JPH08246546A - ライニングパネル付きコンクリート躯体壁の施工方法および構造 - Google Patents

ライニングパネル付きコンクリート躯体壁の施工方法および構造

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JPH08246546A
JPH08246546A JP7052761A JP5276195A JPH08246546A JP H08246546 A JPH08246546 A JP H08246546A JP 7052761 A JP7052761 A JP 7052761A JP 5276195 A JP5276195 A JP 5276195A JP H08246546 A JPH08246546 A JP H08246546A
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JP
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panel
lining
lining panel
concrete
shaped
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JP7052761A
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Toshiyuki Noda
利幸 野田
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パネル継合せ部はもちろん、壁面全域におい
て十分な防食性を長期確保でき、ライニングパネルのひ
び割れや破損を防止できるライニングパネル付きコンク
リート躯体壁を低コストで効率良く施工する。 【構成】 金属製スペーサ30を突っ張り状に介して対
向配置される一対のせき板3、10のうち、少なくとも
一方のせき板3を、端縁同士が断面H型の合成樹脂製パ
ネル縁合せフレーム20の両溝21内に嵌合されて継ぎ
合わされた複数のライニングパネル10により構成し、
一対のせき板3、10を仮設抑止手段により保持した状
態で、裏込材50を充填し、裏込材50を養生硬化させ
た後、ライニングパネル10を残存させる態様に、仮設
抑止手段を除去し、キノコ状のボルトの軸部を各ライニ
ングパネル10に貫通させてスペーサ30に連結し、傘
状頭部により各ライニングパネル10を裏込材50側へ
押圧保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、下水の蓄積タンク、
汚泥処理タンク、酸性薬品タンク等のような液槽等にお
いてコンクリート躯体壁を形成する際に適用されるライ
ニングパネル付きコンクリート躯体壁の施工方法および
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】下水の蓄積タンク等の液槽は、一般にコ
ンクリート製のものとして地中に埋設状態に建設設置さ
れている。かかるタンク等は、その内部に貯溜される下
水等からの揮発成分、特に細菌によって発生する硫酸等
の影響により、短期間に腐食して、壁面等が劣化し構造
強度が損なわれる事態を生じ、近時この腐食の問題が大
きくクローズアップされている。
【0003】従来、一般的な防食防水コンクリート躯体
壁としては、周知の工法によりコンクリート壁を形成し
た後、壁面にガラス繊維強化プラスチック(FRP)等
をライニングしたり、あるいは防食性に優れた塗料を塗
布して形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のコンクリート躯体壁を構築するには、大きく分け
て、コンクリート壁を形成する工程と、その壁面に防食
処理を施す工程との2つの工程が必要であり、多くの手
間や費用がかかるという問題がある。加えて、FRPで
防食処理を行う場合、FRPの微細な孔から硫化水素ガ
スが流入してコンクリートを腐食することにより十分な
耐久性を得ることができず、また防食性に優れた塗料を
塗布する場合には、防食塗料とコンクリートとの密着性
を十分に確保できず、防食塗料層が短期間で剥離する
等、防食性を長期維持できないという問題を抱えてい
る。
【0005】一方、特開平5−132963号公報にお
いては、多数枚の合成樹脂製ライニングパネルを、その
裏面に突設されたアンカー突起をコンクリート層内に埋
設固着することにより、コンクリート壁面に沿って配置
した構造が開示されている。この構造においては、コン
クリート壁面が多数の合成樹脂製ライニングパネルによ
り被覆されるため、十分な防食性を具備しているといえ
る。しかしながらこの構造では、ライニングパネルのア
ンカー突起をコンクリートに埋設状態に固定するため、
ライニングパネルがコンクリート壁側の応力による影響
を受け易く、例えばコンクリートに亀裂が入って歪みが
生じると、ライニングパネルにストレスが蓄積されて破
損する恐れがある。さらに隣合うライニングパネル同士
を溶接により固定するようにしているため、その溶接作
業に多大な労力を必要とし、多くの手間と費用がかかる
という問題がある。またこの構造を実現するには、コン
クリート打設時にライニングパネルの表面にコンクリー
トパネル等の仮設の外枠が必要であり、コンクリート硬
化後、その外枠を除去する作業が必要となって、この点
においても多くの手間と費用がかかるという問題を有し
ていた。
【0006】また、特開平6−193919号公報にお
いては、合成樹脂板をせき板としてコンクリートを打設
し、コンクリート硬化後も合成樹脂板を残存させてライ
ニングパネルとして使用する技術が開示されている。し
かしながらこの工法では、隣合うライニングパネル間の
目地部(パネル継合せ部)に、十分な防食性を確保でき
ず、軟質塩化ビニルシート等を設けているが、それでも
防食性が不十分であるという問題を有している。
【0007】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、パネル継合せ部はもちろん、壁面全域において十分
な防食性を恒久的に有し、ライニングパネルのひび割れ
や破損を有効に防止できるライニングパネル付きコンク
リート躯体壁を低コストで効率良く形成できる施工方法
および構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1の発明のライニングパネル付きコンクリー
ト躯体壁の施工方法は、複数の棒状剛性部材を突っ張り
状に介して対向配置される一対のせき板のうち、少なく
とも一方のせき板を、端縁同士が断面H型の合成樹脂製
パネル縁合せフレームの両溝内に嵌合されて継ぎ合わさ
れた複数の合成樹脂製ライニングパネルにより構成し、
前記一対のせき板の間隔を仮設抑止手段により保持した
状態で、そのせき板間にコンクリート等の裏込材を充填
し、前記裏込材を養生硬化させた後、前記ライニングパ
ネルにより構成されるせき板を残存させる態様に、前記
仮設抑止手段を除去し、少なくとも傘部が合成樹脂から
なる複数のキノコ状連結部材の軸部を各ライニングパネ
ルに貫通させて前記剛性部材に連結し、傘部により各ラ
イニングパネルを裏込材側へ押圧保持するものを要旨と
している。
【0009】上記第1の発明においては、前記ライニン
グパネルおよび前記パネル縁合せフレームの隙間をコー
キング材により防水処理する工程と、前記ライニングパ
ネルおよび前記連結部材の隙間をコーキング材により防
水処理する工程とを行うのが良い。
【0010】上記目的を達成するため、本願第2の発明
のライニングパネル付きコンクリート躯体壁の構造は、
一面から他面にかけて貫通する複数の棒状剛性部材が埋
設されたコンクリート等の裏込層の少なくとも一面に、
複数の合成樹脂製ライニングパネルが、隣合うパネルの
端縁同士が断面H型の合成樹脂製パネル縁合せフレーム
の両溝内に嵌合されて継ぎ合わされた状態で配置され、
少なくとも傘部が合成樹脂からなる複数のキノコ状連結
部材の軸部が、各ライニングパネルに貫通されて前記剛
性部材に連結され、傘部により各ライニングパネルが前
記裏込層側へ押圧保持されてなるものを要旨としてい
る。
【0011】
【作用】本発明においては、断面H型のパネル縁合せフ
レームを介して継ぎ合わされた複数の合成樹脂製ライニ
ングパネルをせき板として、コンクリート層等の裏込層
を形成し、キノコ状の連結部材をライニングパネルに貫
通して裏込層内の剛性部材に連結し、ライニングパネル
を押圧保持するものであるため、壁面がライニングパネ
ルにより被覆され、恒久的に防食性に優れたコンクリー
ト躯体壁を形成できる。しかも、隣合うライニングパネ
ルの端縁をH型のパネル縁合せフレームの両溝に嵌合し
て、パネル同士を継合せているため、パネル継合せ部
(目地部)を確実に密閉でき、その部分にも十分な防食
性を確保できる。またライニングパネルはコンクリート
打設時にはせき板として使用し、コンクリート硬化後に
はライニング材として使用しているため、せき板の除去
が不要となる。またライニングパネルは、連結部材を介
して裏込材内の剛性部材に保持されるため、裏込材側の
応力による影響を直接受けることはない。
【0012】本発明において、ライニングパネルとパネ
ル縁合せフレームとの隙間、およびライニングパネルと
連結部材との隙間をコーキング材による防水処理を施す
場合には、それらの隙間をより確実に密閉することがで
きる。
【0013】なお、本発明における裏込材としては、一
般的な普通コンクリートのほか、水性ディスパージョン
セメント系、水溶性ポリマーセメント系等のポリマーセ
メント系やモルタル、さらにはエポキシ樹脂等の合成樹
脂組成物等を使用可能なものとして例示することができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例工法に基づき、図10
に示すように、内部に間仕切り壁(2)が形成された液
槽(1)を形成する場合について説明する。
【0015】まず本実施例の工法を実施するにあたっ
て、図11および図12に示すライニングパネル(1
0)およびパネル縁合せフレーム(20)をそれぞれ多
数準備する。
【0016】ライニングパネル(10)は、発泡塩化ビ
ニル板からなる厚さ8mmの中間層(11)の両面にウ
レタン系接着剤を介して、硬質塩化ビニル板からなる厚
さ2mmの表面層(12)がそれぞれ形成された、例え
ば900mm×1800mmの厚さ12mmの積層板に
より構成されている。
【0017】なお、本発明において、ライニングパネル
としては、硬質合成樹脂層を含む2層以上の積層板から
なるもの、あるいは硬質合成樹脂の単層板からなるもの
を好適に使用できる。単層板からなるものを使用する場
合、厚さが1.5mm以上あれば、液槽形成時に良好な
防食性を得ることができるが、後に詳述するようにコン
クリート打設時の側圧に対して十分な剛性を得るために
は、厚さを厚く形成するのが好ましい。ただし、厚すぎ
ると、材料費の増加により経済的な問題が生じるほか、
高重量化により施工時の作業者への負担も増加すること
になる。
【0018】そこで、本実施例のライニングパネル(1
0)のように、安価で軽量な合成樹脂発泡体やハニカム
コアを含む積層板を使用することにより、十分な剛性を
確保しつつ、軽量化および低コスト化を図ることができ
る。また本実施例のライニングパネル(10)のよう
に、表裏両面に、同質、同厚の表面層(12)(12)
を形成したものを使用することにより、表裏間でのバラ
ンスが図られて、パネルに反り等が生じるのを防止で
き、品質の高いパネル製品を製造できる。
【0019】一方、パネル縁合せフレーム(20)は、
肉厚3mmの断面H型の押出成形品からなるものであっ
て、例えば両側の溝(21)(21)の幅がそれぞれ1
4mm、溝(21)(21)の深さがそれぞれ20mm
に設定され、両溝(21)(21)に上記ライニングパ
ネル(10)の端縁を嵌合し得るよう構成されている。
【0020】本実施例では、以上の構成のライニングパ
ネル(10)およびパネル縁合せフレーム(20)のほ
か、周知の部材を用いて、以下に説明するようにコンク
リート製液槽(1)を形成する。
【0021】まず図1ないし図5に示すように液槽形成
場所周辺の土壌を掘り起こし、型枠を組む。このとき、
液槽(1)の外周面に対応する部分には、木製板やコン
クリートパネル等を使用して仮設のせき板(3)を形成
するとともに、液槽(1)の内周面および間仕切り壁
(2)の両面に対応する部分には、上記ライニングパネ
ル(10)等を用いてせき板を形成する。
【0022】すなわち、仮設せき板(3)から内側に所
定の間隔をおいた状態でライニングパネル(10)を床
面に固定する。
【0023】続いて、この既設ライニングパネル(1
0)の端縁に沿ってパネル縁合せフレーム(20)をそ
の一方側の溝(21)をパネル端縁に嵌合するように配
置する。さらにそのパネル縁合せフレーム(20)の他
方側の溝(21)に新たなライニングパネル(10)の
端縁を嵌合するとともに、そのライニングパネル(1
0)の端縁にさらにパネル縁合せフレーム(20)を設
置し、こうして複数のライニングパネル(10)を仮設
せき板(3)から所定の間隔をおいて面状に配置する。
なお、図4においては、発明の理解を容易に行えるよう
に、パネル縁合せフレーム(20)に斜線を施して示し
ている。
【0024】その一方で、金属製セパレータ(31)の
両端に金属製端具(32)が螺着された多数のスペーサ
(30)を、仮設せき板(3)およびライニングパネル
(10)間に突っ張り状に配置する。このとき、スペー
サ(30)の端具(32)に形成されたねじ孔を、せき
板(3)およびライニングパネル(10)に穿設した複
数の貫通孔(3a)(13)にそれぞれ臨むように配置
する。
【0025】さらにこの状態を維持するために仮設抑止
手段を設ける。すなわち仮設せき板(3)およびライニ
ングパネル(10)の各貫通孔(3a)(13)に軸足
(35)をそれぞれ通して端具(32)に螺着して、軸
足(35)を各貫通孔(3a)(13)に貫通状態に配
置する。さらに各軸足(35)に抑止桟固定金具(4
1)をそれぞれ螺着して、多数の抑止桟(42)を仮設
せき板(3)の外面およびライニングパネル(10)の
内面に沿って格子状に配置する。そして、抑止桟固定金
具(41)の抑止桟係止金具(41a)を縦方向の抑止
桟(42)に係止させた状態で、各抑止桟固定金具(4
1)にナット(43)をそれぞれ締結して、抑止桟(4
2)により仮設せき板(3)およびライニングパネル
(10)を押圧する。
【0026】一方、間仕切り壁(2)を形成する部分に
おいては、その両側にライニングパネル(10)を対向
させて固定し、対向し合うライニングパネル(10)間
にスペーサ(30)を設置しながら、上記と同様に、パ
ネル縁合せフレーム(20)を介して複数のライニング
パネル(10)を継ぎ合せていき、互いに相対向するラ
イニングパネル群を形成するとともに、軸足(35)、
抑止桟固定金具(41)、抑止桟(42)、ナット(4
3)等の仮設抑止手段を組み付ける。
【0027】なお本実施例において、スペーサ(30)
は、1枚のライニングパネル(10)に対し6個程度配
置され、上下左右に約600mmの間隔おきに配置され
ている。
【0028】こうして型枠を組んだ後、仮設せき板
(3)およびライニングパネル(10)間の空間部内
と、ライニングパネル(10)間の空間部内とにコンク
リート等の裏込材(50)を充填する。
【0029】続いて裏込材(50)が養生硬化した後、
ナット(43)を外して、抑止桟固定金具(41)、抑
止桟(42)および軸足(35)等の仮設抑止手段をそ
れぞれ除去するとともに、仮設せき板(3)を除去す
る。
【0030】次に図6ないし図8に示すように、硬質ポ
リ塩化ビニル製のキノコ状ボルト(55)の軸部(55
a)を、ライニングパネル(10)の各貫通孔(3a)
(13)に挿通して、スペーサ(30)の端具(32)
に締結し、傘状頭部(55b)によりライニングパネル
(10)を裏込材(50)側へ押圧保持する。このとき
傘状頭部(55b)の下面側にあらかじめシリコン系等
のコーキング材(56)を塗布しておき、傘状頭部(5
5b)とライニングパネル(10)との間を密封する。
【0031】続いて、ライニングパネル(10)の表面
側からパネル縁合せフレーム(20)とライニングパネ
ル(10)との隙間に、シリコン系等のコーキング材
(56)を充填し、その隙間を密封する。
【0032】なおコーキング材(56)による密封処理
(防水処理)は、液槽施工中のどの段階で行っても良
い。
【0033】こうして、コンクリート躯体壁を形成した
後、図9に示すように床仕上げを行う。
【0034】例えば、コンクリート製の床下地(60)
に湧き水経路を確保するための塩化ビニル製の溝型成形
品(61)を設置するとともに、発泡ポリスチレンから
なるあて板(62)を設置する。
【0035】続いて、硬質塩化ビニル製の床板(63)
を敷設して、その床板(63)を溝型成形品(61)に
溶接する。
【0036】次に、床板(63)、あて板(62)およ
び床下地(60)にドリル等で孔を穿設し、床下地(6
0)の孔にアンカー部材(64)を固定する。
【0037】次に、硬質塩化ビニル製のキノコ状ボルト
(65)を、その傘状頭部下面にコーキング材(66)
を塗布しておいて、上記アンカー部材(64)に締結
し、床板(63)を下方側へ抑え込む。
【0038】続いて、壁部と壁部のコーナー部および壁
部と床部とのコーナー部に、コーキング材(67)を充
填し、各コーナー部に硬質塩化ビニル製のL型アングル
部材(68)を設置し、そのアングル部材(68)を、
ライニングパネル(10)または床板(63)に溶接す
る。
【0039】こうしてコンクリート製液槽(1)が形成
される。
【0040】以上のように、本実施例の液槽(1)によ
れば、側壁内面が合成樹脂製のライニングパネル(1
0)により被覆されるため、恒久的に優れた防食性を得
ることができる。しかも隣合うライニングパネル(1
0)の端縁をH型のパネル縁合せフレーム(20)の両
溝(21)(21)内に嵌合して、パネル同士を継合せ
るとともに、ライニングパネル(10)と縁合せフレー
ム(20)との隙間にコーキング材(56)を充填して
いるため、ライニングパネル(10)の目地部が確実に
密閉され、その目地部においても恒久的に優れた防食性
を得ることができる。さらにライニングパネル同士の継
合せは、パネル(10)の端縁をH型のフレーム(2
0)の溝(21)内に嵌合するだけの簡単な作業である
ため、例えば面倒な溶接作業等を必要とせず、簡単に施
工できる。
【0041】またライニングパネル(10)を、コンク
リート打設時にはせき板として使用し、コンクリート硬
化後にはライニング材として使用しているため、せき板
の除去が不要となる。したがって、せき板を使用しない
分、資材の節減を図ることができ、さらにせき板除去作
業を必要としない分、工期の短縮、労力の軽減を図るこ
とができる。特に間仕切り壁(2)等のように、両側に
ライニング層を形成する場合には、両面側共にせき板の
除去が不要となり、より一層効率良く簡単に施工でき
る。
【0042】またライニングパネル(10)は、それに
貫通したキノコ状のボルト(55)を裏込材(50)内
のスペーサ(30)に螺着することにより、裏込材(5
0)に押圧状態に保持されているため、ライニングパネ
ル(10)は裏込材(50)の応力による影響を直接受
けることがなく、たとえ裏込材(50)に、歪み変形、
ひび割れ、亀裂等が生じたり、あるいは破損したりして
も、ライニングパネル(10)は損傷せず、優れた防食
性を、より一層長期的に維持できる。
【0043】なお本発明においては、言うまでもなく、
ライニングパネルの大きさや、スペーサの設置個数等は
上記のものに限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、H型の
パネル縁合せフレームを介して継ぎ合わされた複数の合
成樹脂製ライニングパネルをせき板として、コンクリー
ト等の裏込層を形成し、ライニングパネルを、連結部材
により裏込層内の剛性部材に連結して保持するものであ
るため、壁面がライニングパネルにより被覆されて、恒
久的に防食性に優れたコンクリート躯体壁を形成でき
る。特に、隣合うライニングパネルの端縁をH型のフレ
ームの両溝に嵌合して、パネル同士を継ぎ合せているた
め、パネル継合せ部(目地部)が確実に密閉され、目地
部においても優れた防食性を恒久的に得ることができ
る。さらにライニングパネルはコンクリート打設時には
せき板として使用し、コンクリート硬化後にはライニン
グ材として使用しているため、せき板の除去が不要とな
り、その分、効率良く簡単に施工できる。またライニン
グパネルは、それに貫通したキノコ状の連結部材を裏込
材内の剛性部材に連結することにより、裏込材側に押圧
保持されているため、ライニングパネルは、裏込材の応
力による影響を直接受けることがなく、たとえ裏込材
に、歪み変形、ひび割れ、亀裂等が生じたり、あるいは
破損したりしても、ライニングパネルが損傷することは
なく、優れた防食性を、より一層長期的に維持できると
いう効果が得られる。
【0045】本発明において、ライニングパネルとパネ
ル縁合せフレームとの隙間、およびライニングパネルと
連結部材との隙間をコーキング材により防食処理する場
合には、それらの隙間がより確実に密閉され、より一層
優れた防食性を得ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例工法に適用された型枠を分解
して示す斜視図である。
【図2】実施例工法で形成される液槽の外周壁をコンク
リート打設直後の状態で示す断面図である。
【図3】実施例工法で形成される液槽の間仕切り壁をコ
ンクリート打設直後の状態で示す断面図である。
【図4】実施例工法で形成される液槽の壁部を枠組完了
時の状態で示す正面図である。
【図5】実施例工法で形成される液槽を枠組完了時の上
程で示す平断面図である。
【図6】実施例工法で形成された液槽壁のライニングパ
ネル連結部周辺を示す断面図である。
【図7】実施例工法で形成された液槽壁のライニングパ
ネル継合せ部周辺を示す断面図である。
【図8】実施例工法で形成された液槽壁を示す正面図で
ある。
【図9】実施例工法で形成された液槽の下端コーナー部
周辺を示す断面図である。
【図10】実施例工法で形成された液槽を示す斜視図で
ある。
【図11】実施例工法に使用されたライニングパネルを
示す図であって、同図(a)は斜視図、同図(b)は断
面図である。
【図12】実施例工法に使用されたパネル縁合せフレー
ムの一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
3…仮設せき板 10…ライニングパネル 20…パネル縁合せフレーム 30…スペーサ(剛性部材) 35…軸足(仮設抑止手段) 41…抑止桟固定金具(仮設抑止手段) 42…抑止桟(仮設抑止手段) 43…ナット(仮設抑止手段) 55…ボルト(キノコ状連結部材) 55a…軸部 55b…頭部(傘部) 56…コーキング材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04H 7/18 E04H 7/18 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の棒状剛性部材を突っ張り状に介し
    て対向配置される一対のせき板のうち、少なくとも一方
    のせき板を、端縁同士が断面H型の合成樹脂製パネル縁
    合せフレームの両溝内に嵌合されて継ぎ合わされた複数
    の合成樹脂製ライニングパネルにより構成し、 前記一対のせき板の間隔を仮設抑止手段により保持した
    状態で、そのせき板間にコンクリート等の裏込材を充填
    し、 前記裏込材を養生硬化させた後、前記ライニングパネル
    により構成されるせき板を残存させる態様に、前記仮設
    抑止手段を除去し、 少なくとも傘部が合成樹脂からなる複数のキノコ状連結
    部材の軸部を各ライニングパネルに貫通させて前記剛性
    部材に連結し、傘部により各ライニングパネルを裏込材
    側へ押圧保持するものとしたライニングパネル付きコン
    クリート躯体壁の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記ライニングパネルおよび前記パネル
    縁合せフレームの隙間をコーキング材により防水処理す
    る工程と、前記ライニングパネルおよび前記連結部材の
    隙間をコーキング材により防水処理する工程とを含む請
    求項1記載のライニングパネル付きコンクリート躯体壁
    の施工方法。
  3. 【請求項3】 一面から他面にかけて貫通する複数の棒
    状剛性部材が埋設されたコンクリート等の裏込層の少な
    くとも一面に、複数の合成樹脂製ライニングパネルが、
    隣合うパネルの端縁同士が断面H型の合成樹脂製パネル
    縁合せフレームの両溝内に嵌合されて継ぎ合わされた状
    態で配置され、 少なくとも傘部が合成樹脂からなる複数のキノコ状連結
    部材の軸部が、各ライニングパネルに貫通されて前記剛
    性部材に連結され、傘部により各ライニングパネルが前
    記裏込層側へ押圧保持されてなることを特徴とするライ
    ニングパネル付きコンクリート躯体壁の構造。
JP7052761A 1995-03-13 1995-03-13 ライニングパネル付きコンクリート躯体壁の施工方法および構造 Pending JPH08246546A (ja)

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