JP2002052632A - ポリオレフィン系熱収縮性積層チューブ - Google Patents
ポリオレフィン系熱収縮性積層チューブInfo
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Abstract
収縮仕上がり性、耐熱性等に優れたポリオレフィン系熱
収縮性積層チューブを提供する。 【解決手段】 最内層を形成する(A)層と最外層を形
成する(B)層の少なくとも2層からなる熱収縮性積層
チューブであって、最内層(A)層は、下記(a)成分
が50〜60重量%、(b)成分が50〜40重量%を
主成分とし、(B)層は、下記(a)成分が35〜50
重量%、(b)成分が65〜50重量%を主成分とする
混合樹脂層からなり、また(B)層の厚みが全層の厚み
の50〜98%である積層体を延伸してなることを特徴
とするポリオレフィン系熱収縮性積層チューブ。 (a)ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃である環
状オレフィン系重合体 (b)示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶化
熱量が10〜50J/gで、結晶融解ピーク温度(T
m)が125℃以上であるポリプロピレン系重合体
Description
どの電気部品の絶縁被覆用途に好適に使用される熱収縮
性チューブに関し、さらに詳細には、耐熱性、柔軟性、
被覆仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性
積層チューブに関する。
ューブとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)からなるチ
ューブが広く使用されている。PVCチューブは優れた
実用特性とコスト性を有しているものの、廃棄後焼却す
ると塩素を含んだガスを発生するということなどから、
近年PVC以外の材料(非PVC材料)が要望されつつ
ある。また電子機器の発展に伴って、その電気部品とし
て使用されるコンデンサにおいても高性能、高信頼化が
進んでおり、たとえばアルミ電解コンデンサにおいて
は、125℃以上の雰囲気温度で、長時間使用される用
途がある。
非PVC材料で且つ高耐熱性が必要となるが、チューブ
の耐熱性を上げるために、材料の融点やガラス転移温度
の高いものを選択すると、その結果、低温延伸性、低温
収縮性が損なわれるという欠点がある。チューブの延伸
及び収縮は、低温且つ短時間で行われた方が、製造、被
覆時とも作業性、コスト性が優れており望ましい。これ
らを解決し得る方法として、ポリエチレン系樹脂を主成
分としたチューブに、電子線等の電離放射線照射を行っ
て、低温延伸性、低温収縮性と耐熱性を同時に付与する
方法が開示されているが、その設備投資費用やランニン
グコストが高く、また製造工程の小スペース化が難かし
い等の問題点があった。
平9−278974号公報では、環状ポリオレフィンを
主体とした熱収縮性チューブが開示されているが、これ
らのチューブでは、自動機に適した腰(剛性)を保持す
る目的から、環状ポリオレフィンに混合する他のポリオ
レフィン系樹脂の添加量や特性等が制限されているため
低温収縮性は付与できるが、低温収縮性、耐熱性および
柔軟性を同時に満たすことができない等の問題点があっ
た。本発明者らは、上記の問題を解決するため、特定の
環状オレフィン系重合体と高融点低結晶性ポリプロピレ
ン系重合体との混合組成物により、低コスト、耐熱性、
柔軟性、低温延伸、低温収縮性を満たす方法を提案して
いる(特願2000−196208号)。
め、結晶性の低いポリプロピレン系樹脂を多量に混合す
ると延伸工程での加熱によって、延伸前のチューブ内面
が密着してチューブラー延伸が難しくなる等の問題が発
生することがあった。このような内面密着の問題を解決
する手段としては、滑剤等の添加剤を配合して防止する
ことが一般的である。通常このような内面密着を防ぐに
は多量の添加剤が必要であるため、収縮チューブの滑性
が増大し、収縮チューブの被覆の際、例えばシュリンク
トンネル等を使用する場合等に、通過中に被覆物体とチ
ューブにずれが生じて被覆位置がずれる等の被覆仕上が
り性に問題が発生しやすい。これらのことにより、延伸
性、柔軟性、耐熱性、製造コスト、被覆仕上がり性を有
するバランスに優れた熱収縮性チューブは見出されてい
なかった。
性、柔軟性、耐熱性、製造コスト、被覆仕上がり性など
に優れたポリオレフィン系熱収縮性積層チューブを提供
することにある。
を重ねた結果、特定の熱特性を有するポリプロピレン系
重合体と環状オレフィン系重合体を用い、さらにこれら
を所定の割合で混合し積層化することで上記課題を達成
することができることを見出したものであり、その要旨
は、最内層(A)層と最外層(B)の少なくとも2層か
らなる熱収縮性積層チューブであって、最内層(A)
は、下記(a)成分が50〜60重量%、(b)成分が
50〜40重量%を主成分とし、外層(B)は、下記
(a)成分が35〜50重量%、(b)成分が65〜5
0重量%を主成分とする混合樹脂層からなり、また
(B)層の厚みが全層の厚みの50〜98%である積層
体を延伸してなることを特徴とするポリオレフィン系熱
収縮性積層チューブに存する。 (a)ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃である環
状オレフィン系重合体 (b)示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶化
熱量が10〜50J/gで、結晶融解ピーク温度(T
m)が125℃以上であるポリプロピレン系重合体
本発明は、特定の環状オレフィン系重合体とポリプロピ
レン系重合体を配合し、低温延伸、低温収縮性、耐熱
性、柔軟性に優れた熱収縮性積層チューブであり、円筒
状の積層チューブを最内層(A)と最外層(B)の少な
くとも2層から構成し、各層の主な特性として最内層
(A)が内面密着を防ぐこと、最外層(B)が、(A)
より高い柔軟性を付与することを特徴としている。それ
ぞれ最内層(A)最外層(B)とも(a)成分であるガ
ラス転移温度(Tg)が50〜90℃である環状オレフ
ィン系重合体と(b)成分である示差走査熱量計(DS
C)にて測定される結晶化熱量が10〜50J/gで、
結晶融解ピーク温度(Tm)が125℃以上であるポリ
プロピレン系重合体とを主成分とする。
系重合体は、ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃で
ある環状オレフィン系樹脂である。ガラス転移温度が5
0℃未満では得られた熱収縮性チューブの自然収縮が大
きくなり、寸法安定性に欠けるチューブとなりやすく実
用上好ましくない。また90℃を越えると低温延伸、そ
の結果低温熱収縮性が得られず好ましくない。このこと
から好適なガラス転移温度の範囲は60〜85℃であ
る。なお、本発明において使用するガラス転移温度(T
g)は、次のようにして求めた値である。すなわち、岩
本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーターVES−
F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/分
で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)のピ
ーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(Tg)
とした。
の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はな
く、上記一般式(1)で表される環状オレフインとエチ
レンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)
重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物、
およびこれらの(共)重合体のグラフト変性物などが挙
げられる。ここで上記一般式(1)で表される環状オレ
フインの例としては、下記式(2)のビシクロヘプト−
2−エン(2−ノルボルネン)およびその誘導体、例え
ばノルボルネン、6−メチルノルボルネン、6−エチル
ノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロ
ピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチ
ルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−
フエニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネンなど
を挙げることができる。
デセンおよびその誘導体としては、例えば8−メチルテ
トラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−
3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセ
ン、2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、
5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセンなどを
挙げることができる。
状オレフィンとのランダム共重合体を好適に使用するこ
とができ、例えば、上記一般式(1)で表される環状オ
レフインを20〜50モル%程度含有するエチレンとの
共重合体を例示することができる。また、エチレン以外
のα−オレフインを含むものや、第3成分としてブタジ
エン、イソプレンなどを含有するものであってもよい。
環状オレフインの含有量により各種のガラス転移温度を
有するものがあり、具体的には、三井化学(株)製の商
品名「アペル」やTicona社製の商品名「Topa
s」等を例示することができる。なお、環状オレフィン
系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公
報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−1
15912号公報、特開昭61−115916号公報、
特開昭61−271308号公報、特開昭61−272
216号公報、特開昭62−252406号公報、特開
昭62−252407号公報などに記載されている公知
の方法に準じて製造することができる。
系樹脂としては、上記のような環状オレフィン系ランダ
ム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体あるいは
環状オレフィン開環(共)重合体の水添物を、例えば無
水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン
酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいは
その無水物等の変性剤で変性したグラフト重合体も使用
することができる。これらの変性剤は単独であるいは組
み合わせて使用することができる。
合体は、示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶
化熱量が10〜50J/gで、結晶融解ピーク温度(T
m)が125℃以上である条件を満足するポリプロピレ
ン系樹脂である。ここで結晶化熱量が10J/g未満で
は、耐熱性が不充分となったり、内面密着が発生しやす
く好ましくない。一方50J/gを超えると低温での延
伸特性が低下し、低温収縮性が不充分となりやすく好ま
しくない。このことから好適な結晶化熱量の範囲は15
〜45J/gである。また結晶融解ピーク温度が125
℃未満では耐熱性が不充分となる。
縮性とのバランスから好適なポリプロピレン系重合体の
特性は、示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶
化熱量が15〜45J/gで、結晶融解ピーク温度範囲
が135〜170℃である。なお、本発明において使用
する結晶化熱量と結晶融解ピーク温度は、次のようにし
て求めた値である。すなわち、結晶化熱量については、
パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10m
gをJIS−K7122に準じて、加熱速度10℃/分
で結晶融解後、200℃まで昇温し、200℃で5分間
保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温したと
きのサーモグラムから求めた。また結晶融解ピーク温度
については、試料10mgをJIS−K7121に準じ
て、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラム
から求めた。
の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はな
く、プロピレンと共重合可能な他の単量体とのランダム
共重合体又はブロック共重合体などが挙げられる。ま
た、これらの立体構造には特に制限がなく、イソタクチ
ック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれ
らの混在した構造の重合体でもかまわない。ここで共重
合可能な他の単量体としては、エチレンやブテン−1、
ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−
1等の炭素数4〜12のα−オレフィンおよびジビニル
ベンゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペン
タジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネ
ン等のジエン類等が挙げられるが、これらのうちエチレ
ンであるのが好ましい。またポリプロピレン系樹脂が、
プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体であ
る場合の、他の単量体の含有量は、通常40重量%以
下、好ましくは30重量%以下である。
ン−エチレンランダム共重合体やプロピレン−エチレン
−ブテン−1共重合体などが挙げられ、またブロック共
重合体としては、プロピレン−エチレンブロック共重合
体やリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマー
などが挙げられ、具体的な商品としては、(株)トクヤ
マの商品名「P.E.R.」、チッソ(株)の商品名
「NEWCON」、モンテル・エスディーケイ・サンラ
イズ(株)の商品名「Adflex」(キャタロイプロ
セス)、住友化学工業(株)の商品名「EXCELLE
N EPX」、Huntsman Polymer Co
rporationの商品名「REXflex」等が市
販されている。
縮特性、延伸特性および経済性の点からリアクタータイ
プのポリプロピレン系エラストマーが好適に使用され
る。なおこれらのポリプロピレン系樹脂は1種のみを単
独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。また、そのメルトフローレート(MFR)(JIS
K7210、230℃、21.18N荷重)は通常0.
4〜20g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分
のものが用いられる。
(A)と最外層(B)の少なくとも2層からなる熱収縮
性積層チューブであって、最内層(A)は、上記した
(a)成分が50〜60重量%、(b)成分が50〜4
0重量%を主成分とし、(B)層は、(a)成分が35
〜50重量%、(b)成分が65〜50重量%を主成分
とする混合樹脂層からなる。ここで、最内層(A)は、
熱収縮性積層チューブの低温延伸、低温収縮、耐熱性、
柔軟性を維持しながら、加えて内面密着を防止すること
が目的であり、(a)成分が50重量%未満、或いは、
(b)成分が50重量%以上の場合は、内面密着が発生
しやすく好ましくない。一方、(a)成分が60重量%
を超えたり、(b)成分が40重量%未満の場合は、12
5℃雰囲気中での耐熱性が不充分となったり、柔軟性が
不充分となりやすく好ましくない。また内面密着を防止
する点から(A)層の厚みは、少なくとも1μm以上が
好ましい。
ブの低温延伸、低温収縮、耐熱性を維持しながら、さら
に最内層(A)より高い柔軟性を付与することが目的で
あり、(a)成分が50重量%を超えたり、(b)成分
が50重量%未満の場合は、柔軟性を付与する効果が顕
著でなく好ましくない。一方、(a)成分が35重量%
未満、或いは、(b)成分が65重量%を超える場合は、
低温延伸性や低温収縮性が不充分となりやすく好ましく
ない。また、(B)層の厚みが全層の厚みの50〜98
%であることが望ましく、(B)層の厚みが全層の50
%未満では所望する柔軟性が得られ難い。
層(B)の少なくとも2層からなる円筒状の熱収縮性積
層チューブであり、かかる条件を満足する限り特に制限
はなく、例えば、最内層(A)/最外層(B)の2層構
造や、最内層(A)/中間層(C)/最外層(B)の3層
構造や、最内層(A)/中間層(C)/中間層(C)/最
外層(B)の4層構成でもよく、また、最内層(A)と
中間層(C)、また中間層(C)と最外層(B)を構成す
る(a)、(b)各成分の混合組成比は、規定の範囲内
で同一でも異なっていてもかまわない。
く阻害しない範囲で、(a)、(b)成分以外のポリオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系
樹脂等から構成される層であっても、また接着層でも構
わない。本発明において、(B)の総厚みは、層構成数
には関係なくチューブの総厚みに対して、50〜98%
であればよい。さらに本発明のチューブには、成形加工
性やチューブの物性を改良・調整する目的で、本発明の
効果を著しく阻害しない範囲で、例えば、石油樹脂類、
パラフィン系オイル、液状ポリブテン、ビニル芳香族系
化合物と共役ジエンとの共重合体(ブロックおよびラン
ダム)またはその水素添加誘導体、芳香族モノマーとエ
チレンおよび/または他のα−オレフィンとの共重合体
等やその他の相溶化剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯
電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、可塑
剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、難燃剤等の
添加剤を適宜添加してもかまわない。
層環状ダイを備えた各種押出機によってチューブ状に押
出される。この未延伸チューブを長さ方向および径方向
にチューブラー延伸する。その際の延伸倍率は目的とす
る熱収縮率により決められるが、一般に長さ方向には1
〜1.7倍、好ましくは1〜1.4倍とし、径方向には
1.7〜4倍、好ましくは1.8〜3.5倍の範囲であ
る。延伸温度は組成物の特性、特にガラス転移温度によ
り異なるが、通常75〜100℃の範囲で適宜決められ
る。上記のようにして得られるチューブの厚さは特に限
定されないが、一般にコンデンサに使用されるチューブ
の厚みは、コンデンサの定格電圧に応じて、おおよそ
0.05mm〜1.0mm、代表的には0.1mm〜
0.7mmであるものが使用されている。本発明チュー
ブは、柔軟性が高いため特に厚みが0.3mm以上で
も、次のような不具合が発生しにくい。すなわち、剛性
(腰)の強いチューブでは、厚みが増加すると、チュー
ブを巻き取る際に折れ曲がらなかったり、被覆時の作業
性が低下したり、収縮時の被覆物体への形状追随性が低
下する等の不具合が発生する。
伸条件により決まるが、例えば乾電池や他の電池の内缶
あるいはコンデンサの被覆用としては、100℃熱水中
30秒間での収縮率が、長さ方向で40%以下、好まし
くは20%以下、径方向には40%以上、好ましくは4
5%以上であることが必要である。100℃×30秒で
の径方向の熱収縮率が40%未満では、チューブ端部が
密着せず立ち上がった状態で外観不良となり好ましくな
い。また径方向の収縮率が40%以上でも、長さ方向の
収縮率が40%を超えるものでは、被覆したときに被覆
位置がずれてしまったり、またカット長さを長くしなけ
ればならずコストアップにもつながるため好ましくな
い。
れらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。な
お、本明細書中に表示されるチューブについての種々の
測定値および評価は次のようにして行った。ここで、チ
ューブの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向
を径方向とよぶ。
gをJIS−K7121に準じて、加熱速度10℃/分
で昇温したときのサーモグラムから求めた。
(ΔHc) パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10m
gをJIS−K7121、JIS−K7122に準じ
て、加熱速度10℃/分で結晶融解後、200℃まで昇
温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/
分で室温まで降温したときのサーモグラムから求めた。
−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/
分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)の
ピーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(T
g)とした。
−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/
分で−50℃から150℃まで測定し、得られたデータ
から温度30℃での値を表示した。 5) 熱収縮率(%) 100℃の熱水に30秒浸漬した後、長さ方向および径
方向について下式に基づいて算出した。 熱収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×100 L0 :収縮前の寸法 L1 :収縮後の寸法
後、径方向の収縮率を前記5)と同様にして算出したも
のが、2%未満なら「○」、2%以上なら「×」と表示
した。
30m巻き取って、チューブを目視で観察したとき、チ
ューブに折れが発生して折れ跡が残るものを「×」、折
れ跡が残らず良好なものを「○」と表示した。
長さ25mmのアルミ電解コンデンサを手挿入し、その
後200℃に設定したシュリンクトンネルで100個加
熱収縮させたとき、端部が密着せず立ち上がった状態と
なったり、被覆位置がずれて被覆されたものが、3個以
上あったものを「×」、1〜2個を「△」、これらの不
都合が全くなかったものを「○」と表示した。
IS C5102に準拠して、125℃の恒温槽で10
0時間経過後取り出し、外観をチェックした。それを剥
離し、内外面を目視にて確認した。テスト後、チューブ
に変化がなく、コンデンサの絶縁性能が保持されている
ものを「○」、また外観が変化したりチューブのずれ、
割れ、溶融等により、短絡の恐れがあるものを「×」と
表示した。なお被覆仕上がり性テストにて評価が「×」
だったものについては、耐熱性評価は省略した。
程時に、延伸温度を98℃に設定したとき、チューブラ
ー延伸が問題なく行えたものを「○」、内面密着が発生
したものを「×」とした。
(A)、最外層(B)とも(a)成分の環状オレフィン
系重合体として、エチレン成分と環状オレフイン成分か
らなるランダム共重体(三井化学(株)製、商品名:
「アペル8008T」;Tg:75℃)(以下、「環状
PO」と略称する)、(b)成分として、プロピレン−
エチレンブロック共重合体(モンテル・エスディーケイ
・サンライズ(株)製、商品名:「Adflex KS
−353P」、ΔHc:25J/g、Tc:100℃、
Tm:141℃、MFR:0.5g/10分、E’:
6.7×107Pa)(以下、「PP1」と略称する)
を選択し、最内層(A)用原料には環状POを65重量
%にPP1を45重量%配合し、最外層(B)用原料に
は環状POを40重量%にPP1を60重量%配合し
て、同方向2軸押出機を用いて溶融混合し組成物のペレ
ツトを得た。このペレットをそれぞれ別の押出機に投入
し、2種2層環状ダイからチューブラー積層押出を行っ
て、内径9mm、厚さ0.8mm、B層の厚みが全体の
70%の未延伸チューブを得た。これを延伸温度98℃
で長さ方向に1.1倍、径方向に2.1倍チューブラー
延伸し、内径19mm、厚み0.4mmの延伸チューブ
を得て、そのチューブの評価を行った。また、得られた
結果について総合評価も行い、すべての評価が良好であ
り、実用上問題のないものを「○」、いずれか1つでも
不良であるものを「×」として表示し、上記評価の結果
を表1に示した。
を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(チッソ
(株)製、商品名:「NEWCON NNT200
5」、ΔHc:26J/g、Tc:110℃、Tm:1
65℃、MFR:1.3g/10分、E’:3.1×1
07Pa)(以下、「PP2」と略称する)に変更した
以外は、実施例1と同様にして延伸チューブを得た。得
られたチューブの評価結果を表1に示した。
を、プロピレン−エチレン−ブテン−1三元共重合体
(モンテル・エスディーケイ・サンライズ(株)製、商
品名:「Adsyl5C30F」、ΔHc:67J/
g、Tc:94℃、Tm:146℃、MFR:5.5g
/10分、E’:6.7×108Pa)(以下、「PP
3」と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様に
して延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果
を表1に示した。
用した環状POとPP1の配合量を、それぞれ70重量
%と30重量%に変更した以外は、実施例1と同様にし
て延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を
表1に示した。
用した環状POとPP1の配合量を、それぞれ35重量
%と65重量%に変更し、さらに最外層(B)に使用し
た環状POとPP1の配合量を、それぞれ40重量%と
60重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして延
伸チューブを得た。各々のチューブの評価結果を表1に
示した。
(B)に使用した環状POとPP1の配合量を、それぞ
れ20重量%と80重量%に変更した以外は、実施例1
と同様にして延伸チューブを得た。各々のチューブの評
価結果を表1に示した。
かつ規定する範囲にある実施例1乃至2のチューブは、
いずれも耐熱性、柔軟性(巻き外観)、被覆仕上がり、
内面密着性に総合的に優れていることが分かる。これに
対して、成分が異なるか(比較例1)、本発明で規定す
る範囲外(比較例2、3、4)のチューブは、熱収縮
率、自然収縮率、柔軟性(巻き外観)、被覆仕上がり
性、耐熱性、内面密着性のうち1つ以上の特性に劣るこ
とが分かる。
良好であり、柔軟性、収縮仕上がり性、耐熱性などに優
れたポリオレフィン系熱収縮性積層チューブが提供でき
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 最内層(A)と最外層(B)の少なくと
も2層からなる熱収縮性積層チューブであって、最内層
(A)は、下記(a)成分が50〜60重量%、(b)
成分が50〜40重量%を主成分とし、最外層(B)層
は、下記(a)成分が35〜50重量%、(b)成分が
65〜50重量%を主成分とする混合樹脂層からなり、
また(B)層の厚みが全層の厚みの50〜98%である
積層体を延伸してなることを特徴とするポリオレフィン
系熱収縮性積層チューブ。(a)ガラス転移温度(T
g)が50〜90℃である環状オレフィン系重合体
(b)示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶化
熱量が10〜50J/gで、結晶融解ピーク温度(T
m)が125℃以上であるポリプロピレン系重合体 - 【請求項2】 環状オレフィン系重合体(a)が、エチ
レンと環状オレフィンとのランダム共重合体、環状オレ
フィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重
合体の水素化物、およびこれらの(共)重合体のグラフ
ト変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環状
オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載
のポリオレフィン系熱収縮性積層チューブ。 - 【請求項3】 ポリプロピレン系重合体(b)が、リア
クタータイプのポリプロピレン系エラストマーであるこ
とを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系熱収縮
性積層チューブ。 - 【請求項4】 100℃×30秒での径方向の熱収縮率
が40%以上であることを特徴とする請求項1乃至3記
載のポリオレフィン系熱収縮性積層チューブ。 - 【請求項5】 厚みが0.05mm〜1.0mmのコン
デンサ被覆用であることを特徴とする請求項1乃至4記
載のポリオレフィン系熱収縮性積層チューブ。
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