JP2002045902A - 大型h形鋼の圧延方法 - Google Patents

大型h形鋼の圧延方法

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JP2002045902A
JP2002045902A JP2000234210A JP2000234210A JP2002045902A JP 2002045902 A JP2002045902 A JP 2002045902A JP 2000234210 A JP2000234210 A JP 2000234210A JP 2000234210 A JP2000234210 A JP 2000234210A JP 2002045902 A JP2002045902 A JP 2002045902A
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rolling
roll
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beam blank
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Yoshiaki Kusaba
芳昭 草場
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】呼称高さが900mm以下のH形鋼を製造する連続鋳
造スラブから呼称高さが1000mm以上の大型H型鋼を製造
する方法を提供する。 【解決手段】H型鋼の中間圧延ラインに4ロールのユニバ
ーサルエッジヤー圧延機(UEミル)を用い、素材として
ウェブを変形させたビームブランクを用い、中間圧延の
初期パスにおいてUEミルの水平ロールでビームブランク
の変形したウェブを圧下してウェブ高さを拡大した後、
後続の各パスにおいて4ロールのユニバーサル粗圧延機
およびUEミルを使用して大型H型鋼を圧延する。このビ
ームブランクは、長方形断面の連続鋳造スラブからブレ
ークダウン圧延機の造形孔型によって得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木・建築の分野
で使用される大型のH形鋼の熱間圧延方法に関する。こ
こで「大型H形鋼」とは、日本工業規格(JIS規格)で定
められた最大サイズ(呼称高さが900mm、辺(フランジ
幅)が300mm、これを「H900×300」と記載する)よりも
大きな寸法のH形鋼である。
【0002】
【従来の技術】最近の建造物は高層化が進み、それに使
用されるH形鋼なども大型化される傾向にある。
【0003】図1は、H形鋼の断面と各部の寸法記号を
示す図である。JIS規格で定められた最大サイズのH形鋼
は、呼称高さHが900mm、辺(フランジ幅)Bが300mmであ
るのに対して、最近は呼称高さが1000mm以上のH形鋼が
要求されている。
【0004】サイズの大きなH形鋼は、連続鋳造スラブ
または鋼塊を二重ロール式のブレークダウン圧延機(以
下、これを「BDミル」という)によってドッグボーン状
のビームブランクに造形した後、4ロールのユニバーサ
ル圧延機を用いた圧延ラインで製造されている。
【0005】図2は、ユニバーサル圧延機を用いた圧延
ラインを示す図であり、(a)は中間ミル群に4ロールのユ
ニバーサル粗圧延機と2ロールのエッジヤー圧延機を設
置した例、(b)は同じく2基のユニバーサル粗圧延機と2
ロールのエッジヤー圧延機とを設置した例、(c)はユニ
バーサル粗圧延機と4ロールのユニバーサルエッジャー
圧延機を設置した例を示す図である。
【0006】図2(a)に示す圧延ラインは、スラブまた
は鋼塊を加熱する加熱炉Fが上流に配置され、BDミル、
これに続き4ロールのユニバーサル粗圧延機(以下、こ
れを「URミル」という)と二重ロール式のエッジヤー圧
延機(以下、これを「Eミル」という)とを連続に配置
した中間ミル群M1および4ロールのユニバーサル仕上げ
圧延機(以下、これを「UFミル」という)が連続に配置
されて構成されている。
【0007】図2(b)に示す圧延ラインは、基本配置を
図2(a)と同じとし、中間ミル群M2としてURミルとEミル
の下流に4ロールのユニバーサル粗圧延機(以下、これ
を「UR2ミル」という)が配置されている。
【0008】図2(c)に示す圧延ラインは、基本配置を
図2(a)と同じとし、中間ミル群M3としてURミルと4ロー
ルのユニバーサルエッジヤー圧延機(以下、これを「UE
ミル」という)が配置されている。
【0009】呼称高さが1000mm以上の大型H形鋼を製造
するには、大型のビームブランクを連続鋳造設備で鋳造
した後、図2に示す圧延ラインを用いて製造することが
できる。また、スラブの幅が約1700mm以上の連続鋳造ス
ラブをBDミルによって大型のビームブランクを造形した
後、図2に示す圧延ラインを用いて製造することもでき
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般に、上記の大型ビ
ームブランクを製造できる連続鋳造設備を保有するとこ
ろは少ない。また、スラブの幅が1700mm以上の連続鋳造
スラブからBDミルによって大型のビームブランクを造形
するには、ロール開度の大きなBDミルが必要となる。し
かし、一般的なBDミルは、JIS規格で定められたH形鋼の
最大サイズ(H900×300)用に諸元が定められている場
合が多く、ロール開度は約1200〜1500mmである。たとえ
ば、呼称高さが1000mmの大型H形鋼を図2に示すような
中間ミル群で圧延できるビームブランクを連続鋳造スラ
ブから製造する場合には、スラブの幅が1700mm必要とな
り、一般的なBDミルではロール開度が不足して製造する
ことができない。
【0011】呼称高さが1000mm以上の大型H形鋼を製造
するためには、上記のように大型のビームブランクを製
造できる連続鋳造設備、または大型の連続鋳造スラブか
らビームブランクを製造できるロール開度の大きなBDミ
ルが必要である。
【0012】本発明の目的は、幅が1500mm以下の連続鋳
造スラブを素材とし、ロール開度が1500mm以下のBDミル
を用いて呼称高さが1000mm以上のH型鋼を製造する方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、たとえばス
ラブの幅が1500mm以下、ロール開度が1500mmのBDミルを
用い、呼称高さが1000mm以上の大型H型鋼を製造する方
法について研究を重ね、ビームブランクの形状を変更し
て中間ミルのエッジャーとしてUEミルを使用し、UEミル
の水平ロールのロール幅をURミルの水平ロールのロール
幅よりも小さくすることによって実現できることを見い
だし、本発明を完成した。
【0014】本発明の要旨は、下記の大型H型鋼を圧延
する方法にある。
【0015】H型鋼の圧延ラインにおける中間ミル群の
エッジャー圧延機として4ロールのユニバーサルエッジ
ヤー圧延機(UEミル)を用い、UEミルの水平ロールのロ
ール幅BeをURミルの水平ロール幅Brよりも小さく構成
し、ビームブランクとしてウェブを変形させたビームブ
ランクを用い、中間圧延の初期パスにおいてUEミルの水
平ロールで変形したウェブを圧下してウェブ高さを拡大
した後、後続の各パスにおいてURミルおよびUEミルを使
用して圧延する方法。
【0016】上記のウェブを変形させたビームブランク
は、長方形断面の連続鋳造スラブからブレークダウン圧
延機(BDミル)の造形孔型によってウェブを変形させて
得たものであるのが望ましい。
【0017】本発明方法で対象とする大型H形鋼とは、
図1に示す呼称高さHが1000mm以上、または辺(フラン
ジ幅)Bが300mm以上であるH形鋼である。また、この方
法を実施する圧延ラインは、図2(c)に示すように中間
ミル群M3としてURミルとUEミルとで構成し、図8に示す
ようにUEミルの水平ロールのロール幅BeがURミルの水平
ロール幅Brよりも小さく設定されている。
【0018】ビームブランクのウェブ形状は、UEミルで
の圧延の初期にウェブ高さを拡大するためであり、図5
(a)に示すように山形に変形させるのが望ましい。ま
た、図6に示すようにウェブの中央部の厚さを大きくし
たもの、または図7に示すように波形としたものでもよ
い。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の大型H形鋼の圧延方法
は、中間ミル群での初期の圧延において、変形したウェ
ブをUEミルの水平ロールで圧下してウェブ高さを拡大し
た後、通常のURミルとUEミルとで往復圧延を行う方法で
ある。すなわち、ビームブランクのウェブをあらかじめ
変形させ、この変形部を直線状にすれば、ウェブの高さ
が拡大され、高さ1000mmのH形鋼を圧延できるビームブ
ランクが得られることにある。
【0020】ウェブの変形したビームブランクは、連続
鋳造方法によって製造することができ、また、BDミルに
よる孔型圧延によっても製造することができる。
【0021】ここではBDミルを用いて長方形断面の連続
鋳造スラブを変形させてビームブランクを造形する方法
について説明する。
【0022】1.ウェブを変形させたビームブランクを
造形する方法について:図3は、BDミルのロール孔型と
それによって形成される圧延材断面形状の一例を示す模
式図である。この孔型の特徴は、幅広げ孔型を2つ(K2
およびK3)設けていること、造形孔型(K5)のウェブ部
分を変形させていること、である。
【0023】幅広げ孔型を2つ設けることは、厚さの小
さなスラブからフランジ幅の大きなH形鋼を製造するた
めのビームブランクを造形するためである。また、造形
孔型(K5)によってウェブを変形させることは、ビーム
ブランクのウェブ部の断面積を大きくし、中間ミル群で
の初期圧延でUEミルの水平ロールによってウェブ部を圧
下して、ウェブ高さを拡大するためである。
【0024】ウェブの変形したビームブランクの製造方
法を図3を用いて説明する。
【0025】図3(a)では、連続鋳造スラブは、センタ
リング孔型(孔型番号K1)によってスラブの幅方向に圧
下され、センタリング圧延と据え込み圧延とが行われ、
圧延材(W1)が得られる。
【0026】図3(b)および(c)では、圧延材(W1)は2
つの幅広げ孔型(孔型番号K2およびK3)によって圧下さ
れ、ビームブランクのフランジ部に相当する部分の拡大
圧延と据え込み圧延とが行われ、圧延材(W2およびW3)
が得られる。
【0027】図3(d)では、圧延材(W3)は溝消し孔型
(孔型番号K4)によって圧下され、フランジ部を平坦化
する圧延と据え込み圧延とが行われ、圧延材(W4)が得
られる。
【0028】図3(e)に示す圧延材(W5-6)の断面は、
造形孔型(孔型番号K5)と溝消し孔型(孔型番号K4)と
を交互に用いて複数回の圧延を行い、ドッグボーンおよ
びウェブの変形を造形した最終の断面である。
【0029】図4は、造形孔型と溝消し孔型とを交互に
用いてウェブの変形したビームブランクを造形している
状態を示す模式図である。この図は、後述する表1の8
パス目から19パス目までが示されており、細線で示すの
は圧延材の断面であり、孔型に噛み込ます前の断面であ
る。
【0030】たとえば、図4(a)では、溝消し孔型(K
4)での圧延は表1の8パス目が示されており、溝消し
孔型(K4)によって圧延材(W4-1)が圧下されて圧延材
(W4-2)が得られる。次に、造形孔型(K5)では前記圧
延材(W4-2)を90°回転させて圧下し、圧延材(W5-1)
が得られる。
【0031】図4(f)では、所定寸法のウェブの変形し
たビームブランクが得られる。
【0032】上記の例は、ウェブを山形に変形させるも
のであるが、図6に示すようにウェブの中央部の厚さを
大きく変形(増肉)させるもの、図7に示すように波形
に変形させたものでもよい。
【0033】2.中間ミル群に4ロールのUEミルを使用
し、UEミルの水平ロールの幅をURミルのロール幅よりも
小さくする理由について:本発明者は、ユニバーサルミ
ルの性能として今まで知られていなかった下記に示す性
能を見いだし、本発明を完成した。
【0034】(1) 一般に、ユニバーサルミルのテーブル
幅は1500mm以上あり、H形鋼の呼称高さが1200mmまでの
圧延は可能であること。
【0035】(2) UEミルの水平ロールのロール幅をURミ
ルのロール幅よりも小さくすることによって、ビームブ
ランクの変形したウェブ部を圧下してウェブ高さを拡大
することができること。
【0036】(3) UEミルでのフランジ幅方向圧下パスで
は、垂直ロールを圧延材のフランジ外側面にあてがい、
水平ロールでフランジ幅方向に圧下すれば、フランジ部
での座屈を防止することができること。
【0037】図8は、本発明を実施するためのURミル
(図(a))およびUEミル(図(b))のロール配置の一例を
示す図である。
【0038】UEミルの水平ロールのロール幅Beは、図8
に示すようにURミルの水平ロールのロール幅Brよりも70
mm以上小さく設定されている。これは、圧延初期パスに
おいてビームブランクの変形したウェブ部を圧下して拡
大するためと、後半の圧延パスで水平ロールの傾斜部を
フランジ内側面に接触させないためである。また、UEミ
ルの水平ロールの孔型深さDeは、製品のフランジ内法深
さDfよりも0.8〜1%小さく設定されている。これは、UR
ミルの圧下でフランジ幅が大きくなることと、冷却に伴
う熱収縮とを考慮した値である。
【0039】3.中間ミル群から仕上げ圧延機までの圧
延について:上記の1.に説明した方法によって得られ
たビームブランクから大型H形鋼を製造する圧延方法に
ついて具体的に説明する。
【0040】図9は、中間ミル群での初期圧延パスにお
いて変形したウェブをUEミルの水平ロールで圧下してい
る状態を示す概念図であり、(a)は圧下直前の状態、(b)
はウェブの湾曲部を圧下している状態、(c)は圧下完了
の状態を示す図である。
【0041】ビームブランク(圧延材、W5-6)は、URミ
ルでは圧下を行わずに搬送だけが行われ、図9(a)に示
すようにUEミルの垂直ロール(4,4-1)に拘束され、水
平ロール(3,3-1)で圧下が開始される。図9(b)および
(c)に示すように、水平ロール(3,3-1)のロール開度を
狭めながら約3パス圧延すれば、湾曲したウェブが平坦
化され、ウェブ高さが拡大されたビームブランク(5-
2)が得られる。これによって大型H形鋼を製造するため
のビームブランクを造形することができる。
【0042】上記のようにUEミルで圧延材ウェブ高さを
増大させることは、従来のUR2ミルでも実施できる。し
かし、UR2ミルでは、フランジ部の長さの制御ができな
いこと、また上下左右の対称性(ウェブの側面からフラ
ンジ端面までの長さが等しいこと)が確保できないこと
のため、製品の寸法精度が悪くなる。一方、本発明の方
法では、UEミルでフランジの端面を拘束しながらウェブ
厚さを圧下できるので、フランジ部の上下左右の対称性
を確保しながら、ビームブランクのウェブ高さを拡大す
ることができる。
【0043】ウェブ高さが拡大されたビームブランク
は、URミルとUEミルとを用いた中間ミル群によって更に
圧延が行われる。
【0044】図10は、中間ミル群における後半の圧延パ
スでの圧延ロールと圧延材断面の状態を示す図である。
【0045】図10の(a)は、URミルでの最初の圧延パス
におけるロールと圧延材断面の状態を示す図である。UR
ミルにおける水平ロール(1,1-1)および垂直ロール
(2,2-1)のロール開度は、図9(c)に示すUEミルにおけ
る水平ロール(3,3-1)および垂直ロール(4,4-1)のロ
ール開度と等しく設定されている。これにより、URミル
での水平ロールでウェブのコーナー部が圧下される。
【0046】図10の(b)および(c)は、後半圧延パスの中
間の状態を示す図であり、(b)はURミルでの圧延、(c)は
UEミルでの圧延を示す図である。URミルでは、図10(b)
に示すように上下の水平ロール(1,1-1)でウェブの厚
さが圧下され、同時に水平ロール(1,1-1)と垂直ロー
ル(2,2-1)とでフランジの厚さが圧下される。このと
き、水平ロールのロール開度と垂直ロールのロール開度
が所定値に設定される。UEミルでは、図10(c)に示すよ
うに垂直ロール(4,4-1)を圧延材のフランジ部の外側
面にあてがい、水平ロール(3,3-1)の孔型部でフラン
ジ部を幅方向に圧下する。このとき、UEミルの水平ロー
ルのロール開度は、URミルの水平ロールのロール開度と
等しくする。したがって、フランジ部の幅は、ウェブの
厚さの減少にしたがって小さくなる。
【0047】図10の(d)および(e)は、後半圧延パスの最
後の状態を示す図であり、(d)はURミルでの圧延、(e)は
UEミルでの圧延を示す図である。URミルでは、図10(d)
に示すように上下の水平ロール(1,1-1)でウェブの厚
さが圧下され、水平ロール(1,1-1)と垂直ロール(2,2
-1)とでフランジの厚さが圧下される。UEミルでは、図
10(e)に示すように垂直ロール(4,4-1)を圧延材のフラ
ンジの外側面にあてがい、水平ロール(3,3-1)の孔型
部でフランジを幅方向に圧下する。このとき、水平ロー
ルの孔型部の傾斜部と圧延材のフランジ内面との間に
は、空間がある。通常、フランジの幅圧下を行うと、フ
ランジ部に座屈が発生するが、フランジの外側面を垂直
ロールで支持しているので、座屈の発生を防止すること
ができる。
【0048】従来のEミル圧延では、圧延材のフランジ
先端部とフランジ内面側がロールと接するのに対し、本
発明の方法では圧延材のフランジ先端部とフランジ外面
側がロールに接することになる。エッジャーミルの水平
ロールは、孔底部が約5°の傾斜を有しているため、フ
ランジ幅圧下を行ったとき、フランジは外側に座屈しや
すい。この座屈しやすいフランジの外側に垂直ロールを
配置すれば、フランジの座屈が防止できるのである。
【0049】図10の(f)は、UFミルでの仕上げ圧延を示
す図である。水平ロールおよび垂直ロールのロール開度
を所定の値に設定して圧延すれば、フランジ部の傾斜が
平坦化され、所定のH形鋼が得られる。
【0050】
【実施例】(実施例1)実施例として、連続鋳造スラブ
から図1に示す呼称高さHが1000mm、辺の長さ(フラン
ジの幅)Bが300mm、フランジの厚さt2が32mm、ウェブの
厚さt1が19mmの大型H形鋼を製造する例について説明す
る。
【0051】使用したH形鋼の圧延ラインは、ロール開
度が1500mmで図3に示すような孔型をもったBDミル、図
8(a)に示すようなURミル、図8(b)に示すようなUEミル
およびUFミルが図2(c)に示すように配設された圧延設
備である。
【0052】使用した連続鋳造スラブは、厚さが250m
m、幅が1500mmであり、従来H900×300のH形鋼を製造す
るためのスラブである。
【0053】連続鋳造スラブを加熱炉で1280℃に加熱し
た後、図3に示すBDミルのロール孔型によって、表1に
示すパススケジュールで図5(a)に示すようなウェブの
湾曲したビームブランクを造形した。
【0054】
【表1】
【0055】使用したBDミルのロールは、図3に示すよ
うに5つの孔型が形成されており、2つのフランジ拡張
孔型(K2およびK3)および造形孔型(K5)が設けられて
おり、造形孔型はウェブ部を山形状とした。
【0056】表1において、1パス目から8パス目(孔型
番号K1からK4)までは、図3の(a)から(d)までに示すよ
うに、ロール開度(図3では孔型底部の間隔、表1では
「ウェブ高さ」)を1500mmから1170mmまで小さくしなが
らスラブの幅方向の据え込み圧延および幅広げ圧延を行
った。ただし、表1に示すセンタリング孔型(K1)での
ウェブ高さは、センタリングを行う凸部の先端間の間隔
とした。
【0057】9パス目では、図4(a)に示すように圧延材
(W4-2)を90°回転して造形孔型(K5)のロール開度
(表1では「ウェブ厚さ」)を200mmとしてウェブ厚さ
方向に圧下した。これにより、ウェブ部の変形とドッグ
ボーンを造形し、圧延材(W5-1)を得た。なお、図4
(a)の左に示す溝消し孔型(K4)の圧延は、上記8パス目
を示している。
【0058】10パス目では、図4(b)の左に示すように
圧延材(W5-1)を90°回転して孔型(K4)のロール開度
(表1では「ウェブ厚さ」)を1170mmとして造形孔型
(K5)での噛み出し部を平坦にする慣らし圧延を行い、
圧延材(W4-3)を得た。
【0059】11パス目では、図4(b)の右に示すように
圧延材(W4-3)を90°回転して造形孔型(K5)のロール
開度(表1では「ウェブ厚さ」)を150mmとしてウェブ
厚さ方向に圧下して圧延材(W5-2)を得た。
【0060】以下、奇数圧延パス目では造形圧延を、偶
数圧延パス目では慣らし圧延を行い、それを交互に繰り
返して行い、19パス目の造形圧延によってウェブ部を湾
曲させたビームブランク(W5-6)を得た。得られたビー
ムブランクは、図5(a)に示すようにウェブ厚さが80m
m、ウェブ高さが1170mm、フランジ部付け根の厚さが165
mmであった。ビームブランクのウェブの断面は、図5
(a)に示すように山形に変形しており、これを平坦にす
ればウェブ高さが拡大され図5(b)に示すようにウェブ
高さが1270mmとなり、呼称高さHが1000mmの大型H形鋼を
製造できるビームブランクが得られる。
【0061】次に、得られたビームブランクを中間ミル
群に移送して、ウェブ拡大圧延、中間圧延および仕上げ
圧延を行った。
【0062】使用したURミルの水平ロール(1,1-1)
は、図8(a)に示すようにロール外周部の幅Brが940mm、
側面部には5°の傾斜が設けられている。垂直ロール
(2,2-1)は、ロール幅の中央部の直径が最も大きく、
外周部には断面で5°の傾斜が設けられている。
【0063】UEミルの水平ロール(3,3-1)は、図8(b)
に示すように孔型を有し、ロール外周部の幅Beは836m
m、孔型深さDeは138mm、フランジ幅圧下を行う部分の幅
は150mmである。
【0064】中間圧延および仕上げ圧延は、表2に示す
パススケジュールによって行った。
【0065】
【表2】
【0066】1パス目から3パス目までの圧延では、図
9(a)〜(c)に示すようにUEミルの水平ロール(3,3-1)
のロール開度(表2では「ウェブ厚さ」)を表2に示す
ように180mm、140mm、100mmと順次減少させ、ウェブの
高さを1170mmから1245mmに拡大した。
【0067】4パス目では、圧延材がUEミルからURミル
に搬送され、表2に示すようにUEミル、URミルともに水
平ロールの開度(表2では「ウェブ厚さ」)を80mmとし
て圧延を行った。UEミルでは圧延材のウェブ高さを1270
mmに拡大し、URミルでは図10(a)に示すように圧下を行
わない慣らし圧延を行って図5(b)に示すようなビーム
ブランクを得た。得られたビームブランクのウェブの内
法高さは、1270−2×165=940(mm)である。
【0068】5パス目では、圧延材がURミルからUEミル
に噛み込み、表2に示すようにURミル、UEミルともに水
平ロールの開度(表2では「ウェブ厚さ」)を74mmとし
て圧延を行った。URミルでは、たとえば図10(b)に示す
ように、水平ロールの開度を74mm、垂直ロールの開度
(表2では「ウェブ高さ」として示され、「URミルのロ
ール外周部の幅(Br=940mm)と圧延材のフランジ厚さの
2倍値(165mm×2)との和」である)を1270mmに設定し、
ウェブ厚さおよびフランジ厚さを圧延した。UEミルで
は、たとえば図10(c)に示すように、水平ロールの開度
をURミルの水平ロールの開度と等しく74mmとし、垂直ロ
ールをフランジ部の外側に接触させてフランジ幅を圧延
した。フランジ幅は、UEミルの水平ロールの孔型深さ
(図8(b)に示すDe=138mm)とロール開度(74mm)で計
算できるが、水平ロールの傾斜部と圧延材のフランジ内
側面との間に空間があり、前記の計算値よりも小さくな
る。表2に示すUEミルのフランジ幅の欄は、たとえば5
パス目では水平ロールの孔型深さの2倍値(138mm×2)
とロール開度(74mm)との和(350mm)が記載されてい
る。
【0069】6パス目では、圧延材はUEミルからURミル
に搬送され、UEミルでは水平ロールのロール開度を5パ
ス目と同じとして慣らし圧延を行い、URミルでは表2に
示すように水平ロールのロール開度を68mm、垂直ロール
のロール開度を1250mmに設定し、ウェブ厚さおよびフラ
ンジ厚さを圧延した。
【0070】以下、奇数パス目では圧延材はURミルから
UEミルに噛み込み、いずれのミルでも圧下が行なわれる
が、偶数パス目では圧延材はUEミルからURミルに噛み込
み、URミルだけで圧下が行われる。最終の19パス目でUE
ミルを出た圧延材は、UFミルに噛み込み、UFミルの水平
ロールのロール開度を18.7mm、垂直ロールのロール開度
を31.7mmに設定して圧延した。得られたH形鋼は、高さ1
000mm、辺(フランジ幅)300mm、フランジ厚さ32mm、ウ
ェブ厚さ19mmであった。(実施例2)実施例1と同じ方
法で厚さ250mm、幅1500mmの連続鋳造スラブから高さ110
0mm、フランジ幅300mm、フランジ厚さ32mm、ウェブ厚さ
19mmの大型H形鋼を製造した。
【0071】BDミルの造形孔型のウェブの形状は、図6
に一点鎖線で示すようにウェブの中央部の厚さを80mm大
きくした。ビームブランクを製造する圧延パススケジュ
ールは、実施例1の表1に示すものと同様とした。中間
ミル群および仕上げ圧延機での圧延は、表3に示すパス
スケジュールで行い、高さ1100mm、フランジ幅300mm、
フランジ厚さ32mm、ウェブ厚さ19mmの大型H形鋼を製造
した。
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明の大型H形鋼の製造方法では、ウ
ェブを変形させたビームブランクを製造した後、ユニバ
ーサルエッジャーミルによって変形したウェブを平坦に
してウェブ高さを大きくした後、ユニバーサル粗圧延機
およびユニバーサルエッジャーミルによって中間圧延な
らびに仕上げ圧延を行う。この方法によれば、JIS規格
の最大寸法であるH900×300のH形鋼を製造する連続鋳造
設備、ブレークダウンミルおよびユニバーサル圧延ライ
ンを用いて、呼称高さが1000mm以上の大型H形鋼の製造
が可能となり、製造サイズ拡大に伴う設備改造費用が大
幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】H形鋼の断面と各部の寸法記号を示す図であ
る。
【図2】ユニバーサル圧延機を用いた圧延ラインを示す
図であり、(a)は中間ミル群に4ロールのユニバーサル粗
圧延機と2ロールのエッジヤー圧延機を設置した例、(b)
は同じく2基のユニバーサル粗圧延機と2ロールのエッ
ジヤー圧延機とを設置した例、(c)はユニバーサル粗圧
延機と4ロールのユニバーサルエッジャー圧延機を設置
した例を示す図である。
【図3】BDミルのロール孔型とそれによって形成される
圧延材断面形状の一例を示す模式図である。
【図4】造形孔型と溝消し孔型とを交互に用いてウェブ
の変形したビームブランクを造形している状態を示す模
式図である。
【図5】山形に変形させたウェブを有するビームブラン
クの断面を示す図である。
【図6】増肉したウェブを有するビームブランクの断面
を示す図である。
【図7】波状に変形させたウェブを有するビームブラン
クの断面を示す図である。
【図8】ユニバーサル粗圧延機およびユニバーサルエッ
ジャー圧延機のロール配置を示す図である。
【図9】中間ミル群での初期圧延パスにおいて変形した
ウェブをUEミルの水平ロールで圧下している状態を示す
概念図であり、(a)は圧下直前の状態、(b)はウェブの湾
曲部を圧下している状態、(c)は圧下完了の状態を示す
図である。
【図10】中間ミル群における後半の圧延パスでの圧延
ロールと圧延材断面の状態を示す図である。
【符号の説明】
H.呼称高さ B.辺の長さ t2.フランジ厚さ t1.ウェブ厚さ F.加熱炉 BD.二重ロール式ブレークダウンミル UR,UR2.4ロールユニバーサル粗圧延機 E.2ロールエッジャー圧延機 UE.4ロールユニバーサルエッジャー圧延機 UF.4ロールユニバーサル仕上げ圧延機 K1~K4,K2-1,K2-2,K4-1.孔型 W1~W5.圧延材 1,1-1.URミル水平ロール 2,2-1.URミル垂直ロール 3,3-1.UEミル水平ロール 4,4-1.UEミル垂直ロール 5-1~5-7.圧延材 6,6-1.UFミル水平ロール 7,7-1.UFミル垂直ロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】H形鋼の圧延ラインにおける中間ミル群の
    エッジャー圧延機として4ロールのユニバーサルエッジ
    ヤー圧延機(UEミル)を用い、UEミルの水平ロールのロ
    ール幅を4ロールのユニバーサル粗圧延機(URミル)の
    水平ロール幅よりも小さく構成し、ビームブランクとし
    てウェブを変形させたビームブランクを用い、中間圧延
    の初期パスにおいてUEミルの水平ロールで変形したウェ
    ブを圧下してウェブ高さを拡大した後、後続の各パスに
    おいてURミルおよびUEミルを使用して圧延することを特
    徴とする大型H形鋼の圧延方法。
  2. 【請求項2】上記のウェブを変形させたビームブランク
    は、長方形断面の連続鋳造スラブからブレークダウン圧
    延機(BDミル)の造形孔型によってウェブを変形させて
    えたものであることを特徴とする請求項1に記載の大型
    H形鋼の圧延方法。
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