JP2002069127A - ポリビニルアセタール系樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアセタール系樹脂の製造方法

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JP2002069127A
JP2002069127A JP2000257058A JP2000257058A JP2002069127A JP 2002069127 A JP2002069127 A JP 2002069127A JP 2000257058 A JP2000257058 A JP 2000257058A JP 2000257058 A JP2000257058 A JP 2000257058A JP 2002069127 A JP2002069127 A JP 2002069127A
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polyvinyl acetal
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resin
acetal resin
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Koju Kotake
弘寿 小竹
Yukihisa Hoshino
幸久 星野
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生成粒子が凝集しにくいポリビニルアセター
ル系樹脂の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂とアルデヒ
ド類を反応させて、ポリビニルアセタール系樹脂を製造
する方法において、25℃における2%水溶液のpHが
2以上である酸を触媒として使用し、かつ反応温度が2
0℃以上であることを特徴とするポリビニルアセタール
系樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアセタ
ール系樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアセタール系樹脂は、無機系
材料に対する親和性が高く、その特性を利用して印刷回
路用銅箔接着剤、安全ガラス中間膜、セラミックバイン
ダー等に幅広く使用されている。製造方法としては、原
料であるポリビニルアルコールを水に均一に溶解後に触
媒として酸を添加し、さらにアルデヒドを添加してアセ
タール化反応を開始する水媒法、ポリビニルアルコール
を有機溶媒中に分散した不均一系で触媒として酸を使用
しアセタール化反応を開始する溶媒法、さらにはこれら
を組み合わせた均一法が代表例として挙げられるが、工
業的には最も安価といわれる水媒法が多く採用されてい
る。
【0003】水媒法では、アセタール化反応の進行とと
もに水溶性が低下するため、徐々にポリビニルアセター
ル系樹脂が析出するが、この際に析出粒子が凝集する
と、触媒として使用した酸を中和した際に生成するアル
カリ金属塩等の不純物除去が不十分になったり、ハンド
リングが困難になるなどの問題点を有している。
【0004】この様な析出粒子の凝集を抑えるため、こ
れまで様々な反応条件の改良がなされ、界面活性剤を併
用する方法などが提案されている。例えば、特開昭54
−47795号公報や特許2980947号では、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面
活性剤と触媒として塩酸の存在下で5〜12℃に維持し
ながらアセタール化反応を開始する記載があり、また、
特開昭59−81312号公報では、特殊な変性非イオ
ン界面活性剤と触媒として塩酸の存在下で、均一な粒子
径のポリビニルアセタールを生成させるとの記載があ
る。
【0005】しかしながら、これら公知例に代表される
従来の水媒法では、基本的に強酸である塩酸が触媒とし
て必要で、しかも20℃以下の冷凍機を必要とする様な
低温領域で反応を開始させなければ、界面活性剤を併用
しても十分に生成粒子の凝集や巨大化を防ぐことは不可
能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術に鑑みてなされたものであり、特定の温度範囲
で特定の酸を触媒としてアセタール化反応に使用するこ
とによって、生成粒子が凝集しにくいポリビニルアセタ
ール系樹脂の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
ビニルアルコール系樹脂とアルデヒド類を反応させて、
ポリビニルアセタール系樹脂を製造する方法において、
25℃における2%水溶液のpHが2以上である酸を触
媒として使用し、かつ反応温度が20℃以上であること
を特徴とするポリビニルアセタール系樹脂の製造方法で
あり、触媒として使用する酸が有機酸であることを特徴
とするポリビニルアセタール系樹脂の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、原料のポリ
ビニルアルコール系樹脂とアルデヒド類、及び触媒とし
て酸を混合後、加温することでアセタール化反応を進行
させ、粒子を生成させる過程において、触媒として使用
する酸、及び温度条件に特徴を有する。
【0009】本発明で触媒として使用する酸は、25℃
における2%水溶液のpHが2以上となるものが使用さ
れ、2.5〜6の範囲が好ましく、さらには、2.5〜
4の範囲が特に好ましい。pHが2未満では酸の効果が
強すぎて、アセタール化反応の進行につれて生成するポ
リビニルアセタール系樹脂の粒子が凝集しやすい傾向が
あり好ましくない。また、pHが大きい場合には触媒と
しての効果が乏しい。
【0010】本発明で触媒として使用する酸の種類は特
に限定されないが、いわゆる弱酸系のもの、例えばクエ
ン酸、グリオキシル酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン
酸、アスコルビン酸、酒石酸、乳酸、マンデル酸、炭酸
等が挙げられる。なかでも有機酸類は反応制御のしやす
さや樹脂中に残留した際に着色等の変化を引き起こしに
くい等の点で好ましい。
【0011】本発明における触媒として使用するの酸の
量は、好ましくは原料ポリビニルアルコール樹脂に対し
て0.1〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜1
5質量%である。
【0012】本発明の製造方法にかかるアセタール化反
応時の反応温度は20℃以上、好ましくは25℃以上、
特に好ましくは30℃以上である。反応温度が20℃未
満では、アセタール化反応の進行が遅く、好ましくな
い。反応温度の上限は特に限定されないが、副反応の制
御のために200℃以下、特に150℃以下が好まし
い。
【0013】本発明で用いられる原料のポリビニルアル
コール樹脂としては、特に限定されないが、中でもポリ
酢酸ビニルを部分鹸化したビニルアルコール−酢酸ビニ
ル共重合体が好ましい。特に、鹸化率が80〜99.5
モル%であるビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体が
好ましい。また、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合
体の平均重合度は50〜5000、特に100〜400
0が好ましい。
【0014】本発明でポリビニルアルコール系重合体と
反応させるアルデヒドとしては、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチ
ルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、n−ヘキシルアル
デヒド、シクロヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ドなどの脂肪族アルデヒド類やベンズアルデヒド、ベン
ジルアルデヒド、ナフチルアルデヒドなどの芳香族アル
デヒド類等が使用できる。
【0015】また、本発明においては、上記アルデヒド
類の他に、官能基を持ったグリオキシル酸、ジアセトン
アルコールなどのケトン類などを使用することも可能で
あり、さらに必要に応じて界面活性剤を併用することも
できる。
【0016】アセタール化反応後は、濾過、洗浄、乾燥
工程を経て乾燥粉末を得る。また、必要に応じて触媒と
して使用した酸を中和することも可能である。
【0017】本発明により、作業性に適した粒子径で、
かつ溶解性や接着性等の諸特性が良好なポリビニルアセ
タール系樹脂を製造できる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明する。
尚、特に記載のない限り「部」及び「%」は、各々質量
部及び質量%を表わす。 (実施例1)撹拌機を付けた容器内にイオン交換水40
0部を仕込み、ポリビニルアルコール樹脂(重合度17
00、ビニルアルコール部分98.0%、酢酸ビニル部
分2.0%)100部を撹拌しながら添加した。その
後、室温から90℃まで内温を昇温し、90℃に保った
まま2時間かけてポリビニルアルコール樹脂を溶解し
た。この水溶液を50℃まで冷却後、触媒として工業用
クエン酸[磐田化学製、25℃における2%水溶液pH
=2.2]を10部加え、50℃で30分間均一混合し
た。次いで、50℃に内温を維持したままブチルアルデ
ヒド53部を滴下し、3時間撹拌したところ、白色のポ
リビニルブチラール樹脂粉末が析出した。常温まで冷却
後、炭酸水素ナトリウムにて中和し、生成した樹脂を濾
過、水洗、乾燥し、顆粒状のポリビニルアセタール系樹
脂を得た。
【0019】得られたポリビニルアセタール系樹脂を分
析したところ、ビニルアルコール単位が21.0%、酢
酸ビニル単位が1.5%、ビニルブチラール単位が7
7.5%であり、平均粒子径は250μmであった。さ
らに、エタノール/トルエン等量混合溶剤における5%
樹脂濃度の溶液粘度が、55mPa・s(20℃)、同
溶液の透明度は40cm以上であった。
【0020】尚、ポリビニルアセタール系樹脂の組成分
析は1H−NMR、平均粒子径は標準篩(JIS Z
8801)による方法、さらに溶液粘度はB型粘度計、
溶液透明度はネスラー管法(JIS K 6728)よ
り測定した。また、pH値はガラス電極式水素イオン濃
度計(東亜電波工業(株)製HM−5ES)にて測定し
た。
【0021】(実施例2〜3、比較例1〜2)触媒とし
て使用する酸の種類及び反応温度を変えた以外は、実施
例1と同様にしてポリビニルアセタール系樹脂を製造
し、特性評価を行った。製造条件を表1に、また物性評
価結果を表2に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の製造法により得られたポリビニ
ルアセタール系樹脂は、微粉末にならずに、顆粒状の粉
体であるため、溶解作業時のハンドリング性に優れるほ
か、溶液の透明性が良好である等の特徴を有している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂とアルデヒ
    ド類を反応させて、ポリビニルアセタール系樹脂を製造
    する方法において、25℃における2%水溶液のpHが
    2以上である酸を触媒として使用し、かつ反応温度が2
    0℃以上であることを特徴とするポリビニルアセタール
    系樹脂の製造方法
  2. 【請求項2】 触媒として使用する酸が有機酸であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリビニルアセタール系
    樹脂の製造方法
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