JP4147050B2 - 内視鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用、工業用等に用いられる内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野では、消化管等の検査、診断などに、内視鏡が使用されている。この内視鏡は、管腔内に挿入される挿入部可撓管と、この挿入部可撓管の基端側に設置され、挿入部可撓管の先端部を湾曲操作される操作部とを有している。また、この内視鏡は、操作部から延設され、光源装置や制御装置に接続されるライトガイド可撓管を有する。
【0003】
挿入部可撓管は、曲がった管腔内に挿入され、これに追従できるよう、可撓性を有する可撓管と、その先端側において湾曲操作される湾曲部とを有する。
【0004】
ところで、この挿入部可撓管内には、先端方向に存在する湾曲部を湾曲させる湾曲機構、前記光源装置からの光を先端部に伝達するライトガイド、被写体の画像を操作部に伝達するイメージガイド、治療・細胞検査等を行う鉗子を挿通するチューブ、薬液等を注入する送気・送液チューブなどの部材が必要に応じ長手方向に配設されている。
【0005】
そして、この可撓管や湾曲部を湾曲させると、湾曲させたことにより内蔵する各部材に摩擦が生じ、圧力が作用する。この摩擦や圧力の低減を目的として、各部材の周囲には潤滑剤が配されている。
【0006】
しかしながら、従来、この潤滑剤は、挿入部可撓管内の全ての部材の周囲に、平均粒径が同一のものが使用されている。このため、各部材間での適切な潤滑性が得られず、すなわち、各部材間での摩擦が大きくなり、挿入部可撓管を操作する際に、適切な操作性が得られない場合がある。また、各部材間での摩擦が極めて大きい場合等には、各部材に損傷や破損(例えば、ライトガイドやイメージガイドを構成する光学繊維の断列等)を生じるおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、操作性および耐久性に優れる内視鏡を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
【0009】
(1) 湾曲可能な内視鏡用可撓管を有する内視鏡であって、
前記内視鏡用可撓管は、その内部に粒子状の潤滑剤を有し、
前記内視鏡用可撓管の第1部位と第2部位とで、前記潤滑剤の平均粒径が異なっており、
前記第1部位を構成する部材は、ワイヤーおよび/またはチューブであり、該ワイヤーおよび/またはチューブの周囲に、前記潤滑剤が付与されており、
前記第2部位を構成する部材は、光ファイバーであり、該光ファイバー同士の間隙に、前記潤滑剤が付与されており、
前記第1部位に付与されている潤滑剤の平均粒径が、前記第2部位に付与されている潤滑剤の平均粒径より大きいことを特徴とする内視鏡。
これにより、内視鏡用可撓管の各部位で好適な潤滑性が得られ、操作性および耐久性に優れる内視鏡を提供することができる。
すなわち、ワイヤーおよび/またはチューブ間での潤滑性が向上し、また、光ファイバーの損傷がより確実に防止できる。
【0010】
(2) 前記第1部位および前記第2部位は、それぞれ、前記内視鏡用可撓管に対し相対的に移動可能に配設された部材の周囲である上記(1)に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡用可撓管の各部材間での潤滑性が向上する。
【0014】
) 前記第1部位に付与されている潤滑剤は、その平均粒径が3〜10μmである上記(1)または(2)に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡用可撓管の各部位での潤滑性がより好適なものとなる。
【0015】
) 前記第2部位に付与されている潤滑剤は、その平均粒径が0.1〜3μmである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、内視鏡用可撓管の各部位での潤滑性がより好適なものとなる。
【0016】
) 前記潤滑剤は、分散媒中に分散された状態で、前記第1部位および第2部位に、それぞれ、付与される上記(1)ないし()のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、内視鏡用可撓管の各部位に潤滑剤がより良好に付与され、潤滑性がより好適なものになる。
【0017】
) 前記分散媒は、半固形状である上記()に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡用可撓管の各部位に潤滑剤がより良好に付与され、潤滑性がより好適なものになる。
【0018】
) 前記分散媒は、シリコーンゲルまたはグリースである上記()または()に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡用可撓管の各部位に潤滑剤がより良好に付与され、潤滑性がより好適なものになる。
【0019】
) 前記潤滑剤は、二硫化モリブデン、フッ化炭素、窒化ホウ素、フッ素系樹脂または黒鉛のうちの少なくとも1種である上記(1)ないし()のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、各種の潤滑剤を用いても内視鏡用可撓管の各部位での潤滑性がより好適なものになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の内視鏡の実施形態(ファイバースコープタイプ)を示す全体図、図2は、図1に示す内視鏡における挿入部可撓管の横断面図、図3は、図1に示す内視鏡における湾曲部の縦断面図である。以下、図1中、上方を「基端」、下方を「先端」という。
【0022】
図1に示すように、本発明の内視鏡1は、可撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部可撓管(内視鏡用可撓管)2と、挿入部可撓管2の基端側に設置された操作部5とを有している。
【0023】
操作部5は、術者が把持して内視鏡1全体を操作する部分である。
図1に示すように、操作部5は、その外壁を形成する操作部本体51および操作部カバー52と、後述する湾曲部21を遠隔的に湾曲操作(屈曲操作)するための湾曲操作機構と、挿入部可撓管2の先端部に供給する流体を導入する送気・送液チャンネルとを有している。操作部本体51には、その湾曲操作を行うための操作部レバー(湾曲操作レバー)53が回動自在に支持されている。
【0024】
操作部本体51の頭部(基端)には、接眼部6が設けられている。この接眼部6により、被写体の画像を直接観察することができる。また、この接眼部6は、CCD(撮像素子)および撮像光学系等を内蔵するカメラ(図示せず)に着脱自在に接続し得るようになっている。このため、被写体をモニター画像として観察することもできる。
【0025】
また、操作部本体51における操作部レバー(湾曲操作レバー)53の支持部と反対側には、後述するライトガイド32が挿通されている可撓性を有するライトガイド可撓管(内視鏡用可撓管)7が接続されている。このライトガイド可撓管7の先端部には、図示しない光源装置に接続されるコネクタ8が連結されている。
【0026】
挿入部可撓管2は、管腔内に挿入して使用される。
図1に示すように、挿入部可撓管2は、手元(基端)側から可撓管20、その先端側に、湾曲(屈曲)可能な湾曲部21を有している。そして、この湾曲部21の先端に、先端部22が形成され、さらにその先端には、最先端部23が形成されている。
【0027】
図2に示すように、挿入部可撓管2の内部には、イメージガイド31と、ライトガイド32と、鉗子挿通用チューブ33と、送気用チューブ34と、送液用チューブ35とが、長手方向に沿って配設されている。また、この挿入部可撓管2は、内側から順に、ワイヤー挿通構縁37と、内皮381と、外皮382とが層構造をなして設けられている。
【0028】
イメージガイド31は、被写体の画像を接眼部6へ伝達する。
このイメージガイド31は、光学繊維束で構成されている。各光学繊維(光ファイバー)は、接眼部6と最先端部23の両端部において例えば接着剤により束ねて固定され、他の部分では、各光学繊維が個々に移動可能な状態となっている。これにより、両端部以外のイメージガイド31の横断面形状は、必要に応じ変形することができる。
【0029】
これらの光学繊維束を保護するため、イメージガイド31は、内側から順に、第1保護チューブ311と、第2保護チューブ312とで被覆されている。
【0030】
図3に示すように、挿入部可撓管2の最先端部23には、対物レンズ39が設置されている。イメージガイド31の末端(入射端)は、この対物レンズ39に接続されている。
【0031】
この対物レンズ39は、被写体の画像をイメージガイド31の入射端に結像させることができる。
【0032】
ライトガイド32は、コネクタ8に接続された図示しない光源装置の光源からの光を導き、最先端部23の前方に照射する。これにより、被写体を観察する際に必要な照明光を得ることができる。
【0033】
このライトガイド32は、光学繊維束で構成されている。各光学繊維(光ファイバー)は、コネクタ8と最先端部23の両端部において例えば接着剤により束ねて固定され、他の部分では、各光学繊維が個々に移動可能な状態となっている。これにより、両端部以外のライトガイド32の横断面形状は、必要に応じ変形することができる。
【0034】
これらの光学繊維束を保護するため、ライトガイド32は、保護チューブ321で被覆されている。
【0035】
イメージガイド31およびライトガイド32に用いられる光学繊維は、石英、多成分ガラス、プラスチック等により構成されている。
【0036】
これら光学繊維束を構成する光学繊維の直径は、特に限定されないが、2〜40μm程度が好ましく、イメージガイド31の場合、5〜10μm程度、ライトガイド32の場合、25〜35μm程度が、それぞれより好ましい。
【0037】
イメージガイド31の場合、それを構成する光学繊維の直径が、前記上限値を超えると、画素密度が低下する場合があり、前記下限値を下回ると、その構成材料等によっては製作が困難となる場合がある。
【0038】
また、ライトガイド32の場合、それを構成する光学繊維の直径が、前記上限値を超えると、その構成材料等によっては曲げ性能が低下する場合があり、前記下限値を下回ると、その構成材料等によっては導光の効率が低下する場合がある。
【0039】
鉗子挿通用チューブ33は、中空構造であり、ここに鉗子が挿通される。この鉗子により、内視鏡1は最先端部23の近傍で、種々の処置、治療等を行うことができる。
【0040】
なお、この鉗子挿通用チューブ33には鉗子以外の他の医療処置具、診断具などを挿通してもよい。
【0041】
送気用チューブ34、送液用チューブ35は、挿入部可撓管2の先端で開放しており、その先端開口により管腔内に流体を注入し、あるいは、管腔内から流体を吸引することができる。例えば、送液用チューブ35により、操作部5の前記送気・送液チャンネルから導入された洗浄水、薬液等を、管腔内に挿入・留置された最先端部23の近傍に注入、あるいは最先端部23の近傍の体液等を回収することができる。
【0042】
操作部レバー(湾曲操作レバー)53を回動させるとワイヤー36を牽引、弛緩することができる。これにより、挿入部可撓管2の湾曲部21を、所定の方向に湾曲させることができる。
【0043】
一対のワイヤー36は、挿入部可撓管2の中心軸を介しておおむね対向するように配置されている。また、ワイヤー36は、ワイヤー挿通構縁37と内皮381との間に挿入されている。このワイヤー36の先端は、挿入部可撓管2の先端部22の閉塞された部分に接着、固定されている。
【0044】
このため、操作部レバー(湾曲操作レバー)53を回動させ、一方のワイヤー36を牽引し、他方のワイヤー36を弛緩すると、図3に示すように、湾曲部21は、その牽引したワイヤー36の先端のある側へ湾曲する。
【0045】
また、操作部5を操作して、挿入部可撓管2を軸を中心に回転させ、これと前記湾曲を組み合わせることにより、360°全方向を観察することができる。
【0046】
ワイヤー36には、頻回の牽引操作により断線を生じることがない程度の強度および耐久性を有し、また、伸びの少ないものが用いられる。このようなワイヤーとしては、例えば、ステンレス鋼等の金属線、ポリアミド、ポリエステル等の樹脂繊維による単線や繊維束が挙げられる。
【0047】
また、ワイヤー36の外径は、その構成材料や挿入部可撓管2の横断面形状、寸法、構成材料等の諸条件により異なるが、ワイヤー36が例えばポリアクリレート製撚り糸またはステンレス鋼の単線で構成されている場合、その外径は、30〜3000μm程度が好ましく、100〜1000μm程度がより好ましい。
【0048】
なお、このようなワイヤー36の本数は、一対すなわち2本でなくてもよく、例えば、1本でもよく、3本以上であってもよい。
【0049】
ワイヤー挿通構縁37は、内皮381とともにワイヤー36を支持する。両者が、ワイヤー36を支持することにより、ワイヤー36は定められた方向に円滑に湾曲できる。
【0050】
また、内皮381および外皮382により、挿入部可撓管2の各部材は、外部から隔絶され、保護されている。さらに、内皮381および外皮382は、挿入部可撓管2の表面に接触する物質、例えば、薬品や体液などが挿入部可撓管2の内部に浸透するのを防止し、挿入部可撓管2内の各部材を保護する。
【0051】
ワイヤー挿通構縁37および内皮381は、ワイヤー36を支持可能であり、ワイヤー36を牽引した場合に、破損の生じない強度および耐久性を有する材料(例えばステンレス鋼等)で構成されている。
【0052】
ワイヤー挿通構縁37および内皮381の厚さは、ワイヤー36を支持可能であり、かつ挿入部可撓管2の可撓性・湾曲性を妨げるものでなければ特に限定されず、100〜3000μm程度が好ましく、100〜200μm程度がより好ましい。
【0053】
外皮382は、摩擦により管腔内の組織に損傷を与えることを防止するため、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等で構成されている。
【0054】
外皮382の厚さは、挿入部可撓管2内の各種部材を保護可能であり、かつ、挿入部可撓管2の可撓性・湾曲性を妨げないものであれば特に限定されず、100〜3000μm程度が好ましく、200〜1000μm程度がより好ましい。
【0055】
図3に示すように挿入部可撓管2の湾曲部21を湾曲させた場合、または、管腔の湾曲に追従するために可撓管20が湾曲する場合等において、上述した各部材は、湾曲方向に応じた所定の方向に引っ張られ、移動する。
【0056】
このとき、各部材間には摩擦が生じ、挿入部可撓管2の湾曲抵抗が増大する。このため、挿入部可撓管2の内部、すなわち、各部材の周囲には、粒子状の潤滑剤4が付与され、これにより、各部材間の摩擦を低減させ、挿入部可撓管2の湾曲抵抗を減少させている。
【0057】
本実施形態では、イメージガイド31の第2保護チューブ312、ライトガイド32の保護チューブ321、鉗子挿通用チューブ33、送気用チューブ34、送液用チューブ35等の各種チューブ、ワイヤー36などの各部材(以下、これらを総称して「構造物」という。)が第1部位を構成し、一方、イメージガイド31およびライトガイド32を構成する光学繊維(光ファイバー)が第2部位を構成し、これらの第1部位と第2部位とで、潤滑剤4の平均粒径が異なっている。すなわち、構造物の周囲に付与されている潤滑剤4の平均粒径と、光ファイバー同士の間隙に付与されている潤滑剤4の平均粒径とが異なっている。
【0058】
また、構造物の周囲に付与されている潤滑剤4の平均粒径は、光ファイバー同士の間隙に付与されている潤滑剤4の平均粒径より大きいものを用いるのが好ましい。すなわち、構造物の周囲には、比較的大きい平均粒径の潤滑剤4を付与し、光ファイバー同士の間隙には、比較的小さい平均粒径の潤滑剤4を付与するのが好ましい。このような構成とすることにより、次のような利点を有する。
【0059】
構造物は、可撓管20あるいは湾曲部21の湾曲操作に伴い、比較的頻繁に移動する部材(部位)である。
【0060】
したがって、構造物の周囲に、比較的大きい平均粒径の潤滑剤4を用いると、潤滑剤4は、可撓管20あるいは湾曲部21の湾曲操作に伴い、潤滑剤4同士あるいは潤滑剤4と構造物の外周面とが研磨し合い、徐々にその粒径が小さくなる。その結果、潤滑剤4は、構造物の周囲に、比較的小さい平均粒径の潤滑剤を用いる場合に比べて、より長い期間、大量に付着するようになる。このため、潤滑剤4は、より長い期間、潤滑性を維持することが可能である。
【0061】
このような観点からは、構造物の周囲(第1部位)に付与する潤滑剤4の平均粒径は、特に限定されないが、3〜10μm程度が好ましく、5〜7μm程度がより好ましい。
【0062】
一方、イメージガイド31およびライトガイド32は、可撓管20あるいは湾曲部21の湾曲によっても、構造物に比べて頻繁に移動しない部材(部位)である。したがって、これらを構成する光ファイバー同士の間隙には、比較的小さい平均粒径の潤滑剤4を付与することができる。
【0063】
光ファイバー同士の間隙に、比較的小さい平均粒径の潤滑剤4を付与することにより、潤滑剤4は、それらの間隙により均一に入り込むことができる。その結果、潤滑剤4は、各光ファイバーの周囲に、比較的大きい平均粒径の潤滑剤を用いる場合に比べて、内視鏡1の製造(作成)時から大量に付着するようになるとともに、可撓管20あるいは湾曲部21の湾曲操作を繰り返し行った後においても、大量に各光ファイバーの周囲に付着した状態が維持される。よって、可撓管20あるいは湾曲部21を湾曲させても、光ファイバーは、円滑に変形し、例えば折れ(切断)等の損傷や破損をより確実かつ長期間に渡り、防止(低減)することができる。さらに、イメージガイド31全体およびライトガイド32全体の細径化にも寄与する。
【0064】
このような観点からは、光ファイバー同士の間隙(第2部位)に付与する潤滑剤4の平均粒径は、特に限定されないが、0.1〜3μm程度が好ましく、0.3〜1.5μm程度がより好ましい。
【0065】
以上のような構成とすることにより、挿入部可撓管(内視鏡用可撓管)2を構成する各部材間では、それぞれ好適な潤滑性が得られ、挿入操作をし易く、耐久性に優れる内視鏡1を得ることができる。
【0066】
このような潤滑剤4としては、例えば、二硫化モリブデン、フッ化炭素、窒化ホウ素、フッ素系樹脂、黒鉛のうちの少なくとも1種であるのが好ましい。潤滑剤4として、これらのものを用いることにより、各部材間の潤滑性がより向上する。
【0067】
この潤滑剤4は、分散媒に分散させた状態で各部材の周囲(第1部位および第2部位)に付与するのが好ましい。これにより、各部材間の潤滑性がより向上する。
【0068】
このような分散媒としては、例えば、シリコーンゲル、グリース等の半固形状の分散媒、オイルなどが挙げられる。特に、潤滑剤4は半固形状の分散媒を有していると、潤滑性が得られるだけでなく、取扱いが容易となる。さらには、挿入部可撓管2の各部材を衝撃等から保護することも可能になる。
【0069】
以上、本発明の内視鏡を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
【0070】
例えば、潤滑剤は、内視鏡用可撓管の長手方向の部位において、その平均粒径が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、内視鏡用可撓管の湾曲操作に際して、頻繁に屈曲する部位には、その他の部位より平均粒径の大きい潤滑剤を付与するようにすることができる。
【0071】
また、図示の実施形態は、光学繊維束をイメージガイドとして用いた光学内視鏡であるが、本発明は、これに限られず、挿入部可撓管の先端部にCCD(撮像素子)等を内蔵する電子内視鏡であってもよい。
【0072】
また、前述した実施形態は、医療用に用いられる内視鏡であるが、本発明は、これに限られず、工業用等に用いられる内視鏡であってもよい。
【0073】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0074】
まず、平均粒径1.5μmの二硫化モリブデン(潤滑剤)500gとシリコーンゲル(半固形状の分散媒)1000gに分散させた潤滑剤組成物Aと、平均粒径7μmの二硫化モリブデン(潤滑剤)500gとシリコーンゲル(半固形状の分散媒)1000gに分散させた潤滑剤組成物Bとを用意した。
【0075】
(実施例1)
[サンプルNo.1A]
図1〜3に示すような内視鏡(サンプルNo.1A)を製造した(n=5)。この内視鏡は、湾曲部の湾曲角度を上下90°まで湾曲操作可能とした。
【0076】
この内視鏡の仕様は、以下の通りである。
Figure 0004147050
このサンプルNo.1Aの内視鏡では、光ファイバー同士の間隙に潤滑剤組成物Aを、また、構造物の周囲に潤滑剤組成物Bを付与した。
【0077】
[サンプルNo.1B]
光ファイバー同士の間隙および構造物の周囲に、それぞれ潤滑剤Bを付与した以外は、前記サンプルNo.1Aの内視鏡と同様にして内視鏡を製造した(n=5)。
【0078】
(評価)
5つのサンプルNo.1Aの内視鏡(本発明の内視鏡)および5つのサンプルNo.1Bの内視鏡(比較例の内視鏡)に対し、それぞれ、操作部レバーを操作して、湾曲部の湾曲操作を繰り返し行った。そして、イメージガイドおよびライトガイドの光ファイバーの折れ本数を確認した。
【0079】
この結果を、表1にグラフ化して示す。グラフ中、x軸には湾曲操作回数を示し、y軸にはイメージガイドおよびライトガイドの光ファイバーの折れ本数の合計を示した。なお、表1に示すグラフは、5つの内視鏡で得られた数値の平均値である。
【0080】
【表1】
Figure 0004147050
【0081】
この表1に示すように、サンプルNo.1Aの内視鏡(本発明の内視鏡)では、湾曲操作回数が多くなっても、光ファイバーの折れ本数の増加が抑制されており、耐久性に優れることが明らかとなった。
【0082】
これに対し、サンプルNo.1Bの内視鏡(比較例の内視鏡)では、湾曲操作回数が多くなるに従い、光ファイバーの折れ本数が激しく増加し、繰り返しの使用に耐えないものであった。
【0083】
なお、サンプルNo.1Aの内視鏡(本発明の内視鏡)は、操作性にも優れるものであった。
【0084】
(実施例2)
[サンプルNo.2A]
前記サンプルNo.1Aと同様にして内視鏡を製造した(n=5)。
【0085】
[サンプルNo.2B]
光ファイバー同士の間隙および構造物の周囲に、それぞれ潤滑剤組成物Aを付与した以外は、前記サンプルNo.1Aの内視鏡と同様にして内視鏡を製造した(n=5)。
【0086】
(評価)
5つのサンプルNo.2Aの内視鏡(本発明の内視鏡)および5つのサンプルNo.2Bの内視鏡(比較例の内視鏡)に対し、それぞれ、操作部レバーを操作して、湾曲部の湾曲操作を繰り返し行った。そして、操作部レバーの作動力量(トルク)の変化を測定した。
【0087】
この結果を、表2にグラフ化して示す。グラフ中、x軸には湾曲操作回数を示し、y軸には操作部レバーの作動力量(トルク)を示した。なお、表1に示すグラフは、5つの内視鏡で得られた数値の平均値である。
【0088】
【表2】
Figure 0004147050
【0089】
この表2に示すように、サンプルNo.2Aの内視鏡(本発明の内視鏡)では、湾曲操作回数が多くなっても、操作部レバーの作動力量の増加が抑制されており、耐久性に優れることが明らかとなった。
【0090】
これに対し、サンプルNo.2Bの内視鏡(比較例の内視鏡)では、湾曲操作回数が多くなるに従い、操作部レバーの作動力量が激しく増加し、繰り返しの使用に耐えないものであった。
【0091】
なお、サンプルNo.2Aの内視鏡(本発明の内視鏡)は、操作性にも優れるものであった。
【0092】
また、潤滑剤として、二硫化モリブデンに代えて、フッ化炭素、窒化ホウ素、フッ素系樹脂、黒鉛、あるいは、これらを混合したものまたはこれらと二硫化モリブデンとを混合したものを用いて、潤滑剤組成物を調製し、前記サンプルNo.1Aの内視鏡およびサンプルNo.2Aの内視鏡(いずれも本発明の内視鏡)を製造したが、前記と同様に優れた操作性および耐久性が確認された。
【0093】
また、分散媒として、シリコーンゲルに代えて、グリースを用いて潤滑剤組成物を調整し、または、分散媒を使用せずに潤滑剤を単独で使用して、前記サンプルNo.1Aの内視鏡およびサンプルNo.2Aの内視鏡(いずれも本発明の内視鏡)を製造したが、前記と同様に優れた操作性および耐久性が確認された。
【0094】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、優れた潤滑性により湾曲抵抗が少なく、内視鏡用可撓管を湾曲させた場合、その湾曲を容易に行うこと(優れた操作性を有すること)ができるとともに、内視鏡用可撓管内部の各部材の損傷が生じ難く、耐久性が向上する。
【0095】
また、潤滑剤を付与する部位を適宜選択し、これらの部位に付与する潤滑剤の平均粒径の大小関係を適宜設定することにより、前記効果がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡の実施形態(ファイバースコープタイプ)を示す全体図である。
【図2】図1に示す内視鏡における挿入部可撓管の横断面図である。
【図3】図1に示す内視鏡における湾曲部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 内視鏡
2 挿入部可撓管
20 可撓管
21 湾曲部
22 先端部
23 最先端部
31 イメージガイド
311 第1保護チューブ
312 第2保護チューブ
32 ライトガイド
321 保護チューブ
33 鉗子挿通用チューブ
34 送気用チューブ
35 送液用チューブ
36 ワイヤー
37 ワイヤー挿通構縁
381 内皮
382 外皮
39 対物レンズ
4 潤滑剤
5 操作部
51 操作部本体
52 操作部カバー
53 操作部レバー
6 接眼部
7 連結管
8 コネクタ

Claims (8)

  1. 湾曲可能な内視鏡用可撓管を有する内視鏡であって、
    前記内視鏡用可撓管は、その内部に粒子状の潤滑剤を有し、
    前記内視鏡用可撓管の第1部位と第2部位とで、前記潤滑剤の平均粒径が異なっており、
    前記第1部位を構成する部材は、ワイヤーおよび/またはチューブであり、該ワイヤーおよび/またはチューブの周囲に、前記潤滑剤が付与されており、
    前記第2部位を構成する部材は、光ファイバーであり、該光ファイバー同士の間隙に、前記潤滑剤が付与されており、
    前記第1部位に付与されている潤滑剤の平均粒径が、前記第2部位に付与されている潤滑剤の平均粒径より大きいことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記第1部位および前記第2部位は、それぞれ、前記内視鏡用可撓管に対し相対的に移動可能に配設された部材の周囲である請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記第1部位に付与されている潤滑剤は、その平均粒径が3〜10μmである請求項1または2に記載の内視鏡。
  4. 前記第2部位に付与されている潤滑剤は、その平均粒径が0.1〜3μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の内視鏡。
  5. 前記潤滑剤は、分散媒中に分散された状態で、前記第1部位および第2部位に、それぞれ、付与される請求項1ないしのいずれかに記載の内視鏡。
  6. 前記分散媒は、半固形状である請求項に記載の内視鏡。
  7. 前記分散媒は、シリコーンゲルまたはグリースである請求項またはに記載の内視鏡。
  8. 前記潤滑剤は、二硫化モリブデン、フッ化炭素、窒化ホウ素、フッ素系樹脂または黒鉛のうちの少なくとも1種である請求項1ないしのいずれかに記載の内視鏡。
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