JP4263343B2 - 新規なプラスチック織物及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック織物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは抄紙用ドライヤーカンバス、濾過布、メッシュベルト等の産業資材織物として好適なプラスチック織物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂繊維から成る経糸と緯糸によって織成されるプラスチック織物は、その軽量性、耐久性(高強力、耐摩耗性等)、防錆性、耐薬品性、通気性、その他複数の機能付与性(耐熱性、導電性等)に優れ、また補修性、作業性等に優れることから従来より産業資材織物として多種多様の用途に汎用されている。その代表的なものとしては、例えば抄紙機の乾燥部に使用される抄紙用ドライヤーカンバスであり、また下排水汚泥処理場におけるベルトプレス型脱水機の濾過布、その他フィルター材であり、また食品類や工業用部品等の搬送工程に使用されるメッシュベルト等である。このようにプラスチック織物は産業機械の一部に使用されるものであって、その種々の特性から使用用途によって、支持機能、通気(排気)機能、排水機能等といった各種の機能が要求されるわけであるが、共通する機能としては搬送機能であり、またその搬送のための耐久性が求められている。特に近年の産業機械自体の発達により、主としてより広幅化、高速化が図られてきており、産業機械の一部であるプラスチック織物も同様に広幅化、高速化への対応が迫られてきている。
【0003】
例えば上記抄紙機の乾燥部に使用される抄紙用ドライヤーカンバスの分野においては、最近では巾寸法8mを超え且つ毎分1500〜2000mにも達する高速運転で使用されるようになってきている。さらに具体的に説明するならば、抄紙機の乾燥部においては、抄紙技術の発展と共に高速化が進み、従来の多筒式熱シリンダーの上下各群に対し上群用下群用それぞれにカンバスを使用した2枚カンバス方式による湿紙の乾燥方法から、カンバス1枚掛けのシングルラン方式による乾燥方法が採用されるようになってきており、シングルラン方式を採用することにより湿紙のフリーラン部をなくし、カンバスによる湿紙の拘束性を高め、高速化に伴う湿紙のフラッタリング、断紙、皺の発生防止といったようなシートトラブルを抑えようとするものである。しかしながら、反面上記シングルラン方式においては、熱シリンダーとガイドローラー間で湿紙とカンバスとが各シリンダーにおいて、内側と外側に交互にその位置関係が逆になることから、カンバスの厚みが厚ければ厚いほどカンバスの厚みによって生ずる周速差により、湿紙にゆるみ作用と張り作用といった繰り返し作用が加わり、結果として湿紙面の荒れやあげくは断紙と言ったシートトラブル発生が新たな問題となってきている。よってシングルラン方式に適した厚みが薄く且つ寸法安定性に優れたプラスチック織物が求められている。また高速化に伴い搬送上の湿紙に対する気流の影響から部位によっては湿紙のフラッタリング等のトラブルも増加傾向にあり、気流の影響を低減するためにより通気度の低いものが求められている。本出願人は先に通気度の調整、寸法安定性を向上させたドライヤーカンバスとして実公平6−30880号公報にて、緯糸の一部あるいは全部に合成樹脂モノフィラメントを複数撚り合わせたモノフィラメント撚糸を使用したものを提案しているが、これでも十分な厚さ、通気度の低減、寸法安定性が得られなかった次第である。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記したような問題点を解決すべく、厚み及び通気度の低減、調整が可能であり、且つ寸法安定性にも優れた新規なプラスチック織物及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、プラスチック織物の厚みや通気度の低減のためにプラスチック織物を構成する経糸や緯糸の線径、形状、織組織等を検討してきたが、該線径を細くすれば厚みが薄くできるものの、プラスチック織物の剛性やバイアス方向の寸法安定性が低減し、使用時において該織物表面に皺の発生や織物自体の変形等による搬送時の走行トラブルが発生しやすくなる。そこで厚みの減少と寸法安定性の向上という相反した性能を備えるために、プラスチック織物の緯糸に種々のプラスチック糸を採用していくうちに緯糸が断面割れした場合に、厚み、通気度が低減すると同時にバイアス方向の寸法安定性も向上することを見出し本発明に至った次第である。
【0006】
すなわち本発明は、緯糸の一部又は全部がモノフィラメントから構成されるプラスチック織物であって、該モノフィラメントが単一のポリマーからなる少なくとも2つの突起部を有し、中央部付近を占める芯部とその周辺部を占める突起部とから構成された異形断面であり、少なくとも経糸との交叉部においてその断面領域において該芯部と該突起部とが一部又は全部分割してモノフィラメント片集合体を形成しており、該分割により形成されたモノフィラメント片集合体が横扁平化していることを特徴とする新規なプラスチック織物である。該モノフィラメントがプラスチック織物を構成する経糸により圧接され、経糸間に形成される空隙部を充填していることが好ましい。
【0007】
また本発明は、経糸と緯糸を製織して成るプラスチック織物の製造方法であって、該緯糸の一部又は全部に単一のポリマーからなる少なくとも2つの突起部を有した異形断面のモノフィラメントを使用し、経糸との製織時に該モノフィラメントを少なくとも経糸との交叉部においてその断面領域において該モノフィラメントの芯部と突起部とを一部又は全部分割させてモノフィラメント片集合体を形成させることを特徴とする新規なプラスチック織物の製造方法である。このような新規なプラスチック織物及びその製造方法を以て上記課題を解決するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について実施例の図に基づいて以下に詳細に説明する。図1は本発明のプラスチック織物の長さ方向の一部断面写真である。図2は図1の本発明のプラスチック織物の一部平面写真である。図3は製織前の分割可能なモノフィラメントを例示する異形断面モノフィラメントの断面写真である。図4は製織前後の異形断面モノフィラメントの断面形態変化を説明するためのフィラメント端部を示す写真であり、(A)が製織前の異形断面モノフィラメント、(B)が製織後の分割されたモノフィラメント片集合体である。図5はプラスチック織物の製織装置(織機)を説明するための簡略図である。但し、上記写真はそのままでは各部の判別が困難のため、一部縁取りを加筆しているものである。
【0009】
本発明の新規なプラスチック織物は、経糸と緯糸を製織して成るプラスチック織物であって、該緯糸の一部又は全部にその断面領域が複数に分割可能なモノフィラメントを採用することを特徴とするものである。ここで分割可能なモノフィラメントとしては特に限定するものではないが、プラスチック織物の製織時に少なくとも経糸との交叉部においてその断面領域が複数に分割され得るものであればよい。こうした分割され得るモノフィラメントとしては、例えばあるポリマーを第1成分とし他のポリマーを第2成分とする分割性複合モノフィラメントを用い該第1成分と該第2成分とを製織時に相互に剥離するタイプのものや、ある単一のポリマーからなるモノフィラメントであっても製織時のリード打ちによる打撃力により強制的に分割させ得るタイプのもの等が適宜選択可能である。
【0010】
また、該モノフィラメントが単一のポリマーから成ることが好ましい。上記分割性複合モノフィラメントとしては例えば単繊維の断面積比がポリエステル:ポリプロピレン=50:50の花弁型分割性複合繊維、十字型分割性複合繊維、井型分割性複合繊維、等が適宜採用可能であるが、これらの分割性複合繊維はその傾向として長さ方向全体に第1成分と第2成分とが分割しやすく、分割されたモノフィラメント片相互の拘束力が弱くなりやすい。これに対し上記単一のポリマーからなるモノフィラメントとしてはポリエステル等の引張強力、耐摩耗性、寸法安定性に優れた合成樹脂素材が適宜採用可能であるが、こうした単一ポリマーからなるものを製織時に強制分割する場合は経糸との交叉部が最も打撃力を受けやすく、少なくとも該経糸との交叉部においてはその断面領域が複数に分割するが、その長さ方向全体では完全に分割しにくく、断面分割されて形成されるモノフィラメント片相互が一部一体化したまま残存し相互の拘束力を維持するため寸法安定性の向上への寄与率が高くなるからである。
【0011】
また、分割可能なモノフィラメントとしては、少なくとも2つの突起部を有した異形断面モノフィラメントが好ましい。こうした異形断面モノフィラメントは、その断面領域において中央部付近を占める芯部とその周辺部を占める突起部とから構成されるため、製織時に該芯部と該突起部とがリード打ちに伴う打撃力により強制的に分割され、該芯部から構成されるモノフィラメント片、該突起部から構成されるモノフィラメント片、該芯部と該突起部とが一部分割しないまま構成されるモノフィラメント片等の集合体であるモノフィラメント片集合体を形成し易いものと成り得る。尚、ここでいう芯部とは分割された突起部の残りの部分を指しその形状を特定するものではない。該突起部についても同様である。
【0012】
また、本発明においては製織時に該モノフィラメントをその断面領域において複数に分割するため、製織時における経糸テンション、リード圧等による製織アクションにより、分割されて形成される複数のモノフィラメント片集合体が、経糸により押しつぶされ横扁平化する。また該モノフィラメントは製織の緯糸入れ時の若干の自然撚りはかかるがインチ単位での撚数レベルにおいては実質無撚りのモノフィラメント片集合体を形成している。よって、従来のモノフィラメント撚糸に比しより横扁平化しやすく経糸間に形成される空隙部を充填する。その結果として分割前の厚み方向寸法が分割後には大きく減少し、プラスチック織物としての厚みを低減し得る。また該空隙部が分割されたモノフィラメント片集合体により充填されることにより織り目間の空隙が減少し通気度が低減されたプラスチック織物と成り得る。さらに該分割されたモノフィラメント片集合体は、製織時の経糸テンションが作用した状態で分割、圧縮されているため、経糸により圧接され状態で横扁平化し経糸間にて形成される空隙部を充填しているため、経糸と緯糸との接触面積の増加と相まって経糸と緯糸との拘束力が強く寸法安定性に優れた新規なプラスチック織物と成り得る。
【0013】
以下、実施例を基に具体的にその実施の形態を説明する。例えば図3、図4(A)に示すようにその断面領域(4)において5つの突起部(5)、くびれ角度90度以下のくびれ部(9)を有した異形断面モノフィラメント(3a)を採用した場合、これを図5に示すような公知の製織装置による製織時において該異形断面モノフィラメントを強くリード打ちすることにより、少なくとも経糸との交叉部(7)においてその断面領域が複数に分割され、モノフィラメント片集合体(3b)が形成される。該モノフィラメント片集合体は、図1、図2、図4(B)に示すように、少なくとも経糸との交叉部においてその断面領域の中央部付近を占める芯部(6)とその周辺部を占める突起部(5)とが部分的に分割した一部分割又は全突起部が芯部から分割した全部分割されたモノフィラメント片から構成される。こうしてモノフィラメント片集合体は、製織時における経糸テンション、リード圧等による製織アクションにより押しつぶされ、横扁平化しさらに経糸間に形成される空隙部(8)を充填する。充填されている様子は図1にて確認される通りである。このような製織条件としては、例えば織機のベーシックテンションで0.03〜0.2g/dtexとなるべく経糸テンションを制御することが好ましいが、これに限定されるものではなく分割されるモノフィラメントに応じて適宜分割し得る条件設定すればよい。
【0014】
また、このように該空隙部を充填するためには少なくとも2つの突起部を有した異形断面モノフィラメントが好ましいが、より好ましくは4つ以上8つ以下である。突起部が3つ以下では該空隙部の充填率が低くなるのみならず経糸の圧接の影響が受けにくくなり経糸と緯糸との拘束力が低減し十分な寸法安定性の向上に寄与しにくくなる。また突起部が9つ以上であると製織時での分割が困難となり同様に該空隙部の充填率に劣ったものとなる。また突起部間のくびれ角度αも分割には重要な要素であり、該くびれ角αが90度以下が好ましい。
【0015】
本発明の新規なプラスチック織物は、緯糸の一部又は全部がその断面領域において分割可能なモノフィラメントから構成されるが、該分割可能なモノフィラメントをプラスチック織物を構成する上でどのように配置するかは用途に応じて適宜設定すればよい。例えば多重織組織から成るプラスチック織物の上層又は下層(又は中層)のいずれかのみに配置してもよい。このようなプラスチック織物は例えば濾過布用途に使用した場合、その厚み方向において空隙部の大小を調整し得ることから捕集物のタイプ、大小に応じて捕集性の向上やクリーニング時の逆洗浄性に優れた濾過布と成り得る。また他の緯糸と交互に配置してもよく、もちろん緯糸全てに配置してもよい。本発明のプラスチック織物は、その特異な特性から用途に応じて又求められる要求特性に応じて適宜分割可能なモノフィラメントを採用、配置することにより多種多様の機能を発現し得る新規なプラスチック織物と成り得る。
【0016】
尚、本発明におけるプラスチック織物を構成する経糸には、製織時に分割可能なモノフィラメントを複数の断面領域に分割しやすくするため曲げ剛性の高いモノフィラメントが好ましい。その断面形状においても円型断面、扁平断面、四角断面等適宜採用すればよい。経糸がマルチフィラメント糸やスパン糸であると曲げ剛性に劣り前記製織アクションによる断面領域分割率や充填率が低下するからである。
【0017】
以上、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてもよいことはいうまでもない。
【0018】
【実施例】
本発明を上記実施の形態にて説明した部分を含め、以下の実施例、比較例を以てより具体的に説明する。尚、本実施例におけるプラスチック織物のバイアス方向の寸法安定性の評価は、エーアンドディー社製引張強力試験機RTM−100を用いて、温度130℃雰囲気下において、プラスチック織物サンプル(10cm角、チャック巾40mm)をバイアス方向(経糸方向に対し45度の斜め方向)に引張速度20mm/minにて引張り、伸度と荷重の関係をグラフ化したものである。また通気度は、JIS l1096 A法に準じ測定したものである。
【0019】
(実施例1) 表1に示すような仕様にて、緯糸に外径0.9mmΦ、3890dtexの図3に示す5つの突起部を有した異形断面ポリエステルモノフィラメント(東レモノフィラメント社製、タイプ581D 5R)を用意し、図5に示す織機を用いて製織時に該緯糸を少なくとも経糸との交叉部においてその断面領域を複数に分割すべく、経糸テンションを調整、リード打ちし、図1、図2に示すような本発明の新規なプラスチック織物(実施例1)を得た。得られたプラスチック織物の厚み、通気度、バイアス方向の寸法安定性を評価した結果を表1及び図9に示す。尚、表1におけるPETはポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)を示す。
【0020】
【表1】
Figure 0004263343
【0021】
(実施例2) 表1に示すような仕様にて、実施例1と同様に製織し、図6に示すような本発明の新規なプラスチック織物(実施例2)を得た。得られたプラスチック織物の厚み、通気度、バイアス方向の寸法安定性を評価した結果を表1及び図9に示す。
【0022】
(比較例1) 表1に示すような仕様にて、実施例1における異形断面モノフィラメントに代えて外径0.6mmΦのポリエステルモノフィラメントを使用した以外は実施例1と同様に製織し、図7、図8に示すようなプラスチック織物(比較例1)を得た。得られたプラスチック織物の厚み、通気度、バイアス方向の寸法安定性を評価した結果を表1及び図9に示す。
【0023】
(比較例2) 表1に示すような仕様にて、実施例2における異形断面モノフィラメントに代えて外径0.6mmΦのポリエステルモノフィラメントを使用した以外は実施例2と同様に製織し、プラスチック織物(比較例2)を得た。得られたプラスチック織物の厚み、通気度、バイアス方向の寸法安定性を評価した結果を表1及び図9に示す。
【0024】
(比較例3) 表1に示すような仕様にて、実施例2における異形断面モノフィラメントに代えて6本のポリエステルモノフィラメント撚糸(外径0.25mmΦのポリエステルモノフィラメント2本を撚り合わせた(下撚数:4回/インチ)撚糸を用意し、これを3本撚り合わせた(上撚数:4回/インチ)もの)を使用した以外は実施例2と同様に製織し、プラスチック織物(比較例3)を得た。得られたプラスチック織物の厚み、通気度、バイアス方向の寸法安定性を評価した結果を表1及び図9に示す。
【0025】
上記した実施例1、2と比較例1、2、3との対比にて明らかなように本発明による新規なプラスチック織物は、従来のプラスチック織物に比し厚み及び通気度が低減され、且つバイアス方向の寸法安定性にも優れたプラスチック織物であることが確認された。特に通気度、寸法安定性の改善が顕著であり、これらの結果は、実施例、比較例における断面写真、平面写真から判断されるように、分割されて形成されたモノフィラメント片集合体が実質無撚り状態で経糸間で形成される空隙部にて幅広く横扁平化し、該空隙部の面積を減少させていることにより通気度が大きく減少したものと考えられる。また異形断面モノフィラメントは、製織時にその断面領域において複数に分割されているが、5つの突起部が5つとも分割されているものは少なく、いくつかは分割されないまま異形芯部を形成しており、且つ経糸との交叉部においては大きく変形している。また製織後の緯糸を抜き出して分割されたモノフィラメント片集合体を確認してみると、該モノフィラメント集合体は少なくとも経糸との交叉部においては分離可能であるがそれ以外の箇所は一体化しており分離不可能であった。このようなことから少なくとも経糸との交叉部においてその断面領域が複数に分割されても緯糸自体の剛直性が維持され、且つ経糸と緯糸との拘束力を高め、その結果プラスチック織物の寸法安定性の向上に大きく寄与したものと考えられる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の新規なプラスチック織物は、緯糸の一部又は全部がその断面領域において分割可能なモノフィラメントから構成され、該モノフィラメントが製織時に複数に分割され、且つ分割により形成されるモノフィラメント片集合体が経糸により圧接され横扁平化し、経糸間に形成される空隙部を充填するため、厚み、通気度を低減し、且つプラスチック織物のバイアス方向の寸法安定性の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた本発明のプラスチック織物の長さ方向の一部断面写真である。
【図2】 図1のプラスチック織物の一部平面写真である。
【図3】 製織前の分割可能なモノフィラメントを例示する異形断面モノフィラメントの断面写真である。
【図4】 製織前後の異形断面モノフィラメントの形態変化を説明するためのフィラメント端部を示す写真であり、(A)が製織前の異形断面モノフィラメント、(B)が製織後の分割された異形断面モノフィラメントである。
【図5】 プラスチック織物の製織装置を説明するための簡略図である。
【図6】 実施例2で得られた本発明のプラスチック織物の長さ方向の一部断面写真である。
【図7】 本発明の比較例1のプラスチック織物の長さ方向の一部断面写真である。
【図8】 図7のプラスチック織物の一部平面写真である。
【図9】 プラスチック織物のバイアス方向の寸法安定性グラフである。
【符号の説明】
1 新規なプラスチック織物
2 経糸
3 緯糸
3a 異形断面モノフィラメント
3b モノフィラメント片集合体
4 断面領域
5 突起部
6 芯部
7 経糸と緯糸の交叉部
8 経糸間に形成される空隙部
9 くびれ部
10 製織装置(織機)
11 経糸送り出し部
11a 経糸巻き取りビーム
12 経糸テンションコントロール部
13 経糸開口部
14 リード
16 巻き取り部
17 ガイドローラー

Claims (3)

  1. 緯糸の一部又は全部がモノフィラメントから構成されるプラスチック織物であって、該モノフィラメントが単一のポリマーからなる少なくとも2つの突起部を有し、中央部付近を占める芯部とその周辺部を占める突起部とから構成された異形断面であり、少なくとも経糸との交叉部においてその断面領域において該芯部と該突起部とが一部又は全部分割してモノフィラメント片集合体を形成しており、該分割により形成されたモノフィラメント片集合体が横扁平化していることを特徴とする新規なプラスチック織物。
  2. モノフィラメントが、プラスチック織物を構成する経糸により圧接されており、経糸間に形成される空隙部を充填していることを特徴とする請求項に記載の新規なプラスチック織物。
  3. 経糸と緯糸を製織して成るプラスチック織物の製造方法であって、該緯糸の一部又は全部に単一のポリマーからなる少なくとも2つの突起部を有した異形断面のモノフィラメントを使用し、経糸との製織時に該モノフィラメントを少なくとも経糸との交叉部においてその断面領域において該モノフィラメントの芯部と突起部とを一部又は全部分割させてモノフィラメント片集合体を形成させることを特徴とする請求項1に記載の新規なプラスチック織物の製造方法。
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