JP2002054656A - カップリング及び発進クラッチ - Google Patents

カップリング及び発進クラッチ

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JP2002054656A
JP2002054656A JP2000238501A JP2000238501A JP2002054656A JP 2002054656 A JP2002054656 A JP 2002054656A JP 2000238501 A JP2000238501 A JP 2000238501A JP 2000238501 A JP2000238501 A JP 2000238501A JP 2002054656 A JP2002054656 A JP 2002054656A
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clutch
torque
transmission
electromagnet
engine
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JP2000238501A
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Shinji Yamazaki
伸司 山崎
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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    • Y02T10/76

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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクコンバータとの交換を低コストに行
う。 【解決手段】 メインクラッチ9及びパイロットクラッ
チ13の一側をトルク伝達部材7に連結し、クラッチ9
の他側をトルク伝達部材5に連結し、クラッチ13他側
をプレッシャープレート11に連結し、ボールカム17
をトルク伝達部材5とプレッシャープレート11との間
に設け、トルク伝達部材5をオイルポンプ23に連結し
エンジンの駆動力で常時駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の動力伝達系
などに用いられるカップリングと、これを用いた発進ク
ラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平10−2352号公報に図2のよ
うな蓄圧式ハイブリッド車201が記載されている。
【0003】この蓄圧式ハイブリッド車201車におい
て、エンジン203の駆動力はアクスル205を介して
左右の車輪207,209を駆動する。
【0004】また、蓄圧式ハイブリッド車201は動力
切換装置211と動力伝達装置213とを備えている。
【0005】動力切換装置211は、主入力部215、
副入力部217、出力部219、切換部221などを備
えている。
【0006】出力部219はポンプ/モータ223に連
結されており、切換部221は主入力部215と副入力
部217を、選択的に、出力部219(ポンプ/モータ
223)と連結させる。
【0007】動力伝達装置213は、駆動軸225とク
ラッチ装置227とを備えており、図2のように、駆動
軸225の一側はアクスル205に連結され、他側は上
記の主入力部215に連結されている。
【0008】図3のように、クラッチ装置227は、動
力伝達部材229、クラッチディスク組立体231、ク
ラッチカバー組立体233、レリーズ機構235、ハウ
ジング237などから構成されている。
【0009】動力伝達部材229は副入力部217に連
結されており、クラッチディスク組立体231はスプラ
イン部239によって駆動軸225に連結されている。
【0010】クラッチカバー組立体233はクラッチカ
バー241、ダイヤフラムスプリング243、プレッシ
ャプレート245などから構成されている。
【0011】クラッチカバー241はボルト247で動
力伝達部材229に固定されており、ダイヤフラムスプ
リング243はスタッドピン249などによってクラッ
チカバー241に揺動自在に連結されている。プレッシ
ャプレート245はクラッチディスク組立体231の摩
擦部材251,251とダイヤフラムスプリング243
の外周部との間に配置されている。
【0012】ダイヤフラムスプリング243はその付勢
力によって摩擦部材251,251を動力伝達部材22
9に押圧してクラッチ装置227を締結している。
【0013】レリーズ機構235は、レリーズベアリン
グ253を介して連結されたピストン255と押圧リン
グ257、コイルスプリング259、ピストン255に
圧力を与える圧力供給孔261などから構成されてい
る。
【0014】コイルスプリング259は、ピストン25
5に圧力が与えられていない間、ピストン255とレリ
ーズベアリング253と押圧リング257とを介してダ
イヤフラムスプリング243の内側端部を図3の左方へ
押圧し、ダイヤフラムスプリング243によるクラッチ
装置227の締結を解除する。
【0015】圧力供給孔261からピストン255に圧
力が与えられると、ピストン255が移動してコイルス
プリング259が撓み、押圧リング257が右方へ戻
り、クラッチ装置227が、上記のようなダイヤフラム
スプリング243による締結状態に戻る。
【0016】車両の走行中、クラッチ装置227は締結
が解除されており、動力切換装置211は、回転が停止
している動力伝達部材229側の副入力部217を出力
部219に連結させ、ポンプ/モータ223をエンジン
203から切り離して、エンジン203に対する負担の
増加を防止する。
【0017】車両の制動時は、クラッチ装置227が締
結され、制動トルクによって回転する動力伝達部材22
9から副入力部217と出力部219とを介してポンプ
/モータ223が駆動される。更に、副入力部217
(動力伝達部材229)の回転数が上昇して主入力部2
15(駆動軸225)と同期すると、動力切換装置21
1は、副入力部217を切り離し、主入力部215を出
力部219(ポンプ/モータ223)に連結する。
【0018】こうして、制動トルクがポンプ/モータ2
23を回転駆動し、そのポンプ機能によって発生した油
圧がアキュムレータに蓄圧される。
【0019】車両が発進する時は、動力切換装置211
で主入力部215が出力部219(ポンプ/モータ22
3)に連結されると共に、アキュムレータの圧力がポン
プ/モータ223に与えられ、そのモータ機能によって
発生した回転がクラッチ装置227を介してエンジン2
03に伝達され、この補助動力によって発進性が改善さ
れ、エンジン203の燃費が向上する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記車両20
1のクラッチ装置227では、ダイヤフラムスプリング
243を押圧する回転側の押圧リング257と静止側の
ピストン255の間の相対回転を吸収するためにレリー
ズベアリング253が必要であり、それだけ部品点数が
多く、コスト高である。
【0021】また、クラッチ装置227では、トルク伝
達経路になっているクラッチディスク組立体231のボ
ス部263が、図4に拡大して示したように、スプライ
ン部239で駆動軸225に連結されており、クラッチ
装置227の断続に伴って、クラッチディスク組立体2
31はこのスプライン部239にトルクが掛かった状態
で大きな摩擦抵抗を受けながら、矢印265,267の
ように、駆動軸225上を往復移動しなければならな
い。
【0022】このような状態ではトルク伝達特性にヒス
テリシスが生じる。
【0023】図5はトルク伝達特性に生じたヒステリシ
スのグラフ269を示す。縦軸は伝達トルク(T)であ
り、横軸はクラッチディスク組立体231(ボス部26
3)の移動距離(A)である。
【0024】ここで、ボス部263が矢印265のよう
に右移動するときの特性をグラフ269の下半部のグラ
フ271とすると、矢印267のように左移動するとき
の特性はグラフ269の上半部のグラフ273になる。
このように、移動方向が変わるとトルク伝達特性は異な
ったグラフ上で変化することになる。
【0025】例えば、クラッチディスク組立体231が
A1の位置からA2の位置まで距離△Aだけ移動する
と、伝達トルクはグラフ271上をT1からT2に変化
する。しかし、クラッチディスク組立体231が反対に
A2の位置からA1の位置に戻るとき、伝達トルクはグ
ラフ273上をT3からT4に変化する。
【0026】こうして、クラッチディスク組立体231
の移動方向によって伝達トルクが大きく変動すると共
に、伝達トルクは最初のトルクT1には戻らず、クラッ
チディスク組立体231がA1の位置に戻ったときのト
ルクは最初のトルクT1からトルクT4に大きく変化す
る。
【0027】従って、クラッチ装置227を、車両の動
力伝達経路中に配置されるカップリングや発進クラッチ
のように、トルク伝達特性を精密に制御する必要のある
装置に用いると、上記のようなヒステリシス現象の影響
を受けて、トルク伝達特性を精密に制御することが難し
い。
【0028】また、クラッチ装置227は、圧力によっ
て締結するように構成されており、ポンプ、その駆動
源、配管などが必要であるから、構造が複雑で、コスト
高であり、配置するために広いスペースが必要である上
に重量が嵩んで車載性に劣る。
【0029】また、圧力漏れが生じ易く、信頼性が不充
分であり、更に、トルク伝達特性を精密に制御すること
が難しい。
【0030】また、クラッチ装置227の場合、2枚の
摩擦部材251と、動力伝達部材229及びプレッシャ
プレート245との間で摩擦面が2面形成されているか
ら、クラッチ装置227を湿式クラッチにすると、締結
を解除するときにオイルの粘性によって大きな引き摺り
トルク(ドラグトルク)が生じる。
【0031】従って、自動変速機を用いた車両の発進ク
ラッチに多板クラッチを用い、自動変速機用のオイル
(ATF)でこれを湿式クラッチにすると、ドラグトル
クによる騒音(ジャダ音)が発生する上に、トルクを完
全に遮断することができないから円滑な変速が難しく、
シンクロ機構の容量を大きくする必要が生じる。
【0032】また、自動変速機のトルクコンバータを発
進クラッチに交換することができれば、既存の部材や機
構を有効に利用しながら種々のレイアウトで車両の動力
伝達装置を成立させることが可能になる。
【0033】さらに、発進クラッチとトルクコンバータ
との交換は、周辺の変更箇所を少なくし、そのままのレ
イアウトを保つことによって、なるべく低コストで行い
たい。
【0034】そこで、本発明は、構造が簡単で、低コス
トであり、配置スペースが狭くてすみ、小型、軽量で、
車載性に優れ、信頼性が高く、ヒステリシスが極めて軽
微であって、トルク伝達特性の精密かつ安定した制御が
可能であり、相対回転部材の間に配置するベアリングが
不要なカップリングと、これを用いた発進クラッチであ
って、例えば、低コストで容易にトルクコンバータと交
換することができる発進クラッチの提供を目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のカップ
リングは、エンジンの駆動力が入力する入力側のトルク
伝達部材と、駆動力を車輪側に出力する出力側のトルク
伝達部材と、これら両トルク伝達部材の間でトルクを伝
達するメインクラッチと、操作手段によって連結操作さ
れるパイロットクラッチと、パイロットクラッチを介し
て伝達トルクを受け、これを操作力に変換する変換手段
と、この操作力をメインクラッチに伝達する操作部材
と、近傍に配置されたオイルポンプとを備え、メインク
ラッチ及びパイロットクラッチの一側が一方のトルク伝
達部材に連結され、メインクラッチの他側が他方のトル
ク伝達部材に連結され、パイロットクラッチの他側が操
作部材に連結され、変換手段が操作部材と他方のトルク
伝達部材との間に設けられ、入力側トルク伝達部材の延
設部が前記オイルポンプの入力側に連結されており、パ
イロットクラッチが連結されると伝達トルクを受けて変
換手段が作動し、操作部材を介してメインクラッチを連
結または連結解除すると共に、入力側トルク伝達部材を
介してオイルポンプがエンジンの駆動力によって常時駆
動されることを特徴とする。
【0036】このように、本発明のカップリングは、入
力側のトルク伝達部材をオイルポンプの入力側に連結し
たことにより、エンジンの駆動力によってオイルポンプ
が常時駆動される。
【0037】エンジンの駆動力によってオイルポンプを
常時駆動するこのような構成は、エンジンの駆動力によ
ってポンプ羽根車を回転させるトルクコンバータと類似
している。
【0038】また、本発明のカップリングは、例えば、
メインクラッチの径方向内側にパイロットクラッチを配
置する構成のように、メインクラッチとパイロットクラ
ッチを互いの径方向に配置することが容易であり、この
ような場合は、外径の寸法に対して軸方向に短い形状と
することができる。
【0039】これらの理由によって、本発明のカップリ
ングは、周辺にほとんど変更を加えずに、そのままのレ
イアウトや支持方法を保ちながら、低コストで、容易に
トルクコンバータと交換することが可能である。
【0040】従って、本発明のカップリングを用いれ
ば、既存の部材や機構を有効に利用しながら、種々の動
力伝達装置を、極めて低コストに成立させることが可能
になる。
【0041】これに加えて、本発明のカップリングで
は、相対回転する部材間でトルクが伝達されないから、
相対回転を吸収するためのベアリングが不要であり、そ
れだけ部品点数が低減され、低コストに構成することが
できると共に、設計の自由度が向上する。
【0042】また、従来例と異なって、トルクを受けた
状態で部材が摺動するスプライン部などの連結部がトル
ク伝達経路に含まれていないから、ヒステリシス現象が
極めて軽微である。
【0043】従って、トルク伝達特性を精密に制御する
ことが可能であり、例えば、車両の動力伝達経路に配置
するカップリングや発進クラッチのようにトルク伝達特
性を精密に、また、長期にわたり安定して制御する必要
のある装置に好適である。
【0044】請求項2の発明は、請求項1に記載のカッ
プリングであって、パイロットクラッチの操作手段が電
磁石であり、この電磁石が静止部材に連結されていると
共に、そのリード線が静止部材に沿って外部に取り出さ
れていることを特徴とし、請求項1の構成と同等の作用
・効果が得られる。
【0045】また、パイロットクラッチの操作手段に電
磁石を用いたことにより、圧力システムを操作手段にし
た従来例と異なって、ポンプとその駆動源及び配管など
が不要になるから、構造が簡単で、低コストになると共
に、配置スペースが狭くてすみ、軽量で車載性に優れ、
高い信頼性が得られる。
【0046】また、電磁石の励磁電流値調整によって、
トルク伝達特性を精密に制御することができると共に、
トルク伝達特性の経時変化も電流値調整によって容易に
補正できるから、長期にわたって安定したトルク伝達特
性が得られる。
【0047】また、電磁石のリード線は、静止部材に沿
って外部に取り出されており、無理な力が掛かることが
防止されるから、断線のような事故がなくなり、長期に
わたって正常な機能が保たれる。
【0048】また、電磁石を静止側に固定した構成は、
回転側に配置した電磁石に、例えば、スリップリングと
ブラシとを介して電流を送る構成と較べると、電磁石に
安定して大電力を送ることができる上に、ブラシとスリ
ップリングの寿命による耐久性低下が避けられる。
【0049】また、これら消耗部品の交換が不要にな
り、保守点検コストの上昇が防止される。
【0050】請求項3の発明は、請求項1,2のいずれ
かに記載のカップリングであって、変換手段が、伝達ト
ルクを増幅しながら操作力に変換するカム機構であるこ
とを特徴とし、請求項1,2の構成と同等の作用・効果
が得られる。
【0051】また、カム機構の増幅機能によってメイン
クラッチの操作力が増幅されるから、カップリングのト
ルク伝達容量が強化されると共に、メインクラッチと電
磁石をそれだけ小型、軽量にすることが可能になり、車
載性がさらに向上する。
【0052】また、電磁石の小型化に伴って車載バッテ
リの負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。
【0053】また、カム機構は小型で大きな操作力が得
られるから、配置スペース上の負担を増加させずに、カ
ップリングのトルク伝達容量を強化できる。
【0054】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載のカップリングであって、パイロットクラッチ
が、コーンクラッチであることを特徴とし、請求項1〜
3の構成と同等の作用・効果が得られる。
【0055】また、摩擦面数の少ないコーンクラッチを
用いたこの構成では、連結を解除するときのドラグトル
クが小さい。
【0056】従って、このカップリングを、例えば、自
動変速機(AT)の発進クラッチに用い、そのオイル
(ATF)で湿式クラッチにしても、ドラグトルクが小
さいから騒音レベルが極めて低い。
【0057】また、ドラグトルクが小さいことにより、
変速に当たってトルクをほぼ完全に遮断できるから、円
滑な変速が可能であり、また、本発明のカップリングを
変速機構と直列に組み合わせた場合には、シンクロ機構
の容量を小さくすることができるから、それだけコスト
が低減される。
【0058】また、自動変速機用のオイルポンプを利用
し、自動変速機とカップリング内部とで潤滑環境を共有
する場合は、専用のオイルポンプが不要になり、コスト
が低減される。
【0059】請求項5の発進クラッチは、請求項1〜4
のいずれかに記載されたカップリングの入力側トルク伝
達部材をエンジン側に連結し、出力側トルク伝達部材を
変速機側に連結したことを特徴とする。
【0060】この構成は、請求項1〜4のカップリング
をエンジンと変速機の間に配置して発進クラッチにした
ものであり、上記のように、トルクコンバータとの交換
を、周辺にほとんど変更を加えず、そのままのレイアウ
トを保ちながら、低コストで、容易に行える。
【0061】また、請求項4の特徴を持った構成では、
ドラグトルクが防止され、連結解除操作に応じてエンジ
ンと変速機とを完全に切り離すことができるから、信号
などで停車したときのクリープ現象が防止され、クリー
プ現象に伴う燃費の低下が防止される。
【0062】また、変速機は、このように変速時にエン
ジンと完全に切り離されるから、円滑な変速が可能にな
ると共に、変速機のシンクロ機構に必要な容量がそれだ
け小さくなる。
【0063】従って、シンクロ機構を含めて変速機が小
型軽量になり、車載性がさらに向上する。
【0064】
【発明の実施の形態】図1によって発進クラッチ1(本
発明の一実施形態)の説明をする。
【0065】この発進クラッチ1は車両の自動変速機
(AT)の一部を構成しており、請求項5及び請求項
1,2,3の特徴を備えている。なお、左右の方向は図
1での左右の方向であり、エンジンは発進クラッチ1の
右側に配置され、自動変速機は左側に配置されている。
また、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0066】発進クラッチ1は、エンジンのクランク軸
に連結された入力軸3、クラッチハウジング5(入力側
トルク伝達部材)、磁性材料のロータ7(出力側トルク
伝達部材)、多板式のメインクラッチ9、プレッシャー
プレート11(操作部材)、多板式のパイロットクラッ
チ13、アーマチャ15、ボールカム17(カム機構:
変換手段)、中空シャフト19(静止部材)、電磁石2
1(操作手段)、ギヤポンプ23(オイルポンプ)、コ
ントローラなどから構成されている。
【0067】入力軸3にはフランジ部材25がボルト2
7によって固定されている。フランジ部材25はトーシ
ョンスプリング29を介してディスク31に連結されて
おり、トーションスプリング29はそのダンパー機能に
よってエンジンの回転変動と、起動時及び停止時のショ
ックを吸収する。
【0068】クラッチハウジング5は、支持ボス33と
ボルト34とによってディスク31に固定されている。
また、クラッチハウジング5の中心部に設けられた凸部
35は、入力軸3の中心部に設けられた凹部36に係合
して、両者をセンターリングしている。
【0069】ロータ7は、自動変速機側の出力軸37に
内周をスプライン連結されており、その外周にはリング
39が一体回転可能に連結されている。
【0070】メインクラッチ9は、パイロットクラッチ
13の径方向外側に配置されており、軸方向に交互配置
された複数枚のアウタープレート41とインナープレー
ト43とを有し、クラッチハウジング5とリング39
(ロータ7)との間に配置されている。アウタープレー
ト41はクラッチハウジング5の内周にスプライン連結
されており、インナープレート43はリング39の外周
にスプライン連結されている。
【0071】また、クラッチハウジング5は発進クラッ
チ1の外殻部材であり、その左側壁部45はメインクラ
ッチ9の受圧部になっている。
【0072】プレッシャープレート11はメインクラッ
チ9の押圧部材であり、メインクラッチ9とパイロット
クラッチ13の右側に配置され、そのボス部47はニー
ドルベアリング49を介して出力軸37上に支承されて
いる。また、プレッシャープレート11と各プレート4
1,43との間には押圧リング50が配置されている。
【0073】パイロットクラッチ13は、軸方向に交互
配置された複数枚のアウタープレート51とインナープ
レート53とを有し、リング39(ロータ7)とボス部
47(プレッシャープレート11)との間に配置されて
いる。アウタープレート51はリング39の内周にスプ
ライン連結されており、インナープレート53はボス部
47の外周にスプライン連結されている。
【0074】このように、リング39を挟んで、パイロ
ットクラッチ13はメインクラッチ9の径方向内側に配
置されており、これらは軸方向に完全にオーバーラップ
している。
【0075】アーマチャ15は、パイロットクラッチ1
3(各プレート51,53)の右側に配置されており、
プレッシャープレート11のボス部47外周にスプライ
ン連結されている。
【0076】ボールカム17は、プレッシャープレート
11(ボス部47)とクラッチハウジング5の円板部5
5にそれぞれ形成されたカム溝にボール57を配置して
構成されている。
【0077】このように、ボールカム17はパイロット
クラッチ13とクラッチハウジング5の回転中心付近に
配置されているから、パイロットクラッチ13とクラッ
チハウジング5から大きなトルクを受ける。
【0078】中空シャフト19は、エンジンの静止部分
に連結された静止部材であり、トルクコンバータが用い
られる場合は、そのステータを連結するために用いられ
る部材である。
【0079】出力軸37は中空シャフト19を貫通し、
ベアリング59によって中空シャフト19に支承されて
いる。また、出力軸37と中空シャフト19との間には
オイル漏れを防止するシール61が配置されている。
【0080】電磁石21は、ベアリング63によってロ
ータ7上に支承されている。また、電磁石21に固定さ
れた支持部材65は噛み合い部によって中空シャフト1
9に連結され、電磁石21の回転を防止している。
【0081】中空シャフト19の外周には軸方向の溝6
7が設けられており、電磁石21のリード線69はこの
溝67を通って発進クラッチ1の外部に取り出され、さ
らに、発進クラッチ1を収容するトランスミッションケ
ース71に取り付けられたグロメットから外部に引き出
されて、車載のバッテリに接続されている。
【0082】また、電磁石21はロータ7に設けられた
凹部73に所定のエアギャップを介して配置されてい
る。
【0083】ロータ7には非磁性体(例えば、ステンレ
ス鋼)のリング75が溶接されており、このリング75
によって径方向外側と内側で磁気的に絶縁されている。
また、パイロットクラッチ13の各プレート51,53
には、リング75と対応する位置に、切り欠きが周方向
等間隔に設けられており、これらのリング75と切り欠
きとによって電磁石21の磁力の短絡が防止されてい
る。
【0084】コントローラは、電磁石21の励磁、電流
調整、励磁停止などを行う。
【0085】電磁石21が励磁されると、アーマチャ1
5が吸引されてパイロットクラッチ13が締結され、プ
レッシャープレート11が出力軸37側に連結され、ク
ラッチハウジング5からボールカム17にエンジンの駆
動力が掛かり、発生したカムスラスト力によってプレッ
シャープレート11が左に移動し、クラッチハウジング
5の左側壁部45との間でメインクラッチ9を押圧して
締結する。
【0086】こうして、発進クラッチ1が連結され、車
両が発進可能になる。
【0087】なお、メインクラッチ9を押圧するボール
カム17のカムスラスト力はクラッチハウジング5の左
側壁部45に掛かり、カム反力はクラッチハウジング5
の円板部55に掛かるから、メインクラッチ9の押圧力
とその反力はクラッチハウジング5上で相殺される。
【0088】また、電磁石21の励磁電流を制御してア
ーマチャ15の吸引力を調整すると、パイロットクラッ
チ13に滑りが生じてボールカム17のカムスラスト力
が変化し、メインクラッチ9(発進クラッチ1)の伝達
トルクが変化し、車輪に送られるエンジンの駆動力を調
整することができる。
【0089】また、変速時は電磁石21の励磁を停止す
る。
【0090】電磁石21の励磁を停止すると、パイロッ
トクラッチ13が開放されてボールカム17のカムスラ
スト力が消失し、メインクラッチ9が開放されて発進ク
ラッチ1の連結が解除され、変速が容易になる。
【0091】ギヤポンプ23は、ポンプケーシング7
7、互いに噛み合うリングギヤ79と内接ギヤ81など
から構成されている。
【0092】ポンプケーシング77はトランスミッショ
ンケース71に固定されており、リングギヤ79はポン
プケーシング77に回転自在に支承されている。また、
内接ギヤ81はギヤポンプ23の入力側部材であり、ベ
アリング83によって中空シャフト19の外周に支承さ
れている。
【0093】また、クラッチハウジング5の左側壁部4
5には円筒部85(延設部)が形成されており、この円
筒部85は連結部87によって内接ギヤ81に連結され
ている。
【0094】また、クラッチハウジング5の内部には潤
滑用のオイルが封入されており、円筒部85とポンプケ
ーシング77との間には、これらの相対回転を吸収する
ブッシュ89と、オイル漏れを防止するシール91が配
置されている。
【0095】このように、内接ギヤ81がエンジン側に
直結されたクラッチハウジング5と連結されていること
により、エンジンが回転している間、ギヤポンプ23は
エンジンの駆動力によって常時駆動され、トランスミッ
ションケース71に設けられているオイル溜まりからオ
イルを吸い上げる。
【0096】出力軸37には、軸方向の油路93と、こ
れと連通する径方向の油路95,97,99が設けられ
ている。
【0097】ギヤポンプ23の油圧は自動変速機の変速
操作に供されるのに加え、ギヤポンプ23で加圧された
オイルが油路93からクラッチハウジング5内部に供給
されると共に、油路93から径方向の油路95,97,
99に供給され、その圧力と遠心力とによって各油路9
5,97,99から、中空シャフト19と出力軸37と
の摺動部、ベアリング49,59,63、ボールカム1
7、パイロットクラッチ13、メインクラッチ9などに
与えられ、これらを充分に潤滑・冷却し、耐久性を大き
く向上させる。
【0098】こうして、発進クラッチ1が構成されてい
る。
【0099】発進クラッチ1のように、エンジンの駆動
力によってギヤポンプ23を常時駆動する構成は、エン
ジンの駆動力によってポンプ羽根車を回転させるトルク
コンバータと類似している。
【0100】さらに、メインクラッチ9の径方向内側に
パイロットクラッチ13を配置した発進クラッチ1は、
外径寸法に対して軸方向に短い形状にすることができ
る。
【0101】これらの理由によって、発進クラッチ1
は、そのままトルクコンバータと交換することができる
から、トルクコンバータとの交換を、レイアウトや支持
方法を保ちながら、容易に、低コストで行うことができ
る。
【0102】従って、発進クラッチ1を用いれば、既存
の機能や部材を有効に利用しながら種々の動力伝達装置
を、極めて低コストに成立させることが可能になる。
【0103】また、発進クラッチ1では、上記のよう
に、相対回転する部材間でトルクが伝達されないから、
従来例において部材255,257の間に配置されたベ
アリング253のような、相対回転を吸収するためのベ
アリングが不要であり、それだけ部品点数が少なく、低
コストに構成することができ、設計の自由度が向上す
る。
【0104】また、従来例と異なって、トルクを受けた
状態で部材263が移動するスプライン部239のよう
な連結部がトルク伝達経路に含まれていないから、発生
するヒステリシスが極めて軽微であり、トルク伝達特性
を精密に制御することができる。
【0105】また、操作手段に電磁石21を用いたこと
により、圧力システムを操作手段にした従来例と異なっ
て、ポンプとその駆動源や配管などが不要になるから、
発進クラッチ1は、それだけ構造が簡単で、低コストで
あり、配置スペースが狭くてすみ、軽量で車載性に優
れ、高い信頼性が得られる。
【0106】また、電磁石21の励磁電流を調整するこ
とによって、トルク伝達特性を精密に制御することがで
きる。
【0107】さらに、各クラッチ9,13やボールカム
17の特性に生じる経時変化を電磁石21の電流値によ
って容易に補正することができるから、長期にわたって
安定したトルク伝達特性が得られる。
【0108】また、電磁石21のリード線69は、静止
部材である中空シャフト19の溝67に沿って外部に取
り出されており、無理な力が掛かることが防止されてい
るから、断線のような事故がなくなり、発進クラッチ1
は長期にわたって正常な機能が保たれる。
【0109】また、電磁石21を静止側に固定した発進
クラッチ1は、回転側に配置された電磁石にスリップリ
ングとブラシを介して電流を送る構成と較べると、電磁
石21に安定して大電力を送ることが可能であり、その
上、ブラシとスリップリングの寿命による耐久性低下が
防止されると共に、これら消耗部品の交換が不要にな
り、保守点検コストの上昇が避けられる。
【0110】また、ボールカム17の増幅機能によって
メインクラッチ9の操作力が増幅され、発進クラッチ1
のトルク伝達容量が強化されるから、メインクラッチ9
と電磁石21の小型軽量化が可能になり、発進クラッチ
1の車載性がさらに向上する。
【0111】また、電磁石21の小型化に伴って車載バ
ッテリの負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。
【0112】また、ボールカム17は小型で大きな押圧
力が得られるから、配置スペース上の負担を掛けずに、
発進クラッチ1のトルク伝達容量を強化できる。
【0113】以上の効果に加えて、発進クラッチ1は、
次のような効果が得られる。
【0114】メインクラッチ9とパイロットクラッチ1
3とが軸方向にほぼ完全にオーバーラップしているか
ら、発進クラッチ1は軸方向にコンパクトに構成され、
車載性に優れている。
【0115】また、メインクラッチ9が径方向外側に配
置され大径になっているから、クラッチ容量を大きくし
易く、クラッチ容量が同一の場合はアウタープレート4
1とインナープレート43の枚数が減るから、発進クラ
ッチ1は軸方向に更にコンパクトになり、軽量になる。
【0116】また、メインクラッチ9及びパイロットク
ラッチ13と、ボールカム17の一部を構成するプレッ
シャープレート11とが互いに軸方向に配置されている
(径方向にオーバーラップしている)ことにより、発進
クラッチ1は径方向にも小型化されており、車載性が更
に向上している。
【0117】また、ボールカム17は、クラッチハウジ
ング5及びパイロットクラッチ13の回転軸に近い箇所
に配置されたことにより、それだけ大きなトルクを受け
ることができるから、メインクラッチ9(発進クラッチ
1)のトルク伝達容量が強化され、これらを更に小型軽
量にすることが可能になる。
【0118】また、リング39を、メインクラッチ9と
パイロットクラッチ13との間で共用するから、部品点
数が低減され、発進クラッチ1が更に小型で軽量になる
と共に、メインクラッチ9とパイロットクラッチ13を
上記のように径方向に配置することが可能になる。
【0119】また、プレッシャープレート11とクラッ
チハウジング5との間にボールカム17を配置したこと
によって、上記のように、メインクラッチ9の押圧力と
その反力がクラッチハウジング5の内部で相殺されるか
ら、周辺の部材に負担が掛からず、これらの耐久性が大
きく向上する。
【0120】また、ギヤポンプ23を自動変速機との間
で共用することによって、専用のオイルポンプが不要に
なり、コストが更に低減される。
【0121】なお、ボールカム17のカム溝が形成され
たクラッチハウジング5はカム溝の強度(負荷容量)を
高く保つために、例えば、高周波焼き入れ、軟窒化処理
などの表面硬化処理を施す必要がある。
【0122】そこで、クラッチハウジング5は、中心側
の円板部55と、その外側の部分とに分割してあり、カ
ム溝が形成されるこの円板部55だけを表面硬化処理す
ることができるから、クラッチハウジング5全体を熱処
理する場合と較べて、熱処理コストが大幅に低減され、
生産性が大きく向上する。
【0123】熱処理後の円板部55は、溶接、圧着、銅
ろう付け、溶剤による接着、あるいは、その他の固着手
段で外側の部分と一体にする。
【0124】なお、エンジンのトルクは、例えば、10
0〜300Nm程度であり、さらに、大きなトルクはク
ラッチハウジング5からメインクラッチ9を通り、円板
部55を通らないから、円板部55の代わりに、硬化処
理しない材料を用いても充分な耐久性が得られる。
【0125】なお、本発明において、メインクラッチと
パイロットクラッチは、多板クラッチの他に、例えば、
単板クラッチ、コーンクラッチなどのように、どのよう
な形式の摩擦クラッチを用いてもよい。
【0126】また、これらは湿式でも乾式でもよい。
【0127】また、多板クラッチや単板クラッチのアウ
タープレートとインナープレートのには、カップリング
や発進クラッチに用いられたときに必要な強度、耐久
性、あるいは、潤滑オイルのような周辺環境に対する適
性などの条件に合わせて、例えば、スティール、カーボ
ン、ペーパーやこれら以外のプレート材料の中から自由
に選択することができる。
【0128】また、パイロットクラッチの操作手段は、
電磁石に限らず、電動モータの回転を変換手段で減速し
ながら操作力に変換するアクチュエータや、油圧アクチ
ュエータのような流体圧アクチュエータでもよい。
【0129】また、オイルポンプは、ギヤポンプに限ら
ず、どのような形式のオイルポンプでもよい。また、ギ
ヤポンプは、実施形態に用いられたような内接型のギヤ
ポンプではなく、外接型のギヤポンプでもよい。
【0130】また、請求項2の構成において、電磁石を
連結する静止部材と、リード線を外部に取り出すための
静止部材は、実施形態の中空シャフト19のように同一
部材でもよく、また、異なった部材でもよい。
【0131】また、このような静止部材は、トルクコン
バータのステータ用シャフト(中空シャフト19)に限
らず、他の静止部材でもよい。
【0132】また、リード線は、実施形態のように中空
シャフト19に設けた溝67に収容する他に、静止部材
に貫通孔を設け、これに通して外部に取り出してもよ
い。
【0133】また、この貫通孔以外の形態では、リード
線を静止部材の溝や外周に固定することが望ましく、こ
の固定方法は、機械的な固定方法の他に、オイルの環境
で可能ならば、接着剤を用いてもよい。
【0134】また、本発明のカップリングは、動力伝達
系の断続装置や発進クラッチに限らず、例えば、ハイブ
リッド自動車で駆動源を切り替える装置のような、他の
用途にも適用可能である。
【0135】
【発明の効果】請求項1のカップリングは、入力側トル
ク伝達部材を介してオイルポンプをエンジンで駆動する
構成が、ポンプ羽根車をエンジンで駆動するトルクコン
バータと類似しており、さらに、外径寸法に較べて軸方
向に短くできるから、周辺にほとんど変更を加えず、そ
のままのレイアウトを保ちながら、低コストで、容易に
トルクコンバータと交換することが可能であり、既存の
部材や機構を有効に利用しながら、種々の動力伝達装置
を極めて低コストに成立させることができる。
【0136】また、相対回転を吸収するためのベアリン
グが不要で部品点数が低減され、さらに低コストにな
り、設計の自由度が向上する。
【0137】また、トルクを受けた状態で部材が摺動す
ることがなく、ヒステリシス現象が極めて軽微であるか
ら、トルク伝達特性を精密に制御できる。
【0138】請求項2のカップリングは、請求項1の構
成と同等の効果が得られる。
【0139】また、パイロットクラッチの操作手段に電
磁石を用いたこの構成は、圧力システムを用いた構成と
異なって、構造簡単、低コストであり、配置スペースが
狭くてすみ、軽量で車載性に優れ、高い信頼性が得られ
る。
【0140】また、トルク伝達特性の精密な制御が可能
であり、長期にわたって安定した特性が得られる。
【0141】また、電磁石のリード線は、無理な力が掛
かることによる断線がなくなり、長期にわたって正常な
機能が保たれる。
【0142】また、静止側に固定された電磁石には、大
電力が安定して供給されると共に、消耗部品による耐久
性低下が防止され、消耗部品の交換が不要で、保守点検
コストの上昇が避けられる。
【0143】請求項3のカップリングは、請求項1,2
の構成と同等の効果が得られる。
【0144】また、カム機構によってトルク伝達容量が
強化され、メインクラッチと電磁石の小型軽量化が可能
になり、車載性がさらに向上する。
【0145】また、電磁石の小型化に伴って車載バッテ
リの負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。
【0146】また、小型で大きな操作力が得られるカム
機構によって、配置スペース上の負担を増加させずに、
カップリングのトルク伝達容量を強化できる。
【0147】請求項4のカップリングは、請求項1〜3
の構成と同等の効果が得られる。
【0148】また、摩擦面数の少ないコーンクラッチに
よって、連結を解除するときのドラグトルクが小さくな
り、湿式にして耐久性を向上させながら、騒音レベルを
改善できる。
【0149】また、発進クラッチに用いた場合は、ドラ
グトルクが小さいことにより変速時にトルクがほぼ完全
に遮断されて円滑な変速が可能になり、シンクロ機構の
容量を小さくすることが可能になってコストが低減され
る。
【0150】請求項5の発進クラッチは、請求項1〜4
の構成と同等の効果が得られる。
【0151】また、トルクコンバータとの交換を、周辺
にほとんど変更を加えず、そのままのレイアウトを保ち
ながら、低コストで容易に行えるから、既存の部材や機
構を有効に利用しながら、動力伝達装置の種々のレイア
ウトが、極めて低コストに成立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の断面図である。
【図2】従来例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の従来例に用いられたクラッチ装置の断面
図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】トルク伝達特性のヒステリシスを示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 発進クラッチ(カップリング) 5 クラッチハウジング(入力側トルク伝達部材) 7 ロータ(出力側トルク伝達部材) 9 メインクラッチ 11 プレッシャープレート(操作部材) 13 パイロットクラッチ 17 ボールカム(カム機構:変換手段) 19 中空シャフト(静止部材) 21 電磁石(操作手段) 23 ギヤポンプ(オイルポンプ) 85 クラッチハウジング5の円筒部(延設部)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力が入力する入力側のト
    ルク伝達部材と、駆動力を車輪側に出力する出力側のト
    ルク伝達部材と、これら両トルク伝達部材の間でトルク
    を伝達するメインクラッチと、操作手段によって連結操
    作されるパイロットクラッチと、パイロットクラッチを
    介して伝達トルクを受け、これを操作力に変換する変換
    手段と、この操作力をメインクラッチに伝達する操作部
    材と、近傍に配置されたオイルポンプとを備え、メイン
    クラッチ及びパイロットクラッチの一側が一方のトルク
    伝達部材に連結され、メインクラッチの他側が他方のト
    ルク伝達部材に連結され、パイロットクラッチの他側が
    操作部材に連結され、変換手段が操作部材と他方のトル
    ク伝達部材との間に設けられ、入力側トルク伝達部材の
    延設部が前記オイルポンプの入力側に連結されており、
    パイロットクラッチが連結されると伝達トルクを受けて
    変換手段が作動し、操作部材を介してメインクラッチを
    連結または連結解除すると共に、入力側トルク伝達部材
    に連結されたオイルポンプがエンジンの駆動力によって
    常時駆動されることを特徴とするカップリング。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明であって、パイロ
    ットクラッチの操作手段が電磁石であり、この電磁石が
    静止部材に連結されていると共に、そのリード線が静止
    部材に沿って外部に取り出されていることを特徴とする
    カップリング。
  3. 【請求項3】 請求項1,2のいずれかに記載の発明で
    あって、変換手段が、伝達トルクを増幅しながら操作力
    に変換するカム機構であることを特徴とするカップリン
    グ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の発明で
    あって、パイロットクラッチが、コーンクラッチである
    ことを特徴とするカップリング。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載されたカ
    ップリングの入力側トルク伝達部材をエンジン側に連結
    し、出力側トルク伝達部材を変速機側に連結したことを
    特徴とする発進クラッチ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006189112A (ja) * 2005-01-07 2006-07-20 Mazda Motor Corp 変速機の構造
JP2013509544A (ja) * 2009-10-29 2013-03-14 シェフラー テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト 湿式クラッチ

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