JP2002080287A - メタライズAlN基板 - Google Patents

メタライズAlN基板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】メタライズ層の抵抗値のばらつきを低減して、
耐熱サイクル特性を向上させたメタライズAlN基板を
得る。 【解決手段】AlN基板表面にタングステンおよびモリ
ブデンのいずれかの高融点金属を主成分とするメタライ
ズ層を備え、このメタライズ層の厚さ方向を長辺とする
縦、横、高さがそれぞれ5μm、5μm、10μmであ
る直方体を単位体積とした場合に、この単位体積あたり
に3〜10個の割合でAlN粒子がメタライズ層中に分
散していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大電流に対応可能
な優れた耐熱サイクル特性を有するメタライズAlN基
板に関する。
【0002】
【従来の技術】大電流を要するパワーIC、高周波トラ
ンジスタ等の半導体素子の実用化により、半導体素子か
らの放熱量は増大する傾向にあり、大電流化に伴い、実
装基板には高熱伝導率および高放熱性が要求される。近
年、実装基板として高熱伝導率を有する窒化アルミニウ
ム(AlN)焼結体から成るセラミックス基板が実用化
されている。窒化アルミニウム基板は、酸化アルミニウ
ム基板の約5倍以上の熱伝導率を有するため放熱性が良
好であり、また、Siチップに近似した低熱膨張率を有
する等の優れた特性を有する。
【0003】セラミックス基板の表面や内部には、導電
性を有する金属化層(メタライズ層)を形成することが
不可欠であり、メタライズ層の形成によりセラミックス
基板上に搭載した部品と基板上の配線パターンを電気的
に接続している。
【0004】セラミックス基板上に金属回路層(配線パ
ターン)を形成する方法としては、高融点金属法、同時
焼成法、直接接合法および活性金属接合法などがある。
【0005】例えば、高融点金属法は、W、Mo、W−
Mo等の高融点金属粉末を含むペーストを作製し、セラ
ミックス基板上に上記ペーストを塗布後、焼成により回
路基板を作製する方法である。しかし、上述した窒化ア
ルミニウム焼結体から成るセラミックス基板上に高融点
金属法を用いてメタライズ層を形成すると、窒化アルミ
ニウムは酸化アルミニウムなどの酸化物系セラミックス
焼結体に比較して金属との濡れ性や反応性に劣るため、
メタライズ層の接合強度が極端に低下する。従って、窒
化アルミニウム焼結体から成るセラミックス基板上に高
融点金属法を実施してメタライズ層を形成するのは好ま
しくない。
【0006】そこで、高融点金属法に換えて、窒化アル
ミニウム成形体と高融点金属ペーストとの焼成を同時に
行う、いわゆる同時焼成法を実施してメタライズ層(高
融点金属層)を形成する方法が適用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た同時焼成法は、製造工程数が少なくコスト低減を図れ
るという利点を有するが、同時焼成法により作製したA
lN回路基板は、直接接合法や活性金属接合法を用いて
銅回路板を基板に接合して作製したAlN回路基板と比
較して金属回路層の接合強度が低下してしまうという問
題を有していた。
【0008】上記問題を解決するため、AlN基板成分
と同一の共材であるAlN粒子をメタライズ層中に添加
して接合強度の向上を図ることが試行されている。Al
N粒子の添加によりメタライズAlN基板の接合強度の
向上が図れる反面、メタライズ層中に絶縁物であるAl
N粒子を添加しているため、回路基板の耐熱サイクル特
性が低下してしまう等の問題を有していた。近年の大容
量化に伴いセラミックス基板自体のサイズを大型化する
必要があるが、この場合、特に耐熱サイクル特性の低下
が顕著になる問題点があった。
【0009】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、AlN基板とメタライズ層との接合強
度を高めるとともに、耐熱サイクル特性を向上させたメ
タライズAlN基板を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意研究した結果、メタライズAlN
基板についての耐熱サイクル特性低下の原因を種々研究
したところ、絶縁体であるAlN粒子がメタライズ層中
に不均一に分散されると抵抗値のばらつきが生じ、この
抵抗値のばらつきに起因して耐熱サイクル特性の低下が
生じることが判明した。
【0011】すなわち、メタライズ層中に抵抗値のばら
つきが生じると、大電流が流れた際、絶縁物であるAl
N粒子が抵抗体として機能して温度が上昇し、抵抗体の
温度上昇に伴いメタライズ層とAlN基板との接合強度
が劣化して割れおよび剥離などが生じ易くなる。その結
果、メタライズAlN基板の耐熱サイクル特性が低下す
ることが判明した。従って、メタライズ層中のAlN粒
子を均一に分散させて抵抗値のばらつきを低減するとと
もに、分散させるAlN粒子の最大径を制御することに
より、メタライズ層の抵抗値のばらつきを解消したとき
に、優れた耐熱サイクル特性を有するメタライズAlN
基板を得られることが判明した。本発明は、これらの知
見に基づいて完成されたものである。
【0012】すなわち、本発明に係るメタライズAlN
基板は、AlN基板表面にタングステンおよびモリブデ
ンのいずれかの高融点金属を主成分とするメタライズ層
を備え、このメタライズ層の厚さ方向を長辺とする縦、
横、高さがそれぞれ5μm、5μm、10μmである直
方体を単位体積とした場合に、この単位体積あたりに3
〜10個の割合でAlN粒子がメタライズ層中に分散し
ていることを特徴とする。単位体積あたりにおけるAl
N粒子の数の数え方は、所定の直方体中に存在するAl
N粒子をすべてカウントするものである。そのため直方
体に少しでも接しているAlN粒子もカウントするもの
とする。そのためAlN粒子の中心部が単位体積を示す
直方体中に必ずしも存在する必要はない。なお、メタラ
イズ層の厚さ(該直方体における「高さ」)が10μm
未満のときは、縦5μm×横5μm×高さ10μm=2
50μmに相当する体積を単位体積として適用しても
よい。また、メタライズ層中におけるAlN粒子の個数
の分析は断面の拡大写真を用い、必要な分だけ研磨加工
を施しその都度拡大写真に撮る方法が有効である。
【0013】本発明において、メタライズ層の単位体積
あたりに含有されるAlN粒子数を3〜10個と規定し
たが、AlN粒子数が3個未満である場合には、AlN
粒子の添加による接合強度向上の効果が得られず、ま
た、単位体積あたりのAlN粒子数が10個を超える
と、メタライズ層の厚さ方向に分散させるAlN粒子量
が過剰となり、結果的にAlN粒子部分の抵抗値が上昇
してメタライズ層全体で抵抗値のばらつきが生じてしま
うためである。
【0014】上述したように、抵抗値のばらつきが生じ
ると大電流が流れた際にAlN粒子が偏在する部位にお
ける温度が上昇し、この温度上昇に伴いメタライズ層と
AlN基板との接合強度が劣化し割れおよび剥離などが
生じる原因となり、耐熱サイクル特性が低下するためで
ある。従って、本発明では、AlN基板上に形成された
WやMo等の高融点金属を主成分とするメタライズ層中
に分散しているAlN粒子の数を所定の範囲に規定して
いる。具体的には、メタライズ層の厚さ方向を長辺とす
る、縦、横、高さがそれぞれ5μm、5μm、10μm
である直方体を単位体積とした場合に、この単位体積あ
たりに存在するAlN粒子を3〜10個、さらに好まし
くは4〜7個の範囲で分散させると良い。
【0015】また、上記メタライズAlN基板におい
て、AlN粒子の最大径が、5μm以下であることが好
ましい。
【0016】メタライズ層中のAlN粒子は抵抗体とし
て機能することから、AlN粒子の最大径を過大とする
と抵抗値のばらつきが顕著となるため好ましくない。従
って、AlN粒子の最大径は5μm以下とすると良い。
さらに、AlN粒子の径は、0.3以上5.0μm以下
の範囲とすると好ましい。なお、AlN粒子の最大径
は、メタライズ層中のAlN粒子の最も長い対角線をそ
のAlN粒子の最大径としたものである。また、AlN
粒子が所定のサイズを満たしていたとしても単位体積あ
たりに存在するAlN粒子同士が直接接触していると抵
抗値のばらつきの原因となることから、本発明では単位
体積あたりに存在するAlN粒子同士が接触している個
所は0〜1個所であることが好ましい。
【0017】さらに、メタライズ層の厚さが、10〜3
0μmであると良い。なお、メタライズ層の厚さは10
〜20μmとするとさらに好ましい。メタライズ層の厚
さが10μm未満であると十分な接合強度が得られず、
逆にメタライズ層の厚さが30μmを超えるとAlN粉
末を含有したメタライズ層自体が抵抗体となりAlN基
板の熱抵抗を劣化させてしまうためである。なお、本発
明のメタライズ層の厚さとは、AlN基板表面に設けら
れたタングステンまたはモリブデンのいずれかを主成分
とした高融点金属層の厚さのみを示すものである。その
ため、例えばタングステンメタライズ層上にメッキ層や
別組成のろう材を設けたとしてもその厚さはメタライズ
層の厚さには加えないものとする。つまり、本発明のメ
タライズ層としてはあくまでAlN粒子を分散させた高
融点金属層のみを示すものとする。また、高融点金属の
拡散によりAlN基板との境界が判断し難いときは高融
点金属の割合が50%以上となる部分からメタライズ層
の厚さを測定するものとする。
【0018】また、上記メタライズAlN基板におい
て、メタライズ層の任意の2ヶ所における抵抗値の差
が、10mΩ/□以下であると良い。
【0019】本発明のAlN含有メタライズ層によれ
ば、任意の2箇所における抵抗値の差を20Ω・cm以
下とすることが可能となる。メタライズ層に抵抗値の差
が過大であると、前述したように、大電流を流した際に
メタライズ層の各部分において抵抗値の差が生じること
から、当然発熱状態が変化してメタライズ層およびAl
N基板の熱膨張差の影響を部分的に受けることになり、
剥離が生じる原因となる。なお、任意の2ヶ所の測定方
法については4端子法により測定可能であり、最低3m
m程度離れた場所を測定するものとする。言い換える
と、本発明のメタライズAlN基板はメタライズ層の短
辺が3mm以上と広範囲のものを具備する場合に特に有
効であると言える。なお、本発明においてメタライズ層
の短辺が3mm未満のものであったとして問題はないこ
とは言うまでもない。
【0020】さらに、上記メタライズAlN基板におい
て、メタライズ層が同時焼成法により形成されることが
好ましい。
【0021】本発明において、同時焼成法を用いてメタ
ライズAlN基板を製造することにより、製造工程数を
低減できる等の利点を有するため、生産効率の向上を図
ることが可能となる。
【0022】次に、メタライズAlN基板の製造方法に
ついて説明する。
【0023】まず、AlN粒子を含有した高融点金属ペ
ーストを作製する。なお、AlN粒子の大きさは平均粒
径1μm以下、高融点金属粒子は平均粒径4μm以下と
すると良い。上記各粒子を有機溶媒中にて均一混合す
る。均一混合させる方法としては特に限定されるもので
はないが、例えば、3段ローラを用いて複数回による混
合を行うと良く、また、好ましくは10回(10バッ
チ)以上の混合を行うことが効果的である。また、別の
方法ではAlN粒子のみその体積の50倍以上の体積を
有する有機溶媒中で攪拌した後に高融点金属粒子を添加
して均一混合する方法も効果的である。
【0024】均一混合されたメタライズペーストを、A
lN焼結体基板上に所定量塗布して焼成する。このとき
AlNは成形体のままとし、その上にメタライズペース
トを塗布後焼成する同時焼成法を用いると製造性が良好
となる。
【0025】なお、本発明において、AlN粒子を均一
に分散することが重要であるが、これは、単に混合する
のみでは高融点金属ペースト中でAlNが偏析してしま
い、結果的にメタライズ層の厚み方向に対してAlN粒
子数が本発明の範囲外となってしまうためである。ま
た、偏析が起こるとAlN粒子の最大径が5μmを超え
ることが予測されるため、AlN粒子を均一分散すると
良い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、表1および表2を用いて説明する。
【0027】実施例1(表1) 本実施例では、メタライズ層の単位体積あたりに分散し
ているAlN粒子数を変えて、各種特性を評価した。
【0028】まず、平均粒径が0.8μmの窒化アルミ
ニウム(AlN)原料粉末に対して、焼結助剤としてY
粉末およびAl粉末を添加し、エチルアル
コール中で24時間湿式混合した後に乾燥して原料粉末
混合体を調整した。次に得られた原料粉末混合体に有機
バインダを所定量添加して均一混合し、原料スラリーを
調製した。調製した原料スラリーをドクターブレード法
により成形し、シート状成形体を複数個調製した。
【0029】一方、高融点金属として平均粒径が3μm
のタングステン(W)粉末を用い、このタングステン粉
末に最大径0.6μmの窒化アルミニウム粉末および有
機溶媒を混合して、3段ローラにより10回バッチ以上
の混合、またはAlN粒子の体積の50倍以上の体積を
有する有機溶媒中にAlN粒子を攪拌した後タングステ
ン粉末を添加混合による混合を行い、AlN粒子が均一
に分散しているAlN含有Wペースト状回路材料を調製
した。なお、窒化アルミニウム原料粉末混合体を脱脂し
た粉末の添加量を種々変えたAlN含有Wペースト状回
路材料を調製した。
【0030】次に、AlN含有Wペースト状回路材料を
スクリーン印刷機により各シート状成形体上に印刷した
後、乾燥して各種の印刷体を形成した。この印刷体を6
50℃の窒素雰囲気中において2時間脱脂した後、脱脂
体を窒素ガス雰囲気中7.5気圧にて1900℃で6時
間保持し、同時緻密化焼結を実施した。同時緻密化焼結
後、焼結炉に付設した加熱装置への通電量を制御して冷
却速度を調整して焼結体を冷却し、同時焼成基板を複数
個調製した。
【0031】本同時焼結基板のAlN基板のサイズは2
0mm×30mm×1mmであり、AlN含有Wペース
ト状回路材料からなるメタライズ層の面積は10mm×
15mm、厚さは20μmであった。
【0032】さらに調製した同時焼成基板を、7.5気
圧の窒素ガス雰囲気中、1800℃で2時間保持して反
り直しを実施した後、同時焼成基板の回路部に無電解ニ
ッケルめっき法により厚さ4μmのニッケルめっき層を
形成し、メタライズAlN基板を得た。
【0033】上記各メタライズAlN基板のメタライズ
層において、縦、横、高さがそれぞれ5μm、5μm、
10μmである直方体の単位体積あたりに存在するAl
N粒子数を以下に示すように測定した。
【0034】メタライズAlN基板を切断した後に切断
面をポリッシュ加工し、その拡大写真を用いて単位体積
あたりに存在するAlN粒子数を任意の3ヵ所について
測定し、測定値の平均値を算出した。単位体積あたりの
AlN粒子の数に応じて試料No.1ないし試料No.
7とした。なお、試料No.6は、単位体積あたりのA
lN粒子数が20個、試料No.7は、AlN粒子を添
加せずに本発明の範囲外としたメタライズAlN基板で
ある。
【0035】上記試料No.1ないし試料No.7の各
基板に対して、接合強度の測定および任意の2ヶ所にお
ける抵抗値の測定を行うとともに、耐熱サイクル特性を
評価した。
【0036】なお、接合強度の測定は、メタライズ層上
に厚さ5μmのNiメッキを施した後、BAg−8のろ
う材を用いて接合面積10mm×10mmとしたコバー
ル板(サイズ10mm×50mm×0.8mm)を接合
して、ピール強度を測定したものである。
【0037】また、抵抗値は、メタライズ層における3
mm離れた任意の2点を選択して4端子法を用いて測定
したものであり、第一の測定点の抵抗値を抵抗値1と
し、第二の測定点の抵抗値を抵抗値2とした。
【0038】さらに、耐熱サイクル特性はTCT試験を
行い評価したものであり、測定条件は、−55℃×30
min→R.T.×10min→160℃×30min
→R.T.×10minを1サイクルとして、1000
サイクル実施後の割れの有無を評価した。なお、比較例
の試料No.6および試料No.7は、上記サイクルを
500サイクル実施した際の割れの有無を評価したもの
である。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示すように、実施例の試料No.1
ないし試料No.5は、ピール強度がいずれもAlN基
板に高く強度が優れているとともに、抵抗値のばらつき
が少ないことが判明した。また、TCT試験で1000
サイクル後においても、いずれもAlN基板に割れが無
く、優れた耐熱サイクル特性を得られることが判明し
た。また、単位体積あたりのAlN粒子が直接接触して
いる個所はいずれも0〜1個所の範囲であった。
【0041】実施例2(表2) 本実施例では、メタライズ層に分散させるAlN粒子の
最大径を種々変化させて、実施例1と同様の方法を用い
てメタライズAlN基板を作製し、各種特性を評価し
た。
【0042】具体的には、実施例1に示す試料No.3
のメタライズAlN基板と同様にメタライズ層中のAl
N粒子の数を6個としたメタライズAlN基板を作製
し、AlN粒子の最大径を0.5μmから8μmの範囲
で変化させてメタライズAlN基板を作製し、抵抗値の
測定およびTCT試験を行った。なお、測定条件は実施
例1と同様とした。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2に示すように、本発明の範囲内である
試料No.8ないし試料No.11は、抵抗値の差がい
ずれも10mΩ/□以下であり抵抗値のばらつきが少な
く、TCT試験後の割れが発生しないことから、耐熱サ
イクル特性が優れていることが判明した。一方、AlN
粒子の最大径を8μmとした試料No.12は、抵抗値
の差が50mΩ/□とばらつきが大きくなり、またTC
T試験後の割れも生じた。
【0045】本実施形態によれば、メタライズ層に添加
するAlN粒子の数を制御して均一分散させて、抵抗値
のばらつきを防止し、温度上昇に伴う耐熱サイクル特性
の低下を防止できる。また、AlNは絶縁体であるため
AlN粒子自体が抵抗体となり、AlNの粒子径が過大
になると抵抗値のばらつきが生じるが、本実施形態のよ
うに、AlN粒子の最大径を5μm以下とすることによ
り、抵抗値のばらつきを解消して耐熱サイクル特性の低
下を防止できる。本発明は、特に、メタライズAlN基
板の大きさが大型化した場合に、抵抗値のばらつきを、
より一層低減できるため、大電流に対応可能な優れた耐
熱サイクル特性を有するメタライズAlN基板を得るこ
とができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
メタライズ層にAlN粒子を均一に分散させているた
め、メタライズ層の抵抗値のばらつきを低減して、優れ
た耐熱サイクル特性を有し、大電流に対応可能なメタラ
イズAlN基板が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlN基板表面にタングステンおよびモ
    リブデンのいずれかの高融点金属を主成分とするメタラ
    イズ層を備え、このメタライズ層の厚さ方向を長辺とす
    る縦、横、高さがそれぞれ5μm、5μm、10μmで
    ある直方体を単位体積とした場合に、この単位体積あた
    りに3〜10個の割合でAlN粒子がメタライズ層中に
    分散していることを特徴とするメタライズAlN基板。
  2. 【請求項2】 前記AlN粒子の最大径が、5μm以下
    であることを特徴とする請求項1記載のメタライズAl
    N基板。
  3. 【請求項3】 前記メタライズ層の厚さが、10〜30
    μmであることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載のメタライズAlN基板。
  4. 【請求項4】 前記メタライズ層の任意の2ヶ所におけ
    る抵抗値の差が、10mΩ/□以下であることを特徴と
    する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のメタラ
    イズAlN基板。
  5. 【請求項5】 メタライズ層が同時焼成法により形成さ
    れたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    かに記載のメタライズAlN基板。
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