JP2002060220A - ルチル型酸化チタン粉末の製造方法 - Google Patents

ルチル型酸化チタン粉末の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】0.4μm以上の大きな平均一次粒径を有する
ルチル型酸化チタン粒子よりなり、樹脂フィラー用、ガ
ラスフィラー用およびファンデーション用に好適な、凝
集粒子の少ないルチル型酸化チタン粉末の製造方法を提
供する。 【解決手段】四塩化チタン水溶液とアルカリ溶液を反応
させてチタン含有沈殿を生成させ、その反応液から該チ
タン含有沈殿を分離し乾燥した後、焼成するルチル型酸
化チタンの製造方法において、該四塩化チタン水溶液と
該アルカリ溶液の反応をpHが3以上6以下の範囲で行
い、該焼成を、特定濃度以上の塩化水素、分子状塩素+
水蒸気、分子状塩素のいずれかを含有する雰囲気ガス
中、800℃以上1200℃以下の温度範囲で行うルチ
ル型酸化チタン粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂やガラスに添
加するためのフィラー用途やファンデーション(化粧
品)用途に好適な、凝集粒子が少ないルチル型酸化チタ
ン粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンは主に塗料その他の顔料用と
して大量に使用されている。顔料用であるので、光の反
射が最大となる0.2〜0.3μmの平均一次粒径を有
する粉末が殆どであり、樹脂に高充填できるフィラー用
途、ガラスに高充填できるフィラー用途および肌の上で
の伸びが求められるファンデーション用途には十分では
なかった。
【0003】一般的に酸化チタン粉末の工業的製法は大
きく分けて硫酸法と塩素法がある。硫酸法においては、
原料となるイルメナイト等の鉱石を硫酸で溶解し、主に
鉄を除去した後、沈殿物を乾燥し焼成して酸化チタン粉
末を製造する方法である。塩素法は、酸化チタン含有量
の高いルチルサンド等を原料とし、塩酸に溶解して四塩
化チタンとし、四塩化チタンをノズルから高温の酸素中
に吹き出して酸化チタン粉末を製造する方法である。い
ずれの場合であっても平均一次粒径が0.2〜0.3μ
mの顔料用ルチル型酸化チタン粉末が得られている。
【0004】ルチル型酸化チタンは、共立出版「化学大
辞典」(1997年9月20日縮刷版第36刷発行)の
3の920頁右欄第9−12行に「実験室で製するには
チタン(IV)塩水溶液から水酸化物を沈殿分離し、強
熱する。高温で焼けばルチル型が得られ」ると記載され
ているように、四塩化チタン水溶液とアルカリ溶液を混
合し、生成した沈殿を該混合液から分離し乾燥した後焼
成する方法により得られる。該方法は従来より実験的に
行なわれてきた方法であり、ルチル型酸化チタン粉末の
粒子径や粒度分布等を制御できる方法ではなかった。
【0005】樹脂やガラスに高充填するには、顔料用の
ルチル型酸化チタン粉末は小さ過ぎて凝集しやすいの
で、好適ではなかった。また、ファンデーションの紫外
線吸収剤としてルチル型酸化チタン粉末が使用されてい
るが、顔料用のルチル型酸化チタン粉末は小さ過ぎるた
め、肌に塗ったときのファンデーションの伸びが不十分
であった。樹脂フィラー、ガラスフィラー、ファンデー
ション用途には、顔料用のルチル型酸化チタン粉末の粒
子より大きな粒子からなり、凝集粒子が少ないルチル型
酸化チタン粉末が求められているが、上記した方法によ
っては得られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、0.
4μm以上の大きな平均一次粒径を有するルチル型酸化
チタン粒子よりなり、樹脂フィラー用、ガラスフィラー
用およびファンデーション用に好適な、凝集粒子の少な
いルチル型酸化チタン粉末の製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ルチル型
酸化チタン粉末の製造方法について鋭意検討した結果、
四塩化チタン水溶液とアルカリ溶液とを特定のpH範囲
内で混合して得た析出物を、塩素含有雰囲気中で焼成す
ることにより、目的とする平均一次粒径が大きく凝集粒
子の少ないルチル型酸化チタン粉末が得られることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち本発明は、四塩化チタン水溶液と
アルカリ溶液を反応させてチタン含有沈殿を生成させ、
該四塩化チタン水溶液と該アルカリ溶液の反応液から該
チタン含有沈殿を分離し乾燥した後、焼成するルチル型
酸化チタンの製造方法において、該四塩化チタン水溶液
と該アルカリ溶液の反応をpHが3以上6以下の範囲で
行い、該焼成を下記の(1)塩化水素を1体積%以上含
むガス雰囲気、(2)分子状塩素を0.5体積%以上と
水蒸気を0.5体積%以上含むガス雰囲気、(3)分子
状塩素を1体積%以上含むガス雰囲気、から選ばれるガ
ス雰囲気中、800℃以上1200℃以下の温度範囲で
行うルチル型酸化チタン粉末の製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】四塩化チタンは空気中の水分と反
応して白煙を生じ、取り扱いに問題があるので、実用上
は水溶液にして使用する。四塩化チタンを水に滴下する
と、塩化水素ガスと白煙を発生しながら水に溶解し、均
一な四塩化チタン水溶液とすることができる。本発明の
方法において、四塩化チタンの濃度は、チタン換算で1
〜20質量%が好ましい。1質量%未満では析出槽が大
きくなり効率が低下し、工業的実施が困難となる。20
質量%を超えると、四塩化チタンの水和物の一部が固体
となることがあり、中和作業の障害となることがある。
【0010】本発明の方法において、アルカリ溶液とし
ては、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化
カリウム水溶液を使用することができる。アルカリイオ
ンの濃度の上限は飽和濃度(温度により変化する)まで
使用することができる。いずれも5質量%未満であると
析出槽が大きくなり効率が低下し、工業的実施が困難と
なる。市販の25〜28質量%の濃度の工業用アンモニ
ア水、40〜48.5質量%の濃度の工業用水酸化ナト
リウム水溶液が使用できる。
【0011】本発明の方法において、四塩化チタン水溶
液とアルカリ溶液を反応させてチタン含有沈殿を生成さ
せる方法としては、pH電極と攪拌羽根を装備した析出
槽にpH電極が浸漬する程度に予め水を入れておき、p
H電極から得られるpH値に従って流量を制御しながら
四塩化チタン水溶液とアルカリ水溶液を該析出槽に注入
する方法を用いることができる。このとき、四塩化チタ
ン水溶液および/またはアルカリ水溶液の流量を制御す
るpHの設定値は3以上6以下の範囲である。pHの制
御は、例えば四塩化チタン水溶液を一定の流量で析出槽
に注入し、アルカリ水溶液をpH値により流量が制御で
きるかまたはスイッチのオンオフが制御できるポンプを
用いて注入することにより行うことができる。例えばp
H設定値を3に設定したpHコントローラにアルカリ溶
液のポンプを接続した場合、析出槽内のpHが3以下で
ポンプが作動してアルカリ溶液を注入し、pHが上昇し
て3を超えるとポンプが停止する方法により、pHの制
御が可能となる。
【0012】前記反応工程により、四塩化チタン水溶液
とアルカリ溶液の反応液にチタン含有沈殿が分散したス
ラリーが得られる。該スラリーからチタン含有沈殿を濾
過や遠心分離等により取出し、乾燥して焼成用の原料が
得られる。濾過や遠心分離により取出された後のチタン
含有沈殿には、四塩化チタンまたは四塩化チタンから発
生した塩化水素とアルカリ溶液中のアルカリの反応によ
り生成した塩(塩化アンモニウム、塩化ナトリウムや塩
化カリウム等)が残存しているので、それらを除去する
ために洗浄を行うことができる。洗浄は例えば、濾過に
より生成した析出物のケーキに水を注いで濾過したり、
遠心分離により生成した析出物のケーキに水を注いでさ
らに遠心分離を行う等の方法により行うことができる。
チタン含有沈殿を乾燥する温度は、20℃以上400℃
以下の温度範囲が好ましく、90℃以上300℃以下が
さらに好ましい。乾燥は工業的に通常行うことができる
方法を用いることができ、乾燥機として棚段式の乾燥機
(熱風乾燥機)やコニカルドライヤーを挙げることがで
きる。
【0013】本発明の方法における焼成は塩素含有雰囲
気中において800℃以上1200℃以下の温度範囲で
行う。焼成温度範囲は好ましくは900℃以上1100
℃以下である。焼成温度が低すぎると粒子の成長が不十
分になり、高すぎると凝集した粒子が多くなり、目的と
する樹脂フィラー用、ガラスフィラー用およびファンデ
ーション用に好適なルチル型酸化チタン粉末が得られな
いことがある。
【0014】本発明の方法において、焼成するガス雰囲
気が塩化水素ガスを含むガス雰囲気である場合、塩化水
素の濃度は1体積%以上、好ましくは10体積%以上で
ある。塩化水素濃度が1体積%未満では、平均一次粒子
径が小さくなり、樹脂フィラー用、ガラスフィラー用お
よびファンデーション用に好適なルチル型酸化チタン粉
末が得られない。
【0015】本発明の方法において、焼成するガス雰囲
気が分子状塩素と水蒸気を含むガス雰囲気である場合、
ガス雰囲気中の分子状塩素の濃度は0.5体積%以上か
つ水蒸気の濃度は0.5体積%以上であり、分子状塩素
の濃度は5体積%以上、水蒸気の濃度は5体積%以上が
好ましい。分子状塩素の濃度が0.5体積%未満または
水蒸気の濃度が0.5体積%未満では平均一次粒子径が
小さくなり、樹脂フィラー用、ガラスフィラー用および
ファンデーション用に好適なルチル型酸化チタン粉末が
得られない。
【0016】本発明の方法において、焼成するガス雰囲
気が分子状塩素を含むガス雰囲気である場合、分子状塩
素の濃度は1体積%以上、好ましくは10体積%以上で
ある。分子状塩素の濃度が1体積%未満では平均一次粒
子径が小さくなり、樹脂フィラー用、ガラスフィラー用
およびファンデーション用に好適なルチル型酸化チタン
粉末が得られない。
【0017】本発明の方法において、焼成時間は10分
以上4時間以下の範囲が好ましい。焼成時間が短か過ぎ
ると粒子の成長が不十分になり、長すぎると凝集が発生
する問題が生じ、樹脂フィラー用、ガラスフィラー用お
よびファンデーション用に好適なルチル型酸化チタン粉
末が得られないことがある。
【0018】焼成雰囲気に含まれる塩素含有ガス以外の
ガス成分は、不活性ガスが好ましく、例えば窒素、アル
ゴン、ヘリウム等を用いることができる。
【0019】本発明の方法において、塩化水素または分
子状塩素の導入の方法としては、塩化水素ガスボンベま
たは塩素ガスボンベからの導入による方法、熱分解によ
り塩化水素または分子状塩素を発生する物質を添加する
方法を用いることができる。熱分解により塩化水素を発
生する物質としては、塩酸、塩化アンモニウム等を用い
ることができる。
【0020】焼成装置は特に限定されないが、塩化水素
や分子状塩素ガスに腐食されない材質で構成されている
ことが望ましく、さらに雰囲気を制御できる機構を備え
ていることが望ましい。工業的には、トンネル炉、バッ
チ炉、ロータリーキルン、プッシャー炉等を用いること
ができる。
【0021】必要であれば焼成後得られた粒子を粉砕す
ることができる。本発明の製造方法では焼成時の凝集が
起きにくいため、粉砕は媒体を用いないジェットミル等
の方法で行なうことができる。媒体からの汚染が問題と
ならない場合は、ボールミルや振動ミル等の媒体を使用
した粉砕方法で粉砕を行うことができる。
【0022】本発明の製造方法により得られるルチル型
酸化チタン粉末は、形状が均一な多面体形状のルチル型
酸化チタン粒子よりなるルチル型酸化チタン粉末であ
り、SEM写真による平均一次粒径が0.4μm以上1
0μm以下であり、BET比表面積が0.1m2/g以
上5m2/g以下であり、該平均一次粒径をBET比表
面積から算出した一次粒径で除した値が1以上3以下で
ある凝集粒子の少ない酸化チタン粉末である。本発明に
おいては平均一次粒径はSEM写真上の粒子の画像を測
定して算出した値である。
【0023】SEM写真から測定した平均一次粒径が
0.4μm未満であると、粒径が小さ過ぎて樹脂やガラ
スへの高充填が困難となり、またファンデーション用に
使用した場合はファンデーションの伸びが十分ではなく
なる。SEM写真による平均一次粒径が10μmを超え
ると、樹脂やガラスのフィラーとして使用した場合、樹
脂やガラスの成形体表面にルチル型酸化チタン粒子が突
き出し、表面粗さが悪く(大きく)なる上、ファンデー
ション用に用いた場合は肌への付着性が不足して塗りに
くくなる傾向があり、さらにザラツキ感が出てくるの
で、0.4μm以上10μm以下の範囲が高充填樹脂フ
ィラー用、高充填ガラスフィラー用およびファンデーシ
ョン用に好適である。BET比表面積が0.1m2/g
より小さい場合は粒子が10μmより大きくなり、BE
T比表面積が5m2/gより大きくなると平均一次粒子
径が0.4μmより小さくなるかまたは凝集粒子が増加
するので好ましくない。平均一次粒径をBET比表面積
から算出した一次粒径で除した値が1より小さい場合は
粒子同士がつながって凝集しており、3より大きい場合
は粒子表面に凹凸があり粒子形状が不定形であるので、
1以上3以下が樹脂フィラー用、ガラスフィラー用およ
びファンデーション用に好適である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、本発明における各種の測定は次のようにして行っ
た。 1.SEM写真による平均一次粒径 SEM(走査型電子顕微鏡、日本電子株式会社製:T−
220)を使用して粉末の写真を撮影し、その写真から
5ないし10個の粒子を選び出して大きさを測定し、そ
の平均値を求めて写真の倍率で除して算出した。 2.BET比表面積 マイクロメリティックス社製フローソーブII2300型
を使用してBET1点法により測定した。
【0025】実施例1 四塩化チタン(和光純薬)55gに水110gを加え、
33質量%四塩化チタン水溶液を調製した。微粒酸化チ
タン粉末STR−60N(商品名、堺化学工業株式会社
製)(BET比表面積50m2/g)を0.4g秤取
し、塩酸を加えてpHを2に調整した水20gに加え、
超音波ホモジナイザーにより分散させた後、該分散液を
四塩化チタン水溶液に添加した。該四塩化チタン水溶液
と濃度28質量%のアンモニア水を、塩酸を加えてpH
=3に調整したイオン交換水500gを入れた容量1リ
ットルのセパラブルフラスコ中に、撹件しながらpHを
3に維持するように、26分かけて同時に供給し、水酸
化チタンの沈殿を生成させた。反応終了後、室温にて6
0分撹枠して沈澱を熟成した。次に、熟成後の沈澱を含
む懸濁液を再度撹枠しながら、濃度28質量%のアンモ
ニア水を添加してpH=8に調製した後に、内径90m
mのプフナー型ロートと定量濾紙No.5Cとアスピレ
ーターを使用して吸引濾過を行い、析出物のケーキを得
た。イオン交換水にアンモニア水を添加してpH=1
0.5に調製したアンモニア水2リットルをケーキに注
ぎ、吸引濾過を行って洗浄した。濾過およぴ洗浄に要し
た時間は63分であり、濾過性に優れ、操作は非常に容
易であった。また、この沈殿を130℃にて乾燥した。
乾燥物は乳鉢で容易に解砕できた。解砕後の乾燥物のか
さ密度(重装)は0.47g/cm3と低く、かさ高か
った。
【0026】該乾燥物を、石英製のボートに充填した。
充填量は2g、充填深さは10mm程度とした。焼成は
石英製炉芯管(直径30mm、長さ100mm)を挿入
した管状型電気炉で行った。昇温速度は、5℃/分とし
た。雰囲気ガスとしては、室温から400℃までは空気
のみを流し、400℃から塩化水素ガス30体積%−空
気70体積%のガスを流しながら、900℃で30分間
焼成し、30分保持後ガスを空気に切り替えて流しなが
ら冷却し、粉末を得た。塩化水素ガスはボンベの塩化水
素(鶴見曹達株式会社製、純度99.9%)を用いた。
【0027】得られた粉末は酸化チタン粉末は粒子径の
揃った多面体形状の粒子からなるルチル型酸化チタン粉
末であった。SEM写真による一次粒径は0.41μm
であった。BET比表面積は3.5m2/gであった。
文献にあるルチル型酸化チタンの密度の値4.25g/
cm3とBET比表面積から粒径を算出すると0.40
μmとなり、SEM写真による平均一次粒径をBET比
表面積から算出した粒径で除した値は1.0となる。
【0028】実施例2 実施例1と同様の条件で、四塩化チタン水溶液とアンモ
ニア水の混合時の温度のみを60℃に変えて行った。濾
過およぴ洗浄に要した時間は50分であり、解砕後の乾
燥物のかさ密度(重装)は0.46g/cm3であっ
た。また、焼成により得られたルチル型酸化チタン粉末
の粒子は粒子径の揃った多面体形状の粒子で、SEM写
真による平均一次粒径は0.41μm、BET比表面積
は3.5m 2/gであった。BET比表面積から粒径を
算出すると0.40μmとなり、SEM写真による平均
一次粒子径をBET比表面積から算出した粒径で除した
値は1.0となる。
【0029】実施例3 実施例1と同様の条件で、四塩化チタン水溶液とアンモ
ニア水の混合時のpHのみを4に変えて行った。濾過お
よぴ洗浄に要した時間は50分であり、解砕後の乾燥物
(焼成前)のかさ密度(重装)は0.46g/cm3
あった。また、焼成後のチタニア粉末は粒子径の揃った
多面体形状の粒子で、SEM写真による一次粒径は0.
43μm、BET比表面積は3.3m2/gであった。
文献値のルチルの密度4.25g/cm3とBET比表
面積から粒径を算出すると0.43μmとなり、SEM
写真による平均一次粒子径をBET比表面積から算出し
た粒径で除した値は1.0となる。
【0030】実施例4 実施例1と同様の条件で、四塩化チタン水溶液とアンモ
ニア水の混合時のpHのみを6に変えて行った。濾過お
よぴ洗浄に要した時間は116分であり、解砕後の乾燥
物(焼成前)のかさ密度(重装)は0.53g/cm3
であった。また、焼成後のチタニア粉末は粒子径の揃っ
た多面体形状の粒子で、SEM写真による一次粒径は
0.43μm、BET比表面積は3.6m2/gであっ
た。BET比表面積から粒径を算出すると0.39μm
となり、SEM写真による平均一次粒子径をBET比表
面積から算出した粒径で除した値は1.1となる。
【0031】比較例1 実施例1と同様に四塩化チタン水溶液を調製し、該四塩
化チタン水溶液を容量1リットルのセパラブルフラスコ
中に入れ、濃度28質量%のアンモニア水をpHが約8
になるまで滴下して水酸化チタンの沈殿を生成させた。
実施例1と同様にして濾過および洗浄を行ったが、濾過
およぴ洗浄に要した時間は141分と長く析出物は濾過
性に劣り、乾燥後の乾燥物の解砕も困難であった。解砕
後の乾燥物(焼成前)のかさ密度(重装)は1.12g
/cm3と固い凝集の多い粉末であった。実施例1と同
様にして焼成した結果、ルチル型酸化チタンが得られ、
平均一次粒径は0.3μmであったが、一次粒子は強く
凝集しており、触れると手にザラツキを感じるような大
きな凝集粒が多く生成していた。
【0032】
【発明の効果】本発明の製法による酸化チタン粉末は、
平均一次粒子径が0.4μm以上10μm以下と大き
く、凝集粒子が少ないので、樹脂フィラー用、ガラスフ
ィラー用およびファンデーション用に好適に用いること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四塩化チタン水溶液とアルカリ溶液を反応
    させてチタン含有沈殿を生成させ、該四塩化チタン水溶
    液と該アルカリ溶液の反応液から該チタン含有沈殿を分
    離し乾燥した後、焼成するルチル型酸化チタンの製造方
    法において、該四塩化チタン水溶液と該アルカリ溶液の
    反応をpHが3以上6以下の範囲で行い、該焼成を下記
    の(1)〜(3)のいずれかのガス雰囲気中、800℃
    以上1200℃以下の温度範囲で行うことを特徴とする
    ルチル型酸化チタン粉末の製造方法。 (1)塩化水素を1体積%以上含むガス雰囲気 (2)分子状塩素を0.5体積%以上と水蒸気を0.5
    体積%以上含むガス雰囲気 (3)分子状塩素を1体積%以上含むガス雰囲気
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