JP5841407B2 - ポリビニルアセタールの製造方法及びポリビニルアセタール - Google Patents
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Description
これらの方法を用いることで、アセタール化度の低下やポリビニルアセタール粒子の粗大化は抑制できるものの、けん化反応が完全に進行してしまったり、樹脂の着色が発生してしまったりするといった製品の品質上の課題が新たに生じていた。
以下に本発明を詳述する。
上記ポリビニルアルコールは、完全けん化されていてもよいが、少なくとも主鎖の1カ所にメソ、ラセミ位に対して2連の水酸基を有するユニットが最低1ユニットあれば完全けん化されている必要はなく、部分けん化ポリビニルアルコールであってもよい。また、上記ポリビニルアルコールとしては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、部分けん化エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニルエステルと共重合可能なモノマーとビニルエステルとの共重合体のけん化物も用いることができる。なお、上記ポリビニルアルコールの重合度は200〜4000が好適であり、さらに好適には300〜3000である。
これらのなかでは、水溶性であり、水溶液中で過酸化水素と反応し、バナジルイオンを生成するバナジウム化合物である酸化バナジウム(V)、硫酸バナジウム、酸化硫酸バナジウム、オルトバナジン酸カリウム、オルトバナジン酸ナトリウム及びメタバナジン酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種、又は、これらの混合物を用いることが好ましい。
ポリビニルアルコールA(鹸化度99%、重合度1700)100g、イオン交換水860gを2Lのセパラブルフラスコにて95℃で1時間、150rpmで加熱攪拌しポリビニルアルコール水溶液を得た。次いで、攪拌したまま温度を60℃とした後、硫酸を投入してpHを1.5とし、酸化硫酸バナジウム(IV)(CPR100、三菱瓦斯化学社製)をバナジウムの液中濃度が0.1重量%となるように添加した。次いで、30重量%濃度の過酸化水素水を添加し、系中の過酸化水素濃度(初期過酸化水素濃度)を0.1mol/Lとし、5時間反応させて低重合度化したポリビニルアルコールを得た。
得られたポリビニルアルコール水溶液を60分間かけて5℃にまで冷却した後、25重量%の塩酸110gとブチルアルデヒド62gを添加し180分間アセタール化反応させた。その後、60分かけて40℃にまで昇温し、その温度で更に120分反応させ、室温にまで冷却した後に析出した樹脂を濾過により回収し、樹脂分をイオン交換水で洗浄した。次いで、得られた樹脂を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、再度水洗し、乾燥させてポリビニルブチラールを得た。5時間反応後のアルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
ポリビニルアルコールAに代えてポリビニルアルコールB(鹸化度99%、重合度500)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
実施例1において、低重合度化反応時の溶液pHを0.8にした以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
実施例1において、低重合度化反応時の溶液pHを4.0にした以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
実施例1において、バナジウムの濃度を1重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
実施例1において、バナジウムの濃度を0.01重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
実施例1において、初期過酸化水素濃度を0.3mol/Lとした以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
実施例1において、初期過酸化水素濃度を0.02mol/Lとした以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
実施例1において、硫酸の代わりに塩酸を使用し、溶液のpHを1.5に調整した以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
酸化硫酸バナジウム(IV)(CPR100、三菱瓦斯化学社製)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
ポリビニルアルコールを低重合度化する際に硫酸を添加せず、酸性条件にしなかった(不純物として含まれる酢酸ナトリウムのため、pH8.5であった)こと以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
ポリビニルアルコールを低重合度化する際に、酸化硫酸バナジウム(IV)(CPR100、三菱瓦斯化学社製)に代えて、塩化銅(II)を0.1重量%の濃度となるように添加した以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
ポリビニルアルコールを低重合度化する際に、酸化硫酸バナジウム(IV)(CPR100、三菱瓦斯化学社製)に代えて、塩化鉄(II)を0.1重量%の濃度となるように添加した以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
ポリビニルアルコールを低重合度化する際に、酸化硫酸バナジウム(IV)(CPR100、三菱瓦斯化学社製)と硫酸とを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルブチラールを得た。アルデヒドを添加した際の溶液中の過酸化水素濃度を表1に示した。
実施例及び比較例で製造したポリビニルブチラールについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
エタノール25gに得られたポリビニルブチラール2gを加え、次いで、塩酸ヒドロキシルアミン15gをイオン交換水100gに溶解した溶液10mlと塩酸5mlとを加え、沸騰水浴中で3時間加熱した。冷却後、アンモニア水で中和してからメタノールを加えて樹脂を析出させ、更にメタノールで洗浄してから乾燥させた樹脂を水100gに加熱溶解させた。得られた溶液に対してJIS K6726に準拠して重合度を測定した。また、得られたポリビニルブチラールの重合度を、低重合度化前のポリビニルアルコールの重合度で除した数値(重合度低下率)についても評価した。
得られたポリビニルブチラールを重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、1H−NMR測定によりブチラール化度を測定した。
得られたポリビニルブチラールの粒子形状を目開き1mmのふるいにかけて評価した。ほぼ全ての樹脂がふるいから落下した場合を「○」、半分程度落下した場合を「△」、ほとんど落下しなかった場合を「×」として評価した。
得られたポリビニルブチラール10重量部を、ジメチルスルホキシド50重量部に溶解させ、均一な溶液とした後、これを25℃の水500部に注ぎこみ、再沈殿により樹脂を精製した。上記操作を3回繰り返し、無機イオン分を充分に取り除いた後、80℃で3時間乾燥させ、水分を除去した。得られたポリビニルアセタール樹脂10重量部を、エタノール45重量部及びトルエン45重量部の混合溶媒に溶解し、ポリビニルアセタール樹脂の着色性を評価した。透明であったものは「○」、黄色く着色していたものを「×」として評価した。
Claims (5)
- バナジウム化合物を含有する酸性溶液中にてポリビニルアルコールを過酸化水素と接触させて低重合度化する工程1、及び、前記工程1で低重合度化したポリビニルアルコールを、酸触媒の存在下においてアルデヒドと反応させてアセタール化する工程2を有し、前記バナジウム化合物を含有する酸性溶液は、pHが0.8〜4であることを特徴とするポリビニルアセタールの製造方法。
- バナジウム化合物は、酸化バナジウム(V)、硫酸バナジウム、酸化硫酸バナジウム、オルトバナジン酸カリウム、オルトバナジン酸ナトリウム及びメタバナジン酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種、又は、これらの混合物であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアセタールの製造方法。
- 酸性溶液中のバナジウムの濃度が0.01〜1重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリビニルアセタールの製造方法。
- 工程1において、ポリビニルアルコールの低重合度化は、ポリビニルアルコールの溶解とともに行うことを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリビニルアセタールの製造方法。
- 工程2において、ポリビニルアルコールとアルデヒドとを反応させる際の系の過酸化水素濃度が0.1mol/L以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のポリビニルアセタールの製造方法。
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