JP2002075458A - 非水電解質電池 - Google Patents
非水電解質電池Info
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Abstract
性の高い非水電解質電池を提供する。 【解決手段】 リチウム含有遷移金属酸化物からなる正
極、炭素材料からなる負極、前記正極と負極との間に介
在するセパレータおよび非水溶媒にLiPF6を溶解し
た非水電解質を具備する非水電解質電池であって、前記
負極が、前記炭素材料100重量部あたり0.6〜1.
7重量部の粒子状変性スチレンブタジエンゴムおよび
0.7〜1.2重量部の増粘剤を両者の合計量が1.3
〜2.4重量部になるように含有し、前記非水電解質に
おけるLiPF6の濃度が、0.6〜1.05モル/リ
ットルであることを特徴とする非水電解質電池。
Description
関する。さらに詳しくは、本発明は、特定の結着剤を含
む負極および塩濃度の低い非水電解質を用いた高率放電
特性および低温特性に優れ、安全性の高い非水電解質電
池に関する。
されている非水電解質電池は、正極にリチウム含有遷移
金属酸化物を用い、負極にリチウムの吸蔵・放出が可能
な炭素材料を用いているため、高出力で高エネルギー密
度である。ここで、これらの電池が有する電極は、活物
質同士を結合するための結着剤を含んでおり、負極に
は、結着剤としてポリビニリデンジフルオライド(PV
DF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)などが用い
られている。
は、多量の結着剤を活物質に混合する必要がある。その
ため活物質である炭素材料の表面が結着剤で被覆されて
しまい、充放電反応に寄与する活物質表面が減少する。
これを補うためには、非水電解質の塩濃度を高くする必
要があるが、塩濃度が高くなると、電池の高率放電特性
や低温特性が低下し、また、電池温度が上昇し易くなる
という不都合がある。
質と電極との親和性にも大きく影響される。非水電解質
と電極との親和性が高すぎると、電池内部における非水
電解質の分布が不均一になり、高率放電特性が損なわれ
る。
性や低温特性に優れ、かつ、安全性の高い非水電解質電
池を得ることを目的とする。
遷移金属酸化物からなる正極、炭素材料からなる負極、
前記正極と負極との間に介在するセパレータおよび非水
溶媒にLiPF6を溶解した非水電解質を具備する非水
電解質電池であって、前記負極が、前記炭素材料100
重量部あたり0.6〜1.7重量部の粒子状変性スチレ
ンブタジエンゴムおよび0.7〜1.2重量部の増粘剤
を両者の合計量が1.3〜2.4重量部になるように含
有し、前記非水電解質におけるLiPF6の濃度が、
0.6〜1.05モル/リットルであることを特徴とす
る非水電解質電池に関する。
は、アクリロニトリル単位、スチレン単位およびブタジ
エン単位を含む共重合体からなるコアシェル型粒子を含
んでいることが好ましい。前記共重合体のFT−IR測
定で得られる吸収スペクトルにおいて、アクリロニトリ
ル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度は、ブタジエ
ン単位のC=C伸縮振動に基づく吸収強度の0.1〜2
倍であることが好ましい。ここで、吸収強度とは、スペ
クトルのベースラインからみた吸収ピークの高さをい
う。前記粒子状変性スチレンブタジエンゴムの平均粒径
の好適範囲は、0.05〜0.4μmである。前記増粘
剤は、カルボキシメチルセルロースであることが好まし
い。非水電解質におけるLiPF6の濃度は、0.7〜
0.9モル/リットルがさらに好適である。
化物100重量部あたり0.4〜2重量部の粒子状変性
アクリルゴムを含み、前記粒子状変性アクリルゴムは、
2−エチルヘキシルアクリレート単位、アクリル酸単位
およびアクリロニトリル単位を含む共重合体からなるこ
とが好ましい。前記粒子状変性アクリルゴムのFT−I
R測定で得られる吸収スペクトルにおいて、2−エチル
ヘキシルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=
O伸縮振動に基づく吸収強度は、アクリロニトリル単位
のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度の3〜50倍である
ことが好ましい。
粘剤を特定の比率で含む負極と塩濃度の低い非水電解質
とを用いることにより、また、特定の結着剤を特定の比
率で含む正極を前記負極および前記非水電解質とともに
用いることにより、非水電解質電池の高率放電特性、低
温特性、安全性等を向上させた点に特徴を有する。
とからなっている。負極合剤は、負極活物質、粒子状変
性スチレンブタジエンゴム、増粘剤などを所定の割合で
配合して調製される。負極は、例えば負極合剤を銅箔な
どの金属箔やパンチングメタルなどの芯材の表面に塗着
または充填し、圧延し、切断すれば得られる。電池の小
型軽量化の観点から、芯材の厚さは一般に8〜20μm
程度であり、負極の厚さは一般に80〜200μmであ
る。
などの炭素粉末を用いる。なかでも鱗片状黒鉛、球状人
造黒鉛などが好ましく用いられる。炭素粉末の平均粒径
は、例えば20〜30μmである。また、炭素粉末の比
表面積は、例えば4〜5m2/gである。
アシェル型粒子を含んでいることが好ましい。コアシェ
ル型粒子のコア部分はゴム弾性を有する。コア部分は、
例えばアクリロニトリル単位、スチレン単位、ブタジエ
ン単位、アクリレート単位などを含む共重合体を適当な
架橋剤で充分に架橋させたものである。また、シェル部
分は、粘性の高い重合体からなり、例えばアクリレート
単位、スチレン単位などを含む共重合体からなる。
コア部分の原料モノマー混合物を重合させてラテックス
を製造した後、ラテックス粒子にシェル部分の原料モノ
マー混合物をグラフト重合させる二段階の工程によって
製造できる。このときコア部分の原料モノマーにアクリ
ロニトリルを含有させると、弾性率の高いコア部分を得
ることができる。
は、そのFT−IR測定で得られる吸収スペクトルにお
いて、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく
吸収強度が、ブタジエン単位のC=C伸縮振動に基づく
吸収強度の0.1〜2倍となる程度にアクリロニトリル
単位とブタジエン単位を含んでいることが好ましい。ア
クリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度
が、ブタジエン単位のC=C伸縮振動に基づく吸収強度
の0.1倍未満になると、粒子状変性スチレンブタジエ
ンゴムを含ませても充分な強度の負極が得られなくなっ
たり、活物質の表面が粒子状変性スチレンブタジエンゴ
ムで覆われすぎたりする。一方、アクリロニトリル単位
のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度が、ブタジエン単位
のC=C伸縮振動に基づく吸収強度の2倍をこえると、
結着剤のゴム弾性が低下し、芯材から合剤が剥離しやす
くなる。
粒径は、少量の使用で充分な強度の負極を得ることがで
きることなどから、0.05〜0.4μmであることが
好ましい。平均粒径が小さすぎると、活物質の表面の大
部分が粒子状変性スチレンブタジエンゴムで被覆されて
しまい、大きすぎると、活物質粒子間の距離が大きくな
って負極内部の導電性が低下する。
ジエンゴムの配合量は、負極活物質である炭素材料10
0重量部に対して、0.6〜1.7重量部が適量であ
る。粒子状変性スチレンブタジエンゴムの量が少なすぎ
ると、充分な強度の負極が得られず、芯材から合剤が剥
がれたりすることがあり、多すぎると、活物質の反応表
面積が小さくなって高率放電特性がわるくなる。なお、
従来のPVDFの場合、負極合剤における好適配合量
は、負極活物質100重量部に対して、5〜10重量部
であり、SBRの場合でも2〜5重量部である。従っ
て、本発明に係る負極合剤は、結着剤の含有量が従来に
比べて著しく低減されている。
カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロー
ス系増粘剤、エチレンとビニルアルコールとの共重合体
などが用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちではC
MCがよく用いられる。
活物質である炭素材料100重量部に対して、0.7〜
1.2重量部が適量である。増粘剤の配合量が少なすぎ
ると、ペースト状の負極合剤が得られず、芯材から合剤
が剥がれやすくなり、多すぎると、活物質が増粘剤で覆
われてしまい、その反応表面積が小さくなる。
ムおよび増粘剤の合計量は、負極活物質である炭素材料
100重量部に対して、1.3〜2.4重量部である必
要がある。前記合計量が1.3重量部未満になると、活
物質粒子同士を充分に結着させることができず、負極の
強度が不充分となり、多すぎると、活物質が結着剤や増
粘剤で覆われてしまい、その反応表面積が小さくなる。
とからなっている。正極合剤は、正極活物質、導電剤、
結着剤などを所定の割合で配合して調製される。正極
は、例えば正極合剤をアルミニウム箔などの金属箔やパ
ンチングメタルなどの芯材の表面に塗着または充填し、
圧延し、切断すれば得られる。電池の小型軽量化の観点
から、芯材の厚さは一般に8〜20μm程度であり、正
極の厚さは一般に80〜200μmである。
化物としては、例えばLiCoO2、LiNiO2、Li
Mn2O4などが用いられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
鱗片状黒鉛などの天然黒鉛、気相成長黒鉛などの人造黒
鉛、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類など
が用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
変性アクリルゴム、PVDF等を用いることができる
が、粒子状変性アクリルゴムを用いることが好ましい。
粒子状変性アクリルゴムは、水や有機溶媒を分散媒とす
る分散液として入手できるが、有機溶媒を分散媒とする
分散液の方が好ましい。また、粒子状変性アクリルゴム
は、0.05〜0.3μmの平均粒径を有するものが、
結着力、活物質密度および空隙率のバランスのよい正極
を得ることができる点で好ましい。
の配合量は、正極活物質100重量部に対して0.4〜
2重量部が好適である。粒子状変性アクリルゴムの配合
量が少なすぎると、充分な強度の正極が得られず、芯材
から合剤が剥がれたりすることがあり、多すぎると、正
極の空隙率が小さくなって活物質の反応表面積が小さく
なり、高率放電特性がわるくなる。
剤の結着剤として粒子状変性アクリルゴムを用いると、
負極と非水電解質との親和性、および正極と非水電解質
との親和性が両者ともに好適となり、そのバランスも優
れたものとなるため、電池内部における非水電解質の分
布が均一になり、低温特性や高率放電特性に特に優れた
電池が得られる。
面と非水電解質(非水電解液)との接触角によって評価
することができる。接触角の値は、非水電解質の種類、
活物質密度等によって変化するが、10〜30°が好適
範囲である。接触角が低すぎると、電極が非水電解質を
吸収し過ぎて電池の高率放電特性が不充分となり、接触
角が大きすぎると、電極が非水電解質をほとんど吸収し
ないため、やはり電池の高率放電特性が低下する。
ルヘキシルアクリレート単位、アクリル酸単位およびア
クリロニトリル単位を含む共重合体からなることが好ま
しい。また、そのFT−IR測定で得られる吸収スペク
トルにおいて、2−エチルヘキシルアクリレート単位お
よびアクリル酸単位のC=O伸縮振動に基づく吸収強度
が、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸
収強度の3〜50倍であることが好ましい。前記C=O
伸縮振動に基づく吸収強度が、前記C≡N伸縮振動に基
づく吸収強度の3倍未満になると、粒子状変性アクリル
ゴムの結着力が低下し、50倍を超えると、粒子状変性
アクリルゴムのゴム弾性が不充分となり、正極合剤の強
度が弱くなる。
レンブタジエンゴムおよび粒子状変性アクリルゴムの吸
収スペクトルは、例えば粒子状変性スチレンブタジエン
ゴムおよび粒子状変性アクリルゴムをそれぞれKBr板
上に塗布したものを用いて測定すればよい。ここで、一
般にブタジエン単位のC=C伸縮振動に基づく吸収は、
880〜940cm-1付近に見られ、2−エチルヘキシ
ルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=O伸縮
振動に基づく吸収は、1700〜1760cm -1付近に
見られ、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づ
く吸収は、2200〜2280cm-1付近に見られる。
を介在させて積層すれば極板群が得られる。極板群は、
さらに捲回してもよい。セパレータとしては、ポリエチ
レン製微多孔膜などが用いられ、厚さは一般に10〜4
0μmである。角形電池を得る場合、捲回された極板群
は、断面が略楕円形になるように一方向から圧縮され
る。
電池を極板群の捲回方向に対して平行な面で切断した横
断面図を図1に示す。図中、1は角形の電池ケースを示
し、その内部に極板群が充填されている。極板群は、シ
ート状の正極板2およびシート状の負極板3を、両者の
間にセパレータ4を介在させて積層し、捲回し、さらに
一定の偏平率に圧縮したものである。
来からリチウムイオン二次電池などで用いられている非
水溶媒を特に制限なく用いることができる。このような
ものとして、例えばエチレンカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカー
ボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
0.6〜1.05モル/リットルである。LiPF6の
濃度が0.6モル/リットル未満になると、電池の機能
が損なわれ、1.05モル/リットルをこえると、電池
の安全性が損なわれる。高率放電特性や低温特性に優
れ、かつ、特に安全性の高い非水電解質電池を得るに
は、LiPF6の濃度が0.7〜0.9モル/リットル
であることが好ましい。
明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
池A〜Sを以下に示すように作製し、その特性を評価し
た。
負極合剤を調製した。負極活物質としては、鱗片状黒鉛
を、増粘剤としてはカルボキシメチルセルロース(CM
C)を、結着剤としては表1に示すものを用いた。ま
た、負極合剤における活物質100重量部に対する結着
剤および増粘剤の配合量と、両者の合計を重量部で表1
に示す。
る。 BM400B:日本ゼオン(株)製の粒子状変性スチレ
ンブタジエンゴム。平均粒径0.2μm。そのFT−I
R測定で得られる吸収スペクトルにおいて、アクリロニ
トリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度は、ブタ
ジエン単位のC=C伸縮振動に基づく吸収強度の0.5
倍である。
件は、サンプルスキャン回数32、バックグラウンドス
キャン回数32、分解能4000、サンプルゲイン1.
0であり、測定装置は、顕微FT−IR(Contin
uμm(ニコレー社製)、光源:AVATAR−36
0)を用いた。
リドンに溶かしたものをKBr板上に塗布し、乾燥した
ものを用いた。図2中、2237cm-1付近に見られる
吸収ピークがアクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に
基づくものであり、911cm-1付近に見られる吸収ピ
ークがブタジエン単位のC=C伸縮振動に基づくもので
ある。
られる透過スペクトルを図3に示す。測定条件、測定装
置等は図2の場合と同様である。図3中には、2237
cm -1付近にアクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に
基づく吸収ピークが見られない。
なる負極合剤を、厚さ15μmの銅箔の芯材の両面に塗
布し、厚さ140μmに圧延し、所定の長さに切断し、
負極を得た。負極には芯材と同材質の負極リードを接続
した。
DFを4重量部および導電剤としてアセチレンブラック
3重量部を配合し、正極合剤を得た。次いで、得られた
正極合剤を、厚さ20μmのアルミニウム箔の芯材の両
面に塗布し、所定の厚さに圧延し、所定の長さに切断
し、正極を得た。正極には芯材と同材質の正極リードを
接続した。
在させて積層し、捲回して極板群を得た。セパレータと
しては、厚さ27μmのポリエチレン製微多孔膜を用い
た。捲回された極板群は、断面が略楕円形になるように
一方向から圧縮した。
ートとエチルメチルカーボネートとの混合物に、表1に
示す塩濃度(M:モル/リットル)になるように、Li
PF 6を溶解した非水電解質を調製した。
び底部に配して所定のアルミニウム製ケース内に3.2
gの非水電解質とともに収容した。そして、負極リード
および正極リードを所定の箇所に接続したのち、ケース
の開口部を封口板で封口し、非水電解質電池A〜Sを完
成した。これらの電池は、幅30mm、高さ48mm、
厚さ5mmの角形であり、電池の公称容量は600mA
hである。
について説明する。 低温特性 非水電解質電池A〜Sについて、0℃雰囲気下におい
て、600mAで電池電圧が4.2Vになるまで充電
し、このときの充電容量を調べた。結果を表1に示す。
が4.2Vになるまで充電し、120mAで電池電圧が
3Vになるまで放電した。次いで、600mAで電池電
圧が4.2Vになるまで充電し、1200mAで電池電
圧が3Vになるまで放電した。それぞれの場合につい
て、放電容量を求め、後者の前者に対する比(容量比)
を求めた。結果を100分率で表1に示す。
電池電圧が4.2Vになるまで充電し、600mAで電
池電圧が3Vになるまで放電する操作を200回繰り返
した。そして、一回目の放電容量に対する200回目の
放電容量の比を求めた。結果を100分率で表1に示
す。
で電池を充電し続け、電池の表面温度が80℃に達した
ときに充電をやめた。その後しばらく電池を放置し、電
池の表面温度が90℃以上に達した電池は×、90℃未
満の電池は○とした。結果を表1に示す。評価が○の電
池は、安全性が高いと言える。
水電解質における塩濃度が0.6〜1.05モル/リッ
トルである電池のうち、粒子状変性スチレンブタジエン
ゴムを負極合剤に用いている実施例の電池は、いずれも
安全性が高いことがわかる。一方、非水電解質における
塩濃度が1.1モル/リットルである比較例の電池A
は、安全性が不充分である。また、非水電解質における
塩濃度が0.55モル/リットルである比較例の電池S
は、低温特性、高率放電特性、容量維持率が不充分であ
る。
合剤に用いていない比較例の電池D〜Fは、いずれも安
全性、低温特性などが不充分である。また、従来から多
用されているPVDFを負極合剤の結着剤に用いた電池
Fは、結着剤の配合量が他の電池より多いのにもかかわ
らず、極板群を作製するときに極板にひびが入るなど、
極板強度が不充分であった。
ムの配合量は、活物質100重量部に対して0.6〜
1.7重量部が好適であることを示している。結着剤の
配合量が0.5重量部の電池Hは、負極の作製が困難で
あったため、電池の評価は行えなかった。また、結着剤
の配合量が1.8重量部の電池Rは、高率放電特性や容
量維持率が不充分である。
100重量部に対して0.7〜1.2重量部が好適であ
ることを示している。増粘剤の配合量が0.7重量部の
電池Qは、負極の作製が困難であったため、電池の評価
は行えなかった。また、結着剤の配合量が1.3重量部
の電池Kは、高率放電特性や容量維持率が不充分であ
る。
ジエンゴムおよび増粘剤の合計の配合量は、活物質10
0重量部に対して1.3〜2.4重量部が好適であるこ
とを示している。合計の配合量が2.5重量部以上の電
池OおよびRは、高率放電特性や容量維持率が不充分で
ある。
2に対し、結着剤として0.53重量部のBM500B
および増粘剤として0.27重量部のBM700Hを配
合したこと以外、実施例2と同様にして正極合剤を得
た。次いで、得られた正極合剤を用いて実施例2と同様
の電池Tを作製し、同様に評価した。結果を表1に示
す。
説明する。BM500B:日本ゼオン(株)製の粒子状
変性アクリルゴム。そのFT−IR測定で得られる吸収
スペクトルにおいて、2−エチルヘキシルアクリレート
単位およびアクリル酸単位のC=O伸縮振動に基づく吸
収ピーク強度は、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振
動に基づく吸収ピーク強度の約10倍である。そのスペ
クトルを図4に示す。
様である。図4中、2240cm-1付近に見られる吸収
ピークがアクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づ
くものであり、1733cm-1付近に見られる吸収ピー
クが2−エチルヘキシルアクリレート単位およびアクリ
ル酸単位のC=O伸縮振動に基づくものである。
レン単位およびビニルアルコール単位を含む共重合体。
そのFT−IR測定で得られる透過スペクトルを図5に
示す。測定条件、測定装置等は図2の場合と同様であ
る。図5中、2852cm-1付近および2930cm-1
付近に見られる2種の吸収ピークは、エチレン単位に結
合したビニルアルコール単位のOH基に基づくものであ
る。
低温特性、高率放電特性および容量維持率は、いずれも
実施例1〜9の電池に比べて高く、安全性も優れてい
た。このことから、正極の結着剤として粒子状変性アク
リルゴムを用いることにより、電池の諸特性が飛躍的に
向上することがわかる。
性に優れ、かつ、安全性の高い非水電解質電池を得るこ
とができる。
の横断面図である。
R測定で得られた吸収スペクトルの一例である。
トルの一例である。
られた吸収スペクトルの一例である。
む共重合体のFT−IR測定で得られた透過スペクトル
の一例である。
Claims (8)
- 【請求項1】 リチウム含有遷移金属酸化物からなる正
極、炭素材料からなる負極、前記正極と負極との間に介
在するセパレータおよび非水溶媒にLiPF 6を溶解し
た非水電解質を具備する非水電解質電池であって、前記
負極が、前記炭素材料100重量部あたり0.6〜1.
7重量部の粒子状変性スチレンブタジエンゴムおよび
0.7〜1.2重量部の増粘剤を両者の合計量が1.3
〜2.4重量部になるように含有し、前記非水電解質に
おけるLiPF 6の濃度が、0.6〜1.05モル/リ
ットルであることを特徴とする非水電解質電池。 - 【請求項2】 前記粒子状変性スチレンブタジエンゴム
が、アクリロニトリル単位、スチレン単位およびブタジ
エン単位を含む共重合体からなるコアシェル型粒子を含
む請求項1記載の非水電解質電池。 - 【請求項3】 前記共重合体のFT−IR測定で得られ
る吸収スペクトルにおいて、アクリロニトリル単位のC
≡N伸縮振動に基づく吸収強度が、ブタジエン単位のC
=C伸縮振動に基づく吸収強度の0.1〜2倍である請
求項2記載の非水電解質電池。 - 【請求項4】 前記粒子状変性スチレンブタジエンゴム
の平均粒径が、0.05〜0.4μmである請求項1〜
3のいずれかに記載の非水電解質電池。 - 【請求項5】 前記増粘剤が、カルボキシメチルセルロ
ースである請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質
電池。 - 【請求項6】 非水電解質におけるLiPF6の濃度
が、0.7〜0.9モル/リットルである請求項1〜5
のいずれかに記載の非水電解質電池。 - 【請求項7】 前記正極が、前記リチウム含有遷移金属
酸化物100重量部あたり0.4〜2重量部の粒子状変
性アクリルゴムを含み、前記粒子状変性アクリルゴム
は、2−エチルヘキシルアクリレート単位、アクリル酸
単位およびアクリロニトリル単位を含む共重合体からな
る請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質電池。 - 【請求項8】 前記粒子状変性アクリルゴムのFT−I
R測定で得られる吸収スペクトルにおいて、2−エチル
ヘキシルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=
O伸縮振動に基づく吸収強度が、アクリロニトリル単位
のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度の3〜50倍である
請求項7記載の非水電解質電池。
Priority Applications (13)
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