JP2002012732A - ポリオレフィン系熱収縮性チューブ - Google Patents

ポリオレフィン系熱収縮性チューブ

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JP2002012732A
JP2002012732A JP2000196251A JP2000196251A JP2002012732A JP 2002012732 A JP2002012732 A JP 2002012732A JP 2000196251 A JP2000196251 A JP 2000196251A JP 2000196251 A JP2000196251 A JP 2000196251A JP 2002012732 A JP2002012732 A JP 2002012732A
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cyclic olefin
polymer
tube
heat
temperature
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JP2000196251A
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English (en)
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Koichiro Taniguchi
浩一郎 谷口
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被覆加工性が良好であり、耐熱性、柔軟性、被
覆仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性チ
ューブを得る。 【解決手段】ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃で
ある環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対し
13C−NMRスペクトルから求められるメソトリアッ
ド分率(mm)が35〜75%で、結晶融解ピーク温度
(Tm)が130℃以上であるポリプロピレン系重合体
(A)60〜200重量部とからなる混合樹脂組成物を
延伸してなることを特徴とするポリオレフィン系熱収縮
性チューブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にコンデンサな
どの電気部品の絶縁被覆用途に好適に使用される熱収縮
性チューブに関し、さらに詳細には、耐熱性、柔軟性、
被覆仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性
チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からコンデンサの絶縁用熱収縮性チ
ューブとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)からなるチ
ューブが広く使用されている。PVCチューブは優れた
実用特性とコスト性を有しているものの、廃棄後焼却す
ると塩素を含んだガスを発生するということ等から、近
年PVC以外の材料(非PVC材料)が要望されつつあ
る。また電子機器の発展に伴って、その電気部品として
使用されるコンデンサにおいても高性能、高信頼化が進
んでおり、たとえばアルミ電解コンデンサにおいては、
125℃以上の雰囲気温度で、長時間使用される用途が
ある。
【0003】そのため、これらに使用されるチューブは
非PVC材料で且つ高耐熱性が必要となるが、チューブ
の耐熱性を上げるために、材料の融点やガラス転移温度
の高いものを選択すると、その結果、低温延伸性、低温
収縮性が損なわれるという欠点がある。チューブの延伸
及び収縮は、低温且つ短時間で行われた方が、製造、被
覆時とも作業性、コスト性が優れており望ましい。これ
らを解決し得る方法として、ポリエチレン系樹脂を主成
分としたチューブに、電子線等の電離放射線照射を行っ
て、低温延伸性、低温収縮性と耐熱性を同時に付与する
方法が開示されているが、その設備投資費用やランニン
グコストが高く、また製造工程の小スペース化が難かし
い等の問題点があった。
【0004】また、特開平7−32503号公報、特開
平9−278974号公報では、環状ポリオレフィンを
主体とした熱収縮性チューブが開示されているが、これ
らのチューブでは、自動機に適した腰(剛性)を保持す
る目的から、環状ポリオレフィンに混合する他のポリオ
レフィン系樹脂の添加量や特性等が制限されているため
低温収縮性は付与できるが、低温収縮性、耐熱性および
柔軟性を同時に満たすことができない等の問題点があっ
た。これらのことにより、柔軟性、耐熱性、製造コス
ト、低温延伸性、低温収縮特性を有するバランスに優れ
た熱収縮性チューブは見出されてなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、柔軟性、被覆仕上がり性などに優れるポリオレフィ
ン系熱収縮性チューブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、特定の立体規則性および熱特性を有する
ポリプロピレン系重合体と環状オレフィン系重合体を用
いることで上記課題を達成することができることを見出
したものであり、その要旨は、ガラス転移温度(Tg)
が50〜90℃である環状オレフィン系重合体(A)1
00重量部に対して13C−NMRスペクトルから求めら
れるメソトリアッド分率(mm)が35〜75%で、結
晶融解ピーク温度(Tm)が130℃以上であるポリプ
ロピレン系重合体(A)60〜200重量部とからなる
混合樹脂組成物を延伸してなることを特徴とするポリオ
レフィン系熱収縮性チューブに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の熱収縮性チューブは、環状オレフィン系重合体
(A)とポリプロピレン系重合体(B)からなるポリオ
レフィン系熱収縮性チューブである。(A)成分である
環状オレフィン系重合体は、ガラス転移温度(Tg)が
50〜90℃である環状オレフィン系樹脂である。ここ
でガラス転移温度が50℃未満では得られた熱収縮性チ
ューブの自然収縮(常温よりもやや高い温度、例えば夏
場において本来の使用目的前にチューブが収縮するこ
と)が大きくなり寸法安定性に欠けるチューブとなりや
すく実用上好ましくない。また90℃を越えると低温延
伸が困難になり、その結果低温熱収縮性が得られず好ま
しくない。このことから好適なガラス転移温度の範囲は
60〜85℃である。
【0008】なお、本発明において使用するガラス転移
温度(Tg)は、次のようにして求めた値である。すな
わち、岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーター
VES−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度
1℃/分で測定し、得られたデータから損失弾性率
(E”)のピーク値を求め、その時の温度をガラス転移
温度(Tg)とした。
【0009】
【式1】
【0010】(A)成分である環状オレフィン系重合体
の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はな
く、上記一般式(1)で表される環状オレフインとエチ
レンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)
重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物、
およびこれらの(共)重合体のグラフト変性物などが挙
げられる。ここで上記一般式(1)で表される環状オレ
フインの例としては、下記式(2)のビシクロヘプト−
2−エン(2−ノルボルネン)およびその誘導体、例え
ばノルボルネン、6−メチルノルボルネン、6−エチル
ノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロ
ピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチ
ルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−
フエニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネンなど
を挙げることができる。
【0011】また下記式(3)のテトラシクロ−3−ド
デセンおよびその誘導体としては、例えば8−メチルテ
トラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−
3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセ
ン、2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、
5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセンなどを
挙げることができる。
【0012】
【式2】
【0013】本発明チューブにおいては、エチレンと環
状オレフィンとのランダム共重合体を好適に使用するこ
とができ、例えば、上記一般式(1)で表される環状オ
レフインを20〜50モル%程度含有するエチレンとの
共重合体を例示することができる。また、エチレン以外
のα−オレフインを含むものや、第3成分としてブタジ
エン、イソプレンなどを含有するものであってもよい。
環状オレフインの含有量により各種のガラス転移温度を
有するものがあり、具体的には、三井化学(株)製の商
品名「アペル」やTicona社製の商品名「Topa
s」等を例示することができる。なお、環状オレフィン
系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公
報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−1
15912号公報、特開昭61−115916号公報、
特開昭61−271308号公報、特開昭61−272
216号公報、特開昭62−252406号公報、特開
昭62−252407号公報などに記載されている公知
の方法に準じて製造することができる。
【0014】さらに、本発明において、環状オレフィン
系樹脂としては、上記のような環状オレフィン系ランダ
ム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体あるいは
環状オレフィン開環(共)重合体の水添物を、例えば無
水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン
酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいは
その無水物等の変性剤で変性したグラフト重合体も使用
することができる。これらの変性剤は単独であるいは組
み合わせて使用することができる。次に(B)成分であ
るポリプロピレン系重合体は、13C−NMRスペクトル
から求められるメソトリアッド分率(mm)が35〜7
5%で、結晶融解ピーク温度(Tm)が130℃以上で
ある条件を満足するポリプロピレン系樹脂である。ここ
でメソトリアッド分率(mm)が35%未満では、耐熱
性が不充分となりやすく、また、原料ペレットがブロッ
キングしやすくなるなどハンドリング性も低下する。一
方75%を超えると低温(100℃以下)での延伸応力
が高いために延伸性が低下し、低温収縮性が不充分とな
りやすく好ましくない。このことから好適なメソトリア
ッド分率(mm)は、40〜70%である。また結晶融
解ピーク温度が130℃未満では耐熱性が不充分となり
やすく、好ましい結晶融解ピーク温度範囲は140〜1
65℃である。
【0015】なお、本発明において使用するメソトリア
ッド分率(mm)と結晶融解ピーク温度は、次のように
して求めた値である。メソトリアッド分率(mm)につ
いては、13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定
し、メチル基の立体規則性によるケミカルシフトの違い
により、22.5ppm〜19.5ppm領域に現れる
各***ピークのシグナル強度比から求めた。上記メソト
リアッド分率(mm)とは、ポリマー鎖中の任意のプロ
ピレン単位3連鎖のうち、プロピレン単位中のメチル分
岐の方向が同一で、かつ各プロピレン単位が頭−尾で結
合しているプロピレン単位3連鎖の割合を意味する。な
お、スペクトル中の各ピークは、文献(Polymer, 30,13
50,(1989))を参考にして帰属した。また結晶融解ピー
ク温度については、試料10mgをJIS−K7121
に準じて、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモ
グラムから求めた。
【0016】(B)成分であるポリプロピレン系重合体
の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はな
く、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと共重
合可能な他の単量体とのランダム共重合体又はブロック
共重合体などを使用することができる。ここで共重合可
能な他の単量体としては、エチレンやブテン−1、ヘキ
セン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等
の炭素数4〜12のα−オレフィンおよびジビニルベン
ゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等
のジエン類等が挙げられるが、これらのうちエチレンや
ブテン−1であるのが好ましい。
【0017】上記の中で、熱収縮性チューブとしての収
縮特性、延伸特性および経済性の点からプロピレン単独
重合体、プロピレン−エチレン共重合体およびプロピレ
ン−ブテン−1共重合体の中から選ばれる少なくとも一
種のポリプロピレン系樹脂が好適に使用される。また、
このようなポリプロピレン系樹脂の製造方法としては、
安価なプロピレンモノマーを主成分とし、各種のシング
ルサイト触媒(メタロセン系触媒など)や固体状チタン
系触媒等を用い、成形加工性の良好な立体規則性を制御
した軟質ポリプロピレン系樹脂を効率的、かつ低コスト
で重合する方法が提案されており、使用する樹脂として
は、本発明の主旨を満足するものであれば特に限定され
ないが、具体的商品としては、Huntsman Po
lymer Corporationの商品名「REX
flex」が例示できる。
【0018】なおこれらのポリプロピレン系樹脂は1種
のみを単独で、または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。また、そのメルトフローレート(MFR)
(JISK7210、230℃、21.18N荷重)は
通常0.4〜20g/10分、好ましくは0.5〜5g
/10分のものが用いられる。本発明の熱収縮性チュー
ブは、上述した環状オレフィン系重合体(A)100重
量部に対してポリプロピレン系重合体(B)60〜20
0重量部とからなる混合樹脂組成物を延伸してなること
を特徴とするポリオレフィン系熱収縮性チューブであ
る。
【0019】ここで環状オレフィン系重合体(A)10
0重量部に対してポリプロピレン系重合体(B)が60
重量部未満では、柔軟性が不充分となり、肉厚のチュー
ブでは、巻き取る際に折れ跡が残ったり、被覆時の作業
性が低下したり、収縮時の被覆物体への形状追随性が低
下する等の不具合が発生しやすく、また125℃雰囲気
中での耐熱性が不充分となり好ましくない。一方、20
0重量部を超えると熱収縮率が不充分となりやすく、ま
た自然収縮率も大きくなり好ましくない。このことから
好適なポリプロピレン系重合体(B)の含有量は、環状
オレフィン系重合体(A)100重量部に対して65〜
180重量部である。
【0020】本発明のチューブには、成形加工性やチュ
ーブの物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を著
しく阻害しない範囲で、例えば、石油樹脂類、パラフィ
ン系オイル、液状ポリブテン、ビニル芳香族系化合物と
共役ジエンとの共重合体(ブロックおよびランダム)ま
たはその水素添加誘導体、芳香族モノマーとエチレンお
よび/または他のα−オレフィンとの共重合体などやそ
の他の相容化剤、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、
帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、可塑
剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を
適宜添加してもかまわない。
【0021】以上説明した各成分からなる組成物は、環
状ダイを備えた各種押出機によってチューブ状に押出さ
れる。その未延伸チューブを長さ方向および径方向にチ
ューブラー延伸する。その際の延伸倍率は目的とする熱
収縮率により決められるが、一般に長さ方向には1〜
1.7倍、好ましくは1〜1.4倍とし、径方向には
1.7〜4倍、好ましくは1.8〜3.5倍の範囲であ
る。延伸温度は組成物の特性、特にガラス転移温度によ
り異なるが、通常75〜100℃の範囲から選ばれる。
上記のようにして得られるチューブの厚さは特に限定さ
れないが、一般にコンデンサに使用されるチューブの厚
みは、コンデンサの定格電圧に応じて、おおよそ0.0
5mm〜1.0mm、代表的には0.1mm〜0.7m
mであるものが使用されている。本発明チューブは、柔
軟性が高いため特に厚みが0.3mm以上でも、次のよ
うな不具合が発生しにくい。すなわち、剛性(腰)の強
いチューブでは、厚みが増加すると、チューブを巻き取
る際に折れ曲がらなかったり、被覆時の作業性が低下し
たり、収縮時の被覆物体への形状追随性が低下する等の
不具合が発生するため好ましくない。
【0022】本発明チューブの熱収縮特性は主に上記延
伸条件により決まるが、例えば乾電池や他の電池の内缶
あるいはコンデンサの被覆のようなスリーブ被覆用とし
ては、100℃熱水中30秒間での収縮率が長さ方向で
40%以下、好ましくは20%以下、径方向には40%
以上、好ましくは45%以上であることが必要である。
100℃×30秒での径方向の熱収縮率が40%未満で
は、スリーブ端部が密着せず立ち上がった状態となり外
観不良となり好ましくない。また径方向の収縮率が40
%以上でも、長さ方向の収縮率が40%を超えるもので
は、被覆したときに被覆位置がずれてしまったり、また
カツト長さを長くしなければならずコストアップにもつ
ながるため好ましくない。
【0023】
【実施例】以下に実施例でさらに詳しく説明するが、こ
れらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。な
お、本明細書中に表示されるチューブについての種々の
測定値および評価は次のようにして行った。ここで、チ
ューブの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向
を径方向とよぶ。
【0024】1) メソトリアッド分率(mm) 日本電子社製のJNM−GSX−270(13C−核磁気
共鳴周波数67.8MHz)を用い、次の条件で測定し
た。 測定モード: 1H−完全デカップリング パルス幅:8.6マイクロ秒 パルス繰り返し時間:30秒 積算回数:7200回 溶媒:オルトジクロロベンゼン/重ベンゼンの混合溶媒
(80/20容量%) 試料濃度:100mg/1ミリリットル溶媒 測定温度:130℃
【0025】2) 結晶融解ピーク温度(Tm) パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10m
gをJIS−K7121に準じて、加熱速度10℃/分
で昇温したときのサーモグラムから求めた。
【0026】3) 結晶化温度(Tc)、結晶化熱量
(ΔHc) パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10m
gをJIS−K7121、JIS−K7122に準じ
て、加熱速度10℃/分で結晶融解後、200℃まで昇
温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/
分で室温まで降温したときのサーモグラムから求めた。
【0027】4) ガラス転移温度(Tg) 岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーターVES
−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/
分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)の
ピーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(T
g)とした。
【0028】5) 貯蔵弾性率(E’) 岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーターVES
−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/
分で−50℃から150℃まで測定し、得られたデータ
から温度30℃での値を表示した。
【0029】6) 熱収縮率(%) 100℃の熱水に30秒浸漬した後、長さ方向および径
方向について下式に基づいて算出した。 熱収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×100 L0 :収縮前の寸法 L1 :収縮後の寸法
【0030】7) 自然収縮率(%) チューブを30℃×80%RHの恒温槽に30日間放置
後、径方向の収縮率を前記6)と同様にして算出したも
のが、2%未満なら「○」、2%以上なら「×」と表示
した。
【0031】8) 巻き取り性 外径130mmの巻芯に、得られたチューブを30m巻
き取って、チューブを目視で観察したとき、チューブに
折れが発生して折れ跡が残るものを「×」、折れ跡が残
らず良好なものを「○」と表示した。
【0032】9) 被覆仕上がり性 長さ33mmにカットしたチューブに、直径18mm、
長さ25mmのアルミ電解コンデンサを手挿入し、加熱
収縮させたとき、端部が密着せず立ち上がった状態とな
ったり、被覆位置がずれて被覆されたものを「×」、軽
微なものを「△」、これらの不都合が全くなかったもの
を「○」と表示した。
【0033】10)耐熱性 被覆仕上がり性テスト後のアルミ電解コンデンサを、J
IS C5102に準拠して、125℃の恒温槽で10
0時間経過後取り出し、外観を目視にて確認した。テス
ト後、チューブ外観に変化がなく、コンデンサの絶縁性
能が保持されているものを「○」、また外観が変化した
りチューブのずれ、割れ、溶融等により、短絡の恐れが
あるものを「×」と表示した。なお被覆仕上がり性テス
トにて評価が「×」だったものについては、耐熱性評価
は省略した。
【0034】(実施例1)表1に示すように環状オレフ
ィン系重合体としてエチレン成分と環状オレフイン成分
からなるランダム共重体(三井化学(株)製、「APL
8008T」、Tg:75℃)(以下、環状PO1と略
称する)100重量部にポリプロピレン系重合体として
プロピレン単独重合体(Huntsman Polym
er Corporation製、「REXflex
WL111」、mm:58.9%、Tc:95.6℃、
ΔHc:23.2J/g、Tm:159.2℃、MF
R:2.0g/10min、E’:8.5×10
a)(以下、PP1と略称する)150重量部を配合
し、さらに酸化防止剤0.3重量部を加え、同方向2軸
押出機を用いて溶融混合し組成物のペレツトを得た。こ
の組成物を、環状ダイからチューブラー押出して、外径
9mm、厚さ0.8mmの未延伸チューブを得た。これ
を延伸温度98℃で長さ方向に1.1倍、径方向に2.
1倍チューブラー延伸し、延伸チューブを得た。得られ
たチューブの評価を行った。また、得られた結果につい
て総合評価も行い、すべての評価が良好であり、実用上
問題のないものを「○」、いずれか1つでも不良である
ものを「×」として表示した。結果を表1に示した。
【0035】(実施例2)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)の配合量を
70重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして延
伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表1
に示した。
【0036】(実施例3)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)をプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体(Huntsman P
olymer Corporation製、「REXf
lex WL203」、エチレン含量:2.3重量%、
mm:50.5%、Tc:92.2℃、ΔHc:18.
0J/g、Tm:149.5℃、MFR:1.5g/1
0min、E’:3.8×10Pa)(以下、PP2
と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様にして
延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表
1に示した。
【0037】(実施例4)表1に示すように実施例1で
使用した環状オレフィン系重合体(環状PO1)をエチ
レン成分と環状オレフイン成分からなるランダム共重合
体(三井化学(株)製、「APL6509T」、Tg:
83℃)(以下、環状PO2と略称する)に変更し、さ
らに液状ポリブテン(分子量500)を5重量部添加し
た以外は、実施例1と同様にして延伸チューブを得た。
得られたチューブの評価結果を表1に示した。
【0038】(比較例1)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)をプロピレ
ン単独重合体(出光石油化学製、「出光TPO E−2
900」、mm:79.4%、Tc:109.0℃、Δ
Hc:66.8J/g、Tm:162.4℃、MFR:
2.5g/10min、E’:5.7×10Pa)
(以下、PP3と略称する)に変更した以外は、実施例
1と同様にして延伸チューブを得た。得られたチューブ
の評価結果を表1に示した。
【0039】(比較例2)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)の配合量を
230重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして
延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表
1に示した。
【0040】(比較例3)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)の配合量を
50重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして延
伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表1
に示した。
【0041】
【表1】
【0042】表1より、本発明で規定する成分を有し、
かつ規定する範囲にある実施例1乃至4のチューブは、
いずれも耐熱性、柔軟性(巻き外観)、被覆仕上がり性
に総合的に優れていることが分かる。これに対して、成
分が異なるか、本発明で規定する範囲外(比較例1〜
3)のチューブは、柔軟性(巻き外観)熱収縮率、耐熱
性、自然収縮率のうち1つ以上の特性に劣ることが分か
る。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、柔軟性、被覆
仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性チュ
ーブが提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 65/00 C08L 65/00 // B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 23:24 B29L 23:24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃
    である環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対
    して13C−NMRスペクトルから求められるメソトリア
    ッド分率(mm)が35〜75%で、結晶融解ピーク温
    度(Tm)が130℃以上であるポリプロピレン系重合
    体(A)60〜200重量部とからなる混合樹脂組成物
    を延伸してなることを特徴とするポリオレフィン系熱収
    縮性チューブ。
  2. 【請求項2】 環状オレフィン系重合体(A)が、エチ
    レンと環状オレフィンとのランダム共重合体、環状オレ
    フィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重
    合体の水素化物、およびこれらの(共)重合体のグラフ
    ト変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環状
    オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載
    のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系重合体(B)が、プロ
    ピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体およ
    びプロピレン−ブテン−1共重合体の中から選ばれる少
    なくとも一種のポリプロピレン系樹脂であることを特徴
    とする請求項1記載のポリオレフィン系熱収縮性チュー
    ブ。
  4. 【請求項4】 100℃×30秒での径方向の熱収縮率
    が40%以上であることを特徴とする請求項1乃至3記
    載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  5. 【請求項5】 厚みが0.05mm〜1.0mmのコン
    デンサ被覆用であることを特徴とする請求項1乃至4記
    載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302871A (ja) * 2006-04-10 2007-11-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 樹脂組成物、該樹脂組成物から形成された熱収縮チューブおよび該熱収縮チューブで絶縁被覆された電池

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