JP2002045976A - スポット溶接装置 - Google Patents

スポット溶接装置

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JP2002045976A
JP2002045976A JP2000239857A JP2000239857A JP2002045976A JP 2002045976 A JP2002045976 A JP 2002045976A JP 2000239857 A JP2000239857 A JP 2000239857A JP 2000239857 A JP2000239857 A JP 2000239857A JP 2002045976 A JP2002045976 A JP 2002045976A
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welded
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Masanobu Sakai
井 政 信 酒
Shuji Torii
居 修 司 鳥
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接状態のモニタリング機能を備えた従来の
スポット溶接装置にあっては、適用が高価なサーボガン
に限られていると共に、例えば溶接時に発生する散りの
方向などのように高速で且つ微細な振動特徴を検出する
ことができないという問題点があった。 【解決手段】 溶接中における電極チップの少なくとも
2軸方向の振動を検出する多軸振動センサ310と、多
軸振動センサ310で検出した振動情報に基づいて電極
チップの挙動を検出するとともに電極チップの挙動に基
づいて溶接状態の良否および打点位置の良否を判定する
溶接状態検出手段313を備えたスポット溶接装置と
し、簡単な構造で溶接状態の良否判定を正確に行うこと
ができ、溶接品質の向上や設備費の低減などに貢献し得
るものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接中においてそ
の溶接状態の良否を判定するモニタリング機能を備えた
スポット溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のスポット溶接装置としては、例
えば特開平10−263839号公報に記載されている
ように、サーボガンを備えたスポット溶接装置におい
て、加圧軸に設けたロードセルあるいはサーボモータに
供給する電力量から電極チップ間の加圧力を検出し、そ
の加圧力に基づいて被溶接材の変形や被溶接材同士の合
わせ面における過大な隙間を検出し、これらの検出結果
に応じて加圧力を補正制御することで良好な溶接を行う
ようにしたものがある。このほか、特開平9−1502
78号公報には、サーボガンを備えたスポット溶接装置
において、サーボモータの回転角度情報あるいは加圧軸
のストローク量を検出し、これらの検出値と所定の基準
値との比較により電極チップの摩耗量を求め、その結果
に応じて電極チップの整形あるいは交換を指示し、さら
に、溶接電流や電極チップ間の加圧力を補正制御するも
のが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スポット溶
接装置において、良好な溶接を阻害する要因としては、 被溶接材同士の合わせ面における過大な隙間(板
隙)、電極チップの加圧軸と被溶接材に対する垂直軸
との過大な角度ずれ(打角)、溶接ロボットの設定打
点と被溶接材との相対的な位置ずれによる被溶接材端部
の半欠け溶接(端打ち)、電極チップの偏摩耗あるい
は被溶接材の変形により定常的に発生する散り、電極
チップと被溶接材の境界面の溶着などが挙げられる。と
くに、〜の要因は、主に溶接電流密度を変化させる
ので、必要な溶接強度を得るための適正な抵抗発熱が得
られなくなり、スポットナゲット径の不足、異常加熱に
よる散りやブローホールの発生の原因となる。
【0004】ところが、従来のスポット溶接装置にあっ
ては、サーボガンが有するセンサやサーボ機能を利用し
て被溶接材の状態や電極チップの摩耗状態を検出するこ
とから、適用が高価なサーボガンに限られており、しか
も、センサの仕様がサーボ機能を実行させるためのもの
であるため、例えば溶接時に発生する散りの方向などの
ように高速で且つ微細な振動特徴を検出することができ
ないという問題点があり、このような問題点を解決する
ことが課題であった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に着目して成
されたもので、簡単な構造で溶接状態の良否判定を正確
に行うことができ、溶接品質の向上や設備費の低減など
に貢献することができるスポット溶接装置を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるスポット
溶接装置は、請求項1として、被溶接材を相対向する電
極チップで加圧して抵抗加熱により溶着させるスポット
溶接装置において、溶接中における電極チップの少なく
とも2軸方向の振動を検出する多軸振動センサと、多軸
振動センサで検出した振動情報に基づいて電極チップの
挙動を検出するとともに電極チップの挙動に基づいて溶
接状態の良否および打点位置の良否を判定する溶接状態
検出手段を備えた構成としており、上記構成をもって従
来の課題を解決するための手段としている。
【0007】なお、上記の構成において、良好な溶接を
阻害する要因である被溶接材間の過大な板隙、被溶接材
に対する加圧軸の過大な打角、端打ち、散りおよび電極
チップの溶着の全てを検出するには、直交する3軸方向
の振動を検出することが望ましいが、少なくとも直交す
る2軸方向の振動を検出し、溶接状態検出手段において
振動情報に基づいて電極チップの挙動を検出することで
良好な溶接を阻害する要因のいくつかを検出することが
可能になり、これにより溶接状態の良否および打点位置
の良否を判定する。
【0008】また、本発明に係わるスポット溶接装置
は、請求項2として、スポット溶接装置を自動制御する
溶接自動制御手段に対して、溶接状態検出手段の検出結
果の履歴から打点位置毎の溶接状態の傾向を求めて制御
の修正情報を出力する溶接制御修正指示手段を備えた構
成とし、請求項3として、多軸振動センサで検出した振
動情報に基づいてスポットナゲットの形成状態の良否を
判定するナゲット良否判定手段と、溶接状態検出手段の
検出結果とナゲット良否判定手段の良否判定結果に基づ
いて被溶接材の仕上がり品質を監視する溶接品質監視手
段を備えた構成とし、請求項4として、溶接状態検出手
段が、被溶接材に対する電極チップの前進量が所定量に
達する時間を基準値と比較して被溶接材の板隙状態を検
出する板隙検出手段を備えている構成とし、請求項5と
して、溶接状態検出手段が、被溶接材に対する電極チッ
プの前進速度を基準値と比較して被溶接材の板隙状態を
検出する板隙検出手段を備えている構成とし、請求項6
として、溶接状態検出手段が、加圧軸に直角な方向の加
圧時の電極チップの挙動に基づいて加圧接触前の被溶接
材に対する加圧軸の傾きを検出する打角検出手段を備え
ている構成とし、請求項7として、溶接状態検出手段
が、多軸振動センサで検出した溶接振動の片振幅の包絡
線変化に基づいて被溶接材の端打ちの有無を検出する端
打ち検出手段を備えている構成とし、請求項8として、
溶接状態検出手段が、加圧軸に直角な方向の振動に基づ
いて散りの方向を検出し且つその検出結果と打角検出手
段の検出結果に基づいて不具合箇所が電極チップ側であ
るか被溶接材側であるかを推定する散り方向検出手段を
備えた構成とし、請求項9として、溶接状態検出手段
が、被溶接材に対する電極チップの後退量が所定量に達
する時間を基準値と比較して電極チップの被溶接材への
溶着を検出する電極チップ溶着検出手段を備えている構
成としており、上記構成をもって従来の課題を解決する
ための手段としている。
【0009】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わるスポット溶接
装置によれば、被溶接材を相対向する電極チップで加圧
して抵抗加熱により溶着させるスポット溶接装置におい
て、多軸振動センサと溶接状態検出手段を採用したこと
により、比較的簡単な構造でありながら、良好な溶接を
阻害する要因である被溶接材間の過大な板隙、被溶接材
に対する加圧軸の過大な打角、端打ち、散りおよび電極
チップの溶着などを検出することが可能になり、溶接状
態の良否や打点位置の良否の判定を正確に行うことがで
きる。これにより、溶接品質や生産性の向上に貢献する
ことができ、また、既存のスポット溶接装置に適用する
こともきわめて容易であって、設備費の低減などにも貢
献することができる。
【0010】本発明の請求項2に係わるスポット溶接装
置によれば、請求項1と同様の効果を得ることができる
うえに、スポット溶接装置の溶接自動制御手段に対して
溶接制御修正指示手段を採用したことにより、溶接不良
の発生要因を迅速に且つ自動的に解消することができ、
理想的な溶接条件を維持することが可能になる。さら
に、溶接制御修正指示手段が溶接状態検出手段の検出結
果の履歴から打点位置毎の溶接状態の傾向を求めて制御
の修正情報を出力することから、溶接制御の補正量を少
なくすることができ、これにより、省電力化、低コスト
化および生産性のさらなる向上を実現することができ
る。
【0011】本発明の請求項3に係わるスポット溶接装
置によれば、請求項1および2と同様の効果を得ること
ができるうえに、ナゲット良否判定手段と溶接品質監視
手段を採用したことから、被溶接材の仕上がり品質を正
確に監視することができ、溶接品質のさらなる向上に貢
献することができる。
【0012】本発明の請求項4に係わるスポット溶接装
置によれば、請求項1〜3と同様の効果を得ることがで
きるうえに、溶接状態検出手段が電極チップの前進量に
基づいて被溶接材の板隙を検出する板隙検出手段を備え
ていることから、簡単な構造で被溶接材の板隙を正確に
検出することができ、溶接不良の原因となる過大な板隙
の防止や溶接品質のさらなる向上に貢献することができ
る。
【0013】本発明の請求項5に係わるスポット溶接装
置によれば、請求項1〜3と同様の効果を得ることがで
きるうえに、溶接状態検出手段が電極チップの前進速度
に基づいて被溶接材の板隙を検出する板隙検出手段を備
えていることから、請求項4と同様に、簡単な構造で被
溶接材の板隙を正確に検出することができ、溶接不良の
原因となる過大な板隙の防止や溶接品質のさらなる向上
に貢献することができる。
【0014】本発明の請求項6に係わるスポット溶接装
置によれば、請求項1〜5と同様の効果を得ることがで
きるうえに、溶接状態検出手段が打角検出手段を備えて
いることから、簡単な構造で被溶接材に対する加圧軸の
傾き(打角)を正確に検出することができ、溶接不良の
原因となる過大な打角の防止や溶接品質のさらなる向上
に貢献することができる。
【0015】本発明の請求項7に係わるスポット溶接装
置によれば、請求項1〜6と同様の効果を得ることがで
きるうえに、溶接状態検出手段が端打ち検出手段を備え
ていることから、簡単な構造で被溶接材の端打ちを正確
に検出することができ、溶接不良の原因となる端打ちの
防止や溶接品質のさらなる向上に貢献することができ
る。
【0016】本発明の請求項8に係わるスポット溶接装
置によれば、請求項6および7と同様の効果を得ること
ができるうえに、溶接状態検出手段が散り方向検出手段
を備えていることから、簡単な構造で散りの方向、電極
チップの偏摩耗あるいは被溶接材の変形を検出すること
ができると共に、不具合箇所が電極チップ側であるか被
溶接材側であるかを正確に推定することができ、不具合
の迅速な解消が可能になると共に、溶接品質のさらなる
向上に貢献することができる。
【0017】本発明の請求項9に係わるスポット溶接装
置によれば、請求項1〜8と同様の効果を得ることがで
きるうえに、溶接状態検出手段が電極チップ溶着検出手
段を備えていることから、簡単な構造で電極チップの被
溶接材への溶着を正確に検出することができ、電極チッ
プの溶着が発生した場合には迅速に対処することができ
る。
【0018】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明に係わるスポ
ット溶接装置の一実施例を説明する。
【0019】図1および図2に示すスポット溶接装置
は、一対の溶接ガンアーム1,2に対向する電極チップ
303,304を備えており、重ね合わせた2枚の被溶
接材W1,W2を挟んで加圧し、通電による抵抗加熱で
被溶接材W1,W2を溶着させるものである。各電極チ
ップ303,304は、溶接ガンアーム1,2に、電極
ホルダ301,305および電極アダプタ302,30
6を介して取付けてある。図1中で上側に示す一方の溶
接ガンアーム1は、エアシリンダ5により他方の溶接ガ
ンアーム2に対して進退駆動される。他方の溶接ガンア
ーム2は、少なくとも溶接時において固定状態となる。
なお、溶接ガンアーム1,2は、例えば多軸制御式の溶
接ロボットに取付けてある。
【0020】上記スポット溶接装置は、図3に示す溶接
自動制御手段315により、両電極チップ303,30
4に対する溶接電流、通電時間および通電タイミングが
制御されると共に、溶接トランス7により一次電流を溶
接に必要な電流Iwまで増幅させる。この溶接電流Iw
に対して、スポット溶接装置は、溶接ガンアーム1,
2、電極ホルダ301,305、電極アダプタ302,
306、電極チップ303,304および被溶接材W
1,W2で溶接電流回路を形成している。なお、図1中
の矢印Fmは、溶接電流Iwの通電により溶接ガンアー
ム1,2の並行線路に働く電磁力を示している。また、
溶接自動制御手段315は、電極チップ303,304
に対する通電の制御だけでなく、溶接ガンアーム1,2
の姿勢等を決定する溶接ロボットの制御も行うものであ
る。
【0021】上記のスポット溶接装置は、図3に示すよ
うに、溶接中に一方の溶接ガンアーム1における電極チ
ップ303の直交する3軸方向の振動を検出する多軸振
動センサ310と、この多軸振動センサ310を入力源
とする処理手段311を備えている。さらに、処理手段
311は、多軸振動センサ310で検出した振動情報に
基づいてスポットナゲットの形成状態の良否を判定する
ナゲット良否判定手段312と、多軸振動センサ310
で検出した振動情報に基づいて電極チップ303,30
4の挙動を検出するとともに電極チップの挙動に基づい
て溶接状態の良否および打点位置の良否を判定する溶接
状態検出手段313と、溶接状態検出手段313の検出
結果の履歴および溶接自動制御手段315により検出さ
れる打点位置情報から打点位置毎の溶接状態の傾向を求
めて溶接自動制御手段315に制御の修正情報を出力す
る溶接制御修正指示手段314と、溶接状態検出手段3
13の検出結果とナゲット良否判定手段312の良否判
定結果に基づいて被溶接材の仕上がり品質を監視する溶
接品質監視手段322を備えている。
【0022】前記多軸振動センサ310は、3軸加速度
センサであって、図2に示すように、電極アダプタ30
2にねじ307で固定したブラケット308に取付けて
あり、図2(a)の左右方向であるX軸方向の振動と、
図2(a)の面に垂直なY軸方向の振動と、図2(a)
の上下方向であるZ軸方向(加圧軸方向)の振動を検出
する。なお、多軸振動センサ310に加速度センサを用
いたのは、加速度は変位に対してω倍の感度が得ら
れるので特に高周波振動を検出しやすく、広い検出ダ
イナミックレンジを必要とする熱膨張変位のある用途に
おいても対応が容易であり、小型であることから取付
けスペースの制約が大きい溶接ガンにも適用しやすいか
らである。
【0023】処理手段311における溶接状態検出手段
313は、図4に示すように、多軸振動センサ310の
3軸方向の振動情報から電極チップ303の3軸方向の
挙動を検出する電極挙動検出手段316を備えると共
に、この電極挙動検出手段316を入力源として、板隙
検出手段317と、打角検出手段318と、端打ち検出
手段319と、散り方向検出手段320と、電極チップ
溶着検出手段321を備えている。
【0024】電極挙動検出手段316は、多軸振動セン
サ310で得た3軸方向の振動信号を二重積分処理し、
電極チップ303の挙動である3軸方向の変位Xd,Y
d,Zdを算出する。ここで、図5は、溶接時における
電極チップの挙動の基準パターンと、溶接時において電
極挙動検出手段316で検出される電極チップ303の
実際の挙動パターンを示す図である。
【0025】スポット溶接装置は、図5に示すように、
電極チップ303を降下(被溶接材に対して前進)させ
たのち、所定の加圧期間を経て通電を行い、その後、所
定の保持期間を経て電極チップ303を上昇(後退)さ
せることで1回の溶接動作を終了する。
【0026】この間、スポット溶接装置では、電極チッ
プ303の降下過程において、板隙検出手段317によ
り、被溶接材W1,W2に対する電極チップ303の降
下量(前進量)B1が所定量に達する時間Td、あるい
は電極チップ303の降下速度(降下の傾き角度A1)
を基準値と比較して被溶接材W1,W2の板隙状態を検
出する。この板隙の検出にはZ軸方向の変位Zdが用い
られる。加圧期間においては、打角検出手段318によ
り、加圧軸に直角な方向の加圧時の電極チップ303の
挙動すなわちX,Y軸方向の変位Xd,Ydに基づいて
加圧接触前の被溶接材W1,W2に対する加圧軸の傾き
B2(図2中のα)を検出する。
【0027】その後、通電期間において、端打ち検出手
段319により、多軸振動センサ316で検出したZ軸
方向の溶接振動における片振幅の包絡線B3の変化に基
づいて被溶接材W1,W2の端打ちの有無を検出し、ま
た、散り方向検出手段320により、加圧軸に直角な
X,Y軸方向の振動に基づいて散りB4の方向を検出す
る。そして、電極チップ303の上昇過程において、電
極チップ溶着検出手段321により、被溶接材W1,W
2に対する電極チップ303の上昇量(後退量)B5が
所定量に達する時間Tuを基準値と比較して電極チップ
303の被溶接材W1への溶着を検出する。
【0028】図6は上記各手段317〜321を用いた
基本的な検出工程を説明するフローチャートである。す
なわち、溶接状態検出のステップS1では、ステップS
100において板隙を検出し、ステップS110におい
て板隙があると判定した場合にはステップS120にお
いて板隙の警報を出力する。その後、ステップS200
において被溶接材W1,W2に対する加圧軸の角度であ
る打角を検出し、ステップS210において打角が過大
であると判定した場合にはステップS220において打
角の警報を出力する。
【0029】続いて、ステップS300において端打ち
を検出し、ステップS310において端打ちがあると判
定した場合にはステップS320において端打ちの警報
を出力する。次に、ステップS400において散りの方
向を検出し、ステップS410において定常的な散りが
あると判定した場合にはステップS420において散り
の警報を出力する。その後、ステップS500において
電極チップ303の溶着状態を検出し、ステップS51
0において溶着が発生していると判定した場合にはステ
ップS520において溶着の警報を出力する。
【0030】そして、溶接制御修正指示手段314での
処理工程として、ステップS600において、板隙、打
角、端打ち、散りおよび電極チップ溶着の各溶接状態の
履歴を蓄積し、ステップS700において溶接状態の履
歴に基づいて溶接自動制御手段315に対する制御修正
量を検出する。
【0031】次に、図5および図9〜図14のフローチ
ャートを用いて各手段317〜321による検出要領を
詳しく説明する。
【0032】板隙検出手段317は、電極チップ303
の降下過程において、電極挙動検出手段316で検出し
たZ軸方向の変位Zdを用いて板隙を検出する。この板
隙検出手段317は、図5に示す基準パターンすなわち
板隙の無い正常な被溶接材W1,W2を加圧したときの
電極チップ303の降下量B1と、その降下量B1に達
するまでの時間Tdを判定の基準値として記憶してい
る。
【0033】そして、実際の溶接を開始すると、図9に
示すフローチャートのステップS101において、電極
チップ303が所定の降下量B1に達するまでの時間T
dの計測を開始し、ステップS102において所定の降
下量B1に達したか否かを繰り返し判定し、所定の降下
量B1に達するとステップS103において時間Tdの
計測を終了する。
【0034】ここで、被溶接材W1,W2の間に板隙が
ある場合には、降下する電極チップ303で板隙を押し
潰すことになり、その分時間がかかるので、所定の降下
量B1に達するまでに余計な追加時間T1を要すること
になる。そこで、板隙検出手段317は、ステップS1
04において計測時間Tdと基準時間Tdとの差から追
加時間T1を算出し、ステップS105において追加時
間T1が許容値以内であるか否かを判定し、追加時間T
1が許容値を越えている場合にはステップS106にお
いて板隙有りと判定し、追加時間T1が許容値以内であ
る場合にはステップS107において板隙無しと判定す
る。
【0035】また、板隙検出手段317は、電極チップ
303の降下速度に基づいて板隙を検出することもでき
る。降下速度は、図5に電極チップ303の降下の傾き
角度A1で表される。つまり、板隙がある場合には、所
定の降下量B1に達するまでに時間がかかるので、板隙
の無い場合に比べて傾き角度A1が小さくなる。
【0036】この場合、板隙検出手段317は、図10
に示すフローチャートのステップS131において所定
期間ΔtにおけるZ軸方向変位Zdの変化量ΔZdの計
測を開始し、ステップS132において所定期間Δtが
経過したか否かを繰り返し判定し、所定期間Δtが経過
するとステップS133において変化量ΔZdの計測を
終了する。そして、ステップS134において降下速度
(傾き角度A1)を算出する。この傾き角度A1は次式
(1)により求められる。
【0037】
【数式1】
【0038】その後、ステップS135において傾き角
度A1が許容値以内であるか否かを判定し、傾き角度A
1が許容値を越えている場合にはステップS136にお
いて板隙有りと判定し、傾き角度A1が許容値以内であ
る場合にはステップS137において板隙無しと判定す
る。打角検出手段318は、図5に示すように、電極チ
ップ303が所定の降下量B1に達するまでの時間T2
が経過した後の加圧期間において、打角の検出を行う。
すなわち、図11に示すフローチャートのステップS2
01において上記時間T2が経過したか否かを繰り返し
判定し、時間T2が経過した後、ステップS202にお
いて加圧軸に直交する方向の電極チップ303の挙動で
あるX,Y軸方向の変位Xd,Ydを入力し、ステップ
S203において図2(a)に示す打角αを算出する。
この打角αは、被溶接材W1,W2に接触する前の加圧
軸に対する被溶接材W1の垂直線の傾きであり、次式
(2)で求められる。
【0039】
【数式2】
【0040】その後、打角検出手段318は、ステップ
S204において打角αが許容値を越えているか否かを
判定し、打角αが許容値を越えていない場合にはステッ
プS205において打角無しと判定し、打角αが許容値
を越えている場合にはステップS205において打角有
り(打角過大)と判定する。端打ち検出手段319は、
図5に示す通電期間中にZ軸方向の変位Zdを用いて端
打ちの有無を検出する。すなわち、電極チップ303の
Z軸方向変位Zdは電磁振動と溶接振動と熱膨張による
変位が合成されたものであり、溶接が正常な位置で行わ
れた場合には、図5の基準パターンに示すように、合成
波の包絡線は単調増加となる。ところが、端打ちの場合
には、通電時の発熱によって被溶接材W1,W2の潰れ
が急激に進行し、図5の挙動パターンに示すように、Z
軸方向変位Zdが急激に変化するのに伴って合成波の包
絡線も急激に変化する。そこで、端打ち検出手段319
は、図12に示すフローチャートのステップS301に
おいて振幅検波回路等により合成波の包絡線を検出し、
ステップS302において包絡線の急激な変化として現
れる端打ちの有無を判定し、端打ちが無い場合にはステ
ップS303において通電を終了したか否かを判定し、
通電を終了した場合にはステップS304において端打
ち無しと判定する。また、ステップS303において通
電を終了していないと判定した場合にはステップS30
2に戻り、ステップS302において端打ちが有る場合
にはステップS305において端打ち有りと判定する。
散り方向検出手段320は、電極チップ303の偏摩耗
などにより毎回同じ方向へ発生している散りを検出す
る。この散りの検出は、図5に示す通電期間中に電極チ
ップ303の加圧軸に直交する方向であるX,Y軸方向
の変位Xd,Ydを用いて行う。すなわち、図13に示
すフローチャートのステップS401においてX,Y軸
方向の変位Xd,Ydに基づいて散り振動を検出し、ス
テップS402において図2(b)に示す散りの方向α
sを検出する。この散りの方向αsは次式(3)で求め
られる。
【0041】
【数式3】
【0042】そして、ステップS403において散りの
方向αsの所定回数分の履歴を蓄積しておき、統計的に
毎回ほぼ同じ方向に散りを検出した場合には、電極チッ
プ303の偏摩耗あるいは被溶接材W1,W2の変形が
慢性的に発生していると判定することができる。なお、
散りの検出は、微分回路やハイパスフィルタなどを使用
し、短時間で大きい振幅となる振動を抽出することで行
う。また、散り方向検出手段320は、ステップS40
4において先の打角検出手段318で検出した打角αと
散りの方向αsとを比較し、打角αと散りの方向αsと
が一致しない場合にはステップS405において被溶接
材W1,W2側に変形等の不具合が発生していると推定
し、打角αと散りの方向αsとが一致した場合にはステ
ップS406において電極チップ303側に偏摩耗等の
不具合が発生していると推定する。上記の如く不具合を
推定する理由は次の通りである。被溶接材W1,W2側
の不具合は、例えば溶接面の変形、汚れおよび傷などで
あって、打角とは無関係である。したがって、打角αと
散りの方向αsとが不一致である場合には、被溶接材W
1,W2側に不具合がある可能性がきわめて高いと言え
る。また、電極チップ303の偏摩耗により被溶接材W
1,W2に対して加圧軸の打角αが生じた場合には、そ
の打角方向(図2中のP)の側で電極チップ303によ
る過圧力が不充分となり、これにより散り放出口が形成
されやすくなり、打角方向Pと散りの方向αsとが一致
する。したがって、打角αと散りの方向αsとが一致し
た場合には、電極チップ303側に不具合がある可能性
がきわめて高いと言える。電極チップ溶着検出手段32
1は、電極チップ303の上昇過程において、Z軸方向
の変位Zdに基づいて電極チップ303が被溶接材W1
に溶着しているか否かを検出する。この電極チップ溶着
検出手段321は、図5に示す基準パターンにおける電
極チップの所定の上昇量B5と、その上昇量B5に達す
るまでの時間Tuを判定の基準値して記憶している。そ
して、図14に示すフローチャートのステップS501
において上記時間Tuの計測を開始し、ステップS50
2において所定の上昇量B5に達したかを繰り返し判定
し、所定の上昇量B5に達した場合にはステップS50
3で時間Tuの計測を終了する。ここで、被溶接材W1
に電極チップ303が溶着している場合には、その溶着
による抵抗を受けて所定の上昇量B5に達するまでに余
計な追加時間T5を要することになる。そこで、電極チ
ップ溶着検出手段321は、ステップS504において
計測時間Tdと基準時間Tdとの差から追加時間T5を
算出し、ステップS505において追加時間T5が許容
値以内であるか否かを判定し、追加時間T5が許容値を
越えている場合にはステップS506において溶着有り
と判定し、追加時間T5が許容値以内である場合にはス
テップS507において溶着無しと判定する。上記の如
く板隙、打角、端打ち、散りおよび電極チップの溶着を
検出判定が行われると、溶接制御修正指示手段314に
は、各手段317〜321からの検出結果と、溶接自動
制御手段315からの溶接打点位置情報が入力される。
溶接制御修正指示手段314は、各検出結果の履歴を記
録してその履歴から被溶接材W1,W2における打点位
置毎の溶接状態の統計を求める。そして、例えば特定の
打点位置において板隙や打角のずれ、端打ちの発生有無
などの溶接状態の不良判定を行い、表1に示すように予
め定めた判定マップに基づいて制御の修正有無や修正内
容を修正情報として出力する。
【0043】
【表1】
【0044】溶接制御修正指示手段314の処理工程を
図15のフローチャートに示す。すなわち、ステップS
701において例えばZ軸方向の振動情報から得られる
溶接部分の溶け具合に基づいて溶接の良否を判定し、溶
接不良である場合にはステップS702において電極チ
ップ303に対する電流や加圧力といった溶接条件修正
を設定し、溶接良好である場合にはステップS703に
おいて修正無しと設定する。また、ステップS704に
おいて板隙の有無を判定し、板隙が有る場合にはステッ
プS705において被溶接材W1,W2の位置決め修正
を設定し、板隙が無い場合はステップS706において
修正無しと設定する。さらに、ステップS707におい
て打角を判定し、打角が許容値よりも大きい場合にはス
テップS708において溶接ロボットの位置決め修正を
設定し、打角が許容値よりも小さい場合にはステップS
709において修正無しと設定する。次に、ステップS
710において端打ちの有無を判定し、端打ちが有る場
合にはステップS711において溶接ロボットの位置決
め修正を設定し、端打ちが無い場合にはステップS71
2において修正無しと設定する。また、ステップS71
3において電極チップ303の溶着の有無を判定し、溶
着が有る場合にはステップS714において電極チップ
303の交換を設定し、溶着が無い場合にはステップS
75において修正無しと設定する。そして、ステップS
716において先の表1に示す判定マップに基づいて各
修正情報を出力する。この修正情報は溶接自動制御手段
315に入力され、溶接制御の停止あるいは修正作業の
ためのプロセスを実行する。なお、図6に基本的構成を
示す以上の処理工程では、溶接中において振動を検出し
ながらリアルタイムで逐次判定を行う場合を説明した
が、このほか、図7に示すように、ステップS800に
おいて溶接中の振動信号を一旦記憶した後、ステップS
1において溶接状態を一括して判定する方式や、また、
図8に示すように、ステップS800において溶接中の
振動信号を一旦記憶し、さらにステップS801におい
て平均の振動を検出した後、ステップS1において溶接
状態を一括して判定する方式とすることもできる。つま
り、インプロセス制御等のようにリアルタイムでの判定
が必要な場合には図6に示す逐次判定方式を採用するの
が良く、判定のばらつきを少なくし且つ品質管理データ
を単純化する場合には、図7や図8に示す一括判定方式
を採用するのが良く、用途に応じてこれらの方式を使い
分ける。次に、図3に示す処理手段311におけるナゲ
ット良否判定手段312は、多軸振動センサ310で検
出したZ軸方向の振動情報に基づいてスポットナゲット
の形成状態の良否を判定する。ここで、図17は、厚さ
1.6mmのSPCC鋼板(冷延鋼板)に対して溶接電
流を変化させて溶接を行い、それぞれのスポットナゲッ
トの形成状態と、溶接振動波形と、溶接振動波形の振幅
スペクトルを示したものである。また、図18は、図1
7(a)に示す溶接不可の場合と、図17(c)に示す
溶接合格の場合において、双方の溶接振動波形の振幅ス
ペクトルを溶融開始期とスポットナゲット進行期とに分
けて対比したものである。図17から明らかなように、
溶接振動波形の特徴としては、溶接振動波形の振幅レベ
ルとスポットナゲット形成との相関、溶接振動波形の包
絡線の時間変化パターンとスポットナゲット形成との相
関、溶接振動波形の周波数分布の時間変化パターンとス
ポットナゲット形成との相関が挙げられる。また、図1
8から明らかなように、スポットナゲットの形成状態が
不可の場合には、溶融開始期(a)とスポットナゲット
形成進行期(c)の振幅スペクトルに大きな違いは見ら
れないが、スポットナゲットの形成状態が合格の場合に
は、溶融開始期(b)に対してスポットナゲット形成進
行期(d)の振幅スペクトルに大きな違いを確認でき
る。したがって、ナゲット良否判定手段312では、Z
軸方向の振動情報として、溶接振動波形の振幅レベル、
溶接振動波形の包絡線の時間変化パターン、溶接振動波
形の周波数分布の時間変化等に基づいてスポットナゲッ
トの良否を判定することができる。さらに、処理手段3
11における溶接品質監視手段322は、溶接状態検出
手段313の検出結果とナゲット良否判定手段312の
良否判定結果に基づいて被溶接材の仕上がり品質を監視
する。溶接品質監視手段322には、表2に示すよう
に、溶接状態検出手段313の各警報出力とスポットナ
ゲットの良否とに基づいて設定した判定マップが記憶さ
せてある。そして、スポットナゲットの良否判定結果と
各警報が出力される度に表1の判定マップを参照し、溶
接品質を判定して出力する。
【0045】
【表2】
【0046】溶接品質監視手段322の処理工程を図1
6のフローチャートに示す。すなわち、ステップS90
1において例えばZ軸方向の振動情報から得た溶接部分
の溶け具合に基づいて溶接の良否を判定し、溶接不良で
ある場合にはステップS902において溶接品質を不良
レベルと設定する。また、溶接が良好である場合にはス
テップS903において電極チップ303の溶着の有無
を判定し、溶着が有る場合にはステップS904におい
て溶接品質を不良レベルと設定する。さらに、溶着が無
い場合にはステップS905において端打ちの有無を判
定し、端打ちが有る場合にはステップSS906におい
て溶接品質を不良レベルと設定する。次に、端打ちが無
い場合にはステップS907において板隙の有無を判定
し、板隙が有る場合にはステップS908において溶接
品質を軽度不良レベルと設定する。また、板隙が無い場
合にはステップS909において打角を判定し、打角が
許容値よりも大きい場合にはステップS910において
溶接品質を準合格レベルと設定し、打角が許容値よりも
小さい場合にはステップS911において溶接品質を合
格レベルと設定する。そして、ステップS912におい
て全体の溶接品質レベルを出力する。ここで、表2に示
した判定マップについて説明する。スポットナゲットの
良否が合格と判定したときに板隙有りの警報を出力した
場合には、溶接強度としての品質は合格であるが、板隙
のために溶接箇所に波打ち変形が発生している可能性が
高く、その変形が顕著である場合には外観品質が良好で
あるとは言えない。また、補正制御が作用しているので
不必要な電力を消費していることになる。このことから
検査を要する旨の情報を出力するように判定マップを設
定している。そして、警報に基づいて板隙発生の原因の
除去を行うことにより、溶接品質と生産性を良好に管理
維持できる。また、スポットナゲットの良否が合格と判
定したときに打角が小の判定を出力した場合には、溶接
箇所の品質が許容値以内であると判定して溶接品質が良
好であることを出力するように判定マップを設定してい
る。さらに、スポットナゲットの良否が合格と判定した
ときに端打ち有りの警報を出力した場合には、溶接強度
も外観品質も合格であるとは言えない。したがって、溶
接品質が不良であることを出力するように判定マップを
設定している。そしてさらに、スポットナゲットの良否
が不合格と判定した場合には、溶接強度不足の被溶接材
が流出するのを防止するために、全ての警報出力との組
合わせにおいて溶接品質が不良であることを出力するよ
うに判定マップを設定している。なお、以上説明した各
手段からの警報出力は、ランプやブザー等の警報手段お
よびコンピュータに接続し、溶接モニタリング結果情報
として作業者の認知や生産管理システムでの認知に利用
する。また、本発明に係わるスポット溶接装置は、詳細
な構成が上記実施例のみに限定されることはなく、本発
明の要旨を変えない範囲で種々の変更実施が可能である
ことは言うまでもない。さらに、各手段は、目的に応じ
て分離して単独機能として活用することも当然可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スポット溶接装置の溶接ガンを示す概略説明図
である。
【図2】図1に示す溶接ガンの電極チップ付近を示す側
面図(a)および加圧軸の傾きを示す底面図(b)であ
る。
【図3】本発明に係わるスポット溶接装置の一実施例に
おける回路構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す溶接状態検出手段の内部構成を示す
説明図である。
【図5】電極チップの挙動の基準パターンと実際に溶接
をした際の電極チップの挙動パターンを示す説明図であ
る。
【図6】溶接状態検出手段の逐次判定方式による基本的
な検出工程を説明するフローチャートである
【図7】一括判定方式による検出工程を説明するフロー
チャートである。
【図8】一括判定方式による他の検出工程を説明するフ
ローチャートである。
【図9】板隙検出手段の電極チップの降下量に基づく検
出工程を説明するフローチャートである。
【図10】板隙検出手段の電極チップの降下速度に基づ
く検出工程を説明するフローチャートである。
【図11】打角検出手段の検出工程を説明するフローチ
ャートである。
【図12】端打ち検出手段の検出工程を説明するフロー
チャートである。
【図13】散り方向検出手段の検出工程を説明するフロ
ーチャートである。
【図14】電極チップ溶着検出手段の検出工程を説明す
るフローチャートである。
【図15】溶接制御修正指示手段の検出工程を説明する
フローチャートである。
【図16】溶接品質監視手段の検出工程を説明するフロ
ーチャートである。
【図17】異なる溶接電流でのスポットナゲットの形成
状態、溶接振動波形および振幅スペクトルを示す説明図
である。
【図18】図17(a)の溶接不可の場合と図17
(c)の溶接合格の場合における溶融開始期およびスポ
ットナゲット形成進行期のそれぞれの溶接振動波形の振
幅スペクトルを示す説明図である。
【符号の説明】
W1 W2 被溶接材 303 304 電極チップ 310 多軸振動センサ 312 ナゲット良否判定手段 313 溶接状態検出手段 314 溶接制御修正指示手段 315 溶接自動制御手段 317 板隙検出手段 318 打角検出手段 319 端打ち検出手段 320 散り方向検出手段 321 電極チップ溶着検出手段 322 溶接品質監視手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01H 17/00 G01H 17/00 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被溶接材を相対向する電極チップで加圧
    して抵抗加熱により溶着させるスポット溶接装置におい
    て、溶接中における電極チップの少なくとも2軸方向の
    振動を検出する多軸振動センサと、多軸振動センサで検
    出した振動情報に基づいて電極チップの挙動を検出する
    とともに電極チップの挙動に基づいて溶接状態の良否お
    よび打点位置の良否を判定する溶接状態検出手段を備え
    たことを特徴とするスポット溶接装置。
  2. 【請求項2】 スポット溶接装置を自動制御する溶接自
    動制御手段に対して、溶接状態検出手段の検出結果の履
    歴から打点位置毎の溶接状態の傾向を求めて制御の修正
    情報を出力する溶接制御修正指示手段を備えたことを特
    徴とする請求項1に記載のスポット溶接装置。
  3. 【請求項3】 多軸振動センサで検出した振動情報に基
    づいてスポットナゲットの形成状態の良否を判定するナ
    ゲット良否判定手段と、溶接状態検出手段の検出結果と
    ナゲット良否判定手段の良否判定結果に基づいて被溶接
    材の仕上がり品質を監視する溶接品質監視手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスポット溶
    接装置。
  4. 【請求項4】 溶接状態検出手段が、被溶接材に対する
    電極チップの前進量が所定量に達する時間を基準値と比
    較して被溶接材の板隙状態を検出する板隙検出手段を備
    えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のスポット溶接装置。
  5. 【請求項5】 溶接状態検出手段が、被溶接材に対する
    電極チップの前進速度を基準値と比較して被溶接材の板
    隙状態を検出する板隙検出手段を備えていることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のスポット溶接装
    置。
  6. 【請求項6】 溶接状態検出手段が、加圧軸に直角な方
    向の加圧時の電極チップの挙動に基づいて加圧接触前の
    被溶接材に対する加圧軸の傾きを検出する打角検出手段
    を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のスポット溶接装置。
  7. 【請求項7】 溶接状態検出手段が、多軸振動センサで
    検出した溶接振動の片振幅の包絡線変化に基づいて被溶
    接材の端打ちの有無を検出する端打ち検出手段を備えて
    いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    スポット溶接装置。
  8. 【請求項8】 溶接状態検出手段が、加圧軸に直角な方
    向の振動に基づいて散りの方向を検出し且つその検出結
    果と打角検出手段の検出結果に基づいて不具合箇所が電
    極チップ側であるか被溶接材側であるかを推定する散り
    方向検出手段を備えたことを特徴とする請求項6または
    7に記載のスポット溶接装置。
  9. 【請求項9】 溶接状態検出手段が、被溶接材に対する
    電極チップの後退量が所定量に達する時間を基準値と比
    較して電極チップの被溶接材への溶着を検出する電極チ
    ップ溶着検出手段を備えていることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載のスポット溶接装置。
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