JP2002081435A - ヒンジ装置 - Google Patents

ヒンジ装置

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JP2002081435A
JP2002081435A JP2001180343A JP2001180343A JP2002081435A JP 2002081435 A JP2002081435 A JP 2002081435A JP 2001180343 A JP2001180343 A JP 2001180343A JP 2001180343 A JP2001180343 A JP 2001180343A JP 2002081435 A JP2002081435 A JP 2002081435A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 節度位置を有するヒンジ装置の構造を簡単に
し、節度位置などの仕様変更に容易に対処できるように
する。 【解決手段】 ケーシング10内に、ホルダ40のヘッ
ド部41とスプリング60を収納し、ホルダ40の軸部
42をケーシング10の貫通孔15に挿通し、外方へ突
出させる。ホルダ40のヘッド部41に互いに周方向1
80度離間する部位にそれぞれ係合溝43を1条ずつ設
け、スプリング60の平行部61を係合溝43に係合さ
せる。ケーシング10とホルダ40を相対回転すると、
スプリング60の膨出部63がケーシング10の内周面
を押圧摺動しながら回転し、ケーシング10の係止溝1
6に対して嵌脱する。膨出部63が係止溝16に係合す
る位置が節度位置になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、部材同士を回動
可能に連結するヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】部材同士を回動可能に連結するヒンジ装
置は、種々の分野で種々の機器において多用されてお
り、例えば、携帯式電話機、携帯式コンピュータ、電子
手帳などの携帯式電子機器においては、これら機器本体
にフリップを開閉自在に取り付ける際にも使用されてい
る。
【0003】ヒンジ装置は、その使用目的によっては、
ヒンジ装置で連結された一方の部材と他方の部材の相対
位置が所定の位置関係になったときに節度感を持たせる
ようにする場合がある。例えば、前記例の場合であれ
ば、機器本体に対してフリップを開状態にしたときおよ
び閉状態にしたときに、節度感を持たせるようにする。
以下の説明では、節度感の得られる位置を「節度位置」
と称す。
【0004】このように節度位置を有する従来のヒンジ
装置として、ケーシングにホルダを回動可能に取り付け
て構成されたものがある。詳述すると、筒状をなすケー
シングの内部空間に、ホルダの一端部に形成されたカム
部が回動可能に収容され、このホルダの他端部に形成さ
れた軸部が、前記ケーシングの閉塞端部に設けられた貫
通孔を回動可能に挿通して外方へ突出している。前記ホ
ルダのカム部の断面形状は、複雑な曲線をつないで外輪
を一周する全体的に略平行四辺形をなしており、このカ
ム部を両側から挟んで挟持する断面略コ字形の板ばねが
前記ケーシングの内部空間に固定されている。
【0005】このように構成されたヒンジ装置で一方の
部材と他方の部材をヒンジ結合するには、前記一方の部
材にケーシングを固定し、前記他方の部材にホルダの軸
部を固定する。そして、この両部材を相対回転させる
と、前記板ばねがホルダのカム部における略平行部を挟
持した位置において前記両部材の相対回転が一時停止
し、この位置で安定停止させることができる。この位置
がこのヒンジ装置における節度位置となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
節度位置を有するヒンジ装置においては、ホルダのカム
部の形状が複雑で、生産性が悪かった。また、仕様変更
等により節度位置の異なるヒンジ装置を製作する場合に
は、その節度位置に合致した形状のカム部を有するホル
ダを新たに設計しなければならず、煩雑であった。
【0007】また、ケーシングとホルダを相対回転させ
るときのトルクの大きさを変更する場合には、板ばねを
設計変更したり、カム部の形状等を設計変更するなどし
なければならず、汎用性が低かった。そこで、この発明
は、簡単な構造ながら、節度感を得ることができ、仕様
変更等にも迅速に対応可能で、生産性が高いヒンジ装置
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明に係るヒンジ装置は、内部
に軸線方向へ延びる円筒状の収容空間が設けられ、この
収容空間を区画する内周面に軸線方向へ延びる係止溝が
設けられ、軸線方向一端側の閉塞壁に前記収容空間に連
なる貫通孔が設けられたケーシングと、前記ケーシング
の収容空間に回動可能に収納され外周面に軸線方向へ延
びる係合溝が形成されたヘッド部、およびこのヘッド部
から延出し前記ケーシングの貫通孔を回動可能に挿通し
て外方へ突出する軸部が設けられているホルダと、線材
を屈曲形成してなり、前記ホルダの係合溝に係合して該
ホルダに相対回動不能に取り付けられ、前記ケーシング
のの収容空間に収納され該収容空間の内周面を弾性的に
押圧摺動可能で且つケーシングの係止溝に対して挿脱可
能なストッパ部が設けられているスプリングと、を備え
ることを特徴とする。
【0009】この請求項1に記載した発明に係るヒンジ
装置では、ケーシングとホルダとを相対回転させると、
スプリングがホルダとともにケーシングに対して相対回
転し、スプリングのストッパ部がケーシングの内周面を
押圧摺動する。そして、ストッパ部の一部がケーシング
の内周面の係止溝にかかり始めると、ストッパ部はスプ
リングの弾性によって外方へ広がろうとし、その結果、
ストッパ部は自ら該係止溝に嵌入して係止し、安定した
停止状態になる。この位置が節度位置となる。すなわ
ち、ケーシングとホルダとを相対回転させることにより
ストッパ部の一部が係止溝に入り始めると、その後はケ
ーシングとホルダはスプリングの弾性により自ら積極的
に節度位置まで相対回転することになる。その後、この
状態から、ケーシングとホルダとを相対回転すると、ス
プリングのストッパ部がケーシングの内周面に押されて
弾性的に内方へ押し込められ、その結果、ストッパ部は
ケーシングの係止溝から脱出し、即ち節度位置から脱却
する。
【0010】このように構成することで、ケーシングの
内周面に設ける係止溝の位置を変更するだけで、ホルダ
を変更することなく、節度位置を容易に変更することが
できる。スプリングは線材を屈曲して形成しているの
で、容易に所望の形状に形成することができる。
【0011】請求項2に記載した発明に係るヒンジ装置
は、内部に軸線方向へ延びる筒状の収容空間が設けら
れ、軸線方向一端側の閉塞壁に前記収容空間に連なる貫
通孔が設けられたケーシングと、中央部に形成された貫
通孔の内周面に軸線方向へ延びる係止溝が設けられ、前
記ケーシングの収容空間に収納固定されるカム環と、前
記カム環の貫通孔を回動可能に挿通して前記ケーシング
の収容空間に収納され外周面に軸線方向へ延びる係合溝
が形成されたヘッド部、およびこのヘッド部から延出し
前記ケーシングの貫通孔を回動可能に挿通して外方へ突
出する軸部が設けられているホルダと、線材を屈曲形成
してなり、前記ホルダの係合溝に係合して該ホルダに相
対回動不能に取り付けられ、前記カム環の貫通孔に挿通
されて該貫通孔の内周面を弾性的に押圧摺動可能で且つ
カム環の係止溝に対して挿脱可能なストッパ部が設けら
れているスプリングと、を備えることを特徴とする。
【0012】この請求項2に記載した発明に係るヒンジ
装置では、ケーシングとホルダとを相対回転させると、
カム環はケーシングとともにホルダに対して相対回転
し、一方、スプリングはホルダとともにケーシングに対
して相対回転し、スプリングのストッパ部がカム環の貫
通孔内周面を押圧摺動する。そして、ストッパ部の一部
がカム環の貫通孔内周面の係止溝にかかり始めると、ス
トッパ部はスプリングの弾性によって外方へ広がろうと
し、その結果、ストッパ部は自ら該係止溝に嵌入して係
止し、安定した停止状態になる。この位置が節度位置と
なる。すなわち、ケーシングとホルダとを相対回転させ
ることによりストッパ部の一部が前記係止溝に入り始め
ると、その後はケーシングとホルダはスプリングの弾性
により自ら積極的に節度位置まで相対回転することにな
る。その後、この状態から、ケーシングとホルダとを相
対回転すると、スプリングのストッパ部がカム環の貫通
孔内周面に押されて弾性的に内方へ押し込められ、その
結果、ストッパ部はカム環の係止溝から脱出し、即ち節
度位置から脱却する。
【0013】このように構成することで、カム環の貫通
孔内周面に設ける係止溝の位置を変更するだけで、ホル
ダを変更することなく、節度位置を容易に変更すること
ができる。また、スプリングは線材を屈曲して形成して
いるので、容易に所望の形状に形成することができる。
さらに、スプリングのストッパ部が押圧摺動する部分
を、ケーシングとは別部材のカム環としているので、カ
ム環だけを耐久性の高い材質で形成することが可能にな
る。
【0014】請求項3に記載した発明は、請求項2に記
載の発明において、前記カム環を複数備え、これらカム
環がその貫通孔を同心上に配置して直列に並んで設置さ
れ、且つ全カム環の係止溝を一列に整列させていること
を特徴とする。このように構成することで、ケーシング
に取り付けるカム環の数を調整することにより、スプリ
ングのストッパ部とカム環の貫通孔内周面との接触面積
を調整し、これによってケーシングとホルダとの相対回
転時のトルク調整を行うことが可能になる。
【0015】請求項4に記載した発明は、請求項2また
は3に記載の発明において、前記ケーシングの内周面に
は軸線方向に沿って嵌合溝が設けられ、前記カム環の外
周面には前記嵌合溝に嵌合してケーシングとカム環とを
相対回動不能にする嵌合凸部が設けられていることを特
徴とする。このように構成することで、カム環の嵌合凸
部をケーシングの嵌合溝に係合するだけで、カム環をケ
ーシングに回動不能に取り付けることが可能になる。
【0016】請求項5に記載した発明は、請求項1から
4のいずれかに記載の発明において、前記ホルダのヘッ
ド部の係合溝は該ヘッド部の互いに周方向180度離間
する部位にそれぞれ1条ずつ形成されており、前記スプ
リングは線材を略U字形に屈曲形成してなりその平行部
がそれぞれ前記ホルダの係合溝に係合することを特徴と
する。このように構成することで、スプリングをホルダ
のヘッド部に回転不能に取り付けることが容易になる。
【0017】請求項6に記載した発明は、請求項5に記
載の発明において、前記スプリングのストッパ部は、該
スプリングの平行部に互いに離間する方向へ膨出するよ
うに形成された膨出部により構成されていることを特徴
とする。このように構成することで、スプリングのスト
ッパ部近傍が弾性変形し易くなり、ストッパ部をケーシ
ングの係止溝あるいはカム環の係止溝に対して係合離脱
し易くすることが可能になる。
【0018】請求項7に記載した発明は、請求項1から
6のいずれかに記載の発明において、前記ケーシングは
軸線方向他端側を閉塞する蓋体を備え、この蓋体が前記
ホルダおよびスプリングの前記収容空間内における軸線
方向移動を阻止することを特徴とする。このように構成
することで、ヒンジ装置を組み立てる際には、蓋体装着
前に、ケーシングにおける蓋体装着口からホルダ、スプ
リング、カム環を挿入し、挿入後に蓋体を装着して組み
立てることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るヒンジ装置
の実施の形態を図面を参照して説明する。 〔第1の実施の形態〕初めに、この発明に係るヒンジ装
置の第1の実施の形態を図1から図20の図面を参照し
て説明する。
【0020】図1はヒンジ装置1の組立斜視図、図2は
同正面図、図3は同左側面図、図4は同右側面図、図5
は図2のA−A断面図であり、ヒンジ装置1は、ケーシ
ング本体11および蓋体30とからなるケーシング10
と、このケーシング10の内部に収納されたホルダ4
0、スプリング60とから構成されている。
【0021】図6はケーシング本体11の斜視図、図7
は同正面図、図8は同左側面図、図9は同右側面図、図
10は図7のB−B断面図であり、図11は蓋体30の
斜視図、図12は同正面図、図13は同右側面図であ
る。ケーシング10のケーシング本体11および蓋体3
0は、例えばPOMなどのプラスチックで形成されてい
る。
【0022】ケーシング本体11は平面状をなす外側面
11aと曲面状をなす外側面11bが交互に配置された
略八角柱状をなし、内部に円筒状の収容空間13が形成
されている。ケーシング本体11の軸線方向一端側には
閉塞壁14が設けられており、この閉塞壁14の中央に
は収容空間13の内径よりも小径の断面円形の貫通孔1
5が収容空間13と同心上に設けられている。収容空間
13の内周面には、平面状の外側面11aに対応する部
位であって互いに周方向180度離間する部位に、軸線
方向に沿って直線的に延びる断面略半円形の係止溝16
がそれぞれ1条ずつ形成されている。係止溝16の内径
は後述するスプリング60の外径にほぼ等しく設定され
ている。ケーシング本体11の軸線方向の他端側には、
対向する係止溝16,16の底部間距離よりも若干大き
い内径を有する大径孔部17が収容空間13に連なって
形成されており、この大径孔部17には、平面状の外側
面11aに対応する部位に周方向90度間隔に係止孔1
8が4つ設けられている。
【0023】蓋体30は、ケーシング本体11の他端側
に装着されて大径孔部17を閉塞するものであり、ケー
シング本体11の断面外形と同形状同寸法の略八角形状
をなす化粧板31と、化粧板31の内面側に設けられた
円環状の脚筒部32と、脚筒部32の先端部に周方向9
0度間隔に設けられ径方向外方に突出する4つの係止突
起33と、脚筒部32の内側において化粧板31から突
設され係止突起33よりも若干前方に突出する臍部34
と、を備えている。この蓋体30は、脚筒部32をケー
シング本体11の大径孔部17に挿入し、4つの係止突
起33をそれぞれ対応するケーシング本体11の係止孔
18に係止させることにより、ケーシング本体11に固
定される。
【0024】図14はホルダ40の斜視図、図15は同
正面図、図16は同左側面図、図17は同右側面図、図
18は図15のC−C断面図である。ホルダ40は棒状
をなし、例えばPOMなどのプラスチックで形成されて
おり、断面略円形のヘッド部41と、ヘッド部41の軸
心方向一端側から同心上に突設された軸部42を有して
いる。ヘッド部41は、その外径をケーシング本体11
の収容空間13の内径とほぼ同径にされ、軸線方向の長
さ寸法を収容空間13の軸線方向長さ寸法とほぼ同じに
されており、収容空間13内に回動可能に収納される。
軸部42は略四角柱状をなし縁部が面取りされていて、
ケーシング本体11の貫通孔15を回動可能に貫通して
外方へ突出する。また、ヘッド部41の外周面には、互
いに周方向180度離間する部位に、軸線方向に沿い直
線的に延びる断面略半円形の係合溝43がそれぞれ1条
ずつ設けられており、これら係合溝43,43はヘッド
部41の後端面41aに形成された係合溝44によって
つながっており、係合溝43の底部は軸部42の外面と
ちょうど面一になっている。
【0025】図19はスプリング60の斜視図、図20
は同正面図である。スプリング60は、例えばステンレ
スなどの金属製の断面円形の線材を屈曲して形成されて
おり、平面視略U字形をなしている。詳述すると、スプ
リング60は、互いに平行に位置する2本の平行部6
1,61と、この平行部61,61の一端同士を接続す
る接続部62を有し、各平行部61の中間部には、互い
に離間する方向に膨出するように段差状に屈曲形成され
た膨出部(ストッパ部)63が設けられている。平行部
61,61の内のり寸法(図20においてY寸法)はホ
ルダ40の係合溝43,43の底部間寸法(図17にお
いてX寸法)よりも若干大きく設定されている。
【0026】スプリング60の外径はホルダ40の係合
溝43,44の溝幅よりも若干小さくされており、スプ
リング60は、平行部61,61を係合溝43,43に
嵌入させ、接続部62を係合溝44に嵌入させて、ホル
ダ40に装着される。この装着状態において、接続部6
2はホルダ40の後端面41aと面一になり、平行部6
1,61はホルダ40のヘッド部41の外周面と面一に
なり、平行部61,61の先端はヘッド部41の先端面
41bよりも手前に収まるように寸法設定されている。
また、この装着状態において、平行部61と係合溝43
の底部との間に若干の隙間が形成され、膨出部63を中
心にして平行部61はヘッド部41の径方向内側へ弾性
変形可能になる。
【0027】また、スプリング60の膨出部63はケー
シング本体11の係止溝16に対して嵌脱可能であり、
膨出部63が係止溝16内に嵌入しているときにはスプ
リング60は自然状態の形状(図20の態様)になる。
そして、膨出部63が係止溝16から脱してケーシング
本体11における収納空間13の内周面に当接している
ときには、膨出部63は平行部61とともに若干内方に
弾性変形せしめられるようになっており、このとき、膨
出部63はその弾性によって収納空間13の内周面を押
圧することになる。
【0028】このヒンジ装置1は次のようにして組み立
てることができる。まず、ケーシング本体11に蓋体3
0を装着する前に、ホルダ40にスプリング60を装着
しておく。その際には、前述したように、スプリング6
0の平行部61をホルダ40の係合溝43に嵌入し、接
続部62を係合溝44に嵌入するだけで、スプリング6
0をヘッド部41に回転不能に簡単に取り付けることが
できる。
【0029】そして、このように組み合わせたスプリン
グ60とホルダ40をケーシング11の大径孔部17か
ら挿入し、スプリング60の平行部61,61をケーシ
ング本体11の係止溝16,16に挿入しながら前進さ
せ、ホルダ40の軸部42をケーシング本体11の貫通
孔15に挿入する。そして、ホルダ40のヘッド部41
の先端面41bがケーシング11の閉塞壁14の内面に
突き当ったところで、蓋体30をケーシング本体11の
大径孔部17に装着する。
【0030】蓋体30の装着にあたっては、蓋体30の
各係止突起33をケーシング本体11の各係止孔18に
対応するように位置させるとともに、4つの係止突起3
3を大径孔部17の内側に位置させて、化粧板31をケ
ーシング本体11に押し付けるように押し込む。する
と、各係止突起33は大径孔部17の縁部に押圧される
結果、径方向内側に弾性変形しながらケーシング本体1
1内を前進することになる。そして、各係止突起33は
対応する係止孔18に達すると径方向外方へ弾性復帰
し、係止孔18に係止する。このとき、化粧板31はケ
ーシング本体11の端面に当接し、蓋体30の臍部34
の先端面がホルダ40の後端面41aおよびスプリング
60の接続部62に当接する。その結果、ホルダ40の
ヘッド部41およびスプリング60は蓋体30によって
軸線方向への移動を阻止されることになり、ホルダ40
およびスプリング60がケーシング10の内部でがたつ
くことはない。
【0031】このように、第1の実施の形態のヒンジ装
置1では、ケーシング10をケーシング本体11と蓋体
30から構成したことにより、組み立てが簡単になって
生産性が向上するとともに、ホルダ40およびスプリン
グ60をケーシング10の内部にがた付きなく装着する
ことができる。
【0032】このヒンジ装置1では、ケーシング10と
ホルダ40が相対回転自在であり、ヒンジ装置1によっ
て二つの部材(例えば、携帯式電話機などの機器本体と
フリップ)を回動自在に組み付ける場合には、一方の部
材にホルダ10を固定し、他方の部材にホルダ40の軸
部42を固定する。
【0033】つぎに、このヒンジ装置1の動作を説明す
る。今、スプリング60の膨出部63,63がケーシン
グ本体11の係止溝16,16に嵌入しているものとす
る。この状態からケーシング10とホルダ40の軸部4
2を相対回転すると、ホルダ40と同期して相対回転す
るスプリング60の膨出部63が、係止溝16の内面を
含む収容空間13の内周面によって押圧される結果、膨
出部63および平行部61が径方向内側に弾性変形し、
膨出部63,63は係止溝16から脱出する。
【0034】この第1の実施の形態では、スプリング6
0の平行部61の略中央部に膨出部63を屈曲形成して
いるので、膨出部63を中心にして平行部61が弾性変
形し易くなっており、したがって、膨出部63がケーシ
ング本体11の係止溝16から脱出し易く、極めて操作
性がよい。
【0035】係止溝16から脱出した膨出部63は、ス
プリング60の弾性によって収容空間13の内周面を押
圧し、ケーシング10とホルダ40の相対回転に伴い収
容空間13の内周面を押圧しながら摺動することにな
り、この時のスプリング力により回転時のトルクが発生
する。そして、ケーシング10とホルダ40が180度
相対回転すると、膨出部63は再び係止溝16に嵌入し
て一時停止する。詳述すると、スプリング60の膨出部
63の一部がケーシング本体11の係止溝16にかかり
始めると、膨出部63はスプリング60の弾性によって
外方へ広がろうとし、その結果、膨出部63は自らこの
係止溝16に嵌入して一時停止する。したがって、ケー
シング10とホルダ40とを相対回転させることにより
膨出部63の一部が係止溝16に入り始めると、その後
はケーシング10とホルダ40はスプリング60の弾性
力に支援されて自ら積極的に節度位置まで相対回転す
る。
【0036】そして、この第1の実施の形態のヒンジ装
置1では、ケーシング10とホルダ40を相対的に半回
転するごとに、スプリング60の膨出部63がケーシン
グ本体11の係止溝16に嵌入して一時停止し、節度感
が得られることになり、半回転毎に節度位置が存在する
ことになる。
【0037】尚、第1の実施の形態のヒンジ装置1で
は、ケーシング10とホルダ40とを相対回転する際の
トルクの大きさは、スプリング60の弾性と、スプリン
グ60とケーシング本体11の内周面との接触面積によ
って決まるので、スプリング60の素材として同一の線
材を使用する場合には、収容空間13の内周面を押圧摺
動する膨出部63の長さが回転トルクを大きく支配する
と言うことができる。そのため、このヒンジ装置1で
は、仕様変更などにより回転トルクの大きさを変更する
場合には、スプリング60の膨出部63の長さL(図2
0参照)を変更するだけで、これに対処することが可能
である。即ち、仕様変更などにより回転トルクを変更す
る場合には、ケーシング本体11、蓋体30、ホルダ4
0については設計変更の必要がなく共通部品として使用
可能であり、スプリング60だけを設計変更すればこれ
に迅速に対応することができる。したがって、部品の汎
用性が極めて高く、生産性の向上およびコスト低減を図
ることができる。
【0038】また、節度位置を、この第1の実施の形態
とは異なる位置にしたい場合、あるいは、この実施の形
態の節度位置に加えて更に別の節度位置を追加したい場
合には、所望する節度位置が得られるように、ケーシン
グ本体11の係止溝16の位置を変更したり、あるいは
係止溝16を追加することにより、これに対処すること
ができる。即ち、仕様変更などにより節度位置を変更、
追加する場合には、蓋体30、ホルダ40、スプリング
60については設計変更の必要がなく共通部品として使
用可能であり、ケーシング本体11だけを設計変更すれ
ばこれに対応することができる。したがって、部品の汎
用性が極めて高く、生産性の向上およびコスト低減を図
ることができる。
【0039】〔第2の実施の形態〕次に、この発明に係
るヒンジ装置の第2の実施の形態を図21から図33の
図面を参照して説明する。図21はヒンジ装置1の正面
図、図22は同左側面図、図23は同右側面図、図24
は図21のD−D断面図であり、ヒンジ装置1は、ケー
シング本体11および蓋体30とからなるケーシング1
0と、このケーシング10の内部に収納されたホルダ4
0、スプリング60、複数(この第2の実施の形態では
5枚)のカム環70とから構成されている。第2の実施
の形態と第1の実施の形態との大きな相違点は、ケーシ
ング本体11の内部形状と、カム環70の有無にある。
以下、これら相違点を中心に説明する。
【0040】図25はケーシング本体11の斜視図、図
26は同正面図、図27は同左側面図、図28は図26
のE−E断面図であり、図29は蓋体30の斜視図、図
30は同正面図、図31は同右側面図である。ケーシン
グ10のケーシング本体11および蓋体30は、例えば
POMなどのプラスチックで形成されている。
【0041】ケーシング本体11は平面状をなす外側面
11aと曲面状をなす外側面11bが交互に配置された
略八角柱状をなし、その内部に、円筒状の収容空間13
が形成されている。ケーシング本体11の軸線方向一端
側には閉塞壁14が設けられており、この閉塞壁14の
中央には収容空間13の内径よりも小径の断面円形の貫
通孔15が収容空間13と同心上に設けられている。収
容空間13は、ケーシング本体11の後端面から閉塞壁
14に至るまで同一内径で形成されている。収容空間1
3の内周面には、曲面状の外側面11bに対応する部位
であって互いに周方向180度離間する部位に、ケーシ
ング本体11の後縁から閉塞壁14の手前まで軸線方向
に沿って直線的に延びる断面矩形の嵌合溝21,21が
それぞれ1条ずつ形成されている。また、ケーシング本
体11の平面状の外側面11aにおける後端近傍には周
方向90度間隔に係止孔18が4つ設けられている。
尚、この第2の実施の形態のケーシング本体11には、
第1の実施の形態における係止溝16および大径孔部1
7が設けられていない。
【0042】第2の実施の形態の蓋体30と、第1の実
施の形態の蓋体30との相違点は、寸法的なものだけで
あるので、図中、同一態様に同一符号を付して説明を省
略する。また、第2の実施の形態のヒンジ装置1におけ
るホルダ40およびスプリング60については、第1の
実施の形態のものと全く同じであるので、これらの説明
および図示を省略し、以下においては、第1の実施の形
態の図面(図14〜図20)を援用して説明するものと
する。
【0043】図32はカム環70の斜視図、図33は同
正面図である。カム環70は、例えばステンレスなどの
金属で形成されており、円板状をなしている。カム環7
0の外径はケーシング本体11における収容空間13の
内径とほぼ同径にされており、外周面には互いに周方向
180度離間する部位に矩形の嵌合凸部71,71が径
方向外側に突出して設けられている。この嵌合凸部71
はケーシング本体11の嵌合溝21と同一形状、同一寸
法に形成されており、この嵌合溝21に嵌合可能になっ
ている。
【0044】カム環70の中央には、断面円形の貫通孔
72が、ホルダ40のヘッド部41の外径とほぼ同径に
形成されている。貫通孔72の内周面には、各嵌合凸部
71,71に対して周方向45度離間する部位に、カム
環70の表面から裏面まで直線的に延びる断面略半円形
の係止溝73,73がそれぞれ1条ずつ形成されてい
る。即ち、係止溝73,73は互いに周方向180度離
間した部位に設けられている。この係止溝73は第1の
実施の形態におけるケーシング本体11の係止溝16に
対応するものである。
【0045】この第2の実施の形態のヒンジ装置1で
は、カム環70は、嵌合凸部71をケーシング本体11
の嵌合溝21に嵌合させてケーシング本体11内に収納
固定され、ホルダ40とスプリング60はカム環70の
貫通孔72を挿通した状態でケーシング本体11内に装
着され、スプリング60の膨出部63は全カム環70の
貫通孔72の内周面を押圧摺動し、全カム環70の係止
溝73に対して嵌脱することになる。
【0046】そして、スプリング60は、膨出部63が
カム環70の係止溝73内に嵌入しているときに自然状
態の形状(図20の態様)になり、膨出部63が係止溝
73から脱してカム環70における貫通孔72の内周面
に当接しているときには、膨出部63および平行部61
がとともに若干内方に弾性変形せしめられ、その弾性に
よって貫通孔72の内周面を押圧するようになってい
る。
【0047】第2の実施の形態のヒンジ装置1は次のよ
うにして組み立てることができる。まず、ケーシング本
体11に蓋体30を装着する前に、ホルダ40にスプリ
ング60を装着するとともに、ケーシング本体11に所
定枚数(この第2の実施の形態では5枚)のカム環70
を装着しておく。その際、スプリング60は、平行部6
1をホルダ40の係合溝43に嵌入し、接続部62を係
合溝44に嵌入するだけで、簡単にヘッド部41に回転
不能に取り付けることができる。また、カム環70は、
その嵌合凸部71をケーシング本体11の嵌合溝21に
嵌合し、嵌合溝21の奥端まで圧入するだけで、簡単に
ケーシング本体11に回転不能に取り付けることができ
る。この装着状態において、全てのカム環70はその貫
通孔72を同心上に配置して直列に整列し、全係止溝7
3が一列に整列することになる。
【0048】そして、このように組み合わせたスプリン
グ60とホルダ40を、カム環70が固定されたケーシ
ング11の後端開口から挿入し、スプリング60の平行
部61,61をカム環70の係止溝73,73に挿入し
ながら前進させ、ホルダ40の軸部42をケーシング本
体11の貫通孔15に挿入する。そして、ホルダ40の
ヘッド部41の先端面41bがケーシング11の閉塞壁
14の内面に突き当ったところで、蓋体30をケーシン
グ本体11の後端開口に装着する。蓋体30の装着方法
は第1の実施の形態の場合と同じであるので説明を省略
する。
【0049】蓋体30を装着完了した状態では、化粧板
31はケーシング本体11の後端面に当接し、蓋体30
の臍部34の先端面がホルダ40の後端面41aおよび
スプリング60の接続部62に当接する。その結果、ホ
ルダ40のヘッド部41およびスプリング60は蓋体3
0によって軸線方向への移動を阻止されることになり、
ホルダ40およびスプリング60がケーシング10の内
部でがたつくことはない。
【0050】このように、この第2の実施の形態のヒン
ジ装置1では、ケーシング10をケーシング本体11と
蓋体30から構成したことにより、組み立てが簡単にな
って生産性が向上するとともに、ホルダ40およびスプ
リング60をケーシング10の内部にがた付きなく装着
することができる。
【0051】このヒンジ装置1では、ケーシング10と
ホルダ40が相対回転自在であり、ヒンジ装置1によっ
て二つの部材(例えば、携帯式電話機などの機器本体と
フリップ)を回動自在に組み付ける場合には、一方の部
材にホルダ10を固定し、他方の部材にホルダ40の軸
部42を固定する。
【0052】つぎに、第2の実施の形態におけるヒンジ
装置1の動作を説明する。今、スプリング60の膨出部
63,63がカム環70の係止溝73,73に嵌入して
いるものとする。この状態からケーシング10とホルダ
40の軸部42を相対回転すると、カム環70はケーシ
ング10と同期して回転し、スプリング60はホルダ4
0と同期して回転する。そして、ホルダと同期して回転
するスプリング60の膨出部63が、係止溝73の内面
を含む貫通孔72の内周面によって押圧される結果、膨
出部63および平行部61が径方向内側に弾性変形し、
膨出部63,63は係止溝73から脱出する。
【0053】この第2の実施の形態においても、スプリ
ング60の平行部61の略中央部に膨出部63を屈曲形
成しているので、膨出部63を中心にして平行部61が
弾性変形し易くなっており、したがって、膨出部63が
カム環70の係止溝73から脱出し易く、極めて操作性
がよい。
【0054】係止溝73から脱出した膨出部63は、ス
プリング60の弾性によって貫通孔72の内周面を押圧
し、ケーシング10とホルダ40の相対回転に伴い貫通
孔72の内周面を押圧しながら摺動することになり、こ
の時のスプリング力により回転時のトルクが発生する。
そして、ケーシング10とホルダ40が180度相対回
転すると、膨出部63は再びカム環70の係止溝73に
嵌入して一時停止する。詳述すると、スプリング60の
膨出部63の一部がカム環70の係止溝73にかかり始
めると、膨出部63はスプリング60の弾性によって外
方へ広がろうとし、その結果、膨出部63は自らこの係
止溝73に嵌入して一時停止する。したがって、ケーシ
ング10とホルダ40とを相対回転させることにより膨
出部63の一部が係止溝73に入り始めると、その後は
ケーシング10とホルダ40はスプリング60の弾性力
に支援されて自ら積極的に節度位置まで相対回転する。
【0055】そして、第2の実施の形態のヒンジ装置1
では、ケーシング10とホルダ40を相対的に半回転す
るごとに、スプリング60の膨出部63がカム環70の
係止溝73に嵌入して一時停止し、節度感が得られるこ
とになり、半回転毎に節度位置が存在することになる。
【0056】尚、第2の実施の形態のヒンジ装置1で
は、ケーシング10とホルダ40とを相対回転する際の
トルクの大きさは、スプリング60の弾性と、スプリン
グ60における膨出部63とカム環70における貫通孔
72の内周面との接触面積によって決まるので、スプリ
ング60の素材として同一の線材を使用する場合には、
スプリング60の膨出部63が押圧摺動する貫通孔72
の内周面軸心方向長さが回転トルクを大きく支配すると
言うことができる。そのため、このヒンジ装置1では、
仕様変更などにより回転トルクの大きさを変更する場合
には、ケーシング本体11に嵌合固定するカム環70の
枚数を変更するだけで、極めて容易にこれに対処するこ
とが可能である。即ち、仕様変更などにより回転トルク
を変更する場合には、ケーシング本体11、蓋体30、
ホルダ40、スプリング60については設計変更の必要
がなく共通部品として使用可能であり、カム環70の装
着枚数だけを変更すればこれに迅速に対応することがで
きる。したがって、部品の汎用性が極めて高く、生産性
の向上およびコスト低減を図ることができる。
【0057】また、節度位置を、この第2の実施の形態
とは異なる位置にしたい場合、あるいは、第2の実施の
形態の節度位置に加えて更に別の節度位置を追加したい
場合には、所望する節度位置が得られるように、カム環
70の係止溝73の位置を変更したり、あるいは係止溝
73を追加することにより、これに対処することができ
る。即ち、仕様変更などにより節度位置を変更、追加す
る場合には、ケーシング本体11、蓋体30、ホルダ4
0、スプリング60については設計変更の必要がなく共
通部品として使用可能であり、カム環70だけを設計変
更すればこれに対応することができる。したがって、部
品の汎用性が極めて高く、生産性の向上およびコスト低
減を図ることができる。
【0058】また、第2の実施の形態のヒンジ装置1の
場合には、スプリング60が押圧摺動する部分が、ケー
シング本体11とは別部品のカム環70によって構成さ
れているので、カム環70だけを摩耗しにくく耐久性の
高い素材(この第2の実施の形態ではステンレス)で形
成することができる。その結果、コストアップを抑制し
つつヒンジ装置1の耐久性向上を図ることができる。
【0059】〔第3の実施の形態〕次に、この発明に係
るヒンジ装置の第3の実施の形態を図34、図35の図
面を参照して説明する。第3の実施の形態におけるヒン
ジ装置が第2の実施の形態のものと相違する点は次の通
りである。第3の実施の形態におけるヒンジ装置では、
カム環70が単一で図34の斜視図に示すような形状を
なしており、このカム環70の形状に対応してケーシン
グ本体11も図35に示す形状に形成されている。
【0060】詳述すると、第3の実施の形態におけるカ
ム環70は例えばステンレスなどの金属板で形成されて
おり、略円筒スリーブ状をなし、その内部が貫通孔72
になっている。カム環70において互いに周方向180
度離間する部位には径方向外方へ略半円形状に突出する
嵌合凸部74,74が設けられており、この嵌合凸部7
4の内側が略半円形状の係止溝75になっている。この
係止溝75にスプリング60の膨出部63が係止可能に
なっている。そして、一方の嵌合凸部74および係止溝
75の頂部は、カム環70の軸線方向に沿って全長に亘
り破断されている。また、カム環70において嵌合凸部
74および係止溝75を除いた部分(以下、円筒部とい
う)76は断面円形をなし、円筒部76の外径はケーシ
ング本体11における収容空間13の内径とほぼ同径に
されている。嵌合凸部74は第2の実施の形態における
嵌合凸部71に対応するものであり、係止溝75は第2
の実施の形態における係止溝73に対応するものであ
る。
【0061】一方、第3の実施の形態におけるケーシン
グ本体11の収容空間13の内周面には、係止孔18と
干渉しない位置であって互いに周方向180度離間する
部位に、ケーシング本体11の後縁から閉塞壁14の手
前まで軸線方向に沿って直線的に延びる略半円形状の嵌
合溝22,22がそれぞれ1条ずつ形成されている。嵌
合溝22はカム環70の嵌合凸部74と同一形状、同一
寸法に形成されており、この嵌合溝22に嵌合凸部74
が嵌合可能になっている。嵌合溝22は第2の実施の形
態における嵌合溝21に対応する。上述した以外の構成
については、第2の実施の形態のヒンジ装置と全く同じ
であるので、それらの説明および図示を省略する。
【0062】この第3の実施の形態では、カム環70
は、嵌合凸部74をケーシング本体11の嵌合溝22に
嵌合させてケーシング本体11に収納固定され、ホルダ
40とスプリング60はカム環70の貫通孔72を挿通
した状態でケーシング本体11内に装着され、スプリン
グ60の膨出部63は円筒部76の内周面を押圧摺動
し、カム環70の係止溝75に対して嵌脱することにな
る。
【0063】そして、スプリング60は、膨出部63が
カム環70の係止溝75内に嵌入しているときに自然状
態の形状(図20の態様)になり、膨出部63が係止溝
75から脱してカム環70における円筒部76の内周面
に当接しているときには、膨出部63および平行部61
がとともに若干内方に弾性変形せしめられ、その弾性に
よって円筒部76の内周面を押圧し、そのときのスプリ
ング力により回転時のトルクが発生するようになってい
る。そして、ケーシング10とホルダ40を相対的に半
回転する毎に、スプリング60の膨出部63がカム環7
0の係止溝75に嵌入して一時停止し、節度感が得られ
ることについては第2の実施の形態と全く同じである。
【0064】この第3の実施の形態のヒンジ装置1にお
いて、仕様変更などにより回転トルクの大きさを変更す
るときには、スプリング60の素材として同一の線材を
使用した場合、スプリング60の膨出部63とカム環7
0の円筒部76とが接触する部分における軸線方向長さ
を変更するだけで、これに対処することができる。その
他の作用・効果については第2の実施の形態のものと同
じであるので説明を省略する。なお、この第3の実施の
形態のヒンジ装置は、第2の実施の形態におけるヒンジ
装置においてカム環70が単数のときということができ
る。
【0065】〔他の実施の形態〕尚、この発明は前述し
た各実施の形態に限られるものではなく、例えば、スプ
リング60の平行部61を段差状に屈曲して膨出部63
を形成する代わりに、各平行部61の全長を径方向外方
に膨出する円弧状に形成し、その径方向外方へ膨出した
部分をストッパ部とすることも可能である。また、前述
した各実施の形態では、スプリング60にストッパ部
(膨出部63)を一対設けたが、ストッパ部は少なくと
も一つあればこの発明は成立する。さらに、ケーシング
10の材質は樹脂に限られるものではなく、例えば金属
で形成してもよい。その場合、ケーシング本体11と蓋
体30の両方を金属製としてもよいし、ケーシング本体
11は金属製とし、蓋体30は樹脂製としてもよい。ケ
ーシング10を金属製にすることにより、薄肉化および
コンパクト化を図ることができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た発明によれば、ケーシングの内周面に設ける係止溝の
位置を変更するだけで、節度位置を容易に変更すること
ができるので、仕様変更などに迅速に対応することが可
能になり且つ生産性が向上するという効果がある。ま
た、スプリングが線材で形成されていて、所望の形状に
容易に屈曲形成することができるので、生産性が向上す
るという効果がある。
【0067】請求項2に記載した発明によれば、カム環
の内周面に設ける係止溝の位置を変更するだけで、節度
位置を容易に変更することができるので、仕様変更など
に迅速に対応することが可能になり且つ生産性が向上す
るという効果がある。また、スプリングが線材で形成さ
れていて、所望の形状に容易に屈曲形成することができ
るので、生産性が向上するという効果がある。さらに、
ケーシングとカム環とを別部材にしているので、カム環
を耐久性の高い材質にすることによって、ヒンジ装置の
耐久性を高めることができるという効果がある。
【0068】請求項3に記載した発明によれば、ケーシ
ングに取り付けるカム環の数を調整することにより、ケ
ーシングとホルダとを相対回転させる時のトルク調整を
容易に行うことが可能になるので、仕様変更等に迅速に
対応可能になるとともに、部品の汎用性を高めることが
でき、生産性が向上するという効果がある。
【0069】請求項4に記載した発明によれば、カム環
の嵌合凸部をケーシングの嵌合溝に係合するだけでカム
環をケーシングに回動不能に取り付けることができるの
で、組み付けが容易になり、生産性が向上するという効
果がある。請求項5に記載した発明によれば、スプリン
グをホルダのヘッド部に回転不能に取り付けることが容
易になるので、生産性が向上するという効果がある。
【0070】請求項6に記載した発明によれば、スプリ
ングのストッパ部近傍が弾性変形し易くなり、ストッパ
部がケーシングの係止溝あるいはカム環の係止溝に対し
て係合離脱し易くなるので、操作性が向上するという効
果がある。請求項7に記載した発明によれば、蓋体装着
前に、ケーシングにおける蓋体装着口からホルダ、スプ
リング、カム環を挿入し、挿入後に蓋体を装着してヒン
ジ装置を組み立てることができるので、組み立てが容易
になり、生産性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るヒンジ装置の第1の実施の形
態の組立斜視図である。
【図2】 前記第1の実施の形態のヒンジ装置の正面図
である。
【図3】 前記第1の実施の形態のヒンジ装置の左側面
図である。
【図4】 前記第1の実施の形態のヒンジ装置の右側面
図である。
【図5】 前記第1の実施の形態のヒンジ装置の縦断面
図であり、図2のA−A断面図である。
【図6】 前記第1の実施の形態のケーシング本体11
の斜視図である。
【図7】 前記第1の実施の形態のケーシング本体11
の正面図である。
【図8】 前記第1の実施の形態のケーシング本体11
の左側面図である。
【図9】 前記第1の実施の形態のケーシング本体11
の右側面図である。
【図10】 前記第1の実施の形態のケーシング本体の
縦断面図であり、図7のB−B断面図である。
【図11】 前記第1の実施の形態の蓋体の斜視図であ
る。
【図12】 前記第1の実施の形態の蓋体の正面図であ
る。
【図13】 前記第1の実施の形態の蓋体の右側面図で
ある。
【図14】 前記第1の実施の形態のホルダの斜視図で
ある。
【図15】 前記第1の実施の形態のホルダの正面図で
ある。
【図16】 前記第1の実施の形態のホルダの左側面図
である。
【図17】 前記第1の実施の形態のホルダの右側面図
である。
【図18】 前記第1の実施の形態のホルダの縦断面図
であり、図15のC−C断面図である。
【図19】 前記第1の実施の形態のスプリングの斜視
図である。
【図20】 前記第1の実施の形態のスプリングの正面
図である。
【図21】 この発明に係るヒンジ装置の第2の実施の
形態の正面図である。
【図22】 前記第2の実施の形態のヒンジ装置の左側
面図である。
【図23】 前記第2の実施の形態のヒンジ装置の右側
面図である。
【図24】 前記第2の実施の形態のヒンジ装置の縦断
面図であり、図21のD−D断面図である。
【図25】 前記第2の実施の形態のケーシング本体の
斜視図である。
【図26】 前記第2の実施の形態のケーシング本体の
正面図である。
【図27】 前記第2の実施の形態のケーシング本体の
左側面図である。
【図28】 前記第2の実施の形態のケーシング本体の
縦断面図であり、図26のE−E断面図である。
【図29】 前記第2の実施の形態の蓋体の斜視図であ
る。
【図30】 前記第2の実施の形態の蓋体の正面図であ
る。
【図31】 前記第2の実施の形態の蓋体の右側面図で
ある。
【図32】 前記第2の実施の形態のカム環の斜視図で
ある。
【図33】 前記第2の実施の形態のカム環の正面図で
ある。
【図34】 この発明に係るヒンジ装置の第3の実施の
形態におけるカム環の斜視図である。
【図35】 前記第3の実施の形態におけるケーシング
本体の斜視図である。
【符号の説明】
1・・・ヒンジ装置 10・・・ケーシング 11・・・ケーシング本体 13・・・収容空間 14・・・閉塞壁 15・・・貫通孔 16・・・係止溝 21,22・・・嵌合溝 30・・・蓋体 40・・・ホルダ 41・・・ヘッド部 42・・・軸部 43・・・係合溝 60・・・スプリング 61・・・平行部 63・・・膨出部(ストッパ部) 70・・・カム環 71,74・・・嵌合凸部 72・・・貫通孔 73,75・・・係止溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に軸線方向へ延びる円筒状の収容空
    間が設けられ、この収容空間を区画する内周面に軸線方
    向へ延びる係止溝が設けられ、軸線方向一端側の閉塞壁
    に前記収容空間に連なる貫通孔が設けられたケーシング
    と、 前記ケーシングの収容空間に回動可能に収納され外周面
    に軸線方向へ延びる係合溝が形成されたヘッド部、およ
    びこのヘッド部から延出し前記ケーシングの貫通孔を回
    動可能に挿通して外方へ突出する軸部が設けられている
    ホルダと、 線材を屈曲形成してなり、前記ホルダの係合溝に係合し
    て該ホルダに相対回動不能に取り付けられ、前記ケーシ
    ングの収容空間に収納され該収容空間の内周面を弾性的
    に押圧摺動可能で且つケーシングの係止溝に対して挿脱
    可能なストッパ部が設けられているスプリングと、 を備えることを特徴とするヒンジ装置。
  2. 【請求項2】 内部に軸線方向へ延びる筒状の収容空間
    が設けられ、軸線方向一端側の閉塞壁に前記収容空間に
    連なる貫通孔が設けられたケーシングと、 中央部に形成された貫通孔の内周面に軸線方向へ延びる
    係止溝が設けられ、前記ケーシングの収容空間に収納固
    定されるカム環と、 前記カム環の貫通孔を回動可能に挿通して前記ケーシン
    グの収容空間に収納され外周面に軸線方向へ延びる係合
    溝が形成されたヘッド部、およびこのヘッド部から延出
    し前記ケーシングの貫通孔を回動可能に挿通して外方へ
    突出する軸部が設けられているホルダと、 線材を屈曲形成してなり、前記ホルダの係合溝に係合し
    て該ホルダに相対回動不能に取り付けられ、前記カム環
    の貫通孔に挿通されて該貫通孔の内周面を弾性的に押圧
    摺動可能で且つカム環の係止溝に対して挿脱可能なスト
    ッパ部が設けられているスプリングと、 を備えることを特徴とするヒンジ装置。
  3. 【請求項3】 前記カム環を複数備え、これらカム環が
    その貫通孔を同心上に配置して直列に並んで設置され、
    且つ全カム環の係止溝を一列に整列させていることを特
    徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
  4. 【請求項4】 前記ケーシングの内周面には軸線方向に
    沿って嵌合溝が設けられ、前記カム環の外周面には前記
    嵌合溝に嵌合してケーシングとカム環とを相対回動不能
    にする嵌合凸部が設けられていることを特徴とする請求
    項2または3に記載のヒンジ装置。
  5. 【請求項5】 前記ホルダのヘッド部の係合溝は該ヘッ
    ド部の互いに周方向180度離間する部位にそれぞれ1
    条ずつ形成されており、前記スプリングは線材を略U字
    形に屈曲形成してなりその平行部がそれぞれ前記ホルダ
    の係合溝に係合することを特徴とする請求項1から4の
    いずれかに記載のヒンジ装置。
  6. 【請求項6】 前記スプリングのストッパ部は、該スプ
    リングの平行部に互いに離間する方向へ膨出するように
    形成された膨出部により構成されていることを特徴とす
    る請求項5に記載のヒンジ装置。
  7. 【請求項7】 前記ケーシングは軸線方向他端側を閉塞
    する蓋体を備え、この蓋体が前記ホルダおよびスプリン
    グの前記収容空間内における軸線方向移動を阻止するこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のヒン
    ジ装置。
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