JP2002063889A - ニッケル水素二次電池 - Google Patents
ニッケル水素二次電池Info
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Abstract
電池を提供する。 【解決手段】平均孔径0.01〜1μmのポリオレフィ
ン製微多孔膜の膜表面の一部に親水部を設けたセパレー
タを用いることを特徴とするニッケル水素二次電池に係
る。
Description
電池に関する。
ン、携帯電話等の電気・電子機器の電源として用いられ
ており、そのニーズの増大とともに高容量化・長寿命化
への要求がますます高まりつつある。
ータの厚さを薄くするとともに、電極活物質の電池内へ
の充填量を多くする手法が有効である。
薄くすることには問題点がある。
水化処理が施された厚さ120〜150μm程度の不織
布が使用されているが、厚さをこれより薄くすると強度
低下が著しくなるだけでなく、不織布の孔径の大きさに
起因して電極のバリや電極から脱落した活物質により容
易に短絡を起こす。さらに、不織布では、厚さや目付の
ムラが大きくなるといった品質上の問題点があることか
ら、これが電池性能に悪影響を及ぼすおそれもある。
さが100μmより薄くても高強度であり、しかも均一
な厚さや目付が実現できる微多孔膜を使用すれば、上記
問題点は解決できる。
て使用する場合には別の問題が新たに生じる。すなわ
ち、微多孔膜では、保水性が低く、サイクル寿命が短い
という問題点がある。また、過充電時に正極で発生する
酸素ガスの透過性が低く、負極での再結合反応が阻害さ
れ、密閉電池の内圧が上がりやすく、漏液が起こりやす
い等の問題点もある。このため、微多孔膜をセパレータ
として使用するにはさらなる改良を加えることが必要で
ある。
かる従来技術の問題が改善され、高容量・長寿命を実現
できるニッケル水素二次電池を提供することを目的とす
る。
来技術の問題点に鑑みて鋭意検討した結果、特定の性質
を有する微多孔膜をセパレータとして使用することによ
り、上記目的を達成できることを見出し、ついに本発明
を完成するに至った。
二次電池に係るものである。
フィン製微多孔膜の膜表面の一部に親水部が設けられた
セパレータを用いることを特徴とするニッケル水素二次
電池。
の40〜95%である上記第1項記載のニッケル水素二
次電池。
である上記第1項又は第2項に記載のニッケル水素二次
電池。
基の少なくとも1種の親水性基を有する上記第1項〜第
3項のいずれかに記載のニッケル水素二次電池。
た水酸化ニッケル粉末を含むペーストを二次元集電体に
塗着してなるニッケル正極を用いた上記第1項〜第4項
のいずれかに記載のニッケル水素二次電池。
る上記第5項記載のニッケル水素二次電池。
れてなる負極を用いた上記第1項〜第6項のいずれかに
記載のニッケル水素二次電池。
る上記第7項記載のニッケル水素二次電池。
は、平均孔径0.01〜1μmのポリオレフィン製微多
孔膜の膜表面の一部に親水部が設けられたセパレータを
用いることを特徴とする。以下、このセパレータ及びこ
れを用いたニッケル水素二次電池について順に説明す
る。 (1)セパレータ ポリオレフィン製微多孔膜自体は特に限定的でなく、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等か
らなる微多孔膜を採用できる。これらは市販品又は公知
の製法で得られたものを用いることもできる。
ン製微多孔膜の膜表面の一部に親水部が設けられている
ものを使用する。
は、親水性基を有する部分(領域)である。親水性基の
種類は特に限定されず、例えばスルホン基、カルボキシ
ル基、水酸基、アミド基等が挙げられる。これらは1種
又は2種以上であっても良い。本発明では、特にスルホ
ン基及びカルボキシル基の少なくとも1種であることが
好ましい。
膜の「膜表面」とは、微多孔膜の外表面及びそれに続く
気孔(空孔)内壁表面の両者を意味する。本発明では、
親水部以外の膜表面部分(残部)は実質的に疎水部から
構成される。従って、上記微多孔膜においては、特に、
親水部では電解液を保液する役割、疎水部では過充電時
に電極で発生するガスを透過する役割をそれぞれ果た
す。
ようにする。すなわち、親水部と疎水部とを有するよう
にすれば良い。本発明では、特に、親水部の面積が膜表
面積の通常40〜95%程度、好ましくは70〜90%
とする。40%未満ではセパレータの保液量が少なくな
り、結果的に膜抵抗が高くなり、放電特性が低下するお
それがある。95%を超える場合は疎水部が少なくなり
すぎるため、ガス透過性が低下するおそれがある。
(割合%)とは、図1に示すようにポリオレフィン製微
多孔膜の平面図におけるポリオレフィン製微多孔膜の面
積を100%とした場合において、その平面図において
親水部が占める割合をいう。その測定方法は、水性カラ
ーインクに親水化処理されたセパレータ(平面図10c
m×横10cm×厚さは任意)を1時間浸漬した後の着
色部分の上記面積を求めることにより実施した。つま
り、親水部の面積W(%)=100×(W/100)に
よって算出した。
るものではなく、任意に設定することができるが、特に
親水部と疎水部とが細かく均一に分布していることが好
ましい。例えば、直径5mm以内の円形状の疎水部が親
水部中に均一に分布している形状、幅5mm以内の格子
状の疎水部が親水部中に分布している形状等を挙げるこ
とができる。
通常0.01〜1μm程度、好ましくは0.05〜0.
5μmとすれば良い。平均孔径が0.01μm未満の場
合には疎水部を有していてもガス透過性が低下するおそ
れがある。また、1μmより大きくなると脱落した電極
活物質あるいは電極のバリによる短絡が生じるおそれが
ある。
定的でなく、その平均孔径、所望の特性等に応じて適宜
設定することができる。通常は10〜100μm程度、
好ましくは30〜90μmとすれば良い。この範囲内に
設定することにより、膜強度、膜抵抗等をより適切に制
御することができる。
のではなく、公知の製法により得られる膜を用い、この
膜の一部を親水化処理すれば良い。例えば、特開平5−
21050号公報、特開平6−93130号公報等に開
示されている製法により得られるポリオレフィン微多孔
膜をベースとし、このポリオレフィン微多孔膜の膜表面
の一部を親水化処理すれば良い。
基(好ましくはスルホン基及びカルボキシル基の少なく
とも1種)を付与できる限り特に制限されない。例え
ば、上記多孔膜にスルホン基、カルボキシル基等の高度
な親水性基を有する親水性樹脂を部分的に塗工したり、
あるいはフッ素と亜硫酸の混合ガスでのスルホン化反応
又はアクリル酸等の親水性モノマーのグラフト反応を部
分的に施すことによって、上記セパレータを得ることが
できる。 (2)ニッケル水素二次電池 本発明の電池は、上記セパレータを使用する以外は、公
知の電池の構成要素を採用することができる。好ましく
は、正極活物質として水酸化ニッケル、負極活物質とし
て水素吸蔵合金、電解液としてアルカリ水溶液を使用し
た電池を採用でき、その他の構成要素はどのような形態
のものであっても良い。
ーストを発泡ニッケル基体等の3次元集電体に含浸させ
てプレス成形したシート状の電極が本発明電池の高容量
化を達成する上で好ましい。さらに好ましくは、水酸化
コバルトで粒子表面が被覆された水酸化ニッケル粉末を
含むペーストを二次元集電体に塗着してなるニッケル正
極を用いる。かかる構成を採用することにより、特に、
捲回時にバリ等が発生しにくく、上記セパレータをさら
に薄くすること(例えば、セパレータ厚み50μm以
下)ができるため、よりいっそうの高容量化あるいは小
型化が可能である。すなわち、上記セパレータは、上記
ニッケル正極との組み合わせで採用することによってよ
り優れた電池特性を得ることができる。
0.1〜0.6mm程度とすることが好ましい。この範
囲内で高容量、高出力放電特性等をより確実に得ること
ができる。
は、例えばニッケルめっきした穿孔鋼板、ニッケルメッ
シュ、エキスパンドメタル、ニッケル箔等の公知の集電
体を用いることができる。水酸化ニッケル粉末粒子の表
面を被覆する水酸化コバルトとしては、電子導電性に優
れた低結晶性α型が好ましい。また、これを二次元集電
体に塗着するための結着材としては公知のものが使用で
き、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
ポリフッ化ビニリデン、スチレン-ブタジエン系ゴム等
を好適に用いることができる。導電助剤としては、例え
ば表面積が広く軟化処理したニッケルフレーク等を好適
に用いることができる。
孔鋼板等の二次元集電体に固定したものが好ましい。こ
の場合、負極の厚さは0.1〜0.6mm程度であるこ
とが好ましい。この範囲内にすることによって、より確
実に高容量、高出力放電特性等を得ることができる。二
次元集電体としては、前記正極で使用されるものと同様
のものを用いることができる。
知の形態をいずれも採用することができる。特に、本発
明電池では、密閉型の円筒、角型等が最も高容量化に適
している。
タのガス透過性が良好なために電池内圧が上昇しにく
く、かつ、セパレータをより薄くすることができるた
め、電極活物質をより多く充填できる結果、大幅な高容
量化を実現することができる。
サイクル寿命も従来に比べて長くなる。従来の不織布セ
パレータでは、セパレータの電解液の液がれがサイクル
劣化の原因と考えられているが、部分的に親水部を設け
たセパレータでは孔径が比較的小さいために電解液の保
液力が強く、充放電を繰り返しても電解液の液がれが抑
制ないしは防止されているためである。
製多孔膜の膜表面の一部に親水部を設けたセパレータを
用いることにより、高容量・長寿命のニッケル水素二次
電池を提供することができる。
徴とするところをより詳細に説明する。なお、本発明の
範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
ト44重量%をヘンシェルミキサーで混合し、これに粘
度平均分子量30万のポリエチレン樹脂34重量%を添
加し、再度ヘンシェルミキサーで混合した。この混合物
を30mmφ二軸押出機に450mm幅のTダイスを取
り付けたフィルム製造装置により厚さ160μmの平膜
状に成形した。
漬し、ジオクチルフタレートを抽出した後、乾燥した。
さらに、これを60℃の25%苛性ソーダ中に60分間
浸漬して微粉珪酸を抽出した後、水洗し、乾燥した。こ
の膜を、二軸延伸機を用いて110℃で縦2〜5倍及び
横1.1〜2倍延伸することにより所定の膜厚、気孔率
及び孔径のポリエチレン微多孔膜を得た。
イソプレン60モル%とスチレン40モル%の共重合体
でスルホン基の導入率がイソプレンに対して15モル%
のスルホン化共重合体を固形分比率15重量%で水中に
微分散したラテックス水溶液にイソプロパノールを20
重量%加えた溶液をグラビア印刷法により塗布し、溶剤
を蒸発させて親水部を形成した。
存する疎水部の形状は直径3mmの島状で疎水部全体の
面積は全体に対して20%となるようにした。また、サ
ンプルBは膜表面を全て親水化処理した。各サンプルの
物性を表1に示す。
た。 (1)膜厚 ダイヤルゲージ(尾崎製作所製「PEACOCK No.25」)に
より測定した。 (2)気孔率 水銀ポロシメータを用いて測定した。 (3)平均孔径 水銀ポリシメータを用いて測定した。装置「ボアサイザ
ー9320型(島津製作所製)」を用い、サンプル重量
0.02〜0.04mgについて、前処理として真空脱
気を5分間行った後、2.0psiaより測定した。得
られた細孔分布データから圧入体積の最も大きい点(モ
ード系)を平均孔径とした。
7重量部、カルボキシメチルセルロース水溶液(固形分
濃度10重量%)3重量部、ポリテトラフルオロエチレ
ン分散剤溶液(固形分濃度60重量%)3重量部及び水
23重量部を混合してペースト状合剤とした。このペー
スト状合剤をニッケル発泡体基材に塗布して充填させ、
80℃で1時間乾燥した後、1トン/cm2の圧力で圧
縮成型した。その後、所定のサイズに裁断して、正極シ
ートとした。
A10.4Mn0.3)粉末100重量部に対して、カルボキ
シメチルセルロース水溶液(固形分濃度10重量%)5
重量部、ポリテトラフルオロエチレン分散剤溶液(固形
分濃度60重量%)5重量部及び水23重量部を混合し
てペースト状合剤とした。このペースト状合剤をニッケ
ルめっき穿孔鋼板に塗布して充填させ、80℃で1時間
乾燥した後、1トン/cm2の圧力で圧縮成型した。そ
の後、所定のサイズに裁断して、負極シートとした。
正極容量=1.5:1となるようにセパレータAを介し
て捲回し、subCサイズの電池缶に入れた。これに電
解液(30重量%KOH水溶液1リットルにLiOH1
7gを溶解させたアルカリ水溶液)を注入した。樹脂製
パッキングを付けた可逆弁付き封口体に正極タブをスポ
ット溶接し、負極の最外周部を缶の側面に接触させた
後、密閉した。次いで、これを45℃で14時間保存
し、理論容量に対して0.2Cで6時間充電後、0.2
Cで0.9Vまで放電した。この充放電サイクルを放電
容量が一定になるまで繰り返して、ニッケル水素電池を
作成した。
電1C(0.9Vカット)のサイクルで充放電し、放電
容量が500mAhに劣化するまでのサイクル数を評価
した。その結果を表2に示す。
た不織布(気孔率60%、平均孔径20μm)を用いた
以外は実施例1と同様にして電池を作成した。このと
き、セパレータの体積が実施例1の場合に比べ大きいた
め、詰め込めた電極活物質量は約17%少なかった。こ
の電池について実施例1と同様にして電池特性を調べ
た。その結果を表2に示す。
を作製し、実施例1と同様に電池特性を調べようとし
た。ところが、セパレータに疎水部が全くないため、初
期充電時から電池内圧が上昇し、電解液が漏液した。
不織布(気孔率60%、平均孔径15μm)を用いた以
外は実施例1と同様にして電池を作製し、実施例1と同
様に電池特性を調べようとした。ところが、この電池は
短絡不良が多く、試験を実施することができなかった。
粉末を電極活物質として用い、これを長径50〜100
μm、短径1〜10μmのひずみの少ないフレーク状ニ
ッケル粉末に重量比で5:1の割合で混合した。その
後、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン溶液を上
記水酸化ニッケル粉末100重量部に対して固形分量で
2.4重量部添加・混合し、得られた混合物を混練した
後、ローラを用いて引き延ばすことによって、シート状
成形物を得た。
き穿孔鋼板の両側に位置させ、平板プレスを用いて5ト
ン/cm2の圧力で1分間圧着成形することによって、
ニッケル正極を作製した。
た以外は、実施例1と同様にして電池を作成したとこ
ろ、実施例1よりもさらに約7%多い電極活物質を詰め
込むことができた。この電池について実施例1と同様に
して電池特性を調べた。その結果を表2に示す。
は、実施例2と同様にして電池を作成した。この電池に
ついて実施例1と同様にして電池特性を調べた。その結
果を表2に示す。
不織布(気孔率50%、平均孔径10μm)を用いた以
外は実施例2と同様にして電池を作製し、実施例1と同
様に電池特性を調べようとした。ところが、この電池は
短絡不良が激しく、電池として使用できるものではなか
った。
設けたセパレータを有する本発明の電池が優れた諸特性
を発揮できることがわかる。
れた水酸化ニッケル粉末を含むペーストを二次元集電体
に塗着してなるニッケル正極を用いた実施例2では、セ
パレータ厚みが30μmという薄いセパレータを使用す
ることができ、実施例1よりもいっそう優れた放電容量
が得られることがわかる。すなわち、水酸化コバルトで
粒子表面が被覆された水酸化ニッケル粉末を含むペース
トを二次元集電体に塗着してなるニッケル正極とセパレ
ータ厚み50μm以下の薄いセパレータとの組み合わせ
において特に優れた効果を達成できることがわかる。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】平均孔径0.01〜1μmのポリオレフィ
ン製微多孔膜の膜表面の一部に親水部が設けられたセパ
レータを用いることを特徴とするニッケル水素二次電
池。 - 【請求項2】セパレータの親水部の面積が膜表面積の4
0〜95%である請求項1記載のニッケル水素二次電
池。 - 【請求項3】セパレータの厚さが10〜100μmであ
る請求項1又は2に記載のニッケル水素二次電池。 - 【請求項4】親水部がスルホン基及びカルボキシル基の
少なくとも1種の親水性基を有する請求項1〜3のいず
れかに記載のニッケル水素二次電池。 - 【請求項5】水酸化コバルトで粒子表面が被覆された水
酸化ニッケル粉末を含むペーストを二次元集電体に塗着
してなるニッケル正極を用いた請求項1〜4のいずれか
に記載のニッケル水素二次電池。 - 【請求項6】正極の厚さが0.1〜0.6mmである請
求項5記載のニッケル水素二次電池。 - 【請求項7】水素吸蔵合金が二次元集電体に固定されて
なる負極を用いた請求項1〜6のいずれかに記載のニッ
ケル水素二次電池。 - 【請求項8】負極の厚さが0.1〜0.6mmである請
求項7記載のニッケル水素二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000246352A JP2002063889A (ja) | 2000-08-15 | 2000-08-15 | ニッケル水素二次電池 |
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