JP2008126192A - ハニカム担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定温度までは温度上昇しやすく、触媒を早期に活性温度まで到達させることができるとともに、所定温度を超えると温度上昇しにくくなって、触媒が過剰な高温に晒されるのを防止できるようなハニカム担体を提供する。
【解決手段】触媒を担持するために使用されるハニカム担体であって、所定温度以下ではCOを吸着して発熱し、前記所定温度を超えると吸着した前記COを放出して吸熱する物質が、前記ハニカム担体の少なくとも一部に担持されたハニカム担体1。
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒を担持するためのハニカム担体に関する。更に詳しくは、低温で昇温し易く、ライトオフ特性に優れるとともに、高温で昇温しにくく、最高温度を低く抑制することができ、担持した触媒の熱による劣化を抑制することが可能なハニカム担体に関する。
各種エンジン等から排出される排ガスを浄化するために、ハニカム構造の触媒コンバータが広く用いられている。この触媒コンバータは、二つの端面間を連通する複数のセルが形成されるように配置された多孔質の隔壁を有するハニカム構造の担体(ハニカム担体)の前記隔壁表面に、貴金属等の触媒をアルミナ等の高比表面積の耐熱性無機酸化物に分散担持させてなる触媒層をコートしたものである(例えば、特許文献1参照)。
また、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるカーボン微粒子を捕集するためのディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)として、前記のようなハニカム担体の各セルの何れか一方の端部に目封止部を形成し、一方の端面側から流入した排ガスが、濾過層となる多孔質の隔壁を通過して他方の端面側から外部へと流出するようにしたウォールフロー型のフィルターが広く使用されている(例えば、特許文献2参照)。このようなフィルターにおいては、隔壁上に堆積したカーボン微粒子を定期的に燃焼除去してフィルター性能を再生させる再生処理が行われるが、その燃焼除去を促進したり、カーボン微粒子の捕集と併せて排ガス中のCOやHCを浄化したりするために、隔壁の表面に触媒層がコートされる場合がある。
ところで、触媒コンバータにおいては、触媒が早くその活性温度に到達できるよう、ハニカム触媒体自体が温度上昇しやすいものであることが触媒性能上重要であるが、その一方で、1000℃を超えるような過剰な高温に晒されると、触媒層中の貴金属やアルミナ等が凝集してしまい、触媒活性が失われるため、過剰な高温に晒されないようにすることが必要である。
また、触媒層がコートされたDPFにおいては、できるだけ低いガス温度条件でも再生処理及びCOやHCの浄化を行えることが圧力損失の上昇防止や浄化性能向上の観点から好ましく、その実現のためには、やはり触媒が早くその活性温度に到達できるよう、DPF自体が温度上昇しやすいものであることが重要であるが、その一方で、カーボン微粒子を燃焼させる再生処理の際に、出口側端面の近傍部が過剰な高温になりやすいため、それを抑制することが必要である。
従来、触媒を早く活性温度に到達させる手段として、ハニカム担体の熱容量を下げたり、セル密度を高めて熱伝達を向上させたりすることが行われているが、これらの手段によって得られる効果には限界があり、十分な成果が得られていないのが実情である。また、電気的な加熱手段によりガスを加熱させるという手段も試みられているが、複雑なデバイスと電気エネルギーが必要になるという欠点がある。
また、これらに変わる手段として、水(HO)と反応して発熱するアルカリ土類金属酸化物等を触媒の中に含ませて、エンジン始動時に水との反応により発熱させ、触媒を暖機する方法が開示されているが(例えば、特許文献3参照)、大気中又は排ガス中のHOと容易に反応して飽和状態に達してしまうため、一昼夜程度のエンジン停止期間を経た後に再びエンジンを始動させても、更なるHOとの反応が起こらず、始動時の暖機に使用できないという問題があった。また、大気中又は排ガス中のCOと反応して炭酸塩になってしまうと、分解温度が約900℃と高いため、エンジン運転中の再生が困難であるという問題もあった。
一方、触媒が過剰な高温に晒されることを防止する手段としては、ハニカム担体の熱容量を大きくすることが、触媒コンバータにおいてもDPFにおいても一般的に採られる手段であるが、この場合には、エンジン始動時の暖機性が劣化するという問題がある。
特開2003−33664号公報 特開2001−269585号公報 特開昭59−208118号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定温度までは温度上昇しやすく、触媒を早期に活性温度まで到達させることができるとともに、所定温度を超えると温度上昇しにくくなって、触媒が過剰な高温に晒されるのを防止できるようなハニカム担体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のハニカム担体が提供される。
[1] 触媒を担持するために使用されるハニカム担体であって、所定温度以下ではCOを吸着して発熱し、前記所定温度を超えると吸着した前記COを放出して吸熱する物質が、前記ハニカム担体の少なくとも一部に担持されたハニカム担体。
[2] 前記物質が、LiSiO又はLiZrOである[1]に記載のハニカム担体。
[3] 前記物質が、無機酸化物と触媒とを含む触媒層中に混入された状態で、前記ハニカム担体の少なくとも一部に担持された[1]又は[2]に記載のハニカム担体。
[4] 前記物質が、前記ハニカム担体の一方の端面から前記ハニカム担体の全長の20%以下の長さまでの領域にのみ担持された[1]〜[3]の何れかに記載のハニカム担体。
[5] 前記物質が、前記ハニカム担体の両端面からそれぞれ前記ハニカム担体の全長の20%以下の長さまでの領域にのみ担持された[1]〜[3]の何れかに記載のハニカム担体。
[6] 触媒コンバータの作製に使用される[1]〜[5]の何れかに記載のハニカム担体。
[7] ディーゼルパティキュレートフィルターの作製に使用される[1]〜[5]の何れかに記載のハニカム担体。
本発明のハニカム担体は、所定温度までは温度上昇しやすく、所定温度を超えると逆に温度上昇しにくいという特性を有するため、このハニカム担体に触媒を担持させて触媒コンバータやDPFを作製すれば、触媒を早期に活性温度まで到達させることができるとともに、触媒が過剰な高温に晒されるのを防止することができ、高性能で長寿命な製品が得られる。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明のハニカム担体は、触媒コンバータや触媒付きのDPFなどを作製するに際して、触媒を担持するために使用されるものであって、その少なくとも一部に、所定温度以下ではCOを吸着して発熱し、前記所定温度を超えると吸着した前記COを放出して吸熱する物質(以下、「発熱・吸熱物質」と言う。)が担持されていることを主要な特徴とする。なお、本明細書において、「ハニカム担体」とは、二つの端面間を連通する複数のセル(貫通孔)が形成されるように配置された多孔質の隔壁を有するハニカム構造の担体を言う。
前記のような発熱・吸熱物質を担持したハニカム担体を使用して触媒コンバータや触媒付きのDPFを作製すれば、所定温度までは温度上昇しやすく、触媒を早期に活性温度まで到達させることができるとともに、所定温度を超えると温度上昇しにくくなって、触媒が過剰な高温に晒されるのを防止できる。
通常、触媒コンバータや触媒付きのDPFに使用される触媒の活性温度は200〜600℃程度であり、また、触媒活性が失われる温度は、800〜1000℃程度であるので、本発明に使用する発熱・吸熱物質としては、室温から600〜700℃程度まではCOを吸着して発熱し、前記温度を超えると吸着した前記COを放出して吸熱するようなものが好ましい。
そのような発熱・吸熱物質として、具体的には、LiSiOやLiZrOを好適なものとして挙げることができるが、前記のような性質を持つ物質であれば、それ以外のものを使用しても良い。下式(1)はLiSiOによるCOの吸着・放出反応を示し、下式(2)はLiZrOによるCOの吸着・放出反応を示している。
LiSiO+CO←→LiSiO+LiCO (1)
LiZrO+CO←→ZrO+LiCO (2)
LiSiOやLiZrOでは、約700℃までは上式(1)及び(2)の右向きの反応(COの吸着)が生じる。この反応は発熱反応であり、LiSiOの場合には、反応熱として、例えば100℃の温度環境において約80kJ/molの発熱をする。運転初期には、この反応熱により担体温度が上昇し、触媒が早期に活性温度に達する。一方、前記温度を超えると、上式(1)及び(2)の左向きの反応(COの放出)が生じる。この反応は吸熱反応であるため、担体温度の上昇を抑制する効果が生じ、触媒の過度な温度上昇による失活や劣化が抑えられる。
本発明で使用する発熱・吸熱物質は、CO濃度1%の空気中における室温でのCO吸収反応が飽和状態に達するまでに、100時間以上の時間を要するものであることが好ましく、この点でもLiSiOやLiZrOは好適である。短時間で飽和状態に達するようなものでは、エンジン停止期間が長時間(例えば一昼夜)に及ぶ場合、その期間中に大気中のCOを吸収して飽和し、その後のエンジン始動以降において更なるのCO吸着ができない可能性があるからである。飽和状態に達するまでに、100時間以上の時間を要するものであれば、一昼夜程度のエンジン停止期間におけるCO吸収は、殆ど無視することができる。なお、排ガス中に含まれるCO濃度は数%以上であるため、エンジン始動後は、より短時間にCOを吸収し発熱する。
発熱・吸熱物質の担持量については特に制限はないが、十分な発熱・吸熱効果を得るという観点から、ハニカム担体の単位体積当たりの担持量として、60g/L以上が好ましく、120g/L以上がより好ましい。発熱・吸熱物質はハニカム担体の全体に渡って担持されていても良いし、部分的に担持されていても良い。部分的に担持される場合においては、発熱・吸熱物質が、ハニカム担体の一方の端面からハニカム担体全長の20%以下の長さまでの領域にのみ担持されていたり、ハニカム担体の両端面からそれぞれハニカム担体の全長の20%以下の長さまでの領域にのみ担持されていたりすることが好ましい。
例えば、触媒コンバータの作製に用いられるハニカム担体の場合は、ハニカム担体の一方の端面(触媒コンバータとしての使用時に排ガスの入口側となる方の端面)からハニカム担体全長の20%以下の長さまでの領域に発熱・吸熱物質を集中的に担持すると、CO吸着時に当該担持領域が局所的に発熱して触媒が早期に活性化し、触媒反応で生じる反応熱によって更に温度上昇が速くなる。
また、触媒付きのDPFの作製に用いられるハニカム担体の場合も、暖機性向上の観点から、ハニカム担体の一方の端面(DPFとしての使用時に排ガスの入口側となる方の端面)からハニカム担体全長の20%以下の長さまでの領域に発熱・吸熱物質を集中的に担持することが好ましく、更にこれに加えて、ハニカム担体の他方の端面(DPFとしての使用時に排ガスの出口側となる方の端面)からハニカム担体全長の20%以下の長さまでの領域にも発熱・吸熱物質を集中的に担持すると、より好ましい。こうすることにより、DPF内に堆積したカーボン微粒子を燃焼させる再生処理の際に過剰に高温となりやすい出口側端面近傍部の温度上昇を抑えることができる。
ハニカム担体に対する発熱・吸熱物質の担持形態は、発熱・吸熱物質がハニカム担体から容易に脱離しないよう担持できるものであれば特に制限はされないが、触媒コンバータやDPFの作製時にハニカム担体にコートされる、無機酸化物と触媒とを含む触媒層中に発熱・吸熱物質が混入された状態で、ハニカム担体の少なくとも一部に担持されているのが、触媒を早期に活性化温度に到達させるとともに、過剰な高温に晒されるのを防止する観点から好ましい。
この場合において、触媒層に含まれる無機酸化物としては、アルミナ、セリア等が好適なものとして挙げられる。また、触媒層に含まれる触媒としては、Pt、Pd、Rh等の貴金属が好適なものとして挙げられる。貴金属等の触媒は、無機酸化物の粒子に分散担持された状態でハニカム担体にコートされることが好ましい。これら無機酸化物や触媒は、各々1種類のみ使用しても良いし、各々複数種類が触媒層中に混在していても良い。
このような触媒層をハニカム担体にコートする方法としては、これら無機酸化物、触媒、発熱・吸熱物質等を含むコート用スラリーを調製し、そのスラリーにハニカム担体をディッピングするなどして隔壁の表面や細孔内にスラリーをコートした後、室温又は加熱条件下で乾燥するという方法が好適な方法として挙げられる。
本発明において、ハニカム担体の本体部分(発熱・吸熱物質等の担持物を除いた部分)を構成する材料としては、セラミックスを主成分とする材料、又は焼結金属等を好適例として挙げることができる。具体的には、セラミックスを主成分とする材料からなるものである場合、セラミックスとしては、炭化珪素、コージェライト、アルミナタイタネート、サイアロン、ムライト、窒化珪素、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア、アルミナ、若しくはシリカ、又はこれらを組み合わせたものを好適例として挙げることができる。特に、炭化珪素、コージェライト、ムライト、窒化珪素、アルミナ等のセラミックスが、耐アルカリ特性上好適である。中でも酸化物系のセラミックスは、コストの点でも好ましい。
ハニカム担体の隔壁の厚さは、30〜180μmであることが好ましく、50〜120μmであることがより好ましく、50〜90μmであることが更に好ましい。各隔壁が薄すぎると、強度が不足して耐熱衝撃性が低下する場合がある。一方、隔壁が厚すぎると、圧力損失が増大しすぎる場合がある。
隔壁の平均細孔径は、1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜13μmであることが更に好ましい。隔壁の平均細孔径をこのような範囲とすることにより、本発明のハニカム担体をDPFに用いた場合において、圧力損失を低く抑えつつカーボン微粒子の捕集効率を高くすることができる。隔壁の平均細孔径が1μm未満では、圧力損失が増大しすぎる場合があり、20μmを超えると捕集効率が低下する。なお、ここで言う「平均細孔径」は、水銀圧入法により測定される値である。
隔壁の気孔率は、25〜65%であることが好ましく、25〜60%であることがより好ましく、25〜55%であることが更に好ましい。隔壁の気孔率が25%未満であると、排ガスの隔壁通過流速が増大化し、浄化性能が悪化する傾向にある。一方、気孔率が65%を超えると、強度が不十分となる傾向にある。なお、ここで言う「気孔率」は、水銀圧入法により測定される値である。
ハニカム担体のセル密度は、7.8〜186セル/cm(50〜1200cpsi)であることが好ましく、15.5〜140セル/cm(100〜900cpsi)であることがより好ましく、15.5〜93セル/cm(100〜600cpsi)であることが更に好ましい。セル密度が7.8セル/cm未満であると、排ガスとの接触効率が不足する傾向にある。一方、セル密度が186セル/cmを超えると、圧力損失が増大する傾向にある。なお、「cpsi」は「cells per square inch」の略であり、1平方インチ当りのセル数を表す単位である。
ハニカム担体の全体形状は特に制限されないが、中心軸に垂直な断面の形状が、設置しようとする排気系の内形状に適した形状であることが好ましい。具体的には、円、楕円、長円、台形、三角形、四角形、六角形等の形状を挙げることができる。セル形状(ハニカム担体の中心軸に垂直な断面におけるセルの形状)も特に制限されるものではなく、例えば、三角形、四角形、六角形等の任意の形状とすることができる。
ハニカム担体の本体部分は、従来公知のハニカム担体の製造方法と同様の製造方法で得ることができる。具体的には、まず、前述したようなハニカム担体の材料の原料を混合、混練して、成形用の坏土を得る。例えば、コージェライトをハニカム担体の材料とする場合には、コージェライト化原料に、水等の分散媒の他、バインダ、造孔材、分散剤等を加えて混練し、粘土状の坏土とする。ここで、「コージェライト化原料」とは、焼成によりコージェライトとなるように配合されたセラミックス原料である。具体的には、タルク、カオリン、アルミナ、シリカ等から選ばれた複数の原料をコージェライトの化学組成となるような割合で含むものが挙げられる。
次に得られた坏土を、押出成形等によりハニカム形状に成形してハニカム成形体を得、これを乾燥させた後、焼成することによってハニカム担体が得られる。焼成条件は成形原料の種類により異なるが、例えば、コージェライト化原料の場合には、1400℃以上で、3〜10時間程度焼成することが好ましい。
本発明のハニカム担体は、触媒を担持するためのものであり、触媒コンバータやDPFの作製に好適に用いることができる。
図1は、本発明のハニカム担体を用いて作製された触媒コンバータの実施形態の一例を模式的に示す説明図で、(a)が正面図、(b)が断面図である。この触媒コンバータ60を用いて排ガスを浄化するに際しては、一方の端面2a側からセル3に排ガスを流入させ、隔壁4表面の触媒層(図示せず)に排ガスを接触させて排ガス中の有害成分を浄化し、他方の端面2bの側から浄化後の排ガスを外部へと流出させる。
図2は、本発明のハニカム担体を用いて作製されたDPFの実施形態の一例を模式的に示す説明図で、(a)が正面図、(b)が断面図である。本発明のハニカム担体をDPFに用いる場合には、ハニカム担体1の各セル3の一方の端部を目封止部10によって目封止する。通常、この目封止は、隣接するセルが互いに反対側の端部で目封止されるように行われ、その結果、ハニカム担体1の端面が市松模様状を呈する。このような構造のDPF50において、排ガスは、一方の端面2a側からセル3内に流入し、濾過層となる多孔質の隔壁4を通過して他方の端面2b側から外部へと流出する。この隔壁4を通過する際に、排ガス中のカーボン微粒子が隔壁4に捕捉される。また、隔壁4表面や隔壁4の細孔内にコートされた触媒層(図示せず)に排ガスが接触し、排ガス中に含まれるCO、HC等の有害成分が浄化される。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Al粉末1000質量部、CeO粉末300質量部からなる粉末1300gに対し、PtとRhとをPt:Rh=5:1となる比率(質量比)で総計20g加え、更に水を2000g加えて湿式粉砕することによりコート用スラリーAを得た。また、このコート用スラリーAに、LiSiO解砕粒子(平均粒径3μm)1200g及び水1850gを加えて、スラリー中に均一に分散させることによりコート用スラリーBを得た。直径100mmで、長さが110mmであるコージェライト製のハニカム担体(セル形状:正方形、セル密度:900cpsi、隔壁厚さ:50μm)の一方の端面(後述のエンジンに対する装着時に排ガスの入口側となる方の端面)から20mmまでの領域を、コート用スラリーBにディッピングして当該領域にコート用スラリーBをコートした。なお、このコート作業はLiSiOの担持量が120g/Lとなるまで繰り返した。また、前記ハニカム担体の他方の端面(後述のエンジンに対する装着時に排ガスの出口側となる方の端面)から90mmまでの領域を、コート用スラリーAにディッピングして当該領域にコート用スラリーAをコートした。こうしてコート用スラリーA、Bをコートしたハニカム担体を加熱乾燥し、触媒コンバータを得た。
(実施例2)
コート用スラリーBのコート作業を、LiSiOの担持量が60g/Lとなるまで繰り返した以外は、実施例1と同様にして触媒コンバータを得た。
(実施例3)
実施例1で用いたハニカム担体と同一のハニカム担体を、コート用スラリーBにディッピングして、ハニカム担体の全域にコート用スラリーBをコートした。なお、このコート作業はLiSiOの担持量が120g/Lとなるまで繰り返した。こうしてコート用スラリーBをコートしたハニカム担体を加熱乾燥し、触媒コンバータを得た。
(比較例)
実施例1で用いたハニカム担体と同一のハニカム担体を、コート用スラリーAにディッピングして、ハニカム担体の全域にコート用スラリーAをコートした。こうしてコート用スラリーAをコートしたハニカム担体を加熱乾燥し、触媒コンバータを得た。
[評価]
前記実施例1〜3及び比較例で得られた触媒コンバータを、それぞれ金属製の筒状管体内にアルミナ繊維ベースのマットを介して保持し、排気量2Lのガソリンエンジンの排気マニホールド直下に装着した。このガソリンエンジンを、まず、米国規制運転モード(LA−4)で運転し、排気エミッション(HCエミッション)を測定するとともに、運転開始から20秒後の触媒コンバータの温度を測定した。その測定結果を表1に示す。なお、温度の測定には、太さ0.2mmのKタイプシース熱電対を使用し、測定位置はハニカム担体の入口側端面から10mm内部に入った位置とした。
次に、アイドリング運転と最高回転数(スロットル全開)での運転とを、10分間ずつ交互に行う運転モードを繰り返し、触媒コンバータの最高到達温度を測定した。その結果を表2に示す。
更に、前記運転モードを50サイクル繰り返した後、運転を停止して一昼夜放置し、再び米国規制運転モードで運転して排気エミッションを測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2008126192
Figure 2008126192
Figure 2008126192
表1に示すとおり、ハニカム担体にLiSiOが担持された実施例1〜3の触媒コンバータは、LiSiOが担持されていない比較例の触媒コンバータに比して、迅速に温度上昇しており、この結果、初期暖機特性が向上して、HCエミッションが低く抑えられた。また、実施例1と実施例3の結果から、LiSiOが排ガスの入口側端面近傍部に集中的に担持されている方が、温度上昇が速く、HCエミッションが低くなることがわかった。更に、実施例1と実施例2の結果から、LiSiOの担持量が多い方が、温度上昇が速く、HCエミッションが低くなることがわかった。
また、表2に示すとおり、ハニカム担体にLiSiOが担持された実施例1〜3の触媒コンバータは、LiSiOが担持されていない比較例の触媒コンバータに比して、最高到達温度が低く抑えられた。更に、こうして最高到達温度が低く抑えられた結果、熱による触媒の劣化が抑制され、表3に示すとおり、HCエミッションの悪化率が小さく抑えられた。
本発明は、触媒コンバータや触媒付きのDPFを作製するためのハニカム担体として好適に使用することができる。
本発明のハニカム担体を用いて作製された触媒コンバータの実施形態の一例を模式的に示す説明図で、(a)が正面図、(b)が断面図である。 本発明のハニカム担体を用いて作製されたDPFの実施形態の一例を模式的に示す説明図で、(a)が正面図、(b)が断面図である。
符号の説明
1:ハニカム担体、2a:端面、2b:端面、3:セル、4:隔壁、10:目封止部、50:DPF、60:触媒コンバータ。

Claims (7)

  1. 触媒を担持するために使用されるハニカム担体であって、所定温度以下ではCOを吸着して発熱し、前記所定温度を超えると吸着した前記COを放出して吸熱する物質が、前記ハニカム担体の少なくとも一部に担持されたハニカム担体。
  2. 前記物質が、LiSiO又はLiZrOである請求項1に記載のハニカム担体。
  3. 前記物質が、無機酸化物と触媒とを含む触媒層中に混入された状態で、前記ハニカム担体の少なくとも一部に担持された請求項1又は2に記載のハニカム担体。
  4. 前記物質が、前記ハニカム担体の一方の端面から前記ハニカム担体の全長の20%以下の長さまでの領域にのみ担持された請求項1〜3の何れか一項に記載のハニカム担体。
  5. 前記物質が、前記ハニカム担体の両端面からそれぞれ前記ハニカム担体の全長の20%以下の長さまでの領域にのみ担持された請求項1〜3の何れか一項に記載のハニカム担体。
  6. 触媒コンバータの作製に使用される請求項1〜5の何れか一項に記載のハニカム担体。
  7. ディーゼルパティキュレートフィルターの作製に使用される請求項1〜5の何れか一項に記載のハニカム担体。
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