JP5298656B2 - 強密着ガスバリア性フィルム - Google Patents
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Description
前記基材フィルムが延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記金属酸化物のアンカーコート層の形成が、基材フィルムの表面処理と同時に行われており、かつ、この工程が、チタン、銅、アルミニウムのうち少なくとも1つの金属を使用したカソード電極を用いると共に、酸素又は二酸化炭素のガスを導入した雰囲気中で、グロー放電を利用して、E値が50W・min/m2以上の条件で行ったものであり、
更にアンカーコート層の上に金属または金属酸化物の薄膜層がスパッタリング法により形成されたことを特徴とする強密着ガスバリア性フィルムである。
気相成長法(PECVD法)などの真空プロセスによって形成することができる。より具体的には、例えば、アルミニウム、アルミニウム酸化物や珪素酸化物などを減圧下で加熱・蒸発させて高分子フィルム基材1上に堆積させる通常の物理蒸着法(PVD)を利用することができる。
1種以上の珪素アルコキシド及びその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とする溶液に、下記一般式(R2Si(OR3)3)n(但し、R3はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3、R2は有機官能基)で表される珪素化合物、及びその加水分解物のうち少なくとも1つを混合したコーティング剤である。
スパッタリング室内においてカソードターゲットとしてチタンを用い、二酸化炭素/アルゴン=8/2の混合ガスを導入し、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた高周波マグネトロンスパッタ法により酸化チタン層を約1nmの厚さで成膜した。膜厚の測定には、透過型電子顕微鏡(以後、TEMと呼ぶ。)を用いた。具体的には、アンカーコート層が形成されているフィルム基材を樹脂に埋め込み、ミクロトームを用いて薄膜の断面を含む超極薄の試料を作製することでTEM観察用サンプルを作製し、100万倍前後の拡大倍率にてTEM像を観察することにより膜厚の測定を行った。
真空蒸着装置の蒸着室手前に設置したDCグロー放電ユニットにおいて、カソードターゲットとしてチタンを用い、二酸化炭素/アルゴン=8/2の混合ガスを導入し、高周波グロー放電法により酸化チタン層を0.3nmの厚さで成膜した。
反応性真空蒸着法により出発材料としてアルミニウムを使用し、真空蒸着装置に導入した酸素ガスや二酸化炭素などの酸化性のガスとの化学反応を起こさせ、基材に酸化アルミニウム膜を成膜することができる。マイクロ波などを用いて真空容器中に酸素ガスプラズマをつくり、アルミニウムの酸化を促進することもできる。
(A液):テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4、以下TEOSと称す)17.9gと、メタノール10gに塩酸(0.1N)72.1gを加え、30分間撹拌し、加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液。
(C液):β−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランのIPA溶液に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間撹拌し、加水分解させた後、さらに水/IPA=1
/1溶液で加水分解を行い、固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
コーティング剤2・・・A/B/C=70/20/10
<酸素透過度測定方法>
MOCON社製OX−TRAN2/20を使用し、23℃−65%RH条件で測定する。
MOCON社製PERMATRAN2/20を使用し、40℃−90%RH条件で測定する。
<密着強度測定方法>
得られた強密着ガスバリアフィルムを二液硬化型ウレタン接着剤を3g/m2のせ、ポリエチレンフィルム30μmと貼り合せ、エージング硬化終了後に、このラミネートフィルム(15mm幅)を常温で90゜剥離したときの強度で示した。
<参考例1> 酸化チタンアンカーコート層をDCグロー放電を用いた高分子フィルム基材の表面処理をE値50W・min/m2で行うことにより、同時に酸化チタンが成膜する方法で厚み約0.3nmなるように形成した以外、実施例4と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<参考例2> E値500W・min/m2で処理した以外は、実施例4と同様にして実施した。参考例2で得られたガスバリア性フィルムは、バリア性、密着性は良好な性能を示した。
<比較例1> 酸化チタンのアンカー層を設けなかった以外、実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを得た。比較例1で得られたガスバリア性フィルムのバリア性、密着性は、悪い結果となった。
<比較例2> 酸化チタンのアンカーコート層を設けなかった以外、実施例2と同様にして、ガスバリア性フィルムを得た。比較例2で得られたバリア性フィルムのバリア性、密着性は、悪い結果となった。
<比較例3> 酸化チタンのアンカーコート層を設けなかった以外、実施例3と同様にして、ガスバリア性フィルムを得た。比較例3で得られたバリア性フィルムのバリア性、密着性は、悪い結果となった。
<比較例4> 酸化チタンのアンカーコート層を設けなかった以外、実施例4と同様にして、バリア性フィルムを得た。比較例4で得られたガスバリア性フィルムのバリア性、密着性は、悪い結果となった。
AC:アンカーコート層
VM:蒸着層
OC:有機無機ハイブリッドバリア層
O2TR:酸素透過度(cc/m2/day/atm)
WVTR:水蒸気透過度(g/m2/day/atm)
2・・・金属酸化物アンカーコート層
3・・・金属または金属酸化物薄膜層
4・・・有機無機ハイブリッドバリア層
10、11・・・ガスバリア性フィルム
Claims (1)
- 基材フィルムと金属または金属酸化物の薄膜層の間に厚み0.5nm〜5.0nmの金属酸化物のアンカーコート層を積層し、しかも、アンカーコート層が基材フィルム上に直接積層されており、
前記基材フィルムが延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記金属酸化物のアンカーコート層の形成が、基材フィルムの表面処理と同時に行われており、かつ、この工程が、チタン、銅、アルミニウムのうち少なくとも1つの金属を使用したカソード電極を用いると共に、酸素又は二酸化炭素のガスを導入した雰囲気中で、グロー放電を利用して、E値が50W・min/m 2 以上の条件で行ったものであり、
更にアンカーコート層の上に金属または金属酸化物の薄膜層がスパッタリング法により形成された
ことを特徴とする強密着ガスバリア性フィルム。
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