JP2002061663A - 車輪駆動用軸受ユニット - Google Patents

車輪駆動用軸受ユニット

Info

Publication number
JP2002061663A
JP2002061663A JP2000251907A JP2000251907A JP2002061663A JP 2002061663 A JP2002061663 A JP 2002061663A JP 2000251907 A JP2000251907 A JP 2000251907A JP 2000251907 A JP2000251907 A JP 2000251907A JP 2002061663 A JP2002061663 A JP 2002061663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hub
peripheral surface
ring
spline
constant velocity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000251907A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeoki Kayama
重興 嘉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2000251907A priority Critical patent/JP2002061663A/ja
Publication of JP2002061663A publication Critical patent/JP2002061663A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハブ4bと駆動軸部材18cとの結合を容易
に行なえる構造で、これら両部材4b、18c同士の軸
方向変位を僅少に抑える。そして、ハブ側スプライン係
合部50の摩耗を防止すると共に、シールリング38a
の耐久性確保を図る。 【解決手段】 駆動軸部材18c側の係止溝32とハブ
4b側の係止段部36との間に止め輪33aを係止し
て、上記両部材4b、18c同士を結合する。ハブ4b
側の受段部44と駆動軸部材18c側の押し段部47と
の係合により、上記両部材4b、18c同士の軸方向変
位を抑える。上記両段部44、47は、寸法精度の確保
が容易である為、上記課題を解決できる。上記軸方向変
位を僅少に抑えて、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、等速ジョイント
とハブユニットとを一体化した、所謂第3.5世代のハ
ブユニットと呼ばれる車輪駆動用軸受ユニットの改良に
関する。特に、独立懸架式サスペンションに支持された
駆動輪{FF車(前置エンジン前輪駆動車)の前輪、F
R車(前置エンジン後輪駆動車)及びRR車(後置エン
ジン後輪駆動車)の後輪、4WD車(四輪駆動車)の全
輪}を、懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、
上記駆動輪を回転駆動する為に利用する。即ち、独立懸
架式サスペンションに支持された駆動輪を懸架装置に支
持すると共にこの車輪を回転駆動する為には、ハブユニ
ットと、伝達軸の両端部にそれぞれデファレンシャル側
等速ジョイントとハブ側等速ジョイントとを結合した等
速ジョイントユニットとを組み合わせた車輪用駆動ユニ
ットを使用する。本発明の対象となる車輪駆動用軸受ユ
ニットは、この様な車輪用駆動ユニットを構成するハブ
ユニットとハブ側等速ジョイントとを組み合わせたもの
である。
【0002】
【従来の技術】車輪を懸架装置に対して回転自在に支持
する為に、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組
み合わせた車輪支持用軸受ユニットが、各種使用されて
いる。又、独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持す
る車輪支持用軸受ユニットは、等速ジョイントと組み合
わせて、デファレンシャルギヤと駆動輪との相対変位や
車輪に付与された舵角に拘らず、駆動軸の回転を上記車
輪に対して円滑に(等速性を確保して)伝達する必要が
ある。図3は、この様な車輪支持用軸受ユニット1と等
速ジョイント2とを組み合わせた、一般的な車輪駆動用
軸受ユニットを示している。
【0003】このうちの車輪支持用軸受ユニット1は、
外輪3の内径側にハブ4及び内輪5を、複数個の転動体
6、6を介して回転自在に支持して成る。このうちの外
輪3は、その外周面に設けた第一のフランジ7により懸
架装置を構成するナックル8(後述する図4参照)に結
合固定した状態で、使用時にも回転しない。又、上記外
輪3の内周面には、複列の外輪軌道9、9を設けて、こ
の外輪3の内径側に上記ハブ4及び内輪5を、この外輪
3と同心に支持している。
【0004】このうちのハブ4は、外周面の外端(自動
車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる端で、図
1〜5の左端)寄り部分に、車輪を支持する為の第二の
フランジ10を設けている。又、上記ハブ4の外周面の
中間部に第一の内輪軌道11を形成し、同じく内端(自
動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる端
で、図1〜5の右端)部に形成した小径段部12に、そ
の外周面に第二の内輪軌道13を形成した上記内輪5を
外嵌固定している。又、上記ハブ4の中心部には、第一
のスプライン孔14を設けている。
【0005】一方、前記等速ジョイント2は、等速ジョ
イント用外輪15と、等速ジョイント用内輪16と、ス
プライン軸17とを備える。このうちの等速ジョイント
用外輪15とスプライン軸17とが、駆動軸部材18を
構成する。即ち、このスプライン軸17はこの駆動軸部
材18の外端部に設けられて、上記第一のスプライン孔
14と係合自在であり、上記等速ジョイント用外輪15
は上記駆動軸部材18の内端部に設けられている。この
等速ジョイント用外輪15の内周面の円周方向複数個所
には外側係合溝19、19を、それぞれこの円周方向に
対し直角方向に形成している。又、上記等速ジョイント
用内輪16は、中心部に第二のスプライン孔20を、そ
の外周面で上記各外側係合溝19、19と整合する部分
に内側係合溝21、21を、それぞれ円周方向に対し直
角方向に形成している。そして、これら各内側係合溝2
1、21と上記各外側係合溝19、19との間にボール
22、22を、保持器23により保持した状態で、これ
ら各係合溝21、19に沿う転動自在に設けている。
尚、上記等速ジョイント2の構成各部の形状等に就いて
は、周知のツェッパ型或はバーフィールド型の等速ジョ
イントの場合と同様であり、本発明の要旨とは関係しな
いので、詳しい説明は省略する。
【0006】上述の様な等速ジョイント2と前述の様な
車輪支持用転がり軸受ユニット1とは、上記スプライン
軸17を上記ハブ4の第一のスプライン孔14に、内側
から外側に向け挿通する。そして、上記スプライン軸1
7の外端部で上記ハブ4の外端面から突出した部分に設
けた雄ねじ部24にナット25を螺合し、更に緊締する
事により、互いに結合固定する。この状態で、前記内輪
5の内端面は上記等速ジョイント用外輪15の外端面に
当接するので、この内輪5が前記小径段部12から抜け
出る方向に変位する事はない。同時に、前記各転動体
6、6に適正な予圧が付与される。
【0007】更に、自動車の懸架装置への組み付け状態
では、前記等速ジョイント用内輪16の中心部に設けた
第二のスプライン孔20に、駆動軸26の外端部に設け
た雄スプライン部27をスプライン係合させる。そし
て、この雄スプライン部27の外端部外周面に全周に亙
って形成した係止溝28に係止した止め輪29を、上記
第二のスプライン孔20の外端開口周縁部に形成した係
止段部30に係合させて、上記雄スプライン部27が上
記第二のスプライン孔20から抜け出る事を防止する。
尚、上記駆動軸26の内端部は、図示しないデファレン
シャルギヤの出力軸部に設けた、やはり図示しないトリ
ポード型等速ジョイントのトラニオンの中心部に結合固
定している。従って自動車の走行時に上記駆動軸26は
等速回転するが、回転に伴って上記トリポード型等速ジ
ョイントの抵抗に基づき、軸方向に関して両方向のスラ
スト荷重が、繰り返し加わる。
【0008】尚、図面にはデファレンシャルギヤの出力
部に設けるデファレンシャル側等速ジョイントを示して
いないが、上記駆動軸26の内端部には、このデファレ
ンシャル側等速ジョイントである、トリポード型の等速
ジョイントの出力部を結合している。そして、このトリ
ポード型の等速ジョイントと上記駆動軸26と前記等速
ジョイント2とが、前述した等速ジョイントユニットを
構成する。自動車への組み付け前の状態では、この等速
ジョイントユニットと前記車輪支持用軸受ユニット1と
が組み合わされて、前述した車輪用駆動ユニットを構成
した状態となる。
【0009】上述の図3に示した車輪駆動用軸受ユニッ
トは、車輪支持用転がり軸受ユニット1と等速ジョイン
ト2とを、雄ねじ部24とナット25との螺合・緊締に
基づいて結合固定しているので、重量が嵩む。即ち、等
速ジョイント2側のスプライン軸17に上記雄ねじ部2
4を設ける分、このスプライン軸17の長さを長くする
必要が生じる他、上記ナット25が必要になる。この
為、これら雄ねじ部24及びナット25の分だけ、上記
車輪駆動用軸受ユニットの軸方向寸法並びに重量が嵩ん
でしまう。
【0010】これに対して、米国特許第4881842
号明細書には、図4に示す様に、より簡単な構造で車輪
支持用軸受ユニットと等速ジョイントとの結合固定を行
なって、軸方向寸法の短縮及び重量の軽減を可能とした
構造が記載されている。この図4に示した従来構造の第
2例の場合も、ナックル8に固定した外輪3の内側にハ
ブ4を、複列に配置した転動体6、6により回転自在に
支持している。そして、このハブ4の中心部に形成した
第一のスプライン孔14に、駆動軸部材18aのスプラ
イン軸17をスプライン係合させている。このスプライ
ン軸17の外端面には、このスプライン軸17を上記第
一のスプライン孔14に引き込む為の工具を係止する為
の、係止部31を形成している。そして、上記スプライ
ン軸17の外周面先端寄り部分に形成した係止溝32に
係止した止め輪33により、このスプライン軸17が上
記ハブ4から抜け出る事を防止している。この状態で、
このハブ4と上記駆動軸部材18aの等速ジョイント用
外輪15との間で弾性リング34を弾性的に圧縮し、上
記スプライン軸17と上記ハブ4とのがたつき防止を図
っている。この様な従来構造の第2例の場合には、車輪
支持用軸受ユニット1aと等速ジョイント2aとの結合
を止め輪33により行なっている分、車輪駆動用軸受ユ
ニット全体としての小型・軽量化を図れる。
【0011】
【先発明の説明】上述の様な従来構造の第2例の場合、
小型・軽量化を図れる反面、弾性リング34がへたり易
かったり、各部の疲労強度がアンバランスである等、そ
のままでは十分な耐久性を確保する事が難しい。この様
な事情に鑑みて本発明者は先に、車輪支持用軸受ユニッ
トと等速ジョイントとの結合を止め輪により行なう場合
でも、十分な耐久性の確保を有効に図れる、車輪駆動用
軸受ユニットに関する発明を行なった(特願2000−
37656号)。この先発明の車輪駆動用軸受ユニット
に就いて、図5により説明する。
【0012】この先発明の車輪駆動用軸受ユニットの場
合には、ハブ4aの内端部に形成した小径段部12に外
嵌した内輪5がこの小径段部12から抜け出るのを防止
する為に、上記ハブ4aの内端にかしめ部35を形成し
ている。即ち、このハブ4aの内端に円筒部を形成する
と共に、上記小径段部12に上記内輪5を外嵌した後こ
の円筒部を径方向外方に塑性変形させて上記かしめ部3
5を形成し、このかしめ部35によって、上記内輪5の
内端面を抑え付けている。
【0013】又、駆動軸部材18bを構成するスプライ
ン軸17aの先端部(外端部)に、請求項に記載した内
径側係合部に相当する係止溝32を、全周に亙って形成
している。上記スプライン軸17aを上記ハブ4aの中
心部に設けた第一のスプライン孔14内に挿入した状態
では、上記係止溝32にその内径側半部を係止した前記
止め輪33aの外径側半部が、上記ハブ4aの内周面外
端寄り部分に形成した、請求項に記載した外径側係合部
に相当する係止段部36に係合して、上記スプライン軸
17aが上記第一のスプライン孔14から抜け出るのを
防止する。尚、上記ハブ4aの中心孔で上記係止段部3
6よりも外端側開口寄り部分は、スプラインを形成せ
ず、単なる円筒面としている。
【0014】尚、上記止め輪33aは、このスプライン
軸17aをこの第一のスプライン孔14内に挿入するの
に先立って、上記係止溝32に装着しておく。上記スプ
ライン軸17aを上記第一のスプライン孔14内に挿入
する際に上記止め輪33aは、その直径を弾性的に縮め
つつ、上記第一のスプライン孔14部分を通過する。そ
して、通過後に弾性的に復元して、上述の様に係止溝3
2と係止段部36との間に掛け渡される。この為、この
係止溝32の溝底径は、十分に小さくしている。
【0015】又、上記ハブ4aの中心孔の外端側開口部
はキャップ37により塞いでいる。これに対して、前記
かしめ部35の内側面と等速ジョイント用外輪15の外
端面との間にはシールリング38を、これら両面同士の
間で弾性的に圧縮した状態で設け、これらかしめ部35
と等速ジョイント用外輪15との間の隙間を塞いでい
る。そして、上記キャップ37とシールリング38とに
より、上記スプライン軸17aと上記第一のスプライン
孔14とのハブ側スプライン係合部50に雨水等の異物
が入り込む事を防止して、このハブ側スプライン係合部
50が錆び付く事を防止している。
【0016】尚、上述の様に止め輪33aにより上記ス
プライン軸17aが上記第一のスプライン孔14から抜
け出るのを防止し、上記かしめ部35の内側面と等速ジ
ョイント用外輪15の外端面との間にシールリング38
を装着した状態で、上記かしめ部35の内側面と駆動軸
部材18bの中間部外面に形成した段部40との間には
隙間が存在する。但し、この隙間のスラスト方向の寸法
を0.8mm以下に抑えて、走行時に加わるスラスト荷重
に基づく変位に拘らず、上記ハブ側スプライン係合部5
0の摩耗を防止すると共に、上記シールリング38が過
度に圧縮される事を防止している。即ち、車輪駆動用軸
受ユニットの組立を完了した状態での、前記ハブ4aと
上記駆動軸部材18bとの軸方向に関する相対変位量を
僅少に抑えて、上記ハブ側スプライン係合部50の摩耗
を抑えると共に、上記シールリング38の損傷防止を図
っている。
【0017】更に、先発明の車輪駆動用軸受ユニットの
場合には、上記スプライン軸17aの基端部(内端部)
の最小外径を、駆動軸26の外端部に形成した雄スプラ
イン部27の溝底直径よりも大きくしている。即ち、上
記スプライン軸17aの基端部には、このスプライン軸
17aに雄スプラインをブローチ加工等により形成する
際の逃げの為、この雄スプラインの溝底直径よりも少し
小径のくびれ部39を形成している。本例の場合には、
このくびれ部39の外径D39を、上記雄スプライン部2
7の溝底直径D27よりも、1〜3mmの範囲、好ましくは
2mm程度大きく(D39≒D27+2mm)している。尚、こ
の寸法は、一般的な乗用車用の車輪駆動装置の場合に就
いて示している。
【0018】上述の様に構成する先発明の車輪駆動用軸
受ユニットによれば、車輪支持用軸受ユニット1bと等
速ジョイント2aとの結合を止め輪33aにより行な
い、小型・軽量化を図れる構造でも、使用時に、駆動軸
部材18bを構成するスプライン軸17aの強度を確保
できる。即ち、このスプライン軸17aの基端部に設け
た、最も強度的に弱いくびれ部39の外径を大きくして
いる分、このくびれ部39の強度が上記駆動軸26の外
端部の強度よりも著しく劣る事を防止できる。この為、
車輪駆動用軸受ユニットの構成部材の一部の耐久性が、
他の部分の耐久性に比べて著しく劣る事を防止し、使用
時に繰り返し加わる曲げモーメントに拘らず、車輪駆動
用軸受ユニット全体としての耐久性の確保を図れる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な、先発明
に係る車輪駆動用軸受ユニットの場合、車輪駆動用軸受
ユニットの組立を完了した状態での、ハブ4aと駆動軸
部材18bとの軸方向に関する相対変位量を僅少に抑え
る事の確実性を図る事が難しい。この理由は、上記ハブ
4a側に形成したかしめ部35の内側面と、上記駆動軸
部材18b側に設けた段部40とを近接対向させる事に
より、上記相対変位量を抑える様にしている為である。
上記かしめ部35と段部40とのうち、段部40は旋削
加工等により寸法精度を十分に確保できるが、上記かし
め部35の形成は、揺動かしめにより徐々に塑性変形さ
せて加工するものであって、軸方向の寸法が定まる、金
型を使用した加工ではない為、0.1mm単位の寸法精度
を確保する事は難しい。
【0020】一方、止め輪33aが係止溝32と係止段
部36との間に掛け渡される以前に上記かしめ部35と
段部40とが衝合すると、上記車輪駆動用軸受ユニット
の組立を行なえなくなるので、これらかしめ部35と段
部40との間には、僅かでも隙間を存在させなければな
らない。これらの事を考慮すると、車輪駆動用軸受ユニ
ットの組立を完了した状態で上記かしめ部35と段部4
0との間に存在する隙間の軸方向寸法は、0.2〜2.
0mm程度の範囲でばらついてしまう。そして、この様な
ばらつきに基づいて、上記隙間の軸方向寸法が、前述し
た0.8mmを大幅に越えると、ハブ側スプライン係合部
50の摩耗が無視できない程度になるだけでなく、シー
ルリング38が過度に圧縮されて、このシールリング3
8の耐久性が損なわれてしまう。本発明は、この様な事
情に鑑みて、ハブと駆動軸部材との軸方向に関する相対
変位を小さく抑え、ハブ側スプライン係合部50の摩耗
を有効に防止すると共に、このハブ側スプライン係合部
50を密封するシールリングの耐久性を確保すべく発明
したものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の車輪駆動用軸受
ユニットは、外輪と、ハブと、転動体と、駆動軸部材
と、止め輪と、シールリングと、第一、第二の段部とを
備える。このうちの外輪は、外周面に懸架装置に結合固
定する為の第一のフランジを、内周面に複列の外輪軌道
を、それぞれ有し、使用時にも回転しない。又、上記ハ
ブは、外周面の外端寄り部分に車輪を支持する為の第二
のフランジを、同じく中間部に直接又は別体の内輪を介
して第一の内輪軌道を、中心部にスプライン孔を、それ
ぞれ設けている。これと共に、外周面の内端寄り部分に
その外周面に第二の内輪軌道を形成した内輪を外嵌し、
その内端部を径方向外方に塑性変形する事により構成し
たかしめ部によりこの内輪の内端面を抑え付けて固定し
ている。又、上記転動体は、上記各外輪軌道と上記第
一、第二の各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動
自在に設けられている。又、上記駆動軸部材は、上記第
一のスプライン孔と係合するスプライン軸を外端部に設
けると共に、内端部を等速ジョイントを構成する等速ジ
ョイント用外輪としている。又、上記止め輪は、上記ス
プライン軸の外端部外周面に設けられた内径側係合部と
上記ハブの内周面でこの内径側係合部に対向する部分に
設けられた外径側係合部との間に掛け渡されて、上記ス
プライン軸が上記スプライン孔から抜け出るのを防止す
る。又、前記シールリングは、上記かしめ部の内側面と
上記等速ジョイント用外輪の外端面との間に挟持されて
いる。更に、前記第一、第二の段部のうち、第一の段部
は、上記ハブの内周面で上記内輪の内径側に位置する部
分に内方に向く状態で形成されており、第二の段部は、
上記スプライン軸の基部外周面に外方に向く状態で形成
されている。そして、これら第一、第二の段部同士の係
合に基づき、上記駆動軸部材が上記ハブに対し、上記シ
ールリングを過度に圧縮する方向に変位するのを阻止し
ている。
【0022】
【作用】上述の様に構成する本発明の車輪駆動用軸受ユ
ニットの場合には、第一、第二の段部を、何れも、旋削
加工、或は軸方向の寸法出しを行なえる、金型を当てて
行なう鍛造加工等の、高度の寸法精度を容易に得られる
加工方法により形成できる。この為、車輪駆動用軸受ユ
ニットの組立を完了した状態での、ハブと駆動軸部材と
の軸方向に関する相対変位量を僅少に抑える事の確実性
を高めて、スプライン孔とスプライン軸とのスプライン
係合部の摩耗防止とシールリングの耐久性確保とを図れ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。尚、図面にはデファレンシャルギヤ
の出力部に設けるデファレンシャル側等速ジョイントを
示していないが、図示の等速ジョイント2aを構成する
等速ジョイント用内輪16にその外端部を結合固定した
駆動軸26の内端部には、上記デファレンシャル側等速
ジョイントである、トリポード型の等速ジョイントの出
力部を結合する。そして、このトリポード型の等速ジョ
イントと上記駆動軸26と上記等速ジョイント2aと
が、前述した等速ジョイントユニットを構成する。自動
車への組み付け前の状態では、この等速ジョイントユニ
ットと前記車輪支持用軸受ユニット1とが組み合わされ
て、前述した車輪用駆動ユニットを構成した状態とな
る。
【0024】又、本発明の特徴は、車輪駆動用軸受ユニ
ットの組立を完了した状態での、ハブ4bと駆動軸部材
18cとの軸方向に関する相対変位量を僅少に抑える事
の確実性を高める為の構造にある。その他の部分の構造
及び作用は、前述の図4に示した従来構造の第2例、或
は前述の図5に示した先発明の構造と同様であるから、
同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若
しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明
する。
【0025】上記ハブ4bに形成した中心孔41の内端
部には、この中心孔41の中間部に設けた第一のスプラ
イン孔14の歯底円の直径よりも少し大径の小径円筒部
42と、この小径円筒部42よりも大径の大径円筒部4
3とを、互いに同心に、上記第一のスプライン孔14の
側から順に設けている。そして、上記小径円筒部42と
大径円筒部43とを、請求項に記載した第一段部であ
る、円すい凹面状の受段部44により連続させている。
この受段部44は、上記ハブ4bの内端部に外嵌固定し
た内輪5の内径側に存在する。即ち、この受段部44の
軸方向位置は、図1にLで示した、この内輪5の軸方向
両端面同士の間である。
【0026】一方、上記駆動軸部材18cを構成するス
プライン軸17bの基端部(内端部)外周面には、上記
小径円筒部42よりも少し小径である、くびれ部39を
兼ねた内側小径円筒部45と、この小径円筒部42より
も大径で上記大径円筒部43よりも少し小径である内側
大径円筒部46とを、互いに同心に、雄スプライン部5
1の側から順に設けている。そして、上記内側小径円筒
部45と内側大径円筒部46とを、請求項に記載した第
二段部である、円すい凸面状の押し段部47により連続
させている。この押し段部47の傾斜角度と上記受段部
44の傾斜角度とは、互いに一致させている。従って、
これら両段部47、44は、全周に亙って互いに密接自
在である。
【0027】本発明の車輪駆動用軸受ユニットを組み立
てるべく、上記スプライン軸17bを上記第一のスプラ
イン孔14内に挿入し、止め輪33aを係止溝32と係
止段部36との間に掛け渡した状態では、かしめ部35
と等速ジョイント用外輪15の外端面との間で、シール
リング38aを弾性的に圧縮する。図示の例では、この
シールリング38aを構成するシールリップ48の先端
縁を上記かしめ部35の内側面に、0.2〜1.0mm程
度の締め代により、全周に亙って弾性的に当接させてい
る。
【0028】又、この状態で、上記押し段部47と上記
受段部44とが、全周に亙って近接対向する。上記かし
め部35と前記駆動軸部材18cの段部40との間に
は、上記両段部47、44同士の間に存在する隙間より
も大きな隙間が存在する。従って、これら両段部47、
44同士が当接する以前に、上記かしめ部35と上記段
部40とが当接する事はない。
【0029】上述の様な本発明の車輪駆動用軸受ユニッ
トを自動車に組み付けて使用すると、走行に伴って前記
ハブ4bと上記駆動軸部材18cとの間に、これら両部
材4b、18c同士を軸方向に関して相対変位させよう
とするスラスト荷重が加わる。但し、この様なスラスト
荷重に拘らず、上記両部材4b、18c同士の変位は僅
少に抑えられる。例えば、ハブ4bに対し駆動軸部材1
8cが図1の右方に変位しようとした場合には、止め輪
33aの外径側半部が係止段部36に衝合する事によ
り、この変位を阻止する。これに対して、ハブ4bに対
し駆動軸部材18cが図1の左方に変位しようとした場
合には、上記押し段部47と上記受段部44とが衝合す
る事により、この変位を阻止する。
【0030】上記押し段部47と上記受段部44とは、
何れも、旋削加工、或は軸方向の寸法出しを行なえる、
金型を当てて行なう鍛造加工等の、高度の寸法精度を容
易に得られる加工方法により形成できる。従って、車輪
駆動用軸受ユニットの組立を完了した状態での、上記ハ
ブ4bと上記駆動軸部材18cとの軸方向に関する相対
変位量を僅少に抑える事の確実性を高める事ができる。
この為、前記第一のスプライン孔14と前記スプライン
軸17bとの軸方向変位量を僅少に抑えて、これら第一
のスプライン孔14とスプライン軸17bとのスプライ
ン係合部の摩耗防止を図れる。又、前記シールリング3
8aが過度に圧縮される事を防止して、このシールリン
グ38aの耐久性を確保し、上記スプライン係合部のシ
ール性確保を図れる。
【0031】尚、本発明の場合には、上記押し段部47
と上記受段部44とを、前記内輪5の内径側に設けてい
る為、これら両段部47、44を形成する事に伴って、
車輪駆動用軸受ユニットの軸方向寸法が嵩む事はない。
これに対して、上記両段部47、44を、上記内輪5の
外端面よりも外側に設けると、第一のスプライン孔14
とスプライン軸17bとのスプライン係合部の長さを確
保する事を考慮した場合には、上記ハブ4bと上記駆動
軸部材18cとの軸方向寸法が嵩み、上記車輪駆動用軸
受ユニットが大型化する。本発明の場合には、この様な
大型化を防止しつつ、上記摩耗防止と上記シール性確保
とを図れる。
【0032】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、ハブ4cに形成した
中心孔41aの内端部に、この中心孔41aの中間部に
設けた第一のスプライン孔14の歯底円の直径よりも少
し大径の円筒部49を形成し、これら円筒部49と第一
のスプライン孔14とを、請求項に記載した第一の段部
である、円すい凹面状の受段部44aにより連続させて
いる。一方、駆動軸部材18dを構成するスプライン軸
17cの基部で上記受段部44aに対向する部分に、押
し段部47aを形成している。この様な本例の構造は、
上述した第1例の構造に比べて、上記第一のスプライン
孔14と上記スプライン軸17cの雄スプライン部51
とによるハブ側スプライン係合部50の軸方向長さを大
きくする設計が容易になる。その他の構成及び作用は、
上述した第1例の場合と同様であるから、同等部分には
同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0033】
【発明の効果】本発明の車輪駆動用軸受ユニットは、上
述の様に構成され作用する為、車輪支持用軸受ユニット
と等速ジョイントとの結合を止め輪により行ない、小型
・軽量化を図れる構造で、優れた耐久性の確保を図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】同第2例を示す断面図。
【図3】従来構造の第1例を示す断面図。
【図4】同第2例を示す断面図。
【図5】先発明に係る構造の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a、1b 車輪支持用軸受ユニット 2、2a 等速ジョイント 3 外輪 4、4a、4b、4c ハブ 5 内輪 6 転動体 7 第一のフランジ 8 ナックル 9 外輪軌道 10 第二のフランジ 11 第一の内輪軌道 12 小径段部 13 第二の内輪軌道 14 第一のスプライン孔 15 等速ジョイント用外輪 16 等速ジョイント用内輪 17、17a、17b、17c スプライン軸 18、18a、18b、18c、18d 駆動軸部材 19 外側係合溝 20 第二のスプライン孔 21 内側係合溝 22 ボール 23 保持器 24 雄ねじ部 25 ナット 26 駆動軸 27 雄スプライン部 28 係止溝 29 止め輪 30 係止段部 31 係止部 32 係止溝 33、33a 止め輪 34 弾性リング 35 かしめ部 36 係止段部 37 キャップ 38、38a シールリング 39 くびれ部 40 段部 41、41a 中心孔 42 小径円筒部 43 大径円筒部 44、44a 受段部 45 内側小径円筒部 46 内側大径円筒部 47、47a 押し段部 48 シールリップ 49 円筒面部 50 ハブ側スプライン係合部 51 雄スプライン部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に懸架装置に結合固定する為の第
    一のフランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞれ
    有し、使用時にも回転しない外輪と、外周面の外端寄り
    部分に車輪を支持する為の第二のフランジを、同じく中
    間部に直接又は別体の内輪を介して第一の内輪軌道を、
    中心部にスプライン孔を、それぞれ設けると共に、外周
    面の内端寄り部分にその外周面に第二の内輪軌道を形成
    した内輪を外嵌し、その内端部を径方向外方に塑性変形
    する事により構成したかしめ部によりこの内輪の内端面
    を抑え付けて固定したハブと、上記各外輪軌道と上記第
    一、第二の各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動
    自在に設けられた転動体と、上記第一のスプライン孔と
    係合するスプライン軸を外端部に設けると共に、内端部
    を等速ジョイントを構成する等速ジョイント用外輪とし
    た駆動軸部材と、上記スプライン軸の外端部外周面に設
    けられた内径側係合部と上記ハブの内周面でこの内径側
    係合部に対向する部分に設けられた外径側係合部との間
    に掛け渡されて、上記スプライン軸が上記スプライン孔
    から抜け出るのを防止する止め輪と、上記かしめ部の内
    側面と上記等速ジョイント用外輪の外端面との間に挟持
    されたシールリングと、上記ハブの内周面で上記内輪の
    内径側に位置する部分に内方に向く状態で形成された第
    一の段部と、上記スプライン軸の基部外周面に外方に向
    く状態で形成された第二の段部とを備え、これら第一、
    第二の段部同士の係合に基づき、上記駆動軸部材が上記
    ハブに対し、上記シールリングを過度に圧縮する方向に
    変位するのを阻止した、車輪駆動用軸受ユニット。
JP2000251907A 2000-08-23 2000-08-23 車輪駆動用軸受ユニット Pending JP2002061663A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000251907A JP2002061663A (ja) 2000-08-23 2000-08-23 車輪駆動用軸受ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000251907A JP2002061663A (ja) 2000-08-23 2000-08-23 車輪駆動用軸受ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002061663A true JP2002061663A (ja) 2002-02-28

Family

ID=18741244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000251907A Pending JP2002061663A (ja) 2000-08-23 2000-08-23 車輪駆動用軸受ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002061663A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7614796B2 (en) 2005-05-12 2009-11-10 Ntn Corporation Wheel support bearing assembly

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7614796B2 (en) 2005-05-12 2009-11-10 Ntn Corporation Wheel support bearing assembly
US7901143B2 (en) 2005-05-12 2011-03-08 Ntn Corporation Wheel support bearing assembly
US8092095B2 (en) 2005-05-12 2012-01-10 Ntn Corporation Wheel support bearing assembly

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6981800B2 (en) Wheel drive unit
JP4244548B2 (ja) 駆動輪用転がり軸受ユニットの設計方法
JP2001225605A (ja) 自動車用車輪駆動装置
JPH1162951A (ja) 車輪用転がり軸受ユニット
JP3869197B2 (ja) 車両用軸受装置
JP2002106585A (ja) 車輪軸受装置
JP2002061663A (ja) 車輪駆動用軸受ユニット
JP2003072308A (ja) 駆動車輪用軸受装置及びその製造方法
JP2001294010A (ja) 車輪駆動用軸受ユニット
JP2002172906A (ja) 車輪駆動用軸受ユニット
JP2010127311A (ja) 固定式等速自在継手およびこれを用いた車輪軸受装置
JP2002120506A (ja) 車輪駆動用軸受ユニット
JP2002002210A (ja) 車輪駆動用軸受ユニット
JP2007162828A (ja) 車輪用軸受装置およびこれを備えたアクスルモジュール
JP4715005B2 (ja) 駆動輪用転がり軸受ユニット
JP2002106557A (ja) 車輪駆動用軸受ユニット
JP2001171306A (ja) 駆動側車輪支持装置
JP4096920B2 (ja) 車輪用転がり軸受ユニット
JP2005255165A (ja) 駆動輪用転がり軸受ユニット及び車輪用駆動ユニットの製造方法
JP2001206004A (ja) 車輪駆動用軸受ユニット
JP2008183991A (ja) 後輪用軸受装置及びドライブシャフト
JP2005162204A (ja) 車輪用転がり軸受ユニット
JP2001158206A (ja) 車輪駆動用軸受ユニット
JP2003120700A (ja) 車輪用回転支持装置とその組立方法
JP2005042914A (ja) 車輪用転がり軸受ユニット