JP2002057437A - 金属薄膜の形成方法、配線回路基板用基材、配線回路基板および回路付サスペンション基板 - Google Patents

金属薄膜の形成方法、配線回路基板用基材、配線回路基板および回路付サスペンション基板

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JP2002057437A
JP2002057437A JP2000243793A JP2000243793A JP2002057437A JP 2002057437 A JP2002057437 A JP 2002057437A JP 2000243793 A JP2000243793 A JP 2000243793A JP 2000243793 A JP2000243793 A JP 2000243793A JP 2002057437 A JP2002057437 A JP 2002057437A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空蒸着によって、金属の表面と絶縁層の表
面との両方に、十分に密着性を向上させながら金属薄膜
を形成することのできる、金属薄膜の形成方法、およ
び、その金属薄膜の形成方法を用いることによって得ら
れる、配線回路基板用基材、配線回路基板および回路付
サスペンション基板を提供すること。 【解決手段】 所定のパターンとしてベース層32が形
成されている金属基板31において、まず、ベース層3
2が形成されていない金属基板31の表面に、有機物3
3を付着させた後にプラズマ処理を行ない、次いで、こ
れら金属基板31およびベース層32の全面に、スパッ
タリング法によって、金属薄膜37を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄膜の形成方
法、および、その金属薄膜の形成方法を用いることによ
って得られる、配線回路基板用基材、配線回路基板およ
び回路付サスペンション基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、SUS工法や回路付サスペン
ション基板の製造など、配線回路基板の製造方法におい
ては、例えば、SUS基板などからなる金属基板上に、
ポリイミドなどからなる絶縁層を積層して、その絶縁層
を所定のパターンに形成した後、その絶縁層上に、クロ
ムや銅などからなる金属薄膜を真空蒸着し、次いで、そ
の金属薄膜を種膜として、銅などからなる導体層をめっ
きにより所定のパターンとして形成する方法が実施され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の配線
回路基板の製造方法において、真空蒸着による金属薄膜
の形成は、所定のパターンで絶縁層が形成されている金
属基板上になされるので、金属薄膜は、絶縁層の表面と
金属基板の表面とに、同一の蒸着条件によって同時に形
成されるようになる。
【0004】一方、一般に、真空蒸着によって金属薄膜
を所定の被着体に形成する場合には、金属薄膜と被着体
の密着力を向上させるために、被着体を予めプラズマ処
理しておくことがなされており、被着体の性状に応じ
て、適切なプラズマ条件が選択されている。例えば、被
着体が金属材料である場合には、酸素プラズマで処理す
ると、金属薄膜の密着性が良好となり、また、被着体が
有機材料である場合には、窒素プラズマで処理すると、
金属薄膜の密着性が良好となる。
【0005】しかし、このようなプラズマ処理において
は、被着体が、金属材料である場合と有機材料である場
合とでは、そのプラズマ条件が大きく相違し、金属材料
の表面と有機材料の表面との両方の密着性を同時に向上
させることは困難である。そのため、上記した配線回路
基板の製造方法では、真空蒸着による金属薄膜の形成に
おいて、金属薄膜に対する、金属基板と、その金属基板
上に形成されている絶縁層との両方の密着性の向上を図
ることは困難である。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、その目的とするところは、真空蒸着によって、
金属の表面と絶縁層の表面との両方に、十分に密着性を
向上させながら金属薄膜を形成することのできる、金属
薄膜の形成方法、および、その金属薄膜の形成方法を用
いることによって得られる、配線回路基板用基材、配線
回路基板および回路付サスペンション基板を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、金属の表面と絶縁層の表面とを有する基
材に、真空蒸着によって金属薄膜を形成する方法であっ
て、真空蒸着する前に、予め、上記金属の表面に有機物
を付着させておくことを特徴としている。
【0008】また、この方法においては、上記有機物の
表面をプラズマ処理しておくことが好ましく、さらに、
上記有機物の表面の下記式(1)で表わされる官能基比
率Rが、47以上であることが好ましい。
【0009】R=(b+c)/a (1) (上記式(1)中、a、b、cはESCAにより測定し
たC1sのスペクトル強度を示し、aはCHn(nは0
〜3の整数)に基づくもの、bはC−OおよびC−Nに
基づくもの、cはCOOに基づくものを示す。) そして、本発明では、このような金属薄膜の形成方法を
用いることによって得られる、配線回路基板用基材、配
線回路基板および回路付サスペンション基板をも含んで
いる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の金属薄膜の形成方法は、
金属の表面と絶縁層の表面とを有する基材に適用され
る。このような基材としては、例えば、金属基板上に、
絶縁層が所定のパターンとして形成されている基材が挙
げられる。
【0011】金属基板としては、例えば、ステンレス
(SUS)、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、42ア
ロイなどの金属箔または金属薄板が挙げられる。また、
その厚みは、例えば、10〜100μm程度である。
【0012】絶縁層としては、有機材料が用いられ、例
えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリ
サルフォン、アクリル、ポリエーテルニトリル、ポリエ
チレンナフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂が
挙げられる。
【0013】金属基板上に、絶縁層を所定のパターンと
して形成するには、例えば、上記した合成樹脂の溶液を
金属基板上に塗工し、乾燥させた後、フォトレジストな
どを用いてエッチングすることにより、所定のパターン
に形成するか、あるいは、上記した合成樹脂のドライフ
ィルムを金属基板上に貼着した後、フォトレジストなど
を用いてエッチングすることにより、所定のパターンに
加工すればよい。
【0014】また、合成樹脂として、感光性樹脂を用い
れば、金属基板上に、絶縁層を、効率よく確実に所定の
パターンとして形成することができる。すなわち、感光
性樹脂を用いる場合には、まず、支持基板上に、感光性
樹脂の溶液を、その全面に塗工し、乾燥させて皮膜を形
成した後、フォトマスクを介して露光させ、必要により
露光部分を所定の温度に加熱した後、ポジ型またはネガ
型によって現像することにより、その形成された皮膜を
所定のパターンとし、その後に、その所定のパターンと
された感光性樹脂の皮膜を、加熱硬化させることによっ
て、金属基板上に、絶縁層を所定のパターンとして形成
することができる。なお、このような感光性樹脂として
は、例えば、ポリアミック酸などの感光性ポリイミドが
好ましく用いられる。
【0015】このようにして、金属基板上に形成される
絶縁層は、そのパターン形状は何ら限定されず、その厚
みが、例えば、5〜30μm程度である。
【0016】また、本発明の金属薄膜の形成方法が適用
される、金属の表面と絶縁層の表面とを有する基材は、
このように、金属基板上に絶縁層が所定のパターンとし
て形成されている基材の他に、例えば、これとは逆に、
絶縁層上に金属が所定のパターンとして形成されている
基材であってもよい。そのような基材の絶縁層および金
属は、上記した絶縁層および金属と同様のものを用いる
ことができる。
【0017】そして、本発明の金属薄膜の形成方法で
は、このような基材に対して、真空蒸着によって金属薄
膜を形成する前に、予め、金属の表面に有機物を付着さ
せておくようにする。すなわち、金属基板上に絶縁層が
所定のパターンとして形成されている基材にあっては、
その金属基板の金属の表面に有機物を付着させておくよ
うにする。
【0018】金属の表面に有機物を付着させる方法は、
特に限定されず、金属の表面上に有機物が載れば、公知
のいずれの方法をも用いることができる。また、有機物
を付着させる時には、金属の表面に、有機物を部分的に
点在させて付着させることが好ましく、そのような方法
としては、例えば、PVD法(物理蒸着法)やプラズマ
重合法、あるいは、上記した絶縁層のエッチング時に、
絶縁層を金属の表面上に部分的に残すようにする方法な
どが挙げられる。
【0019】PVD法においては、例えば、真空容器を
用いて、その真空容器内において、有機物として樹脂な
どのターゲットと、金属基板とを設置して、真空容器内
でターゲットをスパッタリングまたは高温加熱すること
によって、その樹脂を金属基板の金属の表面に蒸着する
ことができる。ターゲットとなる樹脂としては、上記し
た絶縁層の形成に用いられる合成樹脂と同様のものが挙
げられ、それ以外に、例えば、ポリアミック酸、ポリエ
チレン、ポリフッ化ビニリデン/ポリイミド、ポリカー
ボネート、ナイロン6,6などが挙げられる。
【0020】なお、金属基板上に形成された絶縁層を、
そのままターゲットとして用いてもよい。絶縁層をその
ままターゲットとして用いれば、別途、ターゲットを用
意する必要がなく、効率のよい蒸着を行なうことができ
る。特に、絶縁層の形成に感光性樹脂を用いる場合に
は、所定のパターンとされた硬化前の感光性樹脂の皮膜
をターゲットとして用いることにより、後述するように
簡易かつ確実な蒸着を行なうことができる。
【0021】また、PVD法の蒸着条件は、ターゲット
の種類や、付着させる有機物の分布の度合、大きさおよ
び厚みなどによって適宜決定されるが、例えば、温度が
200〜450℃、好ましくは、250〜400℃、気
圧(真空度)が10-1〜10 3Pa、好ましくは、1〜
102Paであり、処理時間が、0.1〜10時間、好
ましくは、1〜5時間である。これらの蒸着条件におい
て、特に、気圧(真空度)を変化させることによって、
付着する有機物の厚みを調節することができる。
【0022】また、プラズマ重合法においては、例え
ば、真空容器を用いて、その真空容器内に金属基板を配
置して、プラズマ雰囲気下、有機モノマーを導入して、
その有機モノマーを重合させることによって生成する樹
脂を、金属の表面に吸着させるようにする。
【0023】このようなプラズマ重合は、公知の重合条
件でよく、また、有機モノマーとしては、例えば、上記
した絶縁層の形成に用いられる合成樹脂の有機モノマー
などが挙げられる。
【0024】なお、これらPVD法およびプラズマ重合
法では、金属の表面だけではなく、絶縁層の表面にも有
機物が付着される。
【0025】さらに、絶縁層のエッチング時に、絶縁層
を金属の表面上に部分的に残すようにする方法において
は、例えば、本来、絶縁層のパターンが形成されない金
属基板の表面に、絶縁層が残存するようにエッチングす
ればよく、そのようなエッチング条件は、絶縁層の種類
やパターンの形状などによって、適宜選択される。
【0026】このようにして金属の表面に付着する有機
物は、その金属の表面上に部分的に点在するようにして
付着されており、その分布の度合は、例えば、金属の表
面の単位面積当たり、2〜50%程度、好ましくは、4
〜20%程度である。また、その形状はおよそ円形で、
直径は、20〜80nm程度、厚みは、2〜30nm程
度、好ましくは、2〜10nm程度である。薄すぎる
と、密着力向上の効果がなく、厚すぎると、後工程にお
いて、基材が反ったり、あるいは、金属基板のエッチン
グ時の異物となり、品質の低下を招く場合がある。
【0027】また、多層配線基板などにおいて、上記絶
縁層上だけでなく、上記金属基板上にも導体層のパター
ンを形成する必要がある場合は、金属基板と導体層の間
で良好な導通性が必要であるが、その場合、上記有機物
の厚みが厚すぎると、その導通性が不良となる場合があ
る。
【0028】そして、本発明の金属薄膜の形成方法で
は、このようにして、金属の表面に有機物が付着された
基材に、真空蒸着によって金属薄膜を形成するが、その
真空蒸着の前に、有機物の表面を含むその有機物が付着
された金属の表面、および、絶縁層の表面を、プラズマ
処理しておくことが好ましい。プラズマ処理を行なうこ
とにより、基材に対する金属薄膜の密着性を向上させる
ことができる。
【0029】プラズマ処理は、例えば、真空容器を用い
て、その真空容器内に、金属基板を配置するとともに、
雰囲気ガスを封入して放電させればよい。プラズマ処理
の条件としては、有機材料を処理するための窒素プラズ
マの条件が好ましい。すなわち、雰囲気ガスとしては、
例えば、窒素、酸素、アルゴンなどを用いることができ
るが、好ましくは、窒素、または、窒素を含む混合ガス
が用いられる。
【0030】また、このようなプラズマ処理では、有機
物の表面を、下記式(1)で表わされる官能基比率Rが
47以上となるように改質することが好ましい。
【0031】R=(b+c)/a (1) (上記式(1)中、a、b、cはESCAにより測定し
たC1sのスペクトル強度を示し、aはCHn(nは0
〜3の整数)に基づくもの、bはC−OおよびC−Nに
基づくもの、cはCOOに基づくものを示す。) 有機物の表面の官能基比率Rが47以上、好ましくは、
47〜60となるように改質すれば、より一層、密着性
を向上させることができる。なお、官能基比率Rは、放
電の電力および処理時間が一定であれば、気圧(真空
度)を変化させることによって調整することができ、気
圧(真空度)を低く設定すれば、プラズマ処理による表
面改質の効果が大きくなる。そのため、付着させる有機
物の種類にもよるが、気圧(真空度)を低く設定すれば
有機物の表面の官能基比率Rを47以上とすることがで
きる。一方、気圧(真空度)が低すぎると放電が不安定
となるので、より具体的には、その気圧(真空度)は、
1.3×10-2〜9.3×10-2Pa程度であることが
好ましい。
【0032】また、放電の電力は、1〜5W/cm2
度が好ましい。電力が低すぎると、金属薄膜の十分な接
着力が得られず、処理速度が低下する場合があり、高す
ぎると、放電が不安定となり、安定した処理ができない
場合がある。なお、放電は、DC(直流)放電よりもR
F(高周波)放電が好ましい。RF(高周波)放電によ
って、官能基比率Rを高くすることができる。なお、こ
のようなプラズマ処理の処理時間は、数秒〜1分程度で
ある。
【0033】なお、真空容器内に金属基板を設置してプ
ラズマ処理すれば、有機物の表面とともに、絶縁層の表
面も同時に改質されるので、有機物の表面の官能基比率
Rを47以上となるように改質すれば、例えば、絶縁層
がその有機物のターゲットとして用いられている場合に
は、その絶縁層も同様に、その表面の官能基比率Rが4
7以上となり、絶縁層の表面の密着性をも向上させるこ
とができる。
【0034】そして、このようなプラズマ処理がなされ
た後に、有機物が付着された金属の表面および絶縁層の
表面に、真空蒸着によって金属薄膜を形成する。
【0035】真空蒸着によって、金属薄膜を形成するに
は、主として、スパッタリング法が用いられ、通常の直
流および高周波スパッタリングを用いてもよいが、蒸着
速度の速いマグネトロン型のスパッタリングが好ましく
用いられる。
【0036】真空蒸着においては、例えば、真空容器を
用いて、その真空容器内において、蒸着すべき金属(そ
の金属の酸化物または窒化物を含む)と、金属基板とを
対向配置して、真空容器内を真空にするとともに、雰囲
気ガスを導入することによって、その金属を金属基板の
全面、すなわち、有機物が付着された金属の表面および
絶縁層の表面に蒸着することができる。真空蒸着におけ
る雰囲気ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、
クリプトンなどの不活性ガスが好ましく用いられるが、
工業的には、アルゴンが好ましく用いられる。また、気
圧(真空度)は、10-1〜1.3Pa、好ましくは、
1.5×10-1〜8×10-1Paに設定されることが好
ましい。
【0037】また、真空蒸着により蒸着する金属として
は、例えば、銅、クロム、ニッケル、アルミニウム、
銀、金、チタン、錫、インジウムなどが挙げられ、その
厚みが、4〜500nm程度で蒸着されることが好まし
い。
【0038】また、このような金属を、多層として蒸着
させてもよい。例えば、基材に対してより密着性の高い
金属を基材側に蒸着すれば、その密着性の向上を図るこ
とができる。例えば、2層として形成する場合には、基
材側の第1層として、クロム、ニッケル、チタンおよび
これらを2種以上含む合金、あるいは、これら金属の酸
化物などが、導体層側の第2層として、銅、アルミニウ
ム、銀、金、錫、ニッケルが、それぞれ好ましく用いら
れる。
【0039】そして、このようなプラズマ処理および真
空蒸着は、工業的には、例えば、図1に示すような処理
装置を用いて連続的に処理すればよい。すなわち、図1
において、この処理装置は、真空容器1内に、電極ロー
ル2と、その電極ロール2に対向配置されるプラズマ用
電極3および2つのスパッタ蒸着用電極21、22と、
電極ロール2に対して、プラズマ用電極3および2つの
スパッタ蒸着用電極21、22と反対側に配置される巻
出軸4および巻取軸5と、巻出軸4と電極ロール2との
間に配置される2つの巻出側案内ロール6、7と、巻取
軸5と電極ロール2との間に配置される2つの巻取側案
内ロール8、9とを備えている。
【0040】巻出軸4には、長尺に形成された基材10
が巻回されており、この基材10は、巻出軸4によって
巻き出され、巻出側案内ロール6、7に沿って電極ロー
ル2に案内され、この電極ロール2の外周面に沿って移
動された後、巻取側案内ロール8、9に沿って巻取軸5
に案内され、この巻取軸5によって巻き取られるように
構成されている。なお、基材は、長尺の基材の他、枚葉
型の基材であっても、それを何らかの長尺の基材上に貼
着することにより、長尺の基材と同様に処理することが
できる。
【0041】そして、プラズマ用電極3には、マッチン
グ回路11を介して高周波電源12が接続されるととも
に、その放電面には、Ti、V、Y、Zr、Nb、M
o、W、Ta、Cr、Ni、Siのいずれか1種または
2種以上から成る金属、または、これら金属の酸化物あ
るいは窒化物からなるインゴット13が設置されてい
る。プラズマ用電極4は、より具体的には、長尺の基材
における幅方向のプラズマ処理の均一性を得やすくする
ために、平板状に形成されるとともに、イオンやラジカ
ル密度を高めてプラズマ処理の効率を向上させるべく、
プレーナーマグネトロン型のカソード電極が用いられて
いる。また、このように、プラズマ用電極3の放電面に
インゴット13を設置することにより、雰囲気ガスに対
してプラズマ用電極3がスパッタリングされることを防
止して、プラズマ処理によって、プラズマ用電極3の材
料が基材10に付着することを有効に防止している。そ
の結果、プラズマ処理後に、真空蒸着によって金属薄膜
を形成する時に、基材10と金属薄膜との密着性の向上
を図ることができる。しかも、放電電力を大きくして
も、インゴット13は雰囲気ガスに対して非常にスパッ
タリングされにくいので、プラズマ処理時間を従来より
も短縮することができ、処理効率の向上を図ることがで
きる。
【0042】そして、上記したプラズマ処理条件下にお
いて、巻出軸4から長尺の基材10を巻き出して、電極
ロール2の外周面に沿って移動させ、この移動中に、プ
ラズマ用電極3と対向している間に、上記したプラズマ
処理を行ない、有機物が付着された金属の表面および絶
縁層の表面の改質を行なった後、巻取軸5に巻き取るよ
うにする。
【0043】また、2つのスパッタ蒸着用電極21、2
2には、それぞれ直流電源23、24が接続されるとと
もに、それぞれの放電面には、上記した金属のインゴッ
ト25、26、例えば、スパッタ蒸着用電極21には銅
のインゴット25、スパッタ蒸着用電極22にはクロム
のインゴット26が、それぞれ設置されている。
【0044】そして、上記した真空蒸着条件下におい
て、巻取軸5に巻き取られている基材10を、再び巻き
出して、電極ロール2の外周面に沿って逆方向に移動さ
せ、この移動中において、例えば、まず、スパッタ蒸着
用電極22と対向している間に、クロムからなるインゴ
ット26の金属薄膜を真空蒸着し、次いで、スパッタ蒸
着用電極21と対向している間に、その金属薄膜上に、
銅からなるインゴット25の金属薄膜を真空蒸着して、
その後、巻出軸4によって巻き取るようにする。
【0045】これによって、この処理装置で、プラズマ
処理および真空蒸着を、工業的に連続的して処理するこ
とができる。なお、スパッタ蒸着用電極は、1または3
つ以上でもよく、また、プラズマ用電極も、複数設置し
てもよい。
【0046】そして、このような本発明の金属薄膜の形
成方法は、その最表面に金属の表面と絶縁層の表面とを
有する基材が用いられる配線回路基板用基材、および、
その配線回路基板用基材が用いられる配線回路基板にお
いて、金属薄膜を形成するために好適に用いられる。
【0047】すなわち、このような配線回路基板用基材
や配線回路基板では、その製造工程において、最表面に
金属の表面と絶縁層の表面とを有する基材の全面に、金
属薄膜を形成する工程や、さらに、その金属薄膜上に、
導体層を所定のパターンとして形成する工程を含んでお
り、このような金属薄膜を形成する工程において、本発
明の金属薄膜の形成方法が適用される。
【0048】より具体的には、本発明の金属薄膜の形成
方法は、回路付サスペンション基板の製造工程において
好適に用いられる。すなわち、回路付サスペンション基
板は、磁気ヘッドとリード・ライト基板とを接続するた
めの配線が、磁気ヘッドを支持するサスペンション基板
上に一体として形成されている回路配線基板であり、そ
の製造工程においては、まず、サスペンション基板であ
る金属基板上に、絶縁層としてのベース層を所定のパタ
ーンで形成して、次いで、その金属基板およびベース層
の全面に、金属薄膜を形成した後に、その金属薄膜上
に、導体層を所定の配線パターンとして形成する工程が
含まれており、その金属基板およびベース層の全面に、
金属薄膜を形成する工程において、本発明の金属薄膜の
形成方法が適用される。
【0049】このような回路付サスペンション基板の製
造工程の一例を、図2および図3を参照して説明する
と、まず、図2(a)に示すように、SUSなどからな
る金属基板31上に、図2(b)に示すように、ポリイ
ミドなどからなる絶縁層としてのベース層32を、上記
した方法によって、所定のパターンとして形成した後、
図2(c)に示すように、ベース層32が形成されてい
ない金属基板31の表面に、上記した方法によって有機
物33を付着させる。
【0050】有機物33を付着させるには、所定のパタ
ーンとされた硬化前の感光性樹脂の皮膜をターゲットと
して、PVD法による感光性樹脂の金属基板31の表面
への付着と、この感光性樹脂の硬化とを同じ工程で行な
うことが好ましい。このようにすれば、工程数を低減し
て生産効率の向上を図ることができる。
【0051】すなわち、この方法では、まず、図4
(a)に示すように、金属基板31の全面に、感光性樹
脂の溶液を塗工して、乾燥させることにより皮膜32p
を形成した後、図4(b)に示すように、フォトマスク
35を介して露光させ、必要により露光部分を所定の温
度に加熱した後、図4(c)に示すように、現像するこ
とにより、その形成された皮膜32pを所定のパターン
として形成する。なお、感光性樹脂としては、上記した
ようにポリアミック酸が好ましく、ポリアミック酸を用
いる場合には、ネガ型で現像することが好ましく、図4
(c)においてはネガ型で現像されている状態が示され
ている。
【0052】そして、図5(d)に示すように、所定の
パターンの皮膜32pが形成された金属基板31を、真
空容器36内に設置して、窒素ガスを導入し、真空容器
36内の気圧(真空度)を0.1〜1Paに減圧する。
その後、真空容器36内の温度を、350〜400℃ま
で上昇させることによって、図5(e)に示すように、
その皮膜32pから、その皮膜32pを形成する感光性
樹脂の分子を飛散させて、真空容器36内を、3〜20
Pa、350〜400℃で1〜2時間保持することによ
り、金属基板31の表面に未硬化の有機物33として付
着させると同時に、皮膜32pおよび未硬化の有機物3
3を硬化させ、これによって、図2(c)に示すよう
に、ベース層32が形成されていない金属基板31の表
面に有機物33を付着させる。
【0053】その後、この有機物33が付着された金属
基板31およびベース層32の全面に、上記したプラズ
マ処理を行なって、その表面を改質した後、図2(d)
に示すように、スパッタリング法などの真空蒸着によっ
て、蒸着クロム層37aおよび蒸着銅層37bを順次形
成するなどして金属薄膜37を形成する。
【0054】なお、金属基板31上に形成される金属薄
膜37は、後の工程において化学エッチングなどによっ
て除去されるが、次に述べる導体層34をめっきにより
形成する工程においては、その金属薄膜37上にめっき
レジスト38が形成されることなどから、めっき液に浸
漬した場合などにおいても剥がれずに密着性よく形成さ
れている必要がある。
【0055】そして、図3(e)に示すように、その金
属薄膜37上に、所定のレジストパターンでめっきレジ
スト38を形成し、図3(f)に示すように、そのめっ
きレジスト38が形成されていない部分に、電解めっき
などのめっきにより、所定の配線パターンの導体層34
を形成して、その後、図3(g)に示すように、めっき
レジスト38およびそのめっきレジスト38が形成され
ていた金属薄膜37を、化学エッチングなどにより除去
し、これによって、ベース層32上に、導体層34を所
定の配線パターンとして形成する。その後、図3(h)
に示すように、導体層34を被覆するポリイミドなどか
らなるカバー層39を、公知の方法によって形成すれ
ば、回路付サスペンションを得ることができる。
【0056】なお、このような製造工程は、回路付サス
ペンション基板に限らず、その他の配線回路基板におい
ても同様に適用することができる。
【0057】そして、このようにして、本発明の金属薄
膜の形成方法が用いられることによって得られる回路付
サスペンション基板や配線回路基板では、ベース層と導
体層との密着性がよく、導体層を形成するためのめっき
工程において、金属薄膜がめっき液に浸漬しても剥離す
ることがなく、めっき浴の汚染を防止できるとともに、
得られる回路付サスペンション基板や配線回路基板の品
質の低下を防止することができる。そのため、得られた
回路付サスペンション基板や配線回路基板は、信頼性が
高く良好な品質を有し、各種の分野において有効に用い
ることができる。
【0058】また、多層配線基板などにおいて、上記絶
縁層上だけでなく、上記金属基板上にも導体層のパター
ンを形成する必要がある場合においても、金属基板と金
属薄膜間の導電性と密着力を両立させることができる。
【0059】さらに、上記金属基板上に導体層のパター
ンを形成する場合においては、金属基板と金属薄膜間の
密着力をさらに向上させるために、導体層のパターンを
めっき形成した後に、200〜400℃の真空下で、加
熱することが効果的である。この加熱処理により、加熱
する前に比較して、金属基板と金属薄膜間の密着力が数
倍以上向上する。
【0060】なお、本発明の金属薄膜の形成方法が用い
られることによって得られる配線回路基板用基材は、最
表面に金属の表面と絶縁層の表面があればよく、例え
ば、金属基板とその金属基板上に所定のパターンとして
形成される絶縁層との2層からなるものでもよく、ま
た、導体層とその導体層上に所定のパターンとして形成
される絶縁層との2層からなるものでもよく、さらに
は、3層以上に複数積層される多層配線回路基板であっ
てもよい。
【0061】また、以上の説明においては、有機物を付
着させた後にプラズマ処理を行なったが、有機物の種類
により、例えば、プラズマ処理をせずとも上記式(1)
で表わされる官能基比率Rが47以上の有機物を付着さ
せるなどすれば、特にプラズマ処理を行なわなくともよ
い。
【0062】さらに、本発明の金属薄膜の形成方法は、
例えば、液晶ディスプレイの電極、タッチパネル、電磁
波シールドなどの製造工程にも、有効に適用することが
できる。
【0063】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、何ら実施例に限定されること
はない。
【0064】実施例1〜8 次の各工程1)〜5)からなる製造工程によって、実施
例1〜8の回路配線基板を作製した。なお、各実施例1
〜8においては、表1に示すように、硬化時の気圧(P
a)およびプラズマ処理時の気圧(×10-2Pa)をそ
れぞれ異ならせた。
【0065】1)基材の作製工程 下記のステンレス長尺基板に、下記組成からなるポリア
ミック酸を塗工し、乾燥させて皮膜とした後、フォトマ
スクを介して露光させ、露光部分を加熱した後、アルカ
リ現像液を用いてネガ型で現像することにより、ステン
レス基板の表面にポリアミック酸の皮膜が所定のパター
ンとして形成された基材を作製した。
【0066】なお、基材は、スペーサーを介してロール
状に巻き取った。そうすることにより、巻回される基材
間において適度な隙間が形成されるので、次の工程にお
いて、ステンレス基板の表面へのポリアミック酸の付着
が円滑に行なわれる。
【0067】ステンレス長尺基板: SUS304、幅
250mm、厚み24μm、250m巻き 感光性ポリアミック酸: 酸二無水物(3,4’,3,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6.5モ
ル)と、ジアミン(パラフェニレンジアミン、3.9モ
ルと2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’
−ジアミノビフェニル、2.6モル)とを反応させて得
られたポリアミック酸のN−メチル−2−ピロリドン溶
液に、感光剤(1,4−ジヒドロピリジン誘導体)を添
加したもの。
【0068】2)ステンレス基板の表面への有機物の付
着工程 所定のパターン化とされたポリアミック酸の皮膜をター
ゲットとして、PVD法により、ポリアミック酸をステ
ンレス基板の表面へ付着させると同時に、所定のパター
ンとされたポリアミック酸の皮膜およびステンレス基板
の表面に付着されたポリアミック酸の硬化(イミド化)
を1つの工程で行なった。
【0069】すなわち、まず、ロール状に巻き取った基
材を真空加熱炉内にセットし、炉内を真空排気した後、
窒素ガスを導入して、炉内の気圧を1Pa程度に減圧し
た。その後、炉内の温度を室温から約2時間かけて38
0℃まで上昇させた。この時に、ポリアミック酸の皮膜
から、ポリアミック酸の分子が炉内に飛散して、皮膜が
形成されていないステンレス基板の表面に付着した。ま
た、この時には、炉内の気圧が上昇するが、気圧を所定
値(5〜8Pa)に調節して、380℃で2時間保持す
ることにより、ポリアミック酸の皮膜およびステンレス
基板の表面に付着されたポリアミック酸を硬化させた。
なお、気圧を調節することにより、ステンレス基板の表
面に付着したポリアミック酸の厚みを調整した。
【0070】3)プラズマ処理工程 図1に示す処理装置を用いてプラズマ処理を行なった。
プラズマ用電極3には、プレーナーマグネトロンスパッ
タ電極を用い、その放電面には、Zrのインゴット13
(5×15インチ)を装着した。そして、ロール状の基
材を、巻取軸4に装着した後、真空ポンプにて、真空容
器1内を2×10-3Paまで排気して、窒素ガスを導入
し、気圧を所定値(2.7×10-2〜4×10-1Pa)
に保持した。その後、プラズマ用電極3に、13.56
MHzの高周波電圧(放電電力:2W/cm2)を印加
して放電させ、基材を巻取軸5で巻き取りながら、1.
5m/分で走行させることにより、プラズマ処理を行な
った。
【0071】4)真空蒸着工程 引き続き、図1に示す処理装置を用いて真空蒸着を行な
った。2つのスパッタ蒸着用電極21、22には、プレ
ーナーマグネトロンスパッタ電極を用い、スパッタ蒸着
用電極21には、Cuのインゴット25(5×15イン
チ)、スパッタ蒸着用電極22には、Crのインゴット
26(5×15インチ)を、スパッタリングのターゲッ
トとして、それぞれ装着した。そして、真空容器1内
に、窒素ガスに代えてアルゴンガスを導入し、気圧を4
×10-1Paに保持した。その後、スパッタ蒸着用電極
21、22に、それぞれ2.8kWと1.5kWの直流
電流を印加して放電させ、巻取軸5に巻き取られている
基材を、プラズマ処理の時とは逆に、巻出軸4で巻き取
りながら、1m/分で走行させることにより、クロムお
よび銅を連続して真空蒸着した。
【0072】5)電解銅めっき工程 真空蒸着された蒸着銅層上に、さらに別工程で、電解銅
めっきによって、銅めっき層を厚み10μmまで形成し
た。なお、実施例8においては、銅めっき層の形成後、
380℃真空下で2時間加熱した。
【0073】比較例1 基材の作製工程(工程1)において、ステンレス基板の
表面にポリアミック酸の皮膜を所定のパターンとして形
成した後、ステンレス基板の表面への有機物の付着工程
(工程2)を省略して、つまり、ポリアミック酸をステ
ンレス基板の表面へ付着させることなく、そのまま、ポ
リアミック酸の皮膜を硬化させた以外は、実施例1と同
様の操作により、配線回路基板を作製した。
【0074】なお、形成された金属薄膜の厚みは、実施
例および比較例は、いずれも、蒸着クロム層が30nm
で、その上に積層された蒸着銅層の厚みが70nmであ
った。
【0075】評価方法 1)ステンレス基板の表面に付着した有機物の分析 プラズマ処理工程(工程3)の後、ESCA(Shim
adzu/Kratos AXIS−His)を用いて
表面組成分析を行ない、付着した有機物の厚み、およ
び、官能基比率Rの測定を行なった。なお、ESCAに
よる有機物の厚みdの定量は次式より求めた。その結果
を表1に示す。
【0076】d=−λln(Is/Io) Is:ステンレス基板のシグナル強度 Io:トータルシグナル強度 λ:固体中の電子の平均自由工程(本測定においてはλ
=2nmとした。) 2)密着力の測定 実施例1〜8および比較例1の配線回路基板について、
a)絶縁層(ポリイミド)/蒸着クロム層、および、
b)ステンレス基板/蒸着クロム層の密着力を90°ピ
ール剥離試験により測定した。
【0077】測定サンプルの形状は2mm幅×100m
m長とし、測定サンプルの切り出し位置は、図6に示す
ように、原反幅のおよそ中心および両端からおよそ50
mmの位置の計3点として、上記a)、b)の測定用サ
ンプルを適宜切り出して、3点の測定値の平均値を密着
力とした。その結果を表1に示す。
【0078】
【表1】 表1から明らかなように、比較例1に比べて、ステンレ
ス基板の表面に有機物を付着させた実施例1〜8は、密
着力bが向上していることがわかる。また、密着力aも
良好であることがわかる。また、官能基比率Rが41で
ある実施例7は、他の実施例1〜6、8に比べると、密
着力が少し低下していることがわかる。
【0079】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の金属薄膜の
形成方法によれば、真空蒸着によって、金属の表面と絶
縁層の表面との両方に、十分に密着性を向上させながら
金属薄膜を形成することができ、このような、本発明の
金属薄膜の形成方法を用いて、配線回路基板用基材、配
線回路基板および回路付サスペンション基板を製造すれ
ば、信頼性が高く良好な品質を有するものを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理および真空蒸着を行なう
ための処理装置の一実施形態を示す概略説明図である。
【図2】回路付サスペンション基板の製造工程の一例を
示す工程図であって、(a)は、サスペンション基板で
ある金属基板を示す断面図、(b)は、金属基板上に、
ベース層を所定のパターンとして形成する工程を示す断
面図、(c)は、ベース層が形成されていない金属基板
の表面に、有機物を付着させる工程を示す断面図、
(d)は、真空蒸着によって、蒸着クロム層および蒸着
銅層を順次形成する工程を示す断面図を示す。
【図3】図2に続いて、回路付サスペンション基板の製
造工程の一例を示す工程図であって、(e)は、金属薄
膜上に、所定のレジストパターンでめっきレジストを形
成する工程を示す断面図、(f)は、めっきレジストが
形成されていない部分に、電解めっきにより、所定の配
線パターンの導体層を形成する工程を示す断面図、
(g)は、めっきレジストおよびそのめっきレジストが
形成されていた金属薄膜を、化学エッチングにより除去
する工程を示す断面図、(h)は、導体層を被覆するポ
リイミドなどからなるカバー層を、公知の方法によって
形成する工程を示す断面図である。
【図4】図2(c)において、ベース層が形成されてい
ない金属基板の表面に、有機物を付着させる工程を説明
するための工程図であって、(a)は、金属基板の全面
に、感光性樹脂の皮膜を形成する工程を示す断面図、
(b)は、フォトマスクを介して露光する工程を示す断
面図、(c)は、現像する工程を示す断面図である。
【図5】図4に続いて、図2(c)において、ベース層
が形成されていない金属基板の表面に、有機物を付着さ
せる工程を説明するための工程図であって、(d)は、
所定のパターンの皮膜が形成された金属基板を、真空容
器内に設置して減圧する工程を示す断面図、(e)は、
皮膜から、その皮膜を形成する感光性樹脂の分子を飛散
させて、金属基板の表面に付着させ、皮膜および有機物
を硬化させる工程を示す断面図である。
【図6】密着力の測定に用いるサンプルを説明するため
の説明図である。
【符号の説明】
31 金属基板 32 ベース層 33 有機物 37 金属薄膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の表面と絶縁層の表面とを有する基
    材に、真空蒸着によって金属薄膜を形成する方法であっ
    て、 真空蒸着する前に、予め、上記金属の表面に有機物を付
    着させておくことを特徴とする、金属薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 上記有機物の表面をプラズマ処理してお
    くことを特徴とする、請求項1に記載の金属薄膜の形成
    方法。
  3. 【請求項3】 上記有機物の表面の下記式(1)で表わ
    される官能基比率Rが、47以上であることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の金属薄膜の形成方法。 R=(b+c)/a (1) (上記式(1)中、a、b、cはESCAにより測定し
    たC1sのスペクトル強度を示し、aはCHn(nは0
    〜3の整数)に基づくもの、bはC−OおよびC−Nに
    基づくもの、cはCOOに基づくものを示す。)
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の金属薄
    膜の形成方法を用いることによって得られることを特徴
    とする、配線回路基板用基材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の金属薄
    膜の形成方法を用いることによって得られることを特徴
    とする、配線回路基板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の金属薄
    膜の形成方法を用いることによって得られることを特徴
    とする、回路付サスペンション基板。
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