JP2002018727A - 研磨用複合体 - Google Patents

研磨用複合体

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JP2002018727A
JP2002018727A JP2000208209A JP2000208209A JP2002018727A JP 2002018727 A JP2002018727 A JP 2002018727A JP 2000208209 A JP2000208209 A JP 2000208209A JP 2000208209 A JP2000208209 A JP 2000208209A JP 2002018727 A JP2002018727 A JP 2002018727A
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polishing
resin
abrasive
media
biodegradable
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JP2000208209A
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English (en)
Inventor
Kimito Kubo
公人 久保
Ryoji Ishioka
領治 石岡
Yoshiro Okino
義郎 沖野
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KENKO SANGYO KK
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
KENKO SANGYO KK
Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨性能が良好であり、使用後の廃棄処理が
容易でありかつ地球環境に負荷を与えず、さらに帯電が
少なく研磨効率も優れている研磨用複合体を提供するこ
と。 【解決手段】 マトリックス樹脂および研磨材を含む研
磨用複合体において、前記マトリックス樹脂が、生分解
性樹脂であるとともに次の物性を備えていることを特徴
とする研磨用複合体。物性:融点が60〜190℃であ
り、数平均分子量が5000以上であり、かつ帯電性に
おける帯電電圧の半減期が180秒以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は研磨用複合体に関す
るものであり、さらに詳しくは、研磨性能が良好であ
り、使用後の廃棄処理が容易でありかつ地球環境に負荷
を与えず、さらに帯電が少なく研磨効率も優れている研
磨用複合体に関するものである。本発明の研磨用複合体
は、主に精密機械部品、電子・電気部品などのブラシ、
ブラスト、およびバレル研磨用として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来の研磨用複合体(以下、メディアと
呼ぶことがある)は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポ
リイミド、フェノール樹脂、不飽和ポリエステルなどの
非生分解性樹脂をマトリックスとし、これらに研磨材を
溶融混練するか、あるいは液状の前記樹脂と研磨材を混
合した後硬化させて製造されている。これとは別に、粉
化した樹脂マトリックスと研磨材とをドライブレンド
後、型で加熱成形し、所望のサイズ・形状にペレット化
したものも使用されている。通常、これらのメディアは
使用するにしたがって自身も摩耗し、被研磨物(以下、
ワークと呼ぶ)の穴やポケットに進入し詰まるサイズに
なると寿命となり、摩耗粉とともに廃棄される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
メディアは、使用時発生するメディア自身の摩耗粉およ
び摩耗縮小し使用不能となった後の廃棄処理に問題が生
じる。すなわち、焼却炉で燃焼処理するにしても燃焼カ
ロリーが高く焼却炉を傷めたり、有毒なハロゲン化水素
やダイオキシンなどの燃焼ガスを放出し環境汚染を引き
起こすという問題がある。また、土中に埋め立てするに
してもメディアのマトリックス樹脂が化学的にも物理的
にも安定なため分解消滅せず、有限である埋め立て地の
飽和状態を招き、環境に再生不可能な負荷を与えてしま
う恐れがある。一方、マトリックス樹脂のリサイクル利
用の方法も考えられるが、複合化された樹脂成分をメデ
ィアから分離抽出し再生するのは困難を極める。また従
来のメディアは、使用時発生する静電気によって、摩耗
粉がワークに付着し易く、研磨効率が低下するという問
題点がある。例えば、従来のメディアを電子・電気部品
のとくにICチップのバリ取りに使用するの場合、メデ
ィアより発生する静電気により部品の内部回路が破壊さ
れる場合がある。
【0004】したがって本発明の目的は、研磨性能が良
好であり、使用後の廃棄処理が容易でありかつ地球環境
に負荷を与えず、さらに帯電が少なく研磨効率も優れて
いるメディアを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、マトリックス
樹脂および研磨材を含む研磨用複合体において、前記マ
トリックス樹脂が、生分解性樹脂であるとともに次の物
性を備えていることを特徴とする研磨用複合体を提供す
るものである。物性:融点が60〜190℃であり、数
平均分子量が5000以上であり、かつ帯電性における
帯電電圧の半減期が180秒以下である。また本発明
は、生分解性樹脂および研磨材の両者の配合割合が、生
分解性樹脂15〜85重量%および研磨材85〜15重
量%である前記の研磨用複合体を提供するものである。
さらに本発明は、生分解性樹脂が、生分解性脂肪族ポリ
エステルである前記の研磨用複合体を提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに説明する。
本発明に使用されるマトリックス樹脂としての生分解性
樹脂は、公知の生分解性樹脂をすべて適用可能である
が、次の物性を有することが要件となる。物性:融点が
60〜190℃であり、数平均分子量が5000以上で
あり、かつ帯電性における帯電電圧の半減期が180秒
以下である。融点が60℃未満であると、例えばバレル
研磨の場合、バレル内での摩擦熱によりメディアの物性
が低下し充分な研磨性能を示さない。逆に融点が190
℃を超えると、生分解性樹脂に研磨材を混練する際の温
度が高くなり、生分解性樹脂の加熱劣化をまねいたり、
溶融粘度が高く研磨材を充分調合できず、メディアとし
ての性能を満足させることができない。また数平均分子
量が5000未満であると、マトリックス樹脂としての
充分な強度が得られず実用上問題が生じる。さらに帯電
電圧の半減期が180秒を超えると、摩耗粉がワークに
付着し易くなるなどの問題点が生じ、研磨効率が低下す
る。
【0007】なお、本発明でいう帯電電圧の半減期と
は、次の方法により測定された値を意味する。 測定機:ネオストメーター(株式会社宍戸商会製TYPE S
-5109) テストピース:プレス成形品40×50mm、厚さ2m
m 測定法:ネオストメーターを、印加電圧10kV、レシ
ーバー高さ15mmに調節する。電圧(10kV)を1
分間かけ、帯電圧が50%まで減衰するまでの時間を秒
で読み取る。この読み取った時間を半減期と呼ぶ。
【0008】また、本発明でいう生分解性樹脂とは、空
気中では安定し殆ど変化せず、微生物(バクテリア、カ
ビ類など)の存在する環境下、例えば、土壌中、淡水
中、海水中、堆肥(コンポスト)中で微生物が関与し、
水と炭酸ガスとバイオマスに分解される樹脂を意味して
いる。
【0009】本発明に利用できる生分解性樹脂を、次に
例示する。グリコール類と多塩基酸(またはその酸無水
物)を主成分とし、または少量の3価以上の多価アルコ
ール、多価オキシカルボン酸(またはその酸無水物)、
または3価以上の多価カルボン酸(またはその酸無水
物)の存在下または非存在下において重縮合反応によっ
て合成されるポリエステル〔A〕、環状エーテルと多塩
基酸酸無水物の開環重合反応によって合成されるポリエ
ステル〔B〕、乳酸の縮重合反応または乳酸二量体の開
環重合反応によって合成されるポリエステル(ポリ乳
酸)〔C〕およびラクトンの開環重合反応によって合成
されるポリエステル〔D〕。
【0010】さらに次のような生分解性樹脂も本発明に
利用できる。前記ポリエステル〔A〕、〔B〕、
〔C〕、〔D〕の末端基の水酸基やカルボキシル基に、
これと結合可能な反応基を有する架橋剤(例えば、ジイ
ソシアネート、ジアミン、ジエポキサイドなど)を結合
させ分子量を増大した、主鎖にウレタン結合やアミド結
合を含む生分解性ポリエステル。前記ポリエステル
〔A〕、〔B〕、〔C〕、〔D〕の末端基の水酸基やカ
ルボキシル基に、これと結合可能な反応基を有する架橋
剤(例えば、ジイソシアネート、ジアミン、ジエポキサ
イドなど)を結合させ、ポリエステル〔A〕、〔B〕、
〔C〕、〔D〕の複数種同士をグラフト共重合させた、
主鎖にウレタン結合やアミド結合を含む生分解性ポリエ
ステル。前記ポリエステル〔A〕、〔B〕、〔C〕、
〔D〕に芳香族成分を共重合して得られる生分解性ポリ
エステル樹脂。
【0011】前記の他、ポリエステルカーボネート、酢
酸セルロースまたはそのポリエステル共重合体、ポリエ
ステルアミド、ポリヒドロキシアルカノエート等も本発
明に利用できる。さらに前記の生分解性樹脂を複数種類
ブレンドし、物性を改質した樹脂も利用可能である。
【0012】中でも好ましい生分解性樹脂は、化学合成
系として、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリ
ブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジ
ペート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポ
リエステルカーボネート、酢酸セルロース、ポリヒドロ
キシアルカノエートおよびこれらの芳香族ポリエステル
共重合体など、微生物生産系としてポリヒドロキシブチ
レート、ポリヒドロキシブチレートバリレートなどであ
る。
【0013】とくに生分解性樹脂として脂肪族(環状脂
肪族を含む)ポリエステルを使用すれば、耐電性に一層
優れたメディアを提供することができる。下記表1に、
脂肪族ポリエステルとしてポリブチレンサクシネート
(PBS)(昭和高分子株式会社製、商品名ビオノーレ
#1001)およびポリブチレンサクシネートアジペー
ト(PSA)(昭和高分子株式会社、商品名ビオノーレ
3030)、比較としてポリプロピレン(PP)および
ポリスチレン(HIPS)の帯電性のデータを示す。
【0014】
【表1】
【0015】また、本発明で使用される研磨材として
は、廃棄しても環境負荷にならない一般的なものはすべ
て使用が可能である。例えば、炭化珪素粉末、アルミナ
粉末、酸化珪素など硬度の高いものから、植物の殻や動
物の骨など硬度の低いもの、また、希少ではあるがダイ
ヤモンド粉末も使用可能である。これらの研磨材の粒径
は特に制限はなく、メディアのサイズ、成形法、ワーク
の研磨条件、に応じ適宜サイズが選択される。
【0016】マトリックス樹脂としての生分解性樹脂と
研磨材とを混練する際、各原料の水分含有率には充分留
意する必要がある。特に、一旦原料の入った袋を開封
し、ある時間放置されたものを使用するときは再乾燥す
る必要がある。例えば、水分含有量は、使用前に生分解
性樹脂で0.1重量%以下、また研磨材で0.3重量%以下に
調整するのがよい。水分含有量の高い生分解性樹脂や研
磨材を用いた場合、混練時に生分解性樹脂の加水分解が
起こりメディアとしての性能に悪影響を及ぼす恐れがあ
る。
【0017】マトリックス樹脂としての生分解性樹脂と
研磨材の両者の配合割合は用途によって異なるが、例え
ば生分解性樹脂85〜15重量%および研磨材15〜85重量%
である。なお、生分解性樹脂と研磨材との混練の際、樹
脂の加熱分解を抑制する抗酸化剤、成形を円滑にするた
めの滑剤、樹脂と研磨材の界面接着を向上させるシラン
系カップリング剤、その他、黄変防止剤、染料、顔料、
帯電防止剤等の少量添加剤を適宜加えることもある。こ
れらの添加剤が予め樹脂に添加されているものを使用す
る場合、改めてそれらを加える必要はない。
【0018】生分解性樹脂に研磨材を混練する手段とし
ては粉体フィーダー付エクストルーダーやニーダールー
ダーなどが有効である。前者の場合は連続的な、後者の
場合バッチ的なプロセスとして使用される。押出機のス
クリューは二軸タイプの方が効率的には優れているが研
磨材による摩耗が激しいので、この場合一軸タイプのス
クリューを用いる方が望ましい。なお一軸タイプのスク
リューによる混練状態でもメディアとしての性能に問題
はない。前者および後者の二つの装置はそれぞれ長所短
所を持ち合わせており、前者は連続運転で効率の良い反
面、樹脂に研磨材が充分分散してない領域のスクリュー
の摩耗が激しくメンテナンス負担が大きい。一方、後者
はニーダー内で樹脂に研磨材を充分分散させてからスク
リューにかけるためその摩耗は少ないが、バッチ方式で
あるため生産効率が落ちる。
【0019】粉体フィーダー付エクストルーダーによる
製造は次のプロセスで行われる。ペレットフィーダーか
ら生分解性樹脂を一定のスピードでエクストルーダー内
に流し込む。樹脂がスクリューに巻き込まれピストンフ
ローで下流に移動しながら溶融するポイントに粉体フィ
ーダーが装着してあり、そこから配合比率に応じたスピ
ードで研磨材が投入される。投入された研磨材はスクリ
ューで移動しながら溶融された生分解性樹脂に混練分散
されダイノズルよりストランド状に押出される。これを
水槽に引き込み冷却固化してストランドカッターにかけ
ペレットに仕上げる。
【0020】次に、ニーダールーダーによる製造プロセ
スは次のように行われる。ニーダー内に計量された生分
解性樹脂を投入し攪拌しながら溶融させる。これに計量
された研磨材を投入し規定時間混練する。次にルーダー
のスクリューを起動し混練物をダイノズルに送りダイノ
ズルよりストランド状に押出す。これを水槽に引き込み
冷却固化してストランドカッターにかけペレットに仕上
げられる。
【0021】その他に、生分解性樹脂と研磨材を混合し
メディアを成形する特殊な方法として、粉化した生分解
性樹脂に研磨材をドライブレンドしてから、この複合物
を型に充填し、高周波加熱などにより溶融固化後、型よ
り取り出して様々な形のメディアを成形する手法があ
る。この方法は、メディア中にポーラス状に分散した微
小気孔を形成し、研磨材の含有量が高く、表面研磨材リ
ッチなメディアを得るのに有用である。
【0022】ペレット化されるメディアは、グレードに
応じダイノズル形状や型を変えることにより、いろいろ
なサイズ、いろいろな形状に仕上げられる。これらの多
様化されたメディアは、研磨されるワークのサイズ・形
状等によって適宜グレードを選択し最適条件で使用され
る。メディアのサイズは使用される目的によって1〜6
0mmの広い範囲に仕上げられ、その形状は円柱形、斜円
柱形、三角柱形、四角柱形、菱形、正四面体形等様々で
ある。この他、水中カット方式ペレタイザーを用いるこ
とにより球状や碁石状に仕上げることもでき、また混練
物をある大きさのブロックで取出し粉砕機にかけランダ
ムな粒状に仕上げることもできる。
【0023】このように多様なサイズ・形状に仕上げら
れたメディアは、乾燥工程を経て水分含有量を0.3重量
%以下とし、アルミ箔のラミネートされたクラフト紙製
の水分を通さない紙袋に包装され出荷される。
【0024】メディアは、例えばブラシ、ブラスト、ま
たはバレル研磨用として、広い適用範囲を持ち、主に精
密機器、電子・電気部品の表面仕上げに使用される。そ
の一例としてバレル式研磨装置においては、バレルと呼
ばれる容器にワークとメディアを一緒に充填し、これに
回転や振動を一定時間加えることによりワークの表面が
研磨されワークの規格に叶った表面状態に仕上げられ
る。この時、バレル内にワークの研磨屑に混ざってメデ
ィア自身の摩耗粉が発生する。メディアは複数回使用可
能であるがやがてそれ自身が摩耗して、ワークの穴やポ
ケットに詰まるサイズに摩滅して寿命に到達する。この
ように発生した研磨屑や摩耗粉そして使用済みメディア
は、研磨屑の金属成分やメディアに調合された研磨材成
分が天然に存在するものであれば埋め立て等の廃棄処理
で問題はないが、従来のメディアはマトリックス樹脂が
化学的にも物理的にも安定なものであったため廃棄する
ことにより環境に負荷を与えてしまい公害を引き起こし
ていた。しかし、本発明によればマトリックス樹脂が生
分解性樹脂であるので、この問題は回避される。
【0025】これらの摩耗粉や使用済みメディアの廃棄
処理方法としては、埋め立てやコンポスト処理が有効で
ある。使用する生分解性樹脂によりメディアの分解スピ
ードは異なるが、埋め立ての場合3ヶ月から2年、コンポ
スト処理の場合1ヶ月前後で完全分解し水と炭酸ガスと
ミネラル成分などに変化し、クリーンな形となって環境
に戻される。また、やむを得ず焼却処理したとしてもダ
イオキシンなどの有毒ガスの発生はなく、燃焼カロリー
も一般的なオレフィン樹脂に比較して半分程度に収まり
燃焼炉を急激に傷める心配もない。このように、本発明
により提供されるメディアは環境に負荷を与えない環境
調和型メディアとして位置づけられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに説明する。なお、本発明は下記例によって限定され
るものではない。
【0027】実施例および比較例の各メディアは、次の
要領で調製および評価された。 (1)使用機器 遠心バレル式研磨試験機(遠心バレル
1リットル×4ポット、315rpm、東邦鋼機株式会社
製商品名TAB−14) (2)手順 A.メディア600cc相当をバレルに充填する。 B.テストピース SUS304 50×20×1.2
mmを入れて研磨する。1時間でテストピース重量計測
(切削量)。更に1時間合計2時間でテストピース重量
計測。メディアのほこりを落とす。 C.テスト後、メディアの重量を計測し摩耗量を調べ
る。 D.SUSテストピースの面粗度の計測をする。
【0028】メディアの生分解性は次の要領で評価され
た。 A.プレスによる平板テストピースの製作 マトリックス樹脂の融点に応じて160〜230℃に加
熱された150×200×1mmの金型に75〜80gのメ
ディアの試料を充填し加圧成形により厚さ1mmの平板を
成形する。この平板を30×60mmのサイズに切断したも
のをテストピースとする。 B.テスト用コンポスト母体の調整 株式会社日本製鋼所コンポスト化モデル設備の生ごみ処
理テストにより得られた一次発酵コンポストを利用し、
生分解性テスト用コンポスト母体を次の様に調整した。 ・ 一次発酵コンポスト100kgに2kgの砂糖を混
ぜ、さらに水を加え水分含有率を65%に調整した。 ・ 内側にネットを張った500×750×400mm
のプラスチックかごに調整済みコンポストを詰め、40
℃の環境実験室に三日間放置し再発酵させる。C.テス
ト用コンポスト母体による生分解性評価 ・ 再発酵したコンポスト中にテストピースを埋め込み
1週間放置後、その重量変化および外観変化を評価す
る。重量変化測定においてコンポスト処理後のテストピ
ースは、使用した樹脂の融点より25℃低い温度で2時
間真空乾燥後の重量を測定したものである。
【0029】実施例1 ニーダールーダー(笠松化工研究所製)に、生分解性樹
脂としてポリブチレンサクシネート(昭和高分子株式会
社製、商品名ビオノーレ#1001、融点114℃、数
平均分子量3万、帯電電圧の半減期75秒)4.5kgを
投入し180℃で5分間練った後、微粒アルミナA−5
0K(昭和電工株式会社製)5.5kgを投入しさらに
10分間混練した。次に、ルーダーのスクリューを起動
しダイノズルよりストランド状に混練物を押出し、ペレ
タイジングにより断面直径約2mm×長さ3mmのメディア
を調製した。この調製品について、遠心バレル式研磨試
験機により研磨性を評価し、また1mm厚の平板を成形
し、テスト用コンポスト母体による生分解性の評価を行
った。
【0030】実施例2 ニーダールーダー(笠松化工研究所製)に、ポリ乳酸
(島津製作所製、商品名ラクティー#5000、融点1
75℃、重量平均分子量20万、帯電電圧の半減期60
秒)4.5kgを投入し200℃で5分間練った後、微
粒アルミナA−50K(昭和電工株式会社製)5.5k
gを投入しさらに10分間混練した。次に、ルーダーの
スクリューを起動しダイノズルよりストランド状に混練
物を押出し、ペレタイジングにより断面直径約2mm×長
さ3mmのメディアを調製した。この調製品について、実
施例1と同様に評価した。
【0031】実施例3 ニーダールーダー(笠松化工研究所製)に、ポリヒドロ
キシブチレートバリレートPHBV(モンサント社製、
商品名バイオポールG4112D、融点144℃、重量
平均分子量40万、帯電電圧の半減期70秒)4.5k
gを投入し200℃で5分間練った後、微粒アルミナA
−50K(昭和電工株式会社製)5.5kgを投入しさ
らに10分間混練した。次に、ルーダーのスクリューを
起動しダイノズルよりストランド状に混練物を押出し、
ペレタイジングにより断面直径約2mm×長さ3mmのメデ
ィアを調製した。この調製品について、実施例1と同様
に評価した。
【0032】実施例4 ニーダールーダー(笠松化工研究所製)に、ビオノーレ
#1001の4.5kgを投入し180℃で5分間練っ
た後、炭化珪素系研磨材GC#4000(昭和電工株式
会社製)5.5kgを投入しさらに10分間混練した。
次に、ルーダーのスクリューを起動しダイノズルよりス
トランド状に混練物を押出し、ペレタイジングにより断
面直径約2mm×長さ3mmのメディアを調製した。この調
製品について、実施例1と同様に評価した。
【0033】実施例5 粉体フィーダー付き二軸型エクストルーダー試験機(池
貝鉄工社製、商品名PCM30−25)を用い、生分解
性樹脂ビオノーレ#1001を45重量%および微粒ア
ルミナA−50K(昭和電工株式会社製)を55重量%
の比率になるように配合し、混練・押出し・ペレタイジ
ングにより断面直径約2mm×長さ3mmのメディアを調製
した。この調製品について、実施例1と同様に評価し
た。
【0034】比較例1 粉体フィーダー付き二軸型エクストルーダー試験機(池
貝鉄工所社製、商品名PCM30−25)を用い、6ナ
イロン1022(宇部興産株式会社製)45重量%およ
び微粒アルミナA−50K(昭和電工株式会社製)55
重量%の比率になるように配合し、混練・押出し・ペレ
タイジングにより断面直径約2mm×長さ3mmのメディア
を調製した。この調製品について、実施例1と同様に評
価した。
【0035】比較例2 粉体フィーダー付き二軸型エクストルーダー試験機(池
貝鉄工所社製、商品名PCM30−25)を用い、6ナ
イロン1022(宇部興産株式会社製)45重量%およ
び炭化珪素系研磨材GC#4000(昭和電工株式会社
製)55重量%の比率になるように配合し、混練・押出
し・ペレタイジングにより断面直径約2mm×長さ3mmの
メディアを調製した。この調製品について、実施例1と
同様に評価した。
【0036】上記の実施例および比較例により得られた
結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2によれば、本発明のメディアの研磨性
能は、従来の非生分解性タイプのナイロン製メディアに
比較して遜色がない上、優れた生分解性を示す。前記実
施例1〜5のいずれもコンポスト中での分解は速く、ま
た、使用する種類によって異なるが、地中においても半
年から2年で完全に分解することが既に確認されてい
る。また本発明のメディアは、従来のメディアと比較し
て使用時の帯電が極めて小さいため、ワークに摩耗粉が
纏わり付くことがなく研磨効率が優れていることが確認
された。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、研磨性能が良好であ
り、使用後の廃棄処理が容易でありかつ地球環境に負荷
を与えず、さらに帯電が少なく研磨効率も優れている研
磨用複合体が提供される。本発明の研磨用複合体は、主
に精密機械部品、電子・電気部品などのブラシ、ブラス
ト、およびバレル研磨用として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/16 ZAB C08L 101/16 ZAB C09K 3/14 550 C09K 3/14 550J 560 560 (72)発明者 沖野 義郎 埼玉県所沢市西狭山ヶ丘2−3135−6 Fターム(参考) 3C058 AA09 CB03 CB06 CB10 DA02 3C063 AA02 AB10 BB02 BB03 BB04 BC03 CC30 FF01 FF23 FF30 4F071 AA09 AA44 AA50 AA57 AA73 AA80 AA81 AA84 AB03 AB18 AB26 AE16 AF52 AH19 DA09 DA13 DA18 DA22 4J002 AB021 AH002 CF031 CF101 CF131 CF181 CG041 CL081 DA016 DE146 DJ016 FD202 GT00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂および研磨材を含む研
    磨用複合体において、前記マトリックス樹脂が、生分解
    性樹脂であるとともに次の物性を備えていることを特徴
    とする研磨用複合体。物性:融点が60〜190℃であ
    り、数平均分子量が5000以上であり、かつ帯電性に
    おける帯電電圧の半減期が180秒以下である。
  2. 【請求項2】 生分解性樹脂および研磨材の両者の配合
    割合が、生分解性樹脂15〜85重量%および研磨材8
    5〜15重量%である請求項1に記載の研磨用複合体。
  3. 【請求項3】 生分解性樹脂が、生分解性脂肪族ポリエ
    ステルである請求項1または2に記載の研磨用複合体。
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