JP2002117834A - 非水系二次電池用正極および非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用正極および非水系二次電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量かつ良好な寿命特性を有する非水系二
次電池を提供する。 【解決手段】 リチウムおよび遷移金属を含む複合酸化
物からなる活物質、グラファイト(A)およびカーボン
ブラック(B)からなる導電剤ならびに有機重合体から
なる粒子状の結着剤を有する非水系二次電池用正極であ
って、前記活物質100重量部あたり0.4重量部以上
2重量部以下の前記結着剤および2重量部以上4重量部
未満の前記導電剤を含み、前記導電剤におけるグラファ
イト(A)とカーボンブラック(B)との重量比(A/
B)が20/80〜80/20であることを特徴とする
非水系二次電池用正極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムおよび遷
移金属を含む複合酸化物を正極活物質として有する非水
系二次電池用正極およびそれを具備した高容量および長
寿命の非水系二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、民生用電子機器のポータブル化、
コードレス化が急激に進んでいる。現在、これら電子機
器の駆動用電源を担う小型かつ軽量で高エネルギー密度
を有する電池への要望が高まっている。このような観点
から非水系二次電池、とりわけリチウムイオン二次電池
は高電圧かつ高エネルギー密度を有する電池として、ノ
ートパソコン、携帯電話、AV機器などに使用されてい
る。非水系二次電池は、上述の機器に使用されることか
ら、良好な寿命特性を有すことが求められる。そこで、
正極板の電子伝導性を向上させることによる寿命特性の
改善が検討されている。
【0003】正極の電子伝導性を向上させる具体的手段
として、活物質であるリチウムおよび遷移金属を含む複
合酸化物に対し、導電剤を添加する方法が挙げられる。
導電剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラ
ックに代表されるカーボンブラックまたはグラファイト
などが用いられる。また、正極は、極板構造を保持する
ために必要な結着剤や、必要であれば合剤ペーストの粘
度を調整するための増粘剤などを含んでいる。前記結着
剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレンなどが用いられる。すなわち、一般に正極
は、活物質、導電剤、結着剤および増粘剤を分散媒と混
合して合剤ペーストを得、合剤ペーストを芯材である金
属箔に塗布し、乾燥して製造される。前記分散媒として
は、N−メチル−2−ピロリドン、水などが用いられ
る。
【0004】従来の結着剤には、2つのタイプがある。
一方は、一旦合剤ペーストの分散媒に溶解し、芯材上に
合剤ペーストを塗布し、乾燥する際に分散媒の揮発に伴
って析出し、その結着機能を発現する。例えば、結着剤
がポリフッ化ビニリデンであり、分散媒がN−メチル−
2−ピロリドンである場合がこれに該当する。このよう
な結着剤は、活物質や導電剤を被覆して析出する。その
ため正極内において活物質と導電剤との間隙に結着剤が
有効に配置されず、極板構造を保持するためには多量の
結着剤を要する。
【0005】もう一方は、ポリテトラフルオロエチレン
のように分散媒に溶解せずに合剤ペースト中で粒子状を
維持する。この結着剤は合剤と芯材からなる正極板の圧
延時にかかるせん断応力により、微細繊維(フィブリ
ル)を発生する。そして、微細繊維が活物質や導電剤と
絡み合うことで結着作用が発現する。この場合も、活物
質や導電剤に多量の微細繊維を絡ませる必要があるた
め、多量の結着剤を要する。
【0006】多量の結着剤を用いる場合、正極の電子伝
導性を確保するためには多量の導電剤が必要となる。例
えば、結着剤としてホルムアルデヒドに溶解させたポリ
アクリロニトリルを用いる場合、活物質100重量部あ
たり4重量部以上の導電剤を添加しなければ、良好なサ
イクル寿命を有する電池を得ることができない(特許第
3046055号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】多量の導電剤と結着剤
を含む正極は、体積あたりの正極合剤に含まれる活物質
重量(以下活物質密度という、単位はg/ml)が低い
ため、その正極を有する電池容量も小さくなる。本発明
は、導電剤および結着剤の量を減らして正極の活物質密
度を向上させることにより、高容量かつ良好な寿命特性
を有する非水系二次電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、リチウムおよ
び遷移金属を含む複合酸化物からなる活物質、グラファ
イト(A)およびカーボンブラック(B)からなる導電
剤ならびに有機重合体からなる粒子状結着剤を有する非
水系二次電池用正極であって、前記活物質100重量部
あたり0.4重量部以上2重量部以下の前記結着剤およ
び2重量部以上4重量部未満の前記導電剤を含み、前記
導電剤におけるグラファイト(A)とカーボンブラック
(B)との重量比(A/B)が20/80〜80/20
であることを特徴とする非水系二次電池用正極に関す
る。
【0009】本発明は、また、前記正極、リチウムを吸
蔵、放出可能な材料からなる負極およびリチウムイオン
伝導性の非水電解質を有する非水系二次電池に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の非水系二次電池用正極
は、リチウムおよび遷移金属を含む複合酸化物を活物質
として含んでいる。前記活物質としては、一般式:Li
MO2(ただし、M=Co、NiまたはMn)またはL
i〔LixMn2-x 〕O4(ただし、0≦x≦0.18)
で示されるものが好ましく用いられる。具体的には、L
iCoO 2、LiNiO2、LiMn24などが挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0011】本発明の非水系二次電池用正極は、グラフ
ァイト(A)およびカーボンブラック(B)からなる導
電剤を含んでいる。グラファイト(A)は、その粒子径
が比較的大きいことから、正極内において主として活物
質と金属箔の芯材との間のマクロな電気的接続経路を形
成していると考えられる。一方、カーボンブラック
(B)は、その粒子径が比較的小さいことから、正極内
において主として活物質粒子間のミクロな電気的接続経
路を形成していると考えられる。したがって、グラファ
イトとカーボンブラックのどちらか一方しか含まない正
極内には緻密な集電経路が形成されず、電子伝導性が不
充分となる。
【0012】上記のようなグラファイト(A)とカーボ
ンブラック(B)との相違点を活用し、緻密な集電経路
を正極内に形成するには、正極に含まれるグラファイト
(A)とカーボンブラック(B)との重量比を(A/
B)=20/80〜80/20の範囲とする必要があ
る。(A)および(B)の一方が多すぎても、少なすぎ
ても、緻密な集電経路を形成することはできない。
【0013】グラファイトの平均粒子径は、特に限定さ
れるものではないが0.1〜10μmであることが、良
好な集電経路を形成するうえで好ましい。また、カーボ
ンブラックの平均粒子径も、特に限定されるものではな
いが0.01〜0.1μmであることが、良好な集電経
路を形成するうえで好ましい。また、カーボンブラック
の平均粒子径に対するグラファイトの平均粒子径の比は
2〜1000であることが好ましい。
【0014】グラファイトの種類に特に限定はないが、
例えば膨張黒鉛などの人造黒鉛、鱗片状黒鉛などの天然
黒鉛などを用いることができる。また、カーボンブラッ
クの種類に特に限定はないが、例えばアセチレンブラッ
ク、ファーネスブラックなどを用いることができる。
【0015】本発明の非水系二次電池用正極は、少量の
粒子状結着剤を含んでいる。粒子状結着剤は、正極内で
粒子状を維持する必要がある。従って、粒子状結着剤
は、合剤ペーストの分散媒に溶解しないことが必要であ
る。粒子状結着剤は、粒子形状を維持したまま正極内に
含まれるため、活物質粒子や導電剤粒子の表面を被覆す
ることがない。粒子状結着剤は、活物質−活物質間、活
物質−導電剤間および導電剤−導電剤間に有効に配置さ
れる。従って、少量の結着剤を用いるだけで極板形状を
維持するための充分な効果を得ることができる。正極に
含まれる結着剤量が少ないため、導電剤の必要量も少な
くなる。結果として、寿命特性を損じることなく正極の
活物質密度を向上させることができる。
【0016】粒子状結着剤の平均粒子径は、特に限定さ
れるものではないが0.05〜0.5μmであることが
好ましい。平均粒子径が0.05μm未満の場合、結着
剤で被覆される活物質表面積が大きくなり、電池反応が
阻害され易くなる。一方、0.5μmを超える場合、活
物質粒子間の距離が広くなり、正極の電子伝導性が低下
する傾向がある。
【0017】粒子状結着剤としては、例えばN−メチル
−2−ピロリドンに分散させたアクリルゴム粒子、水に
分散させたテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体(以下FEPという)などが入手可能
である。ただし、FEPが結着の効果を発現するために
はFEPを約250℃で加熱する必要があるのに対し、
アクリルゴム粒子は加熱する必要がないため、アクリル
ゴム粒子の方が好ましい。
【0018】アクリルゴム粒子のなかでも、アクリロニ
トリル単位を含むコア部とアクリル酸エステル単位、2
−エチルヘキシルアクリレート単位等を含む柔軟なシェ
ル部とからなるコアシェル型のゴム粒子が特に好まし
い。この場合、アクリロニトリル単位を含む強固なコア
部が正極内で粒子形状を保持する機能を有し、シェル部
が結着の効果を発現する。
【0019】本発明の非水系二次電池用正極に含まれる
導電剤の量は、活物質100重量部あたり2重量部以上
4重量部未満に限定される。導電剤の量が2重量部未満
の場合、正極の電子伝導性が乏しくなって電池の寿命特
性が低下する。一方、4重量部以上の場合、正極の活物
質密度を向上させることができず、高容量な電池を得る
ことができない。
【0020】一方、本発明の非水系二次電池用正極に含
まれる結着剤の量は、活物質100重量部あたり0.4
重量部以上2重量部以下に限定される。結着剤の量が
0.4重量部未満では少なすぎるため、正極の製造工程
で合剤が芯材から剥がれ、製造が困難になる。一方、2
重量部を超える場合、正極の電子伝導性が低下するた
め、電池の寿命特性が低下する。
【0021】粒子状結着剤は合剤ペーストの分散媒に溶
解しないため、合剤ペーストの粘度を調整することがで
きない。そこで、増粘剤を添加して分散媒の粘度を上げ
て、合剤ペーストを芯材への塗工に適した性状にする必
要がある。増粘剤は、結着剤が溶解しない分散媒に溶解
する必要がある。
【0022】例えば結着剤として前記アクリルゴム粒子
を用いる場合、分散媒としてはN−メチル−2−ピロリ
ドンが好適である。従って、増粘剤としてはN−メチル
−2−ピロリドンに溶解し得る変性ポリエチレンなどの
樹脂が好ましい。また、変性ポリエチレンとしては、ポ
リエチレンの構造にビニルアルコール単位等の極性基を
含ませたものが好ましい。
【0023】結着剤としてFEPを用いる場合、分散媒
としては水が好適である。従って、増粘剤としては水に
溶解し得るカルボキシメチルセルロースなどが好まし
い。
【0024】合剤ペーストに含まれる増粘剤の量は、特
に限定されるものではないが、活物質100重量部あた
り0.1〜1重量部であることが好ましい。増粘剤量が
0.1重量部未満の場合、合剤ペーストを芯材への塗工
に適した性状にすることが困難になり、1重量部を超え
る場合、増粘剤で被覆される活物質表面積が大きくな
り、電池反応が阻害される。
【0025】本発明の非水系二次電池用正極は、例え
ば、上記活物質、導電剤、結着剤および増粘剤を所定の
分散媒とともに練合し、合剤ペーストを得、これをアル
ミニウムなどの金属箔または穿孔板(ラスメタル板)の
両面に塗布し、圧延し、切断する工程などにより作製さ
れる。電池を小型軽量にする観点から、芯材の厚さは金
属箔であれば10〜25μm、穿孔板であれば10〜5
0μmとするのが一般的であり、正極の厚さは80〜2
00μmとするのが一般的である。
【0026】一方、負極は、例えば、リチウムイオンを
吸蔵・放出できる炭素を活物質として含む合剤ペースト
を銅などの金属箔または穿孔板(ラスメタル板)の両面
に塗布し、圧延し、切断する工程などにより作製され
る。電池を小型軽量にする観点から、芯材の厚さは金属
箔であれば8〜20μm、穿孔板であれば10〜50μ
mとするのが一般的であり、負極の厚さは80〜200
μmとするのが一般的である。
【0027】得られた正極および負極を、両者の間にセ
パレータを介在させて積層し、横断面が略楕円形になる
ように捲回すれば角形電池用の極板群が、横断面が円形
になるように捲回すれば円筒形電池用の極板群がそれぞ
れ得られる。セパレータとしては、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン製微多孔膜などが用い
られる。その厚さは一般的に10〜40μmである。
【0028】極板群を角形または円筒形の金属製電池ケ
ースに収容し、リチウムイオン伝導性の非水電解質を注
入すれば本発明の非水系二次電池を得ることができる。
電池ケース内に注入される非水電解質は、従来からリチ
ウム二次電池に用いられているものを特に制限なく用い
ることができる。一般的には、リチウム塩および非水溶
媒からなる電解質が用いられる。リチウム塩としては、
例えばLiPF6、LiBF4などが挙げられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよ
い。また、非水溶媒としては、エチレンカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル
メチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組
合せて用いてもよい。
【0029】本発明の非水系二次電池の一例である角形
電池の横断図面を図1に示す。図中、1は角形の電池ケ
ースを示し、その内部に極板群が挿入されている。極板
群は、正極2および負極3を、両者の間にセパレータ4
を介在させて積層し、横断面が略楕円形になるように捲
回することにより構成されている。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0031】《実施例1》100重量部のLiCoO2
に対し、結着剤としてN−メチル−2−ピロリドンに分
散させたアクリルゴム粒子(日本ゼオン(株)製のBM5
00B(商品名)、平均粒子径0.2μm)を固形分で
0.4重量部、増粘剤としてN−メチル−2−ピロリド
ンに溶解させた変性ポリエチレン(日本ゼオン(株)製の
BM700H(商品名))を樹脂成分で0.3重量部、
ならびに導電剤として平均粒子径0.3μmのグラファ
イト1.5重量部および平均粒子径0.03μmのアセ
チレンブラック1.5重量部を混合し、N−メチル−2
−ピロリドンを分散媒とし、固形分濃度28重量%の合
剤ペーストを得た。なお、上記結着剤は、アクリロニト
リル単位を含むコア部を有するコアシェル型のアクリル
ゴム粒子である。
【0032】この合剤ペーストを、厚さ20μmのアル
ミニウム箔の両面に塗布し、乾燥し、合剤部分における
活物質密度が3.6g/mlとなるように圧延し、幅4
0mm、長さ460mmに切断して正極を得た。
【0033】一方、人造黒鉛粉末100重量部に対し、
結着剤としてスチレンブタジエンゴム3重量部を混合
し、これらをカルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁
させて合剤ペーストにした。このペーストを厚さ15μ
mの銅箔の両面に塗布し、乾燥し、圧延後、所定の寸法
に切断して負極を得た。得られた正極と負極との間にセ
パレータを介在させて横断面が略楕円形になるように捲
回し、極板群を得た。セパレータとしては、厚さ27μ
mのポリエチレン製微多孔膜を用いた。
【0034】前記極板群は、その上部および底部に絶縁
リングを配して所定のアルミニウム製ケース内に3.2
gの非水電解質とともに収容した。非水電解質として
は、等体積のエチレンカーボネートとエチルメチルカー
ボネートとの混合物に1モル/リットルの濃度になるよ
うにLiPF6を溶解したものを用いた。そして、負極
板に取り付けたリードと正極板に取り付けたリードを所
定の箇所に接続した後、ケースの開口部を封口板で封口
し、本発明の非水系二次電池を完成した。この電池は、
幅30mm、高さ48mm、厚さ5mmの角形であり、
電池の公称容量は600mAhである。
【0035】《実施例2〜4および比較例1〜2》正極
に含まれる結着剤の量を表1に示すように変化させたこ
と以外、実施例1と同様に正極および非水系二次電池を
作製した。
【0036】《実施例5〜6および比較例3〜4》正極
に含まれる導電剤の総量は変えずにグラファイトとアセ
チレンブラックとの重量比率を表1に示すように変化さ
せたこと以外、実施例2と同様に正極および非水系二次
電池を作製した。
【0037】《実施例7〜8および比較例5〜7》正極
に含まれる導電剤におけるグラファイトとアセチレンブ
ラックとの重量比率は変えずに導電剤の総量を表1に示
すように変化させたこと以外、実施例2と同様に正極お
よび非水系二次電池を作製した。
【0038】《実施例9》正極に含まれる結着剤をFE
Pに代え、増粘剤をカルボキシメチルセルロースに代え
るとともにその量を活物質100重量部に対し1重量部
としたこと以外、実施例4と同様に正極および非水系二
次電池を作製した。
【0039】《比較例8》正極に含まれる結着剤をポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)に代え、その量を活物質
100重量部に対し4重量部とし、増粘剤は用いなかっ
たこと以外、実施例1と同様に正極および非水系二次電
池を作製した。
【0040】次に、前記実施例および比較例の正極およ
び電池の評価を行った。 (i)正極の評価 正極合剤ペーストをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥し
た後、アルミニウム箔からの合剤の脱落の有無を目視し
た。そして、不具合のない正極のみ電池の作製に用い
た。結果を表1に示す。次いで、極板群構成後の正極表
面を目視し、同じく不具合のない正極のみ電池の作製に
用いた。結果を表1に示す。
【0041】(ii)電池の評価 得られた電池のサイクル寿命特性を評価した。具体的に
は、600mAで電池電圧が4.2Vになるまで充電
し、600mAで電池電圧が3Vになるまで放電する操
作を200回繰り返した。そして、1回目の放電容量に
対する200回目の放電容量の比を求めた。結果を容量
維持率として百分率で表1に示す。
【0042】(iii)評価結果
【0043】
【表1】
【0044】正極の結着剤として分散媒(N−メチル−
2−ピロリドン)に溶解するポリフッ化ビニリデンを用
いた比較例8の正極は、極板群構成後に略楕円形に捲回
された極板群を目視したところ、最も曲率が高い箇所に
折り目状の亀裂が発生していることが確認された。比較
例8の正極は多量のポリフッ化ビニリデンを結着剤とし
て含んでいるため、極板内の空隙体積が少なくなり、極
板の柔軟性が著しく損なわれたものと考えられる。正極
の活物質密度を3.3g/mlまで減らせば亀裂が発生
しないことが確認されたが、活物質密度を減らすと極板
の厚さは増加することになる。従って、金属ケースに挿
入するには正極の長さを減ずる(すなわち容量を低下さ
せる)必要がある。
【0045】一方、正極の結着剤として分散媒(N−メ
チル−2−ピロリドン)に溶解しないBM500Bを用
いた実施例1の正極は、少量でも結着効果を発現するた
め、充分な空隙を確保しつつ活物質密度3.6g/ml
とすることができた。また、実施例1の正極に不具合は
一切生じなかった。実施例1の電池のサイクル寿命特性
も良好であった。結着剤としてFEPを用いた実施例9
の正極でも同様の効果が得られた。ただし、比較例1の
ように結着剤の量が少なすぎると、合剤が極板から脱落
し、比較例2のように結着剤の量が多すぎると、正極内
の電子伝導性が不足するためサイクル寿命特性が低下し
た。このことから、結着剤量の最適範囲は、活物質10
0重量部あたり0.4重量部以上2重量部以下であるこ
とがわかる。
【0046】導電剤の総量は変化させず、グラファイト
(A)とアセチレンブラック(B)との重量比率を変化
させた場合、比較例3((A/B)=10/90)、比
較例4((A/B)=90/10)の電池は、いずれも
サイクル寿命特性が低下した。この理由として、比較例
3の正極はグラファイトが不足しているため、また、比
較例4の電池はアセチレンブラックが不足しているた
め、緻密な集電経路を形成することができず、いずれも
正極の電子伝導性が低下したためと考えられる。このこ
とから、グラファイト(A)とアセチレンブラック
(B)との重量比率の最適範囲は、(A/B)=20/
80〜80/20であることがわかる。
【0047】グラファイト(A)とアセチレンブラック
(B)との重量比率は変化させず、導電剤の総量を変化
させた場合、活物質100重量部あたり1.6重量部し
か導電剤を含まない比較例5の正極は、電子伝導性不足
のため電池のサイクル寿命特性が低下した。また、物質
100重量部あたり4重量部の導電剤を含む比較例6の
正極は、極板群を略楕円形に捲回した際に亀裂が発生し
ていることが確認された。比較例6の場合、極板群の亀
裂が微細であったため、電池を構成するうえで影響がな
いと判断してサイクル寿命特性を評価したところ、実施
例1と同等の結果であった。しかし、活物質100重量
部あたり4.6重量部の結着剤を含む比較例7の正極に
は、比較例8と同程度の亀裂が確認された。このことか
ら、導電剤量の最適範囲は、活物質100重量部あたり
2重量部以上4重量部未満であることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、正極の活物質密度を向
上することができ、高容量かつ良好な寿命特性を有する
非水系二次電池用正極および非水系二次電池を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水系二次電池の一例の横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 電池ケース 2 正極板 3 負極板 4 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福永 政雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 黒田 明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川村 基 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大畠 積 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 DJ08 DJ16 EJ04 EJ12 HJ01 5H050 AA07 AA08 BA17 CA08 CA09 CB08 DA02 DA10 DA11 EA09 EA10 EA23 FA17 HA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムおよび遷移金属を含む複合酸化
    物からなる活物質、グラファイト(A)およびカーボン
    ブラック(B)からなる導電剤ならびに有機重合体から
    なる粒子状の結着剤を有する非水系二次電池用正極であ
    って、 前記活物質100重量部あたり0.4重量部以上2重量
    部以下の前記結着剤および2重量部以上4重量部未満の
    前記導電剤を含み、 前記導電剤におけるグラファイト(A)とカーボンブラ
    ック(B)との重量比(A/B)が20/80〜80/
    20であることを特徴とする非水系二次電池用正極。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の正極、リチウムを吸蔵・
    放出可能な材料からなる負極およびリチウムイオン伝導
    性の非水電解質を有する非水系二次電池。
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