JPH1173943A - 非水系電解液二次電池 - Google Patents

非水系電解液二次電池

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JPH1173943A
JPH1173943A JP9235097A JP23509797A JPH1173943A JP H1173943 A JPH1173943 A JP H1173943A JP 9235097 A JP9235097 A JP 9235097A JP 23509797 A JP23509797 A JP 23509797A JP H1173943 A JPH1173943 A JP H1173943A
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JP
Japan
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binder
positive electrode
secondary battery
electrolyte secondary
aqueous electrolyte
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Withdrawn
Application number
JP9235097A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Sakurai
勝之 櫻井
Masahiro Sekino
正宏 関野
Takahisa Osaki
隆久 大崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極を充電した状態で高温使用もしくは高温
貯蔵した際の結着剤の膨潤、およびそれに基くアンカー
層などの導電性薄層の電気的な剥離を抑制し、その上で
過充電時における強い発熱等を抑制することを可能にす
る。 【解決手段】 正極集電体9と正極活物質層11とこれ
らの間に設けられたアンカー層10などの導電性薄層を
有する正極2と、正極とセパレータを介して配置された
負極と、非水系電解液とを具備する非水系電解液二次電
池である。正極の導電性薄層は、カーボン系導電剤と、
通常充電状態に比べて過充電状態時におけるインピーダ
ンスの上昇率が300%以上となると共に、通常充電状態に
比べて85℃を超える高温使用または高温貯蔵後のインピ
ーダンスの上昇率が210%以下となるように選択された結
着剤とから構成されている。導電性薄層を構成する結着
剤には、例えばゴム系結着剤とフッ素樹脂系結着剤との
混合物が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水系電解液電池に
係り、特に正極の構造を改良した非水系電解液電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】非水系電解液二次電池においては、通
常、電極の膜厚を薄くしてエネルギー密度を高くするた
めに、結着剤を有機溶媒等に溶解させた溶液に活物質等
を加えて分散させたスラリーを集電体上に塗布し、これ
を乾燥させた後に圧延することにより電極を作製してい
る。
【0003】二次電池の電極のうち、正極では導電性を
向上させるために、まず集電体上に導電剤としてアセチ
レンブラック、カーボンブラック、黒鉛粉末等を結着剤
に分散させたものを塗布、乾燥させてアンカー層とし、
このアンカー層上に活物質や導電剤を結着剤に分散させ
たスラリーを塗布、乾燥させて正極活物質層を形成して
いる。そして、このような積層体を圧延して正極として
用いている。
【0004】上記したように、正極集電体と正極活物質
層との間にカーボン系導電剤と結着剤とから構成された
アンカー層を設けることにより、正極の導電性を向上さ
せることができる。しかしながら、アンカー層の結着剤
として一般的なスチレンブタジエンゴム、ニトリルブタ
ジエンゴムなどを用いた場合、正極を充電した状態で高
温貯蔵した際にアンカー層の結着剤が膨潤することによ
り、アンカー層が集電体から電気的に浮いた状態となる
ため、集電性がとれなくなり、インピーダンスが大幅に
上昇してしまうという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、正極
集電体と正極活物質層との間に設けられたアンカー層
は、正極の導電性の向上に寄与するものの、正極を充電
した状態で高温貯蔵した際にアンカー層の結着剤が膨潤
することによって、アンカー層が集電体から電気的に浮
いた状態(電気的な剥離)となるため、集電性がとれな
くなり、インピーダンスを大幅に上昇させるという問題
を有している。
【0006】一方、二次電池においては安全性を高める
ことが必須の課題とされており、特に過充電時における
発熱等を抑制することが強く求められている。二次電池
の過充電時における発熱等の抑制については従来から種
々の提案がなされているが、安全性に関する事項である
ため、さらに強化することが望まれている。
【0007】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、正極を充電した状態で高温使用もしく
は高温貯蔵した際の結着剤の膨潤およびそれに基く電気
的な剥離を抑制し、その上で過充電時における強い発熱
等を抑制することを可能にした非水系電解液二次電池を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した目
的を達成する上で鋭意検討した結果、高温使用もしくは
高温貯蔵した際のアンカー層の電気的な剥離について
は、高温電解液中で膨潤しにくい耐酸化性に優れる結着
剤の使用が有効であることを見出すと共に、前述した比
較的耐酸化性の低い結着剤は、逆に過充電時には反応し
て結着力が低下し、アンカー層を電気的に剥離させて電
極のインピーダンスを上昇させるため、過充電時の強い
発熱の抑制には効果的であることを見出した。
【0009】このように、アンカー層の結着剤は耐酸化
性の程度に応じてそれぞれ特有の効果を示すため、例え
ば耐酸化性の異なる 2種類以上の結着剤を混合して使用
することによって、正極を充電した状態で高温使用もし
くは高温貯蔵した際のインピーダンスの上昇抑制による
高温安定性の向上と、過充電時のインピーダンスの上昇
による過充電安全性の向上を、同時に満足させることが
実現できる。すなわち、正極集電体と正極活物質層との
間に設ける導電性の薄層の結着剤の種類を適切に選択す
ることによって、正極を充電した状態で高温使用もしく
は高温貯蔵した際の結着剤の膨潤、およびそれに基く導
電性薄層の電気的な剥離を抑制した上で、過充電時にお
ける強い発熱等を抑制することが可能となる。
【0010】本発明はこのような知見に基いてなされた
ものであって、本発明の非水系電解液二次電池は請求項
1に記載したように、正極集電体、正極活物質層および
これら正極集電体と正極活物質層との間に設けられた導
電性薄層を有する正極と、前記正極とセパレータを介し
て配置された負極と、前記正極と負極との間に充填され
た非水系電解液とを具備する非水系電解液二次電池にお
いて、前記正極の導電性薄層は、カーボン系導電剤と、
通常充電状態に比べて過充電状態時におけるインピーダ
ンスの上昇率が300%以上となると共に、通常充電状態に
比べて85℃を超える高温使用または高温貯蔵後のインピ
ーダンスの上昇率が210%以下となるように選択された結
着剤とから構成されていることを特徴としている。
【0011】本発明の非水系電解液二次電池における正
極の導電性薄層は、例えば請求項2に記載したように、
前記正極の対極としてリチウム金属を用いて充電し、前
記リチウム金属からなる対極に対して前記正極の電圧が
5.8V以上となった場合の抵抗が1kΩ/cm2 以上であり、
かつ85℃、24時間の条件で高温貯蔵した場合の抵抗が0.
4〜0.5kΩ/cm2 であることが好ましい。
【0012】また、本発明の非水系電解液二次電池にお
いて、前記導電性薄層を構成する結着剤は請求項3に記
載したように、ゴム系結着剤とフッ素樹脂系結着剤との
混合物からなることが好ましい。さらに、これらゴム系
結着剤およびフッ素樹脂系結着剤の具体例としては、請
求項4に記載したように、前記ゴム系結着剤は水素化ニ
トリルブタジエンゴム、水素化スチレンブタジエンゴ
ム、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、スチレンブ
タジエンゴムおよびニトリルブタジエンゴムから選ばれ
る少なくとも 1種が、前記フッ素樹脂系結着剤はポリフ
ッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンおよびポ
リトリフルオロエチレンから選ばれる少なくとも 1種が
挙げられる。
【0013】例えば、高温電解液中で膨潤しにくい耐酸
化性に優れるフッ素樹脂系結着剤と、比較的耐酸化性が
低いものの過充電時には電気的な剥離を生じさせて電極
のインピーダンスを上昇させるゴム系結着剤との混合物
を、正極集電体と正極活物質層との間に設ける導電性薄
層の結着剤として用いることによって、通常充電状態に
比べて85℃を超える高温使用または高温貯蔵後のインピ
ーダンスの上昇率を210%以下とした上で、通常充電状態
に比べて過充電状態時におけるインピーダンスの上昇率
を300%以上とすることができる。これらによって、正極
を充電した状態で高温使用もしくは高温貯蔵した際の結
着剤の膨潤、およびそれに基く導電性薄層の電気的な剥
離による二次電池の劣化を抑制した上で、過充電時にお
ける過充電の進行を抑制することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0015】図1は本発明の非水系電解液二次電池をL
i二次電池に適用した一実施形態の構造を一部断面で示
す図である。同図において、1は正極2と負極3との間
にセパレータ4を介在させて巻回した発電要素であり、
この発電要素1は有底円筒状の負極端子を兼ねる容器5
内に収容されている。正極2はリード6を介して正極端
子7と電気的に接続されており、また負極3は負極端子
を兼ねる容器5と電気的に接続されている。容器5の上
部開口部は、安全弁を兼ねる封口板8で封止されてい
る。
【0016】正極2は図2に示すように、アルミニウム
箔などからなる正極集電体9を有し、この正極集電体9
上にまず導電性の薄層としてカーボン系導電剤と結着剤
とにより構成されたアンカー層10が形成されており、
このアンカー層10上に正極活物質と結着剤、さらには
カーボン系の導電剤などを含む正極活物質層11が形成
されている。
【0017】ここで、アンカー層10の結着剤は、通常
充電状態に比べて過充電状態時におけるインピーダンス
の上昇率が300%以上となると共に、通常充電状態に比べ
て85℃を超える高温使用または高温貯蔵後のインピーダ
ンスの上昇率が210%以下となるように選択されている。
すなわち、過充電時には例えば結着剤の一部が反応して
結着力が低下し、アンカー層10の電気的な剥離を生じ
させて電極のインピーダンスを通常充電状態に比べて30
0%以上上昇させると共に、85℃を超える高温使用または
高温貯蔵時には通常充電状態に比べてインピーダンスの
上昇率を210%以下とする結着剤が用いられている。
【0018】このように、通常充電状態に比べて過充電
状態時におけるインピーダンスの上昇率を300%以上とす
ることによって、それ以上の過充電の進行を抑制するこ
とができる。すなわち、過充電による強い発熱などを抑
制することができ、Li二次電池の過充電安全性を高め
ることができる。一方、85℃を超える高温使用または高
温貯蔵後のインピーダンスの上昇率を通常充電状態に比
べて210%以下とするということは、正極2を充電した状
態で高温使用もしくは高温貯蔵した際のアンカー層10
の結着剤の膨潤、およびそれに基くアンカー層10の電
気的な浮き(電気的な剥離)が抑制されていることを意
味する。従って、高温使用もしくは高温貯蔵による二次
電池の劣化を抑制することができる。このように、過充
電安全性と高温安定性を同時に向上させることが可能と
なる。
【0019】アンカー層10の結着剤は、単極評価した
場合に以下の条件を満足することが好ましい。すなわ
ち、導電性薄層としてのアンカー層は、正極の対極とし
てリチウム金属を用いて充電し、このリチウム金属から
なる対極に対して正極の電圧が5.8V以上となった場合の
抵抗が1kΩ/cm2 以上となり、かつ85℃、24時間の条件
で高温貯蔵した場合の抵抗が 0.4〜0.5kΩ/cm2 の範囲
となるようにすることが好ましい。このような条件を満
足させることによって、過充電の進行と、正極2を充電
した状態で高温使用もしくは高温貯蔵した際のアンカー
層10の膨潤、およびそれに基くアンカー層10の電気
的な剥離を、より再現性よく同時に抑制することが可能
となる。
【0020】上述したような条件を満足するアンカー層
10の結着剤としては、例えばゴム系結着剤とフッ素樹
脂系結着剤との混合物が例示される。ゴム系結着剤は比
較的耐酸化性が低く、高温使用もしくは高温貯蔵に対し
ては不利であるものの、過充電状態時にはこの比較的酸
化に弱いゴム系結着剤が過充電時に反応して結着力が低
下し、アンカー層10を電気的に剥離させて過充電時に
電極のインピーダンスを上昇させ、電圧を早く上昇させ
ることで強い発熱などを抑制する。すなわち、Li二次
電池の安全性の向上に寄与する。一方、フッ素樹脂系結
着剤は耐酸化性に優れ、過充電の進行抑制に対しては効
果を示さないものの、高温電解液中で膨潤しにくいため
に、アンカー層10の膨潤およびそれに基くアンカー層
10の電気的な剥離を抑制する。すなわちLi二次電池
の高温劣化の抑制に寄与する。
【0021】このようなゴム系結着剤とフッ素樹脂系結
着剤との混合物をアンカー層10の結着剤として用いる
ことによって、通常充電状態に比べて過充電状態時にお
けるインピーダンスの上昇率を300%以上とする条件と、
通常充電状態に比べて85℃を超える高温使用または高温
貯蔵後のインピーダンスの上昇率を210%以下とする条件
を同時に満足させることができる。従って、Li二次電
池の過充電の進行抑制による安全性の向上と、高温使用
もしくは高温貯蔵による特性の劣化抑制を、同時に実現
することが可能となる。
【0022】上述した比較的酸化に弱いゴム系結着剤と
しては、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)、
水素化スチレンブタジエンゴム(HSBR)、ポリビニ
ルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、スチ
レンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴ
ム(NBR)等を用いることができる。一方、高温で膨
潤しにくいフッ素樹脂系結着剤としては、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン(PTrF
E)等を用いることができる。これら結着剤はそれぞれ
1種もしくは 2種以上の混合系として使用される。
【0023】ゴム系結着剤とフッ素樹脂系結着剤との混
合比率は、アンカー層10の結着剤の全量に対してゴム
系結着剤の比率が20〜50重量% の範囲となるように設定
することが好ましい。なお、ゴム系結着剤を除く結着剤
は基本的にはフッ素樹脂系結着剤となるが、本発明の効
果を損わない範囲で他の結着剤を微量添加することも可
能である。ゴム系結着剤の比率が20重量% 未満である
と、Li二次電池の過充電の進行を十分に抑制できない
おそれがあり、一方50重量% を超えると相対的にフッ素
樹脂系結着剤の量が減少することによって、高温使用も
しくは高温貯蔵時におけるアンカー層10の膨潤を十分
に抑制できないおそれがある。
【0024】正極2のアンカー層10は、上記したよう
な結着剤、例えばゴム系結着剤とフッ素樹脂系結着剤と
の混合物からなる結着剤を有機溶媒等に溶解させ、これ
にアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛粉末等
のカーボン系導電剤を分散させてスラリーとし、このス
ラリーを集電体9上に塗布、乾燥させることにより形成
することができる。アンカー層10を作製する際の有機
溶媒としては、ゴム系結着剤とフッ素樹脂系結着剤との
混合物を結着剤として用いる場合、これらが共に溶解性
を示す有機溶媒を用いるものとする。
【0025】そして、正極2は上記したアンカー層10
上に、例えば正極活物質と導電剤を結着剤に分散させた
スラリーを塗布し、これを乾燥させて正極活物質層11
を形成した後、これらを圧延することにより得られる。
この正極2の作製工程における圧延は、圧延ロールに40
〜90℃の熱を加えて実施することが好ましい。正極2の
作製に用いた結着剤が熱を加えることにより軟化し、室
温圧延時より充填密度の向上が図りやすい。特に、より
少ない圧延回数で所望の充填密度に到達することができ
る。また、圧延後における電極膜厚の戻りがない。さら
に、結着剤が軟化して接着有効面積が大きくなり、活物
質間や集電体9と正極活物質層11とのアンカー層10
を介した密着性が向上し、容量特性や大電流特性が向上
する。
【0026】また、上記した正極活物質としては種々の
酸化物、例えばLiCoO2 、LiNiO2 、LiMn
2 、LiMn2 4 などが用いられ、導電剤としては
アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛粉末等が
用いられる。正極活物質層11の結着剤としては、例え
ばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、エチレン−プロピレン−ジ
エン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)、カルボキシルメチルセルロース(CM
C)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエ
チレン3元系共重合体、フッ化ビニリデン−へキサフル
オロプロピレン共重合体、ポリトリフルオロエチレン
(PTrFE)等を用いることができる。正極活物質と
上記結着剤との配合比は、活物質 100重量部に対して結
着剤を 2〜10重量部の範囲とすることが好ましい。
【0027】上記実施形態のLi二次電池における正極
2以外の負極3、セパレータ4、非水系電解液等の電池
構成材料については、従来から非水系電解液二次電池用
として実用され、もしくは提案された材料を種々使用す
ることができる。例えば、セパレータ4としては、例え
ば合成樹脂製不織布、ポリエチレン製多孔質フィルム、
ポリプロピレン製多孔質フィルム等を用いることができ
る。負極3には、リチウム金属やリチウムを吸蔵放出可
能な炭素材料を用いることができる。
【0028】さらに、電池用電解液の非水系溶媒として
は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートな
どと、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2-
ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、エトキシメ
トキシエタンなどとの混合溶媒が挙げられる。また、電
解質としては、LiPF6 、LiBF4 、LiCl
4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 などのリチウム
塩が例示される。
【0029】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。なお、各実施例および比較例で
作製した非水系電解液二次電池は、いずれも図1に概略
構造を示したLi二次電池である。
【0030】実施例1 まず、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)75重量% と水
素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)25重量% と
を、N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。こ
のNMPに溶解したPVDFとHNBRとの混合物から
なる結着剤を、アセチレンブラック 100重量部に対し結
着剤量が50重量部となるように混合して、分散液を作製
した。この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔
の両面に塗布し乾燥させて、導電性薄層としてアンカー
層を形成した。乾燥後に厚さ 4μmの塗膜としてアンカ
ー層が得られた。
【0031】次に、正極活物質としてコバルト酸リチウ
ム(LiCoO2 )粉末 100重量%と、アセチレンブラ
ック 2.5重量% およびグラフアイト 2.5重量% とをヘイ
シェルミキサで混合し、これを結着剤であるポリフッ化
ビニリデン(PVDF) 3重量% をN-メチル -2-ピロリ
ドンに溶解した溶液に混合分散させて正極材ペーストを
作製した。この正極材ペーストをアンカー層上に塗布し
乾燥させた。この後、圧延して正極合剤の片面の厚さが
83μm で、充填密度が 3.3g/cm3 の正極板を作製した。
【0032】また、負極炭素質材料として平均繊維径 7
μm 、平均繊維長18μm のメソフェーズピッチ系炭素繊
維の粉末を、結着剤として炭素粉末 100重量% に対して
4重量% のポリフッ化ビニリデン(PVDF)とN-メチ
ル -2-ピロリドンとの混合溶液に分散させて負極スラリ
ーを作製した。この負極スラリーを厚さ12μm の集電体
銅箔に塗布し乾燥させた。これを圧延して、負極合剤の
片面の厚さが85μm で、充填密度が 1.4g/cm3 の負極板
を作製した。
【0033】上述した正極板、ポリエチレン製多孔質フ
ィルムからなるセパレータおよび上記負極板をそれそれ
上記の順序で積層し、負極板が外側に位置するように渦
巻き状に捲回して電極コイルを作製した。そして、 1モ
ルの六フッ化リン酸リチウムをエチレンカーボネートと
メチルエチルカーボネートの混合溶媒(混合体積比=1:
2)に溶解して、非水系電解液を調整した。これら電極コ
イルおよび非水系電解液をステンレス製の円筒状容器内
にそれぞれ収納して、図1に示した円筒型Li二次電池
18650サイズ(φ18mm、高さ650mm)を作製し、後述する
特性評価に供した。
【0034】実施例2 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)50重量% と水素化ニ
トリルブタジエンゴム(HNBR)50重量% とを、N-メ
チル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMP
に溶解したPVDFとHNBRとの混合物からなる結着
剤を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量
が50重量部となるように混合して、分散液を作製した。
そして、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ
箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー
層を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li
二次電池を作製した。これを後述する特性評価に供し
た。 実施例3 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)65重量% と水素化ニ
トリルブタジエンゴム(HNBR)35重量% とを、N-メ
チル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMP
に溶解したPVDFとHNBRとの混合物からなる結着
剤を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量
が50重量部となるように混合して、分散液を作製した。
そして、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ
箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー
層を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li
二次電池を作製した。これを後述する特性評価に供し
た。 実施例4 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)40重量% と水素化ニ
トリルブタジエンゴム(HNBR)60重量% とを、N-メ
チル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMP
に溶解したPVDFとHNBRとの混合物からなる結着
剤を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量
が50重量部となるように混合して、分散液を作製した。
そして、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ
箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー
層を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li
二次電池を作製した。これを後述する特性評価に供し
た。 実施例5 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)85重量% と水素化ニ
トリルブタジエンゴム(HNBR)15重量% とを、N-メ
チル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMP
に溶解したPVDFとHNBRとの混合物からなる結着
剤を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量
が50重量部となるように混合して、分散液を作製した。
そして、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ
箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー
層を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li
二次電池を作製した。これを後述する特性評価に供し
た。 実施例6 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)75重量% と水素化ス
チレンブタジエンゴム(HSBR)25重量% とを、N-メ
チル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMP
に溶解したPVDFとHSBRとの混合物からなる結着
剤を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量
が50重量部となるように混合して、分散液を作製した。
そして、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ
箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー
層を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li
二次電池を作製した。これを後述する特性評価に供し
た。 実施例7 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)75重量% とスチレン
ブタジエンゴム(SBR)25重量% とを、N-メチル -2-
ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMPに溶解し
たPVDFとSBRとの混合物からなる結着剤を、アセ
チレンブラック100重量部に対して結着剤量が50重量部
となるように混合して、分散液を作製した。そして、こ
の分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔の両面に
塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー層を形成す
る以外は、実施例1と同様にして円筒型Li二次電池を
作製した。これを後述する特性評価に供した。
【0035】実施例8 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)75重量% とニトリル
ブタジエンゴム(NBR)25重量% とを、N-メチル -2-
ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMPに溶解し
たPVDFとNBRとの混合物からなる結着剤を、アセ
チレンブラック100重量部に対して結着剤量が50重量部
となるように混合して、分散液を作製した。そして、こ
の分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔の両面に
塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー層を形成す
る以外は、実施例1と同様にして円筒型Li二次電池を
作製した。これを後述する特性評価に供した。
【0036】実施例9 ポリトリフロオロエチレン(PTrFE)80重量% と水
素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)20重量% と
を、N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。こ
のNMPに溶解したPTrFEとHNBRとの混合物か
らなる結着剤を、アセチレンブラック 100重量部に対し
て結着剤量が50重量部となるように混合して、分散液を
作製した。そして、この分散液を集電体である厚さ15μ
m のアルミ箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層とし
てアンカー層を形成する以外は、実施例1と同様にして
円筒型Li二次電池を作製した。これを後述する特性評
価に供した。
【0037】実施例10 ポリトリフロオロエチレン(PTrFE)80重量% と水
素化スチレンブタジエンゴム(HSBR)20重量% と
を、N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。こ
のNMPに溶解したPTrFEとHSBRとの混合物か
らなる結着剤を、アセチレンブラック 100重量部に対し
て結着剤量が50重量部となるように混合して、分散液を
作製した。そして、この分散液を集電体である厚さ15μ
m のアルミ箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層とし
てアンカー層を形成する以外は、実施例1と同様にして
円筒型Li二次電池を作製した。これを後述する特性評
価に供した。
【0038】実施例11 ポリトリフロオロエチレン(PTrFE)80重量% とニ
トリルブタジエンゴム(NBR)20重量% とを、N-メチ
ル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMPに
溶解したPTrFEとNBRとの混合物からなる結着剤
を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量が
50重量部となるように混合して、分散液を作製した。そ
して、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔
の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー層
を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li二
次電池を作製した。これを後述する特性評価に供した。
【0039】実施例12 ポリトリフロオロエチレン(PTrFE)80重量% とス
チレンブタジエンゴム(SBR)20重量% とを、N-メチ
ル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMPに
溶解したPTrFEとSBRとの混合物からなる結着剤
を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量が
50重量部となるように混合して、分散液を作製した。そ
して、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔
の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー層
を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li二
次電池を作製した。これを後述する特性評価に供した。
【0040】実施例13 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)95重量% と水素化ニ
トリルブタジエンゴム(HNBR) 5重量% とを、N-メ
チル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMP
に溶解したPVDFとHNBRとの混合物からなる結着
剤を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量
が50重量部となるように混合して、分散液を作製した。
そして、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ
箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー
層を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li
二次電池を作製した。これを後述する特性評価に供し
た。 実施例14 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)90重量% と水素化ス
チレンブタジエンゴム(HSBR)10重量% とを、N-メ
チル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した。このNMP
に溶解したPVDFとHNBRとの混合物からなる結着
剤を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着剤量
が50重量部となるように混合して、分散液を作製した。
そして、この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ
箔の両面に塗布し乾燥させて導電性薄層としてアンカー
層を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li
二次電池を作製した。これを後述する特性評価に供し
た。 比較例1 N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した結着剤で
ある水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)を、ア
セチレンブラック 100重量部に対して結着剤量が50重量
部となるように混合して、分散液を作製した。そして、
この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔の両面
に塗布し乾燥させて、導電性薄層としてアンカー層を形
成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li二次電
池を作製した。これを後述する特性評価に供した。
【0041】比較例2 N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した結着剤で
あるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、アセチレン
ブラック 100重量部に対して結着剤量が50重量部となる
ように混合して、分散液を作製した。そして、この分散
液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔の両面に塗布し
乾燥させて、導電性薄層としてアンカー層を形成する以
外は、実施例1と同様にして円筒型Li二次電池を作製
した。これを後述する特性評価に供した。
【0042】比較例3 N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した結着剤で
ある水素化スチレンブタジエンゴム(HSBR)を、ア
セチレンブラック 100重量部に対して結着剤量が50重量
部となるように混合して、分散液を作製した。そして、
この分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔の両面
に塗布し乾燥させて、導電性薄層としてアンカー層を形
成する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li二次電
池を作製した。これを後述する特性評価に供した。
【0043】比較例4 N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した結着剤で
あるスチレンブタジエンゴム(SBR)を、アセチレン
ブラック 100重量部に対して結着剤量が50重量部となる
ように混合して、分散液を作製した。そして、この分散
液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔の両面に塗布し
乾燥させて、導電性薄層としてアンカー層を形成する以
外は、実施例1と同様にして円筒型Li二次電池を作製
した。これを後述する特性評価に供した。
【0044】比較例5 N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した結着剤で
あるニトリルブタジエンゴム(NBR)を、アセチレン
ブラック 100重量部に対して結着剤量が50重量部となる
ように混合して、分散液を作製した。そして、この分散
液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔の両面に塗布し
乾燥させて、導電性薄層としてアンカー層を形成する以
外は、実施例1と同様にして円筒型Li二次電池を作製
した。これを後述する特性評価に供した。
【0045】比較例6 N-メチル -2-ピロリドン(NMP)に溶解した結着剤で
あるポリトリフルオロエチレン(PTrFE)を、アセ
チレンブラック 100重量部に対して結着剤量が50重量部
となるように混合して、分散液を作製した。そして、こ
の分散液を集電体である厚さ15μm のアルミ箔の両面に
塗布し乾燥させて、導電性薄層としてアンカー層を形成
する以外は、実施例1と同様にして円筒型Li二次電池
を作製した。これを後述する特性評価に供した。
【0046】比較例7 純水に溶解した結着剤であるポリビニルアルコール(P
VA)を、アセチレンブラック 100重量部に対して結着
剤量が50重量部となるように混合して、分散液を作製し
た。そして、この分散液を集電体である厚さ15μm のア
ルミ箔の両面に塗布し乾燥させて、導電性薄層としてア
ンカー層を形成する以外は、実施例1と同様にして円筒
型Li二次電池を作製した。これを後述する特性評価に
供した。 比較例8 導電性薄層としてアンカー層を形成せずに、正極活物質
層を集電体上に直接形成する以外は、実施例1と同様に
して円筒型Li二次電池を作製した。これを後述する特
性評価に供した。
【0047】上述した実施例1〜14および比較例1〜
8による各アンカー層の結着剤の種類と混合比率を表1
に示す。なお、実施例1〜3および実施例6〜12によ
る各アンカー層は単極評価した際に、正極の対極として
リチウム金属を用いて充電し、このリチウム金属からな
る対極に対して正極の電圧が5.8V以上となった場合の抵
抗が1kΩ/cm2 以上であり、かつ85℃、24時間の条件で
高温貯蔵した場合の抵抗が 0.4〜0.5kΩ/cm2 の範囲で
あった。
【0048】
【表1】 次に、上述した実施例1〜14および比較例1〜8によ
る各Li二次電池の過充電安全性および高温貯蔵安定性
を以下に示す各試験に基いて評価した。
【0049】[過充電試験]実施例1〜14および比較
例1〜8による各Li二次電池について、充電電流1.4A
で4.2Vまで 3時間充電し、2.7Vまで1.4Aで放電を繰り返
し、 3サイクル充電状態で1C(1.4A)7.5V過充電試験を行
い、過充電前のインピーダンスと過充電後のインピーダ
ンスを測定した。これらから過充電時のインピーダンス
の過充電前(4.2V充電時)のインピーダンスに対する上
昇率を求めた。これらの結果を表2に示す。
【0050】[高温貯蔵後のインピーダンスの変化]実
施例1〜14および比較例1〜8による各Li二次電池
について、充電電流1.4Aで4.2Vまで 3時間充電し、2.7V
まで1.4Aで放電を繰り返し、 3サイクル充電状態で85
℃、24時間の高温貯蔵試験を行い、高温貯蔵前のインピ
ーダンスと85℃、24時間の高温貯蔵後のインピーダンス
を測定した。これらから高温貯蔵後のインピーダンスの
高温貯蔵前(4.2V充電時)のインピーダンスに対する上
昇率を求めた。これらの結果を表3に示す。
【0051】
【表2】
【表3】 表2および表3から、実施例1〜14で得た各Li二次
電池は、アンカー層の結着剤としてフッ素樹脂系結着剤
のみを用いた比較例2、6およびアンカー層を適用して
いない比較例8で得た各Li二次電池に比べて過充電時
のインピーダンスの上昇が大きく、かつアンカー層の結
着剤としてゴム系結着剤のみを用いた比較例1、3、
4、5、7で得た各Li二次電池に比べて高温貯蔵後の
インピーダンスの上昇が低いことが分かる。
【0052】このように、アンカー層の結着剤としてゴ
ム系結着剤とフッ素樹脂系結着剤との混合物を用いるこ
とによって、過充電時のインピーダンスの上昇による過
充電安全性と高温貯蔵時のインピーダンスの上昇抑制に
よる高温貯蔵安定性が同時に向上することが分かる。特
に、ゴム系結着剤の比率を20〜50重量% の範囲としたゴ
ム系結着剤とフッ素樹脂系結着剤との混合物からなる結
着剤をアンカー層に適用することによって、過充電安全
性と高温貯蔵安定性がバランスよく向上することが分か
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の非水系電
解液二次電池によれば、高温使用もしくは高温貯蔵後の
インピーダンスの上昇を抑えて劣化を抑制した上で、過
充電時の安全性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非水系電解液二次電池をLi二次電
池に適用した一実施形態の構造を一部断面で示す図であ
る。
【図2】 図1に示す非水系電解液二次電池の正極を拡
大して示す断面図である。
【符号の説明】
1……発電要素 2……正極 3……負極 4……セパレータ 5……負極端子を兼ねる容器 7……正極端子 9……正極集電体 10…導電性薄層としてのアンカー層 11…正極活物質層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体、正極活物質層およびこれら
    正極集電体と正極活物質層との間に設けられた導電性薄
    層を有する正極と、前記正極とセパレータを介して配置
    された負極と、前記正極と負極との間に充填された非水
    系電解液とを具備する非水系電解液二次電池において、 前記正極の導電性薄層は、カーボン系導電剤と、通常充
    電状態に比べて過充電状態時におけるインピーダンスの
    上昇率が300%以上となると共に、通常充電状態に比べて
    85℃を超える高温使用または高温貯蔵後のインピーダン
    スの上昇率が210%以下となるように選択された結着剤と
    から構成されていることを特徴とする非水系電解液二次
    電池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の非水系電解液二次電池に
    おいて、 前記導電性薄層は、前記正極の対極としてリチウム金属
    を用いて充電し、前記リチウム金属からなる対極に対し
    て前記正極の電圧が5.8V以上となった場合の抵抗が1kΩ
    /cm2 以上であり、かつ85℃、24時間の条件で高温貯蔵
    した場合の抵抗が 0.4〜0.5kΩ/cm2 であることを特徴
    とする非水系電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の非水系電解液二次電池に
    おいて、 前記導電性薄層を構成する前記結着剤は、ゴム系結着剤
    とフッ素樹脂系結着剤との混合物からなることを特徴と
    する非水系電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の非水系電解液二次電池に
    おいて、 前記ゴム系結着剤は、水素化ニトリルブタジエンゴム、
    水素化スチレンブタジエンゴム、ポリビニルアルコー
    ル、ポリエチレン、スチレンブタジエンゴムおよびニト
    リルブタジエンゴムから選ばれる少なくとも 1種からな
    り、かつ前記フッ素樹脂系結着剤は、ポリフッ化ビニリ
    デン、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリトリフル
    オロエチレンから選ばれる少なくとも 1種からなること
    を特徴とする非水系電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の非水系電解液二次電池に
    おいて、 前記導電性薄層を構成する前記結着剤は、前記ゴム系結
    着剤を20〜50重量% の範囲で含有することを特徴とする
    非水系電解液二次電池。
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