JP6107675B2 - 溶接品質検査方法と溶接品質検査装置 - Google Patents

溶接品質検査方法と溶接品質検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6107675B2
JP6107675B2 JP2014005665A JP2014005665A JP6107675B2 JP 6107675 B2 JP6107675 B2 JP 6107675B2 JP 2014005665 A JP2014005665 A JP 2014005665A JP 2014005665 A JP2014005665 A JP 2014005665A JP 6107675 B2 JP6107675 B2 JP 6107675B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quality
welding quality
welding
pass
determination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014005665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015134359A (ja
Inventor
考良 田中
考良 田中
伸康 森
伸康 森
靖男 松田
靖男 松田
匡弘 西尾
匡弘 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2014005665A priority Critical patent/JP6107675B2/ja
Publication of JP2015134359A publication Critical patent/JP2015134359A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6107675B2 publication Critical patent/JP6107675B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Description

本発明は、溶接品質検査方法および溶接品質検査装置に関し、たとえば、複数の被溶接部材の接合部同士を重合し、該接合部を一対の電極で加圧挟持し、該一対の電極間に電流を流して前記複数の被溶接部材同士を接合する重ね抵抗溶接における溶接品質を検査する溶接品質検査方法および溶接品質検査装置に関するものである。
重ね抵抗溶接の一種であるスポット溶接では、一般に複数の板状の被溶接部材(ワーク)の溶接部同士を重ね合わせ、そのワークの溶接部を一対の電極で挟持して加圧し、この一対の電極間に電流を流すことによって、複数の被溶接部材同士を接合している。電極で挟持された溶接部は電流抵抗により発生するジュール熱によって溶融された後に凝固され、当該溶接部では所謂ナゲットが形成されるが、このナゲットが適正に形成されていない、すなわち溶接品質が不良である場合には、溶接品質が良好となるように再度の溶接などが行われている。
このような重ね抵抗溶接における溶接品質の良否を判定するための従来技術としては、たとえば、作業者などが、スポット溶接された複数の被溶接部材から所定の個数毎に検査対象となる被溶接部材を抜き出し、その溶接部の所定の箇所にタガネを当接させてハンマーなどで殴打し、タガネが所定量だけ打ち込まれた際の溶接部の剥がれの有無によって判定する技術(タガネチェック)が知られている。
また、近年では、溶接時の電極間の抵抗値に基づいて溶接品質の良否を判定することも行われており、そのような方法に関する従来技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている品質判定方法は、溶接時の電極間の抵抗値を測定して、通電時間に対する抵抗値の変化を表した抵抗値波形を生成する抵抗値波形生成工程と、該生成した抵抗値波形を、予め設定された各種外乱による複数の抵抗値波形パターンのうちの一つに分類する抵抗値波形分類工程と、前記抵抗値波形パターン毎に予め設定された判定基準に基づいて溶接品質が良であるか否を判定する第1溶接品質良否判定工程と、前記第1溶接品質良否判定工程で溶接品質が良でないと判定した場合において、前記抵抗値波形からスパッタの発生の有無を判定するスパッタ有無判定工程と、スパッタの発生があると判定した場合に、前記生成した抵抗値波形における抵抗値の変化量と、前記抵抗値波形パターン毎に予め設定されたスパッタ発生時の抵抗値の変化量閾値との比較に基づいて溶接品質が良であるか否を判定する第2溶接品質良否判定工程とを行う方法である。また、スパッタ有無判定工程でスパッタの発生がないと判定した場合に、さらに、重回帰分析・判別回析などの判別分析による判定を行う方法である。
特許文献1に開示されている品質判定方法によれば、第1溶接品質良否判定工程で生成された抵抗値波形が分類された抵抗値波形パターンのうち良品の抵抗値波形と類似するものについて溶接品質が良であると判定することができるとともに、第1溶接品質良否判定工程で溶接品質が良でないと判定された溶接部であっても、第2溶接品質良否判定工程で生成された抵抗値波形における抵抗値の変化量を、抵抗値波形パターン毎に予め設定されたスパッタ発生時の抵抗値の変化量閾値と比較するだけで、ナゲットが適切に形成されたか、つまり、溶接品質が良であるかを判定することができる。そのため、溶接条件に応じて溶接品質を判定するための閾値を溶接箇所(打点)毎に設定する必要がなく、しかも、各種外乱に影響されることなく、溶接品質の良否を精度よく容易に判定することができる。
特開2011−240368号公報
ところで、たとえば特許文献1に開示される品質判定方法のように、予め設定される判定閾値を用いて溶接品質の良否を判定する場合、その判定閾値は、市場への不良品の流出に繋がる誤判定(製品が不良品であるにも関わらず、良品と判定される事象)が発生しないように設定されており、過判定(製品が良品であるにも関わらず、不良品と判定される事象)が発生する可能性があることが知られている。そのため、上記のような重ね抵抗溶接において、予め設定された判定閾値を用いて溶接品質の良否を判定し続けると、過判定の発生に伴って、生産性が低下するといった問題や、作業者などによるタガネチェックなどの作業工数が増加するといった問題が生じ得る。
本発明は上記する課題に鑑みてなされたものであり、たとえば、複数の被溶接部材の接合部同士を重合し、該接合部を一対の電極で加圧挟持し、該一対の電極間に電流を流して前記複数の被溶接部材同士を接合する重ね抵抗溶接において、過判定の発生を抑制してワークの接合部の溶接品質を精緻に検査することができ、それにより、生産性を高めることができるととともに、作業者などによるタガネチェックなどの作業工数の増加を抑制することができる溶接品質検査方法と溶接品質検査装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による溶接品質検査方法は、複数の被溶接部材の接合部同士を重合し、該接合部を一対の電極で加圧挟持し、該一対の電極間に電流を流して前記複数の被溶接部材同士を接合する重ね抵抗溶接における溶接品質を検査する溶接品質検査方法であって、前記一対の電極を有する溶接装置に順次搬送される複数の被溶接部材の接合部の溶接品質を順次検査する溶接品質検査方法において、溶接時の前記一対の電極間の抵抗値の通電時間に対する変化を表した抵抗値波形を、予め設定された各種外乱による複数の抵抗値波形パターンに分類して溶接品質の良否を判定する第1溶接品質良否判定工程と、前記第1溶接品質良否判定工程で溶接品質が不良と判定した場合に、前記抵抗値波形からスパッタの発生の有無を判定して溶接品質の良否を判定する第2溶接品質良否判定工程と、前記第2溶接品質良否判定工程で溶接品質が不良と判定した場合に、前記抵抗値波形から得られる基礎変数を予め設定された判定式に代入して算出される演算結果と、予め設定された判定閾値とを比較して溶接品質の良否を判定する第3溶接品質良否判定工程と、前記第3溶接品質良否判定工程で溶接品質が不良と判定した場合に、前記第1〜第3溶接品質良否判定工程とは異なる方法で溶接品質の良否を判定する第4溶接品質良否判定工程と、前記第4溶接品質良否判定工程で溶接品質が良好と判定した場合に、今回以前の検査時に前記第3溶接品質良否判定工程で算出された複数の演算結果のうち前記判定閾値に最も近い演算結果を前記第3溶接品質良否判定工程における新たな判定閾値として更新する判定閾値更新工程と、を有している方法である。
ここで、前記判定閾値更新工程における前記複数の演算結果は、今回から予め設定された回数だけ遡った回までの検査時に前記第3溶接品質良否判定工程で算出された演算結果を含むことが好ましい。
また、本発明による溶接品質検査装置は、複数の被溶接部材の接合部同士を重合し、該接合部を一対の電極で加圧挟持し、該一対の電極間に電流を流して前記複数の被溶接部材同士を接合する重ね抵抗溶接における溶接品質を検査する溶接品質検査装置であって、前記一対の電極を有する溶接装置に順次搬送される複数の被溶接部材の接合部の溶接品質を順次検査する溶接品質検査装置において、溶接時の前記一対の電極間の抵抗値の通電時間に対する変化を表した抵抗値波形を、予め設定された各種外乱による複数の抵抗値波形パターンに分類して溶接品質の良否を判定する第1溶接品質良否判定部と、前記第1溶接品質良否判定部で溶接品質が不良と判定された場合に、前記抵抗値波形からスパッタの発生の有無を判定して溶接品質の良否を判定する第2溶接品質良否判定部と、前記第2溶接品質良否判定部で溶接品質が不良と判定された場合に、前記抵抗値波形から得られる基礎変数を予め設定された判定式に代入して算出される演算結果と、予め設定された判定閾値とを比較して溶接品質の良否を判定する第3溶接品質良否判定部と、前記第3溶接品質良否判定部で溶接品質が不良と判定された場合に、前記第1〜第3溶接品質良否判定部とは異なる方法で溶接品質の良否を判定する第4溶接品質良否判定部と、前記第4溶接品質良否判定部で溶接品質が良好と判定された場合に、今回以前の検査時に前記第3溶接品質良否判定部で算出された複数の演算結果のうち前記判定閾値に最も近い演算結果を前記第3溶接品質良否判定部における新たな判定閾値として更新する判定閾値更新部と、を有している装置である。
ここで、前記判定閾値更新部における前記複数の演算結果は、今回から予め設定された回数だけ遡った回までの検査時に前記第3溶接品質良否判定部で算出された演算結果を含むことが好ましい。
以上の説明から理解できるように、本発明によれば、第1〜第3溶接品質良否判定工程とは異なる方法で溶接品質の良否を判定する第4溶接品質良否判定工程で溶接品質が良好と判定した場合に、今回以前の検査時に第3溶接品質良否判定工程で算出された複数の演算結果のうち判定閾値に最も近い演算結果をその第3溶接品質良否判定工程における新たな判定閾値として更新することにより、第4溶接品質良否判定工程での判定結果に基づいて第3溶接品質良否判定工程における判定閾値を適宜に更新することができる。そのため、過判定の発生を抑制してワークの接合部の溶接品質を精緻に検査することができ、生産性を高めることができるととともに、作業者などによるタガネチェックなどの作業工数の増加を抑制することができる。
本発明の溶接品質検査装置の実施の形態の全体構成を示した全体構成図である。 図1に示す溶接品質検査装置による溶接品質検査方法を説明したフロー図である。 図2で示す判定閾値更新工程を模式的に説明した説明図である。
以下、図面を参照して本発明の溶接品質検査方法と溶接品質検査装置の実施の形態を説明する。
[溶接品質検査装置の実施の形態]
まず、図1を参照して本発明の溶接品質検査装置の実施の形態を説明する。図1は、本発明の溶接品質検査装置の実施の形態の全体構成を示した全体構成図である。
図示する溶接品質検査装置1は、複数の被溶接部材(ワーク)Wa、Wb、…の接合部同士を重合し、その被溶接部材Wa、Wb、…の接合部を溶接ロボット(溶接装置)2の一対の電極2a、2bで加圧挟持し、この一対の電極2a、2b間に電流を流して複数の被溶接部材Wa、Wb、…同士を接合する、重ね抵抗溶接における溶接品質を検査する装置であって、溶接ラインに沿って溶接ロボット2に順次搬送される各被溶接部材の接合部の溶接品質を順次検査する装置である。この溶接品質検査装置1は、溶接ロボット2の動作を制御するコントローラ3、コントローラ3内の情報や当該溶接品質検査装置1により検査された各溶接箇所の溶接品質に関する情報などを表示するモニタ4などと通信可能に接続されている。
なお、溶接ロボット2により接合される被溶接部材としては、たとえば自動車のボデーを構成するパネル材などが挙げられると共に、接合される被溶接部材の枚数や各被溶接部材の厚さなどは適宜に設定することができる。また、溶接ロボット2としては、たとえば、C型溶接ガンやX型溶接ガンを用いてスポット溶接する装置や、ローラ状または円盤状の電極により被溶接部材の接合部を連続してシーム溶接する装置などを適用することができる。
上記する溶接品質検査装置1は、主に、溶接時の電極2a、2b間の抵抗値を測定する抵抗値測定部9と、抵抗値測定部9により測定された抵抗値に基づいて通電時間に対する抵抗値の変化を表した抵抗値波形を生成する抵抗値波形生成部10と、抵抗値波形生成部10により生成された抵抗値波形などに基づいて接合部の溶接品質の良否を判定する第1〜第4溶接品質良否判定部11〜14と、第3溶接品質良否判定部13における判定閾値を更新する判定閾値更新部15と、を備えている。
抵抗値測定部9は、たとえば、交流電源から電極2a、2b間に交流電流を流したときの交流電流の半サイクルごとの電極2a、2b間に流れる電流値と電極2a、2b間の電圧値とを測定し、得られた電流値と電圧値とから抵抗値を演算することにより、溶接時の電極2a、2b間の抵抗値を測定することができる。
溶接品質検査装置1の第1溶接品質良否判定部11は、抵抗値波形生成部10により生成された抵抗値波形を、予め設定された各種外乱による複数の抵抗値波形パターンのうちの一つに分類し、分類された抵抗値波形と抵抗値波形パターン毎に予め設定された判定基準とを比較して溶接品質の良否を判定するものであり、その判定結果は、第2溶接品質良否判定部12やモニタ4などに送信されるようになっている。
重ね抵抗溶接における各種外乱の要因としては、たとえば、電極の先端のチップの使用による摩耗、電極とワークとの面直度、端打ち、板スキ(ワークの接合部の隙間)、溶接中のスベリなどがあり、第1溶接品質良否判定部11に予め記憶される抵抗値波形パターンとしては、たとえば、一般型や右下がり型、ルート型、水平型などと称される波形パターンがあるが、抵抗値波形生成部10により生成された抵抗値波形を、予め設定された各種外乱による複数の抵抗値波形パターンのうちの一つに分類する方法や、抵抗値波形パターン毎に予め設定された判定基準に基づいて溶接品質の良否を判定する方法は公知であるため(特許文献1参照)、ここではその詳細な説明を省略する。
第2溶接品質良否判定部12は、第1溶接品質良否判定部11で溶接品質が不良と判定された場合に、抵抗値波形生成部10により生成された抵抗値波形であって第1溶接品質良否判定部11で溶接品質が不良と判定された抵抗値波形からスパッタの発生の有無を判定して溶接品質の良否を判定するものであり、その判定結果は、第3溶接品質良否判定部13やモニタ4などに送信されるようになっている。
ここで、抵抗値は、初期抵抗値から発熱により増加し、最大抵抗値に到達してからスパッタが発生するまでは徐々に低下するため、第2溶接品質良否判定部11は、抵抗値の急激且つ大きな低下が認められたときにスパッタが発生したものと判定し、そのような抵抗値の急激且つ大きな低下が認められないときには、スパッタが発生しなかったものと判定することができる。
第3溶接品質良否判定部13は、第2溶接品質良否判定部12で溶接品質が不良(すなわち、スパッタの発生が有る)と判定された場合に、抵抗値波形生成部10により生成された抵抗値波形から得られる基礎変数を予め設定された判定式に代入し、それにより算出される演算結果と予め設定された判定閾値とを比較して溶接品質の良否を判定するものであり、その演算結果が判定閾値更新部15に送信されると共に、その判定結果が、第4溶接品質良否判定部14や判定閾値更新部15、モニタ4などに送信されるようになっている。
ここで、基礎変数には、たとえば、初期抵抗値、最終抵抗値、平均抵抗値、最大抵抗値、最小抵抗値、抵抗値波形において初期抵抗値と最終抵抗値とを結ぶ直線と抵抗値波形とにより囲まれた領域の面積、通電開始から最大抵抗値に到達するまでに要する時間、通電開始から最小抵抗値に到達するまでに要する時間などが含まれる。
また、上記した基礎変数を代入する判定式としては、たとえば、以下の式(1)で示す判定式を使用できるとともに、判定閾値の初期値としてはたとえば0(ゼロ)を使用することができ、判定式により算出される演算結果が0以上である場合には溶接品質が不良と判定し、判定式により算出される演算結果が0未満である場合には溶接品質が良好と判定することができる。
[数1]
{2×A+(B−E)/C}×D ・・・(1)
ここで、式(1)におけるA〜Dは、上記した基礎変数から選択される適宜の変数である。
第4溶接品質良否判定部14は、第3溶接品質良否判定部13で溶接品質が不良と判定された場合に、上記した第1〜第3溶接品質良否判定部11〜13とは異なる方法で溶接品質の良否を判定するものであり、その判定結果は、判定閾値更新部15やモニタ4などに送信されるようになっている。
ここで、第4溶接品質良否判定部14は、上記した第1〜第3溶接品質良否判定部11〜13よりも確実に接合部の溶接品質の良否を判定できれば、如何なる方法を使用してもよいが、たとえば、作業者などによるタガネチェックや、超音波測定や表面温度測定などを利用した非接触の判定方法などを適用することができる。
判定閾値更新部15は、第4溶接品質良否判定部14で溶接品質が良好と判定された場合に、今回以前の検査時に第3溶接品質良否判定部13で今回の検査対象となっている接合部について算出された複数の演算結果のうち、前記判定閾値に最も近い演算結果を、第3溶接品質良否判定部13における新たな判定閾値として更新するものである。具体的には、判定閾値更新部15は、今回(第4溶接品質良否判定部14で溶接品質が良好と判定された回)から予め設定された回数だけ遡った回までの検査時に今回の検査対象となっている接合部について第3溶接品質良否判定部13で算出された複数の演算結果のうち、前記判定閾値に最も近い演算結果を、第3溶接品質良否判定部13における新たな判定閾値として更新するものである。
[溶接品質検査方法の実施の形態]
次に、図2および図3を参照して、図1に示す溶接品質検査装置1による溶接品質検査方法(本発明の溶接品質検査方法の実施の形態)をより具体的に説明する。図2は、図1に示す溶接品質検査装置による溶接品質検査方法を説明したフロー図であり、図3は、図2で示す判定閾値更新工程を模式的に説明した説明図である。なお、図3では、上段から、溶接ロボット2に順次搬送される被溶接部材のある接合部についての各回(図中、1回目から8回目まで)の検査時(溶接時)における、判定閾値、判定式による演算結果、第3溶接品質良否判定工程での判定結果、第4溶接品質良否判定工程での判定結果の一例を示している。
図2で示すように、まず、溶接品質検査装置1は、抵抗値測定部9にて溶接時の電極2a、2b間の抵抗値を測定する(S10)。次いで、溶接品質検査装置1は、抵抗値波形生成部10にて通電時間に対する抵抗値の変化を表した抵抗値波形を生成するとともに、その抵抗値波形から後述する判別分析に用いる基礎変数を算出する(S11)。
次に、溶接品質検査装置1は、第1溶接品質良否判定部11にて、S11で生成された抵抗値波形を、予め設定された各種外乱による複数の抵抗値波形パターンのうちの一つに分類する(S12)とともに、分類された抵抗値波形と抵抗値波形パターン毎に予め設定された判定基準とを比較して溶接品質が良好か否かを判定する(S13)(第1溶接品質良否判定工程)。S13で溶接品質が良好であると判定された場合には、その判定結果(良品判定結果)をモニタ4へ送信して(S19)処理を終了する。
一方、S13で溶接品質が良好でない(不良)と判定された場合には、溶接品質検査装置1は、第2溶接品質良否判定部12にて、溶接品質が不良と判定された抵抗値波形からスパッタの発生の有無を判定して溶接品質が良好であるか否かを判定する(S14)(第2溶接品質良否判定工程)。S14でスパッタの発生が無く溶接品質が良好であると判定された場合には、その判定結果(良品判定結果)をモニタ4へ送信して(S19)処理を終了する。
一方、S14でスパッタの発生が有り溶接品質が良好でないと判定された場合には、溶接品質検査装置1は、第3溶接品質良否判定部13にて、判別分析を用いて溶接品質が良好であるか否かを判定する(S15)(第3溶接品質良否判定工程)。具体的には、S11で得られた基礎変数を予め設定された判定式に代入し、それにより算出される演算結果と予め設定された判定閾値とを比較して溶接品質が良好であるか否かを判定する。S15で溶接品質が良好であると判定された場合には、その判定結果(良品判定結果)をモニタ4へ送信して(S19)処理を終了する。
一方、S15で溶接品質が良好でない(不良)と判定された場合には、溶接品質検査装置1は、第4溶接品質良否判定部14にて、たとえばタガネチェックなどといった上記第1〜第3溶接品質良否判定工程(S13〜S15)とは異なる方法であって、第1〜第3溶接品質良否判定工程(S13〜S15)よりも確実に接合部の溶接品質の良否を判定し得る方法で、溶接品質が良好か否かを判定する(S16)(第4溶接品質良否判定工程)。S16で溶接品質が良好でない(不良)と判定された場合には、その判定結果(不良品判定結果)をモニタ4へ送信して(S18)処理を終了する。なお、モニタ4では、たとえばその溶接品質の不良に関する警告信号を表示する。
一方、S16で溶接品質が良好であると判定された場合には、溶接品質検査装置1は、その判定結果(良品判定結果)をモニタ4へ送信する(S19)とともに、判定閾値更新部15にて、第3溶接品質良否判定工程(S15)の判別分析で用いる判定閾値を更新する(S17)(判定閾値更新工程)。
たとえば、図3で示すように、溶接ロボット2に順次搬送される被溶接部材のある接合部について、6回目の検査時(溶接時)に溶接品質が良好と判定されており、その6回目の検査時に判定閾値を更新するように設定されており、かつ、遡り回数が3回に設定されている場合を想定すると、溶接品質検査装置1は、6回目から4回目までの検査時に第3溶接品質良否判定工程(S15)で演算された演算結果(図中、3、4、2)のうち、その際の判定閾値(図中、0)に最も近い演算結果である4回目の検査時の演算結果(図中、2)を第3溶接品質良否判定工程(S15)における新たな判定閾値として更新する。そして、溶接品質検査装置1は、7回目の検査時(溶接時)には、この新たな判定閾値(2)を用いて第3溶接品質良否判定工程(S15)にて検査対象となっている接合部の溶接品質の良否を判定する。なお、遡り回数とは、今回(第4溶接品質良否判定工程(S16)で溶接品質が良好と判定された回)(6回目)から遡る回数を意味しており、この遡り回数は、作業者や管理者などの所望に応じて適宜に変更することができる。
このように、本実施の形態によれば、第1〜第3溶接品質良否判定部11〜13によって溶接品質が不良であると判定された場合に、第1〜第3溶接品質良否判定部11〜13よりも確実に溶接品質の良否を判定し得る第4溶接品質良否判定部14によって溶接品質の良否を判定し、その第4溶接品質良否判定部14によって溶接品質が良好であると判定された場合には、それ以前の検査時に第3溶接品質良否判定部13で検査対象の接合部について算出された複数の演算結果のうち前記判定閾値に最も近い演算結果を第3溶接品質良否判定部13における新たな判定閾値として更新することにより、第3溶接品質良否判定部13における判定閾値を適宜に更新することができ、過判定の発生を抑制して被溶接部材の接合部の溶接品質を精緻に検査することができる。そのため、生産性を高めることができるととともに、作業者などによるタガネチェックなどの作業工数の増加を抑制することができる。
なお、被溶接部材に複数の接合部(溶接箇所)が存在する場合には、各接合部について、上記した第1〜第4溶接品質良否判定部11〜14による溶接品質の良否判定処理と判定閾値更新部15による判定閾値の更新処理を実施すればよい。
また、上記した実施の形態では、被溶接部材の接合部の溶接時毎に第1〜第4溶接品質良否判定部11〜14による溶接品質の良否判定を実施する形態について説明したが、必ずしも全ての溶接時に第1〜第4溶接品質良否判定部11〜14による溶接品質の良否判定を実施する必要はない。たとえば、溶接ロボット2に搬送される被溶接部材の接合部の溶接時毎に第1〜第3溶接品質良否判定部11〜13による溶接品質の良否判定を実施しながら、その被溶接部材から所定の個数毎に検査対象となる被溶接部材を抽出し、そのように抽出された被溶接部材についてのみ第4溶接品質良否判定部14による溶接品質の良否判定を実施し、その第4溶接品質良否判定部14による判定結果に基づいて適宜のタイミングで第3溶接品質良否判定部13における判定閾値を更新してもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…溶接品質検査装置、2…溶接ロボット(溶接装置)、2a、2b…電極、3…コントローラ、4…モニタ、9…抵抗値測定部、10…抵抗値波形生成部、11…第1溶接品質良否判定部、12…第2溶接品質良否判定部、13…第3溶接品質良否判定部、14…第4溶接品質良否判定部、15…判定閾値更新部、Wa、Wb…被溶接部材(ワーク)

Claims (4)

  1. 複数の被溶接部材の接合部同士を重合し、該接合部を一対の電極で加圧挟持し、該一対の電極間に電流を流して前記複数の被溶接部材同士を接合する重ね抵抗溶接における溶接品質を検査する溶接品質検査方法であって、前記一対の電極を有する溶接装置に順次搬送される複数の被溶接部材の接合部の溶接品質を順次検査する溶接品質検査方法において、
    溶接時の前記一対の電極間の抵抗値の通電時間に対する変化を表した抵抗値波形を、予め設定された各種外乱による複数の抵抗値波形パターンに分類して溶接品質の良否を判定する第1溶接品質良否判定工程と、
    前記第1溶接品質良否判定工程で溶接品質が不良と判定した場合に、前記抵抗値波形からスパッタの発生の有無を判定して溶接品質の良否を判定する第2溶接品質良否判定工程と、
    前記第2溶接品質良否判定工程で溶接品質が不良と判定した場合に、前記抵抗値波形から得られる基礎変数を予め設定された判定式に代入して算出される演算結果と、予め設定された判定閾値とを比較して溶接品質の良否を判定する第3溶接品質良否判定工程と、
    前記第3溶接品質良否判定工程で溶接品質が不良と判定した場合に、前記第1〜第3溶接品質良否判定工程とは異なる方法で溶接品質の良否を判定する第4溶接品質良否判定工程と、
    前記第4溶接品質良否判定工程で溶接品質が良好と判定した場合に、今回以前の検査時に前記第3溶接品質良否判定工程で算出された複数の演算結果のうち前記判定閾値に最も近い演算結果を前記第3溶接品質良否判定工程における新たな判定閾値として更新する判定閾値更新工程と、を有している溶接品質検査方法。
  2. 前記判定閾値更新工程における前記複数の演算結果は、今回から予め設定された回数だけ遡った回までの検査時に前記第3溶接品質良否判定工程で算出された演算結果を含む、請求項1に記載の溶接品質検査方法。
  3. 複数の被溶接部材の接合部同士を重合し、該接合部を一対の電極で加圧挟持し、該一対の電極間に電流を流して前記複数の被溶接部材同士を接合する重ね抵抗溶接における溶接品質を検査する溶接品質検査装置であって、前記一対の電極を有する溶接装置に順次搬送される複数の被溶接部材の接合部の溶接品質を順次検査する溶接品質検査装置において、
    溶接時の前記一対の電極間の抵抗値の通電時間に対する変化を表した抵抗値波形を、予め設定された各種外乱による複数の抵抗値波形パターンに分類して溶接品質の良否を判定する第1溶接品質良否判定部と、
    前記第1溶接品質良否判定部で溶接品質が不良と判定された場合に、前記抵抗値波形からスパッタの発生の有無を判定して溶接品質の良否を判定する第2溶接品質良否判定部と、
    前記第2溶接品質良否判定部で溶接品質が不良と判定された場合に、前記抵抗値波形から得られる基礎変数を予め設定された判定式に代入して算出される演算結果と、予め設定された判定閾値とを比較して溶接品質の良否を判定する第3溶接品質良否判定部と、
    前記第3溶接品質良否判定部で溶接品質が不良と判定された場合に、前記第1〜第3溶接品質良否判定部とは異なる方法で溶接品質の良否を判定する第4溶接品質良否判定部と、
    前記第4溶接品質良否判定部で溶接品質が良好と判定された場合に、今回以前の検査時に前記第3溶接品質良否判定部で算出された複数の演算結果のうち前記判定閾値に最も近い演算結果を前記第3溶接品質良否判定部における新たな判定閾値として更新する判定閾値更新部と、を有している溶接品質検査装置。
  4. 前記判定閾値更新部における前記複数の演算結果は、今回から予め設定された回数だけ遡った回までの検査時に前記第3溶接品質良否判定部で算出された演算結果を含む、請求項3に記載の溶接品質検査装置。
JP2014005665A 2014-01-16 2014-01-16 溶接品質検査方法と溶接品質検査装置 Active JP6107675B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014005665A JP6107675B2 (ja) 2014-01-16 2014-01-16 溶接品質検査方法と溶接品質検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014005665A JP6107675B2 (ja) 2014-01-16 2014-01-16 溶接品質検査方法と溶接品質検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015134359A JP2015134359A (ja) 2015-07-27
JP6107675B2 true JP6107675B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=53766630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014005665A Active JP6107675B2 (ja) 2014-01-16 2014-01-16 溶接品質検査方法と溶接品質検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6107675B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111069819A (zh) * 2019-11-27 2020-04-28 广州明珞汽车装备有限公司 一种基于人工智能的焊接质量预测***及方法
JP2022116539A (ja) * 2021-01-29 2022-08-10 トヨタ自動車株式会社 ステータの製造方法及びクランプ治具

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0732956B2 (ja) * 1985-06-15 1995-04-12 株式会社 東京ウエルズ 抵抗溶接における溶接ワ−クの良否判定方法および装置
JPH06344155A (ja) * 1993-06-08 1994-12-20 Nasu Tooa Kk スポット溶接機用制御装置
JP2006055893A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Suzuki Motor Corp スポット溶接判定システムおよび判定方法
JP2011240368A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Toyota Motor Corp 溶接の品質判定方法および溶接の品質判定システム
JP5738702B2 (ja) * 2011-07-25 2015-06-24 トヨタ自動車株式会社 抵抗溶接の評価方法、抵抗溶接機の制御方法、抵抗溶接機の制御装置、および抵抗溶接機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015134359A (ja) 2015-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10239158B2 (en) Laser hybrid welding control systems and methods
WO2016174842A1 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2000167666A (ja) 自動溶接及び欠陥補修方法並びに自動溶接装置
US20130087533A1 (en) Methods and systems for resistance spot welding using direct current micro pulses
KR101689172B1 (ko) 용접 모재의 온도 측정과 온도 제어를 통해 용접품질 모니터링이 개선된 인버터 제어식 플래시 버트 용접 시스템
KR101758900B1 (ko) 스폿용접장치에서의 용접팁 품질검사시스템
CN102343475B (zh) 用于监测和维护电阻焊接装置的方法
JP6107675B2 (ja) 溶接品質検査方法と溶接品質検査装置
KR20160020698A (ko) 스폿 용접의 품질 판정 방법
Gyasi et al. Digitalized automated welding systems for weld quality predictions and reliability
KR20160142455A (ko) 비접촉식 온도센서를 이용한 용접용량 제어 모니터링 시스템
JP2011240368A (ja) 溶接の品質判定方法および溶接の品質判定システム
JP5530912B2 (ja) スポット溶接装置における溶接条件の設定方法
KR20150144138A (ko) 링 프로젝션 용접의 용접품질 평가방법
US11318551B2 (en) Arc welding display device and display method
KR101584421B1 (ko) 아크 용접 모니터링 시스템
JP2012240092A (ja) コンデンサ放電型スタッド溶接機の溶接良否判定方法及び判定装置
JP2019034341A (ja) 抵抗スポット溶接方法および溶接部材の製造方法
KR101627143B1 (ko) 용접 장치 및 방법
US12005532B2 (en) Systems, methods, and apparatuses, of an arc welding (AW) process and quality monitoring
JP7152895B2 (ja) スポット溶接の接合点の評価方法
JP5881493B2 (ja) 溶接トーチの接触検知装置及び溶接トーチの接触検知方法
KR20140126572A (ko) 스폿 용접 모니터링방법
Mangolini Online quality control of Resistance Spot Welding for automotive production
JP7158115B2 (ja) スポット溶接の接合点の評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170220

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6107675

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151