JP2002336656A - ディーゼル排ガス浄化用触媒 - Google Patents

ディーゼル排ガス浄化用触媒

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JP2002336656A
JP2002336656A JP2001150875A JP2001150875A JP2002336656A JP 2002336656 A JP2002336656 A JP 2002336656A JP 2001150875 A JP2001150875 A JP 2001150875A JP 2001150875 A JP2001150875 A JP 2001150875A JP 2002336656 A JP2002336656 A JP 2002336656A
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dpf
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Nobuyuki Takagi
信之 高木
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続再生式DPFのコート層にさらにNOx 吸蔵
材を担持し、圧損の増大を抑制しつつNOx 浄化能の耐久
性を確保する。 【解決手段】気孔率が60%以上、平均細孔径が22μm以
上のDPFに 100〜 200g/Lのコート層を形成し、そ
のコート層にNOx 吸蔵材を担持した。このようなフィル
タ本体を用いることで、コート層を 100〜 200g/L形
成しても圧損の増大を抑制することができ、コート層を
厚く形成したことによりNOx浄化能の耐久性も確保でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンからの排ガス中に含まれるパティキュレート(粒子状
物質)を捕集するとともに、排ガス中の有害成分を浄化
するディーゼル排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンについては、排ガスの
厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排
ガス中の有害成分は確実に減少されてきている。しか
し、ディーゼルエンジンについては、有害成分がパティ
キュレート(粒子状物質:炭素微粒子、サルフェート等
の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子等)として排
出されるという特異な事情から、規制も技術の進歩もガ
ソリンエンジンに比べて遅れている。
【0003】現在までに開発されているディーゼルエン
ジン用排ガス浄化装置としては、大きく分けてトラップ
型の排ガス浄化装置(ウォールフロー)と、オープン型
の排ガス浄化装置(ストレートフロー)とが知られてい
る。このうちトラップ型の排ガス浄化装置としては、セ
ラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルパ
ティキュレートフィルタ(以下DPFという))が知ら
れている。このDPFは、セラミックハニカム構造体の
セルの開口部の両端を交互に市松状に目封じしてなるも
のであり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してセル隔壁
にパティキュレートを捕集することで排出を抑制するも
のである。
【0004】しかしDPFでは、パティキュレートの堆
積によって圧損が上昇するため、何らかの手段で堆積し
たパティキュレートを定期的に除去して再生する必要が
ある。そこで従来は、圧損が上昇した場合にバーナある
いは電気ヒータ等で堆積したパティキュレートを燃焼さ
せることでDPFを再生することが行われている。しか
しながらこの場合には、パティキュレートの堆積量が多
いほど燃焼時の温度が上昇し、それによる熱応力でDP
Fが破損する場合もある。
【0005】そこで近年では、DPFのセル隔壁にアル
ミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金
(Pt)などの触媒金属を担持した連続再生式DPFが開
発されている。この連続再生式DPFによれば、触媒金
属の触媒反応によって捕集されたパティキュレートが酸
化燃焼するため、捕集と同時にあるいは捕集に連続して
燃焼させることでDPFを再生することができる。そし
て触媒反応は比較的低温で生じること、及び捕集量が少
ないうちに燃焼できることから、DPFに作用する熱応
力が小さく破損が防止されるという利点がある。
【0006】このような連続再生式DPFとして、例え
ば特開平9-220423号公報には、セル隔壁の気孔率が40〜
65%で、平均細孔径が5〜35μmであり、コート層を構
成する多孔質酸化物はセル隔壁の平均細孔径より小さい
粒径のものが90wt%以上を占めている構成のものが開示
されている。このような高比表面積の多孔質酸化物をコ
ートすることにより、セル隔壁の表面だけでなく細孔の
内部表面にまでコート層を形成することができる。また
コート量を一定とすればコート厚さを薄くすることがで
きるので、圧損の増大を抑制することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記した連続再
生式DPFでは、排ガス中のNOx を浄化することは困難
である。そこで、ガソリンエンジンの排気系に用いられ
ているNOx 吸蔵還元型触媒を応用し、連続再生式DPF
のコート層にさらにNOx 吸蔵材を担持することが考えら
れる。
【0008】NOx 吸蔵還元型触媒では、酸素過剰のリー
ン雰囲気の排ガス中において触媒金属上でNOの酸化が生
じ、生成したNO3 又はNO4 がNOx 吸蔵材に吸蔵される。
そして間欠的に還元成分過剰のリッチガスを供給するこ
とで、NOx 吸蔵材からNOx が放出され、それが触媒金属
上で還元成分と反応してN2にまで還元される。これによ
りリーンバーンエンジンからの排ガス中のNOx を効率よ
く還元除去することができる。
【0009】したがってコート層にさらにNOx 吸蔵材を
担持した連続再生式DPFを用いれば、上記と同様の作
用によってディーゼルエンジンの排ガス中のNOx を浄化
できると考えられる。
【0010】ところがDPFは、ウォールフローという
構造上、NOx 吸蔵還元型触媒などのストレートフロー構
造と比較して圧損が高い。そして連続再生式DPFの場
合には、DPFにさらにコート層が形成されているため
に、圧損が益々高くなるという問題がある。したがって
コート層は薄いほど望ましく、DPFの容積1リットル
あたり40〜80g程度とされている。
【0011】また本発明者らの研究によれば、NOx 吸蔵
還元型触媒はコート層の量が多いほど耐久性が向上し、
コート層の厚さが薄くなると耐久性が低下するというこ
とが明らかとなっている。そしてDPFの容積1リット
ルあたり40〜80g程度のコート量では、NOx 浄化能の耐
久性が低く実用的でないことが明らかとなっている。
【0012】すなわちコート層にさらにNOx 吸蔵材を担
持した連続再生式DPFの場合には、圧損を低くするた
めにはコート層は薄い方が望ましく、NOx 浄化能の耐久
性を確保するためにはコート層は厚い方が望ましいとい
う背反事象があった。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、連続再生式DPFのコート層にさらにNOx
吸蔵材を担持し、圧損の増大を抑制しつつNOx 浄化能の
耐久性を確保することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のディーゼル排ガス浄化用触媒の特徴は、セラミック
ハニカム構造体のセルの開口部の両端を交互に市松状に
目封じしたフィルタ本体と、セル隔壁に形成され多孔質
酸化物からなるコート層と、コート層に担持された触媒
金属及びNOx 吸蔵材とよりなり、フィルタ本体は気孔率
が60%以上、平均細孔径が22μm以上であり、コート層
はセラミックハニカム構造体の容積1リットルあたり 1
00〜 200gコートされていることにある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のディーゼル排ガス浄化用
触媒では、気孔率が60%以上、平均細孔径が22μm以上
のフィルタ本体を用いている。このようなフィルタ本体
を用いることで、コート層を 100〜 200g/L形成して
も圧損の増大を抑制することができる。気孔率が60%未
満であったり、平均細孔径が22μm未満では、圧損の増
大を抑制できるコート量が 100g/L未満となり、NOx
吸蔵能の耐久性の低下が避けられない。
【0016】コート量が少ないとNOx 吸蔵能の耐久性が
低下するのは、触媒金属が高密度に担持されるため高温
時に粒成長しやすいことが主原因と考えられる。これに
よって、硫黄被毒が生じたNOx 吸蔵材からのSOx の脱離
反応が阻害され、その結果NO x 吸蔵材のNOx 吸蔵能が低
下する。また触媒金属の粒成長に伴ってNOx 吸蔵材も粒
成長し、NOx 吸蔵サイトが減少することも一因と考えら
れる。
【0017】したがってコート量を多くした本発明の触
媒によれば、触媒金属が高い分散性で担持されるため触
媒金属の粒成長が抑制され、上記不具合が生じないので
NOx浄化能の耐久性が向上する。
【0018】なお気孔率は60〜75%の範囲が望ましく、
平均細孔径は22〜35μmの範囲が望ましい。気孔率及び
平均細孔径の少なくとも一方がこの上限値を超えると、
パティキュレートの捕集が困難となったり、強度が低下
するという不具合が生じるようになる。
【0019】フィルタ本体は、セラミックハニカム構造
体のセルの開口部の両端を交互に市松状に目封じしたも
のであり、コーディエライトなどの耐熱性セラミックス
から製造することができる。例えばコーディエライト粉
末を主成分とする粘土状のスラリーを調製し、それを押
出成形などで成形し、焼成してハニカム構造体とする。
コーディエライト粉末に代えて、アルミナ、マグネシア
及びシリカの各粉末をコーディエライト組成となるよう
に配合することもできる。その後ハニカム構造体の一端
面のセル開口を同様の粘土状のスラリーなどで市松状に
目封じし、他端面では一端面で目封じされていないセル
開口を市松状に目封じする。その後焼成などで目封じ材
を固定することでフィルタ本体を製造することができ
る。
【0020】そしてフィルタ本体のセル隔壁に細孔を形
成するには、上記したスラリー中にカーボン粉末、木
粉、澱粉、ポリマーなどの可燃物粉末などを混合してお
き、可燃物粉末が焼成時に消失することで細孔を形成す
ることができる。
【0021】またセル隔壁の気孔率及び平均細孔径を本
発明に規定するように形成するには、可燃物粉末の粒径
と量を調整することで行うことができる。例えば気孔率
が60%となるようにするには、可燃物粉末をスラリー中
のセラミックス粉末に対して65体積%以上用いればよ
い。また平均細孔径が22μm以上となるようにするに
は、粒径が22〜26μmの可燃物粉末を全可燃物粉末中に
70〜80体積%混合するとよい。
【0022】また可燃物粉末の調整とともに、粘土状の
スラリーの粘度、スラリー中の粉末粒径などを調整する
ことが望ましい。
【0023】フィルタ本体のセル隔壁には、多孔質酸化
物からなるコート層が形成されている。このコート層は
触媒金属を担持する担体となるものであり、 Al2O3、Zr
O2、CeO2、TiO2、SiO2などの酸化物あるいはこれらの複
数種からなる複合酸化物から形成することができる。
【0024】このコート層は、セル隔壁の表面ばかりで
なく、可燃物粉末の消失によって形成された細孔内の表
面にも形成されていることが望ましい。このようにコー
ト層を形成するには、例えば特開平9-220423号公報に記
載されているように、セル隔壁の平均細孔径より小さい
粒径のものが90重量%以上を占める酸化物粉末又は複合
酸化物粉末を用いることが好ましい。平均細孔径より大
きな粒径のものが10重量%より多くなると、細孔内の表
面にコート層を形成することが困難となり、細孔内に進
入したパティキュレートを酸化燃焼することが困難とな
る。
【0025】このフィルタ本体に形成されているコート
層は、 100〜 200g/Lのコート量とされる。コート量
が 100g/L未満ではNOx 吸蔵能の耐久性の低下が避け
られず、 200g/Lを超えると圧損が高くなりすぎて実
用的ではない。
【0026】コート層を形成するには、酸化物粉末ある
いは複合酸化物粉末をアルミナゾルなどのバインダ成分
及び水とともにスラリーとし、そのスラリーをセル隔壁
に付着させた後に焼成すればよい。スラリーをセル隔壁
に付着させるには通常の浸漬法を用いることができる
が、エアブローあるいは吸引によって細孔内に入ったス
ラリーの余分なものを除去することが望ましい。
【0027】コート層には担持される触媒金属として
は、触媒反応によってNOx を還元でき、かつパティキュ
レートの酸化を促進するものであれば用いることができ
るが、Pt、Rh、Pdなどの白金族の貴金属から選ばれた一
種あるいは複数種を担持することが特に好ましい。触媒
金属の担持量は、フィルタ本体容積1リットルあたり2
〜8gの範囲とすることが好ましい。担持量がこれより
少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多
く担持しても活性が飽和するとともにコストアップとな
ってしまう。
【0028】また触媒金属を担持するには、触媒金属の
硝酸塩などを溶解した溶液を用い、吸着担持法、吸水担
持法などによってコート層に担持すればよい。また酸化
物粉末あるいは複合酸化物粉末に予め触媒金属を担持し
ておき、その触媒粉末を用いてコート層を形成すること
もできる。
【0029】コート層に担持されるNOx 吸蔵材として
は、K,Na,Cs,Liなどのアルカリ金属、Ba,Ca,Mg,
Srなどのアルカリ土類金属、あるいはSc,Y,Pr,Ndな
どの希土類元素から選択して用いることができる。中で
もNOx 吸蔵能に長けたアルカリ金属及びアルカリ土類金
属の少なくとも一種を用いることが望ましい。
【0030】このNOx 吸蔵材の担持量は、フィルタ本体
容積1リットルあたり0.25〜0.45モルの範囲とすること
が好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて
実用的でなく、この範囲より多く担持すると触媒金属を
覆って活性が低下するようになる。
【0031】またNOx 吸蔵材を担持するには、酢酸塩、
硝酸塩などを溶解した溶液を用い、吸水担持法などによ
ってコート層に担持すればよい。また酸化物粉末あるい
は複合酸化物粉末に予めNOx 吸蔵材を担持しておき、そ
の粉末を用いてコート層を形成することもできる。なお
NOx 吸蔵材は、炭酸塩、酸化物あるいは硝酸塩として担
持されている。
【0032】本発明のディーゼル排ガス浄化用触媒は、
リーン雰囲気にある一般のディーゼル排ガス中でも用い
ることができるが、常時はリーン雰囲気にあり、間欠的
にストイキ〜リッチ雰囲気となるように制御された排ガ
ス中で用いることが望ましい。リーン雰囲気では、捕集
されたパティキュレートが触媒金属上で酸化燃焼して除
去されるとともに、排ガス中のHC及びCOが浄化され、か
つNOx 吸蔵材にNOx が吸蔵される。そして間欠的にスト
イキ〜リッチ雰囲気とすることでNOx 吸蔵材のNOx 吸蔵
能を回復させることができ、高いNOx 浄化能を長期間維
持することが可能となる。
【0033】このように間欠的にストイキ〜リッチ雰囲
気となるようにするには、空燃比を制御してもよいし、
排ガス中に燃料などの還元成分を導入することも好まし
い。
【0034】
【実施例】以下、試験例により本発明を具体的に説明す
る。
【0035】フィルタ本体として、気孔率及び平均細孔
径が異なる複数種類のコーディエライト製DPFを用意
した。気孔率は50〜70%の間で9水準であり、平均細孔
径は10〜40μmの間で9水準である。
【0036】次に、平均粒径1〜3μmの Al2O3粉末 1
00重量部、平均粒径1〜3μmのZrO2−TiO2複合酸化物
粉末 100重量部、平均粒径1〜3μmのCeO2粉末20重量
部、平均粒径1〜3μmのZrO2に予めRhが1重量%担持
されたRh/ZrO2粉末50重量部と、硝酸アルミナ52重量部
を含むスラリーを調製し、上記DPFを浸漬後引き上
げ、真空吸引して余分なスラリーを除去した後、 110℃
で乾燥し 450℃で 120分間焼成して、それぞれのDPF
にコート層を形成した。コート量はDPFの容積1リッ
トルあたりそれぞれ75〜 270gの間で8水準とった。
【0037】そして所定濃度のジニトロジアミン白金硝
酸塩水溶液をコート層に所定量含浸し、乾燥・焼成し
て、PtをDPFの容積1リットルあたりそれぞれ5g担
持した。次いで酢酸バリウム水溶液、酢酸カリウム水溶
液及び酢酸リチウム水溶液を用い、同様にしてDPFの
容積1リットルあたり 0.1モルのBa、 0.1モルのK及び
0.2モルのLiをそれぞれ担持した。
【0038】(試験例1)8種類の触媒を図1に示すエ
ンジン評価装置にそれぞれ配置し、 400℃の排ガスを50
時間流通させる耐久試験を施した。
【0039】耐久試験後の各触媒について、図2に示す
ように、1600回転リーン通常燃焼で排出されるNOx 濃度
が安定するまでNOx を吸蔵した。その後空燃比を制御し
て5秒間リッチ雰囲気に切り替えて吸蔵されたNOx を還
元した。その後再びリーン通常燃焼(触媒入りガス温度
300℃)とし、排出されるNOx 濃度が安定するまでのNO
x 吸蔵量をRSNOx 吸蔵量として測定した。RSNOx 吸蔵量
の測定結果を図3に示す。
【0040】図3よりコート量が多いほど、耐久試験後
のRSNOx 吸蔵量が多く耐久性に優れていることがわか
る。そしてコート量が 100g/L以上であれば、触媒体
積 1.3リットルあたりのRSNOx 吸蔵量が 110mg以上とな
り、好ましい範囲となることがわかる。
【0041】(試験例2)上記のように耐久性が低下す
る原因を調査するため、試験例1で用いたコート量が75
g/Lと 270g/Lの2種類の触媒について試験例1と
同様に耐久試験を施した。次に耐久試験後の触媒をそれ
ぞれ直径30mm、長さ50mmのテストピース形状に切り出し
た。そして 200℃から 700℃まで20℃/分の昇温速度で
加熱したときに放出されるSOx 量をそれぞれ連続的に測
定し、結果を図4に示す。
【0042】一方、試験例1で用いたコート量が75g/
Lと 270g/Lの2種類の触媒について、担持されてい
るPtの粒径をCO吸着法を用いて測定し、結果を初期とし
て図5に示す。また試験例1と同様に耐久試験を施した
後のPt粒径を同様に測定し、結果を耐久後として図5に
示す。
【0043】図4から、コート量が75g/Lの触媒は、
コート量が 250g/Lの触媒に比べて高温域でSOx が放
出され、SOx の脱離性が低いことがわかる。また図5か
ら、コート量が75g/Lの触媒はコート量が 250g/L
の触媒に比べて耐久試験後のPt粒径がきわめて大きく、
耐久試験によって粒成長していることが認められる。
【0044】以上の結果より、コート量が少ない状態で
はPtが高密度に担持されているため耐久試験時に粒成長
しやすいと考えられる。そして、その結果NOx 吸蔵材と
の接触面積が減少し、放出されるSOx 量が少なくなった
と考えられる。
【0045】そして試験例1と試験例2の結果を総合し
て考察すると、コート量が少ないと耐久試験時にPtの粒
成長が生じ、硫黄被毒の解消が困難となってNOx 吸蔵材
が劣化し、RSNOx 吸蔵量が低下したと考えられる。そし
てコート量が 100g/L以上であれば、Ptの粒成長が抑
制されるためこのような不具合が生じず、耐久試験後も
高いRSNOx 吸蔵量を確保することができる。
【0046】(試験例3)コート量が 150g/Lであ
り、DPFの気孔率と平均細孔径が種々の水準である9
種の触媒を用い、図1に示すように排気系にそれぞれ配
置した。そしてエンジンを1600回転リーン通常燃焼で運
転した時の、触媒前後の排ガス圧力差を差圧計にてそれ
ぞれ測定した。そして目標とする目標圧損値に対する実
測圧損値の比率を算出し、結果を図6及び図7に示す。
【0047】図6及び図7より、気孔率が60%以上であ
り、かつ平均細孔径が22μm以上であれば、実測圧損が
目標値以下となることがわかる。
【0048】すなわち気孔率が60%以上であり、かつ平
均細孔径が22μm以上のDPFを用いれば、コート層を
150g/L形成しても圧損の増大が抑制されることが明
らかである。そしてコート層を 150g/L形成すれば、
試験例1の結果より、耐久試験後のRSNOx 吸蔵量が高く
維持されることが明らかであり、圧損の増大を抑制しつ
つNOx 浄化能の耐久性を確保できることが明らかであ
る。
【0049】
【発明の効果】すなわち本発明のディーゼル排ガス浄化
用触媒によれば、圧損の増大を抑制しつつNOx 浄化能の
耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例で用いた評価装置の構成を示すブロック
図である。
【図2】試験例で用いたRSNOx 吸蔵量の定義を示す説明
図である。
【図3】コート量とRSNOx 吸蔵量との関係を示すグラフ
である。
【図4】温度と放出されたSOx との関係を示すグラフで
ある。
【図5】コート量とPt粒径との関係を示すグラフであ
る。
【図6】DPFの気孔率と圧損との関係を示すグラフで
ある。
【図7】DPFの平均細孔径と圧損との関係を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/04 301 F01N 3/02 301C 35/10 301 301E F01N 3/02 301 321A 3/08 A 321 3/24 E 3/08 3/28 301C 3/24 301P 3/28 301 B01D 53/36 104A B01J 23/56 301A Fターム(参考) 3G090 AA02 AA03 BA01 EA02 3G091 AA18 AB06 AB13 BA01 BA07 BA14 BA38 BA39 GA06 GA17 GA19 GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB07W GB17Y HA14 4D019 AA01 BA02 BA06 BB07 BB10 BC05 BC07 CA01 CB04 4D048 AA06 AA14 AB02 BA14X BA15X BA19X BA30X BA33X BB02 CD05 EA04 4G069 AA03 AA08 BA04B BA05B BC01A BC03B BC04B BC08A BC13B BC43B BC71B BC75B CA03 CA08 CA13 CA18 DA06 EA19 FB23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックハニカム構造体のセルの開口
    部の両端を交互に市松状に目封じしたフィルタ本体と、
    セル隔壁に形成され多孔質酸化物からなるコート層と、
    該コート層に担持された触媒金属及びNOx 吸蔵材とより
    なり、 該フィルタ本体は気孔率が60%以上、平均細孔径が22μ
    m以上であり、該コート層は該セラミックハニカム構造
    体の容積1リットルあたり 100〜 200gコートされてい
    ることを特徴とするディーゼル排ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記NOx 吸蔵材はアルカリ金属及びアル
    カリ土類金属の中から選ばれる少なくとも一種であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のディーゼル排ガス浄化
    用触媒。
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