JP2002078673A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

Info

Publication number
JP2002078673A
JP2002078673A JP2000270724A JP2000270724A JP2002078673A JP 2002078673 A JP2002078673 A JP 2002078673A JP 2000270724 A JP2000270724 A JP 2000270724A JP 2000270724 A JP2000270724 A JP 2000270724A JP 2002078673 A JP2002078673 A JP 2002078673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endoscope
lubricant
optical fiber
coating layer
fiber bundle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000270724A
Other languages
English (en)
Inventor
Sukenao Abe
祐尚 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP2000270724A priority Critical patent/JP2002078673A/ja
Publication of JP2002078673A publication Critical patent/JP2002078673A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Endoscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】湾曲抵抗が小さく、繰り返し使用しても損傷、
破損を生じにくい内視鏡を提供すること。 【解決手段】本発明の内視鏡は、可撓性(柔軟性)を有
する挿入部2と、挿入部2の基端側に設置された操作部
とを有している。挿入部2は、外皮382などで構成さ
れた管腔の内部に、チューブやワイヤーなどの長尺部材
が配設された構成となっている。管腔の内部には潤滑剤
5が配設され、管腔の内面および長尺部材の表面には、
ポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層4が形成さ
れている。このポリパラキシリレン樹脂は、ポリパラキ
シリレン、ポリモノクロロパラキシリレンのうち少なく
とも1種を含むものであるのが好ましい。被覆層の厚さ
は、0.1〜75μmであるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】医療の分野では、消化管等の検査、診断
などに、内視鏡が使用されている。この内視鏡は、体腔
内に挿入される挿入部と、この挿入部の基端側に設置さ
れ、挿入部の先端部を湾曲操作する操作部とを有してい
る。また、この内視鏡は、操作部から延設され、光源装
置や制御装置に接続される接続部を有する。
【0003】挿入部は、曲がった体腔内に挿入され、こ
れに追従できるよう、可撓性を有する可撓管と、その先
端側において湾曲操作される湾曲部とを有する。
【0004】ところで、この挿入部内には、先端方向に
存在する湾曲部を湾曲させる湾曲機構、前記光源装置か
らの光を先端部に伝達するライトガイド、被写体の画像
を操作部に伝達するイメージガイド、治療・細胞検査等
を行う鉗子を挿通するチューブ、薬液等を注入する送気
・送液チューブなどの長尺部材が必要に応じ長手方向に
配設されている。
【0005】そして、この可撓管や湾曲部を湾曲させる
と、湾曲させたことにより内蔵する各長尺部材に摩擦が
生じ、圧力が作用する。この摩擦や圧力から各長尺部材
を保護するため、従来、各長尺部材の周りに潤滑剤を配
していた。
【0006】ところで、このような内視鏡は、繰り返し
使用されるため、その都度、洗浄および滅菌を行う必要
がある。
【0007】従来用いられていた潤滑剤は、このような
滅菌処理により、変質、劣化するという問題点を有して
いた。このような潤滑剤の変質、劣化は、潤滑性の低下
や、内視鏡の故障の原因となる。
【0008】また、耐薬品性にすぐれ、このような滅菌
処理を施してもほとんど変質、劣化しない潤滑剤も知ら
れているが、このような潤滑剤を用いた場合、内視鏡の
用途等によっては、十分な潤滑性が得られず、摺動抵抗
が大きい。特に、ライトガイドやイメージガイドを構成
する光学繊維(光ファイバー)は、十分な潤滑性が得ら
れないと、損傷、破損することがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、湾曲
抵抗が小さく、繰り返し使用しても損傷、破損を生じに
くい内視鏡を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0011】(1) 管腔と、その内部に配設された長
尺部材と、前記管腔の内部に配設された潤滑剤とを有す
る内視鏡であって、前記管腔の内面および/または前記
部材の表面の少なくとも一部にポリパラキシリレン樹脂
で構成された被覆層が形成されていることを特徴とする
内視鏡。
【0012】これにより、湾曲抵抗が小さく、繰り返し
使用しても損傷、破損を生じにくい内視鏡を提供するこ
とができる。
【0013】(2) 前記長尺部材は、前記管腔に対し
相対的に移動可能である上記(1)に記載の内視鏡。こ
れにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小さくなる。
【0014】(3) 前記潤滑剤は、フッ化炭素、窒化
ホウ素、黒鉛、フッ素系樹脂のうち少なくとも1種を含
むものである上記(1)または(2)に記載の内視鏡。
【0015】これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小
さくなり、また、耐薬品性が向上する。
【0016】(4) 前記潤滑剤は、粉末潤滑剤を含む
ものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の
内視鏡。
【0017】これにより、潤滑剤の取り扱いが容易とな
るとともに、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小さくなる。
【0018】(5) 前記粉末潤滑剤の平均粒径は、
0.01〜20μmである上記(4)に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小さくなる。
【0019】(6) 前記潤滑剤は、シリコーンゲル、
グリースのうち少なくとも1種を含むものである上記
(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視鏡。
【0020】これにより、潤滑剤の取り扱いが容易とな
るとともに、管腔の内部に配設された長尺部材を衝撃等
から保護することが可能となる。
【0021】(7) 前記潤滑剤は、前記部材の周囲に
配されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載
の内視鏡。これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小さ
くなる。
【0022】(8) 前記ポリパラキシリレン樹脂は、
ポリモノクロロパラキシリレン、ポリパラキシリレンの
うち少なくとも1種を含むものである上記(1)ないし
(7)のいずれかに記載の内視鏡。これにより、内視鏡
の柔軟性、耐薬品性のうち少なくとも一方が向上する。
【0023】(9) 前記長尺部材は、ワイヤーである
上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の内視鏡。
【0024】これにより、ワイヤーの牽引を円滑に行う
ことができるようになり、内視鏡の湾曲操作の操作性、
追従性が向上する。
【0025】(10) 前記長尺部材は、チューブであ
る上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の内視鏡。
【0026】これにより、管腔内の長尺部材が損傷、破
損するのをより効果的に防止することができる。
【0027】(11) 前記長尺部材は、光学繊維束で
あり、前記潤滑剤が、前記光学繊維束の外表面の少なく
とも一部に配されている上記(1)ないし(10)のい
ずれかに記載の内視鏡。
【0028】これにより、光学繊維束が損傷、破損する
のをより効果的に防止することができる。
【0029】(12) 前記長尺部材は、光学繊維束で
あり、前記潤滑剤が、前記光学繊維束を構成する各光学
繊維の外表面の少なくとも一部に配されている上記
(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡。
【0030】これにより、光学繊維束が損傷、破損する
のをより効果的に防止することができる。
【0031】(13) 前記長尺部材は、光学繊維束で
あり、ポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層が、
前記光学繊維束の外表面の少なくとも一部に形成されて
いる上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の内視
鏡。
【0032】これにより、光学繊維束が損傷、破損する
のをより効果的に防止することができる。
【0033】(14) 前記長尺部材は、光学繊維束で
あり、ポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層が、
前記光学繊維束を構成する各光学繊維の外表面の少なく
とも一部に形成されている上記(1)ないし(13)の
いずれかに記載の内視鏡。
【0034】これにより、光学繊維束が損傷、破損する
のをより効果的に防止することができる。
【0035】(15) 前記被覆層の厚さは、0.1〜
75μmである上記(1)ないし(14)のいずれかに
記載の内視鏡。これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに
小さくなる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内視鏡を添付図面
に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0037】図1は、本発明の内視鏡(ファイバースコ
ープタイプ)の実施形態を示す全体図、図2は、図1に
示す内視鏡における可撓管の横断面図、図3は、図1に
示す内視鏡における湾曲部の縦断面図、図4は、図2に
示す縦断面図の一部(ライトガイドを構成する光学繊維
束の中央部付近)を拡大して示す拡大断面図である。以
下、図1中、上方を「基端」、下方を「先端」という。
【0038】図1に示すように、本発明の内視鏡1は、
可撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部2と、挿入部
2の基端側に設置された操作部7とを有している。操作
部7は、術者が把持して内視鏡1全体を操作する部分で
ある。
【0039】図1に示すように、操作部7は、その外壁
を形成する操作部本体71および操作部カバー72と、
後述する湾曲部21を遠隔的に湾曲操作(屈曲操作)す
るための湾曲操作機構と、挿入部2の先端部に供給する
流体を導入する送気・送液チャンネルとを有している。
操作部本体71には、その湾曲操作を行うための湾曲操
作レバー73が回動自在に支持されている。
【0040】操作部本体71の頭部(基端側)には、接
眼部8が設けられている。この接眼部8により、被写体
の画像を直接観察することができる。また、この接眼部
8は、CCD(撮像素子)および撮像光学系等を内蔵す
るカメラ(図示せず)に着脱自在に接続し得るようにな
っている。このため、被写体をモニター画像として観察
することもできる。
【0041】また、操作部本体71における湾曲操作レ
バー73の支持部と反対側には、後述するライトガイド
32が挿通されている可撓性のライトガイド可撓管9が
接続されている。このライトガイド可撓管9の先端部に
は、図示しない光源装置に接続されるコネクタ10が連
結されている。
【0042】挿入部2は、体腔内に挿入して使用され
る。図1に示すように、挿入部2は、手元(基端)側か
ら可撓管20、その先端側に、湾曲(屈曲)可能な湾曲
部21を有している。そして、この湾曲部21の先端
に、先端部22が形成され、さらにその先端には、最先
端部23が形成されている。
【0043】図2に示すように、挿入部2では、外管2
4の内部(管腔)に、イメージガイド31と、ライトガ
イド32と、鉗子挿通用チューブ33と、送気用チュー
ブ34と、送液用チューブ35とが、長手方向に沿って
配設されている。
【0044】これらの各長尺部材(イメージガイド31
と、ライトガイド32と、鉗子挿通用チューブ33と、
送気用チューブ34と、送液用チューブ35)は、外管
24により、外部から隔絶され、保護されている。さら
に、外管24は、挿入部2の表面に接触する物質、例え
ば、薬品や体液などが挿入部2の内部に浸透するのを防
止し、挿入部2内の各部材を保護する。この外管24
は、内側から順に、ワイヤー挿通構縁37と、内皮38
1と、外皮382とが積層された層構造をなしている。
【0045】外皮382は、摩擦により体腔内の組織に
損傷を与えることを防止するため、柔軟性(可撓性)を
有する材料で構成されているのが好ましい。外皮382
の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフ
ッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム
等の各種エラストマーのうちの、1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0046】外皮382の厚さは、挿入部2内の各種部
材を保護可能であり、かつ、挿入部2の可撓性・湾曲性
を妨げないものであれば特に限定されず、100〜30
00μm程度が好ましく、200〜1000μm程度が
より好ましい。
【0047】次に、外管24の内部に配設された長尺部
材(イメージガイド31、ライトガイド32、鉗子挿通
用チューブ33、送気用チューブ34、送液用チューブ
35)について説明する。
【0048】イメージガイド31は、被写体の画像を接
眼部8へ伝達する。このイメージガイド31は、光学繊
維束と、該光学繊維束を保護するための保護チューブ
(第1保護チューブ311および第2保護チューブ31
2)とで構成されている。
【0049】光学繊維束は、複数本の光学繊維6(光フ
ァイバー)で構成されている。各光学繊維6は、接眼部
8と最先端部23の両端部において例えば接着剤により
束ねて固定され、他の部分では、各光学繊維6が個々に
移動可能な状態となっている。これにより、両端部以外
のイメージガイド31の横断面形状は、必要に応じ変形
することができる。
【0050】図3に示すように、挿入部2の最先端部2
3には、対物レンズ39が設置されている。イメージガ
イド31の末端(入射端)は、この対物レンズ39に接
続されている。
【0051】この対物レンズ39は、被写体の画像をイ
メージガイド31の入射端に結像させることができる。
【0052】ライトガイド32は、コネクタ10に接続
された図示しない光源装置の光源からの光を導き、最先
端部23の前方に照射する。これにより、被写体を観察
する際に必要な照明光を得ることができる。
【0053】このライトガイド32は、光学繊維束と、
該光学繊維束を保護するための保護チューブ321とで
構成されている。
【0054】光学繊維束は、複数本の光学繊維6(光フ
ァイバー)で構成されている。各光学繊維6は、コネク
タ10と最先端部23の両端部において例えば接着剤に
より束ねて固定され、他の部分では、各光学繊維6が個
々に移動可能な状態となっている。これにより、両端部
以外のライトガイド32の横断面形状は、必要に応じ変
形することができる。
【0055】イメージガイド31およびライトガイド3
2に用いられる光学繊維6は、石英、多成分ガラス、プ
ラスチック等により構成されている。
【0056】これら光学繊維束を構成する光学繊維6の
直径は、特に限定されないが、2〜40μm程度が好ま
しく、4〜10μm程度がより好ましい。直径が前記下
限値未満であると、光学繊維束の間隙への潤滑剤5の充
填性が悪くなる場合がある。一方、直径が前記上限値を
超えると、画素密度の低下や導光の効率が悪くなる場合
がある。
【0057】鉗子挿通用チューブ33は、中空構造であ
り、ここに鉗子が挿通される。この鉗子により、内視鏡
1は最先端部23の近傍で、種々の処置、治療等を行う
ことができる。
【0058】なお、この鉗子挿通用チューブ33には鉗
子以外の他の医療処置具、診断具などを挿通してもよ
い。
【0059】送気用チューブ34、送液用チューブ35
は、挿入部2の先端で開放しており、その先端開口によ
り体腔内に流体を注入し、あるいは、体腔内から流体を
吸引することができる。例えば、送液用チューブ35に
より、操作部7の前記送気・送液チャンネルから導入さ
れた洗浄水、薬液等を、体腔内に挿入・留置された最先
端部23の近傍に注入、あるいは最先端部23の近傍の
体液等を回収することができる。
【0060】また、図2に示すように、外管24の内側
には管腔が形成されており、この外管24の内面には、
ポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層4が形成さ
れている。また、この管腔内に配設された各長尺部材
(イメージガイド31、ライトガイド32、鉗子挿通用
チューブ33、送気用チューブ34、送液用チューブ3
5)の表面にも被覆層4が形成されており、外管24の
内部(管腔)には潤滑剤5が配されている。被覆層4、
潤滑剤5は、後に詳述するように、優れた潤滑性を有し
ている。このため、各長尺部材が外管24(管腔)に対
し相対的に移動した場合(例えば、挿入部2が湾曲した
場合)における、長尺部材−長尺部材間および外管−長
尺部材間の摩擦抵抗は小さなものとなる。したがって、
各長尺部材が円滑に移動することが可能となり、挿入部
2の湾曲抵抗が小さなものとなる。その結果、各長尺部
材の損傷、破損等を効果的に防止することが可能とな
る。
【0061】また、図2に示すように、保護チューブ3
21の内側には管腔が形成されており、この保護チュー
ブ321の内面には、被覆層4が形成されている。ま
た、この管腔内には長尺部材として光学繊維束が配設さ
れている。さらに、図4に示すように、この光学繊維束
を構成する各光学繊維6の表面には被覆層4が形成され
ており、各光学繊維6の周囲には潤滑剤5が配されてい
る。
【0062】このように、ライトガイド32の光学繊維
束を構成する各光学繊維6の表面および光学繊維束を被
覆する保護チューブ321の内面に被覆層4が形成さ
れ、各光学繊維6の周囲に潤滑剤5が配されることによ
り、光学繊維6が保護チューブ321に対し相対的に移
動した場合(例えば、挿入部2が湾曲した場合)におけ
る、光学繊維6−光学繊維6間および光学繊維6−保護
チューブ321間の摩擦抵抗は小さなものとなる。この
ため、各光学繊維6が円滑に移動することが可能とな
り、挿入部2の湾曲抵抗が小さなものとなる。したがっ
て、挿入部2の湾曲時などにおける各光学繊維への引張
り、圧迫、挫屈が抑制され、結果として、ライトガイド
32の損傷、破損等を効果的に防止することができる。
【0063】また、イメージガイド31についても、同
様に、被覆層4と潤滑剤5とが配されている。これによ
り、光学繊維6が第1保護チューブ311に対し相対的
に移動した場合(例えば、挿入部2が湾曲した場合)に
おける、光学繊維6−光学繊維6間および光学繊維6−
第1保護チューブ311間の摩擦抵抗は小さなものとな
る。このため、各光学繊維6が円滑に移動することが可
能となり、挿入部2の湾曲抵抗が小さなものとなる。し
たがって、挿入部2の湾曲時などにおける各光学繊維へ
の引張り、圧迫、挫屈が抑制され、結果として、イメー
ジガイド31の損傷、破損等を効果的に防止することが
できる。
【0064】このような各長尺部材を内蔵した湾曲部2
1は、湾曲操作レバー73を回動させ、ワイヤー36を
牽引、弛緩することにより所定の方向に湾曲する(図3
参照)。
【0065】一対のワイヤー36は、挿入部2の中心軸
を介しておおむね対向するように配置されている。ま
た、ワイヤー36(長尺部材)は、ワイヤー挿通構縁3
7と内皮381との間(管腔内)に挿入されている。こ
のワイヤー36の先端は、挿入部2の先端部22の閉塞
された部分に接着、固定されている。
【0066】このため、湾曲操作レバー73を回動さ
せ、一方のワイヤー36を牽引し、他方のワイヤー36
を弛緩すると、図3に示すように、湾曲部21は、その
牽引したワイヤー36の先端のある側へ湾曲する。
【0067】また、操作部7を操作して、挿入部2を軸
を中心に回転させ、これと前記湾曲を組み合わせること
により、360°全方向を観察することができる。
【0068】ワイヤー36には、頻回の牽引操作により
断線を生じることがない程度の強度および耐久性を有
し、また、伸びの少ないものが用いられる。このような
ワイヤーとしては、例えば、ステンレス鋼等の金属線、
ポリアミド、ポリエステル等の樹脂繊維による単線や繊
維束が挙げられる。
【0069】また、ワイヤー36の外径は、その構成材
料や挿入部2の横断面形状、寸法、構成材料等の諸条件
により異なるが、ワイヤー36が例えばポリアクリレー
ト製撚り糸またはステンレス鋼の単線で構成されている
場合、その外径は、30〜3000μm程度が好まし
く、100〜1000μm程度がより好ましい。
【0070】ワイヤー挿通構縁37は、内皮381とと
もにワイヤー36を支持する。両者が、ワイヤー36を
支持することにより、ワイヤー36は定められた方向に
円滑に湾曲できる。
【0071】ワイヤー挿通構縁37および内皮381
は、ワイヤー36を支持可能であり、ワイヤー36を牽
引した場合に、破損の生じない強度および耐久性を有す
る材料(例えばステンレスなど)で構成されている。
【0072】ワイヤー挿通構縁37および内皮381の
厚さは、ワイヤー36を支持可能であり、かつ挿入部2
の可撓性・湾曲性を妨げるものでなければ特に限定され
ず、100〜3000μm程度が好ましく、100〜2
00μm程度がより好ましい。
【0073】また、ワイヤー36が挿入された管腔(ワ
イヤー挿通構縁37と内皮381とで形成された空間)
の内面およびワイヤー36の表面には被覆層4が形成さ
れており、この管腔の内部には潤滑剤5が配されてい
る。これにより、ワイヤー36(長尺部材)がこの管腔
に対し相対的に移動した場合(例えば、ワイヤー36を
牽引した場合)における、管腔の内面−ワイヤー間の摩
擦抵抗は小さなものとなる。このため、挿入部2の湾曲
抵抗が小さくなり、結果として、ワイヤー36の牽引を
円滑に行うことが可能となり、内視鏡1の湾曲操作の操
作性、追従性が向上する。
【0074】以上説明したように、本発明は、ポリパラ
キシリレン樹脂で構成された被覆層4と、潤滑剤5とを
併存させる点に特徴を有する。以下、被覆層4、潤滑剤
5について詳述する。
【0075】[被覆層]被覆層4は、ポリパラキシリレ
ン樹脂で構成されている。このような被覆層4は、以下
に示すような利点を有する。
【0076】1.潤滑性 ポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層4は、優れ
た潤滑性を有する。したがって、被覆層4が形成される
ことにより、挿入部2の湾曲抵抗を有効に低減させるこ
とができ、しかも、摩擦による損傷から各部材を有効に
保護することができる。
【0077】2.耐薬品性 挿入部2は、使用前後に消毒薬等の薬品に浸漬すること
がある。従来の潤滑剤には、このような薬品と反応して
しまい、劣化しまたは腐食され、長期の使用に耐えられ
ないものもあった。
【0078】これに対し、ポリパラキシリレン樹脂で構
成された被覆層4は、耐薬品性に優れている。このた
め、潤滑剤5は、そのような薬品に接触しても、変質、
劣化しにくい。
【0079】したがって、ポリパラキシリレン樹脂で構
成された被覆層4を有する内視鏡1は、消毒薬等の薬品
に日常的に接触する環境下でも、劣化することなく長期
にわたって使用することが可能になる。
【0080】3.撥水性・ガスバリヤ性 挿入部2は、過酸化水素系消毒液等を用いた高度な滅菌
に供される。この過酸化水素系消毒液は、挿入部2の内
部に浸透し易く、ゴムや樹脂などに吸着され易い。この
ため、挿入部2を、このような滅菌に繰り返し供する
と、挿入部2内の部材が徐々に劣化していくという問題
があった。
【0081】しかし、ポリパラキシリレン樹脂で構成さ
れた被覆層4は、撥水性・ガスバリヤ性に優れている。
このため、このような被覆層が形成されることにより、
過酸化水素系消毒液等が内部に浸透しにくくなり、各部
材の劣化を防止することができる。
【0082】したがって、このような挿入部2は、高度
な滅菌を繰り返し行っても劣化しにくくなり、このよう
な滅菌に繰り返し供することができる。
【0083】4.絶縁性 ポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層4は、電気
絶縁性を有するので、挿入部2中で使用できる場所に制
限がなく、広く用いることができる。しかも、これによ
り挿入部2全体の絶縁性を高めることができる。
【0084】特に、電子内視鏡に使用した場合、例えば
リード線やリード線とCCDとの接続部などに被覆層4
が接触していても短絡等を引き起こすことはない。しか
も、漏電、感電等を防止することもできる。
【0085】このように、ポリパラキシリレン樹脂で構
成された被覆層4は、前記4つの優れた利点を有し、そ
の相乗効果により、後述するような優れた内視鏡1が提
供される。
【0086】被覆層4を構成するポリパラキシリレン樹
脂としては、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylen
e)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro
-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly
-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキ
シリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモ
ノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylyle
ne)等が挙げられるが、この中でも特に、ポリパラキシ
リレン、ポリモノクロロパラキシリレンのうち少なくと
も1種を含むものであるのが好ましい。ポリパラキシリ
レンは、特に柔軟性に優れる。また、ポリモノクロロパ
ラキシリレンは、特にガスバリア性に優れている。
【0087】このような被覆層4は、通常、パラキシリ
レン樹脂に対応するダイマーを原料として用い、CVD
(化学蒸着)を行うことにより形成される。また、被覆
層4の形成に先立ち、被覆層の形成部位に、洗浄処理、
ブラスト処理、エッチング等の下地処理を施してもよ
い。これにより、均一かつ緻密な被覆層4が安定して得
られる。
【0088】被覆層4の厚さは、特に限定されないが、
0.1〜75μmであるのが好ましく、0.5〜20μ
mであるのがより好ましい。被覆層4の厚さが前記下限
値未満であると、本発明の効果が十分に得られない可能
性がある。一方、被覆層4の厚さが前記上限値を超える
と、柔軟性が低下する場合がある。
【0089】[潤滑剤]潤滑剤5は、前記被覆層4と同
様、優れた潤滑性を有する。本発明では、被覆層4と潤
滑剤5とを併存させることにより、特に優れた潤滑性が
得られる。
【0090】潤滑剤5としては、例えば、二硫化モリブ
デン(MoS2)、窒化ホウ素(BN)、黒鉛、フッ化
炭素((CF)n)、フッ素系樹脂等を含むものが挙げ
られるが、窒化ホウ素(BN)、黒鉛、フッ化炭素
((CF)n)、フッ素系樹脂のうち少なくとも1種を
含むものであるのが好ましい。これらの潤滑剤は、特に
耐薬品性に優れている。
【0091】潤滑剤の形状は、特に限定されないが、粉
末を含むものであるのが好ましい。潤滑剤5が粉末潤滑
剤を含むものであると、潤滑剤5が狭い間隙にも入り込
むことができ、潤滑をより円滑に行うことができるよう
になるとともに、潤滑剤5の取り扱いも容易となる。
【0092】粉末潤滑剤の平均粒径は、特に限定されな
いが、0.01〜20μm程度が好ましく、0.1〜1
6μm程度がより好ましく、1〜14μm程度がさらに
好ましい。平均粒径が、この範囲の上限値を超えると、
潤滑剤5の充填性が悪くなり、十分な潤滑性が得られな
くなる場合がある。一方、この下限値を下回る平均粒径
の潤滑剤は、製造上困難であるとともに、取り扱い性も
低下する。
【0093】潤滑剤5は、前述したような粉末潤滑剤の
中でも、フッ化炭素を含むものであるのが特に好まし
い。潤滑剤5としてフッ化炭素を含むものを用いた場
合、以下に示すような利点が得られる。
【0094】1.潤滑性 フッ化炭素を含有する潤滑剤5は、特に優れた潤滑性を
有する。したがって、このような潤滑剤5を用いること
により、湾曲抵抗を有効に低減させることができ、しか
も、摩擦による損傷から各部材を有効に保護することが
できる。
【0095】2.耐薬品性 挿入部2は、使用前後に消毒薬等の薬品に浸漬すること
がある。従来の潤滑剤には、このような薬品と反応して
しまい、劣化しまたは腐食され、長期の使用に耐えられ
ないものもあった。
【0096】これに対し、フッ化炭素を含有する潤滑剤
5は耐薬品性に優れている。このため、潤滑剤5は、そ
のような薬品に接触しても変質、劣化しにくい。
【0097】したがって、このような潤滑剤5を有する
内視鏡1は、消毒薬等の薬品に日常的に接触する環境下
でも、劣化することなく長期にわたって使用することが
可能になる。
【0098】3.撥水性 挿入部2は、過酸化水素系消毒液等を用いた高度な滅菌
に供される。この過酸化水素系消毒液は、挿入部2の内
部に浸透し易く、ゴムや樹脂などに吸着され易い。この
ため、挿入部2を、このような滅菌に繰り返し供する
と、挿入部2内の部材が徐々に劣化していくという問題
があった。
【0099】しかし、フッ化炭素を含有する潤滑剤5
は、優れた撥水性を有している。このため、このような
潤滑剤5を挿入部2に用いると、過酸化水素系消毒液等
が内部に浸透しにくくなり、各部材の劣化を防止するこ
とができる。
【0100】したがって、このような挿入部2は、高度
な滅菌を繰り返し行っても劣化しにくくなり、このよう
な滅菌に繰り返し供することができる。
【0101】4.絶縁性 フッ化炭素を含有する潤滑剤5は電気絶縁性を有するの
で、挿入部2中で使用できる場所に制限がなく、広く用
いることができる。しかも、これにより挿入部2全体の
絶縁性を高めることができる。
【0102】特に、潤滑剤5を電子内視鏡に使用した場
合、例えばリード線やリード線とCCDとの接続部など
の周辺に潤滑剤5が存在していても短絡等を引き起こす
ことはない。しかも、漏電、感電等を防止することもで
きる。
【0103】このように、フッ化炭素を含有する潤滑剤
5は、前記4つの優れた利点を有し、その相乗効果によ
り、後述するような優れた内視鏡1が提供される。
【0104】フッ化炭素((CF)n)のnの値は、特
に限定されないが、10〜100程度が好ましく、20
〜70程度がより好ましく、30〜40程度がさらに好
ましい。nの値がこの範囲の上限値を超えると、十分な
潤滑性を得られない場合があり、下限値未満だと、撥水
性の点で不十分となる場合があるからである。
【0105】また、フッ化炭素の平均分子量は、特に限
定されないが、前記と同様の理由から、300〜350
0程度が好ましく、600〜2500程度がより好まし
く、900〜1200程度がさらに好ましい。
【0106】なお、潤滑剤5は、シリコーンゲル、グリ
ース等の半固形状の分散媒や、オイル等を含むものであ
ってもよい。特に、潤滑剤5が半固形状の分散媒を含む
ものであると、潤滑性が得られるだけでなく、取扱いが
容易となる。さらには、挿入部2の各長尺部材を衝撃等
から保護することも可能になる。
【0107】以上述べたような被覆層4と、潤滑剤5と
を併存させることにより、被覆層4の効果と、潤滑剤5
の効果とが相乗的に作用し、特に優れた効果が得られ
る。すなわち、被覆層4と、潤滑剤5とを併存させるこ
とにより、特に優れた潤滑性が得られるため、挿入部2
を湾曲させたときに生じる各長尺部材間の摩擦が抑制さ
れ、各長尺部材の損傷、破損を防止することができる。
【0108】しかも、耐薬品性に優れた挿入部2を得る
ことができる。したがって、挿入部2は、消毒薬等の薬
品にさらされても劣化しにくく、薬品等を用いた殺菌・
滅菌等に繰り返し供することが可能となる。
【0109】さらに、被覆層4が高い撥水性・ガスバリ
ヤ性を有するため、過酸化水素系消毒液等の内部に浸透
し易い物質で滅菌・殺菌等を行った場合でも、かかる物
質が内部に浸透しにくくなる。このため、挿入部2は、
過酸化水素系消毒液等を用いた高度な滅菌を繰り返し行
っても劣化しにくくなる。
【0110】また、被覆層4が耐薬品性および撥水性・
ガスバリヤ性を有しているため、外部から薬品等が挿入
部2に浸透するのを防止する外皮382および内皮38
1を薄くすることが可能となる。これにより、内視鏡を
細径化することが可能となる。
【0111】このような効果は、潤滑剤5、被覆層4の
構成材料等を適宜選択することにより、さらに顕著なも
のとなる。
【0112】以上、本発明の内視鏡について説明した
が、本発明は、これに限定されるものではない。
【0113】例えば、被覆層4、潤滑剤5を配する部位
は前述した部位に限られない。例えば、ライトガイド可
撓管9や操作部7内の摺動部のような他の部位に、被覆
層4、潤滑剤5を配することができる。また、鉗子挿通
用チューブ33の内面、送気用チューブ34の内面、送
液用チューブ35の内面等に被覆層を形成してもよい。
また、被覆層4、潤滑剤5を前述した各部位のうちの特
定の部分にのみ限定して配することもできる。さらに、
各部位で、被覆層4の条件(例えば、構成材料の組成、
厚さ等)や潤滑剤5の条件(例えば、構成材料の組成、
粉末潤滑剤の粒径等)が異なっていてもよい。
【0114】また、ワイヤー36の本数は、前述したよ
うに一対すなわち2本でなくてもよい。例えば、ワイヤ
ー36の本数は、1本でもよく、3本以上であってもよ
い。
【0115】また、各部材の構成は、同様の機能を有す
る任意のものに置換することができる。
【0116】例えば、前述した実施形態は、光学繊維束
をイメージガイドとして用いた光学内視鏡であるが、本
発明は、これに限られず、挿入部の先端部にCCD(撮
像素子)等を内蔵する電子内視鏡であってもよい。
【0117】このような電子内視鏡においては、被覆層
4は絶縁性を有するので、短絡、漏電等を防止でき、さ
らには感電も防止でき、より信頼性、安全性の高い内視
鏡を得ることができる。
【0118】また、前述した実施形態は、医療用に用い
られる内視鏡であるが、本発明は、これに限られず、工
業用等に用いられる内視鏡であってもよい。
【0119】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0120】1.内視鏡の作製 (実施例1)旭光学工業社製の気管支用ファイバー内視
鏡「FB−15X型」を用いて、図1〜図4に示すよう
な内視鏡を作製した。
【0121】潤滑剤としては、フッ化炭素((C
F)n)の粉末を用いた。このフッ化炭素は、nが30
〜40であり、平均粒径が5〜6μmであった。
【0122】被覆層は、ポリパラキシリレンで構成され
たものとした。被覆層の形成は、CVDにより行った。
得られた被覆層の平均厚さは、1μmであった。
【0123】(実施例2)被覆層の平均厚さを5μmと
した以外は、実施例1と同様にして内視鏡を作製した。
【0124】(実施例3)潤滑剤としてフッ素系樹脂で
あるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粉末を
用いた以外は、実施例1と同様にして内視鏡を作製し
た。このPTFEの平均粒径は、5〜6μmであった。
【0125】(実施例4)被覆層の平均厚さを5μmと
した以外は、実施例3と同様にして内視鏡を作製した。
【0126】(実施例5)潤滑剤としてフッ化炭素
((CF)n)50重量部をシリコーンゲル(東レダウ
コーニングシリコーン社製「SE1880」)100重
量部に分散させたものを用いた以外は、実施例1と同様
にして内視鏡を作製した。このフッ化炭素は、nが30
〜40であり、平均粒径が5〜6μmであった。
【0127】(実施例6)被覆層の平均厚さを5μmと
した以外は、実施例5と同様にして内視鏡を作製した。
【0128】(実施例7)被覆層をポリモノクロロパラ
キシリレンで構成されたものとした以外は、実施例1と
同様にして内視鏡を作製した。
【0129】(実施例8)被覆層の平均厚さを5μmと
した以外は、実施例7と同様にして内視鏡を作製した。
【0130】(実施例9)潤滑剤としてフッ素系樹脂で
あるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粉末を
用いた以外は、実施例7と同様にして内視鏡を作製し
た。このPTFEの平均粒径は、5〜6μmであった。
【0131】(実施例10)被覆層の平均厚さを5μm
とした以外は、実施例9と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0132】(実施例11)潤滑剤としてフッ化炭素
((CF)n)をシリコーンゲル(東レダウコーニング
シリコーン社製「SE1880」)に分散させたものを
用いた以外は、実施例7と同様にして内視鏡を作製し
た。このフッ化炭素は、nが30〜40であり、平均粒
径が5〜6μmであった。
【0133】(実施例12)被覆層の平均厚さを5μm
とした以外は、実施例11と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0134】(比較例1)被覆層を形成しなかった以外
は、実施例1と同様にして内視鏡を作製した。
【0135】(比較例2)潤滑剤としてフッ素系樹脂で
あるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粉末を
用いた以外は、比較例1と同様にして内視鏡を作製し
た。このPTFEの平均粒径は、5〜6μmであった。
【0136】(比較例3)潤滑剤として二硫化モリブデ
ン(MoS2)を用いた以外は、比較例1と同様にして
内視鏡を作製した。この二硫化モリブデンの平均粒径は
5μmであった。
【0137】2.評価 各実施例および各比較例で得られた各内視鏡を用いて、
以下のような評価を行った。
【0138】まず、各内視鏡の湾曲操作レバーを操作す
ることにより、湾曲部を湾曲させた。この操作を100
回繰り返し行った。100回目の湾曲操作におけるアン
グル力量を以下の4段階の基準に従って評価した。 ◎:最適なアングル力量を有し、内視鏡としての使用に
最適。 ○:適度なアングル力量を有し、内視鏡としての使用に
適する。 △:アングル力量がやや大きく、内視鏡としての使用に
問題あり。 ×:アングル力量が非常に大きく、内視鏡としての使用
に適さない。または破損により、内視鏡としての使用不
可。
【0139】さらに、ガスプラズマ滅菌装置(ジョンソ
ン・エンド・ジョンソンメディカル社製「STERRA
D」)を用いて、これらの内視鏡に対して、過酸化水素
プラズマ滅菌を約75分間かけて行った。この滅菌処理
を300回繰り返し行った後、各内視鏡の湾曲操作レバ
ーを操作することにより、湾曲部を湾曲させた。このと
きのアングル力量を前記と同様にして評価した。
【0140】これらの結果を表1に示す。なお、表1に
は、各内視鏡の潤滑剤、被覆層の条件も併せて示す。
【0141】
【表1】
【0142】表1から明らかなように、本発明の内視鏡
は、いずれも優れた湾曲性を有しており、滅菌処理を繰
り返し行った後も優れた湾曲性が維持されていた。
【0143】これに対し、比較例1および比較例2の内
視鏡は、湾曲性に劣っていた。また、比較例3の内視鏡
は、滅菌処理を行う前においては、優れた湾曲性を有し
ていたが、滅菌処理を繰り返し行うことにより、挿入部
の外皮および内皮に裂け目を生じた。
【0144】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、湾
曲抵抗が小さく、繰り返し使用しても損傷、破損を生じ
にくい内視鏡を得ることができる。
【0145】また、耐薬品性にも優れるため、高度の滅
菌などが繰り返し可能な内視鏡を得ることができる。ま
た、絶縁性等にも優れるため、電子内視鏡にも適用でき
る。
【0146】また、被覆層が優れた耐薬品性および撥水
性・ガスバリヤ性を有しているため、外部から薬品等が
挿入部に浸透するのを防止する外皮および内皮を薄くす
ることが可能となる。これにより、内視鏡を細径化する
ことが可能となる。
【0147】このような効果は、潤滑剤、被覆層の構成
材料等を適宜選択することにより、さらに顕著なものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡の実施形態を示す全体図であ
る。
【図2】図1に示す内視鏡における挿入部の横断面図で
ある。
【図3】図1に示す内視鏡の挿入部における湾曲部の縦
断面図である。
【図4】図2に示す縦断面図の一部を拡大して示す拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 内視鏡 2 挿入部 20 可撓管 21 湾曲部 22 先端部 23 最先端部 24 外管 31 イメージガイド 311 第1保護チューブ 312 第2保護チューブ 32 ライトガイド 321 保護チューブ 33 鉗子挿通用チューブ 34 送気用チューブ 35 送液用チューブ 36 ワイヤー 37 ワイヤー挿通構縁 381 内皮 382 外皮 39 対物レンズ 4 被覆層 5 潤滑剤 6 光学繊維 7 操作部 71 操作部本体 72 操作部カバー 73 湾曲操作レバー 8 接眼部 9 ライトガイド可撓管 10 コネクタ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管腔と、その内部に配設された長尺部材
    と、前記管腔の内部に配設された潤滑剤とを有する内視
    鏡であって、 前記管腔の内面および/または前記部材の表面の少なく
    とも一部にポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層
    が形成されていることを特徴とする内視鏡。
  2. 【請求項2】 前記長尺部材は、前記管腔に対し相対的
    に移動可能である請求項1に記載の内視鏡。
  3. 【請求項3】 前記潤滑剤は、フッ化炭素、窒化ホウ
    素、黒鉛、フッ素系樹脂のうち少なくとも1種を含むも
    のである請求項1または2に記載の内視鏡。
  4. 【請求項4】 前記潤滑剤は、粉末潤滑剤を含むもので
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載の内視鏡。
  5. 【請求項5】 前記粉末潤滑剤の平均粒径は、0.01
    〜20μmである請求項4に記載の内視鏡。
  6. 【請求項6】 前記潤滑剤は、シリコーンゲル、グリー
    スのうち少なくとも1種を含むものである請求項1ない
    し5のいずれかに記載の内視鏡。
  7. 【請求項7】 前記潤滑剤は、前記部材の周囲に配され
    ている請求項1ないし6のいずれかに記載の内視鏡。
  8. 【請求項8】 前記ポリパラキシリレン樹脂は、ポリモ
    ノクロロパラキシリレン、ポリパラキシリレンのうち少
    なくとも1種を含むものである請求項1ないし7のいず
    れかに記載の内視鏡。
  9. 【請求項9】 前記長尺部材は、ワイヤーである請求項
    1ないし8のいずれかに記載の内視鏡。
  10. 【請求項10】 前記長尺部材は、チューブである請求
    項1ないし9のいずれかに記載の内視鏡。
  11. 【請求項11】 前記長尺部材は、光学繊維束であり、 前記潤滑剤が、前記光学繊維束の外表面の少なくとも一
    部に配されている請求項1ないし10のいずれかに記載
    の内視鏡。
  12. 【請求項12】 前記長尺部材は、光学繊維束であり、 前記潤滑剤が、前記光学繊維束を構成する各光学繊維の
    外表面の少なくとも一部に配されている請求項1ないし
    11のいずれかに記載の内視鏡。
  13. 【請求項13】 前記長尺部材は、光学繊維束であり、 ポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層が、前記光
    学繊維束の外表面の少なくとも一部に形成されている請
    求項1ないし12のいずれかに記載の内視鏡。
  14. 【請求項14】 前記長尺部材は、光学繊維束であり、 ポリパラキシリレン樹脂で構成された被覆層が、前記光
    学繊維束を構成する各光学繊維の外表面の少なくとも一
    部に形成されている請求項1ないし13のいずれかに記
    載の内視鏡。
  15. 【請求項15】 前記被覆層の厚さは、0.1〜75μ
    mである請求項1ないし14のいずれかに記載の内視
    鏡。
JP2000270724A 2000-09-06 2000-09-06 内視鏡 Pending JP2002078673A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000270724A JP2002078673A (ja) 2000-09-06 2000-09-06 内視鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000270724A JP2002078673A (ja) 2000-09-06 2000-09-06 内視鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002078673A true JP2002078673A (ja) 2002-03-19

Family

ID=18757114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000270724A Pending JP2002078673A (ja) 2000-09-06 2000-09-06 内視鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002078673A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7833162B2 (en) * 2002-04-17 2010-11-16 Panasonic Corporation Ultrasonic probe
JP2013111160A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Fujifilm Corp 内視鏡
JP2014033933A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09140669A (ja) * 1995-11-28 1997-06-03 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡
JP2000005128A (ja) * 1998-06-17 2000-01-11 Asahi Optical Co Ltd 内視鏡
JP2000051140A (ja) * 1998-08-07 2000-02-22 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡
JP2000079092A (ja) * 1998-09-03 2000-03-21 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09140669A (ja) * 1995-11-28 1997-06-03 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡
JP2000005128A (ja) * 1998-06-17 2000-01-11 Asahi Optical Co Ltd 内視鏡
JP2000051140A (ja) * 1998-08-07 2000-02-22 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡
JP2000079092A (ja) * 1998-09-03 2000-03-21 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7833162B2 (en) * 2002-04-17 2010-11-16 Panasonic Corporation Ultrasonic probe
JP2013111160A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Fujifilm Corp 内視鏡
JP2014033933A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6923757B2 (en) Endoscope having a lubricant
US8162825B2 (en) Endoscope
JP6450892B1 (ja) 内視鏡
KR100449349B1 (ko) 개선된유연성삽입튜브를갖는내시경
EP2193743A1 (en) Endoscope flexible portion and endoscope
EP2196133A1 (en) Endoscope soft portion and endoscope
JP4360849B2 (ja) 内視鏡用可撓管および内視鏡
US20130137928A1 (en) Endoscope
EP1495711A1 (en) Flexible tube for an endoscope and an endoscope equipped with the flexible tube
JP4928774B2 (ja) 挿入部可撓管および内視鏡
JP2002078673A (ja) 内視鏡
JPH0533736U (ja) カテーテル
JP4360848B2 (ja) 内視鏡用可撓管および内視鏡
JP2003164420A (ja) 内視鏡
EP2184003A1 (en) Endoscope and flexible tube therefor
JP2002330922A (ja) 内視鏡
JP2000005128A (ja) 内視鏡
JP2002125917A (ja) 内視鏡
JP2004329539A (ja) 内視鏡
JP2004141272A (ja) 内視鏡
JP4147050B2 (ja) 内視鏡
US20240008722A1 (en) Peroxide-resistant flexible endoscope, and methods of reprocessing or sterilizing such endoscope
JPH11309110A (ja) 内視鏡のファイバーバンドル及びその形成方法
WO2018230502A1 (ja) 超音波内視鏡
JP2001008887A (ja) 内視鏡のアングル部

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070821

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100330