JP2002030301A - 窒素含有金属粉末およびその製造方法ならびにそれを用いた多孔質焼結体および固体電解コンデンサ - Google Patents

窒素含有金属粉末およびその製造方法ならびにそれを用いた多孔質焼結体および固体電解コンデンサ

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JP2002030301A JP2000211825A JP2000211825A JP2002030301A JP 2002030301 A JP2002030301 A JP 2002030301A JP 2000211825 A JP2000211825 A JP 2000211825A JP 2000211825 A JP2000211825 A JP 2000211825A JP 2002030301 A JP2002030301 A JP 2002030301A
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勇幸 堀尾
Tomoo Izumi
知夫 泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細で表面積の大きなタンタル粉末に窒素を
均一に含有させて、焼結速度が抑制され、焼結工程を適
切に制御しやすいタンタル粉末を提供し、空孔の大きさ
や分布が均一な多孔質焼結体を製造し、高CVコンデン
サを提供する。 【解決手段】 500〜30000ppmの窒素を含有
し、各粒子間における窒素含有量のばらつきが、100
%以下である窒素含有タンタル粉末または窒素含有ニオ
ブ粉末である。このような粉末は、タンタル粉末または
ニオブ粉末を、窒素含有雰囲気中で動かしながら加熱し
て、タンタル粉末またはニオブ粉末に窒素を含有させる
窒素処理工程を有する製造方法によって製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サのアノード電極への使用に好適な、窒素含有タンタル
粉末または窒素含有ニオブ粉末およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、タンタルコンデンサは高容量化が
すすみ、原料として、より微細で表面積の大きなタンタ
ル粉末が使用されるようになっている。現在、主として
使用されているタンタル粉末は、フッ化タンタルカリウ
ム塩のナトリウム還元で得られたタンタル粉末を真空熱
処理した後、脱酸素する方法で得られるもので、種々の
微細化検討により、50000〜100000μFV/
g程度の高CV値を達成できるタンタル粉末が得られて
いる。
【0003】コンデンサを製造するためには、タンタル
粉末をプレス成形し、真空焼結した後、陽極酸化して誘
電体層を形成する。その後、タンタル焼結体の空孔内に
固体電解質を形成する。しかし最近では、タンタル粉末
の微細化にともなって空孔も微細化するため、固体電解
質の形成が難しくなってきている。
【0004】また、空孔の大きさや分布の均一性は、コ
ンデンサ製造工程中の焼結工程の影響を最も受ける。例
えば、焼結温度が高すぎる等の原因によって焼結が進み
すぎると、固体電解質の形成に十分な空孔が確保でき
ず、コンデンサ容量も低下する。一方、焼結温度が低す
ぎる等の原因によって焼結の進行が不十分であれば、漏
れ電流の上昇等、誘電体被膜の安定性が不十分となる。
さらに、タンタル粉末が微細化するにともなって、空孔
の大きさや分布の均一性はこのような焼結条件により依
存しやすくなり、焼結温度等の条件の若干の変化によっ
て、空孔の状態が大きく変動し、所望の物性を有するタ
ンタル粉末が安定に得られない場合があった。
【0005】焼結工程を制御して、所望の物性を有する
タンタルの焼結体を安定に製造するためには、焼結時に
使用する真空焼結炉の焼結ゾーンの温度分布を均一にし
たり、加熱方法に工夫をしたりする方法の他に、原料と
して、焼結速度が適度に抑えられたタンタル粉末を使用
して、焼結条件が多少変動しても焼結の進行がばらつか
ず、空孔の大きさや分布が均一な焼結体を製造できるよ
うにする方法が挙げられる。
【0006】タンタル粉末の焼結速度を抑えるために、
タンタル粉末にリン、ケイ素、イオウ、ホウ素、窒素を
添加することが米国特許第3825802号、米国特許
第454403号に開示されている。また、米国特許第
5448447号、特許第231644号公報には、タ
ンタル粉末に窒素を含有させることによって、3000
0μFV/g以下の低CV粉末を100V以上で高圧化
成を行った時の漏れ電流を低減する等の誘電体被膜安定
性に関する効果が開示されている。米国特許第1875
98号には、脱酸素後に450℃以下で熱窒化を行っ
て、酸素量を低減させることにより漏れ電流を低減する
ことが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、米国特
許第3825802号、米国特許第454403号に開
示の方法は、低CV値の比較的粒径の大きなタンタル粉
末が対象であり、より微細で表面積の大きな高CV値の
タンタル粉末にこれらの元素を均一に添加する方法につ
いては開示されていない。米国特許第5448447
号、特許第231644号公報および米国特許第187
598号に記載されている方法は、いずれも漏れ電流の
低減等がその目的であって、より微細で表面積の大きな
高CV値のタンタル粉末に窒素を均一に添加して焼結工
程を制御する方法については記載されていない。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、微細で表面積の大きなタンタル粉末に窒素を均一に
含有させて、焼結速度が抑制され、焼結工程を適切に制
御しやすいタンタル粉末またはニオブ粉末を提供し、空
孔の大きさや分布が均一な多孔質焼結体を製造し、高C
Vコンデンサを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の窒素含有タンタ
ル粉末または窒素含有ニオブ粉末は、500〜3000
0ppmの窒素を含有し、各粒子間における窒素含有量
のばらつきが、100%以下であることを特徴とする。
本発明の窒素含有タンタル粉末または窒素含有ニオブ粉
末の製造方法は、タンタル粉末またはニオブ粉末を、窒
素含有雰囲気中で動かしながら加熱して、タンタル粉末
またはニオブ粉末に窒素を含有させる窒素処理工程を有
することを特徴とする。本発明の窒素含有タンタル粉末
または窒素含有ニオブ粉末の製造方法は、タンタル粉末
またはニオブ粉末を窒素含有雰囲気中で動かしながら加
熱して、タンタル粉末またはニオブ粉末に窒素を含有さ
せる窒素処理工程を、タンタル粉末またはニオブ粉末を
還元剤の存在下で加熱して脱酸素する脱酸素工程中に行
うことを特徴とする。また、窒素処理工程は、回転式キ
ルンを用いて行うことが好ましい。
【0010】本発明の多孔質焼結体は、上記の窒素含有
タンタル粉末または窒素含有ニオブ粉末を焼結させたこ
とを特徴とする。本発明の固体電解コンデンサは上記の
多孔質焼結体からなるアノード電極を備えていることを
特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の窒素含有タンタル粉末または窒素含有ニオブ粉
末は、500〜30000ppmの窒素を含有する。こ
のような割合の窒素を含有すると、窒素含有タンタル粉
末または窒素含有ニオブ粉末を焼結する場合に、焼結の
過剰な進行が抑えられ、その結果、固体電解質の形成に
適した大きさの空孔を、均一に有する多孔質焼結体が得
られる。これは、一次粒子の焼結ネックで起こるタンタ
ル原子の表面拡散が、一次粒子の表面層に存在する窒素
原子によって阻害されるためと考えられる。
【0012】窒素の含有量が500ppm未満では、窒
素によるタンタル粉末またはニオブ粉末の焼結抑制効果
が不十分である。一方、30000ppmを超えると、
タンタル粉末またはニオブ粉末中の窒素の分布が不均一
となって窒化物結晶が生成し、最終的に得られるコンデ
ンサの容量が低下してしまう。窒素含有タンタル粉末ま
たは窒素含有ニオブ粉末の好ましい窒素含有量は300
0〜15000ppmである。
【0013】また、本発明の窒素含有タンタル粉末また
は窒素含有ニオブ粉末は、各粒子間における窒素含有量
のばらつきが100%以下である。ここで「各粒子間に
おける窒素含有量のばらつき」は、次にようにして求め
られる値である。まず、一定量の窒素含有タンタル粉末
または窒素含有ニオブ粉末を測定試料とし、これを燃焼
させ、発生したNOxガスを定量することにより、試料
中に含まれる窒素重量を測定し(燃焼ガス成分定量
法)、粉末の平均窒素含有量N1 (ppm)を求める。
測定試料は、通常、約1g程度である。ついで、電子線
プローブ微小領域測定(EPMA)により、無作為に抽
出した10個の粒子についてそれぞれスポット径30μ
mの領域における窒素重量を定量し、各粒子の窒素含有
量(ppm)を求める。そして、これらのうちの、最大
の窒素含有量(ppm)と最小の窒素含有量(ppm)
との差ΔNを算出する。そして、N1 に対するΔNの割
合を百分率で表した値を各粒子間における窒素含有量の
ばらつき(%)とする。
【0014】各粒子間における窒素含有量のばらつきが
100%を超えると、窒素の焼結抑制効果は粉末全体と
しては発現するものの、焼結の進行が不均一となる。そ
の結果、多孔質焼結体における空孔の大きさや分布が不
均一となり、コンデンサのアノード電極としての使用に
適さないものとなる。さらに好ましくは、各粒子間にお
ける窒素含有量のばらつきは50%以下である。
【0015】また、本発明の窒素含有タンタル粉末また
は窒素含有ニオブ粉末の粒径および表面積には特に制限
はないが、好ましくは平均粒子径が0.7〜3μm、B
ET法による表面積が3000〜30000cm2/g
である。このような窒素含有タンタル粉末または窒素含
有ニオブ粉末を使用すると、40000μFV/g以上
の高容量のコンデンサを製造できる。
【0016】このような窒素含有タンタル粉末または窒
素含有ニオブ粉末は、通常、原料であるタンタル化合物
またはニオブ化合物を還元して、タンタル粉末またはニ
オブ粉末を得る還元工程と、タンタル粉末またはニオブ
粉末を熱凝集させる熱凝集工程と、タンタル粉末または
ニオブ粉末を還元剤の存在下で加熱して脱酸素する脱酸
素工程と、タンタル粉末またはニオブ粉末に窒素を含有
させる窒素処理工程によって製造できる。
【0017】還元工程は、通常、KCl−KF、KCl
−NaCl等の共晶塩を800〜900℃に加熱して溶
融させた希釈塩中に、タンタル化合物またはニオブ化合
物と還元剤とを、少量ずつ小分けにして、または、連続
的に投入して、これらを反応させ行う。タンタル化合物
またはニオブ化合物と還元剤との反応終了後、希釈塩を
冷却し、得られた集塊を水、弱酸性水溶液等で繰り返し
洗浄して、希釈塩を除去し、タンタル粉末またはニオブ
粉末を得る。この場合、必要に応じて、遠心分離、濾過
等の分離操作を組み合わせたり、フッ酸と過酸化水素が
溶解している溶液等で粒子を洗浄、精製したりしてもよ
い。
【0018】原料として使用するタンタル化合物または
ニオブ化合物としては特に制限はなく、これらの金属の
化合物を使用できるが、フッ化カリウム塩、ハロゲン化
物等が好ましい。フッ化カリウム塩としては、K2Ta
7、K2NbF7、K2NbF6等が挙げられ、ハロゲン
化物としては、五塩化ニオブ、低級塩化ニオブ、五塩化
タンタル、低級塩化タンタル等の塩化物や、ヨウ化物、
臭化物等が挙げられる。また、特にニオブ化合物として
は、フッ化ニオブ酸カリウム等のフッ化ニオブ酸塩や、
五酸化ニオブ等の酸化物も挙げられる。
【0019】還元剤としては、ナトリウム、マグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金
属およびその水素化物、すなわち水素化マグネシウム、
水素化カルシウム等が挙げられる。希釈塩の量は、タン
タル化合物またはニオブ化合物と還元剤の合計重量に対
して、2〜10倍程度の重量となるように設定すること
が好ましい。希釈塩の量が2倍未満では、原料のタンタ
ル化合物またはニオブ化合物の濃度が高いため反応速度
が速く、生成するタンタル粒子の粒径が大きくなりすぎ
る場合がある。一方、希釈塩の量が10倍を超えると反
応速度が低下し、生産性が低下する。
【0020】熱凝集工程では、還元工程で得られたタン
タル粉末またはニオブ粉末を、真空中、800〜140
0℃で、0.5〜2時間加熱して熱凝集させて、粉末中
に存在する極微細な粒子を比較的粒径の大きな2次粒子
とする。熱凝集工程の前には、タンタル粉末またはニオ
ブ粉末に振動を与えながら、粉体全体が均一に濡れる量
の水を添加する予備凝集工程を行ってもよい。この予備
凝集工程を行うことによって、より強固な凝集体を得る
ことができる。また予備凝集工程で添加する水に、金属
に対して10〜300ppm程度のリン、ホウ素等をあ
らかじめ添加しておくことによって、一次粒子の融合成
長を抑え、高表面積を維持しながら熱凝集させることが
できる。ここで加えるリンの形態としては、リン酸、六
フッ化リンアンモニウム等が挙げられる。
【0021】熱凝集工程で得られたケーキ状の粉体を、
大気中または不活性ガス中で解砕した後、マグネシウ
ム、ナトリウム、カルシウム等の還元剤の存在下で加熱
し、粒子中の酸素と還元剤を反応させる脱酸素工程を行
う。脱酸素工程はアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で、
還元剤の融点以上、沸点以下の温度で、1〜3時間行
う。
【0022】その後、タンタル粉末またはニオブ粉末
を、窒素含有雰囲気中で動かして窒素と接触させながら
加熱して、タンタル粉末またはニオブ粉末に窒素を含有
させる窒素処理工程を行う。タンタル粉末またはニオブ
粉末を窒素含有雰囲気中で動かす方法には特に制限はな
く、回転式キルンや流動層加熱炉等を使用できるが、回
転式キルンを使用することが好ましい。回転式キルン内
にタンタル粉末またはニオブ粉末を投入した後、回転式
キルン内を窒素含有雰囲気とし、ついで、回転式キルン
を回転させるとともに昇温する。この回転によって回転
式キルン内の混合物と窒素とが十分に接触し、窒素を含
有する粉末が得られる。また、窒素処理工程中の窒素分
圧をモニタすることによって、タンタル粉末またはニオ
ブ粉末が窒素を吸収する様子を観測できる。
【0023】このようにタンタル粉末またはニオブ粉末
を窒素含有雰囲気中で動かして、窒素と十分に接触させ
ながら加熱すると、混合物を動かさずに加熱する場合に
くらべて、各粒子が均一に窒素と接触するため、各粒子
間における窒素含有量のばらつきが小さくなる。例え
ば、タンタル粉末またはニオブ粉末を試料皿等に入れ、
窒素含有雰囲気に保たれた炉内に静置して加熱した場合
では、試料皿の上層の粉末は窒素と接触するために窒素
含有量が大きくなるが、試料皿の下層の粉末は窒素と直
接接触しないため、窒素含有量が小さくなる。その結
果、粒子によって窒素含有量が大きくばらつき、このよ
うな粉末を焼結すると焼結の進行も不均一となり、固体
電解質の形成に適した均一な空孔分布を有する多孔質焼
結体が得られなくなる。しかし、回転式キルン等を使用
してタンタル粉末またはニオブ粉末を窒素含有雰囲気中
で動かして、窒素と十分に接触させながら加熱すること
により、各粒子間における窒素含有量のばらつきを抑制
できる。
【0024】使用する回転式キルン内の容積は、投入す
るタンタル粉末またはニオブ粉末の体積の5〜50倍程
度であることが好ましい。また、回転式キルンの回転数
にも特に制限はないが、通常0.5〜5rpm程度であ
る。窒素含有雰囲気としては、窒素雰囲気、または、窒
素を窒素以外のアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスで希
釈した不活性雰囲気であることが好ましい。窒素含有雰
囲気中の窒素分圧を変化させたり、窒素処理時間や温度
を調節することによって、タンタル粉末またはニオブ粉
末の窒素含有量を任意に調整することができる。
【0025】窒素処理工程における加熱条件には特に制
限はないが、通常、混合物を3〜30℃/min.の昇
温速度で800〜1000℃程度まで加熱し、この温度
で1〜6時間程度保持し、その後室温程度まで冷却す
る。内容物が室温程度になったら、回転式キルン内に空
気を導入して、タンタルまたはニオブ粒子の表面に安定
な被膜を形成する徐酸化処理を行った後取り出し、酸洗
浄および純水洗浄して、脱酸素工程で使用して残留して
いる還元剤や還元剤由来の物質を除去後、乾燥する。こ
のようにして、各粒子間における窒素含有量のばらつき
が100%以下に抑えられた窒素含有タンタル粉末また
は窒素含有ニオブ粉末を製造できる。なお、窒素処理工
程はいつ行ってもよく、脱酸素工程の後に限らず、還元
工程後や熱凝集工程後に行ってもよい。
【0026】また、本発明の製造方法においては、脱酸
素工程と窒素処理工程を別々に行わずに、脱酸素工程中
に窒素処理工程を行うことができる。脱酸素工程中に窒
素処理工程を行うと、脱酸素工程と窒素処理工程を別々
に行うよりも工程数を少なくでき、効率的に窒素含有タ
ンタル粉末、窒素含有ニオブ粉末を製造でき、工業的に
より好ましい。
【0027】脱酸素工程中に窒素処理工程を行う具体的
な方法としては次のような方法が挙げられる。まず、タ
ンタル粉末またはニオブ粉末に還元剤を添加した混合物
を回転式キルンに投入し、この回転式キルン内に窒素含
有ガスを封入し、回転式キルンを回転させながら、昇温
速度3〜30℃/min程度で加熱する。加熱開始直後
はタンタル粉末またはニオブ粉末の粒子表面は酸化被膜
で覆われているが、約600℃程度になると還元剤の作
用によって急激に酸化被膜が拡散して、タンタルまたは
ニオブが露出する。そして、露出したタンタルまたはニ
オブが窒素と接触して窒素を吸収し、窒素を含有したタ
ンタル粉末またはニオブ粉末となる。その後800〜1
000℃程度まで加熱した後、必要に応じてその温度で
1〜6時間保持した後、加熱を停止し、放冷する。
【0028】その他の方法としては、まず、タンタル粉
末またはニオブ粉末に還元剤を添加した混合物を回転式
キルンに投入し、この回転式キルン内にアルゴン等の窒
素以外の不活性ガスを封入し、回転式キルンを回転させ
ながら加熱し、タンタル粉末またはニオブ粉末を脱酸素
する。そして、所定温度に達した後、徐々に温度を下げ
て、200〜500℃程度となった時点で、回転式キル
ン内を窒素含有ガスで置換して一定時間この温度に保
つ。こうしてタンタルまたはニオブに窒素を吸収させ、
窒素を含有したタンタル粉末またはニオブ粉末とする。
その後加熱を停止し、放冷する。なお、このような方法
においては窒素含有ガスを回転式キルンに封入せずに、
流通させながら行ってもよい。
【0029】このように回転式キルン等を使用して、タ
ンタル粉末またはニオブ粉末を動かしながら脱酸素工程
中に窒素処理工程を行うと、動かさない場合に比べて、
安定に工程を制御できるとともに、各粒子間における窒
素含有量のばらつきを抑制できる。例えば、タンタル粉
末またはニオブ粉末に還元剤を添加した混合物を試料皿
等に入れ、窒素含有雰囲気に保たれた炉内に静置して加
熱することによって、脱酸素工程中に窒素処理工程を行
う。すると、昇温開始直後はタンタル粉末またはニオブ
粉末の粒子表面は酸化被膜で覆われていて、約600℃
程度になると急激に酸化被膜が拡散し、タンタルまたは
ニオブが露出する。そのため、600℃以上になると、
窒素と接触している最上層のタンタルまたはニオブと窒
素との発熱反応が急激に進行し、その一方で下層の粉末
には十分な速度で窒素が供給されない状態となる。その
結果、試料皿の上層の粉末は非常に窒素含有量が大き
く、試料皿の下層の粉末は非常に窒素含有量が小さくな
り、各粒子間における窒素含有量のばらつきが非常に大
きくなってしまう。
【0030】また、例えば、タンタル粉末またはニオブ
粉末に還元剤を添加した混合物を試料皿等に入れ、アル
ゴン雰囲気等に保たれた炉内に静置、加熱して脱酸素工
程を行い、その後の降温時に系内を窒素含有雰囲気とし
て窒素処理工程を行う。すると、タンタル粉末またはニ
オブ粉末の粒子表面から酸化被膜が除去された後に、タ
ンタル粉末またはニオブ粉末が窒素と接触するため、系
内の温度が45℃程度まで下がっていれば、比較的均一
に窒素を含有したタンタル粉末またはニオブ粉末が得ら
れる。しかし、系内温度が低く窒素の拡散速度が小さい
ため、500〜30000ppmの窒素を含有させるた
めには、10数時間程度の窒素処理時間が必要となり、
工業的に適さない。また、系内の温度が500℃以上で
あれば、窒素の拡散速度は大きくなるものの試料皿の上
層の粉末のみが窒素と接触して局所的に暴走反応が起こ
る。その結果、試料皿の上層の粉末と下層の粉末とで非
常に窒素含有量がばらつき、さらに試料皿の上層の粉末
中にはTa2 NやTaN等の窒化物結晶が生成してしま
う。しかし、回転式キルン等を使用して、タンタル粉末
またはニオブ粉末を動かしながら脱酸素工程中に窒素処
理工程を行うことにより、暴走反応を起こすことなく、
500〜30000ppmの窒素を各粒子に均一に含有
させることができる。
【0031】このような方法によって得られた、窒素含
有タンタル粉末または窒素含有ニオブ粉末に、バインダ
ーとして3〜5重量%程度のショウノウ(C1016O)
等を加えてプレス成形し、ついで、1200〜1500
℃で10〜30分程度加熱して焼結し、多孔質焼結体を
製造する。この多孔質焼結体をアノード電極として使用
する場合には、窒素含有タンタル粉末または窒素含有ニ
オブ粉末にリード線を埋め込んでからプレス成形し、焼
結して、リード線を一体化させる。そして、これを例え
ば温度30〜90℃、濃度0.1重量%程度のリン酸、
硝酸等の電解溶液中で、40〜80mA/gの電流密度
で20〜60Vまで昇圧して1〜3時間処理し、化成酸
化を行って、固体電解コンデンサ用のアノード電極とす
る。そして、公知の方法で二酸化マンガン、酸化鉛や導
電性高分子等の固体電解質層、グラファイト層、銀ペー
スト層を多孔質焼結体上に順次形成し、ついでその上に
陰極端子をハンダ付けなどで接続した後、樹脂外被を形
成して、固体電解コンデンサ用として使用する。
【0032】このような製造方法では、タンタル粉末ま
たはニオブ粉末を、窒素含有雰囲気中で動かして窒素と
接触させながら加熱して窒素を含有させる窒素処理工程
を有する。そのため、タンタル粉末またはニオブ粉末
が、窒素と均一に接触し、500〜30000ppmの
窒素を含有し、各粒子間における窒素含有量のばらつき
が100%以下に抑えられた窒素含有タンタル粉末また
は窒素含有ニオブ粉末を安定に製造できる。そして、こ
のような窒素処理工程を脱酸素工程中に行うことによっ
て、脱酸素工程と窒素処理工程を別々に行うよりも工程
数を少なくでき、非常に効率的に窒素含有タンタル粉末
や窒素含有ニオブ粉末を製造でき、工業的により好まし
い。こうして得られた窒素含有タンタル粉末または窒素
含有ニオブ粉末を使用すると、これを焼結した場合に、
焼結の過剰な進行が抑えられる。その結果、固体電解質
の形成に適した大きさの空孔を均一に有する多孔質焼結
体が得られる。このような多孔質焼結体をアノード電極
として使用することによって、高CVの固体電解質コン
デンサを安定に提供できる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。 [実施例1〜4]フッ化タンタルカリウム(K2Ta
7)をナトリウムで還元して得られたタンタル粉末
を、真空中、1400℃に加熱して熱凝集させ、得られ
たケーキ状の粉末を解砕して粉末化し、公称CV値50
000μFV/gのタンタル粉末を得た。ついで、この
タンタル粉末975gにマグネシウム粉末25gを混合
し、得られた混合物1kgを内容積6Lの回転式キルン
に投入した。そしてこのキルン中に窒素ガスとアルゴン
ガスを封入後、1rpmでキルンを回転させて混合物粒
子を動かしながら、850℃まで昇温速度6℃/mi
n.で加熱し、850℃になった時点で4時間保持後、
加熱を停止し、放冷した。このようにして脱酸素工程中
に窒素処理工程を行った。この工程においては表1に示
すように窒素ガスの分圧を調整した。そして、得られた
窒素含有タンタル粉末が室温になった後、回転式キルン
内に空気を導入して徐酸化処理を行った後、これを酸洗
浄、純水洗浄し、ついで真空乾燥を行い、表1に示す平
均窒素含有量の窒素含有タンタル粉末を製造した。ま
た、窒素含有量のばらつきも表1に示す。
【0034】これらの窒素含有タンタル粉末を、密度D
g=5.5g/cm3 に成形した後、1350℃および
1450℃で20分間の真空焼結を行い、焼結体を製造
した。得られた焼結体を90℃の0.5vol%リン酸
水溶液中にて化成電圧30Vで化成した後、25℃の3
0.5vol%硫酸水溶液中でCV測定を行った。ま
た、この焼結体の破壊電圧(BDV)も測定した。破壊
電圧(BDV、EIAJ−RC−3881B 6.2項
に準じる)は、90℃の10wt%リン酸水溶液中にて
30mA/gの電流密度での昇圧時に行った。さらに、
焼結による密度の変化、すなわち成形体の密度Dgと焼
結体の密度Dsの比Ds/Dgを求めた。これらの特性
を表1と図1〜2に示す。
【0035】なお、平均窒素含有量と、窒素含有量のば
らつきは次のようにして求めた。 (1)平均窒素含有量 1gの窒素含有タンタル粉末を燃焼させ、発生したNO
xガスを定量することにより、試料中に含まれる窒素重
量を測定し(燃焼ガス成分定量法)、粉末の平均窒素含
有量N1 (ppm)を求めた。なお、燃焼ガス成分定量
法には酸素窒素分析装置(HORIBA・EMGA52
0)を使用した。 (2)窒素含有量のばらつき 電子線プローブ微小領域測定(EPMA)により、無作
為に抽出した10個のタンタル粒子についてそれぞれス
ポット径30μmの領域における窒素重量を定量し、各
粒子の窒素含有量(ppm)を求めた。そして、これら
のうちの、最大の窒素含有量(ppm)と最小の窒素含
有量(ppm)との差ΔNを算出し、上記N1 に対する
ΔNの割合を百分率で表した値を各粒子間における窒素
含有量のばらつき(%)とした。
【0036】[比較例1〜5]回転式キルン中で行わ
ず、タンタル粉末975gとマグネシウム粉末25gを
混合して得られた混合物1kgを試料皿に静置した加熱
炉(静置炉)で行い、窒素ガスの分圧を表1のようにし
た以外はそれぞれ実施例1〜5と同様にして脱酸素工程
中に窒素処理工程を行った。なお、比較例1については
アルゴンガスのみを封入した。そして、得られた窒素含
有タンタル粉末をそれぞれ実施例1と同様に後処理して
表1に示す平均窒素含有量の窒素含有タンタル粉末を製
造した。また、窒素含有量のばらつきも表1に示す。
【0037】これらの窒素含有タンタル粉末から、実施
例1と同様にして焼結体を製造し、実施例1と同様にし
てCV測定、破壊電圧(BDV)測定を行った。さら
に、密度比Ds/Dgも実施例1と同様にして計算し
た。これらの特性を表1および図1〜2に示す。
【0038】[実施例5]フッ化タンタルカリウム(K
2TaF7)をナトリウムで還元して得られたタンタル粉
末を、真空中、1400℃に加熱して熱凝集させ、得ら
れたケーキ状の粉末を解砕して粉末化し、公称CV値5
0000μFV/gのタンタル粉末を得た。ついで、こ
のタンタル粉末975gにマグネシウム粉末25gを混
合し、得られた混合物1kgを内容積6Lの回転式キル
ンに投入した。そしてこのキルン中にアルゴンガスを封
入後、1rpmでキルンを回転させて混合物粒子を動か
しながら、850℃まで昇温速度6℃/min.で加熱
した。その後、加熱を停止して温度を下げ、キルン内が
300℃になった時点で300℃に維持しながら、キル
ン内を窒素ガスとアルゴンガスの混合ガスで置換、封入
し、脱酸素工程中に窒素処理工程を行った。その後、窒
素ガスの圧力をモニタし、圧力が低下しなくなるまで、
すなわち、タンタル粉末が窒素を吸収しなくなるまで保
持(450torr)した後、さらに窒素分圧を1/3
(150torr)に下げて、300℃で60分間処理
した。そして、得られた窒素含有タンタル粉末を実施例
1と同様に後処理して表1に示す平均窒素含有量の窒素
含有タンタル粉末を製造した。また、窒素含有量のばら
つきも表1に示す。この窒素含有タンタル粉末から、実
施例1と同様にして焼結体を製造し、実施例1と同様に
してCV測定、破壊電圧(BDV)測定を行った。さら
に、密度比Ds/Dgも実施例1と同様にして計算し
た。これらの特性を表1および図2に示す。
【0039】[実施例6]窒素処理工程の温度を450
℃とした以外は実施例5と同様にして脱酸素工程中に窒
素処理工程を行った。そして、得られた窒素含有タンタ
ル粉末を実施例1と同様に後処理して表1に示す平均窒
素含有量の窒素含有タンタル粉末を製造した。また、窒
素含有量のばらつきも表1に示す。この窒素含有タンタ
ル粉末から、実施例1と同様にして焼結体を製造し、実
施例1と同様にしてCV測定、破壊電圧(BDV)測定
を行った。さらに、密度比Ds/Dgも実施例1と同様
にして計算した。これらの特性を表1および図2に示
す。
【0040】[実施例7]フッ化タンタルカリウム(K
2TaF7)をナトリウムで還元して得られたタンタル粉
末を、真空中、1400℃に加熱して熱凝集させ、得ら
れたケーキ状の粉末を解砕して粉末化し、公称CV値5
0000μFV/gのタンタル粉末を得た。ついで、こ
のタンタル粉末975gにマグネシウム粉末25gを混
合し、得られた混合物1kgを内容積6Lの回転式キル
ンに投入した。そしてこのキルン中にアルゴンガスを封
入後、1rpmでキルンを回転させて混合物粒子を動か
しながら、850℃まで昇温速度6℃/min.で加熱
した。その後、加熱を停止して温度を下げ、キルン内が
500℃になった時点で500℃に維持しながら、キル
ン内に約120ml/minの流量の窒素ガスを30分
流通させ、その後、窒素ガスを止めてさらに30分保持
し、脱酸素工程中に窒素処理工程を行った。得られた窒
素含有タンタル粉末を実施例1と同様に後処理して表1
に示す平均窒素含有量の窒素含有タンタル粉末を製造し
た。また、窒素含有量のばらつきも表1に示す。この窒
素含有タンタル粉末から、実施例1と同様にして焼結体
を製造し、実施例1と同様にしてCV測定、破壊電圧
(BDV)測定を行った。さらに、密度比Ds/Dgも
実施例1と同様にして計算した。これらの特性を表1お
よび図2に示す。
【0041】[実施例8]窒素処理工程で流通させる窒
素ガス流量を250ml/minとした以外は実施例7
と同様にして脱酸素工程中に窒素処理工程を行った。そ
して、得られた窒素含有タンタル粉末を実施例1と同様
に後処理して表1に示す平均窒素含有量の窒素含有タン
タル粉末を製造した。また、窒素含有量のばらつきも表
1に示す。この窒素含有タンタル粉末から、実施例1と
同様にして焼結体を製造し、実施例1と同様にしてCV
測定、破壊電圧(BDV)測定を行った。さらに、密度
比Ds/Dgも実施例1と同様にして計算した。これら
の特性を表1および図2に示す。
【0042】[比較例6]回転式キルン中で行わず、タ
ンタル粉末975gとマグネシウム粉末25gを混合し
て得られた混合物1kgを試料皿に静置して加熱炉で行
い、また、窒素ガスとアルゴンガスの混合ガスで加熱炉
内を置換、封入し、窒素処理工程を行う温度を500℃
とした以外は実施例6と同様にして窒素含有タンタル粉
末を製造した。なお、窒素ガス導入時に約80℃の炉内
温度の上昇が観測された。得られた窒素含有タンタル粉
末製を実施例1と同様に後処理して表1に示す平均窒素
含有量の窒素含有タンタル粉末を製造した。また、窒素
含有量のばらつきも表1に示す。この窒素含有タンタル
粉末から、実施例1と同様にして焼結体を製造し、実施
例1と同様にしてCV測定、破壊電圧(BDV)測定を
行った。さらに、密度比Ds/Dgも実施例1と同様に
して計算した。これらの特性を表1および図2に示す。
【0043】[比較例7]回転式キルン中で行わず、タ
ンタル粉末975gとマグネシウム粉末25gを混合し
て得られた混合物1kgを試料皿に静置して加熱炉で行
い、また、窒素ガスとアルゴンガスの混合ガスで加熱炉
内を置換、封入し、窒素処理工程を行う温度を850℃
とした以外は実施例6と同様にして窒素含有タンタル粉
末を製造した。なお、窒素ガス導入時に約80℃の炉内
温度の上昇が観測された。得られた窒素含有タンタル粉
末製を実施例1と同様に後処理して表1に示す平均窒素
含有量の窒素含有タンタル粉末を製造した。また、窒素
含有量のばらつきも表1に示す。この窒素含有タンタル
粉末から、実施例1と同様にして焼結体を製造し、実施
例1と同様にしてCV測定、破壊電圧(BDV)測定を
行った。さらに、密度比Ds/Dgも実施例1と同様に
して計算した。これらの特性を表1および図2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1および図1〜2から、以下が明らかと
なった。 (1)同一の窒素含有量において比較した場合、実施例
で得られたタンタル粉末は、焼結前後の密度比が小さ
く、焼結による過剰な収縮が抑制されていて、固体電解
質の形成に適した空孔を有していた。一方、比較例で得
られたタンタル粉末は、焼結による収縮が大きく、固体
電解質の形成に適していなかった。 (2)同一の窒素含有量において比較した場合、実施例
で得られたタンタル粉末は、破壊電圧(BDV)が大き
く、均一な空孔を有する結果、高い電圧までの陽極酸化
が可能であることがわかる。一方、比較例で得られたタ
ンタル粉末は、破壊電圧(BDV)が小さく、固体電解
質の形成に適した均一な空孔を有していなかった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明の窒素含有タ
ンタル粉末または窒素含有ニオブ粉末は、微細で表面積
が大きく、かつ、窒素を均一に含有する。そのためこれ
を焼結すると、焼結時の焼結速度が適度に抑制されて、
焼結の進行を適切に制御しやすく、空孔の大きさや分布
が均一な多孔質焼結体とすることができる。このような
多孔質焼結体は、高CVコンデンサへの使用に最適であ
る。また、本発明の製造方法は、タンタル粉末またはニ
オブ粉末を、窒素含有雰囲気中で動かしながら加熱する
窒素処理工程を有するので、微細で表面積が大きく、か
つ、窒素を均一に含有する窒素含有タンタル粉末または
窒素含有ニオブ粉末を安定に製造できる。さらに、窒素
処理工程を脱酸素処理工程中に行うことによって、窒素
含有タンタル粉末または窒素含有ニオブ粉末を少ない工
程で効率的に生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例における窒素含有量と焼結前後の密度
比Ds/DgのCVの関係を示すグラフである。
【図2】 実施例における窒素含有量と破壊電圧(BD
V)のCVの関係を示すグラフである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA40 AD10 BA11 BB03 CA11 DA11 KA39

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 500〜30000ppmの窒素を含有
    し、各粒子間における窒素含有量のばらつきが、100
    %以下であることを特徴とする窒素含有タンタル粉末ま
    たは窒素含有ニオブ粉末。
  2. 【請求項2】 タンタル粉末またはニオブ粉末を、窒素
    含有雰囲気中で動かしながら加熱して、タンタル粉末ま
    たはニオブ粉末に窒素を含有させる窒素処理工程を有す
    ることを特徴とする窒素含有タンタル粉末または窒素含
    有ニオブ粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 タンタル粉末またはニオブ粉末を窒素含
    有雰囲気中で動かしながら加熱して、タンタル粉末また
    はニオブ粉末に窒素を含有させる窒素処理工程を、タン
    タル粉末またはニオブ粉末を還元剤の存在下で加熱して
    脱酸素する脱酸素工程中に行うことを特徴とする窒素含
    有タンタル粉末または窒素含有ニオブ粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 窒素処理工程を、回転式キルンを用いて
    行うことを特徴とする請求項2または3に記載の窒素含
    有タンタル粉末または窒素含有ニオブ粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかに記載の窒
    素含有タンタル粉末または窒素含有ニオブ粉末の製造方
    法で製造されたことを特徴とする窒素含有タンタル粉末
    または窒素含有ニオブ粉末。
  6. 【請求項6】 請求項1または5に記載の窒素含有タン
    タル粉末または窒素含有ニオブ粉末を焼結させたことを
    特徴とする多孔質焼結体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の多孔質焼結体からなる
    アノード電極を備えていることを特徴とする固体電解コ
    ンデンサ。
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