JP2002054539A - スタータ - Google Patents

スタータ

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JP2002054539A
JP2002054539A JP2000241215A JP2000241215A JP2002054539A JP 2002054539 A JP2002054539 A JP 2002054539A JP 2000241215 A JP2000241215 A JP 2000241215A JP 2000241215 A JP2000241215 A JP 2000241215A JP 2002054539 A JP2002054539 A JP 2002054539A
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Japan
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coil
pinion
ring gear
sub
motor
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JP2000241215A
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English (en)
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Sadayoshi Kajino
梶野  定義
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02NSTARTING OF COMBUSTION ENGINES; STARTING AIDS FOR SUCH ENGINES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02N2300/00Control related aspects of engine starting
    • F02N2300/10Control related aspects of engine starting characterised by the control output, i.e. means or parameters used as a control output or target
    • F02N2300/104Control of the starter motor torque

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  • Stopping Of Electric Motors (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Dc Machiner (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータを予備回転させてピニオンをリングギ
ヤに嵌合させることができながら、小型軽量かつ安価な
スタータを提供すること。 【解決手段】 本発明のスタータでは、直流モータ1の
固定子5は、三つの単体極に巻回されたメインコイル2
1と三つの単体極に巻回されたサブコイルとが、互いに
並列に接続されてなる直巻の界磁コイル2をもつ。キー
スイッチKが閉じられると、サブコイル22にはリレー
3を介して通電されるとともに、吸引コイル41を介し
てメインコイル21にも弱く通電される。それゆえ、ピ
ニオン9がリングギヤRに当接する前に直流モータ1に
は弱く通電され、ピニオン9はリングギヤに当接する前
に予備回転して、リングギヤRにスムースに噛み合う。
主接点44が閉じると、メインコイル21に大電流が流
れてピニオン9は全力で駆動され、エンジン始動に至
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レシプロケーティ
ング・エンジン等の内燃機関を始動するエンジンスター
タの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】通常、スタータは、ピニオンをエンジン
のリングギヤに突入嵌合させて、ピニオンを回転駆動す
ることによりエンジンをクランキングして始動する。こ
の際、ピニオンがリングギヤに嵌合しやすいように、ピ
ニオンがリングギヤに接触する前にピニオンをある程度
ゆっくりと回転させておき、スムースにピニオンの歯を
リングギヤの歯に嵌合させることが望ましい。それゆ
え、従来からキースイッチを閉じると先ずスタータモー
タがゆっくりと予備的な回転を始め、ピニオンがリング
ギヤに嵌合してから全力でスタータモータが回転するよ
うにしたスタータがある。
【0003】たとえば従来技術1として、実開平3−4
5074号公報には、固定子の磁極のうち一部は永久磁
石であり他の磁極は界磁コイルをもつスタータモータ
と、プランジャが引き込まれると初めて界磁コイルに通
電するマグネットスイッチとを有するスタータが開示さ
れている。このスタータによれば、キースイッチを閉じ
ると、先ず永久磁石だけによる弱い界磁によってスター
タモータがゆっくりと回転を始める。そして、ピニオン
がリングギヤに嵌合すると、マグネットスイッチの接点
が閉じるので界磁コイルに通電され強い界磁が得られ、
スタータモータは全力で回転する。
【0004】しかしながら、このスタータでは、固定子
の界磁に永久磁石と界磁コイルとを併用しているので、
永久磁石によって作られる界磁が弱く、全力運転しても
スタータモータの出力があまり大きくならない。それゆ
え、十分なモータ出力を得ようとすると、スタータモー
タの体格が大きくなり、スタータの重量や容積が大きく
なってしまううえに、スタータの価格も高価にならざる
を得ないという不都合がある。
【0005】一方、従来技術2として、特開平8−21
344号公報には、固定子の界磁が永久磁石だけによっ
て形成されるスタータモータと、ピニオンがリングギヤ
に嵌合するまでは抵抗素子を介して電機子に比較的小さ
な電流を通すリレーとを有するスタータが開示されてい
る。このスタータによれば、キースイッチを閉じると、
先ず抵抗素子を介し少しだけ電機子に通電されてスター
タモータがゆっくりと回転を始める。そして、ピニオン
がリングギヤに嵌合すると、マグネットスイッチの接点
が閉じて電機子に大電流が流れ、スタータモータは全力
で回転する。
【0006】しかしながら、このスタータでは、固定子
の界磁が永久磁石によって形成されているので界磁が弱
く、全力運転してもスタータモータの出力があまり大き
くならない。それゆえ、十分なモータ出力を得ようとす
ると、スタータモータの体格が大きくなり、スタータの
重量や容積が大きくなってしまうえに、強力な永久磁石
は高価であるから、スタータの価格も高価にならざるを
得ないという不都合がある。
【0007】なお、いずれの従来技術によっても、エン
ジン始動後にスタータへの通電が停止されると、スター
タモータを短絡させて逆起電力によるブレーキがかか
り、電機子が速やかに停止するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、モー
タを予備回転させてピニオンをリングギヤに嵌合させる
ことができながら、前述のいずれの従来技術よりも小型
軽量かつ安価なスタータを提供することを解決すべき課
題とする。
【0009】また、本発明が提供するスタータでは、予
備回転トルクが高く、リングギヤに対するピニオンの噛
み合い性が向上していることが望ましい。さらに、エン
ジン始動後に、逆起電力によるブレーキ作用があって速
やかに電機子の惰性回転を止められることが望ましい。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、発明者は以下の手段を発明した。
【0011】(第1手段)本発明の第1手段は、請求項
1記載のスタータである。すなわち、直流モータの固定
子は、複数のメインコイルと複数のサブコイルとが、互
いに並列に接続されてなる直巻の界磁コイルをもつ。こ
こで、サブコイルは、キースイッチが閉じられるとリレ
ーを介し、メインコイルに先んじて通電される補助的な
界磁コイルである。一方、メインコイルは、リレーが閉
じた後に遅れて閉じるマグネットスイッチを介して通電
される主要な界磁コイルである。
【0012】また、複数のサブコイルの互いの接続の仕
方は限定されているものではなく、同様に複数のメイン
コイルの互いの接続の仕方はも限定されてはいない。た
とえば、固定子の突極が8極あったとすれば、うち一つ
おきの4極にメインコイルを巻装し、残り4極にサブコ
イルを巻装した構成では、メインコイルが2パラレル2
シリーズで結線されていてもよい。
【0013】本手段では、キースイッチKが閉じられる
と、先ずリレーが閉じて、互いに直列に接続されたサブ
コイルと電機子とに通電され、直流モータが予備回転を
始める。すると、ピニオンは、マグネットスイッチによ
りリングギヤに向かって突出させられながら、直流モー
タにピニオンが比較的ゆっくりと駆動される。それゆ
え、ピニオンが予備回転しながらリングギヤに当接する
ので、ピニオンはリングギヤとあまり衝撃なしに噛み合
うことができる。
【0014】ここで、ピニオンがリングギヤと噛み合う
以前から作用している界磁コイルはサブコイルであり、
サブコイルは通常は比較的抵抗が高い。それゆえ、サブ
コイルと電機子との間には、小電流が流れるだけでも予
備回転に十分な電磁トルクが発生する。すなわち、予備
回転時には界磁磁石に永久磁石を使用する従来技術に比
べて、より強力な回転トルクが発生し、十分強力にピニ
オンが予備回転されるので、ピニオンのリングギヤに対
する噛み合い性は向上する。
【0015】次に、リレーが閉じるのに適度に遅れてマ
グネットスイッチが閉じ、通常は比較的抵抗が小さいメ
インコイルを通じて電機子に大電流が通電される。する
と、すでにリレーを介して通電されているサブコイルに
加えて、メインコイルに大電流が通電されるので、強力
な界磁が形成される。そればかりではなく、サブコイル
とメインコイルとは互いに並列に接続されているので、
電機子にはメインコイルの大電流だけではなくサブコイ
ルの電流も併せて通電され、電機子は強大なトルクで駆
動される。すると、すでにピニオンはリングギヤに噛み
合っているので、噛み合い衝撃はなしにピニオンがリン
グギヤを全力で回転駆動し、エンジンがクランキングさ
れて始動するに至る。
【0016】しかる後、キースイッチを開くと、リレー
が従動して復帰し、サブコイルの両端を電機子を介して
短絡させるに至る。すると、直流モータに逆起電力によ
る電磁制動がかかるので、キースイッチが開かれると速
やかに電機子はその回転を止める。
【0017】以上の作用において、本手段のスタータは
界磁磁石としての永久磁石を必要としないので、高価で
かさばる永久磁石を使用しない分だけ、コストダウンお
よび小型軽量化が可能になる。
【0018】したがって、本手段のスタータによれば、
モータを予備回転させてピニオンをリングギヤに嵌合さ
せることができながら、前述のいずれの従来技術よりも
小型軽量かつ安価に提供することができるようになると
いう効果がある。
【0019】また、本手段のスタータによれば、前述の
ように予備回転トルクが高く、リングギヤに対するピニ
オンの噛み合い性が向上しているという効果がある。さ
らに、エンジン始動後に、逆起電力によるブレーキ作用
が得られて速やかに電機子の惰性回転を止められるとい
う効果もある。そればかりではなく、メインコイルに比
べてサブコイルは自ずから抵抗が高くなるので、サブコ
イルに通電するリレーには比較的小さな電流しか流れ
ず、リレーの接点が溶着することは防止されるという効
果もある。
【0020】(第2手段)本発明の第2手段は、請求項
2記載のスタータである。すなわち、直流モータの固定
子において、直巻界磁コイルを構成するメインコイルと
サブコイルとは、互いに隣り合う単体極をそれぞれ形成
している。
【0021】本手段では、公知のスタータモータ(特開
平5−141332号公報および実公平4−41741
号公報)と異なり、固定子の各突極に直巻コイルが巻装
されたうえから分巻コイルが巻装されているわけではな
い。そうではなくて、本手段のメインコイルおよびサブ
コイルは、いずれも電機子に対して直列に接続された直
巻界磁コイルである。
【0022】そればかりではなく、本手段のスタータで
はメインコイルとサブコイルとは、互いに別個の突極に
巻装され、互いに隣り合う単体極をそれぞれ形成してい
る。それゆえ、メインコイルの巻装とサブコイルの巻装
とは、どちらから先に行われていてもよく、各突極を二
重に巻装しない分だけ固定子の構成は簡素になり、コス
トダウンにもなる。
【0023】したがって、本手段のスタータによれば、
前述の第1手段の効果に加えて、よりいっそうのコスト
ダウン効果が得られる。
【0024】(第3手段)本発明の第3手段は、請求項
3記載のスタータである。すなわち、直流モータの固定
子は、複数のメインコイルと複数のサブコイルとが互い
に並列に接続されてなる直巻の界磁コイルをもつ。
【0025】本手段では、メインコイルとサブコイルと
が互いに並列に接続されて直巻界磁コイル(電機子に対
して直列に接続された界磁コイル)を構成している。そ
れゆえ、ピニオンがリングギヤに噛み合うまでの予備回
転状態では、メインコイルには通電しないでおいて、
(キースイッチやリレーによって)サブコイルだけを通
して電機子に通電し、適度な大きさの回転トルクを得る
ことができる。そして、マグネットスイッチが閉じてメ
インコイルにも通電される際には、大電流がメインコイ
ルを通じて電機子に流れるので、直流モータは十分に大
きな回転トルクを発揮する。
【0026】また、本手段では、たとえば、メインコイ
ルは互いに並列に接続された複数のコイルからなるのに
対し、サブコイルは互いに直列に接続された複数のコイ
ルからなる構成とすることができる。すると、仮にメイ
ンコイルとサブコイルとを同一線径の導線でそれぞれ単
体極に巻装したとしても、自ずとサブコイルの抵抗値は
メインコイルの抵抗値よりも大きくなり、サブコイルを
通じては比較的小さな電流しか流れない。したがって、
サブコイルに通電するキースイッチやリレーの接点が、
過大な電流によって融着してしまうような故障は防止さ
れている。
【0027】以上の作用において、本手段のスタータは
界磁磁石としての永久磁石を必要としないので、高価で
かさばる永久磁石を使用しない分だけ、コストダウンお
よび小型軽量化が可能になる。
【0028】したがって、本手段のスタータによれば、
モータを予備回転させてピニオンをリングギヤに嵌合さ
せることができながら、前述のいずれの従来技術よりも
小型軽量かつ安価に提供することができるようになると
いう効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明のスタータの実施の形態に
ついては、当業者に実施可能な理解が得られるよう、以
下の実施例で明確かつ十分に説明する。
【0030】[実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としてのスタータ
は、図1に示すように、主要な構成要素として、ピニオ
ン9、直流モータ1、リレー3およびマグネットスイッ
チ4を有する。
【0031】ピニオン9は、直流モータ1の先端部にワ
ンウェイクラッチ8を介して取り付けられており、マグ
ネットスイッチ4が作動するとドライブレバー7を介し
て押し出され、突出してエンジンのリングギヤRに嵌合
し、リングギヤRを回転駆動する機能をもつ。
【0032】直流モータ1は、固定子5および電機子6
をもち、ピニオン9を回転駆動するスタータモータであ
る。直流モータ1の固定子5の構成については、後で詳
しく述べる。
【0033】リレー3は、キースイッチKに従動して閉
じる固定接点33,34をもち、固定接点33,34を
介して直流モータ1に補助的に通電する機能をもつ。キ
ースイッチKは常閉接点31,32をもち、これらを介
して、キースイッチKが開いているときには界磁コイル
2の一部(サブコイル22)と電機子6とを短絡させて
いる。
【0034】マグネットスイッチ4は、ソレノイドコイ
ル40と、ソレノイドコイル40に吸引されるプランジ
ャ43と、プランジャ43によって閉じる主接点44と
を有する。ソレノイドコイル40は、吸引コイル41と
保持コイル42とからなり、保持コイル42は直接アー
スされているが、吸引コイル41は界磁コイルの一部
(メインコイル21)の一端に接続されている。それゆ
え、吸引コイル41に通電されていながらまだ主接点4
4が閉じていない間は、吸引コイル41を介して、メイ
ンコイル21および電機子6に予備的に通電されるよう
になっている。一方、主接点44は、一対の固定接点4
5,46と、プランジャ43の後端部に保持された可動
接点47とからなる。そしてマグネットスイッチ4は、
プランジャ43がソレノイドコイル40に吸引されて移
動し、主接点44が閉じると、バッテリBから大電流を
直流モータ1のメインコイル21および電機子6に流す
ようになっている。すなわち、マグネットスイッチ4
は、ピニオン9を突出させ、ピニオン9がリングギヤR
に嵌合すると主接点44が閉じて直流モータ1に大電流
を通電する機能をもつ。
【0035】直流モータ1の固定子5は、互いに並列に
接続された三つのメインコイル21と、互いに直列に接
続された三つのサブコイル22とが、互いに並列に接続
されてなる直巻の界磁コイル2をもつ。ここで、サブコ
イル22は、キースイッチKが閉じられるとリレー3を
介し、メインコイル21に先んじて通電される補助的な
界磁コイルである。一方、メインコイル21は、リレー
3が閉じた後に遅れて閉じるマグネットスイッチ4を介
して通電される主要な界磁コイルである。
【0036】すなわち、通常の直巻分巻モータとは異な
り、固定子5の各突極51に直巻コイルが巻装されたう
えから分巻コイルが巻装されているわけではない。そう
ではなくて、メインコイル21(三つが並列)およびサ
ブコイル22(三つが直列)は、いずれも電機子6に対
して直列に接続された直巻界磁コイルである。
【0037】直流モータ1の固定子5では、図2に示す
ように、直巻界磁コイル2を構成するメインコイル21
とサブコイル22とは、互いに隣り合う単体極をそれぞ
れ形成している。すなわち、ヨーク52の内周面には6
0°毎に六つの突極51が固定されており、各突極51
には交番にメインコイル21とサブコイル22とが巻装
されている。ここで、メインコイル21では、大電流に
耐えうるように断面積が大きな平角線が巻装されてお
り、一方、サブコイル22では、比較的断面積が小さい
円断面の導線がソレノイドコイル状に巻装されている。
【0038】それゆえ、メインコイル21とサブコイル
22とは、互いに別個の突極51に巻装されており、互
いに隣り合う単体極をそれぞれ形成している。その結
果、メインコイル21の巻装工程とサブコイル22の巻
装工程とは、どちらから先に行われていてもよく、各突
極51を二重に巻装しない分だけ固定子5の構成は簡素
になり、コストダウンにもなる。
【0039】(実施例1の作用効果)本実施例のスター
タは、以上のように構成されているので、以下のような
作用効果を発揮する。
【0040】先ず、キースイッチKが閉じられると、マ
グネットスイッチ4のソレノイドコイル40に通電され
てプランジャ43が吸引され始めるとともに、リレー3
が作動する。
【0041】この際、ソレノイドコイル40のうち吸引
コイル41は、前述のようにメインコイル21の一端に
接続されているので、吸引コイル41に通電された電流
は、互いに並列なメインコイル21と電機子6とを通じ
てアースに流れる。この際の電流は、吸引コイル41の
抵抗によって大幅に制限され、わずかしか流れない。そ
れゆえ、メインコイル21は弱い界磁を生じ、電機子6
は補助的な回転駆動トルクを得る。
【0042】これと並行して、リレー3の固定接点3
3,34が閉じて、互いに直列に接続された三つのサブ
コイル22と電機子6とに通電され、電機子6には比較
的弱い回転トルクが生じる。
【0043】すなわち、吸引コイル41を介してメイン
コイル21が弱く励磁されるとともに、リレー3を介し
てサブコイル22も励磁されるので、電機子6には回転
トルクが生じて直流モータ1が予備回転を始める。する
と、ピニオン9は、マグネットスイッチ4によりリング
ギヤRに向かって突出させられながら、直流モータ1に
よってピニオン9が比較的ゆっくりと駆動される。それ
ゆえ、ピニオン9が予備回転しながらリングギヤRに当
接するので、ピニオン9とリングギヤRとは、あまり衝
撃なしに噛み合うことができる。
【0044】ここで、ピニオン9がリングギヤRと噛み
合う以前から、前述のようにメインコイル21とサブコ
イル22とがともに励磁されている。しかし、メインコ
イル21には吸引コイル41を介しているので未だ大電
流は流れておらず、メインコイル21は弱くしか励磁さ
れない。一方、サブコイル22には前述のようにリレー
3を介して通電されているが、サブコイル22は、メイ
ンコイル21に比べて導線の巻回回数が多く、さらに導
線が長くその断面積が小さいうえに、三つが互いに直列
で接続されている。それゆえ、サブコイル22は比較的
抵抗が高く、サブコイル22には比較的小さな電流しか
流れなくても、サブコイル22と電機子6との間には予
備回転に十分な電磁トルクが発生する。
【0045】すなわち、予備回転時には、界磁磁石2に
永久磁石を使用する従来技術に比べて、メインコイル2
1およびサブコイル22の両方が励磁されるので、より
強力な回転トルクが発生する。その結果、十分強力なト
ルクをもってピニオン9が予備回転されるので、ピニオ
ン9は速やかにリングギヤに噛み合い、ピニオン9のリ
ングギヤRに対する噛み合い性は向上する。
【0046】次に、リレー3が閉じるのに適度に遅れて
マグネットスイッチ4が閉じ、吸引コイル41を介さず
直接的に主接点44を介して、比較的抵抗が小さいメイ
ンコイル21を通じて電機子6に大電流が通電される。
すると、すでにリレー3を介して通電されているサブコ
イル22に加えて、メインコイル21に大電流が通電さ
れるので、強力な界磁が形成される。そればかりではな
く、サブコイル22とメインコイル21とは互いに並列
に接続されているので、電機子6にはメインコイル21
の大電流だけではなくサブコイル22の電流も併せて通
電され、電機子6は強大なトルクで駆動される。する
と、すでにピニオン9はリングギヤRに噛み合っている
ので、もはや噛み合い衝撃なしにピニオン9がリングギ
ヤRを全力で回転駆動し、エンジン(図略)がクランキ
ングされて始動するに至る。
【0047】しかる後、キースイッチKを開くと、マグ
ネットスイッチ4が復帰して主接点44が開き、メイン
コイル21への通電は停止される。これと並行して、リ
レー3がキースイッチKに従動して復帰し、サブコイル
22への通電が停止するとともに、常閉接点31,32
が閉じ、サブコイル22の両端は電機子6を介して短絡
するに至る。すると、直流モータ1に逆起電力による電
磁制動がかかるので、キースイッチKが開かれると速や
かに電機子6はその回転を停止する。
【0048】以上の作用において、本実施例のスタータ
では界磁磁石2として永久磁石を必要としないので、高
価でかさばる永久磁石を使用しない分だけ、コストダウ
ンおよび小型軽量化が可能になる。また、前述のように
メインコイル21とサブコイル22とがそれぞれ交番に
単体極を形成しているので、サブコイル22にメインコ
イル21を重ねて巻装する構成よりも巻装工程での低減
されており、コストダウンになる。
【0049】したがって、本実施例のスタータによれ
ば、直流モータ1を予備回転させてピニオン9をリング
ギヤRにスムースに噛み合わせることができながら、前
述のいずれの従来技術よりも小型軽量かつ安価にできる
という効果がある。
【0050】また、本実施例のスタータによれば、前述
のように、マグネットスイッチ4の主接点44が閉じる
前に、メインコイル2およびサブコイル22の両方に通
電されるので、予備回転トルクが高く、リングギヤRに
対するピニオン9の噛み合い性が向上しているという効
果がある。併せて、主接点44が閉じた後にも、メイン
コイル21だけではなくサブコイル22にも通電されて
いるので、直流モータ1の駆動トルクは大きくなり、エ
ンジンをより容易に始動させることができるという効果
がある。
【0051】さらに、エンジン始動後にキースイッチK
が開くと、逆起電力によるブレーキ作用が得られて速や
かに電機子の惰性回転を止められるという効果もある。
そればかりではなく、メインコイル21に比べてサブコ
イル22は自ずから抵抗が高くなるので、サブコイル2
2に通電するリレー3には比較的小さな電流しか流れ
ず、リレー3の接点が溶着することは防止されるという
効果もある。
【0052】(実施例1の変形態様1)本実施例の変形
態様1として、リレー3がなく、キースイッチKを介し
てサブコイル22に通電するスタータの実施が可能であ
る。本変形態様では、電磁制動作用は得られないが、リ
レー3がない分だけ実施例1よりも小型軽量化とコスト
ダウンとが可能になるという効果がある。
【0053】(実施例1の変形態様2)本実施例の変形
態様2として、マグネットスイッチ4の固定接点46が
接地されているスタータの実施が可能である。本変形態
様では、主接点44が閉じる前に吸引コイル41を介し
てメインコイル21が励磁されることがなくなるので、
予備駆動トルクは低くなるが、サブコイル22で十分な
界磁が得られるようであれば、実施例1に準ずる作用効
果が得られる。なお、比較的大きな電流にも耐えうるリ
レー3を採用するならば、三つのサブコイル22を互い
に並列に接続した構成をとってもよく、こうすれば予備
駆動トルクをある程度大きくすることができる。
【0054】(実施例1の変形態様3)本実施例の変形
態様3として、固定子5の各単体極を形成するメインコ
イル21およびサブコイル22が、同一規格の巻線で構
成されているスタータの実施も可能である。本変形態様
によれば、前述の実施例1の効果に準ずる効果に加え
て、メインコイル21およびサブコイル22の巻回工程
が一度に行えるので、さらなるコストダウンが可能にな
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としてのスタータの構成を示す回路
【図2】 実施例1の界磁磁石の構成を示す端面図
【符号の説明】
3:リレー 31,32:常閉接点 33,34:固定接点 4:マグネットスイッチ 40:ソレノイドコイル 41:吸引コイル 42:保持コイル 43:プランジャ 44:主接点 45,46:固定接点 47:可動接点 1:直流モータ 5:固定子 51:突極 52:ヨーク 2:界磁コイル 21:メインコイル(単体極三つが互いに並列) 22:サブコイル(単体極三つが互いに直列) 6:電機子 7:ドライブレバー 8:ワンウェイクラッチ
9:ピニオン B:バッテリ K:キースイッチ R:リングギヤ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】突出してエンジンのリングギヤに嵌合し、
    このリングギヤを回転駆動するピニオンと、 固定子および電機子をもち、このピニオンを回転駆動す
    る直流モータと、 キースイッチに従動してこの直流モータに補助的に通電
    するリレーと、 このピニオンを突出させ、このピニオンがこのリングギ
    ヤに嵌合するとこの直流モータに通電するマグネットス
    イッチと、を有するスタータにおいて、 前記固定子は、複数のメインコイルと複数のサブコイル
    とが互いに並列に接続されてなる直巻の界磁コイルをも
    ち、 このサブコイルは、前記キースイッチが閉じられると前
    記リレーを介して通電される補助的な界磁コイルであ
    り、 このメインコイルは、前記リレーが閉じた後に遅れて閉
    じる前記マグネットスイッチを介して通電される主要な
    界磁コイルであり、 前記リレーは、前記キースイッチが開くと従動して復帰
    し、前記サブコイルの両端を前記電機子を介して短絡さ
    せる、ことを特徴とするスタータ。
  2. 【請求項2】前記メインコイルと前記サブコイルとは、
    互いに隣り合う単体極をそれぞれ形成している、 請求項1記載のスタータ。
  3. 【請求項3】突出してエンジンのリングギヤに嵌合し、
    このリングギヤを回転駆動するピニオンと、 固定子および電機子をもち、このピニオンを回転駆動す
    る直流モータと、 このピニオンを突出させ、このピニオンがこのリングギ
    ヤに嵌合するとこの直流モータに通電するマグネットス
    イッチと、を有するスタータにおいて、 前記固定子は、複数のメインコイルと複数のサブコイル
    とが互いに並列に接続されてなる直巻の界磁コイルをも
    つことを特徴とするスタータ。
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