプレー法等を用いて酸化触媒を担持させる。これ
らのなかでは、インシピアント・ウエットネス法が望ま
しい。
【0059】上記インシピアント・ウエットネス法と
は、所定量の触媒成分を含む水溶液を触媒担持層に対し
て少しづつ滴下し、触媒担持層の表面が均一にわずかに
ぬれはじめた状態(インシピアント:Incipient )とな
った時点で、触媒成分を含む水溶液の触媒担持層細孔中
への含浸を停止させ、その後、乾燥、焼成を行うことに
より触媒を担持させる方法である。ここで、触媒成分を
含む水溶液の滴下は、通常、ビュレットや注射器を用い
て行い、担持させる触媒量の調整は、触媒成分を含む水
溶液の濃度を調整することにより行う。
【0060】また、水溶液滴下後の乾燥は、例えば、1
10℃程度の温度で約2時間処理することにより水分を
除去し、さらに、デシケータ中に1時間程度放置するこ
とにより行う。また、乾燥終了後には、窒素雰囲気下、
500℃程度の温度で約1時間加熱することにより焼成
を行い、Pt等の金属化を行う。このような(1)〜
(7)の工程を経ることにより、アルミナからなる触媒
担持層に酸化触媒を担持したハニカムフィルタを製造す
ることができ、このハニカムフィルタは、本発明の排気
ガス浄化システムにおける酸化触媒を担持したフィルタ
ーとして好適に用いることができる。
【0061】このような構成からなる排気ガス浄化シス
テムは、排気ガスの浄化とフィルターの再生とを同時に
行うことができるため、少なくとも一つのフィルターを
有していればよく、また,フィルターの再生に際して加
熱装置や燃料添加剤供給装置等を必要としないため、製
造コストおよびランニングコストが低コストであり、さ
らに、排気ガス浄化システム自体の大きさがコンパクト
であるため、車両に搭載する際に、搭載場所に殆ど制限
を受けない。
【0062】従って、上記排気ガス浄化システムは、ガ
ソリンエンジンやディーゼルエンジンからの排気ガスに
対する排気ガス浄化システムとして好適に用いることが
でき、特に、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システ
ムとして最適である。また、上記排気ガス浄化システム
では、酸性雰囲気下においてもNOX を還元することが
できるNOX 選択還元型触媒や吸臓型触媒を、さらにフ
ィルター内や吸着部に担持させたり、上記フィルターの
上流部に載置したりすることにより、排気ガス中のNO
X を還元することもできる。
【0063】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0064】実施例1 A.吸着部(炭化水素吸着体)の製造 直径が165mmで、長さが100mmの円柱状の多孔
質コージュライト(気孔率48%、平均気孔径12μ
m)を、モレキュラーシーブ5Aのスラリー中に浸漬し
た後、乾燥させることにより炭化水素吸着体を作製し
た。なお、モレキュラーシーブ5Aの多孔質コージュラ
イトに対する担持量は、130g/lであった。
【0065】B.ハニカムフィルタの製造 炭化珪素粉末に有機バインダー、水等を加えて混練した
後、押し出し成形を行い、ハニカム形状の生成形体を作
製し、続いて、乾燥、脱脂、焼成を行うことにより、図
3に示すような平均気孔径が5〜20μmで、1cm2
当たりのセル数が31個で、隔壁の厚さが0.3mmの
多孔質炭化珪素焼結体25を作製した。次に、この多孔
質炭化珪素焼結体25を、セラミックファイバー等の無
機繊維や炭化珪素等の無機粒子等を含む耐熱性の接着剤
を用いて多数結束させ、続いて、ダイヤモンドカッター
を用いて切断することにより、図2に示したような直径
が165mmでその長さが150mmのハニカムフィル
タ21を作製し、外周部に、耐熱性の接着剤と同様の組
成のシール材23の層を形成した。
【0066】C.ハニカムフィルタへの酸化触媒の担持 (1)まず、1100℃、20時間の条件で予備処理を
行い、SiCからなるハニカムフィルタにSiO2 の酸
化膜を形成した。予備処理後のハニカムフィルタにおけ
るSiO2 量は、3.0%であった。
【0067】(2)次に、ハニカムフィルタの隔壁にア
ルミナからなる触媒担持層を形成する処理を行った。具
体的には、まず、Al(NO33 を、その濃度が30
体積%になるように、100℃の1,3−ブタンジオー
ルに5時間攪拌しながら溶解し、Al(NO33 溶液
を調製した。次に、このAl(NO33 溶液を満たし
た容器内に、予備処理を施したハニカムフィルタを浸漬
した後、真空ポンプで脱気することにより、ハニカムフ
ィルタ内の空気を抜くとともに、各セラミック粒子の表
面にAl(NO33 溶液をまんべんなく行き渡らせ
た。
【0068】(3)次に、ハニカムフィルタを容器から
取り出し、150℃で2時間乾燥させ、Al(NO3
3 溶液を、ゲル化するとともにハニカムフィルタの隔壁
表面に固定した。 (4)その後、このハニカムフィルタを400℃で仮焼
成することにより、残留成分を除去するともに、アモル
ファスアルミナを形成した。
【0069】(5)次に、仮焼成したハニカムフィルタ
を70℃の熱水中に3時間浸漬し、ハニカムフィルタの
隔壁表面に小繊維突起状のベーマイトを形成した。 (6)さらに、ベーマイトを形成したハニカムフィルタ
を800℃で10時間本焼成することにより、ハニカム
フィルタの隔壁表面にアルミナ結晶を形成した。ここ
で、ハニカムフィルタ中のアルミナの量は8g/lであ
り、その形状は、平均直径6nm、平均長さ120n
m、全長/直径が20であった。
【0070】(7)次に、上記(1)〜(6)の工程を
経て、アルミナからなる触媒担持層を形成したハニカム
フィルタに、触媒としてPtを担持させた。具体的に
は、まず、ジニトロアミン白金硝酸溶液(〔Pt(NH
32 (NO22 〕HNO)を調製した後、この溶液
をハニカムフィルタの両端面にピペットにて、一定間隔
で滴下し、アルミナからなる触媒担持層表面にPtを均
一に分散固定化させる。次に、このジニトロアミン白金
硝酸溶液を滴下したハニカムフィルタに、110℃、2
時間の乾燥処理を施して水分を除去し、さらに、このハ
ニカムフィルタをデシケータに移して1時間放置し、次
いで、N2 雰囲気中にて、500℃で1時間の焼成を行
い、Ptを金属化することにより、Pt触媒が担持され
たハニカムフィルタを得た。
【0071】D.排気ガス浄化システムのテスト 上記Aで作製した炭化水素吸着体と、上記B及びCで作
製したハニカムフィルタとを組み合わせた排気ガス浄化
システムの性能をを下記の方法により評価した。即ち、
まず、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面より10
mmの部位に、ハニカムフィルタ内の温度を測定するた
めの熱電対を取り付た。次に、このハニカムフィルタと
炭化水素吸着体とを、炭化水素吸着体が排気ガス流れ上
流部に存在するように筐体に収めるとともに、炭化水素
吸着体とハニカムフィルタとの間に圧力センサを取り付
け、排気ガス浄化システムとした。
【0072】次に、コモンレール式燃料噴射装置を有す
るディーゼルエンジンと、上記排気ガス浄化システムと
に配管等を配設し、ディーゼルエンジンからの排気ガス
が、排気ガス浄化システムを通って排気される評価装置
を作製した。
【0073】次に、このディーゼルエンジンをアイドリ
ング状態で、24時間運転を行い、炭化水素吸着体に排
気ガス中の炭化水素を吸着させるとともに、ハニカムフ
ィルタ内にPMを捕集した。また、ディーゼルエンジン
運転開始直後と、24時間運転後のハニカムフィルタの
背圧を、圧力センサによりそれぞれ測定したところ、運
転開始直後が4kPaであり、24時間運転後が15k
Paであった。
【0074】また、同様の評価装置を別に作製し、上記
と同様の条件でディーゼルエンジンのアイドリング運転
を24時間行った後、筐体から炭化水素吸着体を取り出
し、該炭化水素吸着体の炭化水素吸着量を測定したとこ
ろ、20g/lであった。なお、炭化水素吸着量は、吸
着前後に重量測定を行い、算出した。
【0075】次に、ディーゼルエンジンを運転を最高回
転数に切り換えるとともに、ポストインジェクション方
式に切り換え、このときのハニカムフィルタ内の温度変
化を熱電対により測定した。結果を図4のグラフの示し
た。図4は、フィルタ内温度の経時変化を示すグラフで
あり、縦軸にハニカムフィルタ内の温度、横軸に時間を
示す。なお、ディーゼルエンジンの運転をポストインジ
ェクション方式に切り替えた時間を0minとする。
【0076】また、ディーゼルエンジンの運転をポスト
インジェクション方式に切り換えてから10分後の背圧
を圧力センサにより測定したところ、背圧は4kPaで
あり、PMの捕集を開始する前の初期の値に戻ってい
た。また、背圧測定後、筐体から炭化水素吸着体を取り
出し、該炭化水素吸着体の炭化水素吸着量を測定したと
ころ、0g/lであった。
【0077】これらことから、本実施例の排気ガス浄化
システムでは、ハニカムフィルタ内の温度が、ディーゼ
ルエンジンの運転をポストインジェクション方式に切り
換えた後、黒煙の燃焼開始温度である600℃にまで速
やかに上昇しており、セラミックフィルタの再生が充分
に行われていることが明らかとなった。
【0078】比較例1 実施例1において、酸化触媒を担持したフィルターの排
気ガス流れ上流部に、炭化水素吸着体を取り付け無かっ
た以外は、実施例1と同様にして評価装置を作製した。
次に、実施例1と同様のディーゼルエンジンのアイドリ
ング運転を24時間行い、ハニカムフィルタ内にPMを
捕集した。次に、ディーゼルエンジンを運転をポストイ
ンジェクション方式に切り替え、このときのハニカムフ
ィルタ内の温度変化を測定した。結果を図4のグラフに
示した。また、ポストインジェクション方式への切り替
えから、10分後の背圧を圧力センサにより測定したと
ころ、背圧は10kPaであった。これらことから、本
比較例の排気ガス浄化システムでは、ハニカムフィルタ
内の温度を充分に上昇させることができず、セラミック
フィルタの再生が充分に行われていないことが明らかと
なった。
【0079】
【発明の効果】本発明の排気ガス浄化システムは、上述
の構成からなるので、排気ガスの浄化とフィルターの再
生とを同時に行うことができるため、少なくとも1つの
フィルターを有していればよく、また、フィルターの再
生に際して加熱装置や燃料添加剤供給装置を必要としな
いため、製造コストおよびランニングコストが低コスト
であり、さらに、排気ガス浄化システム自体の大きさが
コンパクトであるため、車両に搭載する際に、搭載場所
に殆ど制限を受けない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス浄化システムの一実施形態を
示した模式図である。
【図2】多孔質セラミック部材よりなるハニカムフィル
タを模式的に示した斜視図である。
【図3】(a)は、ハニカムフィルタを構成する多孔質
セラミック部材を模式的に示した斜視図であり、(b)
は、(a)のA−A線断面図である。
【図4】実施例1及び比較例1におけるハニカムフィル
タ内温度の経時変化を示すグラフである。
【図5】従来の排気ガス浄化システムの一例を示す模式
図である。
【符号の説明】
10 排気ガス浄化システム 11 フィルター 12 吸着部 13 ディーゼルエンジン 14、14′ 排気通路 21 ハニカムフィルタ 22 接着層 23 シール材 25 多孔質セラミック部材 26 貫通孔 27 充填材 28 隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/02 301 F01N 3/08 A 321 3/18 B 3/08 3/28 301P 3/18 301S 3/28 301 B01D 53/36 ZABC 103C (72)発明者 小森 照夫 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 (72)発明者 大野 一茂 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 Fターム(参考) 3G090 AA03 BA01 DA03 DA13 EA01 EA04 3G091 AA02 AA18 AB02 AB05 AB06 AB10 AB13 BA00 BA03 BA14 BA15 BA19 BA38 BA39 CA26 CB02 CB03 DB10 EA15 EA32 FA02 FA04 FB02 FC04 FC07 GA06 GA20 GA21 GB01W GB01X GB01Y GB04W GB05W GB06W GB07W GB09Y GB10X GB10Y GB13X GB15X GB17X GB17Y HA14 HA20 4D048 AA13 AA14 AA18 AB01 AB05 BA03X BA06X BA07Y BA08Y BA10X BA19Y BA23Y BA30X BA31Y BA33Y BA34Y BA35Y BA36Y BA41X BA45X BB02 BB14 CC33 CC38 CC61 CD01 CD05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライトを担持した吸着部と、酸化触
    媒を担持したフィルターとが、内燃機関の排気通路に設
    置されていることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  2. 【請求項2】 前記吸着部の排気ガス流れ方向の長さ
    は、50〜150mmである請求項1に記載の排気ガス
    浄化システム。
  3. 【請求項3】 前記担体は、コージュライトからなる請
    求項1又は2に記載の排気ガス浄化システム。
  4. 【請求項4】 前記酸化触媒を担持したフィルターは、
    多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に併設された角柱
    形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結
    束されてセラミックブロックを構成し、前記貫通孔を隔
    てる隔壁が粒子捕集用フィルタとして機能するように構
    成されたセラミック構造体である請求項1〜3いずれか
    1に記載の排気ガス浄化システム。
  5. 【請求項5】 前記内燃機関は、コモンレール式燃料噴
    射装置を有するディーゼルエンジンである請求項1〜4
    のいずれか1に記載の排気ガス浄化システム。
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