JP2002088304A - シリカ系コーティング剤、シリカ薄膜の製造方法およびシリカ薄膜 - Google Patents
シリカ系コーティング剤、シリカ薄膜の製造方法およびシリカ薄膜Info
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Abstract
での乾燥・熱処理で、クラックの発生が少ない強固なシ
リカ薄膜を与えるシリカ系コーティング剤、シリカ薄膜
および該シリカ薄膜を有する構造体を提供する。 【解決手段】 アルキル基の炭素数が1〜3のテトラア
ルコキシシラン、この部分加水分解物およびそのオリゴ
マーの中から選ばれる少なくとも1種を加水分解、縮合
させてなる重量平均分子量85,000〜500,00
0のシリカゾルを含むシリカ系コーティング剤、ゾル−
ゲル法により得られたシリカ薄膜であって、膜表面の水
接触角が35°以下であるシリカ薄膜、および上記シリ
カ薄膜を有する構造体である。
Description
ング剤、それを用いたシリカ薄膜の製造方法、シリカ薄
膜およびシリカ薄膜を有する構造体に関する。さらに詳
しくは、本発明は、ゾル−ゲル法により調製され、かつ
200℃以下の低温熱処理で、クラックの発生がほとん
どない上、乾燥・熱処理時の膜厚収縮率が小さい強固な
シリカ薄膜を与えるシリカ系コーティング剤、このコー
ティング剤を用いたシリカ薄膜の製造方法、上記性能を
有するゾル−ゲル法により得られたシリカ薄膜、および
該シリカ薄膜を有する構造体に関するものである。
性、耐食性などに優れていることから、例えば半導体素
子における半導体基板と金属配線層との間または金属配
線層間の絶縁膜、半導体基板上に設けられた金属配線層
などにより生じた凹凸を平坦化するための被膜、液晶表
示セルにおけるガラス基板とITO(インジウムチンオ
キシド)膜との間、透明電極と配向膜との間などに設け
られる絶縁膜などとして広く用いられている。
としては、各種の方法が知られているが、一般に純度の
よいシリカ膜を作製できるゾル−ゲル法が多用されてい
る。このゾル−ゲル法は、アルコールを主体とする有機
溶媒中にアルコキシシランを溶解し、加水分解、縮合さ
せて塗布液を調製したのち、これを塗布し、熱処理して
シリカ膜を形成する方法である。このようなゾル−ゲル
法においては、ち密なガラス質のシリカ膜を得るために
は、少なくとも600℃以上の熱処理が必要となる。
や耐摩耗性を有するハードコートフィルムは、例えば、
車両、建物などの窓ガラスや窓用プラスチックボードな
どの表面貼付用として、あるいはCRTディスプレイや
フラットパネルディスプレイなどの保護用などとして広
く用いられている。また、プラスチックレンズは、ガラ
スレンズに比べて、軽量でかつ安全性、加工性、ファッ
ション性などに優れていることから、近年急速に普及し
てきている。しかしながら、このプラスチックレンズ
は、ガラスレンズに比べて傷が付きやすいという欠点を
有しており、したがって、その表面をハードコート層で
被覆することが行われている。
チックレンズに設けられるハードコート層の材料として
は、一般に、ゾル−ゲル法によるシリカ系コーティング
剤が用いられる。しかしながら、この場合、有機基材に
適用されるため、コーティング膜の高温熱処理が不可能
であって、通常200℃以下の温度で熱処理が行われ
る。その結果、ち密で強固なシリカ膜が形成されにくい
上、原料であるアルコキシシランのアルコキシル基が膜
中に残存していることが多く、経時的にその脱離反応が
進行して、クラック発生の原因となることが多い。
術としては、例えば低級アルキルシリケートをメタノー
ルやエタノール中で加水分解して調製したアルコール性
シリカゾルをコーティングして、室温〜100℃の低温
で加熱処理することにより、強固な膜を形成し得ること
が開示されている(特開平6−52796号公報)。し
かしながら、この公報に記載されている実施例において
は、アルキルシリケートの濃度が低く、かつ反応時間も
5時間と短いため、ゾルの成長が不十分であって、成膜
後の膜収縮も大きいことが考えられ、成膜時に斑が発生
するおそれがある。
事情のもとで、ゾル−ゲル法により調製され、かつ20
0℃以下の低温熱処理で、クラックの発生がほとんどな
い上、乾燥・熱処理時の膜厚収縮率が小さい強固なシリ
カ薄膜を与えるシリカ系コーティング剤、このコーティ
ング剤を用いたシリカ薄膜の製造方法、上記性能を有す
るゾル−ゲル法により得られたシリカ薄膜、および該シ
リカ薄膜を有する構造体を提供することを目的とするも
のである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、残存アルコキ
シル基の経時による脱離に伴い、シリカ膜にクラックな
どが発生するのを抑制するため、ゾル−ゲル反応におけ
る加水分解、縮合時にアルコキシル基の少ないシリカ前
駆体を作製し、その前駆体の分子量をある範囲に調節す
ることによって、200℃以下の温度で熱処理を施すの
みで、クラックなどの発生のない強固なシリカ膜が得ら
れること、また、成膜後の膜表面の水接触角をある値以
下にすることで、残存アルコキシル基を低減させること
になり、該アルコキシル基の経時による脱離に伴うクラ
ックの発生を抑制し得ること、さらに、成膜後、特定の
条件で熱処理した際の膜収縮率をある値以下にすること
により、成膜後の経時変化が少なく、ヒートサイクル試
験においても膜にクラックが発生しないことを見出し
た。
ものである。すなわち、本発明は、 (1)一般式(I) Si(OR)4 …(I) (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つの
ORはたがいに同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れるテトラアルコキシシラン、この部分加水分解物およ
びその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なく
とも1種を加水分解、縮合させてなる、重量平均分子量
85,000〜500,000のシリカゾルを含むこと
を特徴とするシリカ系コーティング剤、(2)基材表面
に、上記シリカ系コーティング剤を塗布したのち、乾燥
・熱処理することを特徴とするシリカ薄膜の製造方法、
(3)ゾル−ゲル法により得られたシリカ薄膜であっ
て、膜表面の水接触角が35°以下であることを特徴と
するシリカ薄膜、(4)上記(1)のシリカ系コーティ
ング剤を用いて形成されたシリカ薄膜を有することを特
徴とする構造体、および(5)上記(3)のシリカ薄膜
を有することを特徴とする構造体を提供するものであ
る。
においては、原料として、一般式(I) Si(OR)4 …(I) で表されるテトラアルコキシシランが用いられる。上記
一般式(I)において、Rは炭素数1〜3のアルキル
基、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基お
よびイソプロピル基である。4つのORはたがいに同一
でも異なっていてもよい。Rが炭素数4以上である場
合、加水分解性が悪くて、所望の重量平均分子量を有す
るシリカゾルが得られにくく、また、得られた膜表面の
水接触角も35°以下になりにくい。
キシシランの例としては、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライ
ソプロポキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、プ
ロポキシトリメトキシシラン、イソプロポキシトリメト
キシシラン、メトキシトリエトキシシラン、プロポキシ
トリエトキシシラン、イソプロポキシトリエトキシシラ
ン、メトキシトリプロポキシシラン、エトキシトリプロ
ポキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、ジメトキ
シジプロポキシシランなどが挙げられるが、これらの中
でテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン
が、加水分解性および入手の容易さなどの点で好まし
い。本発明においては、これらのテトラアルコキシシラ
ンを用いてもよいし、その部分加水分解物を用いてもよ
く、また、その加水分解縮合物であるオリゴマーを用い
てもよい。あるいは、これらの混合物を用いることもで
きる。
ル、ケトン、エーテルなどの適当な極性溶剤中におい
て、塩酸、硫酸、硝酸などの酸、あるいは固体酸として
のカチオン交換樹脂を用い、通常0〜60℃、好ましく
20〜40℃の温度において実施され、重量平均分子量
85,000〜500,000の範囲のシリカゾルを形
成させる。このシリカゾルの重量平均分子量が85,0
00未満では、得られるシリカ膜は、膜表面の水接触角
が35°以下になりにくく、かつ成膜後の膜収縮率も大
きく、経時によりクラックなどが発生する。一方、重量
平均分子量が500,000を超えると溶剤への溶解性
が低下し、均一なシリカゾルが形成されにくく、目的と
するコーティング剤が得られない。なお、上記重量平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値であ
る。
た場合には、それを除去したのち、SiO2換算濃度
が、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1
〜10重量%の範囲になるように、アルコール、ケト
ン、エーテルなどの適当な極性溶剤で希釈することによ
り、本発明のシリカ系コーティング剤を調製する。
コーティング剤は、適当な基材表面に塗布し、80℃
で、1時間乾燥処理してなる膜表面の水接触角が、通常
35°以下、好ましくは30°以下、より好ましくは2
5°以下である。この水接触角が35°を超える場合、
膜中に残存する原料のテトラアルコキシシランに由来す
るアルコキシル基の量が多く、該アルキル基の経時によ
る脱離に伴い、クラックなどが発生しやすくなる。ま
た、以下に示す方法で求められる膜厚の収縮率も大きく
なる。
は、シリコンウェーハ表面に塗布し、80℃で1時間乾
燥処理後、500℃で30分間熱処理した際の膜厚の収
縮率が、通常15%以下、好ましくは12%以下であ
る。この収縮率が15%を超えると、後述のヒートサイ
クル試験においてクラックが発生する。すなわち、経時
によりクラックが発生しやすくなる。
は、基材表面に、前記のシリカ系コーティング剤を塗布
したのち、乾燥・熱処理することにより、シリカ薄膜を
形成させる。この際、基材としては、無機基材および有
機基材のいずれも用いることができるが、本発明におい
ては、200℃以下の温度で、乾燥・熱処理することか
ら、耐熱性の低い有機基材に対して特に有用である。2
00℃以下の温度で、乾燥・熱処理しても、クラックな
どの発生のない強固なシリカ薄膜が得られる。
プコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バー
コート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレード
コート法、ダイコート法、グラビアコート法などの公知
の手段を用いることができる。また、形成されるシリカ
薄膜の厚さは、通常1μm以下、好ましくは0.01〜
0.7μm、より好ましくは0.05〜0.5μmの範
囲である。
着性を向上させるために、所望により、酸化法や凹凸化
法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法
としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿
式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理な
どが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンド
ブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表
面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれる。なお、本
発明における有機基材は、有機系材料以外の材料、例え
ば金属系材料、ガラスやセラミックス系材料、その他各
種無機系または金属系材料からなる基材の表面に、有機
系塗膜を有するものも包含する。
たものであって、表面の水接触角が35°以下、好まし
くは30°以下、より好ましくは25°以下であるシリ
カ薄膜をも提供する。この本発明のシリカ薄膜は、80
℃で1時間乾燥処理した膜を、500℃で30分間熱処
理した際の膜厚の収縮率が、通常15%以下、好ましく
は12%以下である。上記の性状を有する本発明のシリ
カ薄膜は、経時による変化が少なく、また、後述のヒー
トサイクル試験を行ってもクラックの発生が認められな
い。
ィング剤を用いて形成されたシリカ薄膜を有する構造
体、および上記のゾル−ゲル法により得られ、表面の水
接触角が35°以下、好ましくは30°以下、より好ま
しくは25°以下であるシリカ薄膜を有する構造体をも
提供する。前者の構造体においては、シリカ薄膜の形成
に、本発明の方法を適用することができる。
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
%、0.1モル/リットル硝酸水溶液をテトラメトキシ
シランの6倍モルの水となるように2−メトキシエタノ
ールに添加した。これを、30℃で24時間反応を行っ
た。この溶液をジメチルホルムアミド(DMF)で希釈
して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C、キャリアー:DMF、検量線物質:ポリスチレン)
で分子量測定を行ったところ、重量平均分子量9600
0であった。この溶液をSiO2換算で2重量%及び4
重量%になるように2−メトキシエタノールで希釈し
た。2重量%の調製液をシリコンウェーハ上に、4重量
%溶液をアクリル基板およびガラス基板上に3000r
pm、30秒の条件でスピンコートし、80℃で1時間
乾燥した。
水接触角を測定したところ、20°であった。次にこの
膜をエリブソメータ(溝尻光学工業所製DVA−36V
W)を用いて膜厚を測定したところ、75.9nmであ
った。これを、500℃、30分加熱した後再び膜厚を
測定したところ、70.0nmであり、膜厚収縮率は
7.8%であった。
プルの評価〉ヒートサイクル試験器を用いて、70℃/
2時間、−20℃まで降温/2時間、−20℃/2時
間、70℃まで昇温/2時間を1サイクルとして、5サ
イクル耐久試験を行った。この後、表面状態を確認した
ところ、いずれの基板においても、シリカ膜にはクラッ
ク等の発生は見られなかった。
ンのオリゴマー]をSiO2換算濃度が16重量%、
0.1モル/リットル硝酸水溶液をMS−51の4倍モ
ルの水となるようにメチルエチルケトンに添加した。こ
れを、30℃で24時間反応を行った。この溶液をDM
Fで希釈して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC、キャリアー:DMF、検量線物質:ポリス
チレン)で分子量測定を行ったところ、重量平均分子量
154800であった。この溶液をSiO2換算で2重
量%及び4重量%になるように2−メトキシエタノール
で希釈した。2重量%の調製液をシリコンウェーハ上
に、4重量%溶液をアクリル基板およびガラス基板上に
3000rpm、30秒の条件でスピンコートし、80
℃で1時間乾燥した。
水接触角を測定したところ、16°であった。次にこの
膜をエリブソメータ(溝尻光学工業所製DVA−36V
W)を用いて膜厚を測定したところ、73.3nmであ
った。これを、500℃、30分加熱した後再び膜厚を
測定したところ、66.1nmであり、膜厚収縮率は
9.8%であった。
プルの評価〉ヒートサイクル試験器を用いて、70℃/
2時間、−20℃まで降温/2時間、−20℃/2時
間、70℃まで昇温/2時間を1サイクルとして、5サ
イクル耐久試験を行った。この後、表面状態を確認した
ところ、いずれの基板においても、シリカ膜にはクラッ
ク等の発生は見られなかった。
%、1モル/リットル硝酸水溶液をテトラメトキシシラ
ンの6倍モルの水となるように2−プロパノールに添加
した。これを、30℃で24時間反応を行った。この溶
液をDMFで希釈して、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC、キャリアー:DMF、検量線物
質:ポリスチレン)で分子量測定を行ったところ、重量
平均分子量340500であった。この溶液をSiO2
換算で2重量%及び4重量%になるように2−メトキシ
エタノールで希釈した。2重量%の調製液をシリコンウ
ェーハ上に、4重量%溶液をアクリル基板およびガラス
基板上に3000rpm、30秒の条件でスピンコート
し、80℃で1時間乾燥した。
水接触角を測定したところ、22°であった。次にこの
膜をエリブソメータ(溝尻光学工業所製DVA−36V
W)を用いて膜厚を測定したところ、99.6nmであ
った。これを、500℃、30分加熱した後再び膜厚を
測定したところ、89.8nmであり、膜厚収縮率は
9.8%であった。
プルの評価〉ヒートサイクル試験器を用いて、70℃/
2時間、−20℃まで降温/2時間、−20℃/2時
間、70℃まで昇温/2時間を1サイクルとして、5サ
イクル耐久試験を行った。この後、表面状態を確認した
ところ、いずれの基板においても、シリカ膜にはクラッ
ク等の発生は見られなかった。
%、0.1モル/リットル硝酸水溶液をテトラエトキシ
シランの4倍モルの水となるように2−プロパノールに
添加した。これを、30℃で24時間反応を行った。こ
の溶液をDMFで希釈して、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC、キャリアー:DMF、検量線
物質:ポリスチレン)で分子量測定を行ったところ、重
量平均分子量72200であった。この溶液をSiO2
換算で2重量%及び4重量%になるように2−メトキシ
エタノールで希釈した。2重量%の調製液をシリコンウ
ェーハ上に、4重量%溶液をアクリル基板およびガラス
基板上に3000rpm、30秒の条件でスピンコート
し、80℃で1時間乾燥した。
水接触角を測定したところ、38°であった。次にこの
膜をエリブソメータ(溝尻光学工業所製DVA−36V
W)を用いて膜厚を測定したところ、234.6nmで
あった。これを、500℃、30分加熱した後再び膜厚
を測定したところ、185.2nmであり、膜厚収縮率
は21.1%であった。
プルの評価〉ヒートサイクル試験器を用いて、70℃/
2時間、−20℃まで降温/2時間、−20℃/2時
間、70℃まで昇温/2時間を1サイクルとして、5サ
イクル耐久試験を行った。この後、表面状態を確認した
ところ、いずれの基板においても、シリカ膜にクラック
等の発生が確認された。
%、0.1モル/リットル硝酸水溶液をテトラエトキシ
シランの4倍モルの水となるようにメチルエチルケトン
に添加した。これを、30℃で24時間反応を行った。
この溶液をDMFで希釈して、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC、キャリアー:DMF、検量
線物質:ポリスチレン)で分子量測定を行ったところ、
重量平均分子量82900であった。この溶液をSiO
2換算で2重量%及び4重量%になるように2−メトキ
シエタノールで希釈した。2重量%の調製液をシリコン
ウェーハ上に、4重量%溶液をアクリル基板およびガラ
ス基板上に3000rpm、30秒の条件でスピンコー
トし、80℃で1時間乾燥した。
水接触角を測定したところ、37°であった。次にこの
膜をエリブソメータ(溝尻光学工業所製DVA−36V
W)を用いて膜厚を測定したところ、184.6nmで
あった。これを、500℃、30分加熱した後再び膜厚
を測定したところ、153.6nmであり、膜厚収縮率
は16.8%であった。
プルの評価〉ヒートサイクル試験器を用いて、70℃/
2時間、−20℃まで降温/2時間、−20℃/2時
間、70℃まで昇温/2時間を1サイクルとして、5サ
イクル耐久試験を行った。この後、表面状態を確認した
ところ、いずれの基板においても、シリカ膜にクラック
等の発生が確認された。
%、1モル/リットル硝酸水溶液をテトラメトキシシラ
ンの20倍モルの水となるように2−プロパノールに添
加した。これを、30℃で48時間反応を行った。この
溶液をDMFで希釈して、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC、キャリアー:DMF、検量線物
質:ポリスチレン)で分子量測定を行ったところ、重量
平均分子量550,000であった。この溶液をSiO
2換算で2重量%及び4重量%になるように2−メトキ
シエタノールで希釈して塗布液を調製しようとしたが、
沈殿物が生じ、均一なシリカゾルからなる塗布液が得ら
れず、成膜が不可能であった。
ル−ゲル法により調製されたものであって、200℃以
下の低温熱処理で、クラックの発生がほとんどない上、
乾燥・熱処理時の膜厚収縮率が小さい強固なシリカ薄膜
を有機および無機基材いずれにも与える。中でも耐熱性
の低い有機基材に好適に適用することができる。
ばハードコートフィルムやプラスチックレンズに設けら
れるハードコート層の材料として、さらには半導体素子
における絶縁膜や平坦化膜、液晶表示セルにおける絶縁
膜などの材料として、好適に用いられる。
Claims (9)
- 【請求項1】 一般式(I) Si(OR)4 …(I) (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つの
ORはたがいに同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れるテトラアルコキシシラン、この部分加水分解物およ
びその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なく
とも1種を加水分解、縮合させてなる、重量平均分子量
85,000〜500,000のシリカゾルを含むこと
を特徴とするシリカ系コーティング剤。 - 【請求項2】 基材表面に塗布し、80℃で、1時間乾
燥処理してなる膜表面の水接触角が35°以下である請
求項1に記載のシリカ系コーティング剤。 - 【請求項3】 シリコンウェーハ表面に塗布し、80℃
で1時間乾燥処理後、500℃で30分間熱処理した際
の膜厚の収縮率が15%以下である請求項1または2に
記載のシリカ系コーティング剤。 - 【請求項4】 基材表面に、請求項1、2または3に記
載のシリカ系コーティング剤を塗布したのち、乾燥・熱
処理することを特徴とするシリカ薄膜の製造方法。 - 【請求項5】 ゾル−ゲル法により得られたシリカ薄膜
であって、膜表面の水接触角が35°以下であることを
特徴とするシリカ薄膜。 - 【請求項6】 80℃で1時間乾燥処理した膜を、50
0℃で30分間熱処理した際の膜厚の収縮率が15%以
下である請求項5に記載のシリカ薄膜。 - 【請求項7】 請求項1、2または3に記載のシリカ系
コーティング剤を用いて形成されたシリカ薄膜を有する
ことを特徴とする構造体。 - 【請求項8】 シリカ薄膜が請求項4に記載の方法によ
り形成されたものである請求項7に記載の構造体。 - 【請求項9】 請求項5または6に記載のシリカ薄膜を
有することを特徴とする構造体。
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