JP2002028440A - 排煙脱硫方法 - Google Patents

排煙脱硫方法

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JP2002028440A
JP2002028440A JP2001139847A JP2001139847A JP2002028440A JP 2002028440 A JP2002028440 A JP 2002028440A JP 2001139847 A JP2001139847 A JP 2001139847A JP 2001139847 A JP2001139847 A JP 2001139847A JP 2002028440 A JP2002028440 A JP 2002028440A
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JP2001139847A
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Toshikazu Atsumi
敏和 渥美
Seiji Kagawa
晴治 香川
Michio Oshima
道雄 大島
Susumu Okino
沖野  進
Takashi Haruki
隆 春木
Masaru Chiyomaru
勝 千代丸
Hideki Kamiyoshi
秀起 神吉
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱硫性能に悪影響を及ぼすNS化合物を効果
的に除去できるとともに、石炭種によって変化する吸収
液中のよう素イオン起因のCOD成分を減少できる排煙
脱硫方法を提供する。 【解決手段】 酸化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを
処理する湿式石灰法による排煙脱硫方法において、該吸
収液スラリーの一部を抜出して固液分離する固液分離工
程と、該固液分離工程からのろ液をpH調整して、酸化
剤を添加する混合工程と、該混合液を活性炭と接触させ
る工程とを含む排煙脱硫方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排煙脱硫方法に関
し、さらに詳しくは、石炭焚きボイラー排ガス中の酸化
硫黄ガスを、石灰石又は消石灰の吸収液スラリーを用い
て吸収・分離する湿式石灰・石膏法排煙脱硫方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】石炭等を燃料とする燃焼排ガスは、石灰
−石膏法による脱硫装置で処理され、排水が排出され
る。この脱硫排水には、難分解性COD(化学的酸素要
求量)が含まれる。
【0003】この脱硫排水中に含まれる難分解性COD
には、無機性CODと有機性CODとがある。無機性C
ODは、主として、脱硫装置の吸収液に吸収されたSO
2とNO2の一部が反応して生成した窒素−硫黄化合物
(以下、「NS化合物」という)に起因するCOD(以
下、「NS−COD」という)であり、有機性COD
は、主として、脱硫装置の補給水として使用される工業
用水中の有機性物質からなるものであった。
【0004】これらのCODの処理法としては、通常の
凝集剤を用いた凝集沈澱法や活性炭吸着法等がある。ま
た、NS化合物(NS−COD)を分解する方法として
は亜硝酸塩分解法や次亜塩素酸塩分解法等が知られてい
る。
【0005】しかし、石炭焚ボイラーでは、上記難分解
性CODのうちのNS化合物とは異なるCOD成分が排
出される場合があり、それによって脱硫排水のCOD濃
度が高くなることを、発明者らは新たに見出した。
【0006】すなわち、石炭中に数〜数十mg/kg含有す
るよう素(I)に起因して、脱硫排水によう素イオン
(I-)を数十〜数百mg/l含有する場合があり、このI-を含
む排水のCOD(化学的酸素要求量)を、JIS K 0
102工場排水試験法により測定すると、I- はCOD
として出現し、上記難分解性CODとともに排水COD
濃度を増加させることを発見した(以下よう素イオン起
因のCODを「I−COD」という)。このため、排水中
のCOD濃度を低減するにはよう素イオンの除去が必要
であることが判明した。
【0007】よう素イオンの除去方法には、銀塩による
沈殿除去、イオン交換樹脂による除去等が知られてい
る。しかし、数千〜数万mg/lの塩化物イオン(C
-)、数千mg/lの硫酸イオン(SO4 2-)等、高濃度の
共存イオンを含有する脱硫排水に、前者の方法は適用で
きず、また後者の方法も装置が大規模となり、処理コス
トが大きくなる等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に鑑み、脱硫性能に悪影響を及ぼすNS化合物を効
果的に除去できるとともに、石炭種によって変化する吸
収液中のよう素イオン起因のCOD成分を減少できるシ
ステムを開発すべく、鋭意検討した。
【0009】その結果、本発明者らは、排煙脱硫システ
ムにおいて、脱硫工程(脱硫装置)と吸収液の処理工程
とを、効果的に組み合わせることによって、かかる問題
点が解決されることを見い出した。
【0010】本発明は、かかる見地より完成されたもの
であり、石炭燃焼排ガスの湿式排煙脱硫装置の吸収液ス
ラリーから、COD成分を効率的かつ十分に除去すると
ともに、排水処理において、従来とは異なる新たな処理
工程を設けることが不要となり、効率的な脱硫装置の運
転、および排水処理の容易化を可能とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、酸
化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを処理する湿式石灰
法による排煙脱硫法において、吸収液スラリーの一部を
抜出して固液分離する固液分離工程と、該固液分離工程
からのろ液に酸化剤を添加する混合工程と、該混合液を
活性炭と接触させる工程とを含むことを特徴とする排煙
脱硫方法を提供するものである。この排煙脱硫方法で
は、上記ろ液のpHが7以下、好ましくは3〜5となる
ようにpH調整する実施の形態を挙げることができる。
ここで、酸化剤としては、例えば次亜塩素酸塩、塩素ガ
ス、オゾンが好適である。また、活性炭は粉末活性炭ま
たは粒状活性炭を用いることができる。また、本発明で
は、上記酸化剤としてが亜硝酸塩を用いることもでき
る。この場合、上記混合工程で、混合液のpHが4以
下、好ましくは1〜3となるようにpH調整することが
好適である。また、この場合、さらに、活性炭接触工程
からの排水を空気曝気することが好適である。
【0012】本発明によれば、脱硫工程(脱硫装置)と
吸収液の処理工程とを、効果的に組み合わせることによ
って、COD成分を効率的かつ十分に除去するととも
に、排水処理において新たな除去工程を設けることが不
要となり、効率的な脱硫装置の運転、および排水処理の
簡素化を可能とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る排煙脱硫法に
ついて、その具体的な実施形態を、添付図面を参照しな
がら詳細に説明する。
【0014】実施の形態(その1) 本発明の処理方法を実施するための装置の一実施の形態
を、図1に示す。図1において、先ず排ガス1は吸収塔
2で清浄化され、出口ガス3として排出される。その際
吸収液4は、吸収液ポンプ5によって引抜かれ、その大
部分は吸収塔2に返送され、一部分は吸収液引抜きライ
ン6から石膏分離機7に送られる。
【0015】吸収液4の主成分は石膏と若干量の石灰石
(炭酸カルシウム)であり、水に対して20〜30重量
%含有したスラリーである。石膏分離機7で石膏ケーキ
8とろ液9に固液分離されたのち、ろ液9の大部分量は
ろ液ライン9aを経て石膏調整タンク18に送られ、石
灰石19と混合されたのち、石灰石スラリー供給ポンプ
20で吸収塔2に供給される。またろ液9の一部分量は
ろ液ライン9bを経て酸化槽10に送られる。ろ液9中
には、マンガンイオンや上記のような難分解性CODが
含まれており、これらの化合物は、放流水として系外に
排出する前に処理することが必要である。
【0016】酸化槽10では酸化剤12が添加され、ま
た酸化槽10内でpH調整するために、必要に応じて酸
11も合わせて添加される。酸化剤12としては、塩素
ガス、次亜塩素酸塩またはオゾン等が使用できるが、利
便性、経済性等の面から、次亜塩素酸ナトリウムが好適
である。なお、酸化剤12の添加量は、難分解性COD
濃度によって設定する。
【0017】すなわち、次亜塩素酸塩の場合の添加量は
モル換算で、ろ液9中のNS化合物1モルに対して約2
〜8モル、好ましくは3〜4モルの添加量(A)とす
る。次亜塩素酸塩が2モル未満であれば、NS化合物の
分解は十分進行せず、8モルを超えると残留塩素の処理
に必要な後工程が、大規模となるからである。
【0018】さらに、よう素イオン(I-)1モルに対
しての次亜塩素酸塩の添加量は、0.5〜1モル、好ま
しくは0.5〜0.7モルの添加量(B)とする。次亜
塩素酸塩が0.5モル未満であれば、よう素イオン(I
-)が分子状よう素(I2)に変換される割合が少なく,
排水中のI−COD濃度を十分に低減することができな
い。また1モルを超えると残留塩素の処理に必要な後工
程が、大規模となるからである。
【0019】因みに、ろ液9中に含まれるNS化合物濃
度がよう素イオン濃度よりも高い場合は、上記添加量
(A)を選択し、ろ液9中に含まれるNS化合物濃度が
よう素イオン濃度よりも低い場合は、上記添加量(B)
を選択することによって、ろ液9中のCOD濃度を十分
に低減する効果を得ることができる。
【0020】また、酸11は、主として、ろ液9中のN
S−COD濃度を低減する場合は、酸化槽10内の混合
液pHが3〜5となるように添加する。pHが3未満以
下であればpH調整に要する酸の量が増大し、後処理工
程での装置規模が大きくなる。pHが5を超えるとNS
−COD分解反応が遅くなり、装置規模が大きくなる。
【0021】また、主として、ろ液9中のよう素イオン
濃度を低減する場合は、酸化槽10内の混合液がpH7
以下、好ましくは4〜6となるように添加する。pH7
を超えると、よう素イオン(I-)を分子状よう素
(I2)に十分に変換できず、排水中のI−COD濃度
を低減することが困難となる。さらに、pH4未満であ
れば、pH調整に要する酸の添加量が増大し、後処理工
程での装置規模が大きくなる。以下に、酸化槽10での
反応式を示す。
【0022】6ON(SO33 3-+18ClO-+10
2O→ 4NO+2NO3 -+18HSO4 -+18Cl-
+2H++3O2
【0023】 ClO-+2I-+2H+ → I2 +Cl- + H2
【0024】酸化槽10では、さらにろ液9中のマンガ
ンイオン(Mn2+)が酸化マンガン(MnOx)とな
り、析出して固形物化するため、後処理工程で凝集沈殿
法等の処理をすれば、容易に除去可能となる。
【0025】酸化槽10での温度は40℃以上であるこ
とが好ましい。滞留時間は、主としてNS−COD濃度
を低減する場合は2時間以上であることが望ましく、主
としてI−COD濃度を低減する場合は、2時間未満と
することができる。
【0026】次に、酸化槽10の混合液を活性炭槽13
に導入し、添加された活性炭14と混合される。活性炭
14は粉末活性炭または粒状活性炭のいずれも使用でき
る。粉末活性炭の場合、次工程での沈降性を良くするた
めに、凝集剤を添加することもできる(図示せず)。
【0027】また、活性炭槽13では、分子状よう素
(I2)が活性炭に吸着されると共に、酸化槽10の混
合液に残存した残留塩素(ClO-)が、活性炭によっ
て除去される。活性炭14の添加量は、排水中のI−C
OD濃度と残留塩素濃度によって設定するが、I−CO
D濃度と残留塩素濃度の合計量1mg/lに対して、活
性炭5mg/l以上が必要である。以下に活性炭槽13
中の混合液での反応式を示す。
【0028】 ClO-+2H++Cl- → Cl2+H2O Cl2+H2O+C(活性炭)→ 2H++2Cl- +O
+C(活性炭) C(活性炭)+O → CO CO+O → CO2
【0029】活性炭槽13の滞留時間は、活性炭槽13
内の活性炭濃度により変わるが、活性炭14の添加量が
200mg/lのときは、1時間以上であることが望ま
しい。1時間未満の場合は、排水中のI−COD濃度を
十分に低減することができない。
【0030】活性炭槽13の混合液はシックナ15に流
入する。シックナ15では沈降した活性炭と上澄水とに
分離される。沈降した活性炭は活性炭ポンプ17によっ
て活性炭槽13に返送され、再び酸化槽10からの混合
液と混合される。 一方、分離された上澄水は、脱硫排
水16として後続の排水処理設備(図示せず)に送り、
そこで放流水質値を満足するように処理する。
【0031】実施の形態(その2) 図2は、本発明に係る排煙脱硫方法を実施する装置シス
テムの他の実施の形態を示す。本実施の形態では、酸化
槽10までの態様、その作用および効果は実施の形態
(その1)とまったく同じである。酸化槽10の混合液
を活性炭供給ポンプ21によって活性炭等22に送る。
活性炭塔22には、粒状活性炭が充填されており、酸化
槽10の混合液が、活性炭充填層22aを通過する際
に、該混合液に含まれる分子状よう素(I2)が活性炭
に吸着されると共に、残留塩素(ClO-)が、活性炭
によって除去される。その作用および効果は実施の形態
(その1)と同じである。
【0032】なお、活性炭塔22における空塔速度(=
通水量(m3/h)/活性炭量(m3)、単位はh-1)は、
50h-1以下、好ましくは10〜30h-1とする。空塔
速度が10h-1未満であれば、装置規模が大きくなり、
30h-1を超えると活性炭の破過が早くなり、活性炭の
交換頻度が増加する。
【0033】実施の形態(その3) 図3は、本発明に係る排煙脱硫方法を実施する装置シス
テムのさらに他の実施の形態を示す。本実施の形態で
は、上記実施の形態(その1)および(その2)と異な
り、ろ液9中の難分解性CODが高濃度となった場合
に、回分的に処理するものである。すなわち、通常、ろ
液9の一部分量をろ液ライン9bを経て、脱硫排水16
として排水処理設備に送るが、ろ液9中の難分解性CO
D濃度が上昇した場合、ろ液ライン9bを閉じ、ろ液ラ
イン9cを開け、ろ液9の一部分量を酸化槽10aに送
って一旦貯留する。
【0034】つぎに、酸化槽10aに、酸11、酸化剤
12および活性炭14を順次添加し混合して、難分解性
CODを回分的に処理する。なお、酸11、酸化剤12
および活性炭14のそれぞれの添加量は、実施の形態
(その1)の添加量と同じであり、それぞれを添加した
際の混合時間は、実施の形態(その1)の所要滞留時間
と同じである。すなわち、主としてNS−COD低減の
場合は、酸11および酸化剤12を添加してから2時間
以上、主としてI−COD低減の場合は、0.5時間程
度混合した後、活性炭14を添加する。活性炭14の添
加量が200mg/lのときは、2時間以上混合することが
望ましい。つぎに、酸化槽10aの混合液をシックナ1
5に導入して、活性炭と上澄水を固液分離する。沈降し
た活性炭は、活性炭ポンプ17で酸化槽10aに返送
し、上澄水は脱硫排水16として後続の排水処理設備
(図示せず)に送る。
【0035】実施の形態(その4) 次に、上記酸化剤として、塩素ガスを用いた場合の実施
の形態について、実施の形態(その4)〜(その6)と
して説明する。まず、実施の形態(その4)は、図1に
ついて説明した実施の形態(その1)において、次亜塩
素酸塩の代わりに、塩素ガスを用いた実施の形態であ
る。本実施の形態(その4)に関し、基本的処理の流れ
は、図1について説明したと同様である。
【0036】図1について説明したと同様、ろ液9の一
部分量はろ液ライン9bを経て酸化槽10に送られる。
酸化槽10では酸化剤12が添加され、また酸化槽10
内でpH調整するために、必要に応じて酸11も合わせ
て添加される。酸化剤12としては、前記したように、
利便性、経済性等の面から、次亜塩素酸ナトリウムが好
適である。塩素ガスを用いる場合の利点としては、脱硫
排水は既に高塩濃度であるため、できるだけ塩類を持ち
込まないようにすることができ、後続の排水処理設備
(図示せず)での処理機能(例えば凝集剤注入率の増加
等)への影響を軽減できるといったことを挙げることが
できる。この実施の形態(その4)でも、酸化剤12の
添加量は、難分解性COD濃度によって設定する。
【0037】すなわち、塩素ガスの場合の添加量はモル
換算で、ろ液9中のNS化合物1モルに対して約2〜8
モル、好ましくは3〜4モルの添加量(A)とする。塩
素ガスが2モル未満であれば、NS化合物の分解は十分
進行せず、8モルを超えると残留塩素の処理に必要な後
工程が、大規模となるからである。
【0038】さらに、よう素イオン(I-)1モルに対
しての塩素ガスの添加量は、0.5〜1モル、好ましく
は0.5〜0.7モルの添加量(B)とする。塩素ガス
が0.5モル未満であれば、よう素イオン(I-)が分
子状よう素(I2)に変換される割合が少なく,排水中
のI−COD濃度を十分に低減することができない。ま
た1モルを超えると残留塩素の処理に必要な後工程が、
大規模となるからである。
【0039】因みに、ろ液9中に含まれるNS化合物濃
度がよう素イオン濃度よりも高い場合は、上記添加量
(A)を選択し、ろ液9中に含まれるNS化合物濃度が
よう素イオン濃度よりも低い場合は、上記添加量(B)
を選択することによって、ろ液9中のCOD濃度を十分
に低減する効果を得ることができる。
【0040】また、酸11は、主として、ろ液9中のN
S−COD濃度を低減する場合は、酸化槽10内の混合
液pHが3〜4となるように添加する。pHが3未満以
下であればpH調整に要する酸の量が増大し、後処理工
程での装置規模が大きくなる。pHが4を超えるとNS
−COD分解反応が遅くなり、装置規模が大きくなる。
【0041】また、主として、ろ液9中のよう素イオン
濃度を低減する場合は、酸化槽10内の混合液がpH7
以下、好ましくは4〜6となるように添加する。pH7
を超えると、よう素イオン(I-)を分子状よう素
(I2)に十分に変換できず、排水中のI−COD濃度
を低減することが困難となる。さらに、pH4未満であ
れば、pH調整に要する酸の添加量が増大し、後処理工
程での装置規模が大きくなる。以下に、酸化槽10での
反応式を示す。
【0042】6ON(SO33 3-+18ClO-+10
2O→ 4NO+2NO3 -+18HSO4 -+18Cl-
+2H++3O2
【0043】 Cl2+H2O → HClO + HCl HClO → H+ + ClO- ClO-+2I-+2H+ → I2 +Cl- + H2
【0044】図1について説明したと同様、酸化槽10
では、さらにろ液9中のマンガンイオン(Mn2+)が酸
化マンガン(MnOx)となり、析出して固形物化する
ため、後処理工程で凝集沈殿法等の処理をすれば、容易
に除去可能となる。
【0045】酸化槽10での温度は40℃以上であるこ
とが好ましい。滞留時間は、主としてNS−COD濃度
を低減する場合は2時間以上であることが望ましく、主
としてI−COD濃度を低減する場合は、2時間未満と
することができる。
【0046】次に、酸化槽10の混合液を活性炭槽13
に導入し、添加された活性炭14と混合する。活性炭1
4は粉末活性炭または粒状活性炭のいずれも使用でき
る。粉末活性炭の場合、次工程での沈降性を良くするた
めに、凝集剤を添加することもできる(図示せず)。
【0047】また、図1について説明したと同様、活性
炭槽13では、分子状よう素(I2)が活性炭に吸着さ
れると共に、酸化槽10の混合液に過剰の塩素ガスが、
活性炭によって除去される。活性炭14の添加量は、排
水中のI−COD濃度と残留塩素濃度によって設定する
が、I−COD濃度と残留塩素濃度の合計量1mg/l
に対して、活性炭5mg/l以上が必要である。以下に
活性炭槽13中の混合液での反応式を示す。
【0048】Cl2+H2O+C(活性炭)→ 2Cl-
+2H++O+C(活性炭) O+C(活性炭) → CO CO+O → CO2
【0049】活性炭槽13の滞留時間は、活性炭槽13
内の活性炭濃度により変わるが、活性炭14の添加量が
200mg/lのときは、1時間以上であることが望ま
しい。1時間未満の場合は、排水中のI−COD濃度を
十分に低減することができない。
【0050】活性炭槽13の混合液を、シックナ15に
流入させた以降の処理は、図1について説明したと同様
である。
【0051】実施の形態(その5) 図2について説明した実施の形態(その2)で、酸化剤
として塩素ガスを用いたものが本実施の形態(その5)
である。本実施の形態では、酸化槽10までの態様、そ
の作用および効果は実施の形態(その1)とまったく同
じである。酸化槽10の混合液を活性炭供給ポンプ21
によって活性炭等22に送る。活性炭塔22には、粒状
活性炭が充填されており、酸化槽10の混合液が、活性
炭充填層22aを通過する際に、該混合液に含まれる分
子状よう素(I2)が活性炭に吸着されると共に、過剰
の塩素ガスが、活性炭によって除去される。その作用お
よび効果は実施の形態(その2)と同じである。
【0052】なお、活性炭塔22における空塔速度(=
通水量(m3/h)/活性炭量(m3)、単位はh-1)は、
50h-1以下、好ましくは10〜30h-1とする。空塔
速度が10h-1未満であれば、装置規模が大きくなり、
30h-1を超えると活性炭の破過が早くなり、活性炭の
交換頻度が増加する。
【0053】実施の形態(その6) 図2について説明した実施の形態(その3)で、酸化剤
として塩素ガスを用いたものが本実施の形態(その6)
である。本実施の形態では、上記実施の形態(その4)
および(その5)と異なり,ろ液9中の難分解性COD
が高濃度となった場合に、回分的に処理するものであ
る。すなわち、通常、ろ液9の一部分量をろ液ライン9
bを経て、脱硫排水16として排水処理設備に送るが、
ろ液9中の難分解性COD濃度が上昇した場合、ろ液ラ
イン9bを閉じ、ろ液ライン9cを開け、ろ液9の一部
分量を酸化槽10aに送って一旦貯留する。
【0054】つぎに、酸化槽10aに、酸11、酸化剤
12および活性炭14を順次添加し混合して、難分解性
CODを回分的に処理する。なお、酸11、酸化剤12
および活性炭14のそれぞれの添加量は、実施の形態
(その4)の添加量と同じであり、それぞれを添加した
際の混合時間は、実施の形態(その4)の所要滞留時間
と同じである。すなわち、主としてNS−COD低減の
場合は、酸11および酸化剤12を添加してから2時間
以上、主としてI−COD低減の場合は、0.5時間程
度混合した後、活性炭14を添加する。活性炭14の添
加量が200mg/lのときは、2時間以上混合することが
望ましい。それ以降の処理は、図3の実施の形態(その
3)について説明したものと同様である。
【0055】実施の形態(その7) 次に、上記酸化剤として、オゾンを用いた場合の実施の
形態について、実施の形態(その7)〜(その9)とし
て説明する。まず、実施の形態(その7)は、図1につ
いて説明した実施の形態(その1)において、次亜塩素
酸塩の代わりに、オゾンを用いた実施の形態である。本
実施の形態(その7)に関し、基本的処理の流れは、図
1について説明したと同様である。
【0056】図1について説明したと同様、ろ液9の一
部分量はろ液ライン9bを経て酸化槽10に送られる。
酸化槽10では酸化剤12が添加され、また酸化槽10
内でpH調整するために、必要に応じて酸11も合わせ
て添加される。酸化剤12としては、前記したように、
利便性、経済性等の面から、次亜塩素酸ナトリウムが好
適である。オゾンを用いる場合の利点としては、脱硫排
水は既に高塩濃度であるため、できるだけ塩類を持ち込
まないようにすることができ、後続の排水処理設備(図
示せず)での処理機能(例えば凝集剤注入率の増加等)
への影響を軽減できるといったことを挙げることができ
る。この実施の形態(その7)でも、酸化剤12の添加
量は、難分解性COD濃度によって設定する。
【0057】すなわち、オゾンの場合の添加量はモル換
算で、ろ液9中のNS化合物1モルに対して約1〜4モ
ル、好ましくは2〜3モルの添加量(A)とする。オゾ
ンが1モル未満であれば、NS化合物の分解は十分進行
せず、4モルを超えると残留塩素の処理に必要な後工程
が、大規模となるからである。
【0058】さらに、よう素イオン(I-)1モルに対
してのオゾンの添加量は、0.5〜1モル、好ましくは
0.5〜0.7モルの添加量(B)とする。オゾンが
0.5モル未満であれば、よう素イオン(I-)が分子
状よう素(I2)に変換される割合が少なく,排水中の
I−COD濃度を十分に低減することができない。また
1モルを超えると過剰なオゾンの処理に必要な後工程
が、大規模となるからである。
【0059】因みに、ろ液9中に含まれるNS化合物濃
度がよう素イオン濃度よりも高い場合は、上記添加量
(A)を選択し、ろ液9中に含まれるNS化合物濃度が
よう素イオン濃度よりも低い場合は、上記添加量(B)
を選択することによって、ろ液9中のCOD濃度を十分
に低減する効果を得ることができる。
【0060】また、酸11は、主として、ろ液9中のN
S−COD濃度を低減する場合は、酸化槽10内の混合
液pHが3〜4となるように添加する。pHが3未満以
下であればpH調整に要する酸の量が増大し、後処理工
程での装置規模が大きくなる。pHが4を超えるとNS
−COD分解反応が遅くなり、装置規模が大きくなる。
【0061】また、主として、ろ液9中のよう素イオン
濃度を低減する場合は、酸化槽10内の混合液がpH7
以下、好ましくは4〜6となるように添加する。pH7
を超えると、よう素イオン(I-)を分子状よう素
(I2)に十分に変換できず、排水中のI−COD濃度
を低減することが困難となる。さらに、pH4未満であ
れば、pH調整に要する酸の添加量が増大し、後処理工
程での装置規模が大きくなる。以下に、酸化槽10での
反応式を示す。
【0062】 NS化合物+O3 → NO↑+NO3 -+ 4HSO4 -+ 1/2 O2
【0063】 2I-+H2O+O3 → I2+2OH-+O2
【0064】図1について説明したと同様、酸化槽10
では、さらにろ液9中のマンガンイオン(Mn2+)が酸
化マンガン(MnOx)となり、析出して固形物化する
ため、後処理工程で凝集沈殿法等の処理をすれば、容易
に除去可能となる。
【0065】酸化槽10での温度は40℃以上であるこ
とが好ましい。滞留時間は、主としてNS−COD濃度
を低減する場合は2時間以上であることが望ましく、主
としてI−COD濃度を低減する場合は、2時間未満と
することができる。
【0066】次に、酸化槽10の混合液を活性炭槽13
に導入し、添加された活性炭14と混合する。活性炭1
4は粉末活性炭または粒状活性炭のいずれも使用でき
る。粉末活性炭の場合、次工程での沈降性を良くするた
めに、凝集剤を添加することもできる(図示せず)。
【0067】また、図1について説明したと同様、活性
炭槽13では、分子状よう素(I2)が活性炭に吸着さ
れると共に、酸化槽10の混合液に過剰のオゾンが、活
性炭によって除去される。活性炭14の添加量は、排水
中のI−COD濃度と残留オゾン濃度によって設定する
が、I−COD濃度と残留塩素濃度の合計量1mg/l
に対して、活性炭5mg/l以上が必要である。以下に
活性炭槽13中の混合液での反応式を示す。
【0068】 O3 → O2 + O O+C(活性炭) → CO CO+O → CO2
【0069】活性炭槽13の滞留時間は、活性炭槽13
内の活性炭濃度により変わるが、活性炭14の添加量が
200mg/lのときは、1時間以上であることが望ま
しい。1時間未満の場合は、排水中のI−COD濃度を
十分に低減することができない。
【0070】活性炭槽13の混合液を、シックナ15に
流入させた以降の処理は、図1について説明したと同様
である。
【0071】実施の形態(その8) 図2について説明した実施の形態(その2)で、酸化剤
としてオゾンを用いたものが本実施の形態(その8)で
ある。本実施の形態では、酸化槽10までの態様、その
作用および効果は実施の形態(その1)とまったく同じ
である。酸化槽10の混合液を活性炭供給ポンプ21に
よって活性炭等22に送る。活性炭塔22には、粒状活
性炭が充填されており、酸化槽10の混合液が、活性炭
充填層22aを通過する際に、該混合液に含まれる分子
状よう素(I2)が活性炭に吸着されると共に、過剰の
オゾンが、活性炭によって除去される。その作用および
効果は実施の形態(その2)と同じである。
【0072】なお、活性炭塔22における空塔速度(=
通水量(m3/h)/活性炭量(m3)、単位はh-1)は、
50h-1以下、好ましくは10〜30h-1とする。空塔
速度が10h-1未満であれば、装置規模が大きくなり、
30h-1を超えると活性炭の破過が早くなり、活性炭の
交換頻度が増加する。
【0073】実施の形態(その9) 図2について説明した実施の形態(その3)で、酸化剤
としてオゾンを用いたものが本実施の形態(その9)で
ある。本実施の形態では、上記実施の形態(その7)お
よび(その8)と異なり,ろ液9中の難分解性CODが
高濃度となった場合に、回分的に処理するものである。
すなわち、通常、ろ液9の一部分量をろ液ライン9bを
経て、脱硫排水16として排水処理設備に送るが、ろ液
9中の難分解性COD濃度が上昇した場合、ろ液ライン
9bを閉じ、ろ液ライン9cを開け、ろ液9の一部分量
を酸化槽10aに送って一旦貯留する。
【0074】つぎに、酸化槽10aに、酸11、酸化剤
12および活性炭14を順次添加し混合して、難分解性
CODを回分的に処理する。なお、酸11、酸化剤12
および活性炭14のそれぞれの添加量は、実施の形態
(その7)の添加量と同じであり、それぞれを添加した
際の混合時間は、実施の形態(その7)の所要滞留時間
と同じである。すなわち、主としてNS−COD低減の
場合は、酸11および酸化剤12を添加してから2時間
以上、主としてI−COD低減の場合は、0.5時間程
度混合した後、活性炭14を添加する。活性炭14の添
加量が200mg/lのときは、2時間以上混合することが
望ましい。それ以降の処理は、図3の実施の形態(その
3)について説明したものと同様である。
【0075】実施の形態(その10) 次に、上記酸化剤として、亜硝酸塩を用いた場合の実施
の形態について、実施の形態(その10)〜(その1
2)として説明する。まず、実施の形態(その10)
は、図1について説明した実施の形態(その1)におい
て、次亜塩素酸塩の代わりに、亜硝酸塩を用いた実施の
形態である。本実施の形態(その10)に関し、基本的
処理の流れは、図1について説明したと同様である。
【0076】図1について説明したと同様、ろ液9の一
部分量はろ液ライン9bを経て酸化槽10に送られる。
酸化槽10では酸化剤12が添加され、また酸化槽10
内でpH調整するために、必要に応じて酸11も合わせ
て添加される。酸化剤12としては、前記したように、
利便性、経済性等の面から、次亜塩素酸ナトリウムが好
適である。しかし次亜塩素酸ナトリウム、塩素およびオ
ゾンの場合、脱硫排水中にアンモニアが含まれていると
それと反応するため、過剰量の添加量が必要となるが、
亜硝酸塩を用いる場合の利点としては、アンモニアと反
応することがなく、過剰の亜硝酸塩を添加する必要がな
いといったことを挙げることができる。この実施の形態
(その10)でも、酸化剤12の添加量は、難分解性C
OD濃度によって設定する。
【0077】すなわち、亜硝酸塩の場合の添加量はモル
換算で、ろ液9中のNS化合物1モルに対して約1〜3
モル、好ましくは1.5〜2モルの添加量(A)とす
る。オゾンが1モル未満であれば、NS化合物の分解は
十分進行せず、3モルを超えると残留亜硝酸塩の処理に
必要な後工程が、大規模となるからである。
【0078】さらに、よう素イオン(I-)1モルに対
しての亜硝酸塩の添加量は、1〜3モル、好ましくは
1.5〜2モルの添加量(B)とする。亜硝酸塩が1モ
ル未満であれば、よう素イオン(I-)が分子状よう素
(I2)に変換される割合が少なく,排水中のI−CO
D濃度を十分に低減することができない。また3モルを
超えると過剰な亜硝酸塩の処理に必要な後工程が、大規
模となるからである。
【0079】因みに、ろ液9中に含まれるNS化合物濃
度がよう素イオン濃度よりも高い場合は、上記添加量
(A)を選択し、ろ液9中に含まれるNS化合物濃度が
よう素イオン濃度よりも低い場合は、上記添加量(B)
を選択することによって、ろ液9中のCOD濃度を十分
に低減する効果を得ることができる。
【0080】また、酸11は、主として、ろ液9中のN
S−COD濃度を低減する場合は、酸化槽10内の混合
液pHが4以下好ましくは1〜3となるように添加す
る。pHが3未満以下であればpH調整に要する酸の量
が増大し、後処理工程での装置規模が大きくなる。pH
が4を超えるとNS−COD分解反応が遅くなり、装置
規模が大きくなる。
【0081】また、主として、ろ液9中のよう素イオン
濃度を低減する場合は、酸化槽10内の混合液がpH5
以下、好ましくは2〜3となるように添加する。pH4
を超えると、よう素イオン(I-)を分子状よう素
(I2)に十分に変換できず、排水中のI−COD濃度
を低減することが困難となる。さらに、pH2未満であ
れば、pH調整に要する酸の添加量が増大し、後処理工
程での装置規模が大きくなる。以下に、酸化槽10での
反応式を示す。
【0082】ON(SO33 3-+NO2 -+H2O →
2O↑+3SO4 2-+2H+
【0083】 NO2 -+I-+2H+→1/2 I2+NO↑+H2
【0084】なお、ろ液9中のマンガンイオン(M
2+)は、酸化マンガンには変換されないため、後処理
工程では別途マンガン処理が必要となる。
【0085】酸化槽10での温度は40℃以上であるこ
とが好ましい。滞留時間は、主としてNS−COD濃度
を低減する場合は2時間以上であることが望ましく、主
としてI−COD濃度を低減する場合は、2時間未満と
することができる。
【0086】次に、酸化槽10の混合液を活性炭槽13
に導入し、添加された活性炭14と混合する。活性炭1
4は粉末活性炭または粒状活性炭のいずれも使用でき
る。粉末活性炭の場合、次工程での沈降性を良くするた
めに、凝集剤を添加することもできる(図示せず)。
【0087】また、図1について説明したと同様、活性
炭槽13では、分子状よう素(I2)が活性炭に吸着さ
れる。活性炭14の添加量は、排水中のI−COD濃度
と残留塩素濃度によって設定するが、I−COD濃度の
量1mg/lに対して、活性炭5mg/l以上が必要であ
る。さらに、本実施の形態(その10)では、活性炭槽
13からの排水を空気曝気する。これによって過剰の亜
硝酸塩を除去する。なお、これは、図1に記載のない曝
気槽を用いて行う。反応は、以下の通りである。
【0088】 3NO2 -+2H+→NO3 -+2NO↑+H2O NO2 -+1/2O2 →NO3 -
【0089】活性炭槽13の滞留時間は、活性炭槽13
内の活性炭濃度により変わるが、活性炭14の添加量が
200mg/lのときは、1時間以上であることが望ま
しい。1時間未満の場合は、排水中のI−COD濃度を
十分に低減することができない。
【0090】活性炭槽13および曝気槽を経た混合液
を、シックナ15に流入させた以降の処理は、図1につ
いて説明したと同様である。
【0091】実施の形態(その11) 図2について説明した実施の形態(その2)で、酸化剤
として亜硝酸塩を用いたものが本実施の形態(その1
1)である。 本実施の形態では、酸化槽10までの態様、その作用お
よび効果は実施の形態(その1)とまったく同じであ
る。酸化槽10の混合液を活性炭供給ポンプ21によっ
て活性炭等22に送る。活性炭塔22には、粒状活性炭
が充填されており、酸化槽10の混合液が、活性炭充填
層22aを通過する際に、該混合液に含まれる分子状よ
う素(I2)が活性炭に吸着される。過剰の亜硝酸塩
は、実施の形態(その10)について説明したと同様に
除去される。
【0092】なお、活性炭塔22における空塔速度(=
通水量(m3/h)/活性炭量(m3)、単位はh-1)は、
50h-1以下、好ましくは10〜30h-1とする。空塔
速度が10h-1未満であれば、装置規模が大きくなり、
30h-1を超えると活性炭の破過が早くなり、活性炭の
交換頻度が増加する。
【0093】実施の形態(その12) 図2について説明した実施の形態(その3)で、酸化剤
として亜硝酸を用いたものが本実施の形態(その12)
である。本実施の形態では、上記実施の形態(その1
0)および(その11)と異なり,ろ液9中の難分解性
CODが高濃度となった場合に、回分的に処理するもの
である。すなわち、通常、ろ液9の一部分量をろ液ライ
ン9bを経て、脱硫排水16として排水処理設備に送る
が、ろ液9中の難分解性COD濃度が上昇した場合、ろ
液ライン9bを閉じ、ろ液ライン9cを開け、ろ液9の
一部分量を酸化槽10aに送って一旦貯留する。
【0094】つぎに、酸化槽10aに、酸11、酸化剤
12および活性炭14を順次添加し混合して、難分解性
CODを回分的に処理する。なお、酸11、酸化剤12
および活性炭14のそれぞれの添加量は、実施の形態
(その10)の添加量と同じであり、それぞれを添加し
た際の混合時間は、実施の形態(その10)の所要滞留
時間と同じである。すなわち、主としてNS−COD低
減の場合は、酸11および酸化剤12を添加してから2
時間以上、主としてI−COD低減の場合は、0.5時
間程度混合した後、活性炭14を添加する。活性炭14
の添加量が200mg/lのときは、2時間以上混合するこ
とが望ましい。それ以降の処理は、実施の形態(その1
0)および(その11)と同様に曝気槽を用いる他は、
図3の実施の形態(その3)について説明したものと同
様である。
【0095】
【実施例】実施例1、2および3 本実施例においては、石炭焚きボイラー(図示なし)か
らの排ガスを除塵後、図1(実施例1)、図2(実施例
2)および図3(実施例3)の排煙脱硫システムを用い
て処理した。また実施例3において、ろ液9をまったく
処理せずに、脱硫排水16として排出した場合を比較例
とした。上記の排ガス処理における排ガスや吸収液スラ
リーのろ液性状、およびその処理後の水質を、表1に示
す。
【0096】
【表1】
【0097】表1の結果から、処理水(脱硫排水)中に
は溶存のMn2+は検出されず、大部分が固形物(MnO
x)となっていることがわかった。なお、酸化剤として
亜硝酸塩を用いた場合は、処理水のMn2+はまったく減
少しなかった。
【0098】比較例 本発明によって吸収液ろ液9を処理しなければ、実施例
1〜3と同様 の(NS−COD+I−COD)濃度3
2〜40mg/lは、この濃度のまま後続の排水処理設備に
流入することが確認された。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、脱硫性能に影響を及ぼ
すNS化合物を除去することにより、排煙脱硫システム
における脱硫性能への悪影響を回避できる。また酸化剤
として次亜塩素酸ナトリウム等を用いる場合には,低価
格の薬品であるため、ランニングコストが安価である。
さらに、難分解性CODであるNS化合物およびよう素
イオンの両方を同時に効率良く処理することができ、合
わせてマンガンを含む排水を処理することができる。こ
れによって排水処理への負担が軽減し、排水処理システ
ムを簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(その1)に係る排煙脱硫方
法を実施する装置システムの一例を示す系統図である。
【図2】本発明の実施形態(その2)に係る排煙脱硫方
法を実施する装置システムの一例を示す系統図である。
【図3】本発明の実施形態(その3)に係る排煙脱硫方
法を実施する装置システムの一例を示す系統図である。
【符号の説明】
1 排ガス 2 吸収塔 3 出口ガス 4 吸収液 5 吸収液ポンプ 6 吸収液引抜ライン 7 石膏分離機 8 石膏ケーキ 9 ろ液 9a、9b、9c ろ液ライン 10、10a 酸化槽 11 酸 12 酸化剤 13 活性炭槽 14 活性炭 15 シックナ 16 脱硫排水 17 活性炭ポンプ 18 石灰石調整タンク 19 石灰石 20 石灰石スラリ供給ポンプ 21 活性炭供給ポンプ 22 活性炭塔 22a 活性炭充填層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/76 B01D 53/34 125R 1/78 ZAB // C02F 1/00 125E (72)発明者 大島 道雄 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 沖野 進 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 春木 隆 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 千代丸 勝 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 神吉 秀起 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内 Fターム(参考) 4D002 AA02 AA12 AA25 AC01 BA02 CA01 DA05 DA12 DA16 EA07 FA03 GA00 GB06 GB08 GB09 HA01 4D024 AA04 AB11 BA02 BB01 BC04 CA01 DA01 DB03 DB12 DB24 4D050 AA13 AB37 AB42 AB44 BB02 BB05 BB06 BB08 BC10 BD03 BD06 CA06 CA15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを
    処理する湿式石灰法による排煙脱硫方法において、吸収
    液スラリーの一部を抜出して固液分離する固液分離工程
    と、該固液分離工程からのろ液をpH調整して、酸化剤
    を添加する混合工程と、該混合液を活性炭と接触させる
    工程とを含むことを特徴とする排煙脱硫方法。
  2. 【請求項2】 上記ろ液のpHが7以下となるようにpH
    調整することを特徴とする請求項1記載の排煙脱硫方
    法。
  3. 【請求項3】 上記酸化剤が次亜塩素酸塩、塩素ガス、
    オゾンから成るグループから選ばれた一つであることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の排煙脱硫方
    法。
  4. 【請求項4】 上記酸化剤が亜硝酸塩であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の排煙脱硫方法。
  5. 【請求項5】 上記混合工程で、混合液のpHが4以下
    となるようにpH調整することを特徴とする請求項4記
    載の排煙脱硫方法。
  6. 【請求項6】 活性炭接触工程からの排水を空気曝気す
    ることを特徴とする請求項4または5記載の排煙脱硫方
    法。
  7. 【請求項7】 上記活性炭が粉末活性炭または粒状活性
    炭であることを特徴とする請求項1から請求項6のいず
    れかの排煙脱硫方法。
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