JP2002059499A - 生分解性気泡シート - Google Patents

生分解性気泡シート

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JP2002059499A
JP2002059499A JP2000248244A JP2000248244A JP2002059499A JP 2002059499 A JP2002059499 A JP 2002059499A JP 2000248244 A JP2000248244 A JP 2000248244A JP 2000248244 A JP2000248244 A JP 2000248244A JP 2002059499 A JP2002059499 A JP 2002059499A
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Seiji Obuchi
省二 大淵
Takayuki Watanabe
孝行 渡辺
Yasuhiro Kitahara
泰広 北原
Akinobu Takehara
明宣 竹原
Takayuki Kuroki
孝行 黒木
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】緩衝性能、分解性、防カビ性、耐水性に優れ、
かつ、その製造に際しては、成形加工性と歩留まりが顕
著に改善され、しかも、高温での可塑剤のブリードもな
く、可撓性や柔軟性が顕著に改善された生分解性気泡シ
ートを提供する。 【解決手段】乳酸系樹脂100重量部に対し、一般式
(1) (式中、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは炭素数
6〜18のアシル基であり、残りが水素原子またはアセ
チル基である)で表される化合物(A)及びグリセリン
1〜10分子の縮合物と炭素数6〜18のカルボン酸と
の反応生成物である化合物(B)から選ばれた少なくと
も1種の化合物5〜30重量部を含む乳酸系樹脂組成物
により構成された気泡シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸または少
なくとも乳酸成分50重量%以上を含有する乳酸系樹脂
を主成分とする乳酸系樹脂組成物から製造された自然環
境下で分解性を有する気泡シート及びクラフト紙等を貼
り合わせた複合シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】多数のエンボスを有するエンボスシート
とベースシートを貼り合わせて多数の気泡を形成した気
泡シート、さらに、この気泡シートの片面または両面に
クラフト紙等を貼り合わせてなる複合シートは、従来、
電気部品、ガラス、陶器、食品、芸術品等の品物を輸送
する際の緩衝及び包装材として広く使用されている。気
泡シート及び複合シートには、ポリエチレン樹脂等の汎
用樹脂が一般的に使用されている。しかるに、かかる汎
用樹脂から製造された気泡シートには、耐衝撃性、軽
量、耐吸温性、可撓性に優れているものもあるが、廃棄
する際、ゴミの量を増やすうえに、自然環境下では殆ど
分解しないため、埋設処理しても、半永久的に地中に残
留する。また投棄されたプラスチック類により、景観が
損なわれ海洋生物の生活環境が破壊されるなどの問題が
起こっている。
【0003】この様な問題に対し、例えば、特開平6−
320654号公報、特開平7−16966号公報に
は、エチレン/一酸化炭素共重合体樹脂、高密度ポリエ
チレン樹脂、ポリアミド樹脂、脂肪族ポリエステル系樹
脂よりなる複数の樹脂を、押出機で溶融混合した複数樹
脂混合組成物からなる気泡シートについて開示されてい
る。
【0004】このシートは、以下の1)〜3)の特徴を
有する。 1)包装材、断熱材、吸音材、土木建築用材、農業用資
材として有効な機能を有する。 2)ガスバリヤ性に優れる。 3)易分解性である。すなわち、廃棄後、土中埋設時に
は生分解し、日光に暴露されると光分解して、減容化す
る機能を有する。 しかしながら、この気泡シートは、分解性を実質的に有
さない汎用ポリマー(高密度ポリエチレン樹脂、ポリア
ミド樹脂等)を含有しており、分解性が必ずしも充分な
ものではなかった。
【0005】これに対し、熱可塑性樹脂で生分解性を有
するポリマーとして、ポリ乳酸及び乳酸と他の脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸とのコポリマー、脂肪族多価アルコ
ールと脂肪族多価カルボン酸から誘導されるポリエステ
ル等が開発されている。これらのポリマーの中には、動
物の体内で数カ月から1年以内に100%生分解し、又
は、土壌や海水中に置かれた場合、湿った環境下では数
週間で分解を始め、約1年から数年で消滅してしまうも
のもある。そして、それらの分解生成物は、人体に無害
な乳酸と二酸化炭素と水になるという特性を有してい
る。特にポリ乳酸は、近年、原料のL一乳酸が発酵法に
より大量且つ安価に製造されるようになってきた事や、
堆肥中での分解速度が速く、カビに対する抵抗性、食品
に対する耐着臭性や耐着色性等、優れた特徴を有するこ
とより、その利用分野の拡大が期待されている。
【0006】このような背景の中、本発明者らは、特開
平7−76628号公報において、ポリ乳酸を主成分と
する熱可塑性樹脂組成物からなる気泡シートについて開
示した。この気泡シートは、耐傷つき性、防水性及び耐
カビ性等に優れ、さらに自然環境下で分解可能であり、
環境汚染の問題もなぐ緩衝材として好適である。また、
気泡シートとクラフト紙よりなる複合シートはダンボー
ル、封筒等の輸送用資材として好適である。しかしなが
ら、ポリ乳酸は剛性が高く、フィルムや包装材等の柔軟
性が要求される用途には適切な樹脂とは言い難く、使用
する樹脂組成物の組成比率や成形加工条件によっては、
成形加工に高度の技術を必要とする。又得られた製品の
可撓性や柔軟性が必ずしも充分ではなく、気泡シート製
造後の巻取り時にクラックが生じ、気泡が抜けたり、破
裂したりする場合があり、あまり実用的ではない。従っ
て、ポリ乳酸を主成分とする実用的な気泡シートを得る
には、何らかの方法で柔軟性を付与する必要がある。
【0007】一方、一般にポリ乳酸に柔軟性を付与する
技術としては、可塑剤を添加する方法、コポリマー化す
る方法、軟質ポリマーを添加する方法等が知られてい
る。例えば、特開平11−302424号公報には、ポ
リ乳酸と、融点が80〜250℃の生分解性を有する脂
肪族ポリエステルを含有する高分子成分と、生分解性を
有する可塑剤からなるポリ乳酸系樹脂組成物により構成
された気泡シートが開示されている。しかしながら、そ
こに記載されているアセチルクエン酸トリブチルやグリ
セリントリアセテートのような可塑剤を添加する方法で
は、十分な柔軟性を付与するために、融点が80〜25
0℃の生分解性を有する脂肪族ポリエステルが必須成分
として必要であり、それにより柔軟性が得られたとして
も、高温で可塑剤がブリードして耐熱性を失わせたり、
また、可塑剤のブリードのため、製造過程においてシー
トのブロッキングが生じる等の問題があるため、実用化
するには実質上幾つもの問題がある。また、グリセリン
トリアセテートは水溶解度が高く、水中では成形物から
グリセリントリアセテートが溶出し、柔軟性を失う。こ
のように、ポリ乳酸の特徴を損なうことなく、柔軟性と
耐熱性を付与することは、従来の技術によったのではな
し得ないのが実情であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、緩衝性能、生分解性、防カビ性、耐水性に
優れ、かつ、その製造に際しては、成形加工性と歩留ま
りが顕著に改善され、しかも、可撓性や柔軟性が顕著に
改善された気泡シートを提供することにある。より具体
的には、単に特定の可塑剤を添加するだけで、優れた柔
軟性が得られ、さらに可塑剤の高温での耐ブリードアウ
ト性に優れていることにより、耐ブロッキング性に優
れ、耐水性を持ち、耐熱性と柔軟性を併有する特徴を有
する乳酸系樹脂組成物からなる気泡シートを提供するこ
とである。更には、ゴミ袋、包装資材に使用されている
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルのよう
な柔軟性(弾性率が100〜1000MPa)と耐熱性
(耐ブロッキング温度が60℃以上)を有し、更には生
分解性を有する乳酸系樹脂組成物よりなる気泡シートの
開発を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特開平7
−76628号公報や特開平11−302424号公報
に開示されている発明で使用するポリ乳酸を含有してな
る熱可塑性ポリマー組成物を気泡シートに成形加工した
際に、可撓性や柔軟性、耐水性を改善するべく、しかも
環境を汚染しにくい可塑剤のスクリーニングの検討を進
めてきた。その結果、乳酸系樹脂とそれに相溶性の良好
な特定の可塑剤を添加することにより、上記課題を解決
することのできる乳酸系樹脂組成物からなる気泡シート
が得られることを見出だし、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明は、乳酸系樹脂100重
量部に対し、一般式(1)〔化2〕
【0011】
【化2】 (式中、R1、R2及びR3の少なくとも1つは炭素数6
〜18のアシル基であり、残りが水素原子またはアセチ
ル基である)で表される化合物(A)、及びグリセリン
1〜10分子の縮合物と炭素数6〜18のカルボン酸と
の反応生成物である化合物(B)から選ばれた少なくと
も1種の化合物5〜30重量部を含む乳酸系樹脂組成物
により構成された気泡シート、である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の、柔軟で、耐水性で、高温における可塑剤の耐
ブリードアウト性に優れた気泡シートは、乳酸系樹脂
に、可塑剤として特定のグリセリンエステルを混合して
得られる乳酸系樹脂組成物からなる。
【0013】本発明において、乳酸系樹脂とは、樹脂を
構成する全モノマー成分中の乳酸成分が、少なくとも5
0重量%以上であるホモポリマー及びコポリマーを示
し、例えば、ポリ乳酸、乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸のコポリマー(例えば、乳酸とグリコール酸のコポ
リマー、乳酸とカプロン酸のコポリマー、ポリ乳酸とポ
リカプロン酸のブロックコポリマー等)、乳酸及び脂肪
族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸のコポリマー
(例えば、乳酸とブタンジオールとコハク酸及びアジピ
ン酸のコポリマー、乳酸とエチレングリコール及びブタ
ンジオールとコハク酸のコポリマー、ポリ乳酸とポリブ
チレンサクシネートのブロックコポリマー等)、及びそ
れらの混合物を包含する。更に、ポリ乳酸と脂肪族ポリ
エステル(例えば、ポリカプロン酸、ポリブチレンサク
シネート、ポリエチレンサクシネート、β−ヒドロキシ
酪酸とβ−ヒドロキシ吉草酸とのコポリマーなど)との
混合物を包含する。又、混合物の場合、相溶化剤を含有
してもよい。乳酸系樹脂がコポリマーの場合、コポリマ
ーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合体、
ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの様式
でもよい。さらに、これらは少なくとも一部が、キシリ
レンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート等のような多価イソシアネートやセルロース、アセ
チルセルロースやエチルセルロース等のような多糖類等
の架橋剤で架橋されたものでもよく、少なくとも一部
が、線状、環状、分岐状、星形、三次元網目構造等のい
ずれの構造をとってもよく、何ら制限はない。
【0014】本発明の乳酸系樹脂において、ポリ乳酸、
特にポリ−L−乳酸、ポリ乳酸とポリ−6−ヒドロキシ
カプロン酸のブロックコポリマー、特にポリ−L−乳酸
とポリ−6−ヒドロキシカプ口ン酸のブロックコポリマ
ー、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートのブロックコ
ポリマー、特にポリ−L−乳酸とポリブチレンサクシネ
ートのブロックコポリマー、ポリ乳酸とβ−ヒドロキシ
酪酸とβ−ヒドロキシ吉草酸とのブロックコポリマー、
特にポリ−L−乳酸とβ−ヒドロキシ酪酸とβ−ヒドロ
キシ吉草酸とのブロックコポリマーが好ましい。これら
の中で、ポリ乳酸が最も好ましい。
【0015】本発明において乳酸系樹脂を構成する脂肪
族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、例えば、グ
リコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酩酸、4−ヒドロキ
シ酩酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草
酸、5−ヒドロキシ吉草酪、6−ヒドロキシカプロン酸
等が挙げられる。これらは一種類又は二種類以上の混合
物であってもよい。また脂肪族ヒドロキシカルボン酸が
不斉炭素を有する場合、L体、D体、及びその混合物、
すなわち、ラセミ体であってもよい。
【0016】本発明において乳酸系樹脂を構成する脂肪
族多価カルボン酸の具体例としては、例えば、シュウ
酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカンニ酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸等
及びその無水物等が挙げられる。これらは一種類又は二
種類以上の混合物であってもよい。
【0017】本発明において乳酸系樹脂を構成する脂肪
族多価アルコールの具体例としては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペン
チルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノ一ル等が挙げられる。これらは
一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。
【0018】本発明において乳酸系樹脂を構成する多糖
類の具体例としては、例えば、セルロース、硝酸セルロ
ース、酢酸セルロース、メチルセルロース、エチルセル
ロース、セルロイド、ビスコースレーヨン、再生セルロ
ース、セロハン、キュプラ、銅アンモニアレーヨン、キ
ュプロファン、ベンベルグ、ヘミセルロース、デンプ
ン、アミロペクチン、デキストリン、デキストラン、グ
リコーゲン、ペクチン、キチン、キトサン、アラビアガ
ム、グァーガム、ローカストビーンガム、アカシアガム
等、及びこれらの誘導体が挙げられるが、特にアセチル
セルロース、エチルセルロースが好適に用いられる。こ
れらは、一種類又は二種類以上の混合物であってもよ
い。
【0019】本発明において使用する乳酸系樹脂の分子
量は、実質的に充分な機械物性を示すものであれば、そ
の分子量は特に制限されないが、一般的には、重量平均
分子量として、1〜300万が好ましく、3〜200万
がより好ましく、5〜100万がより好ましく、7〜5
0万がさらに好ましく、9〜30万が最も好ましい。一
般的には、重量平均分子量が1万より小さい場合、機械
物性が充分でなかったり、逆に分子量が300万より大
きい場合、成形加工上取扱いが困難となったり、また製
造コスト上不経済となったりする場合がある。
【0020】本発明において使用する乳酸系樹脂の重量
平均分子量及び分子量分布は、その製造方法において、
溶媒の種類、触媒の種類及び量、反応温度、反応時間、
共沸により留出した溶媒の処埋方法、反応系中の溶媒乾
燥の程度等、反応条件を適宜選択することにより所望の
ものに制御することができる。
【0021】本発明の乳酸系樹脂の製造方法は、特に制
限されない。例えば、ポリ乳酸及び構造単位に乳酸を有
する乳酸系樹脂の製造方法の例としては、特開平6−6
5360号公報に開示されている方法を参考した、後述
の製造例1に示すような方法が挙げられる。すなわち、
乳酸及び/又は乳酸と乳酸以外の脂肪族ヒドロキシカル
ボン酸を、あるいは脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン
酸を、有機溶媒及び触媒の存在下、そのまま脱水縮合す
る直接脱水縮合法である。
【0022】構造単位に乳酸を有する乳酸系樹脂の製造
方法の他の例としては、例えば、特開平7−17326
6号公報に開示されている方法を参考にした方法が挙げ
られる。すなわち、少なくとも2種類の乳酸系樹脂のホ
モポリマーを重合触媒の存在下、共重合並びにエステル
交換反応させる方法である。
【0023】ポリ乳酸の製造方法の他の例としては、例
えば、米国特許第2,703,316号に開示されてい
る方法を参考にした方法が挙げられる。すなわち、乳酸
及び/又は乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を、一旦、
脱水し環状二量体とした後に、開環重合する間接重合法
である。
【0024】本発明では、生分解性気泡シートに柔軟性
を付与する目的で、可塑剤として、一般式(1)〔化
3〕
【0025】
【化3】 (式中、R1、R2及びR3の少なくとも1つは炭素数6
〜18のアシル基であり、残りが水素原子またはアセチ
ル基である)で表される化合物(A)及びグリセリン1
〜10分子の縮合物と炭素数6〜18のカルボン酸との
反応生成物である化合物(B)から選ばれた少なくとも
1種の化合物が用いられる。
【0026】これらの可塑剤の添加量は、得られるシー
ト、フィルム等の結晶化度、柔軟性、耐熱性等に影響を
及ぼす。添加量が多すぎると結晶化度及び耐熱性が低下
する。少なすぎると十分な柔軟性が得られない。かかる
観点から、可塑剤の添加量は、脂肪族ポリエステル10
0重量部に対し5〜30重量部であることが好ましい。
さらに好ましくは10〜25重量部である。
【0027】本発明で用いる化合物(A)は、前記一般
式(1)で表されるグリセリンエステルである。通常、
該化合物のアセチル基はグリセリン1モルに対して平均
2モル以下である。炭素数6〜18のアシル基(以下、
C6〜18アシル基という)は、グリセリン1モルに対
して平均0.9モル以上である。アセチル基とC6〜1
8アシル基の総量がグリセリン1モルに対して平均2.
7〜3.0モルの範囲のものである。好ましくは、アセ
チル基とC6〜18アシル基の総量が、グリセリン1モ
ルに対して平均2.9〜3.0モルの範囲のものであ
る。また、樹脂の可塑化効果及び非ブリード性等の観点
から、このグリセリンエステルにおいて、C6〜18ア
シル基のうち、アシル基の炭素数が8〜18のものが好
ましい。一般式(1)において、R1、R2、及びR3
少なくとも1つが炭素数8〜18のアシル基であり、残
りがアセチル基であるエステルがさらに好ましい。特に
好ましい化合物(A)として、グリセリンジアセトモノ
カプリレート、グリセリンジアセトモノラウレート、及
びグリセリンジアセトモノオレートが挙げられる。化合
物(A)は単独で使用しても、混合して使用してもよ
い。
【0028】また、本発明において、可塑剤として用い
る化合物(B)は、通常、グリセリン1〜10分子の縮
合物1モルに対し、炭素数6〜18のカルボン酸0.8
〜1.2モルを反応させて得られる化合物である。樹脂
の可塑化効果及び非ブリード性の観点から、グリセリン
2〜10分子の縮合物及び炭素数8〜18であるカルボ
ン酸とのエステル化合物が好ましい。更に好ましくはグ
リセリン4〜10分子の縮合物とのエステルである。特
に好ましい具体的化合物として、テトラグリセリンカプ
リレート、デカグリセリンラウレート、及びデカグリセ
リンオレートが挙げられる。化合物(B)は単独で使用
しても、混合して使用してもよい。
【0029】可塑剤のブリード抑制を考慮すると、化合
物(A)及び化合物(B)を併用することが好ましい。
その場合、(A)対(B)の混合重量比は1:1〜4:
1の範囲が好ましい。さらに好ましい(A)対(B)の
混合重量比は2:1〜3:1の範囲である。
【0030】本発明に係る乳酸系樹脂組成物には、目的
(例えば、引張強度、耐熱性、耐候性等の向上)に応じ
て各種添加剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、
難燃剤、内部離型剤、無機添加剤、帯電防止剤、表面ぬ
れ改善剤、焼却補助剤、顔料等滑剤)などを添加するこ
とができる。例えば、インフレーション成形、Tダイ押
出成形では、フィルム、シート及び気泡シートのブロッ
キング防止やすべり性を改良するために、無機添加剤や
滑剤(脂肪族カルボン酸アミド)を添加することが推奨
される。
【0031】本発明において用いられる脂肪族カルボン
酸アミドには、「10889の化学商品(1989年、
化学工業日報社、東京都中央区日本橋浜町)」の389
頁右欄〜391頁左欄に記載の「脂肪酸アミド」を包含
する。その記載は全て、引用文献及び引用範囲を明示し
たことにより本出願明細書の開示の一部とし、明示した
引用範囲を参照することにより、本出願明細書に記載し
た事項又は開示からみて、当業者が直接的かつ一義的に
導き出せる事項は開示とする。
【0032】脂肪族カルボン酸アミドの具体例として
は、例えば、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、
エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−オレイルパル
ミトアミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N,N′
−エチレンビス(ステアロミド)、N,N′−メチレン
ビス(ステアロアミド)、メチロール・ステアロアミ
ド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスベ
ヘン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、
エチレンビスラウリン酸アマイド、ヘキサメチレンビス
オレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸
アマイド、ブチレンビスステアリン酸アマイド、N,
N′−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N′−ジオレ
イルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルアジピ
ン酸アミド、N,N′−ジステアリルセバシン酸アミ
ド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N′
−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N′−ジステ
アリルテレフタル酸アミド、N−オレイルオレイン酸ア
ミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリ
ルエルカ酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、
N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ブチル−N′
ステアリル尿素、N−プロピル−N′ステアリル尿素、
N−アリルーN′ステアリル尿素、N−フェニル−N′
ステアリル尿素、N−ステアリル−N′ステアリル尿
素、ジメチトール油アマイド、ジメチルラウリン酸アマ
イド、ジメチルステアリン酸アマイド等が挙げられる。
特に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エル
カ酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−オレイルパルミト
アミド、N−ステアリルエルカ酸アミドが好適に用いら
れる。これらは一種又は二種以上の混合物であってもよ
い。
【0033】脂肪族カルボン酸アミドの添加量は、乳酸
系樹脂100重量部に対して、0.05〜l0.0重量
部、好ましくは、0.1〜7.0重量部、さらに好まし
くは0.3〜5.0重量部、最も好ましくは0.5〜
3.0重量部がよい。その添加量は、無機添加剤の場合
と同様に、目的とするフィルム、シート等の成形性や、
得られたフィルム、シート及び気泡シートの耐ブロッキ
ング性、滑り性が良好となる最適量が適宜、選択され
る。
【0034】また、本発明では、フィルム、シート及び
気泡シートのブロッキング性を改善する目的で、粒径が
制御された無機充填剤を添加することもできる。無機充
填剤の具体例としては、例えば、タルク、珪酸マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、アルミニウム粉末、シリカ、カ
オリナイト等が挙げられる。充愼剤の粒径は、50μm
以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μ
m以下、更に好ましくは15μm以下、もっとも好まし
くは10μm以下である。粒径が50μmより大きい場
合、フィルムと添加剤との界面に欠陥が生じ、樹脂シー
ト中の気泡が抜けやすくなる場合がある。無機充填剤の
添加量はポリ乳酸系樹脂組成物100重量部に対し0.
1〜10.0重量部、好ましくは0.5〜7.0重量
部、より好ましくは1.0〜5.0重量部であり、目的
とする効果が得られる最適量が適宜選択される。
【0035】本発明に係る乳酸系樹脂組成物は、乳酸系
樹脂に前記可塑剤と、必要ならば、目的とする成形物に
応じて添加剤等を添加、混合することにより得られる。
その方法としては、乳酸系樹脂と可塑剤、場合によって
は他の添加剤を高速攪拌機または低速攪拌機などを用い
て均一に混合した後、十分な混練能力を有する一軸ある
いは多軸の押出機を用いて溶融混練する方法等を採用す
ることができる。本発明に係る樹脂組成物の形状は、ペ
レット、棒状、粉末等が好ましい。
【0036】本発明の気泡シートは、上記に詳述した樹
脂組成物から構成された、一方の表面には多数の突起又
は突状が配置された可撓性シートであり、その突起又は
突状の形状、大きさ、単位面積当たりの突起数等に特に
制限はなく、目的に応じ適宜選定される。通常、突起又
は突状の高さは、1〜18mm、一般的には3.3〜1
3mm程度、幅又は直径は、2〜45mm、一般的には
3〜37mm、突起又は突状の占める面積は、シート面
槓当たり20〜90%、一般的には60〜85%であ
る。気泡シートの凸状突起の形状は特に制限されない
が、通常、半円状、円柱状、楕円状等の形状である。上
記範囲であれば、通常、包装材、断熱材、吸音材、土木
建築用材、農業用資材として機能を充分に発揮する事が
できる。
【0037】気泡シートのベース膜厚は、特に制限はな
く、目的に応じ適宜選定される。突起又は突状の膜厚
は、特に制限はなく、目的に応じ適宜選定される。通
常、気泡シートのベースシート膜厚は、50〜300μ
mであり、突起又は突状の膜厚は、25〜150μmで
ある。
【0038】本発明の気泡シートとしての典型的態様
は、ベースシートと、エンボス加工により多数の凹凸部
を設けたエンボスシートを貼り合わせてなる中空の突起
又は突状を有する複合シートである。
【0039】本発明の気泡シートの製造方法としては、
前記に示す乳酸系樹脂組成物を、場合によっては無機充
填剤、滑剤等を混合した樹脂組成物を、一般的な混合機
や押出機を用いて混合し、ペレット化した後、通常の成
形機及び成形方法で目的とする樹脂シートを得ることが
でき、その成形機や成形方法になんら制限はない。例え
ば、樹脂シートの具体的な成形方法としては、樹脂組成
物を通常のインフレーション成形機やTダイ押出機を用
い、平坦なシートを成形した後に気泡シートを成形する
方法や、シートの成形と同時に気泡シートを成形する方
法(特公昭54−36617号公報)が挙げられる。
【0040】また本発明の気泡シートを製造するに際
し、原料とするベースシートは、従来のポリエチレン樹
脂製シートが概ね100〜120℃の温度に対し、50
〜100℃の温度範囲でエンボス成形が可能であるこ
と、さらに成形加工されたエンボスシートとベースシー
トの溶着温度はポリエチレン樹脂が120〜150℃に
対し、60〜170℃と溶着温度領域が広く成形加工性
に優れている。
【0041】また、気泡シートの片面又は両面にクラフ
ト紙等を貼り合わせて複合シートを製造する場合にも、
ポリエチレン樹脂の場合300℃以上の温度で押出機の
Tダイからポリエチレンを押出し、クラフト紙と貼り合
わせるか、又、エンボスロールの温度を280℃以下に
し、クラフト紙を予め60℃程度の温度で予熱して圧着
して熱溶着するのが一般的であるが、該原料のベースシ
ートとクラフト紙は、直接に、温度180〜250℃、
圧力0.1〜0.5kg/cm2 の条件で溶着が可能で
ある。ラミネート加工条件としては、比較的低い温度
で、且つ、広い温度領域で容易に接着して得られること
から加工性が良く、且つ安定した複合シートの製造がで
きる。
【0042】本発明に係る気泡シートの製造方法の態様
を以下に示す。 1)ベースシートの製造 乳酸系樹脂組成物を、厚み15〜300μmのベースシ
ートに成形加工する。 2)エンボスシートの製造 べースシートの製造と全く同様に、厚み15〜300μ
mのシートを製造する。このシートを、恒温機中に保持
するか又は熱ロールにより50〜100℃の温度に加熱
軟化させる。次いで、温度制御されたエンボスロール
に、前記加熱軟化させたシートを巻き掛けて、減圧度1
0〜400mmHg、好ましくは20〜100mmHg
にて、真空成形により周面全体に凹部を有するエンボス
シートに成形加工する。ここで、エンボスロールとして
は、例えば、孔の深さ5mm、孔の直径9.5mm、孔
数9,720/m2で各孔には真空成形が可能な真空孔
を有しているものが使用される。 3)気泡シートの製造 エンボスシートに、別途に熱ロールにより60〜170
℃の温度に加熱軟化させた厚み15〜300μmのベー
スシートを溶着させ、冷却して気泡シートを製造する。
この場合、「2)エンボスシートの製造」の工程におい
て連続的に、ベースシートをエンボスシートの平面部に
熱溶着するのが一般的である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例中の重量平均分子量(Mw)は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(カラ
ム温度;40℃、クロロホルム溶媒)により、ポリスチ
レン標準サンプルとの比較で求めた。実施例及び比較例
においては、気泡シートを以下の1)〜5)の試験に供
し評価した。 1)分解性試験 温度35℃、水分30%の土壌中に試験片を埋設し、3
カ月後の外観と重量減少率を求めた。 2)カビ抵抗性試験 JIS Z−2911に準じ無機寒天培地上に、試験片
を置き、5種の供試菌の胞子懸濁液をスプレイ接種し、
30℃で培養し、経時によるカビの生育を観察した。
【0044】3)圧縮強さ 防衛庁規格(案)包装用気泡入りプラスチックフィルム
緩衝材の試験法に準じ120×120mmの気泡シート
を、初期厚さの半分迄圧縮し、1分間この状態に保持し
て、気泡の破裂を観察した。 4)可撓性(柔軟性) 実施例及び比較例で得られたインフレーションフィルム
の弾性率を、JISK6732に準じて求めた。
【0045】5)耐熱性 実施例及び比較例で得られたインフレーションフィルム
を、JIS Z0219に準じ、80℃/荷重500g
の条件下に保持した時のフィルムの状態を観察した。 *可塑剤のブリード ○・・・ブリードなし ×・・・ブリードあり *フィルムのブロッキング ○・・・ブロッキングなし △・・・若干ブロッキングしている ×・・・ブロッキングあり 6)耐水性 気泡シートを23℃の水中に5日間漬け込み、その後2
3℃で50%RHの条件下に一昼夜放置した。得られた
成形物の堅さを観察した。 ○:変化なし △:少し固くなっている ×:明らかに固くなっている
【0046】製造例1 攪拌機、温度計を備えた500mlの4ツロフラスコ
に、90%一乳酸104.3gとジフェニルエーテル2
25.0g、金属錫2.0gを加え、130℃/140
mmHgで7時間、系外に生成水を留出させながら加熱
攪拌した。これにDean Stark Trapを取
り付け、140℃/130mmHgで8時間共沸脱水を
行なった後、モレキュラーシーブス3Aを40g充填し
た乾燥管を取り付け、留出した溶媒が乾燥管を通って反
応器に戻るようにして、130℃/17mmHgで30
時間加熱還流した。反応マスを冷却後、600mlのク
ロロホルムに溶解し、4リットルのアセトンに加え再沈
後、析出した固体を瀘別した。次に瀘塊に塩酸5gを溶
解したイソプロピルアルコール(以下、IPAとい
う。)溶液500mlを加え、30分間攪拌し、さらに
IPA500mlを加え、スラッジ後瀘過し、これを3
回繰り返し、得られた湿ケーキを60℃/100mmH
gで15時間乾燥した。得られた固体は、白色粉末状の
ポリ乳酸で収量は69.1g、収率は92.2%、重量
平均分子量(Mw)29.5万であった。
【0047】実施例1 製造例1で得られたポリ乳酸100重量部と、可塑剤と
してグリセリンジアセトモノカプリレート13重量部、
無機充填剤としてシリカ3.0重量部、滑剤としてエル
カ酸アミド1.0重量部をヘンシェルミキサーでよく混
合し、二軸押出し機を用い、樹脂温度170〜220℃
にて押出しペレット化した。このペレットを70℃/1
5Hr乾燥した後、40mmΦの押出し機に75mmΦ
のダイを接続し、押出し温度180〜200℃、膨比が
2の条件にてインフレーション成形し、厚み40μmの
シートを得た。このシートを温度80℃に制御したロー
ルにて加熱軟化させ、更に減圧度50mmHgに制御し
たエンボスロール(孔の深さ5mm、孔の直径9.5m
m、孔数9720/m)に巻きかけた。この時に、1
20℃に加熱した平滑ロールを通した厚み40μmのベ
ースシートを該エンボスシート上に巻きかけ、該エンボ
スシートの平面部に溶着し、厚み5mmの図1の気泡シ
ート1(突起1aの数は単位面積あたり約70%)を得
た。
【0048】1)分解性試験 形状は崩壊し、ばらばらになっていた。 2)カビ抵抗性試験 3カ月後もカビの成育が認められなかった。 3)圧縮強さ 気泡シートの気泡の破裂はなかった。 4)可撓性 比較例1で製造した気泡シートよりも、可撓性と柔軟性
(シートの弾性率は150MPa)に優れていた。気泡
シートの巻き取りは、気泡が破裂することなく、良好で
あった。 5)耐熱性 *可塑剤のブリード ・・・○ *フィルムのブロッキング・・・○ 6)耐水性・・・○
【0049】実施例2 ポリ乳酸100重量部の代わりに、ポリ乳酸70重量
部、ポリブチレンサクシネート(ビオノーレ♯3001
(昭和高分子社製))30重量部を用いたほかは実施例
1と同様にして、乳酸系樹脂ペレットを得た。このペレ
ットを70℃/15Hr乾燥した後、40mmΦの押出
し機に75mmΦのダイを接続し、押出し温度180〜
200℃、膨比が2の条件にてインフレーション成形
し、厚み40μmのシートを得た。このシートを温度8
0℃に制御したロールにて加熱軟化させ、更に減圧度5
0mmHgに制御したエンボスロール(孔の深さ5m
m、孔の直径9.5mm、孔数9720/m)に巻き
かけた。この時に、120℃に加熱した平滑ロールを通
した厚み40μmのベースシートを該エンボスシート上
に巻きかけ、該エンボスシートの平面部に溶着し、厚み
5mmの図1の気泡シート1(突起1aの数は単位面積
あたり約70%)を得た。
【0050】1)分解性試験 形状は崩壊し、ばらばらになっていた。 2)カビ抵抗性試験 3カ月後もカビの成育が認められなかった。 3)圧縮強さ 気泡シートの気泡の破裂はなかった。 4)可撓性 比較例1で製造した気泡シートよりも、可撓性と柔軟性
(シートの弾性率は150MPa)に優れていた。気泡
シートの巻き取りは、気泡が破裂することなく、良好で
あった。 5)耐熱性 *可塑剤のブリード ・・・○ *フィルムのブロッキング・・・○ 6)耐水性・・・○
【0051】比較例1 製造例1で得られたポリ乳酸100重量部、可塑剤とし
てアセチルクエン酸トリブチル20重量部、無機充填剤
としてシリカ3重量部、滑剤としてエルカ酸アミド1重
量部を用い、実施例1と同様にして気泡シートを作成し
た。 1)分解性試験 形状は崩壊し、ばらばらになっていた。 2)カビ抵抗性試験 3カ月後もカビの成育が認められなかった。 3)圧縮強さ 気泡シートの気泡の破裂はなかった。 4)可撓性 実施例1で製造した気泡シートよりも、可撓性と柔軟性
(シートの弾性率は250MPa)に劣っていた。気泡
シートの巻き取りは少し悪かった。 5)耐熱性 *可塑剤のブリード ・・・× *フィルムのブロッキング・・・× 6)耐水性・・・×
【0052】比較例2 製造例1で得られたポリ乳酸100重量部、可塑剤とし
てグリセリントリアセテート(トリアセチン)20重量
部、無機充填剤としてシリカ5.0重量部、エルカ酸ア
ミド1.0重量部を用い、実施例1と同様にして気泡シ
ートを作成した。 1)分解性試験 形状は崩壊し、ばらばらになっていた。 2)カビ抵抗性試験 3カ月後もカビの成育が認められなかった。 3)圧縮強さ 気泡シートの気泡の破裂はなかった。 4)可撓性 実施例1で製造した気泡シートとよりも、可撓性と柔軟
性(シートの弾性率は150MPa)において同等であ
ったが、気泡シートの上には可塑剤が若干ブリードして
おり、巻き取りは少し悪かった。 5)耐熱性 *可塑剤のブリード ・・・× *フィルムのブロッキング・・・× 6)耐水性・・・×
【0053】比較例3 製造例1で得られたポリ乳酸100重量部、可塑剤とし
てグリセリンジアセトモノプロピオネート20重量部、
無機充填剤としてシリカ5.0重量部、エルカ酸アミド
1.0重量部を用い、実施例1と同様にして気泡シート
を作成した。 1)分解性試験 形状は崩壊し、ばらばらになっていた。 2)カビ抵抗性試験 3カ月後もカビの成育が認められなかった。 3)圧縮強さ 気泡シートの気泡の破裂はなかった。 4)可撓性 実施例1で製造した気泡シートと、可撓性と柔軟性(シ
ートの弾性率は200MPa)において同等であった
が、気泡シートの上には可塑剤が若干ブリードしてお
り、巻き取りは少し悪かった。 5)耐熱性 *可塑剤のブリード ・・・× *フィルムのブロッキング・・・× 6)耐水性・・・△
【0054】比較例4 可塑剤としてジオクチルフタレートを用いた以外は、実
施例1と同様にしたが、可塑剤のブリードが激しく、気
泡シートを得る事ができなかった。
【0055】比較例5 可塑剤としてステアリン酸エチルを用いた以外、実施例
1と同様にしたが、可塑剤のブリードが激しく、気泡シ
ートを得る事ができなかった。
【0056】比較例6 可塑剤としてエポキシ化大豆油を用いた以外は、実施例
1と同様にしたが、可塑剤のブリードが激しく、気泡シ
ートを得る事ができなかった。
【0057】比較例7 可塑剤としてリン酸トリブチルを用いた以外は、実施例
1と同様にしたが、可塑剤のブリードが激しく、気泡シ
ートを得る事ができなかった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、緩衝性能、分解性、防カ
ビ性、耐水性に優れ、かつ、その製造に際しては、成形
加工性と歩留まりが顕著に改善され、しかも、高温での
可塑剤のブリードもなく、可撓性や柔軟性が顕著に改善
された気泡シートを提供することができる。また、本発
明に係る気泡シートは、気泡シートとクラフト紙よりな
る複合シートはダンボール、封筒等の輸送用資材として
好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の1例である気泡シートの斜視
図である。
【符号の説明】
1 ・・・気泡シート 1a・・・突起又は突状(気泡)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/04 ZBP C08L 67/04 ZBP (72)発明者 北原 泰広 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 竹原 明宣 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 黒木 孝行 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 2B024 DB01 2B029 EB04 EB09 EB21 EC06 EC20 4F100 AA20H AH02A AH02C AH02H AH03H AK01A AK01C AK41A AK41C AL05A AL05C AT00B BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10C DD01A DD01C DJ01A DJ01C EH17 EH172 EJ40 EJ402 JC00 4J002 CF181 EH046 EH047 EH157 FD026 FD027 GF00 GG02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳酸系樹脂100重量部に対し、一般式
    (1)〔化1〕 【化1】 (式中、R1、R2及びR3の少なくとも1つは炭素数6
    〜18のアシル基であり、残りが水素原子またはアセチ
    ル基である)で表される化合物(A)及びグリセリン1
    〜10分子の縮合物と炭素数6〜18のカルボン酸との
    反応生成物である化合物(B)から選ばれた少なくとも
    1種の化合物5〜30重量部を含む乳酸系樹脂組成物に
    より構成された生分解性気泡シート。
  2. 【請求項2】一般式(1)において、R1、R2及びR3
    の少なくとも1つが炭素数8〜18のアシル基であり、
    残りがアセチル基である請求項1記載の気泡シート。
  3. 【請求項3】化合物(A)が、グリセリンジアセトモノ
    カプリレート、グリセリンジアセトモノラウレート、及
    びグリセリンジアセトモノオレートから選ばれた少なく
    とも1種の化合物である請求項2記載の気泡シート。
  4. 【請求項4】化合物(B)が、グリセリン縮合物1モル
    に対し、カルボン酸0.8〜1.2モルを反応させたエ
    ステルである請求項1記載の気泡シート。
  5. 【請求項5】化合物(B)を形成するカルボン酸の炭素
    数が8〜18である請求項1記載の気泡シート。
  6. 【請求項6】化合物(B)を形成するグリセリン縮合物
    のグリセリン分子数が2〜10である請求項1記載の気
    泡シート。
  7. 【請求項7】化合物(B)を形成するグリセリン縮合物
    のグリセリン分子数が4〜10である請求項6記載の気
    泡シート。
  8. 【請求項8】化合物(B)が、テトラグリセリンカプリ
    レート、デカグリセリンラウレート及びデカグリセリン
    オレートから選ばれた少なくとも1種の化合物である請
    求項7記載の気泡シート。
  9. 【請求項9】化合物(A)及び化合物(B)を共に含
    み、(A)対(B)の重量比が1:1〜4:1である請
    求項1記載の気泡シート。
  10. 【請求項10】 気泡シートが、平坦なベースシートの
    少なくとも片方の面に、エンボス加工により多数の凹凸
    部を設けたエンボスシートを貼り合わせてなる複合シー
    トである、請求項1〜9のいずれかに記載の気泡シー
    ト。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004149636A (ja) * 2002-10-29 2004-05-27 Asahi Kasei Life & Living Corp ポリ乳酸系樹脂組成物及び成形品
JP2004168927A (ja) * 2002-11-21 2004-06-17 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 生分解性樹脂水系分散体及びヒートシール性材料
JP2006028219A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Fuji Chemical Kk 生分解性樹脂組成物
JP2008290279A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Kawakami Sangyo Co Ltd 気泡シート体
JP2011201022A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Kawakami Sangyo Co Ltd 気泡シート

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