JP2002076132A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2002076132A
JP2002076132A JP2000252858A JP2000252858A JP2002076132A JP 2002076132 A JP2002076132 A JP 2002076132A JP 2000252858 A JP2000252858 A JP 2000252858A JP 2000252858 A JP2000252858 A JP 2000252858A JP 2002076132 A JP2002076132 A JP 2002076132A
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impurity
semiconductor
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JP2000252858A
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Noboru Kumano
暢 熊野
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐圧が高く、かつ、逆方向電流増幅率の高いI
IL素子を形成する。 【解決手段】P型半導体基板10に拡散速度の異なる2
種類の不純物を導入し、その後に、N型半導体エピタキ
シャル成長層15を基板10上に成長させる。これによ
り、埋め込み層22が形成され、この埋め込み層22上
にN+型ウエル23が形成される。N+型ウエル23は、
エピタキシャル成長層15の表層部には達しない。この
エピタキシャル成長層15の表層部に、IIL素子30
の構成要素となる第1および第2のP型拡散領域31,
32が形成される。 【効果】第2のP型拡散領域32を比較的深い接合にで
きるから、耐圧を向上できる。第2のP型拡散領域32
の直下のN+型ウエル23の働きにより、逆方向電流増
幅率を高くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バイポーラトラ
ンジスタなどの素子を複数個有する半導体装置、および
このような半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラトランジスタを用いて論理回
路を構成した集積回路の一つに、IIL素子(Integrat
ed Injection Logic)がある。このIIL素子の構成は
本願の図5に示されている。基本回路構成は、図5(b)
に示すように、複数のコレクタを有するトランジスタT
r2のベースにインジェクタと呼ばれるPNPトランジ
スタTr1のコレクタが接続された構造となっている。
【0003】具体的な断面構造は、図5(a)に示されて
いる。P型半導体基板50の表面に、N型エピタキシャ
ル成長層51が成長させられている。P型半導体基板5
0とN型エピタキシャル成長層51との間には、複数の
N型埋め込み層52,53が形成されている。この埋め
込み層52,53の間には、素子分離のためのP型分離
層54が形成されている。N型埋め込み層52の上方に
は、NPN型トランジスタTrが形成されている。一
方、埋め込み層53の上方には、トランジスタTr2と
インジェクタトランジスタTr1とからなるIIL素子
60が形成されている。より具体的には、N型エピタキ
シャル成長層51の表層部に、トランジスタTr1のエ
ミッタ領域となるP型領域61と、トランジスタTr2
の共通のベースとなるP型領域62とが間隔を開けて形
成されている。
【0004】P型領域61,62は、N型エピタキシャ
ル成長層51を挟んでPNP接合を形成しており、これ
により、インジェクタトランジスタTr1が形成されて
いる。一方、P型領域62内には、複数のN型領域6
3,64,65が間隔を開けて形成されている。これら
がトランジスタTr2のコレクタ領域となる。これらの
N型領域63,64,65は、通常のトランジスタにお
けるエミッタ領域に対応しており、これらの形成方法は
エミッタ拡散と呼ばれる。
【0005】グランドレベルに接続されるN型領域66
がP型領域62の外側に形成されている。このN型領域
66は、コンタクトウエル67を介して、埋め込み層5
3に接している。71〜76は、領域61〜66にそれ
ぞれオーミック接触する金属電極である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このIIL素子60で
は、トランジスタTr2はエミッタ拡散により形成され
たN型領域63〜65をコレクタ領域として用いてい
る。すなわち、トランジスタの逆方向電流増幅率hFE
利用している。そのため、このIIL素子60が極低温
(−30〜−40℃)の環境で用いられる場合には、電
流増幅率hFEが下がり、その論理動作に異常を来すおそ
れがある。
【0007】この問題を解決するために、図6に示すよ
うに、N型エピタキシャル成長層51の表面からN型不
純物を高濃度に導入することによって、P型領域61,
62およびN型領域66を内包するN+型ウエル77が
形成される場合がある。この構造により、トランジスタ
Tr2のP型領域62の周囲のN型の不純物濃度が高く
なるので、P型領域62への電子の注入効率を高めるこ
とができる。これにより、逆方向電流増幅率hFEを向上
することができる。
【0008】ところが、この構造を採用すると、トラン
ジスタTr2のベースとなるP型領域62を深く形成す
ることができなくなる。すなわち、N+型ウエル77を
形成した後に、P型領域62をこのN+型ウエル77内
に形成するためには、高濃度に導入されたN型不純物を
打ち消し、さらに所要の濃度でP型不純物が存在する状
態を作り出さなければならない。しかし、実際上は、N
+型ウエル77内の不純物を十分に打ち消すことができ
ないので、P型領域62が浅い接合になってしまう。そ
のため、このP型領域62内に形成されるコレクタ領域
63〜65とP型領域62の境界部との間の距離d1が
短くなる。これにより、コレクタ−エミッタ間の耐圧B
CEOが低くなるという問題がある。
【0009】この問題は、N+型ウエル77の形成のた
めに導入される不純物の濃度を低くすることによって解
決できる。しかし、この場合には、図7に示すように、
+型ウエル77を深く形成することができず、このN+
型ウエル77をN型埋め込み層53に接続することがで
きない。したがって、P型領域62とN型埋め込み層5
3との間の抵抗が高くなるうえ、N+型ウエル77の不
純物濃度が低いので、P型領域62への電子の注入効率
が悪くなる。よって、逆方向電流増幅率hFEをさほど高
めることができない。
【0010】また、エピタキシャル成長層52の表面か
らの不純物の導入は、ウエハ面内で均一に行うことがで
きない。そのうえ、エピタキシャル成長層51の成長時
にせり上がることになるN型埋め込み層53のせり上が
り量も、ウエハ面内で一定ではない。そのため、N+
ウエル77とN型埋め込み層53との間の距離d2は、
ウエハ面内で一定にすることが非常に困難である。これ
により、安定な逆方向電流増幅率hFEを達成することが
できないという問題がある。
【0011】そこで、この発明の第1の目的は、半導体
基板上に設けられる半導体層中に、素子特性を劣化させ
ることのない不純物層を有する半導体装置を提供するこ
とである。また、この発明の第2の目的は、半導体基板
上に形成される半導体層中に、この半導体層の表層領域
に形成される素子の特性に影響を与えることのない不純
物層を設けることができる半導体装置の製造方法を提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
目的を達成するための請求項1記載の発明は、半導体基
板(10)上の第1の領域(11)および第2の領域
(12)に第1の不純物が導入されて形成された第1不
純物層(21)および第2不純物層(22)と、上記第
2不純物層上に形成され、第2の不純物が導入された第
3不純物層(23)と、上記第1不純物層の上方の半導
体層(15)の表層部に形成された第1の素子(Tr)
と、上記第3不純物層の上方の半導体層の表層部に形成
された第2の素子(30)とを含むことを特徴とする半
導体装置である。上記第3の不純物層の不純物濃度は、
上記第2の不純物層の不純物濃度と同程度まで高くなっ
ていることが好ましい。
【0013】なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態
における対応構成要素を表す。以下、この項において同
じ。この構成によれば、第1不純物層の上方には第1の
素子が形成されており、第2不純物層の上方には第2の
素子が形成されている。そして、第2不純物層と第2の
素子との間には第3不純物層が設けられている。第3不
純物層は、第2不純物層上に形成されているので、半導
体層の表面から不純物層を形成する場合とは異なり、第
2の素子の形成時に影響を与えることがない。これによ
り、第2の素子は、良好な特性を有するように形成する
ことができる。
【0014】第1の素子および第2の素子は、半導体基
板を見下す平面視において、互いに離間した第1の領域
および第2の領域にそれぞれ形成されることが好まし
い。また、第2不純物層は、半導体基板とこの上に形成
される半導体層との間に形成される埋め込み層であるこ
とが好ましく、この埋め込み層に接触して第3不純物層
が形成されることが好ましい。また、第3不純物層は、
第2の素子が形成される半導体層の表層領域にまで及ば
ないように形成されていることが好ましい。これによ
り、第3不純物層中の不純物が第2の素子の形成に悪影
響を及ぼすことを確実に防止できる。
【0015】請求項2記載の発明は、上記第2の領域に
おける上記半導体層の表層領域に第3の不純物を導入し
て形成された第4不純物層(24)をさらに含むことを
特徴とする請求項1記載の半導体装置である。上記第4
の不純物層の不純物濃度は、第3の不純物層の不純物濃
度よりも低くされていることが好ましい。この発明によ
れば、第2の素子の形成領域における半導体層の表層領
域に第4不純物層が設けられることによって、第2の素
子の周辺領域に、この第2の素子の特性を向上すること
ができる濃度プロファイルを形成することができる。こ
れによって、第2の素子の素子特性を向上することがで
きる。
【0016】請求項3記載の発明は、上記第2の素子
は、IIL素子であることを特徴とする請求項1または
2記載の半導体装置である。第1の素子は、たとえば、
NPNトランジスタまたはPNPトランジスタのような
通常のバイポーラトランジスタであってもよい。この構
成では、半導体基板上の半導体層の表層領域にIIL素
子が形成される。この場合に、IIL素子は、第2不純
物層の上方に形成される。そして、この第2不純物層上
に第3不純物層が設けられている。これにより、第3不
純物層の存在によらずに、IIL素子の形成に必要な不
純物領域を半導体層の表層領域に良好に形成することが
できる。したがって、IIL素子は、良好な耐圧を有す
ることができる。
【0017】しかも、第3不純物層の存在によって、I
IL素子へのキャリアの注入効率を高めることができる
から、逆方向電流増幅率を向上することができる。これ
により、IIL素子は良好な特性を有することができ、
低温でのアプリケーションにおいても正常動作を保証す
ることができる。この請求項3の発明の構成が請求項2
記載の特徴と組み合わされる場合には、IIL素子の周
囲の不純物濃度プロファイルを最適化することができる
ので、さらに逆方向電流増幅率を達成することができ、
低温でのアプリケーションにおいても良好な特性を発揮
することができる。
【0018】請求項4記載の発明は、上記IIL素子
は、上記半導体層の表層部に間隔を開けて形成された一
の導電型(たとえばP型)の第1拡散領域(31)およ
び第2拡散領域(32)と、この第2拡散領域内に間隔
を開けて形成された他の導電型(たとえばN型)の複数
の第3拡散領域(33,34,35)とを含むものであ
ることを特徴とする請求項3記載の半導体装置である。
この場合に、上記第4不純物層が設けられる場合には、
上記第1拡散領域および第2拡散領域は、第4不純物層
に内包されるように形成されることが好ましい。
【0019】この構成により、半導体層の表面に沿って
インジェクタトランジスタ(Tr1)形成され、半導体
層の表面に垂直な方向に沿って、複数のコレクタを有す
るNPN接合型トランジスタ(Tr2)が形成されるこ
とになる。請求項5記載の発明は、半導体基板上の第1
の領域および第2の領域に第1の不純物を選択的に導入
する工程と、上記第2の領域に、第1の不純物よりも拡
散速度の速い第2の不純物を選択的に導入する工程と、
上記半導体基板上に半導体層をエピタキシャル成長させ
るとともに、上記第1および第2の不純物を拡散させる
ことにより、上記第1の領域に第1不純物層を形成し、
上記第2の領域に上記第1の不純物に対応した第2不純
物層を形成し、この第2不純物層上に上記第2の不純物
に対応した第3不純物層を形成する工程とを含むことを
特徴とする半導体装置の製造方法である。上記第2の不
純物は、上記第1の不純物と同程度に高濃度に導入され
ることが好ましい。
【0020】この発明によれば、第1の不純物と第2の
不純物とを第2の領域に導入し、その後に半導体基板上
に半導体層をエピタキシャル成長させると、第1の不純
物に対応した第2不純物層が第2の領域に形成されると
ともに、この第2の領域には、第2不純物層の上方に第
2の不純物に対応した第3不純物層が形成される。これ
により、拡散速度の異なる2種類の不純物を第2の領域
に導入し、続いてこれをエピタキシャル成長によって拡
散させるという簡単な工程によって、2つの不純物拡散
層を第2の領域に設けることができる。
【0021】請求項6記載の発明は、上記第1不純物層
の上方の半導体層の表層部に第1の素子を形成する工程
と、上記第3不純物層の上方の半導体層の表層部に第2
の素子を形成する工程とをさらに含むことを特徴とする
請求項5記載の半導体装置の製造方法である。この方法
により、第3不純物層の上方に第2の素子が設けられる
が、第3不純物層は、半導体層の表層領域よりも深く位
置している。そのため、第2の素子の形成時に、第3不
純物層内の不純物が導電型の制御の妨げとなることがな
い。これにより、第2の素子を良好に形成することがで
きるので、結果として、この第2の素子は、所期の素子
特性を確実に有することができる。
【0022】請求項7記載の発明は、上記第1の素子お
よび第2の素子を形成する前に、エピタキシャル成長さ
れた上記半導体層の表面から上記第2の領域に第3の不
純物を導入して第4不純物層を形成する工程をさらに含
むことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方
法である。上記第3の不純物は、上記第2の不純物より
も低濃度に導入されることが好ましい。この方法によれ
ば、エピタキシャル成長される半導体層の表面から第3
の不純物を導入することによって、第2の素子の周囲に
おける濃度プロファイルを最適化することができる。こ
れによって、第2の素子の特性を向上することができ
る。
【0023】請求項8記載の発明は、上記第2の素子を
形成する工程は、上記第2の領域に、IIL素子を形成
する工程であることを特徴とする請求項6または7記載
の半導体装置の製造方法である。第1の領域には、たと
えば、NPNトランジスタまたはPNPトランジスタが
第1の素子として形成されてもよい。この発明によれ
ば、第2の領域にIIL素子が形成される。この場合
に、IIL素子は、第3不純物層内の不純物の影響を受
けることなく良好に形成することができるので、良好な
耐圧を有することができる。また、第3不純物層の働き
により、IIL素子へのキャリアの注入効率が高まるか
ら、IIL素子は高い逆方向電流増幅率を有することが
できる。したがって、低温でのアプリケーションにおい
ても正常動作を保証できる。
【0024】請求項9記載の発明は、上記IIL素子を
形成する工程は、上記第2の領域の上記半導体層の表層
部に間隔を開けて一の導電型(たとえばP型)の第1拡
散領域および第2拡散領域を形成する工程と、この第2
拡散領域内に間隔を開けて他の導電型(たとえばN型)
の複数の第3拡散領域を形成する工程とを含むことを特
徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法である。
この発明により、半導体層の表面に沿った横方向のイン
ジェクタトランジスタ形成され、さらに、第2拡散領域
内に複数のコレクタを有する縦型のPNPまたはNPN
トランジスタが形成されて、IIL素子が形成されるこ
とになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態に係る半導体装置の構成を説明するた
めの断面図である。この半導体装置は、バイポーラ型の
集積回路装置であって、P型半導体基板10の第1の領
域11に第1の素子としてのNPNトランジスタTrを
備えているとともに、同じくP型半導体基板10上の第
2の領域12に、第2の素子としてのIIL素子30を
備えている。
【0026】P型半導体基板10上には、N型半導体エ
ピタキシャル成長層15が形成されている。P型半導体
基板10とN型半導体エピタキシャル成長層15との境
界領域には、第1および第2の領域11,12に、N型
埋め込み層21,22がそれぞれ形成されている。第1
および第2の領域11,12の間は、P型半導体基板1
0とN型半導体エピタキシャル成長層15との間および
エピタキシャル成長層15の表面領域に形成されたP型
分離拡散層16によって、電気的に分離されている。
【0027】第2の領域12に形成されたN型埋め込み
層22の上部には、N型埋め込み層22よりも高濃度に
不純物を含むN+型ウエル23が設けられている。この
+型ウエル23の上方に、IIL素子30が形成され
ている。IIL素子30は、N型半導体エピタキシャル
成長層15の表層領域に間隔を開けて形成された第1お
よび第2のP型拡散領域31,32を備えている。第2
のP型拡散領域32は、第1のP型拡散領域31よりも
大きく形成されている。この第2のP型拡散領域32内
にエミッタ拡散によって複数のN型コレクタ領域33,
34,35が互いに間隔を開けて形成されている。第2
の領域12のN型半導体エピタキシャル成長層15の表
層領域からは、さらに、N+型ウエル23およびN型埋
め込み層22に接触するように、N型コンタクトウエル
37が形成されている。このN型コンタクトウエル37
内にN型のエミッタ領域36が形成されている。
【0028】この構成によって、一対のP型拡散領域3
1,32がN型エピタキシャル成長層15を挟んで対向
することにより、横方向のPNP型インジェクタトラン
ジスタTr1が形成されている。そして、第2のP型拡
散領域32をベース領域とし、その内部に形成された3
つのN型コレクタ領域33,34,35を複数のコレク
タ領域とする縦方向のNPNトランジスタTr2が形成
されている。インジェクタトランジスタTr1のエミッ
タとなる第1のP型拡散領域31には、基板外の回路を
介して電源に接続されるエミッタ電極41が形成されて
いる。また、ベース領域となる第2のP型拡散領域32
には、入力電極42が接合されている。さらに、3つの
コレクタ領域33,34,35には、それぞれ出力電極
43,44,45が接合されている。さらに、エミッタ
領域36には、接地電位に接続される電極46が接合さ
れている。
【0029】第1の領域11においては、N型埋め込み
層21の上方において、インターナルベース領域となる
P型拡散領域81がN型半導体エピタキシャル成長層1
5の表層領域に形成されている。このP型拡散領域81
内には、エミッタ領域となるN型領域82が拡散されて
おり、さらに、エクスターナルベース領域としてのP型
拡散領域83が形成されている。そして、P型拡散領域
81から間隔を開けて、N型半導体エピタキシャル成長
層15の表層領域に、コレクタ領域となるN型拡散領域
84が形成されている。このようにして、NPNトラン
ジスタTrが構成されている。92,93,94は、エ
ミッタ、ベースおよびコレクタの各電極である。
【0030】上述のとおり、この半導体装置では、N型
半導体エピタキシャル成長層15の表層部からN+型ウ
エルを設けるのではなく、N型埋め込み層22の上部に
+型ウエル23を設けることとしている。すなわち、
このN+型ウエル23の不純物は、N型半導体エピタキ
シャル成長層15の表層領域には及んでいない。そのた
め、IIL素子30を構成する第2のP型拡散領域32
を深い接合状態で形成することができる。これにより、
エミッタ拡散により形成されるコレクタ領域33,3
4,35から第2のP型拡散領域32の境界部までの距
離D1を十分大きくとることができる。その結果、トラ
ンジスタTr2の耐圧を向上することができる。
【0031】それとともに、第2のP型拡散領域32の
周囲(とくに直下)における不純物濃度をN+型ウエル
23によって高くすることができるので、第2のP型拡
散領域32への電子の注入効率を高めることができる。
これにより、IIL素子30の動作特性を向上すること
ができる。すなわち、逆方向電流増幅率hFEを高くする
ことができるので、低温でのアプリケーションにおいて
も正常動作が可能になる。
【0032】図2は、図1のライン100に沿って、表
面からの深さに対する不純物濃度の変化をプロットした
図である。比較のために、図5に示された従来構造の場
合の濃度が曲線L0で示されている。図1に示された本
実施形態の構成における深さ方向の不純物濃度変化は、
曲線L1で表されている。曲線L1と曲線L0との比較
により、トランジスタTr2の直下の領域における不純
物濃度がN+型ウエル23の導入によって著しく向上さ
れていることがわかる。これにより、第2のP型拡散領
域32への電子の注入効率を高めることができる。
【0033】曲線L10は、図6に示された従来構造の
場合の不純物濃度分布を示す。この構成の場合には、ト
ランジスタTr2のベース領域の直下において、不純物
領域が若干立ち上がるが、この実施形態の構成の場合ほ
ど効果的な濃度の向上を望むことができないので、電子
の注入効率の向上にも限界がある。また、上述のとお
り、N+型ウエル77の不純物濃度を高くすると、ベー
ス領域が浅い接合になり、耐圧が低下することになる。
【0034】図3は、図1の半導体装置の製造方法を工
程順に示す断面図である。まず、図3(a)に示すよう
に、P型半導体基板10の第1の領域11および第2の
領域12ならびにこれらの間の分離領域に第1の不純物
としての砒素(As:N型不純物)が導入される。次い
で、同じく図3(a)に示すように、第2の領域12のみ
を露出した状態で、レジスト101によりP型半導体基
板10の表面を覆う。この状態で、第2の不純物である
燐(P:N型不純物)がイオン注入される。このとき、
P型半導体基板10に導入される不純物濃度は、砒素と
燐とが同程度、または砒素よりも燐の方が高くなるよう
にされる。
【0035】これに引き続き、レジスト101を除去し
て、図3(b)に示すように、N型半導体エピタキシャル
成長層15が、P型半導体基板10上に成長させられ
る。このエピタキシャル成長工程において加えられる熱
によって、P型半導体基板10に導入された不純物であ
る砒素および燐が拡散することになる。この場合の拡散
速度は、砒素よりも燐の方が速い。そのため、エピタキ
シャル成長が進むに従って、燐に対応した不純物拡散層
が砒素に対応した不純物拡散層よりも高くせりあがるこ
とになる。このようにして、P型半導体基板10とN型
半導体エピタキシャル成長層15との間に、砒素に対応
したN型埋め込み層22が形成され、その上に燐に対応
したN+型ウエル23が形成されることになる。
【0036】同時に、第1の領域11では、P型半導体
基板10とN型半導体エピタキシャル成長層15との間
に、埋め込み層21が形成されることになる。また、第
1および第2の領域11,12の境界の領域において
は、P型分離拡散層16が形成されることになる。次
に、図3(c)に示すように、N型コンタクトウエル37
に対応したN型不純物(たとえば、燐)の拡散が行われ
た後に、N型半導体エピタキシャル成長層15の表面を
覆うプレ酸化膜102が形成される。このプレ酸化膜1
02は、P型不純物の導入のためのイオン注入時におい
て、N型半導体エピタキシャル成長層15の表面を保護
する働きを有する。
【0037】次に、図3(d)に示すように、第1および
第2のP型拡散領域31,32およびベース領域81、
ならびにP型分離拡散層16に対応した各領域に、P型
不純物イオン(たとえばホウ素(B)イオン)が選択的
に注入される。この注入されたイオンが活性化されるこ
とにより、N型半導体エピタキシャル成長層15の表層
領域にP型拡散領域31,32,81,16が形成され
ることになる。このときの活性化処理により、N型コン
タクトウエル37がN型半導体エピタキシャル成長層1
5内でさらに拡散して、N型埋め込み層22と接触する
に至る。また、N+型ウエル23がさらにせり上がり、
このN+型ウエル23とP型拡散領域31,32とが接
触するに至る。
【0038】続いて、プレ酸化膜102は成長し、図3
(e)に示すように、新たな酸化膜103がN型半導体エ
ピタキシャル成長層15の表面に成長する。この新たな
酸化膜103には、図3(e)に示すように、第1の領域
11において、エミッタ領域82およびコレクタ領域8
4に対応する開口がそれぞれ形成される。また、第2の
領域12においては、酸化膜103に、N型拡散領域3
3,34,35およびエミッタ領域36に対応する開口
がそれぞれ形成される。この状態で、N型不純物である
燐がN型半導体エピタキシャル成長層15の表面から拡
散させられる。その後に熱処理を施して、上記拡散され
たN型不純物を活性化することにより、N型拡散領域8
2,84,33,34,35,36が、N型半導体エピ
タキシャル成長層15の表層領域に形成されることにな
る。
【0039】この後は、第1の領域11においてはベー
ス電極93に対応した開口を酸化膜103に開口し、第
2の領域12においては、電極41,42に対応した開
口をそれぞれ開口する。そして、電極92〜94,41
〜46を選択的に形成することにより、図1に示す構造
の半導体装置が得られる。その後のプロセスは、層間絶
縁膜や配線の形成などである(いずれも図示せず)。こ
のように、この製造工程では、P型半導体基板10に拡
散速度の異なる二種類の不純物を導入しておき、このP
型半導体基板10上にN型半導体エピタキシャル成長層
15を成長させることによって、N型埋め込み層22と
+型ウエル23とを同時に形成している。その後に、
N型半導体エピタキシャル成長層15の表層領域に形成
される第1および第2のP型拡散領域31,32は、N
+型ウエル23からの不純物の影響を受けることなく十
分に深い接合を有することができる。したがって、II
L素子30は十分な耐圧を有することができる。しか
も、P型領域32の近傍にN+型ウエル23が形成され
ているから、IIL素子30は、高い電流増幅率hFE
有することができる。これにより、低温のアプリケーシ
ョンにおいても良好な素子特性を発揮することができ
る。
【0040】図4は、この発明の第2の実施形態に係る
半導体装置の構成を説明するための断面図である。この
図4において、上述の図1に示された各部に対応する部
分には、図1の場合と同一の参照符号を付して示す。こ
の第2の実施形態においては、IIL素子30のベース
領域を構成する第2のP型拡散領域32の下方にN+
ウエル23が設けられているとともに、このIIL素子
30が設けられる第2の領域12において、N型半導体
エピタキシャル成長層15の表層領域に、第1および第
2のP型拡散領域31,32を内包するように、比較的
濃度の薄いN+型ウエル24が設けられている。このN+
型ウエル24の不純物濃度は、N+ウエル23よりも低
くされていて、第2のP型拡散領域32の接合が過度に
浅くならない程度に選択されている。したがって、N+
型ウエル24の存在によらずに、IIL素子30は良好
な耐圧を有することができる。
【0041】N+型ウエル24を設けることによる効果
は、第2のP型拡散領域32の周囲におけるN型不純物
濃度をさらに高くできることである。上述の図2におい
て、曲線L2は、この第2の実施形態の場合における濃
度分布を表している。すなわち、第1の実施形態の場合
よりも、第2のP型拡散領域32の直下における不純物
濃度をさらに高くすることができる。これにより、第2
のP型拡散領域32への電子の注入効率をさらに高める
ことができ、逆方向電流増幅率hFEのさらなる向上を図
ることができる。
【0042】この実施形態の半導体装置は、上述の図3
(e)の工程に先だって、N型不純物(たとえば、燐)を
第2の領域12のN型半導体エピタキシャル成長層15
の表面に選択的にイオン注入することによって達成でき
る。すなわち、不純物イオンを打ち込み、これを活性化
することによって、N+型ウエル24が形成されること
になる。N+型ウエル24の深さがウエハ面内でばらつ
いている場合であっても、素子特性に大きなばらつきは
生じない。これは、N+型ウエル24は、P型拡散領域
32の直下に形成されているN+型ウエル23と接続し
ているからである。これにより、IIL素子30の素子
特性がウエハ面内でばらつくことを抑制できる。これに
より、ウエハの大口径化に対しても有利である。
【0043】この実施形態の場合には、N型半導体エピ
タキシャル成長層15の表層部に比較的低濃度のN+
ウエル24が形成されるが、このプロセスを導入するこ
とで、耐圧を維持したまま、IIL素子30の電流増幅
率hFEを向上することができる。すなわち、わずかなプ
ロセスステップを増加するだけで、耐圧に影響を及ぼす
ことなく電流増幅率hFEを向上できる。以上、この発明
の2つの実施形態について説明したが、この発明は、他
の形態で実施することもできる。すなわち、上述の実施
形態では、NPNトランジスタとIIL素子とが半導体
基板上に形成される例について説明したが、他の種類の
バイポーラ素子が半導体基板上に形成される場合につい
ても、この発明を応用することができる。その他、特許
請求の範囲に記載された技術的事項の範囲で種々の設計
変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の
構成を説明するための断面図である。
【図2】IIL素子付近における基板深さ方向位置に対
する不純物濃度の変化を表すグラフである。
【図3】図1の半導体装置の製造方法を工程順に示す断
面図である。
【図4】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の
構成を説明するための断面図である。
【図5】IIL素子を有する従来の半導体装置の構成を
説明するための断面図(a)およびIIL素子の電気的構
成を示す電気回路図(b)である。
【図6】他の従来の半導体装置の構成を示す断面図であ
る。
【図7】図6の構成の半導体装置の変形態様を説明する
ための断面図である。
【符号の説明】
10 P型半導体基板 11 第1の領域 12 第2の領域 15 N型半導体エピタキシャル成長層 16 P型分離拡散層 21 埋め込み層 22 埋め込み層 23 N+型ウエル 24 N+型ウエル 30 IIL素子 31 第1のP型拡散領域 32 第2のP型拡散領域 33,34,35 N型拡散領域(コレクタ) 36 エミッタ領域 37 N型コンタクトウエル Tr NPNトランジスタ Tr1 インジェクタトランジスタ Tr2 PNPトランジスタ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上の第1の領域および第2の領
    域に第1の不純物が導入されて形成された第1不純物層
    および第2不純物層と、 上記第2不純物層上に形成され、第2の不純物が導入さ
    れた第3不純物層と、 上記第1不純物層の上方の半導体層の表層部に形成され
    た第1の素子と、 上記第3不純物層の上方の半導体層の表層部に形成され
    た第2の素子とを含むことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】上記第2の領域における上記半導体層の表
    層領域に第3の不純物を導入して形成された第4不純物
    層をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の半導体
    装置。
  3. 【請求項3】上記第2の素子は、IIL素子であること
    を特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】上記IIL素子は、上記半導体層の表層部
    に間隔を開けて形成された一の導電型の第1拡散領域お
    よび第2拡散領域と、この第2拡散領域内に間隔を開け
    て形成された他の導電型の複数の第3拡散領域とを含む
    ものであることを特徴とする請求項3記載の半導体装
    置。
  5. 【請求項5】半導体基板上の第1の領域および第2の領
    域に第1の不純物を選択的に導入する工程と、 上記第2の領域に、第1の不純物よりも拡散速度の速い
    第2の不純物を選択的に導入する工程と、 上記半導体基板上に半導体層をエピタキシャル成長させ
    るとともに、上記第1および第2の不純物を拡散させる
    ことにより、上記第1の領域に第1不純物層を形成し、
    上記第2の領域に上記第1の不純物に対応した第2不純
    物層を形成し、この第2不純物層上に上記第2の不純物
    に対応した第3不純物層を形成する工程とを含むことを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】上記第1不純物層の上方の半導体層の表層
    部に第1の素子を形成する工程と、 上記第3不純物層の上方の半導体層の表層部に第2の素
    子を形成する工程とをさらに含むことを特徴とする請求
    項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】上記第1の素子および第2の素子を形成す
    る前に、エピタキシャル成長された上記半導体層の表面
    から上記第2の領域に第3の不純物を導入して第4不純
    物層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求
    項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】上記第2の素子を形成する工程は、上記第
    2の領域に、IIL素子を形成する工程であることを特
    徴とする請求項6または7記載の半導体装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】上記IIL素子を形成する工程は、上記第
    2の領域の上記半導体層の表層部に間隔を開けて一の導
    電型の第1拡散領域および第2拡散領域を形成する工程
    と、この第2拡散領域内に間隔を開けて他の導電型の複
    数の第3拡散領域を形成する工程とを含むことを特徴と
    する請求項8記載の半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100454543C (zh) * 2005-02-24 2009-01-21 三洋电机株式会社 半导体装置

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