JP2002069160A - 液晶表示セル用シール剤、液晶表示セルシール剤用組成物及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示セル用シール剤、液晶表示セルシール剤用組成物及び液晶表示素子

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JP2002069160A
JP2002069160A JP2000379235A JP2000379235A JP2002069160A JP 2002069160 A JP2002069160 A JP 2002069160A JP 2000379235 A JP2000379235 A JP 2000379235A JP 2000379235 A JP2000379235 A JP 2000379235A JP 2002069160 A JP2002069160 A JP 2002069160A
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Tadashi Kitamura
正 北村
Sunao Maeda
直 前田
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来以上に高品位、かつ高耐久性の液晶表示
素子を製造可能ならしめる接着耐久性、低吸水性、低透
湿性、液晶非汚染性等に優れる新規な液晶表示セル用シ
ール剤ならびに液晶表示セルシール剤用組成物の提供。 【解決の手段】 液晶表示素子のシール剤であって、該
硬化体の吸水率が2質量%以下である液晶表示セル用シ
ール剤、ならびに(1)エポキシ樹脂と(2)多価フェ
ノール化合物、多価フェノール樹脂及びそれらのエステ
ル化物からなる硬化剤及び(3)アルキル尿素誘導体及
びフォスファゼン化合物から選ばれる少なくとも1種か
らなる硬化促進剤とを含有する液晶表示セルシール剤用
組成物。 【効果】 本願発明の液晶表示セルシール剤用組成物を
用いて製造された液晶表示素子は、高温多湿環境下での
長時間表示安定性が確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示セル用シ
ール剤、液晶表示セルシール剤用組成物および液晶表示
素子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターをはじ
め各種機器の表示パネルとして軽量薄型の特徴を有した
液晶表示パネルが広く使用されるようになった。そし
て、その使用環境も厳しくなっていると共に、液晶表示
素子は大型、均質かつ高品位な物が望まれている。
【0003】ところで、液晶表示セルシール剤用組成物
とは、液晶表示セルを構成する部材として重要な透明電
極や配向膜を適宜配した透明なガラス基板又は透明プラ
スチック基板の間に液晶を封入し、それが外部に漏れな
いように封じ込めたセルを形成するために用いられる熱
硬化性樹脂組成物を言う。また、液晶表示セル用シール
剤とは液晶表示セルシール剤用組成物の硬化物を言う。
【0004】1液型熱硬化性の液晶表示セルシール剤用
組成物として、例えば溶剤を適宜含むエポキシ樹脂主剤
とジヒドラジド系硬化剤とからなる1液型熱硬化性の液
晶表示セルシール剤用組成物が提案されている。これら
の組成物群は、液晶セルのシール特性に関する基本的な
性能、すなわち常態下の接着シール性、耐熱性、電気絶
縁性、液晶非汚染性等は満足するが、さらに高温多湿環
境下で液晶表示素子の表示品位を更に向上させることが
可能な高品位かつ高耐久性の液晶表示セルシール剤用組
成物が強く求められている実態がある。すなわち、近年
では、特に高品位かつ高耐久性に優れた液晶表示素子が
必要とされている。また同時に、液晶表示素子の信頼性
確保の点から、枚葉型熱プレス加熱接着方式による液晶
表示素子の製造方法に適合可能な液晶表示セルシール剤
用組成物の出現も熱望されている。
【0005】ここで、高品位とは、高精彩で、かつ表示
乱れの無い、シール際近傍まで表示機能が確保されてい
ることなどを意味する。また、耐久性とは、該表示素子
をそれらの表示機能が過酷な環境下においても長期間確
保できるという意味である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のような社会的背
景から、解決すべき課題とは、従来以上に高品位、かつ
高耐久性の液晶表示素子を製造可能ならしめる液晶表示
セル用シール剤に欠く事が出来ない物性の究明であり、
新規な液晶表示セルシール剤用組成物の提供である。よ
り詳しくは、高温多湿環境下においても長時間安定した
液晶表示素子機能を保持した液晶表示パネルの製造を可
能とすると共に、多段熱プレス方式はもとより真空枚葉
型または剛体枚葉型のいずれかの熱プレス加熱接着方式
にも対応可能なシール剤用組成物、特にシール剤用組成
物の硬化体が低吸水性に富むことはもとより、組成物由
来の遊離イオン濃度が少なく、硬化体が水蒸気ガスバリ
ヤー性(低透湿性)に富み、高剛性かつ高靱性で、接着
シール耐久性、液晶非汚染性、特に寸法安定性に優れた
新規な液晶表示セルシール剤用組成物を提供すること、
ならびにその液晶表示セルシール剤用組成物を用いてな
る液晶表示素子の製造方法の提供であり、そのために
は、高耐久性の液晶表示セル用シール剤に必須な物性の
究明が必要である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、エポキシ樹脂、特定の硬化剤、特定の硬化促進
剤、必要に応じて特定のゴム状ポリマー微粒子、無機質
充填剤、シランカップリング剤、更に必要に応じて、特
定の溶剤、特定の高軟化点アクリルポリマー微粒子、特
定の導電性ビーズ、特定のギャップ出しコントロール剤
とをそれぞれ特定範囲で含有するエポキシ樹脂樹脂組成
物とすることによって、上記課題が解決されることを見
いだし、本発明を完成した。すなわち、下記<1>乃至
<21>を提供するものである。
【0008】(1)液晶表示セルシール剤用組成物の硬
化体からなる液晶表示素子のシール剤であって、該硬化
体の吸水率が2質量%以下であることを特徴とする液晶
表示セル用シール剤。 (2)厚み100μmの硬化膜を通過する80℃透湿度
が200g/m2・24hrs以下であることを特徴と
する上記(1)記載の液晶表示セル用シール剤。
【0009】(3)シール剤0.1質量部に対し、液晶
1質量部の割合で、145℃、1時間接触させた後の液
晶の比抵抗値が、接触前の液晶の比抵抗値の250倍以
下であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の
液晶表示セル用シール剤。 (4)エポキシ樹脂を多価フェノール化合物、多価フェ
ノール樹脂及びそれらのエステル化物から選んだ少なく
とも一種からなる硬化剤で硬化したものであることを特
徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の液晶
表示セル用シール剤。
【0010】(5)アルキル尿素誘導体及びフォスファ
ゼン化合物から選ばれる少なくとも1種からなる硬化促
進剤を用いたものであることを特徴とする上記(4)記
載の液晶表示セル用シール剤。 (6)(1)エポキシ樹脂と(2)多価フェノール化合
物、多価フェノール樹脂及びそれらのエステル化物から
選んだ少なくとも一種からなる硬化剤及び(3)アルキ
ル尿素誘導体、フォスファゼン化合物から選ばれる少な
くとも1種からなる硬化促進剤とを含有してなる液晶表
示セルシール剤用組成物。
【0011】(7)(1)エポキシ樹脂20乃至88.
9質量部と(2)多価フェノール化合物、多価フェノー
ル樹脂及びそれらのエステル化物から選んだ少なくとも
一種からなる硬化剤10乃至50質量部及び(3)アル
キル尿素誘導体、フォスファゼン化合物から選ばれる少
なくとも1種からなる硬化促進剤0.1乃至20質量部
とを含有してなる上記(6)記載の液晶表示セルシール
剤用組成物。
【0012】(8)組成物と同質量の純水とを混和させ
て得られる水溶液のイオン伝導度が10mS/m以下で
あることを特徴とする上記(6)又は(7)記載の液晶
表示セルシール剤用組成物。 (9)組成物の硬化体の吸水率が2質量%以下であるこ
とを特徴とする上記(6)又は(7)記載の液晶表示セ
ルシール剤用組成物。
【0013】(10)組成物の硬化膜の厚み100μm
を通過する80℃透湿度が200g/m2・24hrs
以下であることを特徴とする上記(6)又は(7)記載
の液晶表示セルシール剤用組成物。 (11)組成物0.1質量部に対し、液晶1質量部の割
合で、145℃、1時間接触させた後の液晶の比抵抗値
が、接触前の液晶の比抵抗値の250倍以下であること
を特徴とする上記(6)又は(7)記載の液晶表示セル
シール剤用組成物。
【0014】(12)0℃以下の軟化点温度を持ち、そ
の一次粒子の平均粒子径が5μm以下であるゴム状ポリ
マー微粒子を液晶表示セルシール剤用組成物中に占める
割合で1及至25質量%含有してなる上記(6)又は
(7)記載の液晶表示セルシール剤用組成物。
【0015】(13)硬化剤が、フェノールノボラック
樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールノボラッ
ク樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、脂環化合物変性フ
ェノールノボラック樹脂、脂環化合物変性ナフトールノ
ボラック樹脂、多環芳香族化合物変性ノボラック樹脂、
多価フェノール単量体、ポリビニルフェノール、ビニル
フェノール共重合体、ポリイソプロペニルフェノール、
ポリイソプロペニルフェノール共重合体、エステル化フ
ェノールノボラック樹脂、エステル化フェノールアラル
キル樹脂、エステル化ナフトールノボラック樹脂、エス
テル化ナフトールアラルキル樹脂、エステル化脂環化合
物変性フェノールノボラック樹脂、エステル化脂環化合
物変性ナフトールノボラック樹脂、エステル化多環芳香
族化合物変性ノボラック樹脂、エステル化多価フェノー
ル単量体、エステル化ポリビニルフェノール、エステル
化ビニルフェノール共重合体、エステル化ポリイソプロ
ペニルフェノール、エステル化ポリイソプロペニルフェ
ノール共重合体から選んだ少なくとも一種である上記
(6)又は(7)記載の液晶表示セルシール剤用組成
物。
【0016】(14)アルキル尿素誘導体が、3−(p−
クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(o,p−ジ
クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−[ビ
ス(1,1−ジメチル尿素)]トルエン、2,6−[ビス
(1,1−ジメチル尿素)]トルエンから選ばれる少なく
とも1種であることを特徴とする上記(6)又は(7)
記載の液晶表示セルシール剤用組成物。
【0017】(15)フォスファゼン化合物が一般式
(12)〔化2〕で示される少なくとも1種であること
を特徴とする上記(6)又は(7)記載の液晶表示セル
シール剤用組成物。
【0018】
【化2】 (但し、式中Raは乃至Rfは水素原子、炭素数1乃至1
0の直鎖、分岐または環状のアルキル基、または炭素数
6乃至10のアリールまたはアラルキル基を表し、全て
同一であっても異なっていてもよい。)
【0019】(16)上記(6)又は(7)記載の組成
物100質量部に対し、さらに、導電性ビーズ1乃至1
5質量部を含有してなる液晶表示セルシール剤用組成
物。 (17)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の液晶
表示セル用シール剤を用いた液晶表示素子。 (18)上記(6)乃至(16)のいずれかに記載の液
晶表示セルシール剤用組成物を用いて得られる液晶表示
素子。
【0020】(19)TN液晶、STN液晶、強誘電液
晶、反強誘電液晶のいずれかを用いてなる液晶表示素子
の製造に際し、上記(6)乃至(16)のいずれかに記
載の液晶表示セルシール剤用組成物をガラス製またはプ
ラスチック製の液晶セル用基板の接合シール構成部位に
印刷またはディスペンス塗布し、50乃至120℃の温
度でプレキュアー後、もう一方の対基板を位置合わせを
行って重ね合わせ、仮固定後、その対基板を80乃至2
00℃で熱圧締処理し、該対基板を1乃至7μmの範囲
で均質な厚みに接合固定して液晶表示セルを作り、該セ
ル内に液晶材料を注入し、注入孔を光硬化型液晶シール
剤組成物または2液型液晶シール剤組成物で封孔させる
ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【0021】(20)TN液晶、STN液晶、強誘電液
晶、反強誘電液晶のいずれかを用いてなる液晶表示素子
の製造に際し、上記(6)乃至(16)のいずれかに記
載の液晶表示セルシール剤用組成物をガラス製またはプ
ラスチック製の液晶セル用基板の接合シール構成部位に
印刷またはディスペンス塗布し、50乃至120℃の温
度でプレキュアー後、液晶を滴下させて空気を閉じ込め
ない様にもう一方の対基板を重ね合わせ、位置合わせし
て仮固定後、その対基板を80乃至150℃で熱圧締処
理し、該対基板を1乃至7μmの範囲で均質な厚みに接
合固定させた後、呼吸孔を光硬化型液晶シール剤組成物
または2液型液晶シール剤組成物で封孔させることを特
徴とする液晶表示素子の製造方法。
【0022】(21)上記(19)又は(20)記載の
液晶表示素子の製造方法によって得られる液晶表示素
子。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の液晶表示セル用シール剤
とは、液晶表示素子のシール剤であって、(イ)該硬化
体の吸水率が2質量%以下である液晶表示セル用シール
剤である。ここで、吸水率とは、液晶表示セル用シール
剤を煮沸水に30分浸漬後の重量増加率で表わされる吸
水率である。
【0024】また、本発明の液晶表示セル用シール剤で
は、前記(イ)の性質と共に、(ロ)該液晶表示セル用
シール剤の厚み100μmを通過する80℃透湿度が2
00g/m2・24hrs以下であることを併せ持つこ
とが好ましい。該100μ当たりの透湿度は下記の換算
式より求められる。 透湿度=実測透湿度×[検体のフィルム膜厚(μm)/
100]
【0025】更に好ましくは、(ハ)液晶表示セル用シ
ール剤0.1質量部に対し、液晶1質量部の割合で、1
45℃、1時間接触させた後の液晶の比抵抗値が、接触
前の液晶の比抵抗値の250倍以下であることが望まし
い。
【0026】すなわち、本発明の液晶表示セル用シール
剤は、前記(イ)の性質を有するものであり、好ましく
は(ロ)又は(ハ)から選ばれた1種または2種の性質
が同時に確保されて成る液晶表示セルシール剤である。
【0027】本発明の液晶表示セル用シール剤では、該
硬化体を煮沸水に30分浸漬後の吸水率が2質量%以下
であることが極めて肝要なことである。そうすることで
得られる液晶表示素子は、高温多湿の過酷な環境下で使
用されても表示品位を高い状態に長期間保つことが可能
となるからである。より詳しくは、高品位、かつ高耐久
性の液晶表示素子を製造可能ならしめる液晶表示セル用
シール剤の具備すべき必須な性質のひとつが、前記
(イ)であるということである。同様に、本発明の液晶
表示セルシール剤用組成物の硬化体の性質として前記
(イ)の性質を具備していることが好ましいということ
である。
【0028】本願発明の液晶表示セル用シール剤は、好
ましくは該硬化体の煮沸水浸漬30分後の吸水率が1.
7質量%未満、より好ましくは1.3質量%未満、特に
好ましくは0.6質量%未満であることが望ましい。
【0029】また、本発明の液晶表示セル用シール剤で
は、上記(イ)と共に、(ロ)100μm厚みの硬化膜
を通過する80℃、95%相対湿度環境下、24時間水
蒸気透過量で表される80℃透湿度が200g/m2
24hrs以下であることが一層好ましい。そうするこ
とで得られる液晶表示素子の高温多湿環境下での表示品
位ならびに応答速度の低下抑制効果を確保できるからで
ある。さらに好ましくは80℃透湿度が、100g/m
2・24hrs以下であり、特に好ましくは50g/m2
・24hrs以下である。
【0030】また、本発明の液晶表示セル用シール剤で
は、上記(イ)又は(イ)、(ロ)に加えて、(ハ)液
晶表示セル用シール剤0.1質量部に対し液晶1質量部
の割合で、145℃、1時間接触させた後の液晶の比抵
抗値が、接触前の液晶の比抵抗値の250倍以下である
ことが好ましい。そうすることで得られる液晶表示素子
の長期の表示信頼性が確保できるからである。より好ま
しくは、100倍以下、さらに好ましくは50倍以下で
あることである。
【0031】このような性質を満たす液晶表示セル用シ
ール剤として、本発明ではエポキシ樹脂を多価フェノー
ル化合物、多価フェノール樹脂及びそれらのエステル化
物からなる硬化剤で硬化したものであること、さらにそ
れに加えて、アルキル尿素誘導体及びフォスファゼン化
合物から選ばれる少なくとも1種からなる硬化促進剤を
用いて硬化したものであることが良いことを見出した。
そうすることで高品位ならびに高耐久性に富む液晶表示
素子が製造可能になる。
【0032】また、更に本発明の液晶表示セル用シール
剤では、前記した(イ)乃至(ハ)の性質と共に、さら
に下記の(ニ)乃至(ト)から選ばれた少なくとも一つ
または二つ以上の性質を併せて有する液晶表示セル用シ
ール剤であることが特に好ましい。
【0033】(ニ)ガラス転移温度(Tg)が85℃以
上であること。 (ホ)サーモメカニカルアナライザー(TMA)から求
めた0℃乃至80℃の線膨張係数が9×10-5mm/m
m/℃以下であること。 (ヘ)20℃ショアー硬度Dが70以上であること。 (ト)動的粘弾性測定から求めた100乃至150℃の
貯蔵弾性率が1×105乃至1×108Paの範囲にある
こと。これらの特性について詳しく述べる。
【0034】サーモメカニカルアナライザー(Thermome
chanical analyser:TMA)より求められたガラス転
移温度(Tg)が85℃以上にあることが好ましく、そ
うすることで、得られる液晶表示素子が60℃を越える
高温域での長期間の表示品位安定性が確保、向上するか
ら好ましい。より好ましくは、Tgが90℃以上である
こと、特に好ましくはTgが100乃至180℃の範囲
であることである。また、サーモメカニカルアナライザ
ー(TMA)から求めた0℃乃至80℃の線膨張係数が
9×10-5mm/mm/℃以下であれば、得られる液晶
表示素子の寸法安定性ひいてはギャップ幅安定性が確保
でき、好ましい。より好ましくは7×10-5mm/mm
/℃未満、特に好ましくは5×10-5mm/mm/℃未
満である。
【0035】さらに、動的粘弾性測定から求めた100
乃至150℃の貯蔵弾性率が1×105乃至1×108
aの範囲にあること好ましく、該貯蔵弾性率が1×10
5Pa以上であれば、得られる液晶表示素子が、例えば
60乃至80℃の高温にさらされた際のシール剛性が確
保でき、好ましい。また1×108Pa以下とすること
でシール層が靱性に富み、しいては得られる液晶表示素
子が高耐久性に優れるものとなる。
【0036】また、本発明の液晶表示用シール剤では、
硬化体の20℃ショアー硬度Dが70以上であることが
好ましい。それによって得られる液晶表示セルは、高レ
ベルの剪断接着力が確保できる。
【0037】前記(ニ)乃至(ト)に示す性質は、前記
のエポキシ樹脂、多価フェノール化合物、多価フェノー
ル樹脂及びそれらのエステル化物からなる硬化剤、アル
キル尿素誘導体及びフォスファゼン化合物から選ばれる
少なくとも1種からなる硬化促進剤に、必要に応じて、
更に無機質充填剤、ゴム状ポリマー微粒子を量比をかえ
て加えることにより達成することができる。
【0038】次に、本発明の液晶表示セルシール剤用組
成物とは、(1)エポキシ樹脂と(2)多価フェノール
化合物、多価フェノール樹脂及びそれらのエステル化物
から選らばれる少なくとも1種からなる硬化剤および
(3)アルキル尿素誘導体及びフォスファゼン化合物か
ら選ばれる少なくとも1種からなる硬化促進剤とを含有
してなる液晶表示セルシール剤用組成物である。さらに
必要に応じて、無機質充填剤、シランカップリング剤、
ゴム状ポリマー微粒子、溶剤等を含有させることによ
り、一次接着シール性、液晶非汚染性、靱性性と耐熱剛
性バランスなど、基本的に高品位、かつ高耐久性の表示
セル用シール剤組成物として必要される特性はもとよ
り、特にこれまで達し得なかった熱硬化性の液晶表示セ
ルシール剤用組成物の硬化体に関わる性質で吸水率2質
量%以下、ならびに80℃透湿度が200g/m2・2
4時間以下という高機能化が可能となった。
【0039】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物
は、その硬化体の沸騰水浸漬30分後の吸水率が2.0
質量%以下、好ましくは1.7質量%未満である。そう
することで得られる液晶表示素子は、高温多湿の過酷な
環境下で使用されても表示品位を高い状態で長期間保つ
ことが可能となるからである。該硬化体の煮沸水浸漬3
0分後の吸水率が1.3質量%未満であることがより好
ましく、特に好ましくは0.6質量%未満である。
【0040】さらに、本発明の液晶表示セルシール剤用
組成物では、その硬化膜100μm厚みの硬化膜を通過
する80℃、95%相対湿度環境下、24時間の水蒸気
透過量で表される80℃透湿度が200g/m2・24
hrs以下であることは一層好ましい。そうすることで
高温多湿環境下での表示品位ならびに応答速度の低下抑
制効果を確保できる。さらに好ましくは80℃透湿度
が、100g/m2・24hrs以下であること、特に
好ましくは50g/m2・24hrs以下であることで
ある。
【0041】また、本発明の液晶表示セルシール剤用組
成物では、同質量の純水とを混和させて得られる水溶液
のイオン伝導度が10mS/m以下であることがより一
層好ましい。イオン伝導度を10mS/m以下とするこ
とにより、最終的に得られる液晶表示素子の長期間表示
機能性の保持が確保できる。より好ましくは2mS/m
以下、特に好ましくは0.2mS/m以下である。
【0042】前記要件と合わせ、本発明の液晶表示セル
シール剤用組成物では、液晶1質量部に対し該組成物の
硬化体0.1質量部の割合で145℃で1時間接触させ
た際の液晶の比抵抗値が、元の液晶の比抵抗値(液晶単
独を145℃1時間処理後の比抵抗値)の250倍以下
であることが好ましく、そうすることで得られる液晶表
示素子の表示信頼性が確保でき、好ましい。より好まし
くは100倍以下、最も好ましくは50倍以下である。
【0043】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で
は、更にその硬化体のTMA(Termomechanical analys
er)より求められたガラス転移温度(Tg)が85℃以
上である樹脂組成物とすることが好ましく、そうするこ
とで、最終的に得られる液晶表示素子が60℃を越える
高温域での長期間の表示品位安定性がより一層確保さ
れ、向上する。より好ましくは、Tgが90℃以上、特
に好ましくはTgが100乃至180℃の範囲である。
【0044】また、本発明の液晶表示セルシール剤用組
成物では、硬化体のサーモメカニカルアナライザー(T
MA)から求めた0℃乃至80℃の線膨張係数が9×1
-5mm/mm/℃以下であれば、得られる液晶表示素
子の寸法安定性ひいてはギャップ幅安定性が確保でき好
ましい。より好ましくは7×10-5mm/mm/℃未
満、特に好ましくは5×10-5mm/mm/℃未満であ
る。
【0045】さらに、本発明の液晶表示セルシール剤用
組成物では、未硬化の該組成物10mgを5℃毎分で等
速昇温させて得た示差走差熱分析(DSC)の示差熱ピ
ーク曲線より求めた発熱開始温度が50℃乃至130℃
にあることが好ましい。該発熱開始温度が50℃以上で
あれば、得られる液晶表示セルシール剤用組成物を室温
付近で取り扱う際の粘度安定性を確保でき、130℃未
満とすることで枚葉熱プレス型接着加熱方式に適用した
時の低温速硬化性が確保できる。
【0046】また更に、本発明の液晶表示セルシール剤
用組成物では、未硬化の該組成物10mgを5℃毎分で
等速昇温させてえた示差走差熱分析(DSC)の示差熱
ピーク曲線より求めた最大発熱ピーク温度が100℃乃
至180℃であることが好ましい。該発熱ピーク温度が
100℃以上であれば、枚葉熱プレス型接着加熱方式に
適用した時の低温速硬化性が確保でき、180℃未満で
あれば必要以上に液晶表示素子の製造条件が過酷となる
ことを回避できる。
【0047】また更に、本願発明の液晶表示セルシール
剤用組成物では、硬化体の20℃ショアー硬度Dが70
以上であることが大いに好ましい。そうすることで得ら
れる液晶表示セルは高レベルの剪断接着力が確保でき好
ましい。
【0048】また更に、本発明の液晶表示セルシール剤
用組成物では、硬化体の動的粘弾性測定から求めた10
0乃至150℃の貯蔵弾性率が1×105乃至1×108
Paの範囲にあることが好ましく、該貯蔵弾性率が1×
105Pa以上であれば得られる液晶表示素子が、例え
ば60乃至80℃の高温にさらされた際のシール剛性が
確保できる。また、1×108Pa未満とすることでシ
ール層が靱性に富み、しいては得られる液晶表示素子が
高耐久性に優れるから好ましい。
【0049】前記の液晶表示セルシール剤用組成物に関
わる性質として、Tg、ショアー硬度D、弾性率、線膨
張係数等の性質は、エポキシ樹脂、多価フェノール化合
物、多価フェノール樹脂及びそれらのエステル化物から
選ばれる少なくとも一種からなる硬化剤、アルキル尿素
誘導体及びフォスファゼン化合物から選ばれる少なくと
も1種からなる硬化促進剤に、必要に応じて更に無機質
充填剤、ゴム状ポリマー微粒子を量比をかえて加えるこ
とで達成できる。
【0050】特に限定するものではないが、例えばTg
はエポキシ樹脂の種類とその量比ならびに上記の硬化剤
の種類とその量比、硬化条件等に強く依存する。ショア
ー硬度Dはエポキシ樹脂の種類とその量比ならびに上記
の硬化剤の種類とその量比、硬化条件、充填剤量比等に
強く依存する。弾性率はエポキシ樹脂の種類とその量比
ならびに上記の硬化剤の種類とその量比、ゴムの量比、
硬化条件等に強く依存する。線膨張係数は無機質充填剤
の量比ならびに硬化条件などに強く依存する。以上の事
実を考慮して、それぞれ好ましい範囲となる様に量比や
硬化条件を選定または決定することによって達成すれば
良い。
【0051】ところで、本発明の液晶表示セルシール剤
用組成物では、該組成物を50μm厚みに塗布した際の
80℃20分熱処理後の、いわゆるBステージ化組成物
の90℃E型粘度が5及至1000Pa・sの範囲にあ
ることが好ましい。それによって多段熱プレス接着方式
はもとより、高生産性を発揮するとされる各種の枚葉型
熱プレス加熱接着方式にも十分適合可能なシール剤とし
て機能することから好ましい。より詳しくは、該Bステ
ージ化組成物の90℃E型粘度が5Pa・sを上回るこ
とで枚葉型熱プレス加熱圧締接着時に貫通泡の発生が抑
制でき、また1000Pa・s以下とすることにより、
枚葉熱プレス式加熱圧締接着時に所望のギャップコント
ロールが可能となることから好ましい。より好ましくは
10乃至500Pa・sの範囲、特に好ましくは20乃
至100Pa・sの範囲とすること望ましい。
【0052】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物
は、前記特性を満足する為に、好ましくはエポキシ樹脂
のエポキシ基1当量に対し、多価フェノール化合物、多
価フェノール樹脂及びそれらのエステル化物からなる硬
化剤の活性フェノール性水酸基及び/又はそのエステル
変性基が0.5乃至1.2当量の範囲、好ましくは0.
7乃至1.1当量の範囲、特に好ましくは0.85乃至
1当量の範囲となる様に硬化剤を配合し、かつアルキル
尿素誘導体及びフォスファゼン化合物から選ばれる少な
くとも1種からなる硬化促進剤を0.1乃至20質量
%、好ましくは0.1乃至10質量%の範囲で含有させ
てなるエポキシ樹脂組成物であることが望ましい。
【0053】最も好ましい本願発明の液晶表示セルシー
ル剤用組成物は、0℃以下の軟化点温度を持ち、その一
次粒子の平均粒子径が5μm以下であるゴム状ポリマー
微粒子を、液晶表示セルシール剤用組成物中に1及至2
5質量%含有してなるものが挙げられる。そうすること
によって、高品位かつ高耐久性の液晶表示素子を歩留り
良く製造可能となり、しかも経済的かつ高生産性を確保
できる。更には、得られる液晶表示素子が耐熱性ならび
に耐寒性のバランスに優れるのみならず、耐衝撃シール
信頼性に優れた表示素子の提供が可能になる。
【0054】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物の
より好ましい態様としては、(1)エポキシ樹脂 20
乃至88.9質量%、(2)多価フェノール化合物、多
価フェノール樹脂及びそれらのエステル化物から選ばれ
る少なくとも一種からなる硬化剤(以下、単に多価フェ
ノール硬化剤と総称する。) 10乃至50質量%、
(3)アルキル尿素誘導体及びフォスファゼン化合物か
ら選ばれる少なくとも1種からなる硬化促進剤 0.1
乃至10質量%、(4)0℃以下の軟化点温度を持ち、
その一次粒子の平均粒子径が5μm以下であるゴム状ポ
リマー微粒子 1乃至25質量%とを含有してなるエポ
キシ樹脂組成物とすることである。
【0055】さらに好ましくは、 (1)エポキシ樹脂 20乃至83.8質量%、 (2)多価フェノール硬化剤 10乃至45質量% (3)アルキル尿素誘導体及びフォスファゼン化合物か
ら選ばれる少なくとも1種からなる硬化促進剤 0.1
乃至5質量% (4)0℃以下の軟化点温度を持ち、その一次粒子の平
均粒子径が5μm以下であるゴム状ポリマー微粒子 1
乃至15質量% (5)無機質充填剤 5乃至45質量% (6)シランカップリング剤 0.1乃至5質量%とを
含有してなる液晶表示セルシール剤用組成物が挙げられ
る。
【0056】さらに、本発明の液晶表示セルシール剤用
組成物では、その作用効果を害さない範囲で、必要に応
じて更に、(7)エポキシ樹脂と相溶し、かつ沸点が1
50乃至220℃の範囲にあるエポキシ基に対して不活
性な溶剤、(8)50℃以上の軟化点温度を持ち、その
一次粒子の平均粒子径が2μm以下である高軟化点アク
リルポリマー微粒子(以下、単に高軟化点ポリマー微粒
子と呼ぶ)、(9)ギャップ出しコントロール剤、(1
0)導電性ビーズ、(11)ワックス、レベリング剤、
顔料、染料、可塑剤、消泡剤、その他添加剤を適宜含有
させた液晶表示セル用シール剤組成物も好ましく包含さ
れる。
【0057】以下、本発明の液晶表示セルシール剤用組
成物の構成成分について以下に順に具体的に説明する。 (1)エポキシ樹脂 本発明に用いられるエポキシ樹脂(1)は、特に制限は
なく、単官能性エポキシ樹脂と多官能性エポキシ樹脂の
混合物または多官能エポキシ樹脂の単独または混合物を
用いることができ、例えばクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポ
キシ樹脂、トリフェノールエタン型エポキシ樹脂の群か
ら選ばれた一種またはニ種以上が使用できる。混合物は
同種または異種の混合物であっても良い。
【0058】エポキシ樹脂としては、好ましくは、1分
子中にエポキシ基を質量平均1.7個以上、より好まし
くは1分子中にエポキシ基を質量平均1.9個以上、特
に好ましくは質量平均2.0個以上6個以下有するエポ
キシ樹脂である。1分子中にエポキシ基を質量平均1.
7個以上とすることにより耐熱性が向上する。エポキシ
樹脂(1)は、その単体または複数種の混合物に於い
て、同質量の純水と混合してなる水溶液のイオン伝導度
が10mS/m以下であることが好ましく、より好まし
くは5mS/m以下、さらに好ましくは2mS/m以下、
特に好ましくは測定限界以内とすることで、本発明の液
晶表示セルシール剤用組成物硬化体が液晶接触時に於い
て、液晶相への遊離イオンの移行を抑止できる。異なる
種類のエポキシ樹脂を2種以上用いる場合にはその混合
物中の遊離イオンの含有量の総和の指標として、前記の
要件を満たせば良い。
【0059】また、エポキシ樹脂(1)は、煮沸水で2
4時間抽出した水中の塩素イオン濃度より換算して求め
たエポキシ樹脂中の加水分解性塩素濃度が300ppm
以下であることが好ましい。加水分解性塩素濃度が30
0ppm以下であれば、本発明の液晶表示セルシール剤
用組成物硬化体が液晶接触時に於いて、液晶相への塩素
イオンの移行を抑止できる。より好ましくは100pp
m以下、さらに好ましくは50ppm以下、最も好まし
くは塩素イオンを検出限度以内であることが望ましい。
【0060】異なる種類のエポキシ樹脂を2種以上用い
る場合には、その混合物中の遊離性塩素イオンの含有量
の総和の指標として、前記の要件を満たせば良い。エポ
キシ樹脂(1)は(1−1)室温(25℃)で液体のエ
ポキシ樹脂と、(1−2)室温で固形のエポキシ樹脂と
の混合物であることが好ましい。そして該混合物は0℃
乃至120℃で液体となることがより好ましい。
【0061】また、エポキシ樹脂(1)としては、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(以下、単にGP
Cと呼ぶ)により求められた、ポリスチレン換算質量平
均分子量が7000以下のものが好ましく、150乃至
5000の範囲がより好ましく、350乃至3500の
範囲にあるものが最も好ましい。
【0062】GPCによるポリスチレン換算質量平均分
子量が7000以下であれば、液晶表示セルシール剤用
組成物のBステージ化後の熱時E型粘度値を1000P
a・s以下とすることができ、枚葉型熱プレス加熱接着
方式への適合性が確保でき好ましい。また、ポリスチレ
ン換算質量平均分子量を150以上とすることにより、
得られる硬化体のTg適性とBステージ化適性を両立で
きるので好ましい。エポキシ樹脂(1)の含有量は、液
晶表示セルシール剤用組成物中、20乃至88.9質量
%であり、好ましくは20乃至83.8質量%である。
【0063】また、下記のエポキシ樹脂(1)では、前
記の要件を満たすように、事前に、既に公知の脱加水分
解性塩素低減化法及び/又は脱遊離性イオンを主目的と
した精製方法により精製または高純度化させたものを適
宜使用することができる。すでに公知の精製方法として
は、特に制約するものではないが、例えば、水洗浄−溶
剤抽出精製法、限外ロ過法や蒸留精製法などが挙げられ
る。
【0064】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物中
のエポキシ樹脂(1)の種類とその量を把握する方法と
しては、特に限定するものではないが、例えば溶剤抽出
して、該抽出液をGPCで分取定量すると共に各フラク
ションをNMR(核磁気共鳴スペクトル)等で特定・同
定し定量する方法が一般的である。また、その硬化体で
ある液晶表示セル用シール剤中のエポキシ樹脂の種類と
その量を把握する手段としては、特に限定するものでは
ないが、例えば赤外吸収スペクトル法、熱分解−クロマ
ト分取法、湿式分解−クロマト分取法、熱分解ガスクロ
法、熱分解−マススペクトル法、固体NMR法等を適宜
組み合わせて行うことができる。
【0065】<単官能性エポキシ樹脂>本発明に用いら
れる単官能性エポキシ樹脂としては、例えば、脂肪族モ
ノグリシジルエーテル化合物、脂環族モノグリシジルエ
ーテル化合物、芳香族モノグリシジルエーテル化合物、
脂肪族モノグリシジルエステル化合物、芳香族モノグリ
シジルエステル化合物、脂環族モノグリシジルエステル
化合物、窒素元素含有モノグリシジルエーテル化合物、
モノグリシジルプロピルポリシロキサン化合物、モノグ
リシジルアルカン等が挙げられる。これら以外の単官能
性エポキシ樹脂を用いても良いことは言うまでもない。
【0066】(脂肪族モノグリシジルエーテル化合物)
例えば、炭素数が1乃至6の整数で表されるアルキル基
又はアルケニル基を有するポリオキシアルキレンモノア
ルキルエーテル類とエピクロルヒドリンとの反応で得ら
れた脂肪族モノグリシジルエーテル化合物や、脂肪族ア
ルコール類とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂
肪族モノグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
【0067】炭素数が1乃至6の整数で表されるアルキ
ル基又はアルケニル基を有するポリオキシアルキレンモ
ノアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモ
ノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエー
テル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、
プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリ
コールモノアルキルエーテル等が挙げられる。脂肪族ア
ルコール類としては、例えばn−ブタノール、イソブタ
ノール、n−オクタノール、2−エチルヘキシルアルコ
ール、ジメチロールプロパンモノアルキルエーテル、メ
チロールプロパンジアルキルエーテル、グリセリンジア
ルキルエーテル、ジメチロールプロパンモノアルキルエ
ステル、トリメチロールプロパンジアルキルエステル、
グリセリンジアルキルエステル等が挙げられる。
【0068】(脂環族モノグリシジルエーテル化合物)
例えば、炭素数が6乃至9の整数で表される飽和型環式
アルカン基を有する脂環族アルコール類とエピクロルヒ
ドリンとの反応で得られた脂環族モノグリシジルエーテ
ル化合物等が挙げられる。反応の用いられる脂環族アル
コール類としては、シクロヘキサノール等が挙げられ
る。
【0069】(芳香族モノグリシジルエーテル化合物)
例えば、芳香族アルコール類とエピクロルヒドリンとの
反応で得られた芳香族モノグリシジルエーテル化合物等
が挙げられる。反応の用いられる芳香族アルコール類と
しては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェノ
ール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノー
ル、n−ブチルフェノール、ベンジルアルコール、t−
ブチルフェノール、キシレノール、ナフトール等が挙げ
られる。
【0070】(脂肪族又は芳香族モノグリシジルエステ
ル化合物)例えば、脂肪族ジカルボン酸モノアルキルエ
ステルまたは芳香族ジカルボン酸モノアルキルエステル
とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族モノグ
リシジルエステル化合物または芳香族モノグリシジルエ
ステル化合物等が挙げられる。
【0071】<多官能性エポキシ樹脂>多官能性エポキ
シ樹脂としては、通常1分子中に質量平均2乃至6個の
エポキシ基を有するエポキシ樹脂であるが、本発明の効
果を阻害しない範囲であればそれ以上のエポキシ基を有
する樹脂を用いることもできる。多官能性エポキシ樹脂
としては、例えば脂肪族多価グリシジルエーテル化合
物、芳香族多価グリシジルエーテル化合物、トリスフェ
ノール型多価グリシジルエーテル化合物、ハイドロキノ
ン型多価グリシジルエーテル化合物、レゾルシノール型
多価グリシジルエーテル化合物、脂肪族多価グリシジル
エステル化合物、芳香族多価グリシジルエステル化合
物、脂肪族多価グリシジルエーテルエステル化合物、芳
香族多価グリシジルエーテルエステル化合物、脂環族多
価グリシジルエーテル化合物、脂肪族多価グリシジルア
ミン化合物、芳香族多価グリシジルアミン化合物、ヒダ
ントイン型多価グリシジル化合物、ビフェニル型多価グ
リシジル化合物、ノボラック型多価グリシジルエーテル
化合物、エポキシ化ジエン重合体等が挙げられる。な
お、これら以外の多官能性エポキシ樹脂でも用いること
ができることは言うまでもない。
【0072】(脂肪族多価グリシジルエーテル化合物)
例えば、ポリオキシアルキレングリコール類又は多価ア
ルコール類とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂
肪族多価グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。反
応に用いられるポリオキシアルキレングリコール類とし
ては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール
等が挙げられる。反応に用いられる多価アルコール類と
しては、ジメチロールプロパン、トリメチロールプロパ
ン、スピログリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0073】(芳香族多価グリシジルエーテル化合物)
例えば、芳香族ジオール類とエピクロルヒドリンとの反
応で得られた芳香族多価グリシジルエーテル化合物等が
挙げられる。反応に用いられる芳香族ジオールとして
は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールS、ビス
フェノールF、ビスフェノールAD等が挙げられる。 (トリスフェノール型多価グリシジルエーテル化合物)
例えば、トリスフェノール類とエピクロルヒドリンとの
反応で得られたトリスフェノール型多価グリシジルエー
テル化合物が挙げられる。
【0074】反応に用いられるトリスフェノール類とし
ては4,4′,4″−メチリデントリスフェノール、
4,4′,4″−メチリデントリス(2−メチルフェノ
ール)、4,4′−[(2−ヒドロキシフェニル)メチ
レン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、
4,4′,4″−エチリデントリスフェノール、4,
4′−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス
[2−メチルフェノール]、4,4′−[(2−ヒドロ
キシフェニル)エチレン]ビス[2−メチルフェノー
ル]、4,4′−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレ
ン]ビス[2−メチルフェノール]、4,4′−[(4
−ヒドロキシフェニル)エチレン]ビス[2−メチルフ
ェノール]、4,4′−[(2−ヒドロキシフェニル)
メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,
4′−[(2−ヒドロキシフェニル)エチレン]ビス
[2,6−ジメチルフェノール]、
【0075】4,4′−[(4−ヒドロキシフェニル)
メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,
4′−[(4−ヒドロキシフェニル)エチレン]ビス
[2,6−ジメチルフェノール]、4,4′−[(2−
ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチ
ルフェノール]、4,4′−[(2−ヒドロキシフェニ
ル)エチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、
4,4′−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビ
ス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−
[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,
3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−[(2−
ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキ
シル−5−メチルフェノール]、4,4′−[(3−ヒ
ドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシ
ル−5−メチルフェノール]、4,4′−[(4−ヒド
ロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシル
−5−メチルフェノール]、4,4′−[1−[4−
[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチ
ル]フェノールエチリデン]ビスフェノール]、4,
4′−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]
ビス[2−メチルフェノール]、4,4′−[(3,4
−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジ
メチルフェノール]、4,4′−[(3,4−ジヒドロ
キシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチ
ルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル4−
ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−
ベンゼンジオール等が挙げられる。
【0076】(ハイドロキノン型多価グリシジルエーテ
ル化合物)例えば、ハイドロキノンとエピクロルヒドリ
ンとの反応で得られたハイドロキノン型多価グリシジル
エーテル化合物等が挙げられる。 (レゾルシノール型多価グリシジルエーテル化合物)例
えば、レゾルシノールとエピクロルヒドリンとの反応で
得られたレゾルシノール型多価グリシジルエーテル化合
物等が挙げられる。
【0077】(脂肪族多価グリシジルエステル化合物)
例えば、アジピン酸等で代表される脂肪族ジカルボン酸
とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族多価グ
リシジルエステル化合物等が挙げられる。 (芳香族多価グリシジルエステル化合物)例えば、芳香
族ジカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応で得られ
た芳香族多価グリシジルエステル化合物等が挙げられ
る。反応に用いられる芳香族ジカルボン酸としては例え
ば、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が
挙げられる。
【0078】(脂肪族又は芳香族多価グリシジルエーテ
ルエステル化合物)ヒドロキシジカルボン酸化合物とエ
ピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族多価グリシ
ジルエーテルエステル化合物または芳香族多価グリシジ
ルエーテルエステル化合物等が挙げられる。 (脂環族多価グリシジルエーテル化合物)例えば、ジシ
クロペンタジエン型多価グリシジルエーテル化合物等で
代表される脂環族多価グリシジルエーテル化合物等が挙
げられる。
【0079】(脂肪族多価グリシジルアミン化合物)例
えば、エチレンジアミン等に代表される脂肪族ジアミン
とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族多価グ
リシジルアミン化合物等が挙げられる。 (芳香族多価グリシジルアミン化合物)例えば、ジアミ
ノジフェニルメタン、アニリン、メタキシリレンジアミ
ン等で代表される芳香族アミンとエピクロルヒドリンと
の反応で得られた芳香族多価グリシジルアミン化合物等
が挙げられる。 (ヒダントイン型多価グリシジル化合物)例えば、ヒダ
ントインならびにその誘導体とエピクロルヒドリンとの
反応で得られたヒダントイン型多価グリシジル化合物等
が挙げられる。
【0080】(ノボラック型多価グリシジルエーテル化
合物)例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール等
で代表される芳香族アルコール類とホルムアルデヒドと
から誘導されるノボラック樹脂とエピクロルヒドリンと
の反応で得られるノボラック型多価グリシジルエーテル
化合物等が挙げられる。また、例えば、フェノール及び
またはナフトールとp−キシリレンジクロライドとから
誘導されるフェノール核及びまたはナフトール核とパラ
キシレン核がメチレン結合で結合して成る変性アラルキ
ル樹脂とエピクロルヒドリンとの反応で得られる変性ノ
ボラック型多価グリシジルエーテル化合物等も代表例に
含まれる。 (エポキシ化ジエン重合体)例えば、エポキシ化ポリブ
タジエン、エポキシ化ポリイソプレン等が挙げられる。
【0081】(2)多価フェノール硬化剤 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で用いる多価フ
ェノール硬化剤(2)とは、多価フェノール化合物、多
価フェノール樹脂及びそれらのエステル化物からなる硬
化剤である。多価フェノール硬化剤(2)では、硬化剤
と10倍質量の純水とを混合してなる水溶液のイオン伝
導度が2mS/m以下である硬化剤を選定使用する。そ
れによって、本発明の液晶表示セルシール剤用組成物の
硬化体が液晶接触した時に、液晶相に不必要に遊離イオ
ンが移行するのを抑止できる。好ましくは1mS/m以
下、より好ましくは0.2mS/m以下とする。また、
硬化剤(2)では、特に制約するものではないが、好ま
しくはJIS K7234に規定される環球法から求め
た軟化点温度が30℃以上、好ましくは75℃以上、よ
り好ましくは75℃以上180℃未満であるものを選定
使用する。高軟化点の多価フェノール硬化剤を使用する
ことにより、得られる液晶表示セル用シール剤の硬度な
らびにTg、弾性率、耐熱性を向上出来るので好まし
い。また、GPCより得られたポリスチレン換算質量平
均分子量で300乃至10000の範囲、好ましくは5
00乃至7500の範囲のものであることが望ましい。
【0082】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物に
おいて、多価フェノール硬化剤の好ましい配合当量比率
としては、前記の様に、エポキシ樹脂のエポキシ基1当
量に対し多価フェノール硬化剤の活性フェノール性水酸
基及び/又はそのエステル変性基が0.5乃至1.2当
量の範囲、好ましくは0.7乃至1.1当量の範囲、特
に好ましくは0.85乃至1当量の範囲である。0.5
当量以上1.2当量未満であれば、得られる液晶表示セ
ルシール剤用組成物またはその硬化体である液晶表示セ
ル用シール剤によって高品位かつ高耐久性の液晶表示素
子の製造が可能となる。
【0083】多価フェノール硬化剤(2)としては、特
に制約するものではないが、例えば、以下の(2−1−
a)乃至(2−12−a)及び/又は(2−1−b)乃
至(2−12−b)に代表される。 (2−1−a)フェノールノボラック樹脂 (2−2−a)フェノールアラルキル樹脂 (2−3−a)ナフトールノボラック樹脂 (2−4−a)ナフトールアラルキル樹脂 (2−5−a)脂環化合物変性フェノールノボラック樹
脂 (2−6−a)脂環化合物変性ナフトールノボラック樹
脂 (2−7−a)多環芳香族化合物変性ノボラック樹脂 (2−8−a)多価フェノール単量体 (2−9−a)ポリビニルフェノール (2−10−a)ビニルフェノール共重合体 (2−11−a)ポリイソプロペニルフェノール (2−12−a)ポリイソプロペニルフェノール共重合
【0084】(2−1−b)エステル化フェノールノボ
ラック樹脂 (2−2−b)エステル化フェノールアラルキル樹脂 (2−3−b)エステル化ナフトールノボラック樹脂 (2−4−b)エステル化ナフトールアラルキル樹脂 (2−5−b)エステル化脂環化合物変性フェノールノ
ボラック樹脂 (2−6−b)エステル化脂環化合物変性ナフトールノ
ボラック樹脂 (2−7−b)エステル化多環芳香族化合物変性ノボラ
ック樹脂 (2−8−b)エステル化多価フェノール単量体 (2−9−b)エステル化ポリビニルフェノール (2−10−b)エステル化ビニルフェノール共重合体 (2−11−b)エステル化ポリイソプロペニルフェノ
ール (2−12−b)エステル化ポリイソプロペニルフェノ
ール共重合体
【0085】多価フェノール硬化剤としては、前記(2
−1−a)乃至(2−12−a)及び/又は(2−1−
b)乃至(2−12−b)から選ばれる少なくとも1種
または2種以上、好ましくは(2−1−a)乃至(2−
7−a)及び/又は(2−1−b)乃至(2−7−b)
から選ばれる少なくとも1種または2種以上である。よ
り好ましい多価フェノール硬化剤としては、(2−1−
a)乃至(2−2−a)及び/又は(2−1−b)乃至
(2−2−b)から選ばれる少なくとも1種または2種
以上が挙げられ、特に好ましくは(2−1−b)乃至
(2−2−b)から選ばれる少なくとも1種である。
【0086】(2−1−a)フェノールノボラック樹脂
と(2−1−b)そのエステル化ノボラック樹脂 下記化学式(1)〔化3〕
【0087】
【化3】 (式中、A1は水素原子または芳香族アシル基、脂肪族
アシル基を表す。R1は水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、炭素数1乃至10の直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基、炭素数1乃至10のアルコキシ基あるいはフェニ
ル基を表し、同じであっても異なっていても良い。m1
は1乃至3の整数を表し、同じであっても異なっていて
も良い。繰り返し単位数pは0乃至100の範囲の整数
である。p=0であるときはビスフェノール誘導体を表
す。)
【0088】で表され、フェノールノボラック樹脂(2
−1−a)とは、式中のA1が水素原子である物に代表
される。一方、エステル化フェノールノボラック樹脂
(2−1−b)とは、化学式(1)で表される式中のA
1が水素原子または芳香族アシル基、脂肪族アシル基で
あって、A1がすべて水素原子でないものであり、水素
原子/アシル基のモル比が90/10乃至0/100の
範囲である物で代表される。
【0089】フェノールノボラック樹脂(2−1−a)
の好ましい具体例としては、特に制約する物ではない
が、例えば、下記フェノール類とホルムアルデヒドとを
酸性下で付加縮合させて得られたものが代表的であり、
好ましくは環球法による軟化点温度が50℃以上、より
好ましくは75℃以上からなるものである。
【0090】前記フェノール類の好ましい例としては、
例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール、レゾ
ルシン、エチルフェノール、ジエチルフェノール、n−
プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブ
チルフェノール、t−ブチルフェノール、2−エチルヘ
キシルフェノール、フェニルフェノール等から選ばれた
1種または2種以上が挙げられる。より好ましくはフェ
ノール及び/またはクレゾールである。
【0091】エステル化フェノールノボラック樹脂(2
−1−b)の具体例としては、前記フェノールノポラッ
ク樹脂に内在するフェノール性水酸基の10乃至100
モル%を芳香族及び/又は脂肪族アシル化変性したもの
が挙げられる。
【0092】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で
は、多価フェノール硬化剤(2)が前記フェノールノボ
ラック樹脂(2−1−a)及び/又は前記エステル化フ
ェノールノボラック樹脂(2−1−b)であることが好
ましい。より好ましい多価フェノール硬化剤としては、
フェノールノボラック樹脂(2−1−a)とエステル化
フェノールノボラック樹脂(2−1−b)との混合質量
比で1:99乃至99:1の範囲のもの、特に好ましく
は10:90乃至99:1であるものである。
【0093】(2−2−a)フェノールアラルキル樹脂
と(2−2−b)そのエステル化フェノールアラルキル
樹脂 下記化学式(2)〔化4〕
【0094】
【化4】 (式中、A2は水素原子または芳香族アシル基、脂肪族
アシル基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、炭素数1乃至10の直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基、炭素数1乃至10のアルコキシ基あるいはフェニ
ル基を表し、R3は水素原子あるいはメチル基を表し、
2及びR3はそれぞれ同じであっても異なっていても良
い。m2及びm3はそれぞれ1乃至3の整数を表し、それ
ぞれ同じであっても異なっていても良い。繰り返し単位
数qは0乃至100の範囲の整数である。q=0である
ときはビスフェノール誘導体を表す。)
【0095】で表され、フェノールアラルキル樹脂(2
−2−a)とは、式中のA2が水素原子である物に代表
される。一方、エステル化フェノールアラルキル樹脂
(2−2−b)とは、化学式(2)で表される式中のA
2が水素原子または芳香族アシル基、脂肪族アシル基で
あって、A2がすべて水素原子でないものであり、水素
原子/アシル基のモル比が90/10乃至0/100の
範囲である物で代表される。
【0096】フェノールアラルキル樹脂(2−2−a)
の好ましい例としては、特に制約するものではないが、
例えば、フリーデルクラフツ触媒存在下に下記のフェノ
ール類とキシリレンジクロライド化合物またはキシリレ
ンジアルキルエーテル化合物とから誘導され、遊離フェ
ノールを0.01質量%以下まで減圧除去してなるもの
が挙げられる。より好ましくは環球法による軟化点温度
で50乃至120℃の範囲にある該フェノールアラルキ
ル樹脂である。
【0097】エステル化フェノールアラルキル樹脂(2
−2−b)の好ましい例としては、前記フェノールアラ
ルキル樹脂に内在するフェノール性水酸基の10乃至1
00モル%を芳香族及び/又は脂肪族アシル化変性した
ものが挙げられる。
【0098】フェノール類の好ましい例としては、例え
ば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ハイドロ
キノン、メチルハイドロキノン、カテコール、レゾルシ
ン、エチルフェノール、ジエチルフェノール、n−プロ
ピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチル
フェノール、t−ブチルフェノール、2−エチルヘキシ
ルフェノール、フェニルフェノール等から選ばれた1種
または2種以上が挙げられる。より好ましくはフェノー
ル及び/またはクレゾールである。
【0099】また、前記のキシリレンジクロライド化合
物には、例えば、1,2−キシリレンジクロライド、
1,3−キシリレンジクロライド、1,4−キシリレン
ジクロライド、2−メチル−1,3−キシリレンジクロ
ライド、3−メチル−1,4−キシリレンジクロライ
ド、2,4−ジメチル−1,3−キシリレンジクロライ
ド、2,4,5−トリメチル−1,3−キシリレンジク
ロライド、2,3−ジメチル−1,4−キシリレンジク
ロライド、2,3,5−トリメチル−1,4−キシリレ
ンジクロライド、2−エチル−1,3−キシリレンジク
ロライド、2,4−ジエチル−1,3−キシリレンジク
ロライド、2,4,5−トリエチル−1,3−キシリレ
ンジクロライド、2,3−ジエチル−1,4−キシリレ
ンジクロライド、2,3,5−トリエチル−1,4−キ
シリレンジクロライド等がある。
【0100】キシリレンジアルキルエーテル化合物に
は、例えば、α,α′−ジメトキシ−p−キシレン、
α,α′−ジエトキシ−p−キシレン、α,α′−ジメ
トキシ−o−キシレン、α,α′−ジエトキシ−o−キ
シレン、α,α′−ジメトキシ−m−キシレン、α,
α′−ジエトキシ−m−キシレンがあり、好ましくは
α,α′−ジメトキシ−p−キシレンが挙げられる。
【0101】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で
は、多価フェノール樹脂として前記フェノールアラルキ
ル樹脂(2−2−a)及び/又は前記エステル化フェノ
ールアラルキル樹脂(2−2−b)とすることが好まし
い態様のひとつである。そのなかでも多価フェノール樹
脂として、(2−2−a)と(2−2−b)との混合質
量比で1:99乃至99:1の範囲であるものが好まし
く、さらに好ましくは10:90乃至99:1であるも
のである。
【0102】(2−3−a)ナフトールノボラック樹脂
とその(2−3−b)そのエステル化ナフトールノボラ
ック樹脂 下記化学式(3)〔化5〕
【0103】
【化5】 (式中、A3は水素原子または芳香族アシル基、脂肪族
アシル基を表す。R4及びR5はそれぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、炭素数1乃至10の直鎖、分岐また
は環状のアルキル基、炭素数1乃至10のアルコキシ基
あるいはフェニル基を表し、R4及びR5はそれぞれ同じ
であっても異なっていても良い。m4及びm5はそれぞれ
1乃至3の整数を表し、それぞれ同じであっても異なっ
ていても良い。繰り返し単位数rは0乃至100の範囲
の整数である。r=0であるときはビスナフトール誘導
体を表す。)
【0104】で表され、ナフトールノボラック樹脂(2
−3−a)とは、式中のA3が水素原子である物に代表
される。一方、エステル化ナフトールノボラック樹脂
(2−3−b)とは、化学式(3)で表される式中のA
3が水素原子または芳香族アシル基、脂肪族アシル基で
あって、A3がすべて水素原子ではないものであり、水
素原子/アシル基のモル比が90/10乃至0/100
の範囲である物で代表される。
【0105】ナフトールノボラック樹脂(2−3−a)
は、特に制約するものではないが、好ましい例として、
例えば、下記のナフトール類とホルムアルデヒドを酸性
下に付加縮合させて得られるものが挙げられる。より好
ましくは環球法で求めた軟化点温度が50℃以上、さら
に好ましくは75乃至150℃にあるナフトールノボラ
ック樹脂である。
【0106】前記ナフトール類には、好ましい例とし
て、例えば、α−ナフトール、β−ナフトール、メチル
ナフトール、ジメチルナフトール、トリメチルナフトー
ル、メチルエチルナフトール、エチルナフトール、ジエ
チルナフトール、トリエチルナフトール、メチルジエチ
ルナフトール、n−プロピルナフトール、ジ−n−プロ
ピルナフトール、イソプロピルナフトール、ジイソプロ
ピルナフトール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロ
キシナフタレン等の1種または2種以上が挙げられ、よ
り好ましくはナフトール及び/又はメチルナフトールで
ある。
【0107】また、エステル化ナフトールノボラック樹
脂(2−3−b)の好ましい例としては、前記ナフトー
ル樹脂のナフトール性水酸基の10乃至100モル%を
芳香族及びまたは脂肪族アシル化変性したものが挙げら
れる。
【0108】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で
は、多価フェノール樹脂として(2−3−a)及び/又
は(2−3−b)とすること好ましい態様のひとつであ
る。そのなかでも、(2−3−a):(2−3−b)の
質量比で1:99乃至99:1の範囲であるものが好ま
しく、さらに好ましくは90:10乃至1:99である
ものである。
【0109】(2−4−a)ナフトールアラルキル樹脂
と(2−4−b)そのエステル化ナフトールアラルキル
樹脂 下記化学式(4)〔化6〕
【0110】
【化6】 (式中、A4は水素原子または芳香族アシル基、脂肪族
アシル基を表す。R6及びR7はそれぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、炭素数1乃至10の直鎖、分岐また
は環状のアルキル基、炭素数1乃至10のアルコキシ基
あるいはフェニル基を表し、R8は水素原子あるいはメ
チル基を表し、R6、R7及びR8はそれぞれ同じであっ
ても異なっていても良い。m6、m7及びm8はそれぞれ
1乃至3の整数を表し、それぞれ同じであっても異なっ
ていても良い。繰り返し単位数sは0乃至100の範囲
の整数である。s=0であるときはビスナフトール誘導
体を表す。)
【0111】で表され、ナフトールアラルキル樹脂(2
−4−a)とは、式中のA4が水素原子である物に代表
される。一方、エステル化ナフトールアラルキル樹脂
(2−4−b)とは、化学式(4)で表される式中のA
4が水素原子または芳香族アシル基、脂肪族アシル基で
あって、A4がすべて水素原子ではないものであり、水
素原子/アシル基のモル比が90/10乃至0/100
の範囲で表した物で代表される。
【0112】ナフトールアラルキル樹脂(2―4−a)
の好ましい例としては、特に制約するものではないが、
例えば、フリーデルクラフツ触媒存在下にナフトール類
と前記キシリレンジクロライド化合物または前記キシリ
レンジアルキルエーテル化合物とから誘導され、遊離ナ
フトールを0.01質量%以下まで減圧除去したものが
挙げられる。
【0113】エステル化ナフトールアラルキル樹脂(2
−4−b)の好ましい例としては、例えば、前記ナフト
ールアラルキル樹脂に内在するナフトール性水酸基の1
0乃至100モル%を芳香族及びまたは脂肪族アシル化
変性したものが挙げられる。
【0114】前記ナフトール類の好ましい例として、例
えば、α−ナフトール、β−ナフトール、メチルナフト
ール、ジメチルナフトール、トリメチルナフトール、メ
チルエチルナフトール、エチルナフトール、ジエチルナ
フトール、トリエチルナフトール、メチルジエチルナフ
トール、n−プロピルナフトール、ジ−n−プロピルナ
フトール、イソプロピルナフトール、ジイソプロピルナ
フトール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナ
フタレン等の1種または2種以上が挙げられ、より好ま
しくはナフトール及び/又はメチルナフトールである。
【0115】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で
は、多価フェノール樹脂として(2−4−a)及び/又
は(2−4−b)とすることが好ましい態様のひとつで
ある。そのなかでも(2−4−a):(2−4−b)の
質量比で1:99乃至99:1の範囲のもの、さらに好
ましくは90:10乃至1:99のものである。
【0116】(2−5−a)脂環化合物変性フェノール
ノボラック樹脂と(2−5−b)そのエステル化脂環化
合物変性フェノールノボラック樹脂 下記化学式(5)〔化7〕
【0117】
【化7】 (式中、A5は水素原子または芳香族アシル基、脂肪族
アシル基を表す。R9は水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、炭素数1乃至10の直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基、炭素数1乃至10のアルコキシ基あるいはフェニ
ル基を表し、同じであっても異なっていても良い。m9
は1乃至3の整数を表し、同じであっても異なっていて
も良い。Xは下記化学式(6)〔化8〕あるいは下記化
学式(7)〔化9〕で示されるような脂肪族環を表し、
繰り返し単位数tは0乃至100の範囲の整数である。
t=0であるものはビスフェノール誘導体を表す。)
【0118】
【化8】
【0119】
【化9】
【0120】で表され、脂環化合物変性フェノールノボ
ラック樹脂(2−5−a)とは、式中のA5が水素原子
で表される物に代表される。一方、そのエステル化脂環
化合物変性フェノールノボラック樹脂(2−5−b)と
は、化学式(5)で表され式中のA5が水素原子または
芳香族アシル基、脂肪族アシル基であって、A5がすべ
て水素原子でないものであり、水素原子/アシル基のモ
ル比が90/10乃至0/100の範囲である物で代表
される。
【0121】式(5)中のXが式(6)で示される脂環
化合物変性ノボラック樹脂の好ましい具体例としては、
例えば、フリーデルクラフツ触媒存在下にフェノール類
とジシクロペンタジエンジクロライド化合物またはジシ
クロペンタジエンジアルキルエーテル化合物とから誘導
され、遊離フェノールを0.01質量%以下まで減圧除
去したものに代表される。
【0122】フェノール類の好ましい例としては、例え
ば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ハイドロ
キノン、メチルハイドロキノン、カテコール、レゾルシ
ン、エチルフェノール、ジエチルフェノール、n−プロ
ピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチル
フェノール、t−ブチルフェノール、2−エチルヘキシ
ルフェノール、フェニルフェノール等から選ばれた1種
または2種以上が挙げられる。より好ましくはフェノー
ル及び/またはクレゾールである。また、ジシクロペン
タジエンジアルキルエーテル化合物には、例えば、ジシ
クロペンタジエンジメチルエーテル、ジシクロペンタジ
エンジエチルエーテル、ジシクロペンタジエンジプロピ
ルエーテル、ジシクロペンタジエンメチルエチルエーテ
ル等がある。
【0123】そのエステル化脂環化合物変性ノボラック
樹脂の好ましい例としては、前記の脂環化合物変性ノボ
ラック樹脂に内在するフェノール性水酸基の10乃至1
00モル%を芳香族及び又は脂肪族アシル化変性させた
ものが挙げられる。
【0124】また、式(5)中のXが式(7)で示され
る脂環化合物変性ノボラック樹脂の好ましい具体的な例
としては、例えば、フリーデルクラフツ触媒存在下に前
記のフェノール類と、必要に応じて前記のナフトール類
との併存下に、シクロヘキサンジクロライド化合物また
はシクロヘキサンジメトキシエーテル化合物及び/又は
シクロヘキサンジエチルエーテルで代表されるシクロヘ
キシルジアルキルエーテル類とから誘導され、遊離フェ
ノールを0.01質量%以下まで減圧除去したものに代
表される。
【0125】そのエステル化脂環化合物変性ノボラック
樹脂の好ましい具体例としては、前記脂環化合物変性ノ
ボラック樹脂に内在するフェノール性水酸基の10乃至
100モル%を芳香族及び/又は脂肪族アシル化変性し
たるものが挙げられる。本発明の液晶表示セルシール剤
用組成物では、多価フェノール樹脂として(2−5−
a)及び/又は(2−5−b)とすることが好ましい態
様のひとつである。なかでも(2−5−a):(2−5
−b)の質量比で1:99乃至99:1の範囲であるも
の、さらに好ましくは90:10乃至1:99であるも
のである。
【0126】(2−6−a)脂環化合物変性ナフトール
ノボラック樹脂と(2−6−b)そのエステル化脂環化
合物変性ナフトールノボラック樹脂 下記化学式(8)〔化10〕
【0127】
【化10】 (式中、A6は素原子または芳香族アシル基、脂肪族ア
シル基を表す。R10及びR11はそれぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、炭素数1乃至10の直鎖、分岐また
は環状のアルキル基、炭素数1乃至10のアルコキシ基
あるいはフェニル基を表し、R10及びR11はそれぞれ同
じであっても異なっていても良い。m10及びm11はそれ
ぞれ1乃至3の整数を示し、それぞれ同じであっても異
なっていても良い。Zは下記化学式(9)〔化11〕あ
るいは下記化学式(10)〔化12〕に示されるような
脂肪族環を表し、繰り返し単位数uは0乃至100の範
囲の整数である。u=0であるときはビスナフトール誘
導体を表す。)
【0128】
【化11】
【0129】
【化12】
【0130】で表され、脂環化合物変性ナフトールノボ
ラック樹脂(2−6−a)とは、式中のA6が水素原子
である物に代表される。一方、エステル化脂環化合物変
性ナフトールノボラック樹脂(2−6−b)とは、化学
式(8)で表さる式中のA6が水素原子または芳香族ア
シル基、脂肪族アシル基であって、A6がすべて水素原
子でないものであり、水素原子/アシル基のモル比が9
0/10乃至0/100の範囲である物で代表される。
【0131】式(8)中のZが式(9)で示される脂環
化合物変性ナフトールノボラック樹脂の好ましい具体例
としては、例えば、フリーデルクラフツ触媒存在下に前
記のナフトール類と前記のジシクロペンタジエンジクロ
ライド化合物または前記のジシクロペンタジエンジアル
キルエーテル化合物とから誘導され、遊離フェノールを
0.01質量%以下まで減圧除去したものに代表され
る。
【0132】そのエステル化脂環化合物変性ナフトール
ノボラック樹脂の好ましい例としては、前記の脂環化合
物変性樹脂に内在するフェノール性水酸基の10乃至1
00モル%を芳香族及びまたは脂肪族アシル化変性した
ものが好ましい例である。
【0133】式(8)中のZが式(10)で示される脂
環化合物変性ナフトールノボラック樹脂の好ましい具体
的な例としては、例えば、フリーデルクラフツ触媒存在
下に前記のナフトール類と、必要に応じて前記のフェノ
ール類との併存下に、前記のシクロヘキサンジクロライ
ド化合物または前記のシクロヘキサンジメトキシエーテ
ル化合物及び/又はシクロヘキサンジエチルエーテルで
代表されるシクロヘキシルジアルキルエーテル類とから
誘導され、遊離ナフトールを0.01質量%以下まで減
圧除去したものに代表される。
【0134】また、そのエステル化脂環化合物変性ナフ
トールノボラック樹脂の好ましい具体例としては、前記
脂環化合物変性樹脂に内在するフェノール性水酸基の1
0乃至100モル%を芳香族及びまたは脂肪族アシル化
変性したものが挙げられる。多価フェノール樹脂として
(2−6−a)と(2−6−b)を任意の割合で併用す
る態様であるものも本発明に包含され、なかでも(2−
6−a):(2−6−b)の質量比で1:99乃至9
9:1の範囲であるものが好ましく、より好ましくは9
0:10乃至1:99であるものである。
【0135】(2−7−a)多環芳香族化合物変性ノボ
ラック樹脂と(2−7−b)そのエステル化多環芳香族
化合物変性ノボラック樹脂 多環芳香族化合物変性ノボラック樹脂(2−7−a)と
しては、例えば、石油工業に於ける高圧水蒸気接触分解プ
ラント等から留出される軽重質油留分に由来する3乃至
4環の縮合多環芳香族炭化水素化合物の存在下にフェノ
ール類とホルムアルデヒドとを酸触媒存在下に作用させ
て得られ、前記縮合多環芳香核とフェノール核とがメチ
レン結合でランダムに三次元配置で結合してなる縮合多
環芳香族化合物変性ノボラック樹脂に代表される。
【0136】また、そのエステル化多環芳香族化合物変
性ノボラック樹脂(2−7−b)とは、例えば、前記
(2−7−a)のフェノール性水酸基の10乃至100
モル%を芳香族及びまたは脂肪族アシル化変性した物に
代表される。
【0137】軽質油留分に由来する3乃至4環の縮合多
環芳香族炭化水素化合物としては、例えば、軽重質油中
13C−NMRより求めた芳香族炭素数/軽重質油中の
炭素数で表される芳香族炭素分率(fa値)が0.4乃
至0.95の範囲、好ましくは0.7乃至0.8にある
もの、及び、軽重質油中の1H−NMRより求めた芳香
環水素数/軽重質油中の水素数で表される芳香環水素分
率(Ha値)が0.2乃至0.8の範囲、好ましくは
0.35乃至0.6にある物が代表的である。
【0138】多価フェノール樹脂として、(2−7−
a)と(2−7−b)を任意の割合で併用する態様であ
るものも本発明に包含され、なかでも(2−7−a):
(2−7−b)の質量比で1:99乃至99:1の範囲
であるものが好ましく、より好ましくは90:10乃至
1:99であるものである。
【0139】(2−8−a)多価フェノール単量体と
(2−8−b)そのエステル化多価フェノール単量体 多価フェノール単量体(2−8−a)としては、特に制
約するものではないが、例えば、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA
D等で代表されるビスフェノール単量体や、以下のトリ
スフェノール単量体が代表的な例として挙げられる。
【0140】トリスフェノール単量体としては、例え
ば、4,4′,4″−メチリデントリスフェノール、
4,4′,4″−メチリデントリス(2−メチルフェノ
ール)、4,4′−[(2−ヒドロキシフェニル)メチ
レン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、
4,4′,4″−エチリデントリスフェノール、4,
4′−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス
[2−メチルフェノール]、4,4′−[(2−ヒドロ
キシフェニル)エチレン]ビス[2−メチルフェノー
ル]、4,4′−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレ
ン]ビス[2−メチルフェノール]、4,4′−[(4
−ヒドロキシフェニル)エチレン]ビス[2−メチルフ
ェノール]、4,4′−[(2−ヒドロキシフェニル)
メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,
4′−[(2−ヒドロキシフェニル)エチレン]ビス
[2,6−ジメチルフェノール]、
【0141】4,4′−[(4−ヒドロキシフェニル)
メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,
4′−[(4−ヒドロキシフェニル)エチレン]ビス
[2,6−ジメチルフェノール]、4,4′−[(2−
ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチ
ルフェノール]、4,4′−[(2−ヒドロキシフェニ
ル)エチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、
4,4′−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビ
ス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−
[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,
3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−[(2−
ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキ
シル−5−メチルフェノール]、4,4′−[(3−ヒ
ドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシ
ル−5−メチルフェノール]、4,4′−[(4−ヒド
ロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシル
−5−メチルフェノール]、4,4′−[1−[4−
[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチ
ル]フェノールエチリデン]ビスフェノール]、4,
4′−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]
ビス[2−メチルフェノール]、4,4′−[(3,4
−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジ
メチルフェノール]、4,4′−[(3,4−ジヒドロ
キシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチ
ルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル4−
ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−
ベンゼンジオール等が好ましく挙げられる。
【0142】特に(2−8−a)として好ましくは、下
記化学式(11)〔化13〕
【0143】
【化13】 (式中、A7は水素原子または芳香族アシル基、脂肪族
アシル基を表す。R12は水素原子、アシルオキシ基、炭
素数1乃至10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、
炭素数1乃至10のアルコキシ基あるいはフェニル基を
表し、R13は水素または炭素数10以下のアルキル基を
表し、R12及びR13はそれぞれ同じでも異なっていても
良い。Yは水素、メチル基またはエチル基を表す。m12
及びm13はそれぞれ1及至3の整数を表し、それぞれ同
じでも異なっていても良い。)
【0144】で表され、式中のA7が水素原子で表され
た物に代表される。一方、エステル化多価フェノール単
量体としては、前記(2−8−a)に内在するフェノー
ル性水酸基の10乃至100モル%を芳香族及び/又は
脂肪族アシル化変性したものが好ましい例として挙げら
れる。特に好ましくは、化学式(11)で表され、式中
のA7が水素原子または芳香族アシル基、脂肪族アシル
基であるものであって、A7がすべて水素原子ではない
ものであり、水素原子/アシル基のモル比が90/10
乃至0/100の範囲であるものに代表される。
【0145】多価フェノール樹脂として、(2−8−
a)と(2−80b)を任意の割合で併用する態様であ
るものも本発明に包含され、なかでも(2−8−a):
(2−8−b)の質量比で1:99乃至99:1の範囲
であるものが好ましく、より好ましくは90:10乃至
1:99のものである。
【0146】(2−9−a)ポリビニルフェノールと
(2−9−b)そのエステル化ポリビニルフェノール ポリビニルフェノール(2−9−a)としては、例え
ば、p−ビニルフェノールのホモポリマー等で代表され
る。特に制約するものではないが、GPCによるポリス
チレン換算質量平均分子量で300乃至20000の範
囲のものが好ましく、500乃至10000にある物を
選定使用することがより好ましい。また、そのエステル
化ポリビニルフェノール(2−9−b)とは、例えば、
(2−9−a)のフェノール性水酸基の10乃至100
モル%を芳香族及びまたは脂肪族アシル化変性したもの
で代表される。
【0147】(2−10−a)ビニルフェノール共重合
体とその(2−10−b)エステル化ビニルフェノール
共重合体 ビニルフェノール共重合体(2−10−a)の具体的な
例としては、例えば、p−ビニルフェノールと共重合可
能な他のビニルモノマーとの2元共重合体または3元以
上の多元共重合体等に代表され、特に制約するものでは
ないが、GPCによるポリスチレン換算質量平均分子量
で500乃至20000の範囲のものが好ましく、50
0乃至10000の物がより好ましい。
【0148】p−ビニルフェノールと共重合可能な他の
ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、アクリロ
ニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヒド
ロキシアクリレート等が挙げられる。そのエステル化ビ
ニルフェノール共重合体(2−10−b)とは前記(2
−10−a)のフェノール性水酸基の10乃至100モ
ル%を芳香族及びまたは脂肪族アシル化変性した物に代
表される。
【0149】(2−11−a)ポリイソプロペニルフェ
ノールと(2−11−b)そのエステル化ポリイソプロ
ペニルフェノール ポリイソプロペニルフェノール(2−11−a)の具体
的な例としては、例えば、ポリ−p−イソプロペニルフ
ェノール等に代表され、特に制約するものではないが、
GPCによるポリスチレン換算質量平均分子量で300
乃至20000の範囲のものが好ましく、500乃至1
0000である物を選定使用することがより好ましい。
また、エステル化ポリイソプロペニルフェノール(2−
11−b)とは、例えば、(2−11−a)のフェノー
ル性水酸基の10乃至100モル%を芳香族及びまたは
脂肪族アシル化変性したもので代表される。
【0150】(2−12−a)ポリイソプロペニルフェ
ノール共重合体と(2−12−b)そのエステル化ポリ
イソプロペニルフェノール共重合体 ポリイソプロペニルフェノール共重合体(2−12−
a)の具体例としては、例えば、ポリ−p−イソプロペ
ニルフェノールと共重合可能な他のビニルモノマーとの
2元共重合体または3元共重合体等で代表され、GPC
によるポリスチレン換算質量平均分子量で500乃至2
0000の範囲であるものが好ましく、500乃至10
000である物がより好ましい。
【0151】p−イソプロペニルフェノールと共重合可
能な他のビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、
アクリロニトリル、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ヒドロキシアクリレート等が挙げられる。また、エ
ステル化イソプロペニルフェノール共重合体(2−12
−b)とは、(2−12−a)のフェノール性水酸基の
10乃至100モル%を芳香族及び/又は脂肪族アシル
化変性した物に代表される。
【0152】本発明では、多価フェノール硬化剤(2)
としては前記した以外に、例えばビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールSで代表されるビスフ
ェノール類から誘導されるノボラック樹脂、4,4’−
ビフェニルフェノール等に代表されるビフェニルフェノ
ール類から誘導されるノボラック樹脂、1,1−ジ−4
−ヒドロキシフェニルフルオレン等に代表されるフルオ
レン骨格を持つフェノール類から誘導されるノボラック
樹脂でも使用できる。
【0153】最も好ましい多価フェノール硬化剤(2)
の態様例としてはフェノールノボラック樹脂、フェノー
ルアラルキル樹脂、エステル化フェノールノボラック樹
脂、エステル化フェノールアラルキル樹脂から選ばれた
1種または2種以上である。多価フェノール硬化剤
(2)は、エポキシ樹脂と多価フェノール硬化剤ならび
にアルキル尿素誘導体及びフォスファゼン化合物から選
ばれる少なくとも1種からなる硬化促進剤を含有してな
る液晶表示セル用シール剤用のエポキシ樹脂組成物中に
占める割合として、特に制約するものではないが、10
乃至65質量%の範囲であることが好ましい。10質量
%以上で、該エポキシ樹脂組成物の保存安定性と熱硬化
性とのバランスが良好であり、高耐久性の液晶表示素子
の製造が可能になる。また、65質量%以下とすること
が、硬化剤の未反応物の残留を抑制することができると
共に、硬化物の架橋密度ならびにシール接着信頼性を良
好に保つことができるので好ましい。
【0154】また、多価フェノール硬化剤に対し、10
倍質量の40℃乃至80℃の純水で抽出した抽出水溶液
のイオン伝導度を2mS/m以下とする為に、前記の多
価フェノール硬化剤は、あらかじめ脱イオン精製方法を
経て製造したものを使用することが望ましく、その脱イ
オン精製方法としては、例えば、遊離イオン水抽出分離
精製法、溶剤抽出精製法、限外ロ過精製法等が良く、特
に制約はない。ところで、上述のようなフェノール性水
酸基またはナフトール性水酸基(以下、フェノール性水
酸基ならびにナフトール性水酸基を一括総称して単にフ
ェノール性水酸基と呼ぶことがある)をエステル化する
際に用いるエステル化剤としては、有機カルボン酸無水
物、有機カルボン酸ハライド、有機カルボン酸のいずれ
でも良く、誘導したいエステルの炭素数によるエステル
化剤の特徴により都合の良いものを選択すればよい。
【0155】エステル化剤を具体的に例示すれば、無水
酢酸、アセチルクロライド、アセチルブロマイド、酢
酸、無水プロピオン酸、プロピオン酸クロライド、プロ
ピオン酸ブロマイド、プロピオン酸、無水酪酸、酪酸ク
ロライド、酪酸、無水吉草酸、吉草酸クロライド、吉草
酸ブロマイド、吉草酸、ピバリン酸クロライド、ピバリ
ン酸、フェニル酢酸、フェニル酢酸クロライド、2−フ
ェニルプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、o−
トリル酢酸、m−トリル酢酸、p−トリル酢酸、クメン
酸等を挙げることが出来る。これらのエステル化剤は単
独あるいは任意の2種類以上を併用して用いることも可
能である。
【0156】その使用量は、水酸基に対して10モル%
以上用いればよく、上限は特に限定されず、過剰に用い
て充分にエステル化を進行させた場合、過剰のエステル
化剤は反応終了後除去すればよいが、現実的には反応容
積効率、コスト等の観点から、水酸基に対し10倍モル
以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは3倍
モル以下が良い。
【0157】具体的な反応は、エステル化剤の種類によ
って異なるが、それぞれについて述べれば、有機カルボ
ン酸無水物については一般に用いられる反応で良い。す
なわち、フェノール性水酸基に対し、エステル化するべ
き任意の量の有機カルボン酸無水物を反応させたのち、
副生する有機カルボン酸、過剰の有機カルボン酸無水物
を常圧蒸留、減圧蒸留、水洗、炭酸塩等の弱塩基水洗浄
等任意の方法もしくはそれらの組み合わせによって除去
することにより、目的とするエステル化合物を得るもの
である。すなわち、部分エステル化物では、フェノール
性水酸基に対して任意の量、好ましくは10モル%以上
がエステル化されたエステル化物を用いる事が好ましい
ことから、10モル%以上の有機カルボン酸無水物を用
い、完全ステル化物では、フェノール性水酸基に対して
等モル以上、溶剤を兼ねればその上限は特に制限される
ものではないが、経済効率、反応の容積効率を考慮すれ
ば10倍モル%以下用いてエステル化する。なお、この
使用量は後述の有機カルボン酸を用いた反応の際でも同
様である。
【0158】エステル化反応温度は、60℃乃至200
℃の範囲、望ましくは80℃乃至180℃の範囲、特に
望ましくは100℃乃至160℃の範囲である。エステ
ル化反応時間は、反応基質の種類や反応温度に大きく左
右されるが、およそ1時間乃至25時間の範囲であり、
現実的には高速液体クロマトグラフィーやガスクロマト
グラフィー等でエステル化剤の消失や水酸基の消失など
を追跡しつつ終点を決定することが望ましい。
【0159】該エステル化反応における溶媒は、用いて
も用いなくても良い。原料とするフェノール性水酸基を
有する物質が、反応温度に於いて充分溶融し、且つエス
テル化剤が液体である場合、また反応温度において溶
融、あるいは樹脂に溶解し反応に支障がない場合には無
溶媒で反応を行えばよい。
【0160】溶媒を必要とする場合、反応に不活性な溶
媒であれば全て使用することが出来る。それらを例示す
れば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロ
ゲン化ベンゼン類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性
溶媒類、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類等を単独で、あるいは任意の組み合わせで
用いることが出来る。エステル化反応は、常圧、加圧
(オートクレーブ中)、減圧のいずれでもよく、また反
応系の雰囲気は空気中、窒素、アルゴン、ヘリウム等の
不活性ガス中のいずれでも良いが、好ましくは窒素雰囲
気下である。
【0161】次に、エステル化剤として有機カルボン酸
ハライドを用いる場合における反応について説明する。
この場合も一般に用いられる手法を用いることが出来
る。すなわち、フェノール性水酸基に対してエステル化
するべき任意の量の有機カルボン酸ハライドを反応させ
れば良い。この場合、副生するハロゲン化水素は、ピリ
ジン、ピペラジン、トリエチルアミン等の反応に不活性
な塩基を必要量存在させて系内においてトラップする方
法と、ガスとして反応中に順次速やかに系外に放出し、
反応系外に設置された水またはアルカリトラップを用い
て捕捉する方法があるが、先に示した理由により、含窒
素化合物、イオン性化合物の混入を避けるため、ハロゲ
ン化水素ガスは、反応中速やかに系外に放出する方法が
好ましい。この時、反応に不活性なガスの気流下におい
て反応を行うとより好ましい。
【0162】有機カルボン酸ハライドの使用量は、部分
エステル化物では、フェノール性水酸基に対して任意の
量、好ましくは10モル%以上がエステル化されたエス
テル化物を用いるので、10モル%以上の有機カルボン
酸ハライドを用い、完全エステル化物では、フェノール
性水酸基に対して等モルもしくは小過剰を用いればよ
く、大過剰用いてもよいが、経済効率、反応の容積効
率、さらに反応後の処理工程の煩雑さを考慮すれば、水
酸基に対して10倍モル以下、好ましくは5倍モル、さ
らに好ましくは3倍モルの範囲で用いてエステル化すれ
ばよい。反応温度、反応における溶媒の使用、反応の形
態に関しては先の有機カルボン酸無水物の場合に準じれ
ばよい。
【0163】また、エステル化剤として有機カルボン酸
を用いる場合に関しては、ほぼ有機カルボン酸無水物に
準じればよいが、反応に際して酸触媒を必要とする。酸
触媒を例示すれば、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等
の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、ジメチルスルホン酸、ジエチル
スルホン酸等の有機スルホン酸類、トリフルオロメタン
スルホン酸に代表される超強酸、アルカンスルホン酸型
に代表される酸性イオン交換樹脂、パーフルオロアルカ
ンスルホン酸型に代表される超強酸型イオン交換樹脂等
が挙げられる。
【0164】その使用量は、原料の重量に対して超強酸
の場合が0.00001乃至5質量%、好ましくは0.
0001乃至1質量%、より好ましくは0.001乃至
0.1質量%の範囲、イオン交換樹脂類の場合が1乃至
100質量%、好ましくは10乃至50質量%の範囲、
その他の場合は0.01乃至10質量%、好ましくは
0.1乃至5質量%の範囲である。この範囲を下まわる
と反応速度が低下し、現実的な反応時間では完結しな
い。また、この範囲より大きくなると、副反応が無視で
きなくなり、あるいは触媒除去の行程の煩雑さ等を含め
てコストの増大に繋がる。
【0165】以上、3種類のエステル化剤についてその
反応を説明してきたが、いずれの場合もより精製度の高
いエステル化物を得る必要のある場合には、反応終了
後、水洗行程を導入すればよい。その場合はトルエン、
キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル等の水洗可能な溶媒を用いてエステル化
反応を行い、洗浄廃水に酸性成分、イオン性不純物が混
入しなくなるまで洗浄すればよい。また、エステル化物
のエステル化率は、10モル%乃至100モル%の範囲
であるが、好ましくは50モル%乃至100モル%、よ
り好ましくは90モル%乃至100モル%の範囲であ
る。
【0166】液晶表示素子用シール剤組成物中の多価フ
ェノール硬化剤(2)の含有量を求める方法としては、
特に制約するものではないが、例えば、クロマト分取
法、赤外吸収スペクトル法(IR法)、官能基分析法、
溶液/固体NMR(核磁気共鳴スペクトル)法を適宜組
み合わせて行えば良い。液晶表示セル用シール剤中の多
価フェノール硬化剤(2)の含有量を求める方法として
は、特に制約するものではないが、例えば、熱分解−ク
ロマト分取法、湿式分解−クロマト分取法、固体NMR
法、赤外吸収スペクトル法等を適宜組み合わせて行えば
良い。
【0167】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で
は、多価フェノール硬化剤(2)として本発明の目的を
害さない範囲で、適宜、公知の潜在性エポキシ硬化剤を
併用使用しても何ら問題ない。潜在性エポキシ硬化剤と
しては、50℃以上の加熱でエポキシ樹脂を実質的に硬
化させうる物質であれば好ましく使用できる。
【0168】潜在性エポキシ硬化剤としては、特に制約
するものではないが、例えば、ジシアンジアミドならび
にその誘導体、ジヒドラジド化合物、4,4−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルスルフ
ォン、イミダゾール化合物−エポキシ樹脂アダクト体な
らびにその錯体、ポリアミン化合物−エポキシ樹脂アダ
クト体、ポリアミン−ジイソシアナート化合物付加体、
三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機酸無水物
等が挙げられ、それらの1種または2種以上が使用でき
る。
【0169】好ましい潜在性エポキシ硬化剤としては、
ジヒドラジド化合物、イミダゾール化合物−エポキシ樹
脂アダクト体ならびにその錯体、有機酸無水物から選ば
れた1種または2種以上である。 (ジヒドラジド化合物)ジヒドラジド化合物の好ましい
具体例としては、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジ
ピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、アゼラ
イン酸ジヒドラジド、デカン二酸ジヒドラジド、ドデカ
ン二酸ジヒドラジド等の炭素数4乃至22の飽和脂肪酸
骨格からなる二塩基酸ジヒドラジド類、イソフタル酸ジ
ヒドラジド等に代表される芳香族二塩基酸ジヒドラジド
類、更にはバリンヒダントイン骨格を持つジヒドラジド
類等が挙げられる。ジヒドラジド化合物としては、炭素
数4乃至22のジカルボン酸化合物から誘導されたジヒ
ドラジド化合物がより好ましい。
【0170】(イミダゾール化合物−エポキシ樹脂アダ
クト体)イミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダク
ト体の具体例としては、例えば多官能エポキシ化合物
と、イミダゾール化合物と、多官能エポキシ化合物の質
量の2倍量を越さない量のフェノールノボラック樹脂と
の反応生成物よりなり、多価エポキシ化合物中のエポキ
シ基対イミダゾール化合物の分子の比が(0.8:1)
乃至(2.2:1)の範囲である70乃至150℃の軟
化点温度を示す硬化剤が例示出来る。また該アダクト体
にさらに中和可能な量の多価フェノール単量体及び/又
は多価フェノール樹脂を混合してなるアダクト体等も含
まれる。
【0171】(ポリアミン化合物とエポキシ樹脂とのア
ダクト体)ポリアミン化合物とエポキシ樹脂とのアダク
ト体としては、特に制約するものではないが、既に公知
のポリアミン化合物とエポキシ樹脂とから誘導されるア
ダクト体で代表される。具体例としては、例えばエポキ
シ樹脂とポリアミンとの付加反応物に酸性水酸基を2個
以上有する化合物を反応させて得られるアダクト体が挙
げられる。酸性水酸基を2個以上有する化合物としては
フェノール樹脂、ポリフェノール樹脂、ポリカルボン酸
等がある。
【0172】(アミン化合物とジイソシアナート化合物
とのアダクト体またはその変性誘導体)アミン化合物と
ジイソシアナート化合物とのアダクト体としては、既に
公知の第1乃至第2級アミン化合物とジイソシアナート
とを反応させて得られるアダクト体で代表される。ま
た、アミン化合物とジイソシアナート化合物とのアダク
ト体の変性誘導体としては、例えば、N,N−ジアルキ
ルアミノアルキルアミンと、環状アミンと、ジイソシア
ナートとを加熱反応させてなるアダクト体が例示出来
る。さらに、該アダクト体で軟化点60℃以上、かつ3
級アミノ基を持つ粉末状アダクト体の粒子表面に均一に
ジイソシアナート化合物を接触させて得られる組成物等
が例示出来る。
【0173】(有機酸無水物)有機酸無水物の例として
は、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット
酸、エチレングリコールビストリメリテート、無水ピロ
メリット酸、ドデシニルコハク酸無水物、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチル
ナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸等を例示
できる。なお、前記潜在性エポキシ硬化剤の一部を下記
の硬化促進剤として選定使用しても良い。
【0174】(3)硬化促進剤 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で用いる硬化促
進剤(3)とは、アルキル尿素誘導体及びフォスファゼ
ン化合物から選ばれる少なくとも1種である。
【0175】(アルキル尿素誘導体)アルキル尿素誘導
体の具体例としては、例えば、3−(p−クロロフェニ
ル)−1,1−ジメチル尿素、3−(o,p−ジクロロフ
ェニル)−1,1−ジメチル尿素、トリレンジイソシア
ナートとジメチルアミンとから誘導された2,4−[ビ
ス(1,1−ジメチル尿素)]トルエン及び/又は2,6
−[ビス(1,1−ジメチル尿素)]トルエン、イソフォロ
ンジイソシアナートとジメチルアミンから誘導されたイ
ソフォロン骨格を有するアルキル尿素誘導体である3,
5−ジ(1,1−ジメチルウレア)−5−メチル−2−
シクロヘキセン−1−オン、ノルボルナンジイソシアナ
ートとジメチルアミンから誘導されたノルボルナン骨格
を有するアルキル尿素誘導体等が代表例である。特に好
ましいものとして、3−(p−クロロフェニル)−1,1
−ジメチル尿素、2,4−[ビス(1,1−ジメチル尿
素)]トルエン及び/又は2,6−[ビス(1,1−ジメチ
ル尿素)]トルエンが挙げられる。
【0176】(フォスファゼン化合物)フォスファゼン
化合物としては、下記化学式(12)〔化14〕で表さ
れるものに代表される。
【0177】
【化14】 (式中、Ra乃至Rfは、水素原子、炭素数1乃至10の
直鎖、分岐または環状のアルキル基、または炭素数6乃
至10のアリール基またはアラルキル基を表し、全て同
一であっても異なっていても良い。)
【0178】上記化学式(12)で表されるRa乃至Rf
の具体的例としは、水素原子、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、1−ペンチル基、2
−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチ
ル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、3−メ
チル−2−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル
基、4−メチル−2−ペンチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、1−ヘプチル基、3−ヘプチル基、
1−オクチル基、2−オクチル基、2−エチル−1−ヘ
キシル基、ノニル基またはデシル基等の脂肪族炭化水素
基、フェニル基、トルイル基、ベンジル基、1−フェニ
ルエチル基または2−フェニルエチル基等の含芳香族炭
化水素基を挙げることが出来る。これらのうち、好まし
いものはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基またはシクロヘキシル基の様な
炭素数1乃至6の脂肪族炭化水素基であり、より好まし
くはメチル基、エチル基である。
【0179】フォスファゼン化合物は、G.N.Koian et
al.Journal of General Chemistry of The USSR,
55,1453(1985)に記載されているように、オキシ三塩化
リンに3分子のイミノトリスアミノ(無置換、一置換、
二置換)ホスホランを反応させて合成することができ
る。更に、精製が必要であればカラムクロマトグラフィ
ー、蒸留、再結晶等の汎用される方法により精製するこ
とが出来る。この様にして得られるフォスファゼン化合
物は、通常固体である。
【0180】フォスファゼン化合物の好ましい例とし
て、下記化学式(13)〔化15〕で示されたものを挙
げることができる。
【0181】
【化15】
【0182】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で
は、硬化促進剤(3)を0.1乃至20質量%の範囲で
含有させることが肝要である。0.1質量%以上であれ
ば、硬化剤(2)の硬化活性を加熱硬化時に十分引き出
すことが出来る。また、20質量%以内で使用すれば、
得られるエポキシ樹脂組成物の25℃での保存安定性を
悪化させることなく、本発明の課題を解決できる。
【0183】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物の
硬化促進剤(3)として特に好ましい例は、3−(p−ク
ロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−[ビス
(1,1−ジメチル尿素)]トルエン、2,6−[ビス(1,1
-ジメチル尿素)]トルエンの1種、または、前記化学式
(12)で示されたフォスファゼン化合物から選ばれた
1種であり、最も好ましくは化学式(13)で示される
フォスファゼン化合物である。
【0184】硬化促進剤(3)は、湿式分解物の炎光元
素分析法で求めたアルカリ金属の総和含有量が50pp
m以下、好ましくは30ppm以下、より好ましくは1
5ppm以下とする。そうすることで、本発明の液晶表
示セルシール剤用組成物またはその硬化体である液晶表
示セル用シール剤の液晶接触時に於いて、液晶相への不
必要な遊離イオンの移行を抑止できる。アルカリ金属の
総和含有量を50ppm以下とする為の精製方法には特
に制約はなく、例えば溶剤抽出精製法等の既に公知の方
法が適用できる。本発明の液晶表示セルシール剤用組成
物中の硬化促進剤(3)の種類とその量を把握する方法
としては、特に限定するものではないが、例えば溶剤抽
出して、その抽出液をGPCで分取すると共に赤外吸収
スペクトルまたはNMR(核磁気共鳴スペクトル)等で
特定・同定し定量する方法、元素分析法等が一般的であ
る。また、その硬化体である液晶表示セル用シール剤中
の硬化促進剤の種類とその量を把握する手段としては、
特に限定するものではないが、例えば熱分解−クロマト
分取法、湿式分解−クロマト分取法、熱分解ガスクロ
法、熱分解−マススペクトル法、固体NMR法等を適宜
組み合わせて行えば良い。
【0185】硬化促進剤(3)としては、本発明の液晶
表示セルシール剤用組成物の作用効果を害しない範囲
で、下記に示すその他の硬化促進剤を適宜併用しても良
い。その他の硬化促進剤としては、イミダゾール化合物
とその塩類、トリスジメチルアミノメチルフェノール塩
類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7塩類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウン
デセン−7塩類、1,5−ジアザビシクロ(4,3,
0)−ノネン−5塩類、6−ジブチルアミノ−1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7塩類等
から選ばれた1種または2種以上が挙げられる。
【0186】(イミダゾール化合物)イミダゾール化合
物の具体例としては、特に制約はないが、例えば、N−
シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等
で代表できる。 (イミダゾール塩類)イミダゾール塩類としては、例え
ばイミダゾール化合物のイソシアヌール酸付加物、イミ
ダゾール化合物の多価カルボン酸付加物等が例示され
る。 (トリスジメチルアミノメチルフェノール塩)トリスジ
メチルアミノメチルフェノール塩には、例えばトリスジ
メチルアミノメチルフェノールオクチル酸塩、トリスジ
メチルアミノメチルフェノールオレイン酸、トリスジメ
チルアミノメチルフェノール蟻酸塩等が例示できる。
【0187】(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7塩)1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7塩(以下、単にDBU塩と呼ぶ)に
は、例えば、DBUフェノール塩、DBU多価フェノー
ル化合物塩、DBUポリフェノール塩、DBUオクチル
酸塩、DBUオレイン酸塩、DBU蟻酸塩等が代表的な
例である。 (1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5
塩)1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−
5塩(以下、単にDBN塩と呼ぶ)には、例えば、 D
BNフェノール塩、DBN多価フェノール化合物塩、D
BNポリフェノール塩、DBNオクチル酸塩、DBNオ
レイン酸塩、DBN蟻酸塩、DBNパラトルエンスルフ
ォン酸塩等が代表的な例である。
【0188】(6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)−ウンデセン−7塩)6−ジブチ
ルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウ
ンデセン−7塩(以下、単にDB塩と呼ぶ)には、例え
ば、 DBフェノール塩、DB多価フェノール化合物
塩、DBポリフェノール塩、DBオクチル酸塩、DBオ
レイン酸塩、DB蟻酸塩、DBパラトルエンスルフォン
酸塩等が代表的な例である。
【0189】(4)0℃以下の軟化点温度を持ちその一
次粒子の平均粒子径が5μm以下のゴム状ポリマー微粒
子 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物においては、必
要に応じて、捩り振子法と言われるTorsinal
Braid Analyzer(以下、単にTBAと呼
ぶ。)で求めた軟化点温度で0℃以下の軟化点温度を持
ち、かつ電子顕微鏡観察から求めた一次粒子の平均粒子
径が5μm以下のゴム状ポリマー微粒子(4)(以下、
単にゴム状ポリマー微粒子と呼ぶ事がある。)を1乃至
25質量%含有させることが好ましい。その際、ゴム状
ポリマー微粒子は一次粒子の平均粒子径として、0.0
1乃至5μmが好ましく、0.05乃至2μmがより好
ましい。
【0190】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物中
にゴム状ポリマー微粒子を1質量%以上使用すること
で、本発明の液晶表示セルシール剤用組成物を用いて製
造される液晶表示素子自体のプレッシャークッカーテス
ト後の接着信頼性を向上させることかでき、25質量%
以下とすることで硬化体に必要な耐熱剛性を確保でき、
好ましい。特に、ゴム状ポリマー微粒子(4)を液晶表
示セルシール剤用組成物中に占める割合で、1乃至20
質量%の範囲とすることがより好ましく、1乃至15質
量%とすること特に好ましい。
【0191】また、ゴム状ポリマー微粒子(4)の軟化
点温度が0℃以下であることにより、低温下での接着信
頼性がより向上する傾向にあり好ましい。更に、ゴム状
ポリマー微粒子(4)の一次粒子径を5μm以下とする
ことにより、液晶セルのギャップを薄くすることがで
き、高価な液晶の使用量を抑制することができると共に
液晶表示応答速度をも向上することができる。更により
好ましいゴム状ポリマー微粒子(4)としては、−30
℃以下の軟化点温度を持ち、その一次粒子径が0.01
乃至2μmの範囲のシリコンゴム微粒子、及び/又はア
クリルゴム微粒子またはポリオレフィンゴム微粒子であ
ることが挙げられ、さらに好ましくはそのゴム状ポリマ
ー微粒子(4)が架橋性ゴム粒子であることである。
【0192】これらのゴム状ポリマー微粒子(4)は軟
化点温度が0℃以下であれば、既に公知の以下ようなゴ
ム状ポリマーを適宜選定使用できる。例えば、アクリル
ゴム系のゴム状ポリマー、シリコンゴム系のゴム状ポリ
マー、共役ジエンゴム系のゴム状ポリマー、オレフィン
ゴム系ゴム状ポリマー、ポリエステルゴム系ゴム状ポリ
マー、ウレタンゴム系ゴム状ポリマー、複合化ゴムやエ
ポキシ基と反応する官能基を有するゴム状ポリマーが例
示できる。特にこれらのゴム状ポリマーのなかでエポキ
シ基と反応する官能基を有するものが好ましい。これら
液晶表示セルシール剤用組成物に用いるゴム状ポリマー
微粒子(4)は前記したものの中から1種または2種以
上混合して使用することができる。これらゴム状ポリマ
ー微粒子の具体例を以下に示す。
【0193】<アクリルゴム系のゴム状ポリマー微粒子
>アクリルゴム系のゴム状ポリマー微粒子の具体的な例
としては、例えばコア部がアクリルゴムからなるコア/
シェル型エマルションを乾燥して得られる粒子、また、
エポキシ樹脂中でアクリル系モノマーを非水分散重合さ
せてなる樹脂組成物、更には、エポキシ基と反応する官
能基を導入してなるアクリルゴムポリマー溶液を別個に
調整後、エポキシ樹脂中に投入または滴下して、機械的
に混合し、脱溶剤またはグラフト化させてアクリルゴム
微粒子をエポキシ樹脂中に安定的に分散させた樹脂組成
物などがある。
【0194】<シリコンゴム系のゴム状ポリマー微粒子
>シリコンゴム系のゴム状ポリマー微粒子の具体的な例
としては、例えば粉末状のシリコンゴム微粒子、また、
エポキシ樹脂に二重結合を導入してその二重結合と反応
可能な片末端アクリレート基を持つシリコンマクロモノ
マーを反応させた後、ビニルシリコンとハイドロジェン
シリコンとを仕込み、分散重合させた樹脂組成物があ
る。
【0195】<共役ジエンゴム系のゴム状ポリマー微粒
子>共役ジエンゴム系のゴム状ポリマー微粒子の具体的
な例としては、例えば1,3−ブタジエン、1,3−ペ
ンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、クロ
ロプレン等のモノマーを重合または共重合して得られた
共役ジエンゴム状ポリマー微粒子が例示でき、すでに公
知の物で良く、特に制約はない。市販品をそのまま使用
することができる。より具体的な共役ジエンゴムの例と
しては、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体、
末端にカルボキシル基を有するブタジエンとアクリロニ
トリルとの共重合体、末端にアミノ基を有するブタジエ
ンとアクリロニトリルとの共重合体等がある。
【0196】<オレフィンゴム系ゴム状ポリマー微粒子
>オレフィンゴム系ゴム状ポリマー微粒子の具体的な例
としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、
2−ブテン、イソブテン等の単独非晶質重合体または共
重合可能な他のモノマーとの共重合体やターポリマーか
らなる微粒子またはその組成物が例示できる。オレフィ
ンゴムラテックス等の形で市販されている物を、エポキ
シ樹脂中で脱水処理し、オレフィンゴムをエポキシ樹脂
中に分散安定化させてなる樹脂組成物も良い例である。
【0197】<ポリエステルゴム系ゴム状ポリマー微粒
子>ポリエステルゴム系ゴム状ポリマー微粒子とは、ポ
リマー骨格にポリエステル結合が含有されているゴム状
ポリマーからなる微粒子であり、特に制約はない。具体
的なポリエステルゴムの例を挙げれば、例えば液状ポリ
シロキサンジオール、液状ポリオレフィンジオール、ポ
リプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等か
ら選ばれた少なくとも1種のジオール成分と、必要に応
じてトリオール以上の多価アルコール化合物の共存下
に、アジピン酸、マレイン酸、コハク酸、フタル酸等か
ら選ばれた少なくとも1種の二塩基酸とから誘導される
低軟化点ポリエステル樹脂、また、前記二塩基酸の代わ
りに酸無水物を用いた低軟化点ポリエステル樹脂、また
はヒドロキシ多価カルボン酸等から誘導される低軟化点
ポリエステル樹脂が例示できる。
【0198】<ウレタンゴム系ゴム状ポリマー微粒子>
ウレタンゴム系ゴム状ポリマー微粒子とは、ゴム状ポリ
マー骨格にウレタン結合及び/又は尿素結合が含有され
ているゴム状ポリマーからなる微粒子であり、特に制約
はない。具体的なウレタンゴムの例を挙げれば、例えば
液状ポリシロキサンジオール、液状ポリオレフィンジオ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコ
ール等から選ばれた少なくとも1種からなるジオール成
分と、必要に応じてトリオール以上の多価アルコール化
合物の共存下に、ヘキサメチレンジイソシアナート、イ
ソフォロンジイソシアナート、トリレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、ノルボルナン
ジイソシアナート等で代表されるすでに公知のジイソシ
アナート化合物とを作用させて得られるゴム状ポリウレ
タン、更には、例えば液状ポリシロキサンジアミン、液
状ポリオレフィンジアミン、ポリプロピレングリコール
ジアミン等から選ばれた少なくとも1種の長鎖ジアミン
成分と、必要に応じてトリアミン以上の多価アミン化合
物の共存下に、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソ
フォロンジイソシアナート、トリレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、ノルボルナン
ジイソシアナート等で代表されるすでに公知のジイソシ
アナート化合物とを作用させて得られるゴム状ポリウレ
タン等を例示出来る。
【0199】<複合化ゴム粒子>複合化ゴム粒子として
は、例えば前記のアクリル系、シリコン系、共役ジエン
系、オレフィン系、ポリエステル系、ウレタン系の2種
以上からなるグラフトポリマー及び/又はブロックポリ
マーまたはコアシェルポリマー、複層ポリマー等からな
る微粒子が例示できる。
【0200】<エポキシ基と反応する官能基を有するゴ
ム状ポリマー>エポキシ基と反応する官能基を有するゴ
ム状ポリマーとしては、例えば前記のアクリル系、シリ
コン系、共役ジエン系、オレフィン系、ポリエステル
系、ウレタン系の粒子にエポキシ基と反応する官能基を
導入してなるものが代表的な例である。このエポキシ基
と反応する官能基を有するゴム状ポリマーでは、エポキ
シ基と反応する官能基を有する単量体に由来する繰り返
し構造がゴム状ポリマー中に占める重量割合で0.1乃
至25質量%であることが好ましい。エポキシ基と反応
する官能基を有する単量体に由来する繰り返し構造の含
有量を0.1質量%以上、25質量%以下とすることで
得られる液晶表示セルシール剤用組成物の接着性が著し
く向上する。
【0201】エポキシ基と反応しうる官能基としては、
例えば、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、カルボキ
シル基、酸無水物基、エポキシ基、ヒドロキシル基等が
挙げられる。ゴム状ポリマーには、これらの官能基のう
ち少なくとも1種を0.01乃至25質量%導入されて
いるものが好ましく、0.1乃至10質量%導入されて
いるものがより好ましい。
【0202】官能基の導入方法には、特に限定はなく、
官能基含有モノマーと主鎖ポリマーを構成するモノマー
とのランダム共重合法、交互共重合法、縮合重合法、付
加重合法、コア−シェル重合法による導入方法、イオン
吸着導入法、膨潤含浸導入法、ゴム状粒子を形成するポ
リマーへグラフト重合する方法等いずれの方法でもよ
い。このなかでも共重合したり、グラフト重合方法が、
少ない量で効率良くゴム状ポリマー微粒子表面近傍に必
要な官能基を配置導入出来るので好ましい。
【0203】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物で
は、ゴム状ポリマー微粒子(4)がエポキシ樹脂中に粒
子として形状を保持するものが好ましい。エポキシ樹脂
中にゴム状ポリマー微粒子(4)が粒子として存在して
いることを判別する手段としては、特に制約するもので
はないが、例えば濁りの無いエポキシ樹脂とゴム状ポリ
マー微粒子との混合物を作り、同組成物を光学顕微鏡で
観察し、該ゴム状ポリマー微粒子が粒子として存在する
ことを確認する方法、また同組成物にポリメルカプタン
系硬化剤の所定量を加えて硬化させて得た硬化体の微小
切片の破断面をオスミウム酸染色増感して走査型電子顕
微鏡にて観察し粒子の存在を確認する方法等が適宜採用
できる。
【0204】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物中
では、ゴム状ポリマー微粒子(4)がエポキシ樹脂
(1)と事前にグラフトしていても良く、グラフトして
いなくても良い。本発明の液晶表示セルシール剤用組成
物中ならびに液晶表示セル用シール剤中のゴム状ポリマ
ー微粒子(4)の種類とその量ならびに粒子径を把握す
る方法としては、特に限定するものではないが、例えば
その硬化体の断片について走査型電子顕微鏡像(SE
M)を解析する方法、または該断片をオスミウム酸染色
増感させた後、透過型電子顕微鏡(TEM)にて粒子像
を確認する方法、またSEM観察と同時に元素分析解析
像とを比較して同定ならびに定量する方法、該ミクロ層
を顕微赤外吸収スペクトル測定して判別する方法、ミク
ロ層を熱線照射させて分解発生してくるガス成分を同定
して判別する方法、ミクロ層の体積比容から換算して質
量比を求める方法等適宜組み合わせて行うことができ
る。
【0205】(5)無機質充填剤 無機質充填剤(5)としは、通常電子材料分野で無機充
填剤として使用可能なのものであればいずれでもよい。
具体的には、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウ
ム、珪酸ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化アル
ミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸化珪素、チタン
酸カリウム、カオリン、アスベスト粉、非晶質シリカ
粉、石英粉、雲母、ガラス繊維、カーボンブラック、窒
化珪素、窒化アルミ、三窒化チタン等が挙げられ、それ
らの1種または2種以上を混合して使用できる。好まし
い無機充填剤(5)は、高純度シリカ及び/又は高純度
アルミナまたは酸化チタンである。
【0206】より好ましくは、湿式分解物の原子吸光分
析法で求めたアルカリ金属の含有量の総和量が50pp
m以下、さらに好ましくは30ppm以下、特に好まし
くは15ppm以下である高純度シリカ及び/又は高純
度アルミナまたは酸化チタンが挙げられる。これらを使
用することで本発明の液晶表示素子用シール剤組成物硬
化体から液晶相へ遊離イオンが移行するのを抑止でき
る。アルカリ金属の含有量の総和を50ppm以下とす
る為の精製方法には、特に制約はなく、例えば製造原料
の段階で水溶液とし、イオン交換法精製法等の精製方法
で得ることができる。
【0207】また、無機質充填剤(5)は、632.8
nm波長のレーザー法粒子径測定器により求めた重量加
積曲線上の99重量%粒子径値(d99)が5μm以下に
あるものが好ましく、さらに質量加積曲線上の50重量
%値で示される重量平均粒子径値(d50)が0.005
乃至1μmの範囲であるものがより好ましい。一般的に
は、d99が5μm以下である無機質充填剤を用いると液
晶パネルのギャップ幅の寸法安定性が一層向上し好まし
い。
【0208】本発明の液晶表示素子用シール剤組成物で
は、無機質充填剤(5)は必要に応じて用いられるが、
好ましい含有割合としては5乃至45質量%である。5
質量%以上含有させる事でスクリーン印刷またはディス
ペンサー塗布作業性を向上でき、また、45質量%以下
とすることで組成物の流動性を確保でき、スクリーン印
刷時のカスレ又はディスペンサー詰まりを多発すること
なく塗布作業でき好ましい。特に10乃至40質量%の
範囲が好ましい。
【0209】また、無機質充填剤(5)は特に制約する
ものではないが、事前にエポキシ樹脂(1)やシランカ
ップリング剤(6)でグラフト化変性させたのち使用す
ることが好ましい。グラフト化変性は、無機充填剤
(5)の一部または全部に対してグラフト化変性されて
いてよい。その際、グラフト化率は、繰り返し溶剤洗浄
法で求めた質量増加率で表され、通常無機質充填剤
(5)の100質量部当たりエポキシ樹脂(1)、シラ
ンカップリング剤(6)のいずれか又は双方の1乃至5
0質量部が化学的に結合されていることが好ましい。
【0210】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物中
の無機質充填剤(5)の種類とその量を把握する方法と
しては、特に限定するものではないが、例えば濾過分取
法、X線回析スペクトル法、元素分析法、加熱焼却残渣
法、湿式熱分解−原子吸光法、電子顕微鏡観察像解析法
等を適宜組み合わせて行えば良い。また、その硬化体で
ある液晶表示セル用シール剤中の無機質充填剤の種類と
その量を把握する手段としては、特に限定するものでは
ないが、例えばX線回析スペクトル法、元素分析法、加
熱焼却残渣法、湿式熱分解−原子吸光法、電子顕微鏡観
察像解析法等を適宜組み合わせて行って良く、特に限定
はない。
【0211】(6)シランカップリング剤 本発明の液晶表示素子用シール剤組成物では、必要に応
じてシランカップリング剤(6)を用いるが、その好ま
しい含有割合は0.1乃至5質量%である。0.1質量
%以上の使用でガラス基板に対する接着性が確保でき、
また5質量%以上を越えて使用してもそれ以上顕著な作
用効果を引き出せない。好ましくは0.5乃至3質量%
である。
【0212】シランカップリング剤(6)としては、通
常用いるものはいずれでも使用することができるが、例
えばトリアルコキシシラン化合物またはメチルジアルコ
キシシラン化合物等を挙げることができる。好ましく
は、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシシラ
ン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、 N−アミノエチル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、 N−アミノエチル−γ−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル
−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フ
ェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピ
ルトリエトキシシラン等が例示出来る。なかでもγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナー
トプロピルトリエトキシシランから選ばれた1種または
2種以上がより好ましい。
【0213】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物中
のシランカップリング剤(6)の種類とその量を把握す
る方法としては、特に限定するものではないが、例えば
溶剤抽出分取法、NMRスペクトル同定法、ガスクロマ
ト法、蒸留分取法法等を適宜組み合わせて行えば良い。
またその硬化体である液晶表示セル用シール剤中のシラ
ンカップリング剤の種類とその量を把握する手段として
は、特に限定するものではないが、例えば熱分解ガスク
ロ−マススペクトル法、固体NMR法等を適宜組み合わ
せて行うことができ、特に限定はない。
【0214】(7)溶剤 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物では、該組成物
100質量部に対し、さらにエポキシ樹脂と相溶し、か
つ沸点が150乃至220℃の範囲にあるエポキシ基に
対して不活性な溶剤(7)を1乃至25質量部の範囲で
含有させて良い。溶剤を含有させることでスクリーン印
刷適性や接着被着体への濡れ性の向上が図れる。好まし
くは、沸点が160乃至200℃の範囲にある高沸点溶
剤が挙げられる。
【0215】溶剤(7)の具体的な例としては、特に制
約するものではないが、例えば、シクロヘキサノンの如
きケトン溶剤、エーテル溶剤、アセテート溶剤が好まし
い例である。エーテル溶剤の具体的な例として、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エ
チレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコー
ルジフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジフェニルエーテルが挙げられる。
【0216】また、アセテート溶剤として好ましくは、
例えばエチレングリコールモノアセテート、エチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコー
ルモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコー
ルジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセ
テート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールジアセテート等が挙げられる。
【0217】特に好ましい溶剤(7)としては、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールジアセテートから選ばれ
た少なくとも1種である。
【0218】液晶表示セルシール剤用組成物中の溶剤の
種類やその量比を知る方法としては特に制約はないが、
例えば乾燥減量法、ガスクロマト(分取)法、蒸留分取
法、ガスマス法、赤外吸収スペクトル法、NMR法等を
適宜組み合わせて行えば良い。
【0219】(8)50℃以上の軟化点温度を持ちその
一次粒子の一次平均粒子径が2μm以下である高軟化点
ポリマー微粒子 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物では、必要に応
じて、該組成物100質量部に対して、高軟化点ポリマ
ー微粒子(8)を0.1乃至25質量部の範囲で含有さ
せて良い。0.1質量部以上併用使用することで、真空
枚葉熱プレスまたは剛性枚葉熱プレス一次接着工程で貫
通泡や滲み出しの発生の無いシール接着をより一層確実
なものとすることができ、また、25質量%以下の併用
使用でギャップ出し作業性を十分確保できることから好
ましい。
【0220】高軟化点ポリマー微粒子(8)とは、TB
Aから求めた軟化点温度で50℃以上の軟化点温度を持
ち、かつ電子顕微鏡観察による一次粒子の平均粒子径が
2μm以下の高軟化点アクリルポリマー微粒子(8)
(以下、単に高軟化点ポリマー微粒子と呼ぶ事があ
る。)である。高軟化点アクリルポリマー微粒子(8)
の一次粒子の平均粒子径を、2μm以下とすることでギ
ャップ出し作業性が確保できる。一次粒子の平均粒子径
は0.01乃至1μmの範囲とすることが好ましく、
0.2乃至0.5μmの範囲とすることがより好まし
い。
【0221】高軟化点アクリルポリマー微粒子(8)は
架橋型、非架橋型いずれでも使用することができるが、
架橋型が好ましく、特に微架橋構造を持つ高軟化点アク
リルポリマー微粒子がより好ましい。微架橋構造を持つ
高軟化点アクリルポリマー微粒子は、ポリマーを製造す
る際に架橋性モノマーを全モノマー中に0.1乃至5質
量%の範囲、好ましくは1乃至3質量%にすることによ
り製造することができる。
【0222】微架橋度の指標の一つとしては、ゲル分率
がある。これは、10gの高軟化点ポリマー微粒子を5
0gのメチルカルビトール溶剤中に分散し、25℃1時
間攪拌後に濾過、濾液量とその濾液中のポリマー含有量
(溶解量)を求め、 ゲル分率(%)=(溶解量/10g)×100 とする指標である。このゲル分率指標で0乃至50%の
範囲が好ましく、0乃至5%であることが更に好まし
い。高軟化点アクリルポリマー微粒子は、化学構造式か
ら算出される濡れ指数で9乃至11の範囲にあるものが
好ましく、9.3乃至10.5の範囲に有るものがより
好ましい。
【0223】高軟化点アクリルポリマー微粒子(8)の
具体的な例としては、例えば0.1乃至5質量%の架橋
性モノマーを共重合させてなる微架橋型のポリメタクリ
ル酸メチルエステル主成分型ポリマー、アイオノマー構
造を0.1乃至5質量%の範囲で持つポリメタアクリル
酸メチルエステルポリマーが例示できる。この高軟化点
アクリルポリマー微粒子では、その粒子表面にエポキシ
基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、カルボキシル
基等の1種の官能基を導入されていることが一層好まし
い。更に好ましくは、60乃至150℃の軟化点温度を
持ち、その一次粒子径が0.01乃至1μmの範囲にあ
るものである。
【0224】ところで、本発明の液晶表示セルシール剤
用組成物では、前記のゴム状ポリマー微粒子(4)と高
軟化点アクリルポリマー微粒子(8)とが事前に複合化
されていても良く、例えば、ゴム状ポリマー微粒子
(4)がコア相をなし高軟化点アクリルポリマー微粒子
(8)がシェル相を形成してなるいわゆる(4)と
(8)のコアシェル型複合微粒子(A)とする態様挙げ
られる。また、その逆の高軟化点アクリルポリマー微粒
子(8)をコア相とし、ゴム状ポリマー微粒子(4)を
シェル相とするコアシェル型複合微粒子(B)を用いる
態様例も好ましい例である。特に前者のコアシェル型複
合微粒子(A)を使用する態様例が好ましい。コア相と
してゴム状ポリマー微粒子(4)を内包するコアシェル
型複合微粒子(A)では、コア:シェルの質量比が
(1:0.3)乃至(1:2)の範囲にあることが望ま
しい。液晶表示セルシール剤用組成物中または液晶表示
セル用シール剤中の高軟化点ポリマー微粒子の種類また
はその量比を求める方法としては、特に限定はなく、前
記ゴム状ポリマー微粒子の測定方法と同様な方法で行う
ことができる。
【0225】(9)ギャップ出しコントロール剤 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物では、前記のエ
ポキシ樹脂組成物に更にギャップコントロール剤(9)
を含有させた組成物がより好ましい態様である。ギャッ
プ出しコントロール剤(9)とは、液晶表示素子のギャ
ップ幅をおよそ3乃至7μmの幅で任意かつ正確に調節
するための物質であり、そのような調節ができるもので
あれば有機質または無機質のいずれでも使用することが
できる。ギャップ出しコントロール剤(9)は、必要に
応じて本発明の液晶表示セルシール剤用組成物100質
量部に対して0.1乃至5質量部の割合で適宜含有させ
ることが好ましい。より好ましくは0.5乃至2.5質
量部の範囲である。
【0226】ギャップ出しコントロール剤(9)として
は、例えばエポキシ樹脂(1)又は必要に応じて用いる
溶剤(7)などによって変形や溶解、膨潤されない真球
状、ラグビーボール状粒子、棒状繊維等の上下左右対象
の無機質粒子または熱硬化性のポリマー粒子が挙げられ
る。ギャップ出しコントロール剤(9)の無機質粒子の
例としては、真球シリカ粒子、真球アルミナ粒子、ガラ
ス短繊維、金属短繊維、金属粉等が挙げられる。また、
有機質のギャップ出しコントロール剤(9)としては、
熱硬化性のポリスチレン真球状粒子や、その他、フェノ
ール樹脂系熱硬化粒子、ベンゾグアナミン樹脂系熱硬化
粒子等が挙げられる。無機質粒子はギャップ精度を高精
度で制御可能であるので、特に好ましい例である。
【0227】液晶表示セルシール剤用組成物中または液
晶表示セル用シール剤中のギャップコントロール剤の種
類またはその量比を求める方法としては、特に限定はな
いが、例えば硬化体のSEM観察像解析法、同TEM観
察像解析法、分離濾別法、熱分解ガスクロ法、加熱残渣
X線回析法、元素分析法等が挙げられる。
【0228】(10)導電性ビーズ 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物では、シール機
能と合わせ異方導電性の機能を同時に付与する目的で、
前記のエポキシ樹脂組成物100質量部に対し、更に導
電性ビーズ(10)を1乃至15質量部を併用して含有
させてなる組成物も好ましい態様として包含される。導
電性ビーズを1乃至15質量部の割合で含有させること
で、異方導電性の機能を付与できる。1質量部以上の使
用で、上下導通性機能を付与でき、15質量部未満とす
ることで両横(左右)電極間の絶縁特性の確保ができる
ので好ましい。導電性ビーズ(10)としては、特に制
約するものではないが、例えば平均粒子径が3乃至10
μmで、かつ最大粒子径が10μm以下、最小粒子径が
0.1μm以上の導電性ビーズが好ましい。
【0229】導電性ビーズ種としては、特に制約するも
のではないが、以下に具体例を示す。例えば、貴金属粒
子、貴金属合金粒子、卑金属粒子、卑金属合金粒子、そ
の他金属被覆型有機物粒子や金属被覆型絶縁性無機粒子
などであっても良い。
【0230】(貴金属)例えば金、銀、白金等が例示で
きる。 (貴金属合金)例えば、銀・銅合金、金・銅合金、金・
銀合金、白金・銀合金、金・白金合金、金・ニッケル合
金、銀・ニッケル合金等が例示できる。
【0231】(卑金属)例えば、銅、ニッケル、錫、タ
ングステン等を例示できる。 (卑金属合金)例えば、銅・ニッケル合金、銅・錫合
金、ハンダ等を例示できる。
【0232】(金属被覆型有機物粒子)例えば、ポリス
チレンやポリメタクリル酸メチルで代表される有機ポリ
マー粒子に、前記導電性金属皮膜を形成させたものが代
表的な例である。市販品として積水ファインケミカル社
より商品名「ミクロパールAUシリーズ」が知られ、好
ましく使用できる。
【0233】(金属被覆型絶縁性無機粒子)例えば、雲
母やガラスビーズで代表される高絶縁性の無機質粒子に
前記導電性金属皮膜を形成させたものが代表的な例であ
る。導電性ビーズとして、その一次分散安定性が確保し
やすい点で、金属被覆型有機物粒子を本発明の液晶表示
セルシール剤用組成物中に占める割合で3乃至7体積%
含有させた態様が好ましい。特に、本発明の液晶表示セ
ルシール剤用組成物では、導電性ビーズ(10)が有機
ポリマーを芯に持ち、金、銀、金・銅合金、銀・銅合
金、ニッケルまたはそれらの合金等から選ばれた少なく
とも1種の金属被覆相からなっている導電性ビーズを使
用するものが好ましい。
【0234】導電性ビーズの平均粒子径は、前記の範囲
とすることが良く、平均粒子径が1μm以下のものの使
用では電極間に導電性粒子があっても良好な上下導通特
性が得られにくく、一方、平均粒子径または最大粒子径
が10μmを超えたものを使用するとショート原因とな
りやすい。なお、液晶表示セルシール剤用組成物中また
は液晶表示セル用シール剤中の導電性ビーズ(導電粒
子)の種類またはその量比を求める方法としては、特に
限定はなく、元素分析法、硬化体のTEMまたはSEM
像解析法、濾過分別法等を適宜組み合わせて行うことが
できる。
【0235】その他添加剤 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物では、必要に応
じて、更にワックス、レベリング剤、顔料、染料、可塑
剤、消泡剤の使用が可能である。
【0236】(11)ワックス 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物では、接着性を
保持しつつ低透湿性機能の向上ならびに低吸水性のより
一層の向上を主目的として、ワックス(11)を使用す
ることができる。そのワックス(11)の使用割合とし
ては、本発明の液晶表示セルシール剤用組成物の100
質量部に対してワックス0.1乃至5質量%含有するの
が良い。液晶表示セルシール剤用組成物100質量部に
対してワックスを0.1質量部以上、5質量部以下とす
ることで、該硬化体の80℃、相対湿度95%以上の高
温高湿環境下で、その硬化物の80℃透湿度をよりいっ
そう小さくできる。それに伴って、高耐久性に富む液晶
表示セルの製造可能になる。
【0237】ワックス(11)としては特に限定はな
く、いずれのワックスでも使用することができる。例え
ば、動物系天然ワックス、植物系天然ワックス、鉱物系
天然ワックス、石油系ワックス、合成炭化水素系ワック
ス、変性ワックス、水素化ワックス等が挙げられる。こ
のなかでも、融点が70℃以上150℃以下のワックス
が好ましく、カルナバワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、変性フ
ィッシャートロプッシュワックスがより好ましい。
【0238】また、ワックス(11)を含有させてなる
本発明の液晶表示セルシール剤用組成物では、その液晶
表示セルシール剤用組成物の硬化前の状態に於いて、ワ
ックスは独立した一次粒子として存在していることが好
ましく、電子顕微鏡や光学顕微鏡観察による一次粒子の
平均粒子径は、0.01乃至5μmの範囲にあることが
好ましく、0.01乃至3μmの範囲にあることがより
好ましい。以下にワックス(11)のより具体的な例を
示す。
【0239】(動物系天然ワックス)例えば、蜜ロウ、
鯨ロウ、セラックロウ等が挙げられる。 (植物系天然ワックス)例えば、カルナバワックス、オ
リキュリーワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、
ケーンワックス等が挙げられる。 (鉱物系天然ワックス)例えば、モンタンワックス、オ
ゾケライト、セレシン等が挙げられる。 (石油系ワックス)例えば、パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0240】(合成炭化水素系ワックス)例えば、フィ
ッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリエ
チレンワックス及びその誘導体、ポリプロピレンワック
ス及びその誘導体等が挙げられる。 (変性ワックス)例えば、酸化ワックス、モンタンワッ
クス、酸変性ワックス等が挙げられる。 (水素化ワックス)例えば、ステアリン酸アミドワック
ス等のアミドワックス、ポリエステルワックス、オパー
ルワックス等が挙げられる。
【0241】液晶表示セルシール剤用組成物の調整方法 本発明の液晶表示セルシール剤用組成物の調整は、
(1)エポキシ樹脂、(2)多価フェノール硬化剤、
(3)アルキル尿素誘導体及びフォスファゼン化合物か
ら選ばれる少なくとも1種からなる硬化促進剤、必要に
応じて更に(4)0℃以下の軟化点温度を持ち、その一
次粒子の平均径が5μm以下であるゴム状ポリマー微粒
子、(5)無機質充填剤、(6)シランカップリング
剤、(7)溶剤、(8)高軟化点ポリマー微粒子、
(9)ギャップ出しコントロール剤、(10)導電性ビ
ーズ、(11)ワックス、レベリング剤、顔料、染料、
可塑剤、消泡剤等のその他添加剤等を適宜添加し、混合
すれば良く特に限定はない。混合には、例えば、双腕式
攪拌機、ロール混練機、2軸押出機等すでに公知の機械
を用いて行って良く、最終的に真空脱泡処理後にガラス
瓶やポリ容器に密封充填され、貯蔵、輸送される。
【0242】液晶表示セルシール剤用組成物の物性 液晶表示セルシール剤用組成物の硬化前の粘度として
は、特に限定はないが、ブルックフィールド型粘度計
(B型粘度計)やE型粘度計による25℃粘度が1乃至
1000Pa・sの範囲が好ましく、5乃至500Pa
・sの範囲がより好ましく、10乃至200Pa・sの
範囲が最も好ましい。本発明の液晶表示セルシール剤用
組成物は、事前に加熱養生等の方法で前記の範囲に粘度
調製をして製造される。また、B型粘度計またはE型粘
度計のローター番号を同一とする毎分1回転のズリ速度
から求められた1rpm粘度値と10回転のズリ速度の
時の10rpm粘度値の比(1rpm粘度値/10rp
m粘度値)であらわされるチクソ指数には、特に制約は
ないが、好ましくは1乃至3の範囲であることが望まし
い。
【0243】液晶表示素子の製造方法 本発明の液晶表示素子の製造方法は、TN液晶、STN
液晶、強誘電液晶、反強誘電液晶を用いてなる液晶表示
素子の製造において、本発明の液晶表示セルシール剤用
組成物をガラス製またはプラスチック製の液晶セル用基
板の接合シール構成部位に印刷またはディスペンス塗布
し、50乃至120℃の温度でプレキュアー後、もう一
方の対基板とで位置合わせを行って重ね合わせて仮固定
後、その対基板を80乃至200℃で熱圧締処理し、該
対基板を3乃至7μmの範囲で均質な厚みに接合固定し
た後、該セル内に液晶材料を注入し、注入孔を光硬化型
液晶シール剤組成物または2液型液晶シール剤組成物で
封孔させて得る事を特徴とする製造方法である。
【0244】また、本発明の別の液晶表示素子の製造方
法は、TN液晶、STN液晶、強誘電液晶、反強誘電液
晶を用いてなる液晶表示素子の製造に、本発明の液晶表
示セルシール剤用組成物をガラス製またはプラスチック
製の液晶セル用基板の接合シール構成部位に印刷または
ディスペンス塗布し、50乃至120℃の温度でプレキ
ュアー後、液晶を滴下させて空気を閉じ込めない様にも
う一方の対基板を重ね合わせ、位置合わせをして、仮固
定後、その対基板を80乃至150℃で熱圧締処理し、
該対基板を3乃至7μmの範囲で均質な厚みに接合固定
させた後、呼吸孔を光硬化型液晶シール剤組成物または
2液型液晶シール剤組成物で封孔させて得ることを特徴
とする製造方法である。
【0245】その際、溶剤を含有している液晶表示セル
シール剤用組成物を完全硬化させて接着シールするに
は、事前にプレキュアーが必要である。プレキュアー条
件には特に制約はないが、含有する溶剤分を100とし
てその少なくとも95質量%以上が脱溶剤化でき、かつ
含有する硬化剤の熱活性温度以下の加熱乾燥温度を選択
することが一般的であり、70乃至120℃が好まし
い。一般的なプレキュアー条件として、より好ましくは
プレキュアー温度が80℃乃至100℃の範囲、熱処理
時間として30乃至5分である。高温化するほど短時間
乾燥にすることが好ましい。120℃を超えたプレキュ
アーであっても脱溶剤化は可能であるが、硬化反応の進
行でギャップ幅の精度が低下する傾向にあり注意が必要
である。用いられる液晶セル用基板としては、例えば、
ガラス基板、プラスチック基板が挙げられる。これらの
基板群では、当然の事として酸化インジウムで代表され
る透明電極やポリイミド等で代表される配向膜、その他
無機質イオン遮蔽膜等が必要部に施工されてなる、いわ
ゆる液晶セル構成用ガラス基板または同プラスチック基
板が用いられる。
【0246】基板に液晶表示セルシール剤用組成物を塗
布する方法には、特に限定はなく、例えばスクリーン印
刷塗布方法またはディスペンサー塗布方法などで行うこ
とができる。また、塗布後は、必要に応じてプレ乾燥し
た後、張り合わせ、加熱圧締接着シールする方法で接合
するが、その際の加熱硬化条件としては特に制約するも
のではないが、100乃至200℃で24乃至0.5時
間、好ましくは110乃至180℃で24乃至1時間と
することが望ましい。
【0247】また、熱圧締・接着工程を枚葉熱プレスで
もって実施する際は、仮接着性を確保出来る条件、特に
制約するものではないが、好ましくは110乃至180
℃で10乃至2分程度接合後、圧を開放、取り出し、引
き続き同温度下に調整された加熱オーブン中で完全硬化
養生させるなどの2段または複数の加熱工程や養生工程
を経て製造する。ここで、枚葉熱プレスとは、一セット
枚づつ接合する仕様の熱プレス機を意味し、真空下に熱
を加えることが出来る枚葉熱プレス機器を真空枚葉熱プ
レス、および大気圧下で熱板を介して強制的に加熱圧締
接着するタイプの剛体枚葉熱ブレスとが知られている。
いずれの枚葉熱プレス方式であってもよい。また熱圧締
・接着工程を前記枚葉熱プレス等とは別に、多段熱プレ
スを用いても何ら問題ない。
【0248】液晶表示素子 本発明の液晶表示素子とは、本発明の液晶表示セルシー
ル剤用組成物をガラス製またはプラスチック製の液晶セ
ル用基板の接合シール構成部位に印刷またはディスペン
ス塗布し、70乃至120℃でプレキュアー後、もう一
方の未塗布対象同基板との対で位置合わせを行った後、
その対基板を100乃至200℃で熱圧締処理し、該対
基板を3乃至7μmの範囲で均質な厚みに接合固定させ
ることによって得られ、該セル内に液晶材料を注入し、
注入孔を2液型液晶シール剤組成物で封孔して得られる
液晶表示素子、または本発明の液晶表示セルシール剤用
組成物をガラス製またはプラスチック製の液晶セル用基
板の接合シール構成部位に印刷またはディスペンス塗布
し、50乃至120℃の温度でプレキュアー後、もう一
方の対基板を重ね合わせ、液晶を滴下させて空気を閉じ
込めない様に張り合わせ、適宜仮固定後、その対基板を
80乃至150℃で熱圧締処理し、該対基板を3乃至7
μmの範囲で均質な厚みに接合固定させた後、呼吸孔を
光硬化型液晶シール剤組成物または2液型液晶シール剤
組成物で封孔して得ることを特徴とする液晶表示素子の
製造方法によって得られる液晶表示素子である。
【0249】光硬化型液晶シール剤組成物としては、特
に制約するものではないが、例えば多価アクリレート樹
脂と光開始剤とを含有してなる組成物、エポキシ樹脂と
紫外線光開始剤とを含有してなる樹脂組成物、オキセタ
ン化合物と紫外線光開始剤とを含有してなる組成物、エ
ポキシ樹脂とオキセタンと光開始剤とを含有してなる樹
脂組成物等であって良い。
【0250】2液型液晶シール剤組成物としては、特に
制約するものではないが、例えばエポキシ樹脂とポリア
ミド硬化剤からなる2液型液晶シール剤組成物、エポキ
シ樹脂とポリチオール硬化剤からなる2液液晶シール剤
組成物、エポキシ樹脂とポリアミン硬化剤とからなる2
液型液晶シール剤組成物等が例示できる。液晶材料にも
制約はなく、例えばネマチック液晶や強誘電液晶等が好
適に使用できる。
【0251】本発明で得られた液晶表示素子としては、
例えば、エム シャツト(M.Schadt)とダブリ
ユ ヘルフリッヒ(W.Helfrich)らが提唱し
たTN型(Twisted Nematic)の液晶素
子あるいはSTN型(Super Twisted N
ematic)の液晶素子、または、クラーク(N.
A.Clark)とラガウェル(S.T.Lagerw
all)により提唱された強誘電型液晶素子、また薄膜
トランジスター(TFT)を各画素に設けた液晶表示素
子等が好ましい例として挙げられる。
【0252】
【実施例】以下、代表的な実施例及び比較例により本発
明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。例中の%及び部は、それぞれ質量%、質量部
を表す。また、各例で用いた原材料種(略記号)は以下
の通りである。 試験方法 実施例、比較例で液晶表示セルシール剤用組成物及びそ
の硬化体について行う評価試験の方法を示す。
【0253】(貯蔵安定性試験)液晶表示セルシール剤
用組成物100部をポリエチレン製容器に入れ、密封し
た後、密封時の20℃B型粘度値を100とし、−10
℃/30日経過後の同粘度値の変化率で表す。 〇:10%未満の変化率で、貯蔵安定性が良好 △:10乃至50%の変化率で、貯蔵安定性にやや問題
あり ×:50%を超える変化があり、貯蔵安定性不良
【0254】(塗付作業性試験)氷点下以下のポリエチ
レン製容器に密封保存された液晶表示セルシール剤用組
成物を取り出し、2時間かけて室温25℃に戻した。そ
の時点の25℃B型粘度値を100とし、25℃で12
時間放置後の粘度変化率で表す。 〇:15%未満の変化率で、塗付作業性は良好 △:15乃至50%の変化率で、塗付作業性にやや欠け
る ×:50%を超える変化があり、塗付作業適性に著しく
欠ける
【0255】(Bステージ化組成物の80乃至100℃
E型粘度特性)各例の液晶シール剤組成物を平滑な離型
フィルム上に厚さ10乃至50μに塗布し、各例のBス
テージ化条件で得られたBステージ化組成物塊0.6部
をすばやく採取し、E型粘度計(コーンカップ粘度計)
にて、40℃から1℃/2分で等速昇温させて120℃
までの(温度)−(0.5rpm回転粘度)の粘度曲線
を求めた。その粘度曲線から、90℃粘度を求めた。 ×(−):90℃粘度が5Pa・s未満 〇:90℃粘度が5乃至300Pa・s ◎:90℃粘度が301乃至1000Pa・s ×(+):90℃粘度が1000Pa・sを越える
【0256】(透湿度特性)各例の液晶シール剤組成物
を平滑な離型フィルム上に厚さ70乃至120μに塗布
し、80℃で30分熱処理後、更に150℃で90分熱
硬化させて得られた硬化膜を切り出し、日本工業規格
(JIS)の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ
法)JIS−Z−0208に準じた透湿度試験を実施
し、60℃および80℃で24時間に透湿した膜厚10
0μm当たりの水蒸気量(単位;g/m2・24hr
s)を求めた。 ◎:60℃透湿度特性が35g/m2・24hrs未満
で、液晶表示セルシール剤用組成物が低透湿性に特に優
れる 〇:60℃透湿度特性が35乃至80g/m2・24h
rsで、液晶表示セルシール剤用組成物が低透湿性に優
れる △:60℃透湿度特性が81乃至150g/m2・24
hrsで、液晶表示セルシール剤用組成物の低透湿性が
かなり低い ×:60℃透湿度特性が151乃至250g/m2・2
4hrsで、液晶表示セルシール用組成物が低透湿性に
やや欠ける ××:60℃透湿度特性が251g/ m2・24hrs
以上で、液晶シール剤組成物が低透湿性に欠ける
【0257】また、80℃透湿度特性について、 ◎:80℃透湿度特性が100g/m2・24hrs以
下で、液晶表示セルシール剤用組成物が低透湿性に特に
優れる 〇:80℃透湿度特性が101乃至150g/m2・2
4hrsで、液晶表示セルシール剤用組成物が低透湿性
に優れる △:80℃透湿度特性が151乃至200g/m2・2
4hrsで、液晶表示セルシール剤用組成物の低透湿性
がかなり低い ×:80℃透湿度特性が201乃至350g/m2・2
4hrsで、液晶表示セルシール用組成物が低透湿性に
やや欠ける ××:80℃透湿度特性が351g/ m2・24hrs
以上で、液晶シール剤組成物が低透湿性に欠ける
【0258】(硬化体の線膨張係数)各例の液晶シール
剤組成物を平滑な離型フィルム上に厚さ70乃至120
μに塗布し、80℃で30分熱処理後、更に150℃で
90分熱硬化させて得られた硬化膜の小片(15mm
角)を切り出し、該硬化体を30℃から180℃まで毎
分5℃の昇温下にTMA測定した。30℃から80℃の
歪み量を50で割って1℃当たりの線膨張係数を求め
た。
【0259】(硬化体の熱変形温度)各例の液晶シール
剤組成物を平滑な離型フィルム上に厚さ70乃至120
μに塗布し、80℃で30分熱処理後、更に150℃で
90分熱硬化させて得られた硬化膜の小片(15mm
角)を切り出し、該硬化体を40℃から180℃まで毎
分5℃の昇温下にTMA測定した。歪み量変曲点をその
硬化体の熱変形温度(Tg)とした。
【0260】(硬化体の吸水率)各例の液晶シール剤組
成物を平滑な離型フィルム上に厚さ70乃至120μに
塗布し、80℃で30分熱処理後、更に150℃で90
分熱硬化させて得られた硬化膜を100mm角に切り出
し、該硬化体を煮沸水に30分、3時間または5時間浸
漬後の重量増加量を求め、その値を元の質量で割った値
に100を乗じた値を吸水率とした。すなわち、 吸水率(%)=(煮沸水浸漬後の質量増加量/試験前の
質量)×100 で示す。
【0261】(硬化体の硬度)各例の液晶シール剤組成
物を平滑な離型フィルム上で真空下に80℃で30分熱
処理後、その組成物を1cm四方、高さ2mmのアルミ
製セルに充填し、更に150℃で90分熱硬化させて得
られた硬化体の表面硬度を室温23℃下でショアーD硬
度計を用いて測定した。 ◎:ショアーD硬度が80以上で、剛性性に優れる 〇:ショアーD硬度が70以上80未満で、硬化体が剛
性に富む ×:ショアーD硬度が70未満で、剛性性に欠ける
【0262】(硬化体の貯蔵弾性率)各例の液晶シール
剤組成物を平滑な離型フィルム上に厚さ70乃至120
μに塗布し、80℃で30分熱処理後、更に150℃で
90分熱硬化させて得られた硬化膜を100mm角に切
り出し、該硬化体をレオメトリックス社製の動的粘弾性
試験機にて、周波数1ヘルツ、空気雰囲気下、毎分5℃
で等速昇温させて粘弾性曲線を得た後、100乃至15
0℃領域の貯蔵弾性率を求めた。 〇:貯蔵弾性率が1×105Pa乃至1×108Pa ×:貯蔵弾性率が9.9×104Pa以下
【0263】(遊離イオン濃度)各例の液晶表示セルシ
ール剤用組成物100質量部と同質量の超純水とを室温
下に30分攪拌混和させた水溶液のイオン伝導度を測定
した。 ◎:伝導度が2mS/m以下 〇:2.1乃至10mS/m ×:10.1乃至50mS/m ××:51mS/m以上
【0264】(接合シール試験)各例に示された条件下
で接着硬化を行って製造した液晶表示用セルを20倍拡
大鏡で拡大して肉眼で観察し、シールラインの乱れの有
無、および貫通泡の発生によるシール不良箇所の有無を
測定した。
【0265】(セルのくさび引き剥がし試験)各例に示
された条件下の枚葉プレス硬化工程を経て製造された液
晶表示用セルに60℃環境下でくさびを打ち込み、その
時の剥離状態で液晶表示セル用シール材組成物の接着力
を表す。 ◎:基板の破壊である場合で、耐熱接着性に優れる 〇:液晶表示セルシール剤用組成物の凝集破壊を一部伴
う場合で、耐熱接着性が良好 ×:界面剥離を伴う破壊が認められる場合で、耐熱接着
力に問題がある
【0266】(プレッシャークッカー試験後のセルのく
さび引き剥がし試験)各例に示された条件下の枚葉プレ
ス硬化工程を経て製造された液晶表示用セルを121℃
プレッシャークッカー試験機に2時間さらした後、取り
出し、常温下でくさびを打ち込み、その時の剥離状態で
液晶表示セル用シール材組成物の接着力を表す。 ◎:基板の破壊である場合で、耐熱接着性に優れる 〇:液晶表示セルシール剤用組成物の凝集破壊を一部伴
う場合で、耐熱接着性が良好 ×:界面剥離を伴う破壊が認められる場合で、耐熱接着
力に問題がある
【0267】(液晶シール剤用組成物の非滲みだし性)
各例に示された条件下の枚葉プレス硬化工程を経て製造
された液晶表示用セルに、液晶封入口から液晶のしきい
値電圧が1.38ボルト、液晶のΔεが12.4である
RC4087液晶材料[チッソ(株)製]を真空法で封
入した後、その封入口をストラクトボンドES−302
[三井化学(株)製]で封口し、フロント側に偏向板を
貼り付け、リヤ側には反射板つき偏向板を取り付けた。
その後、該ユニットに駆動回路等を実装させて液晶パネ
ルを作製した。その液晶パネルのシール剤近傍の液晶表
示機能が駆動初期から正常に機能するか否かで非滲み出
し性の評価判定を行った。 〇:シール際まで液晶表示機能が発揮出来ている場合
で、非滲み出し性が確保されている△:シール際の近傍
の1mm以内が正常に液晶表示されない場合で、やや非
滲み出し性に欠ける ×:シール際の近傍1.1mmを超えて表示機能の異常
が見られるで、非滲み出し性に著しく欠ける
【0268】(シール機能耐久性試験)各例に示された
条件下の枚葉プレス硬化工程を経て製造された液晶表示
用セルに、液晶封入口からRC4087液晶材料[チッ
ソ(株)製]を注入し、その封入口をストラクトボンド
ES−302[三井化学(株)製]で封口し、液晶パネ
ルを作製した。その液晶パネルを、65℃/RH95%
の雰囲気下に250時間、同500時間、同1,000
時間それぞれ放置後に取り出し、フロント側に偏向板を
貼り付け、リヤ側には反射板つき偏向板を取り付けた。
その後、該ユニットに駆動回路等を実装させて表示機能
の変化を観察した。 ◎:表示ムラの発生が見られない 〇:表示ムラがセル周辺部のシール際からの距離で15
0μm以内に僅かに見られる △:表示ムラがセル周辺部のシール際からの距離で15
1乃至500μm未満の範囲で見られる ×:表示ムラがシール際500μ以上に及び著しく表示
機能の低下が発生している場合
【0269】(硬化開始温度)各例の液晶表示セルシー
ル剤用組成物10mgを大気圧下の示差走差熱分析(D
SC)にて30℃から220℃まで毎分5℃で等速昇温
させて得られた示差熱曲線から、発熱ピーク開始変曲点
温度を硬化開始温度として求めた。
【0270】(硬化発熱ピーク温度)各例の液晶表示セ
ルシール剤用組成物10mgを大気圧下の示差走差熱分
析(DSC)にて30℃から220℃まで毎分5℃で等
速昇温させて得られた示差熱曲線から、最高発熱ピーク
変曲点を最大発熱ピーク温度として求めた。
【0271】(硬化体の液晶に与える影響)各例の液晶
シール剤組成物を平滑な離型フィルム上に厚さ70乃至
120μに塗布し、80℃で30分熱処理後、更に15
0℃で90分熱硬化させて得られた硬化膜片0.1質量
部を密閉型ガラス容器内に測り採り、さらにRC408
7液晶材料[チッソ(株)製]1質量部を加えて窒素雰
囲気下に密閉し、容器ごと125℃で1時間加熱後に取
り出し、内容物を小型セラミック製濾過機を内蔵する注
射器にて吸い出して液晶を採取し、比抵抗測定器によ
り、液晶の比抵抗を測定し、液晶のみによる該試験で得
られた比抵抗値(元の液晶比抵抗と呼ぶ)に対する変化
量で表す。 ◎:元の液晶比抵抗に対して50倍未満の変化 〇:元の液晶比抵抗に対して50倍乃至250倍の範囲
の変化がある場合で、該液晶表示セルシール剤用組成物
の硬化体が液晶に与える影響はかなり小さい ×:元の液晶比抵抗に対して251倍以上の変化が認め
られる場合で、該液晶表示セルシール剤用組成物の硬化
体が液晶に与える影響が比較的大きい
【0272】使用原材料 1. エポキシ樹脂(1) 単官能性エポキシ樹脂としては、同質量の純水と1時間
接触混合させて分離抽出した抽出水のイオン伝導度(以
下単に抽出水のイオン伝導度と呼ぶ)で1.5mS/m
(15μS/cm)以下まで精製した2−エチルヘキシ
ルモノグリシジルエーテル(略記号;2EHMG)、抽
出水のイオン伝導度で1.2mS/m(12μS/c
m)以下まで精製したt−ブチルフェノールモノグリシ
ジルエーテル(略記号;t−BPMG)を用意した。
【0273】2官能性以上の多価エポキシ樹脂としては
以下のものを使用した。2官能性脂肪族エポキシ樹脂と
しては、抽出水のイオン伝導度で0.2mS/m(2μ
S/cm)まで精製した1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル(略記号1,6−HGDE)を、2官
能性ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三井化
学(株)製品・商品名「エポミックR−140P」(平
均分子量370)、油化シェル(株)製品・商品名「エ
ピコート1007」(平均分子量4000)、三井化学
(株)製品・商品名「エポミックR367」(平均分子
量2600)を、また2官能性ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂としては、大日本インキ(株)製品・商品名
「エピクロン830−S」(平均分子量約350乃至3
70)を、2官能性水添ビスフェノールA型エポキシ樹
脂としては、東都化成(株)製品・商品名「エポトート
ST−1000」(平均分子量400〜440)を選定
使用した。3官能性ノボラックエポキシ樹脂としては、
東都化成(株)製品・商品名「エポトートYDCN」
(GPCによるポリスチレン換算質量平均分子量約10
00)を、トリフェノールエタン型エポキシ樹脂として
は、三井化学(株)製品「エポミックVG3101」
を、3官能性アミノエポキシ樹脂としては、住友化学
(株)製品「スミカELM−100」を、4官能性アミ
ノエポキシ樹脂としては、東都化成(株)製品・商品名
「エポトートYH−434」( GPCによるポリスチ
レン換算質量平均分子量約460)を使用した。また、
変性エポキシ樹脂としては、下記の合成例6で得た樹脂
組成物(EPA−005と略称)を用いた。
【0274】2.硬化剤(2) フェノールノボラック樹脂としては、三井化学(株)製
品・商品名「ミレックスVR9315」(フェノール核
がメチレン結合してなる樹脂)から、特に軟化点温度1
14.9℃、遊離フェノール含有量0.03%以下、塩
素原子の含有量0.01%以下、抽出水のイオン伝導度
が0.5mS/m(5μS/cm)であるものを選定使
用した(以下の例中ではこの樹脂を単にFP樹脂と呼
ぶ)。別のフェノールノボラック樹脂としては、群栄化
学(株)製ノボラックPSM−4261を、エステル化
フェノールノボラック樹脂としては、下記の合成例1に
示したように群栄化学(株)製ノボラックPSM−42
61のフェノール性水酸基の98モル%をベンゾイルエ
ステル化した樹脂(以下エステル化PSM−4261と
呼ぶ)を用意した。
【0275】また、以下に示すエステル化変性物は、全
て合成例1に準じたエステル化変性をして得たものであ
る。ただし、高融点物質であるエステル化トリスフェノ
ール単量体は、合成例2によって製造した。フェノール
アラルキル樹脂としては、三井化学(株)製品「ザイロ
ックXLC−225L」(フェノール核がp−キシレン
核とメチレン結合を介して結合されて成る樹脂)から、
特にGPCによるポリスチレン換算の質量平均分子量が
7150で、かつ軟化点84℃、遊離フェノール0.0
1%以下、塩素原子の含有量0.01%以下、抽出水の
イオン伝導度が0.3mS/m(3μS/cm)である
ものを選定使用した(以下の例中では単にXP樹脂と呼
ぶ)。
【0276】別のフェノールアラルキル樹脂としては、
フェノール核がp−キシレン核とメチレン結合を介して
結合されてなり、GPCによるポリスチレン換算の質量
平均分子量が約1750、軟化点76℃、遊離フェノー
ル0.01%以下、塩素原子の含有量0.01%以下、
抽出水のイオン伝導度が0.3mS/m(3μS/c
m)であるもの(以下、単にXLP樹脂と呼ぶ)を、ま
たそのエステル化フェノールアラルキル樹脂としては、
該XLP樹脂の活性フェノール性水酸基の99モル%を
ベンゾイルエステル化し、その抽出水のイオン伝導度が
1.1mS/m(11μS/cm)の樹脂(以下、単に
エステル化アラルキル樹脂と呼ぶ)を用意した。脂環化
合物変性フェノールノボラック樹脂としては、精製フェ
ノールとα,α−ジメチルエーテル−2,5−ジシクロ
ペンタジエンとから誘導されたポリスチレン換算質量平
均分子量が969で、かつその抽出水のイオン伝導度が
0.7mS/m(7μS/cm)である、いわゆるジシ
クロペンタジエン変性フェノールノボラック樹脂(以
下、単にDCN樹脂と呼ぶ)、または、フェノールと
α,α−ジメチルエーテル−p−シクロヘキサンとから
誘導されたポリスチレン換算質量平均分子量が1084
で、その抽出水のイオン伝導度が1mS/m(10μS
/cm)である、いわゆるシクロヘキサン変性フェノー
ルノボラック樹脂(以下、単にCHN樹脂と呼ぶ)を、
またそのエステル化脂環化合物変性フェノールノボラッ
ク樹脂としては、該ジシクロペンタジエン変性フェノー
ルノボラック樹脂中の活性フェノール性水酸基の91モ
ル%をベンゾイルエステル化し、その抽出水のイオン伝
導度が1mS/m(10μS/cm)であるもの(以
下、単にエステル化DCN樹脂と呼ぶ)、または、該シ
クロヘキサン変性フェノールノボラック樹脂中の活性フ
ェノール性水酸基の100モル%をベンゾイルエステル
化し、その抽出水のイオン伝導度が0.6mS/m(6
μS/cm)であるもの(以下、単にエステル化CHN
樹脂と呼ぶ)を用意した。
【0277】多環芳香族化合物変性ノボラック樹脂とし
ては、鹿島石油(株)製品のFPI−5136(軟化点
75℃、数平均分子量640、遊離フェノール含有量
0.1%以下、抽出水のイオン伝導度が0.8mS/m
(8μS/cm))を、またそのエステル化多環芳香族
化合物変性ノボラック樹脂としては、FPI−5136
の活性フェノール性水酸基の95モル%をベンゾイルエ
ステル化し、その抽出水のイオン伝導度が0.6mS/
m(6μS/cm)であるもの(以下、単にエステル化
FPI樹脂と呼ぶ)、ナフトールノボラック樹脂として
は、β−ナフトールとホルムアルデヒドから誘導された
ポリスチレン換算質量平均分子量が878で、その抽出
水のイオン伝導度が0.3mS/m(3μS/cm)の
樹脂(以下、単にNN樹脂と呼ぶ)を、そのエステル化
ナフトールノボラック樹脂としては、NN樹脂のフェノ
ール性水酸基の50モル%をベンゾイルエステル化した
エステル化NN樹脂をそれぞれ用意した。
【0278】ナフトールアラルキル樹脂としては、β−
ナフトールとα,α−ジメチルエーテル−p−キシリレ
ンとから誘導されたポリスチレン換算質量平均分子量が
555で、その抽出水のイオン伝導度が0.7mS/m
(7μS/cm)の樹脂(以下では単にNA樹脂と呼
ぶ)を、そのエステル化ナフトールアラルキル樹脂とし
ては、該NA樹脂のフェノール性水酸基の50モル%を
ベンゾイルエステル化したエステル化NA樹脂をそれぞ
れ用意した。
【0279】脂環化合物変性ナフトールノボラック樹脂
としては、β−ナフトールとα,α−ジメチルエーテル
−2,5−ジシクロペンタジエンとから誘導されたポリ
スチレン換算質量平均分子量が1240で、その抽出水
のイオン伝導度が0.7mS/m(7μS/cm)の樹
脂(以下、単にDC−NN樹脂と呼ぶ)を、そのエステ
ル化物として、DC−NN樹脂のフェノール性水酸基の
50モル%をベンゾイルエステル化したエステル化DC
−NN樹脂を用意した。
【0280】多価フェノール単量体としては、抽出水の
イオン伝導度が0.3mS/m(3μS/cm)まで精
製した4,4′−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレ
ン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール](以
下、単にトリスP化合物と呼ぶ)を用意し、微粉砕機に
より最大粒子径が4μm以下(632.8nm波長のレ
ーザー照射式粒子径分布測定法により求めた重量加積曲
線の99.9%最大粒子径で4μm以下 )のものを用
いた。
【0281】また、エステル化多価フェノール単量体と
しては、合成例2に従って、前記トリスP化合物の活性
フェノール性水酸基の99.3モル%をベンゾイルエス
テル化し、その抽出水のイオン伝導度が0.6mS/m
(6μS/cm)であるものを用意し、以下単にエステ
ル化トリスP化合物と言う。
【0282】別の多環芳香族化合物変性フェノールノボ
ラック樹脂としては、鹿島石油(株)製品・商品名「P
PF樹脂;FPI−5127」(フェノール核と接触分
解プラントからの軽質留分に由来する3乃至4環多環芳
香族炭化水素核とがメチレン結合でランダムに結合した
樹脂)から、遊離フェノール含有量0.01%以下、軟
化点80℃、GPCのポリスチレン換算の数平均分子量
で約650、抽出水のイオン伝導度が2mS/m(20
μS/cm)以下のものを選定使用した。
【0283】ポリビニルフェノールとしては、丸善石油
化学(株)社製品・商品名「マルカリンカーM(S−
2)」から、抽出水のイオン伝導度が2mS/m(20
μS/cm)以下のものを、ポリビニルフェノール共重
合体としては、丸善石油化学(株)製品・商品名「マル
カリンカーCBA」(pビニルフェノールとブチルアク
リレートとのランダム共重合体であり、GPCによる質
量平均分子量が1万)から、抽出水のイオン伝導度が2
mS/m(20μS/cm)以下のものを、ポリイソプ
ロペニルフェノールとしては、p−イソプロペニルフェ
ノールのホモポリマーでGPCによる重量平均分子量で
3350で、抽出水のイオン伝導度が2mS/m(20
μS/cm)以下のもの(以下、単にOP樹脂と呼ぶ)
を用意した。またポリイソプロペニルフェノール共重合
体としては、三井化学(株)製品・商品名「ミレックス
SP」(p−イソプロペニルフェノールとスチレンとの
ランダム共重合体であり、GPCによるポリスチレン換
算質量平均分子量が約4000)から、抽出水のイオン
伝導度が2mS/m(20μS/cm)以下のものをそ
れぞれ選定用意した。
【0284】また、ジヒドラジド化合物としてはアジピ
ン酸ジヒドラジド(略記号ADH)を選定した。イミダ
ゾール−エポキシ樹脂アダクト型潜在性エポキシ硬化剤
としては、三井化学(株)製品「CatZ−15」、ま
たは味の素製品「アミキュアーPN23」を選定使用し
た。
【0285】合成例1 エステル化ノボラック樹脂の製造 温度計、攪拌器、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた
ガラス製容器に、フェノールノボラック樹脂(商品名:
PSM−4216、水酸基当量107g/eq:群栄化学
(株)製)107gを装入し、内温を125℃まで昇温
した。内温を同温度に保ち、攪拌を行いながら塩化ベン
ゾイル140.6gを2時間で滴下した。その後、12
5℃に保ちながら2時間反応を行った後、更に140℃
まで昇温した。140乃至150℃において2時間熟成
したのち、発生塩酸ガスを最高150℃/10mmHg
の条件で減圧留去した。ここで得られた樹脂を、トルエ
ン1000gに溶解し、廃水が中性になるまで60乃至
70℃において湯洗を行った後、トルエンを最高150
℃/5mmHgの条件で留去して水酸基の98モル%が
ベンゾイル化された、いわゆるエステル化フェノールノ
ボラック樹脂(エステル化PSM−4216)210g
を得た。
【0286】合成例2 エステル化トリスフェノール化合物の製造 温度計、攪拌器、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた
ガラス製容器に、4,4′−[(2−ヒドロキシフェニ
ル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノー
ル]143部とアセトフェノン100部とを装入し、内
温を125℃まで昇温した。内温を同温度に保ち、攪拌
を行いながら塩化ベンゾイル126.5gを2時間で滴
下した。その後、125℃に保ちながら2時間反応を行
った後、更に140℃まで昇温した。140乃至150
℃において2時間熟成したのち、発生塩酸ガスを最高1
50℃/10mmHgの条件で減圧留去した。ここで得
られた化合物を、トルエン1000gに滴下させて析出
させ、得られた結晶成分を再度5%水−アセトン混和液
に溶解、トルエン溶剤にて析出を5回繰り返して、含水
アセトン廃水が中性になるまで再結晶化を行った後、該
結晶を最高150℃/5mmHgの条件で乾燥して、水
酸基の99.3モル%がベンゾイル化された、いわゆる
エステル化トリスフェノール単量体(エステル化トリス
フェノール化合物)110gを得た。
【0287】3.硬化促進剤(3) 純度99.7%からなる3−P−クロロフェニル−1,
1−ジメチル尿素(以下、促進剤Uと略称する)、2,
4−[ビス(1,1−ジメチル尿素)]トルエンとし
て、サンアプロ社製品Ucat−3502T(以下、単
に3502Tと略称する)、3,5−ジ(1,1−ジメ
チルウレア)−5−メチル−2−シクロヘキセン−1−
オンとして、サンアプロ社製品Ucat−3503N
(以下、単に3503Nと略称する)、2−エチル−4
−メチルイミダゾールとして、四国化成(株)製品であ
る2E4MZならびにトリフェニルフォスフィン(試
薬)を用意し、それを微粉砕機で最大粒子径が4μm以
下(632.8nm波長のレーザー照射式粒子径分布測
定法により求めた重量加積曲線の99.9%最大粒子径
で4μm以下 )としたものをそれぞれ用いた。
【0288】また、Journal of gener
al chemistry ofthe USSR,5
5,p1453(1985)に記載の製造方法により下
記一般式(13)〔化16〕で表される硬化促進剤(以
下、単にPZOと呼ぶ)を使用した。
【0289】
【化16】
【0290】4.無機質充填剤(5) 球状シリカとして、龍森社製・商品名「アドマファイン
SO−E1」のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン6質量%乾式処理フィラー(以下、単にSO−E
1−6と呼ぶ)を、球状アルミナとして、龍森社製・商
品名「アドマファインSO−A800」のγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン5質量%乾式処理フィ
ラー(以下単にSO−A805と呼ぶ)を、また無定型
シリカとして、日本アエロジル工業(株)製品・商品名
「アエロジル#200」(電子顕微鏡観察法で求めた一
次平均粒子サイズ0.08μm)、同じく信越化学
(株)製品・商品名「MU−120」(電子顕微鏡観察
法で求めた一次一次平均粒子サイズ0.07μm)を、
無定型アルミナとして、昭和電工(株)製品・商品名
「UA−5105」(以下、単に無定型アルミナ1と呼
ぶ)を、酸化チタンとして、石原産業(株)製品・商品
名「CR−EL」(632.8nm波長のレーザー照射
式粒子径分布測定法により求めた重量加積曲線の50%
粒子径を一次平均粒子サイズとする平均サイズで1μ
m)をそれぞれ使用した。
【0291】またグラフト化変性アルミナとして以下の
ものを使用した。グラフト化変性アルミナとしては、6
32.8nm波長のレーザー照射式粒度分布測定法によ
って得た重量加積曲線から求めた50%平均粒子径が
0.1μm、かつ99.5%粒子径が2μmの無定型γ
−アルミナを用意し、その無定型γ−アルミナ1kgに
対し、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(信越化学(株)製品・商品名KBM403)30.3
gの割合で、100℃雰囲気下に噴霧処理し、更に80
℃で48時間熟成させたものを使用した(以下、単にグ
ラフト化変性アルミナと呼ぶ)。なお、グラフト化変性
アルミナ10部をトルエン溶剤100部で5回洗浄した
後の乾燥試料においても、その乾燥試料をルツボ中で焼
くと有機分として1.7%の加熱減量があったことか
ら、γ−グリシドキシプロピルトリメチキシシランとし
て、およそ2.4%がグラフト化していることが判明し
た。
【0292】5.カップリング剤(6) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下、
単にエポキシシランと呼ぶ)、N−フェニル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン(以下、単にアミノシラ
ンと呼ぶ)、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシ
シラン(以下、単にイソシアナートシランと呼ぶ)を選
定使用した。
【0293】6.ゴム状ポリマー微粒子(4)は以下に
示す合成例3乃至合成例4をそれぞれ経て調整した組成
物を用いた。
【0294】合成例3 ゴム状ポリマー微粒子(微架橋型アクリルゴム微粒子;
S1と略称)含有エポキシ樹脂組成物(a)の合成 攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた2000
mlの四つ口フラスコ中に、2官能性エポキシ樹脂とし
てビスフェノールF型エポキシ樹脂(エピクロン830
S・大日本インキ化学工業(株)製)600g、アクリ
ル酸12g、ジメチルエタノールアミン1g、トルエン
50gを加え、空気を導入しながら110℃で5時間反
応させ二重結合を導入した。次に、ブチルアクリレート
350g、グリシジルメタクリレート20g、ジビニル
ベンゼン1g、アゾビスジメチルバレロニトリル1g及
びアゾビスイソブチロニトリル2gを加え、反応系内に
窒素を導入しながら70℃で3時間反応させ、更に90
℃で1時間反応させた。次いで、110℃の減圧下で脱
トルエンを行い、該組成物を光硬化触媒の存在化に低温
で速硬化させて、その硬化物の破断面モルフォロジーを
電子顕微鏡で観察して分散ゴム粒子径を測定する方法で
得た最小粒子径が0.02μm、最大粒子径が1μmか
らなる微架橋型アクリルゴム微粒子(S1)が均一に分
散したエポキシ樹脂組成物(a)を得た。なお、モノマ
ー仕込量と残存モノマーとから算出される微架橋型アク
リルゴム微粒子(S1)含有量は37.9重量%と判明
した。また、エポキシ樹脂組成物(a)をTBAにかけ
て求めた微架橋型アクリルゴム微粒子(S1)の軟化点
温度は−42℃であった。
【0295】合成例4 シリコン系のゴム状ポリマー微粒子(架橋型シリコンゴ
ム微粒子;S2)含有エポキシ樹脂組成物(b)の合成 攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた2000
mlの四つ口フラスコを用意し、2官能性エポキシ樹脂
としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(エピクロン8
30S・大日本インキ化学工業(株)製)600g、ア
クリル酸12g、ジメチルエタノールアミン1g、トル
エン50gを加え、空気を導入しながら110℃で5時
間反応させ二重結合を導入した。次に、ヒドロキシアク
リレート5g、ブチルアクリレート10g、アゾビスイ
ソブチロニトリル1gを加え、70℃で3時間反応さ
せ、更に90℃で1時間反応させた。次いで、110℃
の減圧下で脱トルエンを行った。次に、分子中にメトキ
シ基を有するシリコーン中間体70g、ジブチルスズジ
ラウレート0.3gを加え、150℃で1時間反応を行
い、生成メタノールを除去するため更に1時間反応を続
行した。このグラフト体に常温硬化型2液タイプのシリ
コンゴムを1/1で混合したものを300g加え、2時
間反応させて、微架橋型シリコンゴム微粒子(S2)が
均一に分散したエポキシ樹脂組成物(b)を得た。
【0296】該組成物(b)は、光硬化触媒の存在化に
低温で速硬化させ、その硬化物の破断面モルフォロジー
を電子顕微鏡で観察して分散ゴム粒子径を測定する方法
で得た平均粒子径値が1.5μmの微架橋型シリコンゴ
ム微粒子(S2)が均一に分散したエポキシ樹脂組成物
(b)である。また、仕込量から算出される微架橋型シ
リコンゴム微粒子(S2)含有量は30.0%である。
さらに、エポキシ樹脂組成物(b)をTBAにかけて求
めた微架橋型シリコンゴム微粒子(S2)の軟化点温度
は−65℃であった。
【0297】7.高軟化点ポリマー微粒子(8)は以下
に示す合成例5で調整した組成物を用いた。 合成例5 高軟化点アクリルポリマー微粒子(P1)の合成 攪拌機、気体導入管、温度計、還流冷却管を備えた20
00mlの四つ口フラスコにイオン交換水420.5
g、イタコン酸10g、界面活性剤としてアルキルジフ
ェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムである(株)
花王製品の「ペレックスSS−L」2.6gを加え、窒
素を導入しながら70℃まで昇温させた。同温度に達し
た段階で、過硫酸カリウム1.2gをイオン交換水10
gに溶解させた開始剤水溶液11.2gを加え、さらに
n−ブチルアクリレート5g、メチルメタクリレート5
gとヒドロキシエチルメタクリレート0.5gからなる
混合液を一括添加し、70℃で20分間シード重合を行
った。その後、同温度雰囲気下に、メチルメタクリレー
ト339g、グリシジルメタクリレート20g、n−ブ
チルアクリレート40g、1,6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート2gとの混合モノマー液を、イオン交換
水160gに前記の「ペレックスSS−L」1.8g含
有する水溶液で、機械的に乳化させた乳化液を約4時間
かけて連続滴下した。滴下終了後、更に同温度下に1時
間残モノマー重合を完結させて、固形分39.9重量%
のエマルション溶液(Em−1)を得た。引き続き、該
(Em−1)溶液を純水を用いた限外ロ過装置に48時
間かけて水溶性成分を除去精製した。その限外ロ過処理
後のEm−1エマルション溶液1,000gを噴霧乾燥
器にかけて、0.1%以下の水分含有量からなる高軟化
点アクリルポリマー微粒子(P1)粉末を388g得
た。
【0298】なお、Em−1を電子顕微鏡にかけて分散
粒子の一次平均粒子サイズを求めた結果、170nm
(0.17μm)であった。高軟化点アクリルポリマー
微粒子(P1)の微架橋度指数は、全モノマー中に占め
る架橋性モノマーの含有比率で表して0.5質量%の微
架橋度を持つものである。また、その熱溶融フィルムを
用いたTBA情報からは、高軟化点アクリルポリマー微
粒子(P1)の軟化点温度は80℃であった。
【0299】合成例6 エポトートYDCN42部とエピクロン830Sの13
3部と、溶剤としてトルエン250部とを事前に500
ml容積の反応フラスコに仕込み、攪拌下に、アミン価
が1500の両末端一級アミノ基を持つポリジメチルシ
ロキサン(信越シリコン社製品;X−22−161B)
100部を加え、120℃で2時間反応させた後、同温
度下で減圧脱溶剤処理して変性エポキシ樹脂275部を
得た。この変性エポキシ樹脂組成物をEPA−005と
呼ぶ。
【0300】8.ゴム状ポリマー微粒子(4)をコア
相、高軟化点ポリマー微粒子(8)をシェル相とする複
合粒子 ゴム状ポリマー微粒子(4)をコア相、高軟化点ポリマ
ー微粒子(8)をシェル相とするコア−シェルの質量比
で1:1からなる複合粒子として知られるゼオン化成株
式会社製品「ゼオンF351」(平均粒子径0.3μ
m)を入手し、その50%水溶液を純水による限外ロ過
器に48時間かけて脱イオン化した後、噴霧乾燥器で粉
体化させたものを用いた。以下、単に「高軟化点ポリマ
ー微粒子P2」と呼ぶ。
【0301】実施例1 固形エポキシ樹脂であるクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂「エポトートYDCN」4.1部をメチルカルビ
トール5部に溶解したエポキシ樹脂組成物9.1部と平
均粒子径が0.05μmの微架橋型アクリルゴム微粒子
(S1)が均一に分散したエポキシ樹脂組成物(a)2
6.8部、硬化剤としてエステル化PSM4261(ベ
ンゾイル化ノボラック樹脂)13.3部とXLP樹脂
(フェノールアラルキル樹脂であるミレックスXL−2
L)11.3部をメチルカルビトール13.7部に事前
に溶解した硬化剤溶液28.3部、硬化促進剤としてP
ZO1.5部、無定形シリカ「MU−120」2.1
部、球状シリカ「SO−E1−6」20.6部、カップ
リング剤としてKBM403の1.6部とを一括混合
し、ダルトンミキサーで予備混練し、次に3本ロールで
固体原料が5μm以下になるまで混練した混練物を真空
脱泡処理して、液晶表示セルシール剤用組成物(E1)
を得た。液晶表示セルシール剤用組成物(E1)は、エ
ポキシ樹脂の含有量として20.7%、ゴム状ポリマー
微粒子含有量10.2%、無機質充填剤含有量22.7
%、溶剤含有量18.7%、カップリング剤含有量1.
6%、硬化剤含有量24.6%、硬化促進剤含有量1.
5%とからなる。液晶表示セルシール剤用組成物(E
1)に関するシール剤物性を表2に示した。
【0302】液晶表示セルシール剤用組成物(E1)1
00部に、太さ5μmのガラス短繊維のギャップコント
ロール剤5部を配合し、十分混合して得た組成物を、ま
ず、透明電極と配向膜処理された液晶セル用ガラス基板
(以下、単にITO基板と呼ぶ)に、1基板当たり、上
下左右各1の合計4セル(セルサイズが1インチ)から
なるパターンをスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シ
ール剤の塗布厚みが約20乃至22μmからなるITO
基板を得た。その後、90℃熱風乾燥器で15分処理
後、対になるべき別のITO基板を乗せ、位置合わせ後
に、プレス圧0.03MPa/cm2、180℃/4分
で剛体枚葉プレス加熱により仮接着をした後、引き続き
150℃に加熱したオーブン中に90分投入して、本硬
化接着させる接合シール試験を10回繰り返し実施し
た。その結果、シール貫通泡の発生によるシール不良箇
所やシールラインの乱れは、1サンプルも無く、所望の
液晶表示用セル基板がすべてのロットで製造可能であっ
た。次いで、各セルは個々に切断後、セルのくさび引き
剥がし試験、シール機能耐久性試験を行い、結果を表2
に示した。
【0303】実施例2 表1に示した処方に従って、実施例1と同様にして液晶
表示セルシール剤用組成物(E2)を得た。液晶表示セ
ルシール剤用組成物(E2)はエポキシ樹脂の含有量と
して26.2%、ゴム状ポリマー微粒子含有量6.5
%、無機質充填剤含有量16.5%、溶剤含有量19.
7%、カップリング剤含有量1.2%、硬化剤含有量2
8.4%、硬化促進剤含有量1.5%とからなる。液晶
表示セルシール剤用組成物(E2)に関するシール剤物
性を表2に示した。液晶表示セルシール剤用組成物(E
2)100部に、太さ5μmのガラス短繊維のギャップ
コントロール剤5部を配合し、十分混合して得た組成物
を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各1の
合計4セル(セルサイズが1インチ)からなるパターン
をスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の塗布
厚みが約20乃至22μmからなるITO基板を得た。
その後、80℃熱風乾燥器で30分処理後、対になるべ
き別のITO基板を乗せ、位置合わせ後に、プレス圧
0.03MPa/cm2、180℃/4分で剛体枚葉プ
レス加熱により仮接着をした後、引き続き150℃に加
熱したオーブン中に90分投入して、本硬化接着させる
接合シール試験を10回繰り返し実施した。その結果、
シール貫通泡の発生によるシール不良箇所やシールライ
ンの乱れは、1サンプルも無く、所望の液晶表示用セル
基板がすべてのロットで製造可能であった。次いで、各
セルは個々に切断後、セルのくさび引き剥がし試験、シ
ール機能耐久性試験を行い、結果を表2に示した。
【0304】実施例3 表1に示した処方に従って、実施例1同様にして本発明
の液晶表示セルシール剤用組成物(E3)を得た。液晶
表示セルシール剤用組成物(E3)はエポキシ樹脂の含
有量として20.18%、ゴム状ポリマー微粒子含有量
6.82%、無機質充填剤含有量22%、溶剤含有量1
5%、カップリング剤含有量1%、硬化剤含有量33.
5%、硬化促進剤含有量1.5%とからなる。液晶表示
セルシール剤用組成物(E3)に関するシール剤物性を
表2に示した。液晶表示セルシール剤用組成物(E3)
100部に6μmのガラス短繊維のギャップコントロー
ル剤2部を加え、十分混合して得た組成物を、まずIT
O基板に、1基板当たり、上下左右各1の合計4セル
(セルサイズが1インチ)からなるパターンをスクリー
ン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の塗布厚みが約2
0乃至22μmからなるITO基板を得た。その後、9
5℃熱風乾燥器で15分熱処理後、対になるべき別のI
TO基板を乗せ、位置合わせ後に、プレス圧0.05M
Pa/cm2,170℃/5分で剛体熱プレス加熱方式
により仮接着した後、更に150℃加熱オーブン中で8
0分本硬化する接合シール試験を10回繰り返し実施し
た。その結果、シール貫通泡の発生によるシール不良箇
所やシールラインの乱れは1サンプルも無く、所望の液
晶表示用セル基板がすべてのロットで製造可能であっ
た。次いで、各セルは個々に切断後、セルのくさび引き
剥がし試験、シール機能耐久性試験を行い、結果を表2
に示した。
【0305】実施例4 表1に示した処方に従って、実施例1と同様にして本発
明の液晶表示セルシール剤用組成物(E4)を得た。液
晶表示セルシール剤用組成物(E4)はエポキシ樹脂の
含有量として21.3%、ゴム状ポリマー微粒子含有量
10.4%、無機質充填剤含有量23.3%、溶剤含有
量17.4%、カップリング剤含有量1.7%、硬化剤
含有量24.3%、硬化促進剤含有量1.6%とからな
る。液晶表示セルシール剤用組成物(E4)に関するシ
ール剤物性を表2に示した。液晶表示セルシール剤用組
成物(E4)100部に対し、太さ5μmのガラス短繊
維のギャップコントロール剤2部を配合し、十分混合し
て得た組成物を、まずITO基板に、1基板当たり、上
下左右各1の合計4セル(セルサイズが1インチ)から
なるパターンをスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シ
ール剤の塗布厚みが約22乃至24μmからなるITO
基板を得た。その後、90℃熱風乾燥器で15分処理
後、対になるべき別のITO基板を乗せ、位置合わせ後
に、プレス圧0.03MPa/cm2、180℃/4分
で剛体枚葉プレス加熱により仮接着した後、引き続き1
50℃加熱オーブン中に90分投入して本硬化接着する
接合シール試験を10回繰り返し実施した。その結果、
シール貫通泡の発生によるシール不良箇所やシールライ
ンの乱れは1サンプルも無く、所望の液晶表示用セル基
板がすべてのロットで製造可能であった。次いで、各セ
ルは個々に切断後、セルのくさび引き剥がし試験、シー
ル機能耐久性試験を行い、結果を表2に示した。
【0306】
【表1】
【0307】
【表2】
【0308】実施例5 固形エポキシ樹脂であるクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂「エポトートYDCN」20部とビスフェノール
A型エポキシ樹脂「エポミックR367」2部をメチル
カルビトール9部に溶解したエポキシ樹脂組成物31部
と平均粒子径が0.05μmの微架橋型アクリルゴム微
粒子(S1)が均一に分散したエポキシ樹脂組成物
(a)15.5部、硬化剤としてXP樹脂(フェノール
アラルキル樹脂)25部をメチルカルビトール10部に
事前に溶解した硬化剤溶液35部、硬化促進剤として促
進剤U1部、無定形シリカ「MU−120」2部、無定
型アルミナ「UA−5105」14.6部、シランカッ
プリング剤としてアミノシラン0.9部とを一括混合
し、さらにダルトンミキサーで予備混合し、次に3本ロ
ールで固体原料が5μm以下になるまで混練し、混練物
を真空脱泡処理して表3記載の液晶表示セルシール剤用
組成物(E5)を得た。液晶表示セルシール剤用組成物
(E5)は、一分子中に質量平均で3.5個のエポキシ
基を有するエポキシ樹脂からなり、その含有量31.7
3%と、ゴム状ポリマー微粒子含有量5.87%、無機
質充填剤含有量16.6%、溶剤含有量19%、シラン
カップリング剤含有量0.9%、硬化剤含有量25%、
硬化促進剤含有量1%とからなる。液晶表示セルシール
剤用組成物(E5)に関わるシール剤物性は表4に示し
た。
【0309】液晶表示セルシール剤用組成物(E5)1
00部に対し、太さ5μmのガラス短繊維のギャップコ
ントロール剤5部を配合し、十分混合して得た組成物
を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各1の
合計4セル(セルサイズが1インチ)からなるパターン
をスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の塗布
厚みが約20乃至22μmからなるITO基板を得た。
その後、80℃熱風乾燥器で30分処理後、対になるべ
き別のITO基板を乗せ、位置合わせ後に、プレス圧
0.03MPa/cm2,180℃/4分で剛体枚葉プ
レス加熱により仮接着した後、引き続き150℃加熱オ
ーブン中に90分投入して本硬化接着する接合シール試
験を10回繰り返し実施した。その結果、シール貫通泡
の発生によるシール不良箇所やシールラインの乱れは1
サンプルも無く、所望の液晶表示用セル基板がすべての
ロットで製造可能であった。次いで、各セルは個々に切
断後、セルのくさび引き剥がし試験、121℃/2時間
プレッシャークッカー試験後のセルのくさび引き剥がし
試験、更に、得られたセルの液晶表示機能の観察を行
い、結果を併せて表4に示した。また、得られたセルを
用いて行ったシール機能耐久性試験の結果も表4に示し
た。
【0310】実施例6 表3に示した処方に従って、実施例5と同様にして本発
明の液晶表示セルシール剤用組成物(E6)を得た。液
晶表示セルシール剤用組成物(E6)は、一分子中に質
量平均で3個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂からな
り、その含有量29.2%と、ゴム状ポリマー微粒子含
有量3.8%、高軟化点ポリマー微粒子含有量9.5
%、無機質充填剤含有量16%、溶剤含有量22%、シ
ランカップリング剤含有量1.5%、硬化剤含有量16
%、硬化促進剤含有量2%とからなる。なお、E型粘度
計による25℃初期粘度は65Pa・sであった。液晶
表示セルシール剤用組成物(E6)に関わるシール剤物
性を表4に示した。液晶表示セルシール剤用組成物(E
6)100部に対し、太さ5μmのガラス短繊維のギャ
ップコントロール剤5部を配合し、十分混合して得た組
成物を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各
1の合計4セル(セルサイズが1インチ)からなるパタ
ーンをスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の
塗布厚みが約20乃至22μmからなるITO基板を得
た。その後、90℃熱風乾燥器で15分処理後、対にな
るべき別のITO基板を乗せ、位置合わせ後に、プレス
圧0.03MPa/cm2,180℃/4分で剛体枚葉
プレス加熱により仮接着した後、引き続き150℃加熱
オーブン中に90分投入して本硬化接着する接合シール
試験を10回繰り返し実施した。その結果、シール貫通
泡の発生によるシール不良箇所やシールラインの乱れは
1サンプルも無く、所望の液晶表示用セル基板がすべての
ロットで製造可能であった。次いで、各セルは個々に切
断後、セルのくさび引き剥がし試験、121℃/2時間
プレッシャークッカー試験後のセルのくさび引き剥がし
試験、更に、得られたセルの液晶表示機能の観察を行
い、結果を併せて表4に示した。また、得られたセルを
用いて行ったシール機能耐久性試験の結果も表4に示し
た。
【0311】実施例7 実施例6に於いて、高軟化点アクリルポリマー微粒子
(P1)に替えて高軟化点ポリマー微粒子(P2)を同
部とした以外は、実施例6と同様にして表3記載の液晶
表示セルシール剤用組成物(E7)を得た。液晶表示セ
ルシール剤用組成物(E7)は、一分子中に重量平均で
3個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂からなり、その
含有量29.2%と、ゴム状ポリマー微粒子含有量8.
55%、高軟化点ポリマー微粒子含有量4.75%、無
機質充填剤含有量16%、溶剤含有量22%、シランカ
ップリング剤含有量1.5%、硬化剤含有量16%、硬
化促進剤含有量2%とからなる。なお、E型粘度計によ
る25℃初期粘度は68Pa・sであった。液晶表示セ
ルシール剤用組成物(E7)に関わるシール剤物性を表
4に示した。液晶表示セルシール剤用組成物(E7)1
00部に対し、粒子径5μmの球状シリカのギャップコ
ントロール剤3部を配合し、十分混合して得た組成物
を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各1の
合計4セル(セルサイズが1インチ)からなるパターン
をスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の塗布
厚みが約20乃至22μmからなるITO基板を得た。
その後、80℃熱風乾燥器で15分処理後、対になるべ
き別のITO基板を乗せ、位置合わせ後に、−980ヘ
クトパスカル,150℃/10分で真空枚葉プレス加熱
方式により仮接着をし、更に150℃加熱オーブン中で
80分放置して本硬化接着する接合シール試験を10回
繰り返し実施した。その結果、シール貫通泡の発生によ
るシール不良は1サンプルも無く、所望の液晶表示用セル
基板がすべてのロットで製造可能であった。次いで、各
セルは個々に切断後、セルのくさび引き剥がし試験、1
21℃/2時間プレッシャークッカー試験後のセルのく
さび引き剥がし試験を行い、さらに得られたセルのシー
ル貫通不良箇所の有無やシールラインの直線性を拡大鏡
で観察し、それらの結果を表4に示した。また、得られ
たセルを用いて行ったシール機能耐久性試験の結果も表
4に示した。
【0312】実施例8 表3に示した処方に従って、実施例5と同様にして本発
明の液晶表示セルシール剤用組成物(E8)を得た。液
晶表示セルシール剤用組成物(E8)はエポキシ樹脂含
有量として35%、無機質充填剤含有量16.6%、溶
剤含有量19%、シランカップリング剤含有量0.9
%、硬化剤含有量27.5%、硬化促進剤含有量1%と
からなる。なお、E型粘度計による25℃初期粘度は3
9Pa・sであった。液晶表示セルシール剤用組成物
(E8)に関わるシール剤物性を表4に示した。液晶表
示セルシール剤用組成物(E8)100部に対し、粒子
径5μmの球状シリカのギャップコントロール剤3部を
配合し、十分混合して得た組成物を、まずITO基板
に、1基板当たり、上下左右各1の合計4セル(セルサ
イズが1インチ)からなるパターンをスクリーン印刷
し、幅約0.5mm、シール剤の塗布厚みが約20乃至
22μmからなるITO基板を得た。その後、95℃熱
風乾燥器で25分処理後、対になるべき別のITO基板
を乗せ、位置合わせ後に、プレス圧0.03MPa/c
2,165℃/5分で剛体枚葉プレス加熱により仮接
着した後、更に150℃加熱オーブン中で90分放置し
て本硬化接着する接合シール試験を10回繰り返し実施
した。その結果、シール貫通泡の発生によるシール不良
は1サンプルも無く、所望の液晶表示用セル基板がすべて
のロットで製造可能であった。次いで、各セルは個々に
切断後、セルのくさび引き剥がし試験、121℃/2時
間プレッシャークッカー試験後のセルのくさび引き剥が
し試験を行い、さらに得られたセルのシール貫通不良箇
所の有無やシールラインの直線性を拡大鏡で観察し、そ
れらの結果を表4に示した。また、得られたセルを用い
て行ったシール機能耐久性試験の結果も表4に示した。
【0313】
【表3】
【0314】
【表4】
【0315】実施例9 表5に示した処方に従って、実施例5と同様にして本発
明の液晶表示セルシール剤用組成物(E9)を得た。液
晶表示セルシール剤用組成物(E9)は、一分子中に重
量平均2.5個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂から
なり、その含有量37%と、ゴム状ポリマー微粒子含有
量3.9%、無機質充填剤含有量10.8%、高軟化点
ポリマー微粒子含有量3.5%、シランカップリング剤
含有量2%、硬化剤含有量16.6%、硬化促進剤含有
量2.2%、溶剤含有量23%、ワックス含有量1%と
からなる。なお、E型粘度計による25℃初期粘度は6
4Pa・sであった。液晶表示セルシール剤用組成物(E
9)に関わるシール剤物性を表6に示した。
【0316】液晶表示セルシール剤用組成物(E9)1
00部に対し、粒子計5μmの球状シリカのギャップコ
ントロール剤3部を配合し、十分混合して得た組成物
を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各1の
合計4セル(セルサイズが1インチ)からなるパターン
をスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の塗布
厚みが約20乃至22μmからなるITO基板を得た。
その後、90℃熱風乾燥器で20分乾燥し、対になるべ
き別のITO基板を乗せ、位置合わせ後に、プレス圧
0.05MPa/cm2,150℃/6分で剛体枚葉プ
レス加熱方式により仮接着した後、更に150℃加熱オ
ーブン中で80分本硬化する接合シール試験を10回繰
り返し実施した。その結果、シール貫通泡の発生による
シール不良は1サンプルも無く、所望の液晶表示用セル基
板がすべてのロットで製造可能であった。次いで、各セ
ルは個々に切断後、セルのくさび引き剥がし試験、12
0℃/3時間プレッシャークッカー試験後のセルのくさ
び引き剥がし試験を行い、さらに得られたセルのシール
貫通不良箇所の有無やシールラインの直線性を拡大鏡で
観察し、結果を表6に示した。また、得られたセルを用
いて行ったシール機能耐久性試験の結果も表6に示し
た。
【0317】実施例10 表5に示した処方に従って、実施例5と同様にして本発
明の液晶表示セルシール剤用組成物(E10)を得た。
液晶表示セルシール剤用組成物(E10)は、一分子中
に重量平均2.2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
からなり、その含有量45.58%と、ゴム状ポリマー
微粒子含有量5.51%、無機質充填剤含有量8%、高
軟化点ポリマー微粒子含有量1.85%、シランカップ
リング剤含有量1.48%、硬化剤含有量35.73
%、硬化促進剤含有量1.85%、無溶剤型からなる。
なお、E型粘度計による25℃初期粘度が102Pa・
sであった。液晶表示セルシール剤用組成物(E10)
に関わるシール剤物性を表6に示した。液晶表示セルシ
ール剤用組成物(E10)100部に対し、粒子径5μ
mの球状シリカのギャップコントロール剤3部を配合
し、十分混合して得た組成物を、まずITO基板に、1
基板当たり、上下左右各1の合計4セル(セルサイズが
1インチ)からなるパターンをスクリーン印刷し、幅約
0.5mm、シール剤の塗布厚みが約20乃至22μm
からなるITO基板を得た。その後、95℃熱風乾燥器
で15分熱処理後、対になるべき別のITO基板を乗
せ、位置合わせ後に、プレス圧0.05MPa/c
2,170℃/5分で剛体枚葉プレス加熱方式により
仮接着した後、更に150℃加熱オーブン中で80分本
硬化する接合シール試験を10回繰り返し実施した。そ
の結果、シール貫通泡の発生によるシール不良は1サンプ
ルも無く、所望の液晶表示用セル基板がすべてのロット
で製造可能であった。次いで、各セルは個々に切断後、
セルのくさび引き剥がし試験、120℃/3時間プレッ
シャークッカー試験後のセルのくさび引き剥がし試験を
行い、さらに得られたセルのシール貫通不良箇所の有無
やシールラインの直線性を拡大鏡で観察し、結果を表6
に示した。また、得られたセルを用いて行ったシール機
能耐久性試験の結果も表6に示した。
【0318】実施例11 表5に示した処方に従って、実施例5と同様にして本発
明の液晶表示セルシール剤用組成物(E11)を得た。
液晶表示セルシール剤用組成物(E11)は、一分子中
に重量平均で2.8個のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂からなり、その含有量27.84%と、ゴム状ポリマ
ー微粒子含有量9.66%、無機質充填剤含有量16.
6%、溶剤含有量14%、シランカップリング剤含有量
1.9%、硬化剤含有量25%、硬化促進剤含有量5%
とからなる。液晶表示セルシール剤用組成物(E11)
に関わるシール剤物性を表6に示した。液晶表示セルシ
ール剤用組成物(E11)100部に対し、太さ5μm
のガラス短繊維のギャップコントロール剤5部を配合
し、十分混合して得た組成物を、まず、透明電極と配向
膜処理された液晶セル用ポリエチレンテレフタレートプ
ラスチック基板(以下、単にITOプラスチック基板と
呼ぶ)に、1基板当たり、上下左右各1の合計4セル
(セルサイズが1インチ)からなるパターンをスクリー
ン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の塗布厚みが約2
0乃至22μmからなるITOプラスチック基板を得
た。その後85℃で20分加熱処理後、対になるべき別
のITOプラスチック基板を乗せ、位置合わせ後に、プ
レス圧0.02MPa/cm2,120℃/120分で
多段熱プレス加熱方式により本硬化する接合シール試験
を10回繰り返し実施した。その結果、シール貫通泡の
発生によるシール不良は1サンプルも無く、所望の液晶表
示用セル基板がすべてのロットで製造可能であった。
【0319】また、液晶表示セルシール剤用組成物(E
11)100部に対し、粒子径5μmの球状シリカギャ
ップコントロール剤3部を配合し、十分混合して得た組
成物を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各
1の合計4セル(セルサイズが1インチ)からなるパタ
ーンをスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の
塗布厚みが約20乃至22μmからなるITO基板を得
た。その後、95℃熱風乾燥器で15分熱処理後、対に
なるべき別のITO基板を乗せ、位置合わせ後に、プレ
ス圧0.05MPa/cm2,170℃/5分で剛体枚
葉プレス加熱方式により仮接着した後、更に150℃加
熱オーブン中で80分本硬化する接合シール試験を10
回繰り返し実施した。その結果、シール貫通泡の発生に
よるシール不良は1サンプルも無く、所望の液晶表示用セ
ル基板がすべてのロットで製造可能であった。次いで、
各セルは個々に切断後、セルのくさび引き剥がし試験、
120℃プレッシャークッカー後のセルのくさび引き剥
がし試験、さらに得られたセルのシール貫通不良箇所の
有無やシールラインの直線性を拡大鏡で観察し、結果を
表6に示した。また、得られたセルを用いて行ったシー
ル機能耐久性試験の結果も表6に示した。
【0320】実施例12 実施例11に於ける硬化剤FPI5127(PPF樹
脂)25部に替えて、マルカリンS−1を10部とマル
カリンCBAを15部とした以外は、実施例11と全く
同様にして液晶表示セルシール剤用組成物(E12)を
調製した。液晶表示セルシール剤用組成物(E12)に
関わるシール剤物性を表6に示した。液晶表示セルシー
ル剤用組成物(E12)100部に対し、太さ5μmの
ガラス短繊維のギャップコントロール剤5部を配合し、
十分混合して得た組成物を、まずITO基板に、1基板
当たり、上下左右各1の合計4セル(セルサイズが1イ
ンチ)からなるパターンをスクリーン印刷し、幅約0.
5mm、シール剤の塗布厚みが約20乃至22μmから
なるITO基板を得た。その後、80℃熱風乾燥器で2
0分処理後、対になるべき別のITO基板を乗せ、位置
合わせ後に、プレス圧0.03MPa/cm2,180
℃/5分で剛体枚葉式熱プレス方式により仮接着した
後、150℃/80分で本硬化する接合シール試験を1
0回繰り返し実施した。その結果、シール貫通泡の発生
によるシール不良箇所やシールラインの乱れは全く発生
しなかった。また得られたセルを用いて行ったシール機
能耐久性試験の結果も表6の様に1000時間後でも良
好であった。
【0321】実施例13 実施例(11)に於いて硬化剤FPI5127(PPF
樹脂)25部に替えて、OP樹脂5部とミレックスSP
樹脂15部とした以外は、実施例11と全く同様にして
液晶表示セルシール剤用組成物(E13)を調製した。
液晶表示セルシール剤用組成物(E13)に関わるシー
ル剤物性を表6に示した。液晶表示セルシール剤用組成
物(E13)100部に対し、太さ5μmのガラス短繊
維のギャップコントロール剤5部を配合し、十分混合し
て得た組成物を、まずITO基板に、1基板当たり、上
下左右各1の合計4セル(セルサイズが1インチ)から
なるパターンをスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シ
ール剤の塗布厚みが約20乃至22μmからなるITO
基板を得た。その後、80℃熱風乾燥器で20分処理
後、対になるべき別のITO基板を乗せ、位置合わせ後
に、プレス圧0.03MPa/cm2,180℃/5分
で剛体枚葉式熱プレス方式により仮接着した後、更に1
50℃/80分で本硬化する接合シール試験を10回繰
り返し実施した。その結果、シール貫通泡の発生による
シール不良箇所やシールラインの乱れは全く発生しなか
った。接合シール試験結果及びシール機能耐久性試験の
結果を表6に示した。
【0322】
【表5】
【0323】
【表6】
【0324】比較例1 固形エポキシ樹脂であり、かつ抽出水のイオン濃度が
6.2mS/m(62μs/cm)であるGPCによる
数平均分子量が約890の未精製のオルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂(表7中でクルードノボラック
エポキシと表す)30部をメチルカルビトール20部で
溶解した液に、更に、加水分解性塩素の含有量が350
ppmの液状型ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エポ
ミックR140特殊グレード」(表7中では単にクルー
ドR−140と表す)106部、室温下ではエポキシ樹
脂に非溶解性の潜在性エポキシ硬化剤としてアジピン酸
ジヒドラジッド(表7中ではADHと略称する)18
部、硬化促進剤としてN−シアノエチル−2−エチル−
4−メチルイミダゾール0.2部、酸化チタン「CR−
EL」5部、球状シリカ「SO−E1−6」3部、昭和
電工製品無定型アルミナUA−5105を14.8部、
エポキシシラン2部を加え、予備混合し、次に3本ロー
ルで固体原料が5μm以下になるまで混練し、混練物を
真空脱泡処理して表7に記載の液晶表示セルシール剤用
組成物(F1)を得た。液晶表示セルシール剤用組成物
(F1)は、一分子中に重量平均で2.5個のエポキシ
基を有するエポキシ樹脂からなり、その含有量68%
と、無機質充填剤11.9%、シランカップリング剤1
%、潜在性エポキシ硬化剤9%、硬化促進剤0.1%、
溶剤10%からなる。なお、E型粘度計による25℃初
期粘度は29Pa・s、1回転/10回転粘度の比で表
されるチクソ指数が1.7であった。液晶表示セルシー
ル剤用組成物(F1)に関わるシール剤物性を表8に示
した。
【0325】液晶表示セルシール剤用組成物(F1)1
00部に対し、太さ5μmのガラス短繊維のギャップコ
ントロール剤5部を配合し、十分混合して得た組成物
を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各1の
合計4セル(セルサイズが1インチ)からなるパターン
をスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の塗布
厚みが約20乃至22μmからなるITO基板を得た。
その後、80℃熱風乾燥器で20分処理後、対になるべ
き別のITOガラス基板を乗せ、位置合わせ後に、その
セットで10セットを多段プレスにてプレス圧0.03
MPa/cm2下に圧締保持した状態下で150℃オー
ブンに90分放置し、本硬化接着させた結果、シール貫
通泡の発生によるシール不良箇所やシールラインの乱れ
は無く、得られたセルを用いて行ったシール機能耐久性
試験の結果を表8のシール耐久性の評価欄に示した。こ
の液晶表示セルシール剤用組成物(F1)は多段プレス
方式により加熱接着する液晶表示素子の製造適性は良好
であることが示された。
【0326】また、液晶表示セルシール剤用組成物(F
1)100部に対し、太さ5μmのガラス短繊維のギャ
ップコントロール剤5部を配合し、十分混合して得た組
成物を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各
1の合計6セル(セルサイズが1インチ)からなるパタ
ーンをスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の
塗布厚みが約20乃至22μmからなるITOガラス基
板を得た。その後、該4セルは80℃熱風乾燥器で20
分処理後、対になるべき別のITO基板を乗せ、位置合
わせ後に、プレス圧0.03MPa/cm2、180℃
剛体枚葉熱プレスで4分加熱仮接着したところ、シール
貫通泡の発生やシールラインの不良が見られた。よっ
て、この液晶表示セルシール剤用組成物(F1)は枚葉
熱プレス適性には欠けることが判明した。また、残り2
セルは80℃熱風乾燥機で20分処理後、対になるべき
別のITO基板を乗せ、位置合わせ後に0.03MPa
/cm2にて圧着固定後、毎分2℃で昇温させて130
℃に到達後、更に同温度下に90分放置して液晶表示セ
ルを作成した。ここで得られたセルのクサビ開き試験結
果ならびに非滲み出し性試験結果は表8にそれぞれ示し
た。
【0327】比較例2 固形エポキシ樹脂であり、かつ抽出水のイオン濃度が
6.2mS/m(62μs/cm)であるGPCによる
数平均分子量が約890の未精製のオルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂(表7中ではクルードノボラッ
クエポキシと表す)25部とエポミックR−367を3
部とをメチルカルビトールの15部で溶解した液に、更
に、加水分解性塩素の含有量が500ppmの液状型ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂エピクロンEP830の
17部と、事前にドデカン二酸ジヒドラジド(表中では
DDHと略称する)12部、促進剤としてトリス(ジメ
チルアミノメチルフェノール)塩酸塩(表7中では単に
DMP−30塩酸塩)1部、アミノシラン1部、無定型
シリカ「MU−120」2部、無定型アルミナとしてC
R−10を10部とCR−125を13部とを加え、予
備混合し、次に3本ロールで固体原料が5μm以下にな
るまで混練し、混練物を真空脱泡処理して表7記載の液
晶表示セルシール剤用組成物(F2)を得た。液晶表示
セルシール剤用組成物(F2)は、エポキシ樹脂45
%、無機質充填剤25%、シランカップリング剤1%、
潜在性エポキシ硬化剤12%、硬化促進剤2%、溶剤1
5%からなる。なお、E型粘度計による25℃初期粘度
は35Pa・s、1回転/10回転粘度の比で表される
チクソ指数が1.6であった。液晶表示セルシール剤用
組成物(F2)に関わるシール剤物性を表8に示した。
【0328】液晶表示セルシール剤用組成物(F2)1
00部に対し、太さ5μmのガラス短繊維のギャップコ
ントロール剤3部を配合し、十分混合して得た組成物
を、まずITO基板に、1基板当たり、上下左右各1の
合計6セル(セルサイズが1インチ)からなるパターン
をスクリーン印刷し、幅約0.5mm、シール剤の塗布
厚みが約20乃至22μmからなるITOガラス基板を
得た。その後、該4セルは80℃熱風乾燥器で20分処
理後、対になるべき別のITO基板を乗せ、位置合わせ
後に、真空度−980ヘクトパスカル、180℃真空枚
葉熱プレスで10分加熱仮接着したところ、シール貫通
泡の発生やシールラインの不良が見られた。よってこの
液晶表示セルシール剤用組成物(F1)は、真空枚葉熱
プレス適性には欠けることが判明した。また、残り2セ
ルは、80℃熱風乾燥機で20分処理後、対になるべき
別のITO基板を乗せ、位置合わせ後に0.03MPa
/cm2にて圧着固定後、室温から毎分2℃で昇温させ
150℃に到達後、更に同温度下に90分放置して液晶
表示セルを作成した。得られたセルの液晶表示機能の観
察結果を併せて表8に示した。また、得られたセルを用
いて行ったシール機能耐久性試験の結果は250時間以
内で表示ムラ著しく、表示機能の低下が発生した。
【0329】
【表7】
【0330】
【表8】
【0331】実施例14 エポミックVG3101L43.1部をプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート25部に溶解して
得た樹脂溶液68.1部と、NA樹脂(ナフトールアラ
ルキル樹脂)111.2部とDCN(ジシクロペンタジ
エン変性フェノールノボラック樹脂)111.2部とを
事前にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート150部に溶解して得た硬化剤溶液372.4部、
シリコンゴム含有エポキシ樹脂組成物(b)250部、
硬化促進剤である5302T21.6部、同CatZ−
15を4.3部、KBM403を8.6部、無定形シリ
カとしてMU−120を12.9部、シランカップリン
グ剤を事前にグラフト処理してなる真球状アルミナSO
−A805を262.1部とを一括ダルトンミキサーで
予備混合し、次に3本ロールで固体原料が5μm以下に
なるまで混練し、さらに該混練物100部に6μmのガ
ラス短繊維のギャップコントロール剤2部を加えて混
合、真空脱泡処理して表9記載の液晶表示セルシール剤
用組成物(E14)を得た。ギップコントロール剤を除
く該液晶表示セルシール剤用組成物(E14)は、エポ
キシ樹脂の含有量21.81%、溶剤含有量17.5
%、ゴム状ポリマー微粒子含有量7.5%、無機質充填
剤含有量27.5%、硬化剤含有量22.24%、硬化
促進剤含有量2.59%、シランカップリング剤含有量
0.86%とからなる。液晶表示セルシール剤用組成物
(E14)のシール剤物性を表10に示した。
【0332】液晶表示セルシール剤用組成物(E14)
を用い、実施例1と同様に接合シール試験を実施し、接
合シール試験結果ならびにシール耐久性試験結果を表1
0に示した。得られたセルは、セルのクサビ開き試験な
らびにプレッシャークッカー後の同試験のいずれにおい
ても、接着剤の完全凝集破壊であり接着信頼性に優れて
いることが判明した。また、シール機能耐久性試験10
00時間経過後の表示機能は良好であった。
【0333】実施例15 表9に示した処方に従って、実施例14と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E15)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E15)は、エポキシ樹脂の含有量21.
15%、溶剤含有量16%、ゴム状ポリマー微粒子含有
量9.85%、無機質充填剤含有量23.5%、硬化剤
含有量26.5%、硬化促進剤含有量1%、シランカッ
プリング剤含有量2%とからなる。液晶表示セルシール
剤用組成物(E15)のシール剤物性を表10に示し
た。液晶表示セルシール剤用組成物(E15)を用い、
実施例5と同様に接合シール試験を実施し、接合シール
試験結果ならびにシール耐久性試験結果を表10示し
た。得られたセルは、セルのクサビ開き試験において接
着剤の完全凝集破壊であり、接着信頼性に優れているこ
とが判明した。また、シール機能耐久性試験1000時
間経過後の表示次機能は良好であった。
【0334】実施例16 表9に示した処方に従って、実施例14と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E16)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E16)は、エポキシ樹脂の含有量35.
15%、ゴム状ポリマー微粒子含有量9.85%、無機
質充填剤含有量が21.3%、硬化剤含有量29%、硬
化促進剤含有量3.2%、シランカップリング剤含有量
1.5%とからなる。液晶表示セルシール剤用組成物
(E16)のシール剤物性を表10に示した。液晶表示
セルシール剤用組成物(E16)を用い、実施例5と同
様に接合シール試験を実施し、接合シール試験結果なら
びにシール耐久性試験結果を表10に示した。得られた
セルは、セルのクサビ開き試験において接着剤の完全凝
集破壊であり、接着信頼性に優れていることが判明し
た。また、シール機能耐久性試験1000時間経過後の
表示機能は良好であった。
【0335】実施例17 表9に示した処方に従って、実施例14と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E17)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E17)は、エポキシ樹脂の含有量35.
15%、ゴム状ポリマー微粒子含有量9.85%、無機
質充填剤含有量21.3%、硬化剤含有量29%、硬化
促進剤含有量3.2%、シランカップリング剤含有量
1.5%とからなる。液晶表示セルシール剤用組成物
(E17)のシール剤物性を表10に示した。液晶表示
セルシール剤用組成物(E17)を用い、実施例5と同
様に接合シール試験を実施し、接合シール試験結果なら
びにシール耐久性試験結果を表10に示した。得られた
セルは、セルのクサビ開き試験において接着剤の完全凝
集破壊であり、接着信頼性に優れていることが判明し
た。また、シール機能耐久性試験1000時間経過後の
表示機能は良好であった。
【0336】実施例18 表9に示した処方に従って、実施例14と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E18)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E18)は、エポキシ樹脂の含有量35.
15%、ゴム状ポリマー微粒子含有量9.85%、無機
質充填剤含有量21.3%、硬化剤含有量25.5%、
硬化促進剤含有量3.2%、シランカップリング剤含有
量1.5%、高軟化点ポリマー微粒子含有量3.5%と
からなる。液晶表示セルシール剤用組成物(E18)の
シール剤物性を表10に表した。液晶表示セルシール剤
用組成物(E18)を用い実施例5と同様に接合シール
試験を実施し、接合シール試験結果ならびにシール耐久
性試験結果を表10に示した。得られたセルは、セルの
クサビ開き試験において接着剤の完全凝集破壊であり、
接着信頼性に優れていることが判明した。また、シール
機能耐久性試験1000時間経過後の表示機能は良好で
あった。
【0337】実施例19 表9に示した処方に従って、実施例14と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E19)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E19)は、エポキシ樹脂の含有量34.
57%、溶剤含有量19.2%、ゴム状ポリマー微粒子
含有量7.13%、無機質充填剤含有量17%、硬化剤
含有量19%、硬化促進剤含有量2.1%、シランカッ
プリング剤含有量1%とからなる。液晶表示セルシール
剤用組成物(E19)のシール剤物性を表10に示し
た。液晶表示セルシール剤用組成物(E19)を用い、
実施例5と同様に接合シール試験を実施し、接合シール
試験結果ならびにシール耐久性試験結果を表10に示し
た。得られたセルは、セルのクサビ開き試験において接
着剤の完全凝集破壊であり、接着信頼性に優れているこ
とが判明した。また、シール機能耐久性試験1000時
間経過後の表示機能は良好であった。
【0338】実施例20 表9に示した処方に従って、実施例14と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E20)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E20)は、エポキシ樹脂の含有量28.
54%、溶剤含有量13.2%、ゴム状ポリマー微粒子
含有量8.26%、無機質充填剤含有量17.3%、硬
化剤含有量28%、硬化促進剤含有量3.2%、シラン
カップリング剤含有量1.5%とからなる。液晶表示セ
ルシール剤用組成物(E20)のシール剤物性を表10
に示した。液晶表示セルシール剤用組成物(E20)を
用い、実施例5と同様に接合シール試験を実施し、接合
シール試験結果ならびにシール耐久性試験結果を表10
に示した。得られたセルは、セルのクサビ開き試験にお
いて接着剤の完全凝集破壊であり、接着信頼性に優れて
いることが判明した。また、シール機能耐久性試験10
00時間経過後の表示機能は良好であった。
【0339】
【表9】
【0340】
【表10】
【0341】比較例3 表11に示した処方に従い、比較例1と同様にして液晶
表示セルシール剤用組成物(F3)を得た。F3組成物
は、硬化促進剤を含まない例であり、吸水率、TMA測
定(Tg、線膨張係数)、透湿性、表面硬度特性以外の
シール剤物性測定結果を表12に示したが、150℃9
0分熱硬化させた際に得られる塗膜は、80乃至150
℃領域で強い粘着性を示す未硬化性の硬化膜しか形成せ
ず、アセトン溶剤に容易に膨潤する性質を示した。従っ
て、硬化促進剤を含まない該F3組成物は、熱硬化性が
著しく遅い組成物と言え、吸水特性評価ならびにTMA
測定は実質的に行えず、表12中の吸水率、Tg、透湿
性、吸水性は、測定不可であった。また、該F3組成物
100部に対し、6μmのガラス短繊維のギャップコン
トロール剤2部を混合し、実施例1と同様に接合シール
試験に供した。その結果、滲み出しやシール貫通泡の発
生は殆ど観察されない接合セルを形成出来たが、耐熱接
着力が低く、熱プレス板から取り出す際に接着力が低く
上下基板の位置ズレが全ロットで観察されたことより、
枚葉熱プレス適性は不適性であると判断された。また、
得られたセルを用いたシール耐久性試験結果は表12に
示す様に、液晶表示機能耐久性に欠けるものであった。
【0342】比較例4 表11に示した処方に従い、実施例1と同様にして液晶
表示セルシール剤用組成物(F4)を得た。F4組成物
は、硬化促進剤としてイミダゾール単量体を用いた例で
ある。液晶表示セルシール剤用組成物(F4)のシール
剤物性を表12に示したが、明らかに該F4組成物は常
温のポットライフに致命的な問題があり、塗布作業性に
欠けることが判明した。製造直後の該F4組成物100
部に対し、6μmのガラス短繊維のギャップコントロー
ル剤2部を混合し、実施例1と同様に接合シール試験に
供した結果、プレ乾燥後の組成物は、硬くて対基板に対
する濡れ性がなく、接合シール試験で得られたセルは、
その半数が実質接着しておらず、枚葉熱プレス適性に欠
けるシール剤であると判明した。また、得られたセルの
観察結果を表12に示した。製造後10時間室温23℃
に放置した該F4組成物を用いて、実施例1と同様に接
合シール試験を行ったところ、全数が接着不良を呈し、
著しく枚葉熱プレス適性に欠けるシール剤であると判明
した。製造直後の該F4シール剤を用いて前記の接合シ
ール試験に供されて製造され、接着がある程度確保され
たセルにてシール耐久性試験を実施した結果を表12に
示した。その結果、耐久性はほぼ良好と判明したが、保
存安定性に欠けることが致命的である。
【0343】比較例5 表11に示した処方に従い、実施例1と同様にして液晶
表示セルシール剤用組成物(F5)を得た。F5組成物
は、硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィンを用い
た例である。液晶表示セルシール剤用組成物(F5)の
シール剤物性を表12に示したが、明らかに該F5組成
物は、常温のポットライフ適性に重大な問題があり、塗
布作業性に欠けている。製造直後の該F5組成物の10
0部に対し、6μmのガラス短繊維のギャップコントロ
ール剤2部を混合し、実施例1と同様に接合シール試験
に供した結果、プレ乾燥後の組成物は硬くて対基板に対
する濡れ性が乏しく、接合シール試験で得られたセル
は、そのほぼ半数に実質接着欠陥が認められ、枚葉熱プ
レス適性に欠けるシール剤であると判明した。得られた
セルの観察結果を表12に示した。製造後12時間室温
25℃に放置した該F5組成物を用いて、実施例1と同
様に接合シール試練を行ったところ、全数に接着不良ま
たは接着欠陥が認められ、液晶注入時に漏れや剥離現象
が発生、著しく枚葉熱プレス適性に欠けるシール剤であ
ると判明した。製造直後の該F5シール剤を用いて前記
の接合シール試験に供されて製造され、接着が認められ
たセルにて、シール耐久性試験を実施した結果を表12
に示した。その結果、耐久性はほぼ良好と判明したが、
保存安定性に欠けることが致命的である。
【0344】比較例6 表11に示した処方に従い、実施例1と同様にして液晶
表示セルシール剤用組成物(F6)を得た。F6組成物
は、多価フェノール硬化剤の配合量が9.9質量%とエ
ポキシ樹脂に対する硬化剤当量比が過少(エポキシ基:
活性フェノール性水酸基の当量比で1:0.3)の例で
ある。液晶表示セルシール剤用組成物(F6)のシール
剤物性を表12に示した。明らかに、耐熱剛性に欠ける
硬化体しか生成しない致命的な問題を持つシール剤と判
明した。150℃90分熱硬化させた際に得られるシー
ル剤塗膜は、80乃至150℃領域で強い粘着性を示す
未硬化性の硬化膜しか形成せず、アセトン溶剤に容易に
膨潤する性質を示した。従って、硬化剤添加量が過少な
F6シール剤組成物は、室温で脆弱な粘着性の強い耐熱
剛性に欠ける硬化体しか与えないことが問題である。タ
ックのない平滑なフィルム状硬化体が得られなかったこ
とより、透湿性、吸水特性評価は実質的に行えず、表1
2中の吸水率、透湿性は測定不可とした。該F6組成物
100部に対し、6μmのガラス短繊維のギャップコン
トロール剤2部を混合し、実施例1と同様に接合シール
試験に供した。その結果、滲み出しは無いが、シール貫
通泡の発生が25%の確率で観察された。接合セルとし
てはその形を保つものが得られたことから、枚葉熱プレ
ス適性は、ほぼ適すと判断した。また、得られたセルを
クサビ開き試験ならびにシール耐久性試験に供し、その
結果を表12に示したが、液晶表示機能耐久性に欠ける
結果であった。
【0345】比較例7 表11に示した処方に従い、実施例1と同様にして液晶
表示セルシール剤用組成物(F7)を得た。F7組成物
は、多価フェノール硬化剤の配合量が52質量%であ
り、エポキシ樹脂に対する硬化剤当量比が過大(エポキ
シ基:活性フェノール性水酸基に換算した際の仕込当量
比で1:4)の例である。液晶表示セルシール剤用組成
物(F7)のシール剤物性を表12に表したが、明らか
に10゜程度曲げると脆く崩れる硬化体しか生成しない
致命的な問題を持つシール剤である。よって、表面硬
度、TMA(Tg、線膨張係数)、透湿性、吸水性の各
試験は実質的に不可であり、表12中では測定不可と表
した。該F7組成物の100部に対し、6μmのガラス
短繊維のギャップコントロール剤2部を混合し、実施例
1と同様に接合シール試験に供した。その結果、滲み出
しは無いが、シール貫通泡の発生が半数以上の確率で観
察され、また、セルを取り扱う際に接着剤が脆くて容易
に崩れてしまい、正常なセルは一つとして得られなかっ
た。よって、枚葉熱プレス適性は不適と判定した。シー
ル耐久性試験は実質不可であったので、表12中のシー
ル耐久性試験の結果は、セル製造不可と表した。
【0346】比較例8 表11に示した処方に従い、実施例1と同様にして液晶
表示セルシール剤用組成物(F8)を得た。F8組成物
は、エポキシ樹脂とエステル化多価フェノール樹脂硬化
剤、シランカップリング剤、無機質充填剤ならびに高沸
点溶剤からなる組成物であり、表12に示すシール剤物
性で明らかな様に、比較例3のF3組成物と同様、F8
組成物は熱硬化性に著しく欠けること、更にはセル化適
性に著しく欠けることが明らかである。特に、150℃
90分熱硬化させた際に得られるシール剤塗膜は、実質
未硬化状態にあり、脆く崩れやすい硬化膜しか形成せ
ず、該塗膜はアセトン溶剤に容易に溶解膨潤する性質を
示した。以上の結果、シール剤(F8)組成物は、熱硬
化性に欠けることが最も問題である。
【0347】液晶表示セルシール剤用組成物(F8)1
00部に対し、太さ5μmのガラス短繊維のギャップコ
ントロール剤5部を配合し、十分混合して得た組成物
を、まず、ITO基板に、1基板当たり1インチサイズ
上下左右各1の合計4セルからなるパターンをスクリー
ン印刷し、幅約0.5mm、厚み約20乃至22μmか
らなるITO基板を得た。その後、120℃熱風乾燥器
で30分処理後、対になるべき別のITO基板を乗せ、
位置合わせ後に、プレス圧0.03MPa/cm 2,2
50℃/4分で剛体枚葉プレス加熱により仮接着した
後、引き続き200℃加熱オーブン中に5時間投入して
本硬化接着する接合シール試験を10回繰り返し実施し
た。その結果、シ-ル貫通泡の発生によるシール不良箇所
やシールラインの乱れが60%の確率で観察された。よ
って、枚葉熱プレス適性に欠けることが判明した。ま
た、シール性がなんとか確保されているセルにて行った
シール耐久性試験の結果は表12の様に芳しくなかっ
た。
【0348】比較例9 表11に示した処方に従い、実施例1と同様にして比較
例の液晶表示セルシール剤用組成物(F9)を得た。F
9組成物は、硬化促進剤であるフォスファゼン化合物
(PZO)及びイミダゾールエポキシアダクト体(PN
−23)の総量で16質量%含有してなる組成物であ
る。表12に示すシール剤物性で明らかな様に、その硬
化体は低吸水性や低透湿性に富む一方、硬くて脆い性質
である為に接着シール信頼性に問題がある。該F9組成
物100部に対し、6μmのガラス短繊維のギャップコ
ントロール剤2部を混合し、実施例1と同様に接合シー
ル試験に供した。その結果、ギャップ不良やシール欠陥
の多発が観察され、セル化適性が欠けることが判明し
た。よって表12中のシール耐久性に関する結果表示
は、セル製造不可と表した。
【0349】
【表11】
【0350】
【表12】
【0351】実施例21 表13に示した処方に従って、実施例1と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E21)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E21)は、エポキシ樹脂の含有量29.
44%、溶剤含有量13.2%、ゴム状ポリマー微粒子
含有量8.26%、無機質充填剤含有量が18%、硬化
剤含有量27.8%、硬化促進剤含有量2%、シランカ
ップリング剤含有量1.3%とからなる。液晶表示セル
シール剤用組成物(E21)のシール剤物性を表14に
示した。液晶表示セルシール剤用組成物(E21)を用
い、実施例1と同様に接合シール試験を実施し、接合シ
ール試験結果ならびにシール耐久性試験結果を表14に
表した。得られたセルは、セルのクサビ開き試験におい
て接着剤の一部凝集破壊であり、接着信頼性は良好であ
ることが判明した。また、シール機能耐久性試験100
0時間経過後の表示機能は良好であった。
【0352】実施例22 表13に示した処方に従って、実施例1と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E22)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E22)は、エポキシ樹脂の含有量21.
1%、ゴム状ポリマー微粒子含有量6.9%、無機質充
填剤含有量25.5%、硬化剤含有量24.5%、硬化
促進剤含有量1.5%、シランカップリング剤含有量2
%、溶剤含有量18.5%とからなる。液晶表示セルシ
ール剤用組成物(E22)のシール剤物性を表14に示
した。液晶表示セルシール剤用組成物(E22)を用
い、実施例1と同様に接合シール試験を実施し、接合シ
ール試験結果ならびにシール耐久性試験結果を表14に
示した。得られたセルは、セルのクサビ開き試験におい
て接着剤の完全凝集破壊であり、接着信頼性に優れてい
ることが判明した。また、シール機能耐久性試験100
0時間経過後の表示機能は良好であった。
【0353】実施例23 表13に示した処方に従って、実施例1と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E23)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E23)は、エポキシ樹脂の含有量22.
5%、ゴム状ポリマー微粒子含有量7.5%、無機質充
填剤含有量24.5%、硬化剤含有量23%、硬化促進
剤含有量2%、シランカップリング剤含有量2.5%、
溶剤含有量18%とからなる。液晶表示セルシール剤用
組成物(E23)のシール剤物性を表14に示した。液
晶表示セルシール剤用組成物(E23)を用い、実施例
1と同様に接合シール試験を実施し、接合シール試験結
果ならびにシール耐久性試験結果を表14に表した。得
られたセルは、セルのクサビ開き試験において接着剤の
一部凝集破壊であり、接着信頼性は良好であることが判
明した。また、シール機能耐久性試験1000時間経過
後の表示機能は良好であった。
【0354】実施例24 表13に示した処方に従って、実施例1と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E24)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E24)は、エポキシ樹脂の含有量22.
5%、ゴム状ポリマー微粒子含有量7.5%、無機質充
填剤含有量24.5%、硬化剤含有量23%、硬化促進
剤含有量2%、シランカップリング剤含有量2.5%、
溶剤含有量18%とからなる。液晶表示セルシール剤用
組成物(E24)のシール剤物性を表14に示した。液
晶表示セルシール剤用組成物(E24)を用い、実施例
1と同様に接合シール試験を実施し、接合シール試験結
果ならびにシール耐久性試験結果を表14に示した。得
られたセルは、セルのクサビ開き試験において接着剤の
一部凝集破壊であり、接着信頼性は良好である事が判明
した。また、シール機能耐久性試験1000時間経過後
の表示機能は良好であった。
【0355】実施例25 表13に示した処方に従って、実施例1と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E25)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E25)は、エポキシ樹脂の含有量22.
5%、ゴム状ポリマー微粒子含有量7.5%、無機質充
填剤含有量24.5%、硬化剤含有量23%、硬化促進
剤含有量2%、シランカップリング剤含有量2.5%、
溶剤含有量18%とからなる。液晶表示セルシール剤用
組成物(E25)のシール剤物性を表14に示した。液
晶表示セルシール剤用組成物(E25)を用い、実施例
1と同様に接合シール試験を実施し、接合シール試験結
果ならびにシール耐久性試験結果を表14に示した。得
られたセルは、セルのクサビ開き試験において接着剤の
一部凝集破壊であり、接着信頼性は良好であることが判
明した。また、シール機能耐久性試験1000時間経過
後の表示機能は良好であった。
【0356】実施例26 表13に示した処方に従って、実施例1と同様にして本
発明の液晶表示セルシール剤用組成物(E26)を得
た。ギップコントロール剤を除く該液晶表示セルシール
剤用組成物(E26)は、エポキシ樹脂の含有量37.
2%、ゴム状ポリマー微粒子含有量7.8%、無機質充
填剤含有量21.3%、硬化剤含有量29%、硬化促進
剤含有量3.2%、シランカップリング剤含有量1.5
%とからなる。液晶表示セルシール剤用組成物(E2
6)のシール剤物性を表14に示した。液晶表示セルシ
ール剤用組成物(E26)を用い、実施例1と同様に接
合シール試験を実施し、接合シール試験結果ならびにシ
ール耐久性試験結果を表14に表した。得られたセル
は、セルのクサビ開き試験において接着剤の一部凝集破
壊であり、接着信頼性に優れていることが判明した。ま
た、シール機能耐久性試験1000時間経過後の表示機
能は良好であった。
【0357】実施例27 実施例5で調整した本発明の液晶表示セルシール剤用組
成物(E5)100部に対し、積水ファインケミカル社
製の導電ビーズ・商品名「ミクロパールAU−205」
5.28部を加えてなる組成物(E27)を得た。液晶
表示セルシール剤用組成物(E27)のシール剤物性を
表14に示した。液晶表示セルシール剤用組成物(E2
7)を用いて、実施例1と同様に接合シール試験を実施
し、接合シール試験結果ならびにシール耐久性試験結果
を表14に示した。得られたセルは、セルのクサビ開き
試験において接着剤の一部凝集破壊であり、接着信頼性
に優れていることが判明した。また、シール機能耐久性
試験1000時間経過後の表示機能は良好であった。異
方導電性に関わる測定結果も同時に表14に示したが、
異方導電性とシール接着適性のいずれも優れていること
が判明した。
【0358】実施例28 実施例12で調整した本発明の液晶表示セルシール剤用
組成物(E12)100部に対し、積水ファインケミカ
ル社製の導電ビーズ・商品名「ミクロパールAU−20
5」7.52部を加えてなる組成物(E28)を得た。
液晶表示セルシール剤用組成物(E28)のシール剤物
性を表14に示した。液晶表示セルシール剤用組成物
(E28)を用いて、実施例1と同様に接合シール試験
を実施し、接合シール試験結果ならびにシール耐久性試
験結果を表14に示した。得られたセルは、セルのクサ
ビ開き試験において接着剤の一部凝集破壊であり、接着
信頼性に優れていることが判明した。また、シール機能
耐久性試験1000時間経過後の表示機能は良好であっ
た。異方導電性に関わる測定結果も同時に表14に示し
たが、異方導電性とシール接着適性のいずれも優れてい
ることが判明した。
【0359】
【表13】
【0360】
【表14】
【0361】
【発明の効果】本発明の液晶表示セルシール剤用組成物
は、実施例1乃至実施例28で明らかなように、硬化体
を煮沸水に30分浸漬させて測定される吸水率が2%以
下と低い特徴を持つことが明らかである。また、 イ.貯蔵安定性ならびに塗布作業性が良好、 ロ.プレキュアー後の仮接着性が高い、 ハ.枚葉プレス加熱接着方式に適合すると共に、非滲み
出し性、非貫通泡性、シールラインの直線性、正確なギ
ャップ幅制御性が優れている、 ニ.接着シール信頼性に優れている、 ホ.その硬化体は80℃低透湿性に優れている、 ヘ.組成物から移行する電気伝導性イオンの存在が低く
抑えられている、よって、 ト.高温時の接着耐久性や、得られる液晶表示セルの高
温多湿環境下での長時間表示安定性を確保することがで
きる。
【0362】特に、本発明の液晶表示セルシール剤用組
成物で製造された液晶表示素子は、シール機能耐久性が
1000時間を越える高機能性を持つことが明らかであ
る。一方、比較例1または比較例2で明らかなように、
遊離性イオンを多く含む液晶表示セルシール剤用組成物
では、表示機能耐久性に欠けることと同時に、ジヒドラ
ジドを主な硬化剤とするエポキシ樹脂組成物は、2%を
越す高吸水性を持つという問題があり、また、比較例3
では本発明の液晶表示セルシール剤用組成物成分として
本発明の硬化促進剤を含有していない例であるが、未硬
化または脆弱な硬化物しか得られない。また、比較例4
は硬化促進剤として良く知られる2−エチル−4メチル
イミダゾールを用いてなる例であるが、そのシール剤は
ポットライフ適性が無く、塗布作業性に致命的な問題を
持つ。さらに、比較例5では硬化促進剤として良く知ら
れるトリフェニルフォスフィンを用いた例であるが、比
較例4と同様、ポットライフが極めて短く、塗布作業性
に致命的な問題を持つことが明らかとなった。
【0363】比較例6及び比較例7では、硬化剤配合量
を過少または過大とした例であるが、そのいずれにおい
ても硬化不良または接着不良を呈し、実質的に液晶表示
セル製造に適さないことが明らかである。また、比較例
8ならびに比較例9では硬化促進剤なし、または過大と
した例であるが、前者は硬化不良ならびに接着性に欠け
ること、後者は硬くて脆い硬化体しかえられず、しかも
ギャップ制御性や接着付与性に著しく欠けることが明ら
かである。すなわち、本発明の液晶表示セル用シール剤
を用いた液晶表示素子または液晶表示セルシール剤用組
成物を用いて製造された液晶表示素子は、高温多湿環境
下での長時間表示安定性が確保できることが特徴であ
る。本発明の液晶表示素子は、車両等高温多湿状況にお
いて使用されるディスプレイとして用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1339 505 G02F 1/1339 505 1/1341 1/1341 Fターム(参考) 2H089 LA24 MA03Y NA22 NA38 NA40 NA42 NA44 NA45 QA06 QA07 RA05 RA10 RA13 RA14 4J002 BG04Y CC02X CC04X CC07X CD00W CE00X DA067 DA077 DC007 EJ016 EJ076 FA08Y FD01Y FD117 FD14X GJ02 4J036 AA01 DB05 DB09 DC25 DD07 FB05 FB07 FB08

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶表示セルシール剤用組成物の硬化体
    からなる液晶表示素子のシール剤であって、該硬化体の
    吸水率が2質量%以下であることを特徴とする液晶表示
    セル用シール剤。
  2. 【請求項2】 厚み100μmの硬化膜を通過する80
    ℃透湿度が200g/m2・24hrs以下であること
    を特徴とする請求項1記載の液晶表示セル用シール剤。
  3. 【請求項3】 シール剤0.1質量部に対し、液晶1質
    量部の割合で、145℃、1時間接触させた後の液晶の
    比抵抗値が、接触前の液晶の比抵抗値の250倍以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示セ
    ル用シール剤。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂を多価フェノール化合物、
    多価フェノール樹脂及びそれらのエステル化物から選ん
    だ少なくとも一種からなる硬化剤で硬化したものである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液
    晶表示セル用シール剤。
  5. 【請求項5】 アルキル尿素誘導体及びフォスファゼン
    化合物から選ばれる少なくとも1種からなる硬化促進剤
    を用いたものであることを特徴とする請求項4記載の液
    晶表示セル用シール剤。
  6. 【請求項6】(1)エポキシ樹脂と(2)多価フェノー
    ル化合物、多価フェノール樹脂及びそれらのエステル化
    物から選んだ少なくとも一種からなる硬化剤及び(3)
    アルキル尿素誘導体、フォスファゼン化合物から選ばれ
    る少なくとも1種からなる硬化促進剤とを含有してなる
    液晶表示セルシール剤用組成物。
  7. 【請求項7】(1)エポキシ樹脂20乃至88.9質量
    部と(2)多価フェノール化合物、多価フェノール樹脂
    及びそれらのエステル化物から選んだ少なくとも一種か
    らなる硬化剤10乃至50質量部及び(3)アルキル尿
    素誘導体、フォスファゼン化合物から選ばれる少なくと
    も1種からなる硬化促進剤0.1乃至20質量部とを含
    有してなる請求項6記載の液晶表示セルシール剤用組成
    物。
  8. 【請求項8】組成物と同質量の純水とを混和させて得ら
    れる水溶液のイオン伝導度が10mS/m以下であるこ
    とを特徴とする請求項6又は7記載の液晶表示セルシー
    ル剤用組成物。
  9. 【請求項9】 組成物の硬化体の吸水率が2質量%以下
    であることを特徴とする請求項6又は7記載の液晶表示
    セルシール剤用組成物。
  10. 【請求項10】 組成物の硬化膜の厚み100μmを通
    過する80℃透湿度が200g/m2・24hrs以下
    であることを特徴とする請求項6又は7記載の液晶表示
    セルシール剤用組成物。
  11. 【請求項11】 組成物0.1質量部に対し、液晶1質
    量部の割合で、145℃、1時間接触させた後の液晶の
    比抵抗値が、接触前の液晶の比抵抗値の250倍以下で
    あることを特徴とする請求項6又は7記載の液晶表示セ
    ルシール剤用組成物。
  12. 【請求項12】 0℃以下の軟化点温度を持ち、その一
    次粒子の平均粒子径が5μm以下であるゴム状ポリマー
    微粒子を液晶表示セルシール剤用組成物中に占める割合
    で1及至25質量%含有してなる請求項6又は7記載の
    液晶表示セルシール剤用組成物。
  13. 【請求項13】 硬化剤が、フェノールノボラック樹
    脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック
    樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、脂環化合物変性フェ
    ノールノボラック樹脂、脂環化合物変性ナフトールノボ
    ラック樹脂、多環芳香族化合物変性ノボラック樹脂、多
    価フェノール単量体、ポリビニルフェノール、ビニルフ
    ェノール共重合体、ポリイソプロペニルフェノール、ポ
    リイソプロペニルフェノール共重合体、エステル化フェ
    ノールノボラック樹脂、エステル化フェノールアラルキ
    ル樹脂、エステル化ナフトールノボラック樹脂、エステ
    ル化ナフトールアラルキル樹脂、エステル化脂環化合物
    変性フェノールノボラック樹脂、エステル化脂環化合物
    変性ナフトールノボラック樹脂、エステル化多環芳香族
    化合物変性ノボラック樹脂、エステル化多価フェノール
    単量体、エステル化ポリビニルフェノール、エステル化
    ビニルフェノール共重合体、エステル化ポリイソプロペ
    ニルフェノール、エステル化ポリイソプロペニルフェノ
    ール共重合体から選んだ少なくとも一種である請求項6
    又は7記載の液晶表示セルシール剤用組成物。
  14. 【請求項14】 アルキル尿素誘導体が、3−(p−クロ
    ロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(o,p−ジクロ
    ロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−[ビス
    (1,1−ジメチル尿素)]トルエン、2,6−[ビス(1,
    1−ジメチル尿素)]トルエンから選ばれる少なくとも1
    種であることを特徴とする請求項6又は7記載の液晶表
    示セルシール剤用組成物。
  15. 【請求項15】 フォスファゼン化合物が一般式(1
    2)〔化1〕で示される少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項6又は7記載の液晶表示セルシール剤用
    組成物。 【化1】 (但し、式中Raは乃至Rfは水素原子、炭素数1乃至1
    0の直鎖、分岐または環状のアルキル基、または炭素数
    6乃至10のアリールまたはアラルキル基を表し、全て
    同一であっても異なっていてもよい。)
  16. 【請求項16】請求項6又は7記載の組成物100質量
    部に対し、さらに、導電性ビーズ1乃至15質量部を含
    有してなる液晶表示セルシール剤用組成物。
  17. 【請求項17】請求項1乃至5のいずれかに記載の液晶
    表示セル用シール剤を用いた液晶表示素子。
  18. 【請求項18】請求項6乃至16のいずれかに記載の液
    晶表示セルシール剤用組成物を用いて得られる液晶表示
    素子。
  19. 【請求項19】 TN液晶、STN液晶、強誘電液晶、
    反強誘電液晶のいずれかを用いてなる液晶表示素子の製
    造に際し、請求項6乃至16のいずれかに記載の液晶表
    示セルシール剤用組成物をガラス製またはプラスチック
    製の液晶セル用基板の接合シール構成部位に印刷または
    ディスペンス塗布し、50乃至120℃の温度でプレキ
    ュアー後、もう一方の対基板を位置合わせを行って重ね
    合わせ、仮固定後、その対基板を80乃至200℃で熱
    圧締処理し、該対基板を1乃至7μmの範囲で均質な厚
    みに接合固定して液晶表示セルを作り、該セル内に液晶
    材料を注入し、注入孔を光硬化型液晶シール剤組成物ま
    たは2液型液晶シール剤組成物で封孔させることを特徴
    とする液晶表示素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 TN液晶、STN液晶、強誘電液晶、
    反強誘電液晶のいずれかを用いてなる液晶表示素子の製
    造に際し、請求項6乃至16のいずれかに記載の液晶表
    示セルシール剤用組成物をガラス製またはプラスチック
    製の液晶セル用基板の接合シール構成部位に印刷または
    ディスペンス塗布し、50乃至120℃の温度でプレキ
    ュアー後、液晶を滴下させて空気を閉じ込めない様にも
    う一方の対基板を重ね合わせ、位置合わせして仮固定
    後、その対基板を80乃至150℃で熱圧締処理し、該
    対基板を1乃至7μmの範囲で均質な厚みに接合固定さ
    せた後、呼吸孔を光硬化型液晶シール剤組成物または2
    液型液晶シール剤組成物で封孔させることを特徴とする
    液晶表示素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項19又は20記載の液晶表示素
    子の製造方法によって得られる液晶表示素子。
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