JP2002038507A - 防食板ジョイント部材、及びこれを用いた施工方法 - Google Patents

防食板ジョイント部材、及びこれを用いた施工方法

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JP2002038507A JP2000223153A JP2000223153A JP2002038507A JP 2002038507 A JP2002038507 A JP 2002038507A JP 2000223153 A JP2000223153 A JP 2000223153A JP 2000223153 A JP2000223153 A JP 2000223153A JP 2002038507 A JP2002038507 A JP 2002038507A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート壁表面に防食板を施工するにあ
たり、従来では目地部分に合成樹脂製コーキング材を塗
布して目地止めしている。しかしコーキング材の未充填
箇所が残る恐れあり、該未充填箇所の目地から腐食性液
体やガスが侵入し、内部のコンクリートにダメージを与
える恐れがある。そこで本発明は、目地部分に隙間をつ
くらず確実に止め、コンクリートに有害な物質を遮断す
ることの可能なジョイント部材を提供することを目的と
する。 【解決手段】 表面支持用板部11の裏面であってその
左右側縁より内側位置に、裏面支持用板部12,13の
一方端がそれぞれ連結部14,15を介して接続された
ジョイント部材10である。表面支持用板部11と裏面
支持用板部12,13により形成される差込用溝22,
23に、防食板を差込んで接続する。裏面支持用板部の
張出部24が表面支持用板部11の側縁よりも張り出し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防食板を接続する
防食板ジョイント部材、及びこれを用いた施工方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート製構造物は、その設置環境
によっては各種液体やガスに曝されて腐食,劣化が過度
に進行することがある。例えばマンホール等の下水管内
には様々な腐食性のガスや液体が流れており、特に下水
環境では、下水中の有機物から発生した硫化水素が微生
物作用により硫酸を生成し、コンクリート壁面の腐食,
劣化を促進する。また海岸等の様に塩害に曝される場所
においてもコンクリート劣化が生じ易い。
【0003】そこで従来よりコンクリート表面に樹脂を
塗布し、コンクリートに対して有害な物質から保護する
という手法(樹脂ライニング法)が提案されている。該
樹脂ライニング法としては、樹脂液をコテやハケ,或い
はスプレー等によって塗布する方法や、樹脂製シートを
貼り付ける方法等がある。
【0004】また近年、FRPが樹脂単独のものより防
食能力に優れていることが明らかとなり、FRPライニ
ング法も実施されている。該FRPライニング法は、現
場でガラス繊維に樹脂を含浸させ、乾燥固化しているコ
ンクリート表面に積層するという方法で行われている。
【0005】しかし上記樹脂ライニング法やFRPライ
ニング法はいずれも湿式法であり、硬化剤や溶剤を使用
するから、安全確保の為に換気を充分に行わなければな
らない。しかし作業現場によっては充分な換気が困難な
場合がある。またコンクリート表面が濡れていると、樹
脂やFRPの接着が非常に悪くなる問題がある。加えて
FRPはコンクリートとの接着力があまり良くないか
ら、剥離し易いという問題がある。
【0006】そこで上記溶剤揮発の問題を解決するた
め、予め成形された合成樹脂製防食板やFRP製防食板
をコンクリート表面に接着するという乾式法が提案され
ている。実用新案登録番号2594065号には、該乾
式法に用いる防食板が示されており、該防食板は立体編
物の片面に合成樹脂層を設けたものである。この防食板
の施工方法としては、セメントペーストを賦形して固化
させる段階で、上記防食板の立体編物側を向けて密着さ
せ、立体編物中の空隙にコンクリートが入り込んだ状態
で固化させるというものであり、これによりコンクリー
ト表面に合成樹脂層をしっかりと固定されて状態で形成
することができる。
【0007】また既にコンクリートが固化している場合
や、既設のコンクリートを補修する目的で防食板を敷設
する場合には、コンクリート表面にセメントペーストを
塗布してこれに防食板を押し付けて立体編物中にセメン
トペーストを入り込ませ、敷設するようにしている。こ
の場合も、立体編物のアンカー効果によりコンクリート
壁面に防食板がしっかりと固定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで個々の防食板
と防食板が隣接する目地部分には、従来では合成樹脂製
のコーキング材を塗布して目地止めが行われているが、
この目地止め操作は人手による作業であるから、目地に
コーキング材の未充填箇所が残る恐れある。仮に未充填
箇所が存在すると、せっかくコンクリート表面を防食板
で覆っても、未充填箇所の目地から侵入した腐食性の液
体やガスにより、内部のコンクリートにダメージを与え
る恐れがある。またコーキング材は衝撃に比較的弱く、
何らかの衝撃を受けて破損する恐れもある。加えてこの
防食板を貼り付け次に目地止めを行うという操作は、煩
雑で時間がかかるという問題がある。
【0009】そこで本発明においては、防食板と防食板
が隣接する目地部分に隙間をつくらず確実に止め、コン
クリートに有害な物質を遮断することの可能な防食板ジ
ョイント部材を提供することを目的とし、またこの防食
板ジョイント部材を用い、容易に施工することのできる
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る防食板ジョ
イント部材は、2以上の防食板を接続するジョイント部
材であって、1枚の表面支持用板部と2枚の裏面支持用
板部を有し、これら板部が、前記表面支持用板部の裏面
であってその左右側縁より内側位置に、前記裏面支持用
板部の一方端がそれぞれ連結部を介して接続されたもの
であり、前記表面支持用板部と前記裏面支持用板部が略
平行であって、該表面支持用板部と該裏面支持用板部と
により形成される間隙(以下、差込用溝と称することが
ある)を前記防食板の差込み用とし、前記表面支持用板
部の側縁よりも前記裏面支持用板部の他方端側縁が外方
向に位置していることを要旨とする。
【0011】本発明のジョイント部材は、目地部分にコ
ーキング材を塗布する代わりとして用いるものであり、
このジョイント部材を用いることにより、コーキング材
の未充填箇所のような隙間をつくる恐れがなく、コンク
リート表面を確実に覆うことが可能となる。即ち上述の
様に本発明のジョイント部材は、表面支持用板部の裏面
側に略平行して第1,第2の裏面支持用板部が設けられ
ており、この表面支持用板部と第1,第2の裏面支持用
板部とにより形成される差込用溝に、前記防食板を挟む
様にして嵌め込むことによって、防食板を接続するとい
うものであり、この様にして防食板と上記ジョイント部
材により隙間なくコンクリート表面を覆うことができ
る。
【0012】しかも施工箇所に対して防食板の大きさが
多少違っていても、該防食板をジョイント部材の上記差
込用溝に深く差し込むか、或いは浅く差し込むことによ
って、上記大きさの違いを吸収でき、ジョイント部材と
防食板が組み合わされた表面としては隙間を生じない。
【0013】加えて上記裏面支持用板部の他方端側縁が
前記表面支持用板部の側縁よりも外方向に位置している
から、即ち裏面支持用板部が長めに張り出しているか
ら、表面支持用板部と裏面支持用板部の形成する差込用
溝に防食板を挿入するにあたり、防食板の端部を裏面支
持用板部の張り出した表の面に当接しつつ差し込む様に
することによって、防食板を容易に挿入することができ
る。尚仮に裏面支持用板部の他方端側縁と表面支持用板
部の側縁の位置に段差がなく、例えば断面H型のジョイ
ント部材の場合では、差込用の溝部分に防食板を挿入す
るにあたり、当該溝部分に正確に防食板を位置させて差
し込む必要があり、差込作業が困難となる。
【0014】また差し込んだ防食板をジョイント材にし
っかりと固定する為に、接着剤等を接合面に塗布するこ
とが望まれるが、裏面支持用板部は上記の様に張り出し
ているから、該張り出し部分に接着剤を塗布したり、或
いは粘着性両面テープを貼付することが容易に行える。
【0015】本発明に係る施工方法は、前記防食板ジョ
イント部材をコンクリート面に取付ける工程と、前記防
食板ジョイント部材に防食板を取付ける工程と、前記防
食板及び前記防食板ジョイント部材と、前記コンクリー
ト壁面とにより形成された間隙に、充填材料(以下、裏
込め材料と称することがある)を注入する工程を有する
ことを要旨とする。
【0016】この様にプレハブを組み立てる様にして上
記ジョイント部材や防食板を設置し、その後裏込め材料
を注入するという方法であるから、工法が簡単で熟練を
要せず、また工期の短縮を図ることができる。加えて目
地用のコーキング材として一般的に用いられている合成
樹脂製のコーキング材は、高湿度環境下では硬化不良や
接着不良を生じる問題があったが、本発明においては防
食板の目地部分に、成形品であるジョイント部材が用い
られているから、湿潤環境下でも安定して防食被覆層を
形成することができる。
【0017】更に本発明に係る防食板ジョイント部材に
おいては、前記裏面支持用板部と前記連結部の接続箇所
に、前記表面支持用板部の内側方向に張り出した旁出部
が設けられたものであることが好ましい。
【0018】上記旁出部のアンカー効果により、上記裏
込め材料との固着を確実なものとすることができ、また
防食板ジョイント部材をコンクリート面に取付ける際に
用いるスペーサとの固着もしっかりしたものにできる。
【0019】加えて本発明に係る防食板ジョイント部材
においては、前記表面支持用板部の中央に、前記左右側
縁と平行に延びた切り欠きが形成されていることが好ま
しい。
【0020】例えば曲面のコンクリート面に防食板を施
工するに際して、上記防食板ジョイント部材を曲げる必
要が生じる場合があるが、このとき上記の如く切り欠き
があれば、容易に曲げ加工することができる。また上記
切り欠きの部分で屈曲させて断面L字状とし、90°の
角部に施工することも可能である。
【0021】更に前記防食板ジョイント部材が熱可塑性
樹脂製であることが好ましく、加熱することにより容易
に曲げ加工ができるからである。
【0022】また本発明に係る防食板ジョイント部材に
おいては、前記表面支持用板部の側縁が、前記裏面支持
用板部方向に向かって円弧状に薄くなっていることが好
ましい。
【0023】これにより、上記差込用溝に差し込まれた
防食板と表面支持用板部の側縁とに急激な段差がつか
ず、ジョイント部材と防食板とがその表面をなだらかに
して連結される。
【0024】加えて本発明に係る防食板ジョイント部材
は、前記裏面支持用板部にアンカーボルトの頭部係合用
の孔部が形成されたものであることが好ましい。
【0025】上記ジョイント部材をコンクリート壁面に
取付けるにあたり、コンクリートボルトを用いて取り付
けることが考えられるが、この際コンクリートボルト頭
部を上記孔部に係合させて、該頭部が突出しないように
すれば、コンクリートボルトが防食板等で覆われること
となり、露出しない。よって仮にコンクリートボルトが
金属製のものであっても、腐食を受ける心配がない。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係る
防食板ジョイント部材を示す図であり、(a)はその表
の面の斜視図、(b)はその裏の面の斜視図である。ま
た図2は図1(a)に示すA−A線断面図である。
【0027】防食板ジョイント部材10は、表面支持用
板部11に2枚の裏面支持用板部12,13が連結部1
4,15を介して接続されたものであり、その接続位置
は上記表面支持用板部11の裏面であってその左右の縁
部11L,11Rよりやや内側であり、ここに上記裏面支
持用板部12,13の一方端が上記連結部14,15を
介して接続されている。表面支持用板部11と裏面支持
用板部12,13は平行して位置しており、この表面支
持用板部11と裏面支持用板部12,13の間に差込用
溝(間隙)22,23が形成されている。また裏面支持
用板部12,13の他方端12e,13eは、表面支持
用板部11の縁部11R,11Lの位置より外方向に位置
し、裏面支持用板部12,13が張り出すような形とな
っている(張出部24:縁部11R,11L相当位置から
他方端12e,13eまでの部分)。
【0028】また右の裏面支持用板部12における内側
の一方端と、左の裏面支持用板部13における内側の一
方端とが対峙し、これらと表面支持用板部11とにより
内側空間20が形成されている。そして上記裏面支持用
板部12,13と連結部14,15の接続箇所には、内
側方向に張り出した旁出部16,17が設けられてい
る。
【0029】裏面支持用板部12,13の張出部24に
は複数の孔部19が設けられている。該孔部19は裏面
支持用板部12,13の表の側がテーパ状に広がった形
状をしており、コンクリートボルト頭部にちょうど係合
する形となっている。
【0030】上記表面支持用板部11は中央部分が厚め
で側縁11R,11Lに向かって薄くなっており、側縁1
R,11L部分では円弧状となって薄くなっている。ま
た表面支持用板部11の中央には縁部11R,11Lと平
行に延びた切り欠き18a,18bが表裏両面に設けら
れている。
【0031】上記ジョイント部材10は塩化ビニール製
であり、加熱することにより容易に曲げ加工することが
できる。
【0032】次にこの実施形態のジョイント部材10を
用いて施工する方法について、既設の円筒コンクリート
に施工する場合を例に挙げて説明する。図3〜5はこの
施工過程を説明するための一部切欠斜視図である。
【0033】まずコンクリート面30の劣化部分を除去
し(図3)、次いでコンクリート用アンカーボルト29
を用いて縦目地用のジョイント部材10を上記コンクリ
ート壁30に設置,固定する。このとき硬質スボンジ製
のスペーサ31をジョイント部材10の内側空間20に
ところどころ(不連続に)嵌め込み、コンクリート壁3
0の表面からジョイント部材10を所望の間隔で離すよ
うにし、空隙(間隙)50を形成する(図6参照)。尚
上記硬質スボンジ製スペーサとしては、コンクリート壁
30表面の高低差(不陸)に応じて厚みの異なったもの
を用いると良く、また多少のコンクリート壁30表面の
凹凸は上記スペーサの収縮により吸収することができ
る。尚上記スペーサ31をジョイント部材10の内側空
間20に連側的に嵌め込んでもよい。
【0034】次に上記防食板40をジョイント部材10
の差込用溝22,23に差し込んで組み立てる。このと
き差込用溝22,23の内表面に接着性のシーリング剤
(例えばシリコン系シーリング剤やエポキシ系シーリン
グ剤)41を塗布または充填しておく。
【0035】そして横目地用のジョイント部材10を上
記防食板40に差し込みつつ、上記と同様にスペーサを
ジョイント部材内側空間20に嵌め込んでコンクリート
ボルト29を用いてコンクリート壁30に設置,固定す
る(図4)。
【0036】この縦目地用のジョイント部材10の設
置、防食板40の差し込み、横目地用のジョイント部材
10の設置を繰り返して行って円周上に積み上げて行
き、所望の面積に防食板40を設置する。
【0037】その後、ジョイント部材10及び防食板4
0と、コンクリート壁30表面との間に形成された空隙
50に液状の裏込め材料(充填材料:例えばセメント系
耐硫酸グラウト材)51を注入し、固化させる(図
5)。尚裏込め材料としては、上記の他、セメント系グ
ラウト材等の無機材料、エポキシ樹脂系グラウト材等の
有機材料、ポリマーセメント系グラウト材等の有機無機
複合材が挙げられ、目的に合わせて適宜使用すると良
い。
【0038】以上の様にしてコンクリート壁30の表面
に防食板40が施工される。
【0039】図6,7はコンクリート壁面に施工したジ
ョイント部材10付近を示す拡大断面図であり、図6は
防食板40が真っ直ぐな場合で、図7は防食板40が円
弧状の場合である。尚図1〜5と同じ構成部分について
は同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0040】図に示す様に防食板40はジョイント部材
10の差込用溝22,23に差し込まれるが、差し込み
に際して防食板40の差し込み側端を裏面支持用板部1
2,13の張出部24に当てながら差込用溝22,23
に挿入する様にすれば、容易にジョイント部材10の差
込用溝22,23に防食板40を差し込むことができ
る。
【0041】また差込用溝22,23内に塗布(または
充填)された上記シーリング剤41により、防食板40
がジョイント部材10にしっかりと固定されるから、裏
込め材料51の注入前に防食板40が外れてしまうとい
う事故を防ぐことができる。またシーリング剤41は差
込用溝22,23内の防食板40との隙間を埋める役目
を果たすから、裏込め材料51が漏出することがなく、
また裏側(コンクリート側)に硫化水素ガス等が流入す
るのを防ぐことができる。尚裏込め材料51にはコンク
リートと同様の素材が用いられるから、コンクリート壁
30と同様に硫化水素ガス等により腐食を受けやすい。
【0042】防食板40としては、前述の実用新案登録
番号2594065号に示されるものの様に、立体編物
43の片面に合成樹脂層42を設けたものが好ましい。
ジョイント部材10への差し込みにあたって、予め防食
板40の差し込み部分先端の立体編物43を切除してお
けば、差込が容易となる。
【0043】またジョイント部材10の内側空間20に
向けて張り出した旁出部16,17は、固化した裏込め
材料51に対してアンカー効果を発揮するから、ジョイ
ント部材10が容易に剥離することがない。加えて上記
旁出部16,17は内側空間20に嵌め込まれた上記ス
ペーサを抱え込む様にするから、スペーサが容易に外れ
ることがない。尚防食板40は前述と同様に立体編物に
裏込め材料51が侵入して、しっかりと固定される。ま
たコンクリート壁30と裏込め材料51は同様の素材で
あるから馴染みが良く、剥離する恐れが少ない。
【0044】上述の様にジョイント部材10のコンクリ
ートボルト29用の孔部19は、裏面支持用板部12,
13の張出部24に設けられ、また該孔部19はコンク
リートボルト29の頭部がはまる形状であるが、これに
より表側にコンクリートボルト29頭部が出ることがな
く、防食板40で覆い隠すことができる。従ってコンク
リートボルト29は腐食性液やガスに曝されないから、
鉄の様に硫酸等による腐食を受けやすい材質のものを用
いても構わず、材質を選ばない。
【0045】またジョイント部材10の表面支持用板部
11の側縁11L,11Rは円弧状となっているから、防
食板40の表面と表面支持用板部11の表面がなだらか
に連続する。
【0046】加えて、例えば図4に示す様に横目地部分
にジョイント部材10を配置させるには、長手方向に円
弧状に曲がったジョイント部材10が必要であるが、上
記ジョイント部材10は塩化ビニール製であるから、加
熱することにより容易に曲げ加工することができ、よっ
てたとえ施工現場であっても形状を容易に修正すること
ができる。更に切り欠き18a,18bが設けられたジ
ョイント部材10にあっては、幅方向の湾曲や屈曲がよ
り容易となる。尚上記切り欠き18aはジョイント部材
を設置する際の位置の目安にすることもできる。
【0047】この様に様々な形状のコンクリート表面に
対しても、変形可能なジョイント部材10と防食板を組
み合わせて施工すれば、コンクリート表面全体を覆うこ
とができ、しかも隣接する防食板40と防食板40の間
はジョイント部材10により繋がれ、施工表面に目地の
隙間を生じないから、腐食性の液体やガスがコンクリー
トに至らない。加えてこの様にプレハブ化して施工する
方法は、工期の短縮を図ることができ、また高湿潤環境
でも施工できて、施工環境を選ばない。
【0048】以上の様に本発明に係るジョイント部材及
びこれを用いた施工方法に関して、例を示す図面を参照
しつつ具体的に説明したが、本発明はもとより図示例に
限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で
適当に変更を加えて実施することも可能であり、それら
はいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0049】例えばジョイント部材の素材としては上記
塩化ビニールに限らず、ポリスチレン,メタクリル樹脂
といった非晶性プラスチックやポリスチレン,ポリプロ
ピレン,ポリアセタール,飽和ポリエステル,フッ素樹
脂等の結晶性プラスチック、更にはポリフェニレンサル
ファイド,ポリフェニレンオキサイド,ポリエーテルエ
ーテルケトンといったエンジニアリングプラスチック等
の熱可塑性樹脂であっても良い。尚曲げ加工が不要な場
合は熱硬化性樹脂であっても良い。
【0050】また上記実施形態では旁出部16,17と
して小さいものを示したが、長く張り出したものであっ
ても良く、また鉤型形状の旁出部16,17であっても
良い。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る防食板ジョイント部材及び
これを用いた施工方法によれば、防食板と防食板が隣接
する目地部分に隙間をつくらずに、コンクリート表面を
完全に覆うことができ、従ってコンクリートに有害な物
質を遮断することができる。しかも施工が簡単で、工期
の短縮を図ることができ、加えて施工環境を選ばない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る防食板ジョイント部
材を示す斜視図。
【図2】図1(a)に示すA−A線断面図。
【図3】図1に示す実施形態のジョイント部材を用いて
施工する過程を説明するための一部切り欠き斜視図。
【図4】図1に示す実施形態のジョイント部材を用いて
施工する過程を説明するための一部切り欠き斜視図。
【図5】図1に示す実施形態のジョイント部材を用いて
施工する過程を説明するための一部切り欠き斜視図。
【図6】コンクリート壁面に施工したジョイント部材付
近を示す拡大断面図。
【図7】コンクリート壁面に施工したジョイント部材付
近を示す拡大断面図。
【符号の説明】
10 ジョイント部材 11 表面支持用板部 11L,11R 縁部 12,13 裏面支持用板部 12e,13e 他方端 14,15 連結部 16,17 旁出部 18a,18b 切り欠き 19 孔部 20 内側空間 22,23 差込用溝 24 張出部 29 コンクリートボルト 30 コンクリート壁 40 防食板 41 シーリング剤 42 合成樹脂層 43 立体編物 50 空隙 51 裏込め材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新居 隆 兵庫県神戸市西区南別府1丁目14番6号 日本ジッコウ株式会社内 (72)発明者 永井 吉樹 大阪市北区芝田2丁目8番33号 日本ポリ エステル株式会社内 (72)発明者 杉原 聡 大阪市北区芝田2丁目8番33号 日本ポリ エステル株式会社内 Fターム(参考) 2D047 BA00 2D063 EA08 3H024 EA01 EC09 ED01 EE05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2以上の防食板を接続するジョイント部
    材であって、 1枚の表面支持用板部と2枚の裏面支持用板部を有し、 これら板部は、前記表面支持用板部の裏面であってその
    左右側縁より内側位置に、前記裏面支持用板部の一方端
    がそれぞれ連結部を介して接続されたものであり、 前記表面支持用板部と前記裏面支持用板部が略平行であ
    って、該表面支持用板部と該裏面支持用板部とにより形
    成される間隙を前記防食板の差込み用とし、前記表面支
    持用板部の側縁よりも前記裏面支持用板部の他方端側縁
    が外方向に位置していることを特徴とする防食板ジョイ
    ント部材。
  2. 【請求項2】 前記裏面支持用板部と前記連結部の接続
    箇所に、前記表面支持用板部の内側方向に張り出した旁
    出部が設けられた請求項1に記載の防食板ジョイント部
    材。
  3. 【請求項3】 前記表面支持用板部の中央に、前記左右
    側縁と平行に延びた切り欠きが形成されている請求項1
    または2に記載の防食板ジョイント部材。
  4. 【請求項4】 前記表面支持用板部の側縁が、前記裏面
    支持用板部方向に向かって次第に薄くなっている請求項
    1〜3のいずれかに記載の防食板ジョイント部材。
  5. 【請求項5】 前記裏面支持用板部に、アンカーボルト
    の頭部係合用の孔部が形成されたものである請求項1〜
    4のいずれかに記載の防食板ジョイント部材。
  6. 【請求項6】 前記防食板ジョイント部材が熱可塑性樹
    脂製である請求項1〜5のいずれかに記載の防食板ジョ
    イント部材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の防食板
    ジョイント部材を、コンクリート壁面に取付ける工程
    と、 前記防食板ジョイント部材に防食板を取付ける工程と、 前記防食板及び前記防食板ジョイント部材と、前記コン
    クリート面とにより形成された間隙に、充填材料を注入
    する工程を有することを特徴とする施工方法。
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