JP2002088264A - 生分解性樹脂組成物およびこれを成形してなる成形品、生活用資材、農業用資材 - Google Patents

生分解性樹脂組成物およびこれを成形してなる成形品、生活用資材、農業用資材

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JP2002088264A
JP2002088264A JP2000276451A JP2000276451A JP2002088264A JP 2002088264 A JP2002088264 A JP 2002088264A JP 2000276451 A JP2000276451 A JP 2000276451A JP 2000276451 A JP2000276451 A JP 2000276451A JP 2002088264 A JP2002088264 A JP 2002088264A
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biodegradable resin
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chlorella
plant
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JP2000276451A
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Shigeru Oyama
茂 大山
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Idemitsu Technofine Co Ltd
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Idemitsu Technofine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生分解性が高く、強度および保存安定性の高い
生分解性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】イネ科に属する植物を粉砕して得られる植
物微粉末および/またはクロレラと生分解性樹脂とから
なり、植物微粉末および/またはクロレラとして、平均
粒径300μm以下および含有油脂分5wt%以下のも
のを採用するとともに、その含有量は、0.1〜90w
t%であり、一方、生分解性樹脂の含有量は、99.9
〜10wt%である生分解性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性樹脂組成
物およびこれを成形してなる成形品、生活用資材、農業
用資材に関する。
【0002】
【背景技術】近年、我々の生活が環境に及ぼす影響を低
減させるため、様々な生活用品のリサイクル技術の開発
が盛んに行われている。しかしながら、我々の生活習慣
は、多種多様であり、リサイクル効率やリサイクルコス
トを考慮した場合に、回収不可能なリサイクルできない
プラスチック製品が多数存在する。
【0003】特に、生ゴミの堆肥化促進に関する法規制
等が実施されるに至り、コンポスト装置に投入した後の
容器(ゴミ袋)の生分解性が問題となっており、短時間
で分解するゴミ袋が要望されている。また、農業用フィ
ルム等の資材においても、廃棄物低減等の観点から、一
定期間使用後には、土中で自然分解するものが要望され
ている。このような要望に応えるべく、種々の生分解性
樹脂が注目を集めているが、生分解性樹脂単独では、そ
の分解速度が不十分であり、上記問題の十分な解決策と
はなり得ていない。
【0004】このような生分解性樹脂の分解を促進する
観点からの技術としては、(1)生分解性プラスチックか
らなる成形品の裏面に紫外線照射して得られる成形物
(特開2000−103885号公報)等が知られてい
る。
【0005】一方、現在、食品残渣の有効利用として、
小麦製粉副産物であるフスマや、胚芽は、再度食品添加
物や家畜飼料として再利用されている。また、健康食品
として用いられる微生物であるクロレラも、内容物抽出
後の残渣が家畜飼料として再利用されている。しかしな
がら、そのリサイクル量は、実際の廃棄量よりも少ない
のが現実であり、さらなる再利用方法の開発が要望され
ている。このような再利用の観点から、小麦製粉副産物
等の食品残渣を各種樹脂に添加する試みがなされてお
り、現在までのところ、以下のような技術が開示されて
いる。
【0006】(2)植物性食品残廃物からなる主原料と硬
化剤としてのポリプロピレンまたはポリエチレンとから
なるボード材(特開2000−87499号公報)、
(3)脱脂大豆や小麦製粉副産物等を利用した植物性発泡
剤とポリプロピレンとデンプン系添加剤と水とを混合
し、押し出し発泡させることによる緩衝材の製造方法
(特開平9−111029号公報)、(4)小麦フスマに
ゼラチンを混合して成形した生分解性成形物(特開平8
−333514号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)に示した技術のように、紫外線等の放射線照射によ
り構成樹脂を低分子量化する手法では、フィルム等の薄
膜製品に応用した場合に、強度と分解性のバランス制御
が難しいという問題がある。一方、フスマ等の小麦製粉
副産物は、生分解性樹脂の分解促進剤として、有効であ
ることが知られてはいるものの、その用途は、発泡体
や、強度の必要のないものがほとんどであり、その他の
用途には利用されていない。
【0008】本発明の目的は、生分解性が高く、強度お
よび保存安定性の高い生分解性樹脂組成物およびこれを
成形してなる成形品、生活用資材、農業用資材を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る生分解性樹
脂組成物は、イネ科に属する植物を粉砕して得られる植
物微粉末および/またはクロレラと、生分解性樹脂とか
らなる樹脂組成物であって、前記植物微粉末および/ま
たはクロレラは、平均粒径300μm以下および含有油
脂分5wt%以下であるとともに、前記植物微粉末およ
び/またはクロレラの含有量は、0.1〜90wt%で
あり、前記生分解性樹脂の含有量は、99.9〜10w
t%であることを特徴とする。
【0010】本発明において、イネ科に属する植物とし
ては、特に限定はなく、イネ、トウモロコシ、コムギ、
オオムギ、エンバク、ライムギ、キビ、ヒエ、アワ、エ
ノコログサ、キンエノコロ、ジュズダマ、ハトムギ、シ
バ、カズノコグサ、ススキ、オガルカヤ、マダケ、モウ
ソウチク、サトウキビ等が挙げられるが、イネ科コムギ
属に属する植物であることが好ましい。
【0011】特に、イネ科コムギ属に属する植物の胚
乳、表皮、および胚芽の少なくとも1つから選ばれた植
物構成要素の微粉末であることが好ましい。イネ科コム
ギ属に属する植物としては、コムギ等が挙げられる。ま
た、クロレラとしては、Chlorella属の単細胞緑藻であ
れば、特に限定はないが、クロレラから内容物を抽出し
たクロレラ残渣物を採用することが好ましい。
【0012】植物微粉末および/またはクロレラの平均
粒径は、上記のように300μm以下であることが好ま
しいが、用途に応じて適宜調節すればよい。例えば、ゴ
ミ袋等に用いられるフィルム用途においては、30μm
以下、特に10μm以下であることが理想的である。す
なわち、フィルム厚みが40〜50μm以下(通常30
μm以下)である場合、配合粒子系も平均粒径で10μ
m、最大粒径で32μm以下、好ましくは最大粒径で1
6μm以下であることが、物理的に必要である。
【0013】植物微粉末および/またはクロレラの平均
粒径が小さくなれば、一定容積中に分散している植物微
粉末等の数が多くなり、微生物による分解作用を受けや
すくなるために、樹脂全体の分解性に優れることとな
る。また、平均粒径が小さいほど、一定量の植物微粉末
等を配合した場合の樹脂の強度低下が小さくなる。
【0014】植物微粉末の製造方法としては、所望の平
均粒径の微粉末が得られる方法であれば、特に限定はな
いが、例えば、ボールミルによる第1粉砕工程およびジ
ェットミルによる第2粉砕工程を用いた粉砕方法、ロー
ルミルによる第1粉砕工程、ボールミルによる第2粉砕
工程およびジェットミルによる第3粉砕工程を用いた粉
砕方法、または高速回転ミルによる第1粉砕工程および
ジェットミルによる第2粉砕工程を用いた粉砕方法等を
採用することができる。また、植物微粉末および/また
はクロレラにおける含有油脂成分の調整法としては、レ
タリング法、圧搾法、抽出法等を適宜選択して行えばよ
い。
【0015】植物微粉末および/またはクロレラの含有
率(配合率)は、上記のように0.1〜90wt%であ
ることが好ましく、より好ましくは、1〜50wt%、
より一層好ましくは3〜30wt%である。配合率が高
いと、樹脂の生分解速度は向上するが、強度低下を招く
こととなる。したがって、使用目的等に応じ、生分解性
と強度の両面を考慮して、上記範囲内で適宜配合量を設
定することとなる。
【0016】生分解性樹脂としては、特に限定はない
が、多糖系樹脂、ポリペプチド系樹脂、微生物産生ポリ
エステル系樹脂(以上、天然系生分解性ポリマー)、脂
肪族ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリエステル−
エーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ酸無水
物、およびポリアミノ酸誘導体(以上、合成系生分解性
ポリマー)の少なくとも1つから選ばれたものであるこ
とが好ましい。
【0017】ここで、多糖系樹脂としては、デンプン、
セルロース、微生物セルロース、キチン、キトサン、ブ
ルラン、カードラン、アルギン酸、ヒアルロン酸、デキ
ストラン等が挙げられる。ポリペプチド系樹脂として
は、グルテン、ゼイン、コラーゲン、ゼラチン、フィブ
ロイン、セリシン、ケラチン、大豆タンパク、カゼイ
ン、血清アルブミン、フィブリノーゲン、ポリアミノ酸
等が挙げられる。ポリアミノ酸としては、納豆菌の産生
するポリグルタミン酸、カビの産生するポリリジンが挙
げられる。
【0018】微生物産生ポリエステル樹脂としては、po
ly(3-hydroxybutyrate)(PHB)、poly(3-hydoroxybu
tyrate-co-3-hydroxyvalerate)(PHB/HV)、poly
(3-hydroxyalkanoate)(PHA)等が挙げられる。脂肪
族ポリエステル系樹脂としては、ポリカプロラクトン、
ポリオキシ酸、ポリリンゴ酸とその誘導体、ポリコハク
酸ブチレンとその誘導体、ポリ乳酸、α−ポリリンゴ酸
等の重縮合型ポリエステル等が挙げられる。ポリアミド
としては、2-pyrolidoneのアニオン開環重合によって得
られるナイロン4、ε−カプロラクタムとε−カプロラ
クトンとのアニオン共重合体等が挙げられる。
【0019】ポリエステル−エーテル樹脂としては、po
lydioxanone、polydioxepanone、3-methyl-4-oxa-6-hex
anolideの重合体等が挙げられる。ポリカーボネートと
しては、種々の脂肪族ポリカーボネートが挙げられる
が、例えば、トリメチレンカーボネートの重合体、エチ
レンオキシドと炭酸ガスとの交互重合体等が挙げられ
る。
【0020】ポリ酸無水物としては、ジカルボン酸に無
水酢酸を作用させて高温真空下で酢酸を留去することで
合成される種々のポリ酸無水物が挙げられ、例えば、1,
3-bis(p-carboxyphenoxy)propaneとセバシン酸との共縮
合から合成されるポリ酸無水物等が挙げられる。ポリア
ミノ酸誘導体としては、1種または2〜3種のアミノ酸
を単位とするポリマーが挙げられる。
【0021】本発明によれば、イネ科に属する植物を粉
砕して得られる植物微粉末および/またはクロレラと生
分解性樹脂とからなる樹脂組成物であるから、生分解性
樹脂のみからなる樹脂組成物と比べて、生分解性を向上
させることができる。また、平均粒径300μm以下の
植物微粉末および/またはクロレラを、0.1〜90w
t%含有する樹脂組成物であるから、粒径の大きな微粉
末を同量配合した場合よりも、本発明の生分解性樹脂組
成物から得られる成形品の強度低下を防止することがで
きる。
【0022】さらに、粒径制御により、フィルム等の厚
みのない成形素材への展開が可能であるとともに、シー
ト等の厚みのある素材中に添加した場合、粒径の大きな
場合よりも、より均一に分散することとなり、生分解速
度の短縮が可能となる。そして、植物微粉末および/ま
たはクロレラとして、含有油脂分5%以下のものを用い
ているから、加熱成形時の油脂の劣化が少なく、製品の
安定性および保存安定性にも優れることとなる。
【0023】また、本発明に係る生分解性樹脂組成物
は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の生分解性
樹脂組成物と、熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とす
る。ここで、熱可塑性樹脂としては、任意の熱可塑性樹
脂を採用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂、2種類以上のオ
レフィンの共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアル
コール共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アイ
オノマー等を採用できる。
【0024】なお、生分解性樹脂組成物と、熱可塑性樹
脂との配合割合としては、両成分が混合されていれば、
特に限定はないが、生分解性樹脂組成物0.1〜99w
t%(熱可塑性樹脂99.9〜1wt%)が好ましく、
より好ましくは、1〜90wt%(熱可塑性樹脂99〜
10wt%)である。熱可塑性樹脂組成物が0.1wt
%未満では、十分な生分解性の効果が得られないことが
ある。一方、生分解性樹脂組成物が99wt%を超える
と、十分な強度が得られないことがある。
【0025】また、熱可塑性樹脂中には、必要に応じ
て、充填剤(炭酸カルシウム、タルク等)、滑剤、帯電
防止剤、可塑剤、着色剤等を含有させておいてもよい。
滑剤としては、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、
ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン
酸亜鉛等が挙げられる。また、帯電防止剤としては、高
級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アミン類等が挙
げられる。これらの各種添加剤の配合割合については、
特に制限はなく、適宜決めればよい。通常、熱可塑性樹
脂100重量部に対して、0.001〜50重量部、好
ましくは、0.005〜30重量部配合することとな
る。
【0026】本発明によれば、上述の生分解性樹脂と熱
可塑性樹脂とを含む生分解性樹脂組成物であるから、生
分解性の多少の低下は見られるものの、当該樹脂組成物
を成形して得られる成形品の成形性および強度を向上す
ることができ、強度を必要とする用途に適した生分解性
樹脂組成物とすることができる。
【0027】本発明に係る成形品は、請求項1から請求
項5のいずれかに記載の生分解性樹脂組成物を成形して
得られる成形品であって、フィルム、シート、不織布お
よび射出成形品のいずれかであることを特徴とする。本
発明によれば、前述の生分解性樹脂組成物を用いた成形
品であるから、生分解性が高く、かつ、適度な強度、保
存安定性を有する成形品とすることができる。
【0028】本発明に係る生活用資材または農業用資材
は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の生分解性
樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする。ま
た、本発明に係る生活用資材または農業用資材は、請求
項6に記載の成形品を加工して得られることを特徴とす
る。ここで、生活用資材としては、例えば、ゴミ袋、水
切り袋、コンポストバッグ、ワイパー等が挙げられる。
一方、農業用資材としては、例えば、マルチフィルムま
たはシート、トンネルべた掛けフィルムまたはシート、
育苗床、育苗ポット等が挙げられる。
【0029】本発明によれば、前述の成形品または生分
解性樹脂組成物を加工または成形して得られた生活用資
材等であるから、成形品、樹脂組成物同様、生分解性が
高く、かつ、適度な強度、保存安定性を有する生活用資
材、農業用資材とすることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。 [実施例1]生分解生樹脂としての脂肪族ポリエステル
系樹脂(セルグリーンPHB05、ダイセル化学工業
(株)製)100g、植物微粉末としてコムギふすまを
ボールミル(近藤化学機械製作所製)を用い12時間粉
砕後、ジェットミル((株)セイシン企業製、シングル
トラックジェットミル)にてさらに12時間粉砕して得
られた微粉末(平均粒径4μm、最大粒径16μm、含
有油脂分2wt%)50gを混合し、混合物を2本ロー
ル(ロール温度:フロント145℃、バック135℃)
を用いて成形し、厚み約1mmのシートを得た。
【0031】なお、平均粒径および最大粒径は、レーザ
ー式粒度測定機 SK LASERMICRON SI
ZER PRO−7000S((株)セイシン企業製)
を用いて測定した。また、含有油脂分は、エーテル抽出
法により測定した。
【0032】[実施例2]コムギふすまを実施例1のボ
ールミルを用いて12時間粉砕して得られた微粉末(平
均粒径、33μm、最大粒径192μm、含有油脂率2
wt%)50gを用いた以外は、実施例1と同様にし
て、厚み約1mmのシートを得た。
【0033】[実施例3]コムギふすまを実施例1と同
様の方法で粉砕して得られた微粉末(平均粒径4μm、
最大粒径16μm、含有油脂率5wt%)50gを用い
た以外は、実施例1と同様にして、厚み約1mmのシー
トを得た。
【0034】[実施例4]コムギふすまを実施例1と同
様の方法で粉砕して得られた微粉末(平均粒径4μm、
最大粒径16μm、含有油脂率2wt%)を50g用い
た以外は、実施例1と同様にして、厚み約1mmのシー
トを得た。
【0035】[実施例5]植物微粉末としてコムギ胚芽
を実施例1と同様の方法で粉砕して得られた微粉末(平
均粒径4μm、最大粒径16μm、含有油脂分3wt
%)50gを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚
み約1mmのシートを得た。
【0036】[実施例6]実施例6において、さらに生
分解性樹脂としてポリグルタミン酸10gを配合した以
外は、実施例1と同様にして厚み約1mmのシートを得
た。
【0037】[実施例7]生分解性樹脂としてポリカプ
ロラクトン系樹脂(セルグリーンPHB05、ダイセル
化学工業(株)製)50g、およびポリ乳酸(ラクティ
#9000、島津製作所(株)製)50g、植物微粉末
としてジェットミルの粉砕時間を6時間とした以外は実
施例1と同様の方法で粉砕して得られたコムギふすま
(平均粒径16μm、最大粒径32μm、含有油脂率2
wt%)50gを用い、実施例1と同様にして、厚み約
1mmのシートを得た。
【0038】[実施例8]クロレラより内容物を抽出し
た残渣の乾燥粉体(平均粒径15μm、最大粒径30μ
m、含有油脂分5wt%)50gを用いた以外は、実施
例1と同様にして厚み約1mmのシートを得た。
【0039】[比較例1]コムギふすまを実施例1のボ
ールミルを用いて6時間粉砕して得られた微粉末(平均
粒径350μm、最大粒径1mm、含有油脂率2wt
%)50gを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚
み約1mmのシートを得た。
【0040】[比較例2]実施例2において、コムギふ
すまの代わりに、コムギ胚芽(平均粒径33μm、最大
粒径190μm、含有油脂率10wt%)を用いた以外
は、実施例1と同様にして厚み約1mmのシートを得
た。
【0041】[比較例3]生分解性樹脂である脂肪族ポ
リエステル系樹脂(セルグリーンPHB05、ダイセル
化学工業(株)製)100gのみを用いた以外は、実施
例1と同様にして、厚み約1mmのシートを得た。
【0042】[比較例4]生分解性樹脂であるポリ乳酸
(ラクティ#9000、島津製作所(株)製)100g
のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み約1
mmのシートを得た。
【0043】上記各実施例および比較例で得られたシー
トについて、生分解性評価試験、相対強度測定、保存安
定性測定を行い、結果を表1にまとめた。
【0044】
【表1】
【0045】ここで、各項目の測定および評価は、次の
ように行った。 [1]生分解生評価試験 [1-1]測定法 腐葉土中に、フィルムを2週間埋め込んだ後に、その形
態を目視で観察することにより行った。 [1-2]評価法 以下の評価基準により評価を行った。 ◎:形状がほとんど残っていない ○:変色し、脆くなっており、埋設した形状が崩れてい
る △:変色または脱色等の色の変化はあるが、埋設した状
態で取り出し可能 ×:ほとんど変化が見られない
【0046】[2]相対強度 [2-1]測定法 各実施例および比較例で得られたシートを手で引っ張
り、相対強度を測定した。 [2-2]評価法 ○:植物微粉末未配合のシートと同等の強度 △:植物微粉末未配合のシートよりもわずかに劣る ×:植物微粉末未配合のシートよりもかなり劣る
【0047】[3]保存安定性 [3-1]試験方法 各実施例および比較例で得られたシートを80℃の水中
に浸し、24時間後にシートを取り出し、上述の相対強
度を測定した方法と同様にして、浸漬後の各シートの相
対強度を測定した。そして、浸漬前のシートの引張強度
と相対評価した。 [3-2]評価法 ○:あまり変化していない △:わずかに強度低下がある ×:著しく強度が低下しており、保存時の加水分解によ
る劣化を受けやすい
【0048】表1に示されるように、植物微粉末または
クロレラを配合して得られた各実施例のシートは、生分
解性が高い(○〜◎)が、配合量を増加させると、相対
強度および保存安定性がやや低下することがわかる。ま
た、比較例1で得られたシートは、平均粒径が350μ
mと大きいため、相対強度および保存安定性が著しく低
下していることがわかる。さらに、植物微粉末を配合し
ていない比較例3、4で得られたシートは、相対強度お
よび保存安定性については良好であるものの、生分解性
が低く、腐葉土中に2週間埋めた後も、ほとんど形態に
変化がないことがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、イネ科に属する植物を
粉砕して得られる植物微粉末および/またはクロレラと
生分解性樹脂とからなる樹脂組成物であるから、生分解
性樹脂のみからなる樹脂組成物と比べて、生分解性を向
上させることができる。また、平均粒径300μm以下
の植物微粉末および/またはクロレラを、0.1〜90
wt%含有する樹脂組成物であるから、粒径の大きな微
粉末を同量配合した場合よりも、本発明の生分解性樹脂
組成物から得られる成形品の強度低下を防止することが
できる。
【0050】さらに、粒径制御により、フィルム等の厚
みのない成形素材への展開が可能であるとともに、シー
ト等の厚みのある素材中に添加した場合、粒径の大きな
場合よりも、より均一に分散することとなり、生分解速
度の短縮が可能となる。そして、植物微粉末および/ま
たはクロレラとして、含有油脂分5%以下のものを用い
ているから、加熱成形時の油脂の劣化が少なく、製品の
安定性および保存安定性にも優れることとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 13/02 A01G 13/02 D C08J 5/00 CEP C08J 5/00 CEP CEZ CEZ C08L 97/00 C08L 97/00 Fターム(参考) 2B022 AA05 BA14 BA21 BB02 2B024 DB01 DB10 EA01 2B027 NC02 NC05 NC24 NC26 NC37 NC39 NC43 ND03 ND09 NE05 4F071 AA08 AA43 AA47 AA50 AA54 AA69 AA70 AA73 AH01 BB04 BC01 4J002 AB011 AB041 AB051 AD011 AD021 AD031 AH002 BB033 BB063 BB083 BB123 BB223 BB233 BD043 CA001 CF002 CF031 CF091 CF181 CF191 CG001 CL011 GA00 GC00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イネ科に属する植物を粉砕して得られる植
    物微粉末および/またはクロレラと、生分解性樹脂とか
    らなる樹脂組成物であって、 前記植物微粉末および/またはクロレラは、平均粒径3
    00μm以下および含有油脂分5wt%以下であるとと
    もに、 前記植物微粉末および/またはクロレラの含有量は、
    0.1〜90wt%であり、前記生分解性樹脂の含有量
    は、99.9〜10wt%であることを特徴とする生分
    解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の生分解性樹脂組成物にお
    いて、 前記植物微粉末は、イネ科コムギ属に属する植物の胚
    乳、表皮、および胚芽の少なくとも1つから選ばれた植
    物構成要素の微粉末であることを特徴とする生分解性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の生分解性樹脂組成物にお
    いて、 前記クロレラは、クロレラ内容物を抽出した後のクロレ
    ラ残渣であることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    生分解性樹脂組成物において、 前記生分解性樹脂は、多糖系樹脂、ポリペプチド系樹
    脂、微生物産生ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステ
    ル系樹脂、ポリアミド、ポリエステル−エーテル系樹
    脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ酸無水物、およびポ
    リアミノ酸誘導体の少なくとも1つから選ばれたことを
    特徴とする生分解性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    生分解性樹脂組成物と、熱可塑性樹脂とを含むことを特
    徴とする生分解性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    生分解性樹脂組成物を成形して得られる成形品であっ
    て、 フィルム、シート、不織布および射出成形品のいずれか
    であることを特徴とする成形品。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    生分解性樹脂組成物を成形して得られることを特徴とす
    る生活用資材または農業用資材。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の成形品を加工して得られ
    ることを特徴とする生活用資材または農業用資材。
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