JP2002088609A - 新規なプラスチック織物及びその製造方法 - Google Patents

新規なプラスチック織物及びその製造方法

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JP2002088609A
JP2002088609A JP2000274125A JP2000274125A JP2002088609A JP 2002088609 A JP2002088609 A JP 2002088609A JP 2000274125 A JP2000274125 A JP 2000274125A JP 2000274125 A JP2000274125 A JP 2000274125A JP 2002088609 A JP2002088609 A JP 2002088609A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚み及び通気度の低減が可能であり、且つ寸
法安定性にも優れたプラスチック織物及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 緯糸の一部又は全部にその断面領域にお
いて分割可能なモノフィラメントを使用し、該経糸との
製織時に該モノフィラメントを少なくとも経糸との交錯
部においてその断面領域を複数に分割し、分割されたモ
ノフィラメント片を以て、経糸間に形成される空隙部を
充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック織物
及びその製造方法に関する。さらに詳しくは抄紙用ドラ
イヤーカンバス、濾過布、メッシュベルト等の産業資材
織物として好適なプラスチック織物及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂繊維から成る経糸と緯糸によっ
て織成されるプラスチック織物は、その軽量性、耐久性
(高強力、耐摩耗性等)、防錆性、耐薬品性、通気性、
その他複数の機能付与性(耐熱性、導電性等)に優れ、
また補修性、作業性等に優れることから従来より産業資
材織物として多種多様の用途に汎用されている。その代
表的なものとしては、例えば抄紙機の乾燥部に使用され
る抄紙用ドライヤーカンバスであり、また下排水汚泥処
理場におけるベルトプレス型脱水機の濾過布、その他フ
ィルター材であり、また食品類や工業用部品等の搬送工
程に使用されるメッシュベルト等である。このようにプ
ラスチック織物は産業機械の一部に使用されるものであ
って、その種々の特性から使用用途によって、支持機
能、通気(排気)機能、排水機能等といった各種の機能
が要求されるわけであるが、共通する機能としては搬送
機能であり、またその搬送のための耐久性が求められて
いる。特に近年の産業機械自体の発達により、主として
より広幅化、高速化が図られてきており、産業機械の一
部であるプラスチック織物も同様に広幅化、高速化への
対応が迫られてきている。
【0003】例えば上記抄紙機の乾燥部に使用される抄
紙用ドライヤーカンバスの分野においては、最近では巾
寸法8mを超え且つ毎分1500〜2000mにも達す
る高速運転で使用されるようになってきている。さらに
具体的に説明するならば、抄紙機の乾燥部においては、
抄紙技術の発展と共に高速化が進み、従来の多筒式熱シ
リンダーの上下各群に対し上群用下群用それぞれにカン
バスを使用した2枚カンバス方式による湿紙の乾燥方法
から、カンバス1枚掛けのシングルラン方式による乾燥
方法が採用されるようになってきており、シングルラン
方式を採用することにより湿紙のフリーラン部をなく
し、カンバスによる湿紙の拘束性を高め、高速化に伴う
湿紙のフラッタリング、断紙、皺の発生防止といったよ
うなシートトラブルを抑えようとするものである。しか
しながら、反面上記シングルラン方式においては、熱シ
リンダーとガイドローラー間で湿紙とカンバスとが各シ
リンダーにおいて、内側と外側に交互にその位置関係が
逆になることから、カンバスの厚みが厚ければ厚いほど
カンバスの厚みによって生ずる周速差により、湿紙にゆ
るみ作用と張り作用といった繰り返し作用が加わり、結
果として湿紙面の荒れやあげくは断紙と言ったシートト
ラブル発生が新たな問題となってきている。よってシン
グルラン方式に適した厚みが薄く且つ寸法安定性に優れ
たプラスチック織物が求められている。また高速化に伴
い搬送上の湿紙に対する気流の影響から部位によっては
湿紙のフラッタリング等のトラブルも増加傾向にあり、
気流の影響を低減するためにより通気度の低いものが求
められている。本出願人は先に通気度の調整、寸法安定
性を向上させたドライヤーカンバスとして実公平6−3
0880号公報にて、緯糸の一部あるいは全部に合成樹
脂モノフィラメントを複数撚り合わせたモノフィラメン
ト撚糸を使用したものを提案しているが、これでも十分
な厚さ、通気度の低減、寸法安定性が得られなかった次
第である。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】本発明は、上記したような問題点を解決す
べく、厚み及び通気度の低減、調整が可能であり、且つ
寸法安定性にも優れた新規なプラスチック織物及びその
製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、プラスチッ
ク織物の厚みや通気度の低減のためにプラスチック織物
を構成する経糸や緯糸の線径、形状、織組織等を検討し
てきたが、該線径を細くすれば厚みが薄くできるもの
の、プラスチック織物の剛性やバイアス方向の寸法安定
性が低減し、使用時において該織物表面に皺の発生や織
物自体の変形等による搬送時の走行トラブルが発生しや
すくなる。そこで厚みの減少と寸法安定性の向上という
相反した性能を備えるために、プラスチック織物の緯糸
に種々のプラスチック糸を採用していくうちに緯糸が断
面割れした場合に、厚み、通気度が低減すると同時にバ
イアス方向の寸法安定性も向上することを見出し本発明
に至った次第である。
【0006】すなわち本発明は、緯糸の一部又は全部が
モノフィラメントから構成されるプラスチック織物であ
って、該モノフィラメントが少なくとも経糸との交叉部
においてその断面領域が複数に分割されており、該分割
により形成された複数のモノフィラメント片集合体が横
扁平化していることを特徴とする新規なプラスチック織
物である。また、該モノフィラメントが少なくとも2つ
の突起部を有した異形断面モノフィラメントであること
が好ましい。また、該モノフィラメントが単一のポリマ
ーから成ることが好ましい。また、該モノフィラメント
がその断面領域において中央部付近を占める芯部とその
周辺部を占める突起部とから構成され、該芯部と該突起
部とが一部分割又は全部分割されてモノフィラメント片
集合体を形成していることが好ましい。また、該モノフ
ィラメントがプラスチック織物を構成する経糸により圧
接され、経糸間に形成される空隙部を充填していること
が好ましい。
【0007】また本発明のもう一つは、経糸と緯糸を製
織して成るプラスチック織物の製造方法であって、該緯
糸の一部又は全部にその断面領域において分割可能なモ
ノフィラメントを使用し、該経糸との製織時に該モノフ
ィラメントを少なくとも該経糸との交叉部においてその
断面領域を複数に分割し、該分割により形成されたモノ
フィラメント片集合体を該経糸による圧接により横扁平
化することを特徴とする新規なプラスチック織物の製造
方法である。このような新規なプラスチック織物及びそ
の製造方法を以て上記課題を解決するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について実施
例の図に基づいて以下に詳細に説明する。図1は本発明
のプラスチック織物の長さ方向の一部断面写真である。
図2は図1の本発明のプラスチック織物の一部平面写真
である。図3は製織前の分割可能なモノフィラメントを
例示する異形断面モノフィラメントの断面写真である。
図4は製織前後の異形断面モノフィラメントの断面形態
変化を説明するためのフィラメント端部を示す写真であ
り、(A)が製織前の異形断面モノフィラメント、
(B)が製織後の分割されたモノフィラメント片集合体
である。図5はプラスチック織物の製織装置(織機)を
説明するための簡略図である。但し、上記写真はそのま
までは各部の判別が困難のため、一部縁取りを加筆して
いるものである。
【0009】本発明の新規なプラスチック織物は、経糸
と緯糸を製織して成るプラスチック織物であって、該緯
糸の一部又は全部にその断面領域が複数に分割可能なモ
ノフィラメントを採用することを特徴とするものであ
る。ここで分割可能なモノフィラメントとしては特に限
定するものではないが、プラスチック織物の製織時に少
なくとも経糸との交叉部においてその断面領域が複数に
分割され得るものであればよい。こうした分割され得る
モノフィラメントとしては、例えばあるポリマーを第1
成分とし他のポリマーを第2成分とする分割性複合モノ
フィラメントを用い該第1成分と該第2成分とを製織時
に相互に剥離するタイプのものや、ある単一のポリマー
からなるモノフィラメントであっても製織時のリード打
ちによる打撃力により強制的に分割させ得るタイプのも
の等が適宜選択可能である。
【0010】また、該モノフィラメントが単一のポリマ
ーから成ることが好ましい。上記分割性複合モノフィラ
メントとしては例えば単繊維の断面積比がポリエステ
ル:ポリプロピレン=50:50の花弁型分割性複合繊
維、十字型分割性複合繊維、井型分割性複合繊維、等が
適宜採用可能であるが、これらの分割性複合繊維はその
傾向として長さ方向全体に第1成分と第2成分とが分割
しやすく、分割されたモノフィラメント片相互の拘束力
が弱くなりやすい。これに対し上記単一のポリマーから
なるモノフィラメントとしてはポリエステル等の引張強
力、耐摩耗性、寸法安定性に優れた合成樹脂素材が適宜
採用可能であるが、こうした単一ポリマーからなるもの
を製織時に強制分割する場合は経糸との交叉部が最も打
撃力を受けやすく、少なくとも該経糸との交叉部におい
てはその断面領域が複数に分割するが、その長さ方向全
体では完全に分割しにくく、断面分割されて形成される
モノフィラメント片相互が一部一体化したまま残存し相
互の拘束力を維持するため寸法安定性の向上への寄与率
が高くなるからである。
【0011】また、分割可能なモノフィラメントとして
は、少なくとも2つの突起部を有した異形断面モノフィ
ラメントが好ましい。こうした異形断面モノフィラメン
トは、その断面領域において中央部付近を占める芯部と
その周辺部を占める突起部とから構成されるため、製織
時に該芯部と該突起部とがリード打ちに伴う打撃力によ
り強制的に分割され、該芯部から構成されるモノフィラ
メント片、該突起部から構成されるモノフィラメント
片、該芯部と該突起部とが一部分割しないまま構成され
るモノフィラメント片等の集合体であるモノフィラメン
ト片集合体を形成し易いものと成り得る。尚、ここでい
う芯部とは分割された突起部の残りの部分を指しその形
状を特定するものではない。該突起部についても同様で
ある。
【0012】また、本発明においては製織時に該モノフ
ィラメントをその断面領域において複数に分割するた
め、製織時における経糸テンション、リード圧等による
製織アクションにより、分割されて形成される複数のモ
ノフィラメント片集合体が、経糸により押しつぶされ横
扁平化する。また該モノフィラメントは製織の緯糸入れ
時の若干の自然撚りはかかるがインチ単位での撚数レベ
ルにおいては実質無撚りのモノフィラメント片集合体を
形成している。よって、従来のモノフィラメント撚糸に
比しより横扁平化しやすく経糸間に形成される空隙部を
充填する。その結果として分割前の厚み方向寸法が分割
後には大きく減少し、プラスチック織物としての厚みを
低減し得る。また該空隙部が分割されたモノフィラメン
ト片集合体により充填されることにより織り目間の空隙
が減少し通気度が低減されたプラスチック織物と成り得
る。さらに該分割されたモノフィラメント片集合体は、
製織時の経糸テンションが作用した状態で分割、圧縮さ
れているため、経糸により圧接され状態で横扁平化し経
糸間にて形成される空隙部を充填しているため、経糸と
緯糸との接触面積の増加と相まって経糸と緯糸との拘束
力が強く寸法安定性に優れた新規なプラスチック織物と
成り得る。
【0013】以下、実施例を基に具体的にその実施の形
態を説明する。例えば図3、図4(A)に示すようにそ
の断面領域(4)において5つの突起部(5)、くびれ
角度90度以下のくびれ部(9)を有した異形断面モノ
フィラメント(3a)を採用した場合、これを図5に示
すような公知の製織装置による製織時において該異形断
面モノフィラメントを強くリード打ちすることにより、
少なくとも経糸との交叉部(7)においてその断面領域
が複数に分割され、モノフィラメント片集合体(3b)
が形成される。該モノフィラメント片集合体は、図1、
図2、図4(B)に示すように、少なくとも経糸との交
叉部においてその断面領域の中央部付近を占める芯部
(6)とその周辺部を占める突起部(5)とが部分的に
分割した一部分割又は全突起部が芯部から分割した全部
分割されたモノフィラメント片から構成される。こうし
てモノフィラメント片集合体は、製織時における経糸テ
ンション、リード圧等による製織アクションにより押し
つぶされ、横扁平化しさらに経糸間に形成される空隙部
(8)を充填する。充填されている様子は図1にて確認
される通りである。このような製織条件としては、例え
ば織機のベーシックテンションで0.03〜0.2g/
dtexとなるべく経糸テンションを制御することが好
ましいが、これに限定されるものではなく分割されるモ
ノフィラメントに応じて適宜分割し得る条件設定すれば
よい。
【0014】また、このように該空隙部を充填するため
には少なくとも2つの突起部を有した異形断面モノフィ
ラメントが好ましいが、より好ましくは4つ以上8つ以
下である。突起部が3つ以下では該空隙部の充填率が低
くなるのみならず経糸の圧接の影響が受けにくくなり経
糸と緯糸との拘束力が低減し十分な寸法安定性の向上に
寄与しにくくなる。また突起部が9つ以上であると製織
時での分割が困難となり同様に該空隙部の充填率に劣っ
たものとなる。また突起部間のくびれ角度αも分割には
重要な要素であり、該くびれ角αが90度以下が好まし
い。
【0015】本発明の新規なプラスチック織物は、緯糸
の一部又は全部がその断面領域において分割可能なモノ
フィラメントから構成されるが、該分割可能なモノフィ
ラメントをプラスチック織物を構成する上でどのように
配置するかは用途に応じて適宜設定すればよい。例えば
多重織組織から成るプラスチック織物の上層又は下層
(又は中層)のいずれかのみに配置してもよい。このよ
うなプラスチック織物は例えば濾過布用途に使用した場
合、その厚み方向において空隙部の大小を調整し得るこ
とから捕集物のタイプ、大小に応じて捕集性の向上やク
リーニング時の逆洗浄性に優れた濾過布と成り得る。ま
た他の緯糸と交互に配置してもよく、もちろん緯糸全て
に配置してもよい。本発明のプラスチック織物は、その
特異な特性から用途に応じて又求められる要求特性に応
じて適宜分割可能なモノフィラメントを採用、配置する
ことにより多種多様の機能を発現し得る新規なプラスチ
ック織物と成り得る。
【0016】尚、本発明におけるプラスチック織物を構
成する経糸には、製織時に分割可能なモノフィラメント
を複数の断面領域に分割しやすくするため曲げ剛性の高
いモノフィラメントが好ましい。その断面形状において
も円型断面、扁平断面、四角断面等適宜採用すればよ
い。経糸がマルチフィラメント糸やスパン糸であると曲
げ剛性に劣り前記製織アクションによる断面領域分割率
や充填率が低下するからである。
【0017】以上、本発明を図示の実施の形態に基づい
て説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定され
ず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加
えてもよいことはいうまでもない。
【0018】
【実施例】本発明を上記実施の形態にて説明した部分を
含め、以下の実施例、比較例を以てより具体的に説明す
る。尚、本実施例におけるプラスチック織物のバイアス
方向の寸法安定性の評価は、エーアンドディー社製引張
強力試験機RTM−100を用いて、温度130℃雰囲
気下において、プラスチック織物サンプル(10cm
角、チャック巾40mm)をバイアス方向(経糸方向に
対し45度の斜め方向)に引張速度20mm/minに
て引張り、伸度と荷重の関係をグラフ化したものであ
る。また通気度は、JIS l1096 A法に準じ測
定したものである。
【0019】(実施例1) 表1に示すような仕様に
て、緯糸に外径0.9mmΦ、3890dtexの図3
に示す5つの突起部を有した異形断面ポリエステルモノ
フィラメント(東レモノフィラメント社製、タイプ58
1D 5R)を用意し、図5に示す織機を用いて製織時
に該緯糸を少なくとも経糸との交叉部においてその断面
領域を複数に分割すべく、経糸テンションを調整、リー
ド打ちし、図1、図2に示すような本発明の新規なプラ
スチック織物(実施例1)を得た。得られたプラスチッ
ク織物の厚み、通気度、バイアス方向の寸法安定性を評
価した結果を表1及び図9に示す。尚、表1におけるP
ETはポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)を
示す。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例2) 表1に示すような仕様に
て、実施例1と同様に製織し、図6に示すような本発明
の新規なプラスチック織物(実施例2)を得た。得られ
たプラスチック織物の厚み、通気度、バイアス方向の寸
法安定性を評価した結果を表1及び図9に示す。
【0022】(比較例1) 表1に示すような仕様に
て、実施例1における異形断面モノフィラメントに代え
て外径0.6mmΦのポリエステルモノフィラメントを
使用した以外は実施例1と同様に製織し、図7、図8に
示すようなプラスチック織物(比較例1)を得た。得ら
れたプラスチック織物の厚み、通気度、バイアス方向の
寸法安定性を評価した結果を表1及び図9に示す。
【0023】(比較例2) 表1に示すような仕様に
て、実施例2における異形断面モノフィラメントに代え
て外径0.6mmΦのポリエステルモノフィラメントを
使用した以外は実施例2と同様に製織し、プラスチック
織物(比較例2)を得た。得られたプラスチック織物の
厚み、通気度、バイアス方向の寸法安定性を評価した結
果を表1及び図9に示す。
【0024】(比較例3) 表1に示すような仕様に
て、実施例2における異形断面モノフィラメントに代え
て6本のポリエステルモノフィラメント撚糸(外径0.
25mmΦのポリエステルモノフィラメント2本を撚り
合わせた(下撚数:4回/インチ)撚糸を用意し、これ
を3本撚り合わせた(上撚数:4回/インチ)もの)を
使用した以外は実施例2と同様に製織し、プラスチック
織物(比較例3)を得た。得られたプラスチック織物の
厚み、通気度、バイアス方向の寸法安定性を評価した結
果を表1及び図9に示す。
【0025】上記した実施例1、2と比較例1、2、3
との対比にて明らかなように本発明による新規なプラス
チック織物は、従来のプラスチック織物に比し厚み及び
通気度が低減され、且つバイアス方向の寸法安定性にも
優れたプラスチック織物であることが確認された。特に
通気度、寸法安定性の改善が顕著であり、これらの結果
は、実施例、比較例における断面写真、平面写真から判
断されるように、分割されて形成されたモノフィラメン
ト片集合体が実質無撚り状態で経糸間で形成される空隙
部にて幅広く横扁平化し、該空隙部の面積を減少させて
いることにより通気度が大きく減少したものと考えられ
る。また異形断面モノフィラメントは、製織時にその断
面領域において複数に分割されているが、5つの突起部
が5つとも分割されているものは少なく、いくつかは分
割されないまま異形芯部を形成しており、且つ経糸との
交叉部においては大きく変形している。また製織後の緯
糸を抜き出して分割されたモノフィラメント片集合体を
確認してみると、該モノフィラメント集合体は少なくと
も経糸との交叉部においては分離可能であるがそれ以外
の箇所は一体化しており分離不可能であった。このよう
なことから少なくとも経糸との交叉部においてその断面
領域が複数に分割されても緯糸自体の剛直性が維持さ
れ、且つ経糸と緯糸との拘束力を高め、その結果プラス
チック織物の寸法安定性の向上に大きく寄与したものと
考えられる。
【0026】
【発明の効果】本発明の新規なプラスチック織物は、緯
糸の一部又は全部がその断面領域において分割可能なモ
ノフィラメントから構成され、該モノフィラメントが製
織時に複数に分割され、且つ分割により形成されるモノ
フィラメント片集合体が経糸により圧接され横扁平化
し、経糸間に形成される空隙部を充填するため、厚み、
通気度を低減し、且つプラスチック織物のバイアス方向
の寸法安定性の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた本発明のプラスチック織
物の長さ方向の一部断面写真である。
【図2】 図1のプラスチック織物の一部平面写真であ
る。
【図3】 製織前の分割可能なモノフィラメントを例示
する異形断面モノフィラメントの断面写真である。
【図4】 製織前後の異形断面モノフィラメントの形態
変化を説明するためのフィラメント端部を示す写真であ
り、(A)が製織前の異形断面モノフィラメント、
(B)が製織後の分割された異形断面モノフィラメント
である。
【図5】 プラスチック織物の製織装置を説明するため
の簡略図である。
【図6】 実施例2で得られた本発明のプラスチック織
物の長さ方向の一部断面写真である。
【図7】 本発明の比較例1のプラスチック織物の長さ
方向の一部断面写真である。
【図8】 図7のプラスチック織物の一部平面写真であ
る。
【図9】 プラスチック織物のバイアス方向の寸法安定
性グラフである。
【符号の説明】
1 新規なプラスチック織物 2 経糸 3 緯糸 3a 異形断面モノフィラメント 3b モノフィラメント片集合体 4 断面領域 5 突起部 6 芯部 7 経糸と緯糸の交叉部 8 経糸間に形成される空隙部 9 くびれ部 10 製織装置(織機) 11 経糸送り出し部 11a 経糸巻き取りビーム 12 経糸テンションコントロール部 13 経糸開口部 14 リード 16 巻き取り部 17 ガイドローラー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緯糸の一部又は全部がモノフィラメント
    から構成されるプラスチック織物であって、該モノフィ
    ラメントが少なくとも経糸との交叉部においてその断面
    領域が複数に分割されており、該分割により形成された
    モノフィラメント片集合体が横扁平化していることを特
    徴とする新規なプラスチック織物。
  2. 【請求項2】 モノフィラメントが、少なくとも2つの
    突起部を有した異形断面モノフィラメントであることを
    特徴とする請求項1記載の新規なプラスチック織物。
  3. 【請求項3】 モノフィラメントが、単一のポリマーか
    ら成ることを特徴とする請求項1又は2記載の新規なプ
    ラスチック織物。
  4. 【請求項4】 モノフィラメントが、その断面領域にお
    いて中央部付近を占める芯部とその周辺部を占める突起
    部とから構成され、該芯部と該突起部とが一部分割又は
    全部分割してモノフィラメント片集合体を形成している
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の新規
    なプラスチック織物。
  5. 【請求項5】 モノフィラメントが、プラスチック織物
    を構成する経糸により圧接されており、経糸間に形成さ
    れる空隙部を充填していることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の新規なプラスチック織物。
  6. 【請求項6】 経糸と緯糸を製織して成るプラスチック
    織物の製造方法であって、該緯糸の一部又は全部にその
    断面領域において分割可能なモノフィラメントを使用
    し、経糸との製織時に該モノフィラメントを少なくとも
    該経糸との交叉部においてその断面領域を複数に分割す
    ることを特徴とする新規なプラスチック織物の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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