JP2002059302A - 主軸移動型立形工作機械における工作物反転装置 - Google Patents

主軸移動型立形工作機械における工作物反転装置

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JP2002059302A
JP2002059302A JP2000249079A JP2000249079A JP2002059302A JP 2002059302 A JP2002059302 A JP 2002059302A JP 2000249079 A JP2000249079 A JP 2000249079A JP 2000249079 A JP2000249079 A JP 2000249079A JP 2002059302 A JP2002059302 A JP 2002059302A
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Keiichi Miyagawa
啓一 宮川
Shuichiro Hashimoto
修一郎 橋本
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二つの主軸台を有する主軸移動型立形工作機
械において、一方の主軸台が工作物授受位置に移動して
も他方の主軸台の移動動作に制限をかける必要がなく、
また、工作機械の水平方向全体の寸法を大きくすること
なく工作物を反転させる工作物反転装置を提供する。 【解決手段】 主軸移動型の立て旋盤1の工作物反転装
置3は、第1の加工領域20と第2の加工領域23のX
軸方向のほぼ中央部に配設された反転装置基体50と、
工作物8を把持,把持解除可能な反転装置側保持部と、
工作物をほぼ180度反転させる反転手段と、第1の主
軸9の第1のチャック15との間で工作物の授受を行う
第1の加工領域20内でほぼ水平方向の第1の位置と、
第2の主軸10の第2のチャック16との間で工作物の
授受を行う第2の加工領域23内でほぼ水平方向の第2
の位置に、反転装置側保持部を移動させる移動手段とを
有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1,第2の主軸
をそれぞれ支持する第1,第2の主軸台が少なくとも第
1,第2の主軸の軸線と平行な方向である第1の方向
(Z軸方向)に対して直交する第2の方向(X軸方向)
に移動する主軸移動型立形工作機械に設けられ、工作物
を第1の主軸側のチャックから第2の主軸側のチャック
に移し替えるとともに反転させることができる工作物反
転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械のうちたとえば旋盤は、主軸の
先端にチャックが取付けられ、このチャックで工作物を
把持して回転させるとともに、少なくともX軸方向,Z
軸方向に工作物と工具とを相対移動させることにより切
削加工を行う。旋盤には、主軸の軸線が水平方向を向く
構成の旋盤のほか、主軸の軸線が上下方向(垂直方向)
を向く立て旋盤が知られている。また、立て旋盤には、
主軸台が少なくともX軸方向に移動して、工作物の搬送
を行う主軸移動型の立て旋盤も知られている。
【0003】このような主軸移動型の立て旋盤として、
工作物の表側(一方の側)と裏側(他方の側)を加工す
るために、主軸がそれぞれ対向するように二つの主軸台
を有する工作機械が提案されている(特開平4−193
401号公報)。この公報に記載の工作機械は、主軸前
端のチャックが下方を向く一方の主軸台と、主軸前端の
チャックが上方を向く他方の主軸台とを有している。そ
して、一方の主軸側のチャックから他方の主軸側のチャ
ックに工作物を移し替えることにより、工作物の表側と
裏側を加工することができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この工
作機械の場合、チャックが下方を向いている主軸台に関
しては、切りくずや切削油剤は下方に落下するので問題
は生じにくい。ところが、チャックが上方を向いている
他方の主軸台に関しては、切りくずや切削油剤がチャッ
ク,主軸および主軸台の上に落下してくる。その結果、
ラビリンスシール等から主軸受内に微小な侵入物が侵入
するなどして、トラブルが発生する恐れがある。二つの
主軸台を有する工作機械で、このようなトラブルを防止
して工作物の表側と裏側を加工するためには、両方の主
軸の前端が下方を向くように配置するのが好ましい。こ
のような主軸移動型の工作機械で工作物の表側と裏側を
加工するためには、工作物反転装置を設けて、工作物を
一方の主軸側のチャックから他方の主軸側のチャックに
移し替えるときに、この工作物を反転させる必要があ
る。
【0005】特開平5−38601号公報には、一対の
反転爪とロータリアクチュエータを備え、反転爪で挟ん
だ工作物を反転させる反転装置が開示されている。とこ
ろで、工作機械において、主軸台の移動量はその工作機
械で加工できる工作物の最大寸法より決定され、余分な
移動量を有していない。このような工作機械において、
一方の主軸台の加工領域と他方の主軸台の加工領域との
間に、特開平5−38601号公報に記載されているよ
うな反転装置を設ける場合がある。しかしこの場合に
は、一方の主軸台が、工作物の移し替えのために工作物
反転装置上に移動すると、主軸台どうしの干渉を避ける
ために他方の主軸台が工作物反転装置側に移動する動作
に制限をかける必要があった。すなわち、他方の主軸台
は、移動動作を一時的に休止して、一方の主軸台と工作
物反転装置との間での工作物の移し替えが完了するのを
待っている場合があった。その結果、工作機械の稼働率
が低下するとともに、加工動作を一時的に休止すること
による加工精度への悪影響の心配もあった。
【0006】主軸台どうしの干渉を避けるには、一方の
主軸台の加工領域と他方の主軸台の加工領域との間に、
工作物反転用の専用のスペースを確保することもでき
る。しかし、このようにすれば、工作物反転用の専用の
スペース分だけ、工作機械全体の寸法が水平方向(X軸
方向)に大きくなってしまう。その結果、工作機械の設
置面積が大きくなり、コストも上昇するという課題があ
った。
【0007】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、二つの主軸台を有する主軸移動型立
形工作機械において、一方の主軸台が工作物授受位置に
移動しても他方の主軸台の移動動作に制限をかける必要
がなく、また、工作機械の水平方向全体の寸法を大きく
することなく工作物を反転させることができる主軸移動
型立形工作機械における工作物反転装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明にかかる工作物反転装置は、ほぼ垂直方向に
軸線を有する第1の主軸を回転可能に支持する第1の主
軸台が、前記第1の主軸の軸線方向と平行な第1の方向
に対して直交する少なくとも第2の方向に移動可能であ
るとともに、第1の刃物台に対して前記第1の方向およ
び前記第2の方向に相対移動して第1の加工領域で工作
物の一方の側を加工し、前記第1の主軸の軸線方向と平
行な方向に軸線を有する第2の主軸を回転可能に支持す
る第2の主軸台が、少なくとも前記第2の方向に移動可
能であるとともに、第2の刃物台に対して前記第1の方
向および前記第2の方向に相対移動して第2の加工領域
で前記工作物の他方の側を加工する主軸移動型立形工作
機械における工作物反転装置であって、前記第1の加工
領域と前記第2の加工領域の前記第2の方向のほぼ中央
部に配設された反転装置基体と、前記工作物を把持,把
持解除可能な反転装置側保持部と、前記反転装置基体に
設けられ、前記工作物をほぼ180度反転させる反転手
段と、前記反転装置基体に設けられ、前記第1の主軸の
前端に設けられた第1のチャックとの間で前記工作物の
授受を行う前記第1の加工領域内でほぼ水平方向の第1
の位置と、前記第2の主軸の前端に設けられた第2のチ
ャックとの間で前記工作物の授受を行う前記第2の加工
領域内でほぼ水平方向の第2の位置に、前記反転装置側
保持部を移動させる移動手段とを備えている。
【0009】前記反転装置側保持部は、前記第1の位置
で前記第1のチャックとの間で前記工作物の授受を行う
第1のアーム側保持部と、前記第2の位置で前記第2の
チャックとの間で前記工作物の授受を行う第2のアーム
側保持部とを有し、前記移動手段の機能を兼有する前記
反転手段は、前記第1のアーム側保持部を前記第1の位
置と前記第2のアーム側保持部と対向可能なほぼ垂直方
向の第3の位置に揺動させる第1の揺動手段と、前記第
2のアーム側保持部を前記第2の位置と前記第1のアー
ム側保持部と対向可能なほぼ垂直方向の第4の位置に揺
動させる第2の揺動手段とを有し、前記第3の位置に揺
動した前記第1のアーム側保持部と前記第4の位置に揺
動した前記第2のアーム側保持部との間で前記工作物の
授受を行なって前記工作物の反転を行うとともに、前記
揺動動作によって前記工作物を前記第1の位置から前記
第2の位置に移動させるのが好ましい。前記工作物反転
装置は、前記第1のアーム側保持部と前記第2のアーム
側保持部との間に設けられ、前記第1のアーム側保持部
および前記第2のアーム側保持部の少なくとも一方を前
記第2の方向に進退移動させる進退移動手段を有してい
るのが好ましい。前記工作物反転装置は、前記第1のア
ーム側保持部と前記第1の揺動手段との間、および、前
記第2のアーム側保持部と前記第2の揺動手段との間の
少なくとも一方に設けられ、前記第1のアーム側保持部
または前記第2のアーム側保持部を、この第1または第
2のアーム側保持部が保持している前記工作物の軸線方
向に移動可能にかつ傾斜可能に支持する保持部支持手段
を有し、前記第1のチャックと前記第1のアーム側保持
部との間、または、前記第2のチャックと前記第2のア
ーム側保持部との間で前記工作物を授受する際、前記工
作物を前記第1のチャックまたは前記第2のチャックに
押し付けた状態で授受可能とするのが好ましい。前記工
作物反転装置は、前記第1のアーム側保持部と前記反転
装置基体との間、および、前記第2のアーム側保持部と
前記反転装置基体との間の少なくとも一方に設けられ、
前記第1のチャックと前記第1のアーム側保持部との
間、および、前記第2のチャックと前記第2のアーム側
保持部との間で前記工作物を授受する際、前記第1のチ
ャックまたは前記第2のチャックが、前記第1のアーム
側保持部または前記第2のアーム側保持部を所定量以上
押圧しすぎたことを検出する押しすぎ検出手段を有して
いるのが好ましい。また、前記第1のアーム側保持部の
複数の第1の爪と、前記第2のアーム側保持部の複数の
第2の爪とは、前記第1のアーム側保持部および前記第
2のアーム側保持部が水平方向に位置しているときに
は、同じ配置状態になっているのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
の一例を、図1から図7までを参照して説明する。本実
施形態では、NC(数値制御)装置により制御される主
軸移動型立形工作機械として、立て旋盤の場合を示して
いる。この主軸移動型の立て旋盤は、ほぼ垂直方向に軸
線を有する第1の主軸を回転可能に支持する第1の主軸
台が、前記第1の主軸の軸線方向と平行な第1の方向に
対して直交する少なくとも第2の方向に移動可能であ
る。第1の主軸台は、第1の刃物台に対して前記第1の
方向および前記第2の方向に相対移動して、第1の加工
領域で工作物(ワーク)の一方の側を加工(第1工程の
加工)する。前記第1の主軸の軸線方向と平行な方向に
軸線を有する第2の主軸を回転可能に支持する第2の主
軸台が、少なくとも前記第2の方向に移動可能である。
第2の主軸台は、第2の刃物台に対して前記第1の方向
および前記第2の方向に相対移動して、第2の加工領域
で前記工作物の他方の側を加工(第2工程の加工)す
る。立て旋盤に設けられた工作物反転装置は、第1の主
軸台の第1のチャックから第2の主軸台の第2のチャッ
クに、工作物を移し替えるとともに反転させることがで
きるようになっている。なお、本発明における工作機械
は、第1,第2の主軸台が第1,第2の主軸の軸線と平
行な方向である第1の方向に対して直交する少なくとも
第2の方向に移動可能な主軸移動型立形工作機械であれ
ばよい。たとえば、第1,第2の主軸台が少なくとも第
2の方向に移動可能な直交2軸方向以上移動する構成と
した、マシニングセンタ,ターニングセンタ,研削盤な
どの工作機械であってもよい。また、工作機械の第1,
第2の主軸の軸線は、床面に対して垂直方向を向いてい
る場合を示しているが、この垂直方向に対して所定角度
傾斜した方向を向いている場合でもよい。
【0011】図1は、主軸移動型の立て旋盤に工作物反
転装置を付属させた正面図、図2は図1に示す工作物反
転装置の正面図、図3は図2の右側面図、図4は図2の
平面図である。まず最初に、主軸移動型の立て旋盤(以
下、旋盤と記載)1について説明する。図1から図4に
示すように、旋盤1は、機械本体2,工作物反転装置
3,未加工工作物搬送装置(以下、第1の搬送装置と記
載)4および加工済工作物搬送装置(以下、第2の搬送
装置と記載)5を備え、NC装置により制御される。工
作物反転装置3は、機械本体2のほぼ中央部に設けられ
ている。第1,第2の搬送装置4,5は、機械本体2の
近傍にそれぞれ設けられている。第1の搬送装置4は、
旋盤1が未加工工作物(第1,第2の工程で未加工の工
作物で、たとえば素材ワーク)6を受け取るための未加
工工作物受け取り位置B1に、未加工工作物6を搬送す
るとともに載置する。第2の搬送装置5は、旋盤1が加
工済工作物(第1,第2の工程で加工済の工作物で、た
とえば完成品ワーク)7を渡すための加工済工作物渡し
位置B2で、旋盤1から加工済工作物7を受け取って載
置するとともに搬出する。工作物反転装置3は、中間工
作物(第1の工程で加工済でかつ第2の工程で未加工の
工作物)8を第1のチャック15から第2のチャック1
6に移し替えるとともに、中間工作物8を反転させる機
能を有している。
【0012】旋盤1は、第1の主軸台13と、第1の主
軸台13と平行に配置され、かつほぼ同じ構成を有する
第2の主軸台14とを備えている。第1の主軸台13
は、垂直方向に第1の軸線CL1を有して下方端部(前
端)に第1のチャック15が設けられた第1の主軸9を
回転可能に支持している。第2の主軸台14は、第1の
軸線CL1と平行な第2の軸線CL2を有して下方端部
(前端)に第2のチャック16が設けられた第2の主軸
10を回転可能に支持している。第1の主軸台13は、
第1の軸線CL1方向と平行なZ軸方向(第1の方向)
に移動する。第1のサドル17は、第1の主軸台13を
移動可能に支持し、Z軸方向に対して直交するX軸方向
(第2の方向)に移動する。第2の主軸台14は、第2
の軸線CL2方向と平行なZ軸方向に移動する。第2の
主軸台14を移動可能に支持する第2のサドル18は、
X軸方向に移動する。なお、第1,第2の主軸台13,
14が、X軸方向およびZ軸方向に移動する旋盤1で説
明を行なっているが、第1,第2の主軸台がX軸方向に
のみ移動する工作機械であってもよい。その場合には、
第1,第2の搬送装置4,5は、工作物を載置するため
の載置台を昇降させる昇降手段を有し、工作物反転装置
3は、反転装置側保持部(後述する第1,第2のアーム
側チャック32,33)を昇降させる昇降手段を有して
いるのが好ましい。
【0013】旋盤1は、第1のチャック15に把持され
た工作物を加工するための第1の加工領域20と、第2
のチャック16に把持された工作物を加工するための第
2の加工領域23とを有している。第1の加工領域20
には、第1のチャック15と工作物反転装置3との間で
中間工作物8の授受が行われる第1の工作物授受位置B
3が設定されている。第1の主軸9の中心は、X軸方向
と平行な移動軌跡上を、第1の加工領域20内で加工が
行われる位置(以下、第1の加工位置と記載)と、第1
の工作物授受位置B3と、第1の加工領域20外の未加
工工作物受け取り位置B1との間で移動する。第2の加
工領域23には、工作物反転装置3と第2のチャック1
6との間で中間工作物8の授受が行われる第2の工作物
授受位置B4が設定されている。第2の主軸10の中心
は、X軸方向と平行な移動軌跡上を、第2の加工領域2
3内で加工が行われる位置(以下、第2の加工位置と記
載)と、第2の工作物授受位置B4と、第2の加工領域
23外の加工済工作物渡し位置B2との間で移動する。
【0014】第1の加工領域20は、第1の主軸9の第
1のチャック15に把持された工作物を回転させるとと
もに、第1の工具25と工作物とをX軸方向,Z軸方向
に相対移動させて、第1工程の加工(たとえば、工作物
の表側(一方の側)の加工)を行うための領域である。
第2の加工領域23は、第2の主軸10の第2のチャッ
ク16に把持された工作物を回転させるとともに、第2
の工具26と工作物とをX軸方向,Z軸方向に相対移動
させて、第2工程の加工(たとえば、工作物の裏側(他
方の側)の加工)を行うための領域である。旋盤1には
スプラッシュガードが設けられている。スプラッシュガ
ードは、第1,第2の主軸台13,14が第1,第2の
加工領域20,23にそれぞれ位置して加工を行なって
いるとき、第1,第2の加工領域20,23内の切りく
ずや切削油剤などが第1,第2の加工領域20,23の
外部に飛散するのを防止している。
【0015】第1のチャック15は、旋盤1でこれから
加工を行う予定の未加工の工作物6を、複数の爪(たと
えば、三つ爪)15aで直接把持して第1の搬送装置4
から受け取る。第1のチャック15の爪15aは、第1
のチャックシリンダ30に駆動されて開閉動作を行い、
工作物の把持,把持解除を行う。第1の加工領域20で
は、第1の主軸台13により工作物が加工される。その
後、第1の主軸台13は第1の工作物授受位置B3に移
動し、第1のチャック15が中間工作物8の把持を解除
して、この中間工作物8を工作物反転装置3に渡す。工
作物反転装置3は、第1の工作物授受位置B3で第1の
チャック15から中間工作物8を受け取った後、中間工
作物8を反転させるとともに第1の工作物授受位置B3
から第2の工作物授受位置B4に移動させ、第2の工作
物授受位置B4で第2のチャック16に中間工作物8を
渡す。そのために、第1の工作物授受位置B3では、第
1のチャック15と対向するように第1のアーム側チャ
ック(第1のアーム側保持部)32が位置決め可能にな
っている。そして、第1の工作物授受位置B3では、第
1のチャック15は、中間工作物8の把持を解除して、
中間工作物8を第1のアーム側チャック32に載置して
渡す。
【0016】第2の工作物授受位置B4では、第2のチ
ャック16と対向するように第2のアーム側チャック
(第2のアーム側保持部)33が位置決め可能になって
いる。そして、第2の工作物授受位置B4では、第2の
チャック16は、第2のアーム側チャック33に把持さ
れた中間工作物8を複数の爪(たとえば、三つ爪)16
aで直接把持して、工作物反転装置3から受け取る。第
2のチャック16の爪16aは、第2のチャックシリン
ダ31に駆動されて開閉動作を行い、工作物の把持,把
持解除を行う。第2の加工領域23では、第2の主軸台
14により中間工作物8が加工される。その後、第2の
主軸台14は加工済工作物渡し位置B2に移動する。そ
して、加工済工作物渡し位置B2で、第2のチャック1
6は、第2工程の加工が終了した加工済工作物7の把持
を解除して、加工済工作物7を第2の搬送装置5に渡
す。第1,第2の主軸台13,14がX軸方向およびZ
軸方向に移動するこの旋盤1では、第1,第2の主軸台
13,14の移動動作が、工作物の搬送(搬出入)の機
能も発揮している。
【0017】第1の搬送装置4は、未加工工作物受け取
り位置B1において、第1のチャック15との間で未加
工工作物6の授受を行う。未加工工作物6は、複数の工
作物載置台4aに載置される。第1の搬送装置4の一部
(たとえば、未加工工作物受け取り位置B1側の部分)
は未加工工作物授受領域に位置し、他の部分は作業領域
に位置している。作業領域では、作業者による未加工工
作物6の載置作業などが行われる。未加工工作物受け取
り位置B1では、旋盤1でこれから未加工工作物6を加
工するために移動してきた第1のチャック15と対向す
るように、工作物載置台4aが位置決めされる。そし
て、第1のチャック15の爪15aで、工作物載置台4
aに載置された未加工工作物6を把持して受け取る。
【0018】第2の搬送装置5は、加工済工作物渡し位
置B2において、第2のチャック16との間で加工済工
作物7の授受を行う。加工済工作物7は、複数の工作物
載置台5aに載置される。第2の搬送装置5の一部(た
とえば、加工済工作物渡し位置B2側の部分)は加工済
工作物授受領域に位置し、他の部分は作業領域に位置し
ている。作業領域では、作業者による加工済工作物7の
取外し作業などが行われる。加工済工作物渡し位置B2
では、旋盤1での加工が完了した加工済工作物7を把持
している第2のチャック16と対向するように、工作物
載置台5aが位置決めされる。そして、第2のチャック
16は、加工済工作物渡し位置B2で、加工済工作物7
を工作物載置台5a上に載置したのち把持解除して渡
す。このようなことから、未加工工作物受け取り位置B
1,第1の加工位置,第1の工作物授受位置B3,第2の
工作物授受位置B4,第2の加工位置および加工済工作
物渡し位置B2は、第1,第2の主軸9,10の、X軸
方向と平行な移動軌跡上に位置している。
【0019】旋盤1のベッド36は、第1,第2の加工
領域20,23の下方に位置する前部より後部の方が高
くなって、側面視でほぼL字状をなしている。ベッド3
6は、前部ベッド36aと後部ベッド36bを有してい
る。第1の主軸台13側の構成について説明する。後部
ベッド36bの上面には、一対の平行な第1のX軸用ガ
イドレール37がX軸方向に設けられている。第1のサ
ドル17には、スライド本体が固定されている。第1の
X軸用ガイドレール37とスライド本体は、直動転がり
案内を構成するものであり、第1のサドル17は、第1
のX軸用ガイドレール37に沿ってX軸方向に移動可能
に配置されている。ベッド36の第1の搬送装置4側の
端面には、第1のブラケット38が固定されている。第
1のX軸用ガイドレール37は、ベッド36と第1のブ
ラケット38とにより支持されている。なお、第1のブ
ラケット38はベッド36と一体に形成してもよい。
【0020】二本の第1のX軸用ガイドレール37の間
には、X軸用ボールねじの第1のねじ軸39が、第1の
X軸用ガイドレール37と平行に配置されている。第1
のねじ軸39には、第1のサドル17に固定された第1
のナットがねじ込まれている。第1のねじ軸39は、歯
付きプーリ,歯付きベルトなどを有する第1の伝達機構
41を介して、第1のX軸用サーボモータにより正逆方
向に回転駆動される。第1のX軸用サーボモータに駆動
されて第1のねじ軸39が回転すると、第1のナットが
固定されている第1のサドル17が、一対の第1のX軸
用ガイドレール37に案内支持されてX軸方向に往復移
動する。第1のサドル17の移動動作が、第1の工具2
5に対する第1の主軸台13のX軸方向の移動となる。
この旋盤1では、X軸方向への第1のサドル17の移動
可能距離が、第1の搬送装置4の方向に長くなってい
る。
【0021】後部ベッド36bの前面には、第1の刃物
台42が取付けられている。第1の刃物台42には、第
1のタレット43が、所定の方向(たとえば、X軸方
向)と平行な軸線を中心に旋回割出し可能に設けられて
いる。第1のタレット43には、複数の第1の工具25
が放射状に取付けられている。第1のサドル17の前面
には、一対の平行な第1のZ軸用ガイドレール44がZ
軸方向に設けられている。第1の主軸台13には、スラ
イド本体が固定されている。第1のZ軸用ガイドレール
44とスライド本体は、直動転がり案内を構成するもの
であり、第1の主軸台13は、第1のZ軸用ガイドレー
ル44に沿ってZ軸方向に移動可能に配置されている。
【0022】第1のサドル17の上部には、第1のZ軸
用サーボモータ45が取付けられている。第1のZ軸用
サーボモータ45には、Z軸用ボールねじのねじ軸が直
結されて回転駆動されるようになっている。Z軸用ボー
ルねじのねじ軸には、第1の主軸台13に固定されたナ
ットがねじ込まれている。第1のZ軸用サーボモータ4
5に駆動されてねじ軸が回転すれば、前記ナットが固定
されている第1の主軸台13が、第1のZ軸用ガイドレ
ール44に案内支持されてZ軸方向に移動する。第1の
主軸台13の移動動作が、第1の工具25に対する第1
の主軸台13のZ軸方向の移動となる。
【0023】第1の主軸台13には、第1の主軸9が主
軸受により回転可能に支持されている。第1の主軸9
は、その下方端部に設けられた第1のチャック15で工
作物を把持した状態で回転する。第1の主軸9は、第1
の主軸台13の内部に組み込まれたビルトイン型の主軸
モータにより回転駆動される。すなわち、第1の主軸台
13側に取付けられたステータと、第1の主軸9側に取
付けられたロータとを有する主軸モータにより、第1の
主軸9は回転駆動される。
【0024】次に、第2の主軸台14側の構成について
説明する。後部ベッド36bの上面には、一対の平行な
第2のX軸用ガイドレール37aがX軸方向に設けられ
ている。第2のサドル18にはスライド本体が固定され
ている。第2のX軸用ガイドレール37aとスライド本
体は、直動転がり案内を構成するものであり、第2のサ
ドル18は、第2のX軸用ガイドレール37aに沿って
X軸方向に移動可能に配置されている。ベッド36の第
2の搬送装置5側の端面には、第2のブラケット38a
が固定されている。第2のX軸用ガイドレール37a
は、ベッド36と第2のブラケット38aとにより支持
されている。なお、第2のブラケット38aはベッド3
6と一体に形成してもよい。
【0025】二本の第2のX軸用ガイドレール37aの
間には、X軸用ボールねじの第2のねじ軸39aが、第
2のX軸用ガイドレール37aと平行に配置されてい
る。第2のねじ軸39aには、第2のサドル18に固定
された第2のナットがねじ込まれている。第2のねじ軸
39aは、歯付きプーリ,歯付きベルトなどを有する第
2の伝達機構41aを介して、第2のX軸用サーボモー
タにより正逆方向に回転駆動される。第2のX軸用サー
ボモータに駆動されて第2のねじ軸39aが回転する
と、第2のナットが固定されている第2のサドル18
が、一対の第2のX軸用ガイドレール37aに案内支持
されてX軸方向に往復移動する。第2のサドル18の移
動動作が、第2の工具26に対する第2の主軸台14の
X軸方向の移動となる。この旋盤1では、X軸方向への
第2のサドル18の移動可能距離が、第2の搬送装置5
の方向に長くなっている。
【0026】後部ベッド36bの前面には、第2の刃物
台42aが取付けられている。第2の刃物台42aに
は、第2のタレット43aが、所定の方向(たとえば、
X軸方向)と平行な軸線を中心に旋回割出し可能に設け
られている。第2のタレット43aには、複数の第2の
工具26が放射状に取付けられている。第2のサドル1
8の前面には、一対の平行な第2のZ軸用ガイドレール
44aがZ軸方向に設けられている。第2の主軸台14
には、スライド本体が固定されている。第2のZ軸用ガ
イドレール44aとスライド本体は、直動転がり案内を
構成するものであり、第2の主軸台14は、第2のZ軸
用ガイドレール44aに沿ってZ軸方向に移動可能に配
置されている。
【0027】第2のサドル18の上部には、第2のZ軸
用サーボモータ45aが取付けられている。第2のZ軸
用サーボモータ45aには、Z軸用ボールねじのねじ軸
が直結されて回転駆動されるようになっている。Z軸用
ボールねじのねじ軸には、第2の主軸台14に固定され
たナットがねじ込まれている。第2のZ軸用サーボモー
タ45aに駆動されてねじ軸が回転すれば、前記ナット
が固定されている第2の主軸台14が、第2のZ軸用ガ
イドレール44aに案内支持されてZ軸方向に移動す
る。第2の主軸台14の移動動作が、第2の工具26に
対する第2の主軸台14のZ軸方向の移動となる。な
お、第1,第2の主軸台13,14,第1,第2のサド
ル17,18に関するX軸方向およびZ軸方向の案内面
を、直動転がり案内で説明を行なっているが、他の転が
り案内,滑り案内等の案内面であってもよい。
【0028】第2の主軸台14には、第2の主軸10が
主軸受により回転可能に支持されている。第2の主軸1
0は、その下方端部に設けられた第2のチャック16で
工作物を把持した状態で回転する。第2の主軸10は、
第2の主軸台14の内部に組み込まれたビルトイン型の
主軸モータにより回転駆動される。すなわち、第2の主
軸台14側に取付けられたステータと、第2の主軸10
側に取付けられたロータとを有する主軸モータにより、
第2の主軸10は回転駆動される。なお、第1,第2の
主軸台13,14の主軸モータは、ビルトイン型が好ま
しいが、歯車機構,ベルト・プーリ機構など伝達機構を
介して駆動するものであってもよい。
【0029】次に、工作物反転装置3について説明す
る。工作物反転装置3は、反転装置基体50と、中間工
作物8を把持,把持解除可能な反転装置側保持部と、反
転装置基体50に設けられ、中間工作物8をほぼ180
度反転させる反転手段と、反転装置側保持部を移動させ
る移動手段とを有している。反転装置基体50は、フレ
ーム状をなし、前部ベッド36aの上面36cに上方を
向いて固定されている。反転装置基体50は、第1の加
工領域20と第2の加工領域23のX軸方向のほぼ中央
部(すなわち、ベッド36のほぼ中央部)に配設されて
いる。移動手段は、反転装置基体50に設けられてい
る。移動手段は、第1のチャック15との間で中間工作
物8の授受を行う第1の加工領域20内でほぼ水平方向
の第1の位置E1と、第2のチャック16との間で中間
工作物8の授受を行う第2の加工領域23内でほぼ水平
方向の第2の位置E2に、反転装置側保持部を移動させ
る。反転装置側保持部は、第1の位置E1で第1のチャ
ック15との間で中間工作物8の授受を行う第1のアー
ム側保持部としての第1のアーム側チャック32と、第
2の位置E2で第2のチャック16との間で中間工作物
8の授受を行う第2のアーム側保持部としての第2のア
ーム側チャック33とを有している。
【0030】第1のアーム側チャック32は、第1の工
作物授受位置B3で、第1のチャック15から中間工作
物8を受け取ることができるようになっている。第1の
アーム側チャック32には、中間工作物8を把持するた
めの複数の第1の爪(たとえば、三つ爪)54が設けら
れている。第1の爪54は、第1のアーム側チャック3
2に内蔵された第1のシリンダに駆動されて開閉動作を
行い、中間工作物8の把持,把持解除を行う。第2のア
ーム側チャック33は、第2の工作物授受位置B4で、
第2のチャック16に中間工作物8を渡すようになって
いる。第2のアーム側チャック33には、中間工作物8
を把持するための複数の第2の爪(たとえば、三つ爪)
55が設けられている。第2の爪55は、第2のアーム
側チャック33に内蔵された第2のシリンダに駆動され
て開閉動作を行い、中間工作物8の把持,把持解除を行
う。なお、第1,第2のアーム側チャック32,33
は、モータの駆動力によって第1,第2の爪54,55
の開閉動作を行うものであってもよい。
【0031】移動手段の機能を兼有する反転手段は、第
1,第2の揺動手段51,52を有している。第1の揺
動手段51は、第1のアーム側チャック32を、第1の
位置E1と、第2のアーム側チャック33と対向可能な
ほぼ垂直方向の第3の位置E3に揺動させる。第2の揺
動手段52は、第2のアーム側チャック33を、第2の
位置E2と、第1のアーム側チャック32と対向可能な
ほぼ垂直方向の第4の位置E4に揺動させる。反転手段
は、第3の位置E3に揺動した第1のアーム側チャック
32と第4の位置E4に揺動した第2のアーム側チャッ
ク33との間で中間工作物8の授受を行なって中間工作
物8の反転を行うとともに、前記揺動動作によって中間
工作物8を第1の位置E1から第2の位置E2に移動させ
ている。
【0032】第1の揺動手段51は、第1のアーム56
を有して反転装置基体50に設けられている。第1のア
ーム側チャック32は第1のアーム56に取付けられて
いる。第1の揺動手段51は、第1のアーム56を矢印
F1に示すように揺動させて、第1のアーム側チャック
32を、第1の工作物授受位置B3におけるほぼ水平方
向の第1の位置E1と、第2のアーム側チャック33に
対向可能なほぼ垂直方向の第3の位置E3との間で移動
させることができる。第2の揺動手段52は、第2のア
ーム57を有して反転装置基体50に設けられている。
第2のアーム側チャック33は第2のアーム57に取付
けられている。第2の揺動手段52は、第2のアーム5
7を矢印F2に示すように揺動させて、第2のアーム側
チャック33を、第2の工作物授受位置B4におけるほ
ぼ水平方向の第2の位置E2と、第1のアーム側チャッ
ク32に対向可能なほぼ垂直方向の第4の位置E4との
間で移動させることができる。
【0033】ところで、中間工作物8の中心軸の軸線方
向の寸法(厚み)Lは、常に同じとは限らず、旋盤1で
は各種寸法の工作物が加工される。そのため、第1のア
ーム側チャック32と第2のアーム側チャック33とが
対向して中間工作物8を受け渡しするときに、両方のチ
ャック32,33の間の距離を、中間工作物8の前記軸
線方向寸法Lに対応させて変化させる必要がある。そこ
で、工作物反転装置3は進退移動手段53を有してい
る。進退移動手段53は、第1のアーム側チャック32
と第2のアーム側チャック33との間に設けられてい
る。進退移動手段53は、第1のアーム側チャック32
および第2のアーム側チャック33の少なくとも一方
(本実施形態では、第1のアーム側チャック32)を、
矢印F3に示すようにX軸方向に進退移動させている。
【0034】工作物反転装置3は保持部支持手段を有し
ている。保持部支持手段は、第1のアーム側チャック3
2と第1の揺動手段51との間、および、第2のアーム
側チャック33と第2の揺動手段52との間の少なくと
も一方に設けられている。保持部支持手段は、第1のア
ーム側チャック32または第2のアーム側チャック33
を、この第1または第2のアーム側チャック32または
33が保持している中間工作物8の軸線方向に移動可能
にかつ傾斜可能に支持している。保持部支持手段は、第
1,第2のチャック15,16と第1,第2のアーム側
チャック32,33との間で中間工作物8を授受する
際、中間工作物8を第1のチャック15または第2のチ
ャック16に押し付けた状態で授受可能にしている。本
実施形態では、保持部支持手段として、第1,第2のア
ーム側チャック支持手段58,59が設けられている。
第1のアーム側チャック支持手段58は、第1の揺動手
段51の第1のアーム56と第1のアーム側チャック3
2との間に設けられ、第1のアーム側チャック32を中
間工作物8の軸線方向に移動可能にかつ傾斜動作可能に
支持し、中間工作物8を第1のチャック15に押し付け
た状態で授受できるようにしている。第2のアーム側チ
ャック支持手段59は、第2の揺動手段52の第2のア
ーム57と第2のアーム側チャック33との間に設けら
れ、第2のアーム側チャック33を中間工作物8の軸線
方向に移動可能にかつ傾斜動作可能に支持し、中間工作
物8を第2のチャック16に押し付けた状態で授受でき
るようにしている。
【0035】工作物反転装置には、第1のアーム側チャ
ック32と反転装置基体50との間、および、第2のア
ーム側チャック33と反転装置基体50との間の少なく
とも一方に、押しすぎ検出手段を設けるのが好ましい。
本実施形態の工作物反転装置3は、第1,第2の押しす
ぎ検出手段60,61を有している。第1の押しすぎ検
出手段60は、第1のアーム56と反転装置基体50と
の間に設けられ、第1のアーム側チャック32が第1の
チャック15から中間工作物8を受け取るときに、第1
のチャック15が中間工作物8を介して第1のアーム側
チャック32を下方に所定量以上押圧しすぎたことを検
出している。第2の押しすぎ検出手段61は、第2のア
ーム57と反転装置基体50との間に設けられ、第2の
チャック16が第2のアーム側チャック33から中間工
作物8を受け取るときに、第2のチャック16が中間工
作物8を介して第2のアーム側チャック33を下方に所
定量以上押圧しすぎたことを検出している。
【0036】反転装置基体50の上部には、板状のベー
ス65が水平に取付けられている。ベース65の上面に
は、一対の平行なガイドレール(進退移動用案内面)6
6がX軸方向に設けられている。ベース65の上部には
移動台67が配置されている。移動台67の下面には一
対のスライド本体68が固定されている。ガイドレール
66とスライド本体68は、直動転がり案内を構成する
ものであり、移動台67は、ガイドレール66に沿って
X軸方向に移動可能に配置されている。移動台67は、
第1のアーム56を介して第1のアーム側チャック32
を支持している。ベース65には、進退移動用駆動体と
しての流体圧シリンダ69がX軸方向を向いて取付けら
れている。流体圧シリンダ69のロッド70は移動台6
7に連結されている。なお、進退移動用駆動体は、モー
タとねじ機構,モータとラック・ピニオン機構,リニア
モータなどであってもよい。流体圧シリンダ69に供給
される圧力流体の供給方向を切り換え制御することによ
り、移動台67は、ロッド70を介してX軸方向に進退
移動することができる。移動台67,ガイドレール6
6,スライド本体68および流体圧シリンダ69によ
り、第1のアーム側チャック32を、矢印F3に示すよ
うにX軸方向に進退移動させるための進退移動手段53
が構成されている。
【0037】移動台67には、第1の揺動軸71が回動
自在に支持されている。第1の揺動軸71には第1のア
ーム56が取付けられている。移動台67の上部には、
第1の支持台76を介して第1の軸受箱72が取付けら
れている。第1の軸受箱72内の一対の第1の軸受73
により、第1の揺動軸71が回動可能に軸支されてい
る。移動台67には、第1のロータリアクチュエータ7
4が取付けられている。その出力軸は、第1のカップリ
ング75により第1の揺動軸71に連結されている。第
1のロータリアクチュエータ74を駆動すると、第1の
揺動軸71を介して第1のアーム56が矢印F1に示す
ように揺動する。これにより、第1のアーム側チャック
32は、第1の工作物授受位置B3における水平方向の
第1の位置E1と、第2のアーム側チャック33に対向
可能な垂直方向の第3の位置E3との間で移動すること
ができる。第1のアーム56,第1の揺動軸71,第1
のロータリアクチュエータ74,第1のカップリング7
5および第1の軸受箱72により、第1の揺動手段51
が構成されている。
【0038】第1の揺動軸71の右方向(第2の主軸台
14の方向)には、第2の揺動軸71aが、第1の揺動
軸71と同じ高さ位置に配置されている。第2の揺動軸
71aには、第2のアーム側チャック33を支持する第
2のアーム57が取付けられている。ベース65の上部
には、第2の支持台76aを介して第2の軸受箱72a
が取付けられている。第2の揺動軸71aは、第2の軸
受箱72a内の一対の第2の軸受73aにより回動可能
に軸支されている。ベース65には、第2のロータリア
クチュエータ74aが取付けられている。その出力軸
は、第2のカップリング75aにより第2の揺動軸71
aに連結されている。第2のロータリアクチュエータ7
4aを駆動すると、第2の揺動軸71aを介して第2の
アーム57が矢印F2に示すように揺動する。これによ
り、第2のアーム側チャック33は、第2の工作物授受
位置B4における水平方向の第2の位置E2と、第1のア
ーム側チャック32に対向可能な垂直方向の第4の位置
E4との間で移動することができる。第2のアーム5
7,第2の揺動軸71a,第2のロータリアクチュエー
タ74a,第2のカップリング75aおよび第2の軸受
箱72aにより、第2の揺動手段52が構成されてい
る。なお、第1,第2のロータリアクチュエータ74,
74aは、圧力流体の供給により所定角度揺動する揺動
形アクチュエータ、流体圧シリンダなどの直線移動をラ
ック・ピニオン機構やリンク機構で揺動動作に変換する
もの、モータに減速機または減速機構を設けたものなど
が使用できる。
【0039】第1のアーム側チャック支持手段58は、
第1のチャック15に把持された中間工作物8を、第1
の軸線CL1方向と平行な方向(Z軸方向)でかつ第1
のアーム側チャック32に押圧した状態で、第1のアー
ム側チャック32が中間工作物8を把持できるようにし
ている。第2のアーム側チャック支持手段59は、第2
のアーム側チャック33に把持された中間工作物8を、
第2の軸線CL2方向と平行な方向(Z軸方向)でかつ
第2のチャック16に押圧した状態で、第2のチャック
16が中間工作物8を把持できるようにしている。
【0040】図5は第1,第2のアーム側チャック支持
手段58,59の一部を示す断面図で、図5(A),
(B),(C)はその動作を示している。第1,第2の
アーム側チャック支持手段58,59は同じ構成なの
で、後者を例にとって、第2のアーム側チャック33か
ら第2のチャック16が中間工作物8を受け取るものと
して説明する。図2,図4および図5(A)に示すよう
に、第2のアーム側チャック支持手段59は、第2のア
ーム側チャック33を支持するチャック支持部材80
と、チャック支持部材80を第2のアーム57に対して
支持する少なくとも三本(本実施形態では、四本)の足
部材81と、各足部材81ごとに設けられた複数(ここ
では、四本)の付勢部材としての圧縮ばね82とを備え
ている。チャック支持部材80は、第2のアーム57に
対して第2のアーム側チャック33の軸線方向に移動可
能である。四本の足部材81は、チャック支持部材80
に周方向にほぼ均等に配置されている。四本の足部材8
1は不均等に上下移動することができるので、チャック
支持部材80は、任意の方向に傾斜動作することも可能
である。
【0041】足部材81の上端には、カラー84が取付
けねじ83により固定されている。チャック支持部材8
0には、取付け部85が一体形成されている。取付け部
85には、取付けねじ83とカラー84を貫通させるた
めの孔が穿設されている。取付け部85は、足部材81
の上端面86とカラー84により、上下に隙間を有する
ように挟まれている。取付け部85の貫通孔の直径d
は、カラー84の側面との間に隙間を生じるように、カ
ラー84の首部外周の直径より大きく設定されている。
チャック支持部材80が足部材81と直接固定されてい
ないので、チャック支持部材80は、足部材81に対し
て任意の方向に傾斜動作することができる。足部材81
の下端部には、第2のアーム57の下面に対して接触,
離脱可能な大径部87が形成されている。したがって、
チャック支持部材80の上昇端位置は、足部材81の上
部のカラー84と下部の大径部87に規制されることに
なる。
【0042】チャック支持部材80は、足部材81の外
周に設けられた圧縮ばね82のばね力(付勢力)により
上方に付勢されている。四本の圧縮ばね82のばね力の
合計値が、チャック支持部材80,第2のアーム側チャ
ック33および中間工作物8の重さの和以上の力となっ
て、圧縮ばね82はチャック支持部材80を上方に付勢
している。すなわち、圧縮ばね82は、中間工作物8を
第2のチャック16の爪16aに所定の力で押付けるこ
とができるばね力を有している。チャック支持部材80
は、通常状態では、足部材81の下端の大径部87と第
2のアーム57の下面が当接することにより規制される
上昇端位置にある(図5(A)の状態)。この通常状態
では、圧縮ばね82のばね力は、チャック支持部材80
から、カラー84のつば部と取付けねじ83を介して足
部材81に伝達される。第2のアーム57には、足部材
81を貫通させるための貫通孔88が穿設されている。
足部材81の大径部87の上方には、直径d2を有する
中間径部89aと、中間径部89aの直径d2より小さ
い直径d3を有する小径部90が、所定の軸方向長さに
わたって形成されている。貫通孔88の直径d1は、小
径部90の直径d3より大きく、中間径部89aが嵌り
込むことが可能な寸法になっている。また、足部材81
の他の部分89の直径d4は、貫通孔88の直径d1より
大きい寸法になっている。下降状態から通常状態に戻る
と、中間径部89aが貫通孔88に嵌り込むので、第2
のアーム57に対して足部材81およびチャック支持部
材80が定位置に位置決めされる。
【0043】図5(B)は、チャック支持部材80が、
圧縮ばね82のばね力に抗して下降した状態を示してい
る。このときは、足部材81の小径部90が、第2のア
ーム57の貫通孔88と対向する位置に移動している。
この下降状態では、足部材81と貫通孔88との間の隙
間が大きくなっているので、足部材81は、傾斜動作や
水平方向に移動することができる。したがって、チャッ
ク支持部材80が下降状態で、第2のチャック16の爪
16aを閉動作させて中間工作物8を把持する場合に、
中間工作物8の中心軸と第2のチャック16の中心軸が
ずれていたり、中間工作物8の端面が傾斜していても、
足部材81が第2のアーム57に対して傾斜動作および
水平移動が可能である。これにより、第2のアーム57
に対して、チャック支持部材80が少なくとも中間工作
物8の軸線方向に移動可能でかつ傾斜動作可能である。
しかも、チャック支持部材80は、圧縮ばね82により
上方に付勢されている。したがって、第2のチャック1
6の爪16aと中間工作物8の把持端面8aとが密着し
た状態で、中間工作物8は精度よく把持される。また、
中間工作物8の中心軸と第2のチャック16の中心軸が
ずれていても、図5(C)に示すように、足部材81が
傾斜動作して中心が移動する。したがって、チャック支
持部材80は、中心軸のずれ量に十分追従して水平方向
に移動することができる。
【0044】第2のチャック16が中間工作物8を把持
してZ軸方向に上昇して、チャック支持部材80を下方
に押し付けなくなると、チャック支持部材80は圧縮ば
ね82のばね力で上方に押され、中間径部89aが貫通
孔88に嵌り込むので、図5(A)に示す初期の状態に
戻る。上述の動作は、第1のアーム側チャック支持手段
58においてもほぼ同様である。第1のチャック15が
第1のアーム側チャック32に中間工作物8を渡す場
合、中間工作物8は、第1のチャック15の爪15aと
第1のアーム側チャック32に密着した状態で、落下な
どすることなく確実に渡される。
【0045】図6は図2のVI線矢視図で、押しすぎ検出
手段の構成を示している。第1,第2の押しすぎ検出手
段60,61は同じ構成であるので、前者を例にとって
説明する。図2および図6に示すように、第1の押しす
ぎ検出手段60は、反転装置基体50に取付けられたベ
ース65と、ベース65にねじ込み固定されて上方に延
びる複数(ここでは、2本)の支持ボルト93と、支持
ボルト93に対して上下方向(Z軸方向)に移動可能に
係合する移動部材94と、支持ボルト93の外周に設け
られ、移動部材94を上方に付勢する複数(ここでは、
2個)の圧縮ばね95と、ベース65に固定された沈み
量検出部材96と、移動部材94に取付けられて、沈み
量検出部材96により検出可能な被検出部材97とを備
えている。圧縮ばね95のばね力は圧縮ばね82のばね
力より強くなっており、圧縮ばね82が変形した状態で
も、圧縮ばね95は変形を生じないかまたは小量変形す
るようになっている。移動部材94の上部には、一対の
ストッパ98が固定されている。ストッパ98に対し
て、第1のアーム56が接触,離脱可能になっている。
移動部材94には、支持ボルト93が貫通する大きめの
貫通孔94aが穿設されている。支持ボルト93の頭部
93aが、移動部材94の上面に係止されるようになっ
ている。したがって、第1のアーム56がストッパ98
に接触していないときには、移動部材94は、圧縮ばね
95のばね力により支持ボルト93の頭部93aに当接
した状態で、上昇端位置に位置決めされている。
【0046】第1のチャック15と第1のアーム側チャ
ック32との間で中間工作物8を授受するとき、第1の
チャック15が、何らかの原因で中間工作物8を介して
第1のアーム側チャック32を下方に所定量以上押圧し
すぎたときには、第1のアーム56がストッパ98を介
して移動部材94を下方に移動させる。すなわち、第1
のチャック15が押しすぎると、チャック支持部材80
の他の部分89の端部が第1のアーム56の上面と当接
し、第1のチャック15と第1のアーム56とが一体と
なって下方に移動する。すると、移動部材94とともに
被検出部材97が下降する。そして、被検出部材97が
沈み量検出部材96により検出されると、沈み量検出部
材96は、PLC(プログラマブルロジックコントロー
ラ(図示せず))等を介してNC装置に信号を出力す
る。これにより、NC装置は、第1の主軸台13の下降
動作を停止させ、第1のチャック15による下方への押
しすぎの動作を停止することができるので、安全であ
る。第2の押しすぎ検出手段61も、第1の押しすぎ検
出手段60と同じ構成であり、作用効果も同じである。
【0047】図2および図4に示すように、第1,第2
のアーム56,57がそれぞれ水平方向を向いて、第1
のアーム側チャック32が水平方向の第1の位置E1に
位置し、第2のアーム側チャック33が水平方向の第2
の位置E2に位置しているときには、第1のアーム側チ
ャック32の三つの第1の爪54と、第2のアーム側チ
ャック33の三つの第2の爪55は、同じ配置状態にな
っている。その結果、第1のアーム側チャック32が垂
直方向の第3の位置E3に位置し、第2のアーム側チャ
ック33も垂直方向の第4の位置E4に位置して互いに
対向しているときには、第1の爪54と第2の爪55は
交互に配置されることになる。すなわち、第1の爪54
と第2の爪55は勝手違いに配置されることになる。し
たがって、第1のアーム側チャック32を第2のアーム
側チャック33に接近させることができる。これによ
り、軸線方向寸法Lが薄い中間工作物8であっても、第
1のアーム側チャック32から第2のアーム側チャック
33にこの中間工作物8を渡すことができる。
【0048】次に、旋盤1と工作物反転装置3の動作に
ついて、図1から図7までを参照して説明する。図7
は、中間工作物8を移し替えるとき等の動作を示すフロ
ーチャートである。運転開始時には、第1の搬送装置4
の工作物載置台4aには未加工工作物6を載置し、第2
の搬送装置5の工作物載置台5aは、所定数の加工済工
作物7を載置できるように空の状態にしておく。そし
て、第1の搬送装置4で順次供給される未加工工作物6
を第1の主軸台13で加工する。次に、工作物反転装置
3で、中間工作物8を第1のチャック15から第2のチ
ャック16に移し替えるとともに反転させる。次いで、
第2の主軸台14で中間工作物8を加工し、加工済工作
物7は第2の搬送装置5に渡していく。
【0049】待機状態では、第1の搬送装置4において
は、未加工工作物6が載置されている工作物載置台4a
は、未加工工作物受け取り位置B1に位置決めされてい
る。第2の搬送装置5においては、加工済工作物7を載
置するための工作物載置台5aが、加工済工作物渡し位
置B2に位置決めされている。また、待機状態の工作物
反転装置3では、第1,第2のアーム56,57はそれ
ぞれ垂直方向を向いて位置決めされている。第1,第2
のアーム側チャック32,33は、それぞれ工作物を把
持していない空の状態になっている。
【0050】第1の搬送装置4側から、第1の主軸台1
3側の第1のチャック15が未加工工作物6を受け取
る。次いで、第1の主軸台13と第1の刃物台42との
相対移動により、未加工工作物6に対して第1工程の加
工を行う。この第1工程の加工が終了すると、第1の主
軸台13側は、加工した中間工作物8を工作物反転装置
3に渡すための指令を実行する。中間工作物8を第1の
チャック15から工作物反転装置3に渡す反転・渡し指
令であるか否かが判断される(ステップ101)。反転
・渡し指令である場合、第1のアーム側チャック32ま
たは第2のアーム側チャック33が工作物(中間工作物
8)を把持しているか否か(すなわち、チャックが空か
否か)が判断される(ステップ102,103)。第1
のアーム側チャック32または第2のアーム側チャック
33が中間工作物8を把持していると、工作物反転装置
3に別の中間工作物8を渡すことができないので、ステ
ップ121に移行する。
【0051】第1,第2のアーム側チャック32,33
が中間工作物8を把持していない空の状態の場合、第1
のアーム56を、矢印F1に示すように水平方向の第1
の位置E1に振り込む(ステップ104)。第1の主軸
台13が、第1の工作物授受位置B3の上方に移動する
(ステップ105)。第1の主軸台13は、中間工作物
8を第1のアーム側チャック32に渡せる位置に下降す
る(ステップ106)。このとき、第1のアーム側チャ
ック支持手段58によって、中間工作物8を第1のアー
ム側チャック32に衝突させたり落下させたりすること
なく、スムースに載置することができる。また、第1の
押しすぎ検出手段60によって、プログラムミスなどで
押しすぎてしまうことを防止している。第1のアーム側
チャック32が中間工作物8を把持した後、第1のチャ
ック15は中間工作物8の把持を解除する(ステップ1
07,108)。
【0052】第1のアーム56を揺動させても干渉しな
い所定の位置まで、第1の主軸台13は、第1の工作物
授受位置B3の上方に移動する(ステップ109)。第
1のアーム56を、矢印F1に示すように垂直方向の第
3の位置E3に振り上げる(ステップ110)。第1の
アーム56を、矢印F3に示すように、第2のアーム5
7と接近する方向に移動させる(ステップ111)。第
2のアーム側チャック33が中間工作物8を把持した
後、第1のアーム側チャック32は中間工作物8の把持
を解除する(ステップ112,113)。第1のアーム
56を、矢印F3に示すように、第2のアーム57から
離れる方向(反第2のアーム57側)に移動させる(ス
テップ114)。この状態で、第1のアーム側チャック
32側は待機状態に戻る(ステップ101)。また、第
1の主軸台13は、第1の搬送装置4から次の未加工工
作物6を受け取り、第1工程の加工を行う。
【0053】一方、第2の主軸台14と第2の刃物台4
2aとの相対移動により、中間工作物8に対して第2工
程の加工を行う。この第2工程の加工が終了すると、第
2の主軸台14側の第2のチャック16が、第2の搬送
装置5に加工済工作物7を載置する。次いで、第2の主
軸台14側は、次に加工する中間工作物8を工作物反転
装置3から受け取るための指令を実行する。第2のチャ
ック16が中間工作物8を工作物反転装置3から受け取
る反転・受け取り指令であるか否かが判断される(ステ
ップ121)。反転・受け取り指令である場合、第2の
アーム側チャック33は中間工作物8を把持しているか
否かが判断される(ステップ122)。第2のアーム側
チャック33が中間工作物8を把持していない場合に
は、第2のチャック16は中間工作物8を受け取れない
ので、ステップ101に移行する。第2のアーム側チャ
ック33が中間工作物8を把持している場合には、第2
のアーム57を、矢印F2に示すように水平方向の第2
の位置E2に振り込む(ステップ123)。第2の主軸
台14が、第2の工作物授受位置B4の上方に移動する
(ステップ124)。第2の主軸台14が、中間工作物
8を受け取れる位置に下降する(ステップ125)。こ
のとき、第2のアーム側チャック支持手段59によっ
て、中間工作物8の把持端面8aが第2のチャック16
の爪16aに確実に密着した状態で、第2のチャック1
6は中間工作物8を受け取ることができる。また、第2
の押しすぎ検出手段61によって、押しすぎを防止して
いる。第2のチャック16が中間工作物8を把持した
後、第2のアーム側チャック33は中間工作物8の把持
を解除する(ステップ126,127)。
【0054】第2のアーム57を揺動させても干渉しな
い所定の位置まで、第2の主軸台14は、第2の工作物
授受位置B4の上方に移動する(ステップ128)。第
2のアーム57を、矢印F2に示すように垂直方向の第
4の位置E4に振り上げる(ステップ129)。この状
態で、第2のアーム側チャック33側は待機状態に戻る
(ステップ101)。また、第2の主軸台14は、中間
工作物8に対して第2工程の加工を行う。ステップ10
1で、第1の主軸台13の第1のチャック15から工作
物反転装置3に中間工作物8を渡す反転・渡し指令でな
い場合と、ステップ121で、第2の主軸台14の第2
のチャック16が工作物反転装置3から中間工作物8を
受け取る反転・受け取り指令でない場合がある。これら
の場合には、全ての工作物の加工が終了したか否かが判
断される(ステップ131)。終了したものと判断され
る場合には、工作物反転動作も終了する。工作物の加工
が終了していない場合には、ステップ101に移行し、
工作物反転動作を続行する。
【0055】このように、本発明では、第1の主軸台1
3用の第1の工作物授受位置B3を第1の加工領域20
内に設定し、第2の主軸台14用の第2の工作物授受位
置B4を第2の加工領域23内に設定している。そし
て、中間工作物8を移し替えるときのみ、第1,第2の
アーム56,57を、垂直方向の待機状態から第1,第
2の加工領域20,23にそれぞれ水平に振り込むよう
にしている。その結果、一方の主軸台が工作物反転装置
3側に移動して工作物の移し替えを行なっているとき
に、他方の主軸台の移動動作に影響を与えることがな
い。したがって、この他方の主軸台の移動動作に制限を
かける必要がないので、従来のように工作機械の稼働率
が低下することがない。また、工作物の移し替えを行わ
ないときには、第1,第2のアーム56,57は垂直方
向を向いて待機しているので主軸台の移動動作の邪魔に
ならず、工作物反転用の専用のスペースを設けなくても
よい。したがって、機械本体2がX軸方向に大型化する
ことがない。
【0056】第2のアーム側チャック支持手段59を設
けたので、第2のチャック16が第2のアーム側チャッ
ク33から中間工作物8を受け取るときに、中間工作物
8は、第2のチャック16の爪16aに密着して精度よ
く把持される。これにより、第2工程で高精度の加工が
可能になる。中間工作物8が工作物反転装置3で第1工
程から第2工程に受け渡されていく際に、工作物は常に
いずれかのチャックで把持されており、フリーになると
きはない。したがって、工作物が周方向に回転して位相
がずれる恐れはなく、加工作業が容易になる。なお、周
方向の位相の問題がない場合には、第1のチャック(ま
たは、第2のアーム側チャック)で工作物を把持解除し
た後、第1のアーム側チャック(または、第2のチャッ
ク)で工作物を把持するようにしてもよい。
【0057】なお、本実施形態では、第1,第2のアー
ム56,57に第1,第2のアーム側チャック(反転装
置側保持部の第1,第2のアーム側保持部)32,33
をそれぞれ設けてこれらを揺動させている。他の変形例
として、第1の工作物授受位置B3から第2の工作物授
受位置B4に工作物を移動させかつ反転させることがで
きれば、反転装置側保持部は一つであってもよい。ま
た、反転装置側保持部の移動は、工作物を水平面内で揺
動もしくは直線方向に移動させるものであってもよい。
反転装置側保持部は、工作物の外周部または内周部を複
数の保持部材で保持できるものであればよく、たとえば
工作物を一対の保持部材で挟んで保持するものであって
もよい。
【0058】旋盤については、ベッドが二つに分割され
て、一方のベッドに第1の主軸台が、他方のベッドに第
2の主軸台が、それぞれ設けられている場合であっても
よい。たとえば、一つの主軸台を有する主軸移動型立形
工作機械を複数台並べて配置した場合がある。刃物台4
2,42aを、主軸台13,14に対してそれぞれ同一
位置に配置した構成になっているが、対称の位置に配置
している場合であってもよい。すなわち、主軸台に対し
て勝手違いに刃物台を配置してもよい。本実施形態の旋
盤1では、工作物が左から右に移動して第1,第2工程
の加工がなされる場合を示している。なお、工作物が右
から左に移動して、右の第2の主軸台で第1工程の加工
がなされ、左の第1の主軸台で第2工程の加工がなされ
る場合であってもよい。なお、各図中同一符号は同一ま
たは相当部分を示す。
【0059】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、二
つの主軸台を有する主軸移動型立形工作機械において、
一方の主軸台が工作物授受位置に移動しても他方の主軸
台の移動動作に制限をかける必要がなく、また、工作機
械の水平方向全体の寸法を大きくすることなく、工作物
を反転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図7は本発明の実施形態の一例を示す
図で、図1は主軸移動型立て旋盤に工作物反転装置を付
属させた正面図である。
【図2】図1に示す工作物反転装置の正面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図2の平面図である。
【図5】第1,第2のアーム側チャック支持手段の一部
を示す断面図である。
【図6】図2のVI線矢視図で、押しすぎ検出手段の構成
を示している。
【図7】工作物を移し替えるとき等の動作を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 立て旋盤(主軸移動型立形工作機械) 3 工作物反転装置 6 未加工工作物(工作物) 7 加工済工作物(工作物) 8 中間工作物(工作物) 9 第1の主軸 10 第2の主軸 13 第1の主軸台 14 第2の主軸台 15 第1のチャック 16 第2のチャック 20 第1の加工領域 23 第2の加工領域 32 第1のアーム側チャック(第1のアーム側保持
部) 33 第2のアーム側チャック(第2のアーム側保持
部) 42 第1の刃物台 42a 第2の刃物台 50 反転装置基体 51 第1の揺動手段 52 第2の揺動手段 53 進退移動手段 54 第1の爪 55 第2の爪 58 第1のアーム側チャック支持手段(保持部支持
手段) 59 第2のアーム側チャック支持手段(保持部支持
手段) 60 第1の押しすぎ検出手段 61 第2の押しすぎ検出手段 CL1 第1の軸線(第1の主軸の軸線) CL2 第2の軸線(第2の主軸の軸線) E1 第1の位置 E2 第2の位置 E3 第3の位置 E4 第4の位置 X軸方向 第2の方向 Z軸方向 第1の方向

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ垂直方向に軸線を有する第1の主軸
    を回転可能に支持する第1の主軸台が、前記第1の主軸
    の軸線方向と平行な第1の方向に対して直交する少なく
    とも第2の方向に移動可能であるとともに、第1の刃物
    台に対して前記第1の方向および前記第2の方向に相対
    移動して第1の加工領域で工作物の一方の側を加工し、
    前記第1の主軸の軸線方向と平行な方向に軸線を有する
    第2の主軸を回転可能に支持する第2の主軸台が、少な
    くとも前記第2の方向に移動可能であるとともに、第2
    の刃物台に対して前記第1の方向および前記第2の方向
    に相対移動して第2の加工領域で前記工作物の他方の側
    を加工する主軸移動型立形工作機械における工作物反転
    装置であって、 前記第1の加工領域と前記第2の加工領域の前記第2の
    方向のほぼ中央部に配設された反転装置基体と、 前記工作物を把持,把持解除可能な反転装置側保持部
    と、 前記反転装置基体に設けられ、前記工作物をほぼ180
    度反転させる反転手段と、 前記反転装置基体に設けられ、前記第1の主軸の前端に
    設けられた第1のチャックとの間で前記工作物の授受を
    行う前記第1の加工領域内でほぼ水平方向の第1の位置
    と、前記第2の主軸の前端に設けられた第2のチャック
    との間で前記工作物の授受を行う前記第2の加工領域内
    でほぼ水平方向の第2の位置に、前記反転装置側保持部
    を移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする主軸
    移動型立形工作機械における工作物反転装置。
  2. 【請求項2】 前記反転装置側保持部は、 前記第1の位置で前記第1のチャックとの間で前記工作
    物の授受を行う第1のアーム側保持部と、 前記第2の位置で前記第2のチャックとの間で前記工作
    物の授受を行う第2のアーム側保持部とを有し、 前記移動手段の機能を兼有する前記反転手段は、 前記第1のアーム側保持部を前記第1の位置と前記第2
    のアーム側保持部と対向可能なほぼ垂直方向の第3の位
    置に揺動させる第1の揺動手段と、 前記第2のアーム側保持部を前記第2の位置と前記第1
    のアーム側保持部と対向可能なほぼ垂直方向の第4の位
    置に揺動させる第2の揺動手段とを有し、 前記第3の位置に揺動した前記第1のアーム側保持部と
    前記第4の位置に揺動した前記第2のアーム側保持部と
    の間で前記工作物の授受を行なって前記工作物の反転を
    行うとともに、前記揺動動作によって前記工作物を前記
    第1の位置から前記第2の位置に移動させるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の主軸移動型立形工作
    機械における工作物反転装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のアーム側保持部と前記第2の
    アーム側保持部との間に設けられ、前記第1のアーム側
    保持部および前記第2のアーム側保持部の少なくとも一
    方を前記第2の方向に進退移動させる進退移動手段を有
    することを特徴とする請求項2に記載の主軸移動型立形
    工作機械における工作物反転装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のアーム側保持部と前記第1の
    揺動手段との間、および、前記第2のアーム側保持部と
    前記第2の揺動手段との間の少なくとも一方に設けら
    れ、前記第1のアーム側保持部または前記第2のアーム
    側保持部を、この第1または第2のアーム側保持部が保
    持している前記工作物の軸線方向に移動可能にかつ傾斜
    可能に支持する保持部支持手段を有し、 前記第1のチャックと前記第1のアーム側保持部との
    間、または、前記第2のチャックと前記第2のアーム側
    保持部との間で前記工作物を授受する際、前記工作物を
    前記第1のチャックまたは前記第2のチャックに押し付
    けた状態で授受可能としたことを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載の主軸移動型立形工作機械における工作物
    反転装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のアーム側保持部と前記反転装
    置基体との間、および、前記第2のアーム側保持部と前
    記反転装置基体との間の少なくとも一方に設けられ、前
    記第1のチャックと前記第1のアーム側保持部との間、
    および、前記第2のチャックと前記第2のアーム側保持
    部との間で前記工作物を授受する際、前記第1のチャッ
    クまたは前記第2のチャックが、前記第1のアーム側保
    持部または前記第2のアーム側保持部を所定量以上押圧
    しすぎたことを検出する押しすぎ検出手段を有している
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれかの項に記載
    の主軸移動型立形工作機械における工作物反転装置。
  6. 【請求項6】 前記第1のアーム側保持部の複数の第1
    の爪と、前記第2のアーム側保持部の複数の第2の爪と
    は、 前記第1のアーム側保持部および前記第2のアーム側保
    持部が水平方向に位置しているときには、同じ配置状態
    になっていることを特徴とする請求項2から5のいずれ
    かの項に記載の主軸移動型立形工作機械における工作物
    反転装置。
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