JP2002018349A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

複層塗膜形成方法

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JP2002018349A
JP2002018349A JP2000201736A JP2000201736A JP2002018349A JP 2002018349 A JP2002018349 A JP 2002018349A JP 2000201736 A JP2000201736 A JP 2000201736A JP 2000201736 A JP2000201736 A JP 2000201736A JP 2002018349 A JP2002018349 A JP 2002018349A
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electrodeposition coating
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water
acid
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JP2000201736A
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Hirokazu Hayashi
宏和 林
Hidehiko Haishi
秀彦 羽石
Shigeo Murofushi
重雄 室伏
Yasuyuki Hirata
靖之 平田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車ボディなどの電着塗膜及び水性中塗り塗
膜の複合塗膜形成方法において低コストで、かつ仕上が
り性、付着性、耐チッピング性に優れた電着及び中塗り
塗膜を開発すること。 【解決手段】下記工程、 工程(1);自動車ボディなどの袋構造を有する金属製
被塗物に、カチオン電着塗料組成物を塗装して電着塗膜
を形成する工程、 工程(2);次いで、上記で得られた電着塗膜を有する
被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着塗料組成
物を除去し、得られた電着塗膜を30〜70℃の純水に
て最終水洗を行い、空隙に溜まった水及び塗膜中に含包
した泡を除去する工程、 工程(3);さらに上記工程で得られた電着塗膜を有す
る被塗物に、(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物
を架橋剤として含有する水性中塗り塗料組成物を塗装し
て中塗り塗膜を形成する工程、 工程(4);更に、これらの塗膜を同時に加熱して硬化
させる工程、を含むことを特徴とする複層塗膜形成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層塗膜形成方法
に関し、カチオン電着塗料組成物および水性中塗り塗料
組成物を塗装してなる塗膜形成方法で、仕上がり性(平
滑性、ツヤ感など)、両塗膜の付着性および耐チッピン
グ性などを改良することに関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】自動車外板などに、(ブロッ
ク化)ポリイソシアネ−ト化合物を架橋剤とするカチオ
ン電着塗料組成物を塗装した後、プレヒートを施し、ポ
リエステル樹脂とアミノ樹脂を含有する水性中塗り塗料
組成物を塗装し、ついで加熱してこの両塗膜を同時に硬
化して複層塗膜を形成する方法が従来から知られてお
り、特開平6−17294号、特開平6−41788
号、特開平11−216422号などにその例が挙げら
れている。
【0003】この工程においてカチオン電着塗料組成物
を塗装したあと余分な塗料を落とす為に水洗が行われる
が、その水温は特に規程されず0℃以上40℃未満の範
囲で行われていた。そのあと40℃〜100℃の温度範
囲で1分間〜10分間プレヒートを行い、水性中塗り塗
料組成物を塗装を行っていた。
【0004】しかしながら、最近の自動車ボディのコス
トダウンからプレヒート工程においては、乾燥機への設
備費、ランニングコスト、ラインでのスペース、設備の
メインテナンスなどのコスト削減が求められ、仕上がり
性、付着性、耐チッピング性などの性能を保持した上で
コストダウンが求めらていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】 そこで本発明者らは、
(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物を架橋剤とす
るカチオン電着塗料組成物を塗装し、その塗膜を硬化さ
せることなく、該塗面にブロックポリイソシアネ−ト化
合物を架橋剤とする水性中塗り塗料を塗装し、ついで加
熱してこの両塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を形成す
るにあたり、カチオン電着塗料組成物を塗装したあとに
行う水洗の最後に行う水洗において30〜70℃の温度
の水で洗浄することにより、上記、問題点を解決し、優
れた仕上がり性や付着性、さらに耐チッピング性などを
有する複層塗膜が形成できることを見出し、本発明を解
決するに至った。
【0006】即ち、本発明は、下記工程、 工程(1);自動車ボディなどの袋構造を有する金属製
被塗物に、カチオン電着塗料組成物を塗装して電着塗膜
を形成する工程、 工程(2);次いで、上記で得られた電着塗膜を有する
被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着塗料組成
物を除去し、得られた電着塗膜を30〜70℃の純水に
て最終水洗を行い、空隙に溜まった水及び塗膜中に含包
した泡を除去する工程、 工程(3);さらに上記工程で得られた電着塗膜を有す
る被塗物に、(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物
を架橋剤として含有する水性中塗り塗料組成物を塗装し
て中塗り塗膜を形成する工程、 工程(4);更に、これらの塗膜を同時に加熱して硬化
させる工程、を含むことを特徴とする複層塗膜形成方
法、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】 本発明は、カチオン電着塗膜組
成物及び水性中塗り塗膜組成物からなる複層塗膜におい
て、低コストにて仕上がり性、付着性、耐チッピング性
などのすぐれた複層塗膜の形成方法に関し、詳しくは、
カチオン電着塗膜を形成したあと、その最後の水洗の温
度30〜70℃の純水を使用することを特徴とするのも
のである。以下、本発明における工程(1)〜工程
(4)及びカチオン電着塗料組成物、水性中塗り塗料組
成物について説明する。
【0008】工程(1)で使用する被塗物は、自動車ボ
ディ、自動車部品、など袋部などの複雑な構造を有する
ものを挙げることができる。被塗物の材質としては、金
属を挙げることができ防錆性の点から防錆鋼板が好適で
ある。鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛め
っき鋼板、電気亜鉛−鉄二層めっき鋼板及び有機複合め
っき鋼板など、並びにこれらの鋼板や冷延鋼板などの基
材を、必要に応じてアルカリ脱脂などによって表面を清
浄化した後、リン酸塩化成処理、クロメート処理などの
表面処理を行ったものが挙げられる。
【0009】本発明方法において、電着塗装に使用され
る電着塗料組成物としては、電着塗料組成物である限り
特に制限なく使用することができ、目標とする塗膜性能
に応じて適宜選択して使用すればよい。
【0010】上記、カチオン電着塗料組成物としては、
例えば、ビニル共重合体を主成分とする電着塗料組成物
やエポキシ樹脂を主成分とするカチオン電着塗料組成物
を挙げることができる。
【0011】例えば、ビニル系共重合体を主成分とする
カチオン電着塗料組成物において、ビニル系共重合体と
しては、従来公知のものが使用でき、例えばアミノ基含
有モノマーと水酸基含有モノマー、及びその他のビニル
モノマーとを共重合してなるものが挙げられる。
【0012】アミノ基含有モノマーとしては、アミノ基
含有アクリル系モノマーが好ましく、例えばアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
ブチル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキルアク
リル酸エステル又はメタクリル酸エステル類;N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ドなどのアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリル
アミド類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2
種以上組合せて使用することができる。かかるアミノ基
含有モノマーは全モノマー量の3〜20重量%、好まし
くは5〜18重量%の範囲で使用されるのが適当であ
る。
【0013】上記、水酸基含有モノマーとしては、例え
ば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又は
メタクリル酸のC1 〜C8 のヒドロキシアルキルエステ
ルが好ましく使用できる。
【0014】上記、その他のビニルモノマーとしては、
アミノ基含有モノマーや水酸基含有モノマーと共重合可
能なモノマーであれば特に制限はなく、例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、 iso−ブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアク
リル酸又はメタクリル酸のC1 〜C24のアルキル又はシ
クロアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、
(メタ)アクリロニトリル、ビニルプロピオネート、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、ベオバモノマー(シェル化学製品)など
のビニルモノマーが挙げられ、それぞれ単独で又は2種
以上組合せて使用することができる。これらのモノマー
は目的とする電着塗料の性状、及びそれにより形成され
る塗膜の要求性能に応じて適宜選択できる。以上のよう
なモノマー類からなる共重合体の製造は、従来公知の方
法で行うことができ、一般には溶液重合法に従って行わ
れる。
【0015】また、ビニル系共重合体を主成分とする電
着塗料組成物として、グリシジル基含有モノマーと水酸
基含有モノマー、及びこれらと共重合可能でグリシジル
基と反応しないその他のビニルモノマーとの共重合体に
アミンを付加してなるものも挙げられる。
【0016】上記、グリシジル基含有モノマーとして
は、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘ
キセンモノエポキシド、N−グリシジルアクリルアミ
ド、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。かか
るグリシジル基含有モノマーは、全モノマー量の5〜5
0重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲で使用さ
れるのが適当である。水酸基含有モノマー及びこれらと
共重合可能でグリシジル基と反応しないその他のビニル
モノマーは、前述のものが同様に使用できる。またかか
るモノマー類からなる共重合体の製造も、従来公知の方
法で行うことができる。
【0017】上記のようにして得られるグリシジル基含
有共重合体とアミンとの付加反応は、従来公知の方法に
従って行うことができ、例えば該共重合体溶液に第2級
アミンを加え約50〜120℃の温度で約1〜20時間
反応せしめる方法などが挙げられる。使用されるアミン
としては、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの
アルキルアミン類;ジエタノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミンなどのアル
カノールアミン類;ピペリジン、モルホリン、N−メチ
ルピペラジンなどが挙げられる。かかるアミンの使用量
は通常グリシジル基1モル当たり約0.1〜1モルの範
囲が適当である。
【0018】以上の如くして得られるカチオン電着性ビ
ニル系共重合体の水酸基価は、特に制限されるものでは
ないが、通常30〜200mgKOH/g、好ましくは5
0〜150mgKOH/gの範囲が適当である。該水酸基
価が30mgKOH/g未満では得られる塗膜の硬化性が
劣りやすく、また200mgKOH/gを越えると耐候性
や防食性が劣る傾向がみられる。またこのカチオン電着
性ビニル系共重合体の分子量は、通常約5,000〜1
00,000、好ましくは10,000〜50,000
の範囲が適当である。
【0019】上記、カチオン電着性ビニル系共重合体
は、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸などの
有機酸によって中和され水分散能が付与されることがで
きる。またこのカチオン電着性ビニル系共重合体は、必
要に応じて(ブロック化)ポリイソシアネート化合物又
はメラミン樹脂などの架橋剤を混合してもよい。
【0020】かかる(ブロック化)ポリイソシアネート
化合物は、各々ポリイソシアネート化合物とイソシアネ
ートブロック剤(例えば、アルコール系化合物、オキシ
ム系化合物、第3級ヒドロキシアミン化合物、フェノー
ル系化合物など)との付加反応生成物であり、このポリ
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレ
ンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シ
クロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂環式
族、脂肪族のポリイソシアネート化合物及びこれらのポ
リイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、
ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含
有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有
化合物が挙げられる。
【0021】さらに上記、ビニル系共重合体を主成分と
するカチオン電着塗料組成物には、他の電着用樹脂とし
て従来公知のアミン付加エポキシ樹脂を、少量併用する
ことが防食性の点から望ましい。
【0022】前記、エポキシ樹脂を主成分とするカチオ
ン電着塗料組成物におけるエポキシ樹脂としては、アミ
ン付加エポキシ樹脂が挙げられ、該アミン付加エポキシ
樹脂は、電着塗料組成物において通常使用されているポ
リアミン樹脂、例えば、(i)ポリエポキシド化合物と
1級モノ−及びポリアミン、2級モノ−及びポリアミン
又は1、2級混合ポリアミンとの付加物(例えば、米国
特許第3,984,299号);(ii)ポリエポキシド
化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モ
ノ−及びポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第
4,017,438号);(iii) ポリエポキシド化合物
とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシ化
合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば、特
開昭59−43013号)などがある。
【0023】上記、ポリアミン樹脂の製造に使用される
ポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に2個
以上有する化合物であり、一般に少なくとも200、好
ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800
〜2,000の範囲内の数平均分子量を有するものが適
しており、特にポリフェノール化合物とエピクロルヒド
リンとの反応によって得られるものが好ましい。該ポリ
エポキシド化合物の形成のために用いうるポリフェノー
ル化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,2−プロパン、4,4′−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−
イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フ
ェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナ
ブチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビ
ス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェ
ノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられ
る。
【0024】ポリエポキシド化合物はポリオール、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリア
シドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化合
物などと一部反応させたものであってもよく、さらにま
た、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラ
フト重合させたものであってもよい。
【0025】上記、アミン付加エポキシ樹脂は酢酸、プ
ロピオン酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸などの酸で中和さ
れ、水分散能が付与される。またアミン付加エポキシ樹
脂には必要に応じて架橋剤を混合してもよい。この架橋
剤としては、前記、ビニル系共重合体を主成分とするカ
チオン電着塗料組成物に、必要に応じて混合できる架橋
剤として挙げた(ブロック化)ポリイソシアネート化合
物、メラミン樹脂などを挙げることができる。
【0026】本発明において硬化剤として用いる(ブロ
ック化)ポリイソシアネート化合物は、脂肪族及び/又
は脂環式のポリイソシアネート化合物をブロック剤でブ
ロックした化合物である。ポリイソシアネート化合物が
脂肪族及び/又は脂環式以外のポリイソシアネート化合
物、例えば芳香族ポリイソシアネート化合物の場合には
塗膜の耐候性の劣化等を招くので好ましくない。脂肪族
及び/又は脂環式のポリイソシアネート化合物として
は、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、メチレンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族のジ
イソシアネート化合物、またはそれらの2量体、3量
体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチ
レングリコール、プロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等の低分子
活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシア
ネート含有化合物が挙げられる。
【0027】ブロック化剤はポリイソシアネート化合物
のイソシアネート基に付加してブロックするものであ
り、そして付加によって生成するブロックポリイソシア
ネート化合物は常温において安定で且つ約100〜20
0℃、好ましくは120〜150℃に加熱した際、ブロ
ック剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうる
ものであることが望ましい。
【0028】そのようなブロック化剤として、例えば、
ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタ
ム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パ
ラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノー
ル系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノール
などの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メ
チルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコ
ール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどの
エーテルアルコール系化合物等を挙げることができる。
【0029】このブロック剤の配合量としては、イソシ
アネートのNCO基に対して1:1〜1:1.3で反応
させることが好ましい。比率が1.3を越えるとブロッ
ク剤が残存して塗膜の防食性を低下させ、1.0未満で
はNCO基が残存して塗料組成物の安定性を損なうので
好ましくない。
【0030】また、上記架橋剤を使用しなくても硬化さ
せることが可能な自己架橋タイプのアミン付加エポキシ
樹脂を使用することができ、例えばポリエポキシ物質に
β−ヒドロキシアルキルカルバメート基を導入した樹脂
(例えば、特開昭59−155470号);エステル交
換反応によって硬化しうるタイプの樹脂(例えば、特開
昭55−80436号);基体樹脂中に(ブロック化)
イソシアネート基を導入した樹脂などを用いることもで
きる。
【0031】上記、カチオン電着塗料組成物として使用
できる塗料組成物は、必要に応じて、添加物、例えば、
カーボンブラック、チタン白、ベンガラのような着色顔
料;クレー、タルク、炭酸カルシウムのような体質顔
料;クロム酸ストロンチウム、クロム酸鉛、ケイ酸鉛、
トリポリりん酸アルミ、トリポリりん酸亜鉛、亜鉛華、
無機ビスマス、有機酸ビスマスなどの防錆顔料;他の添
加剤としては、例えば、界面活性剤;塗面の表面調整剤
(アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂など);硬
化触媒(例えば、錫、亜鉛、鉛、ビスマスなどの金属の
塩);ゲル化微粒子、高分子ポリウレタン樹脂やその他
の添加剤;他に有機溶剤等が挙げられる。
【0032】基体樹脂の中和、水分散化は通常、基体樹
脂を脂肪族カルボン酸、例えば、グリコール酸、グリセ
リン酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロー
ル酪酸、ジメチロール吉草酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒド
ロキシマロン酸、ジヒドロキシコハク酸、トリヒドロキ
シコハク酸、メチルマロン酸、酢酸、ギ酸などの水溶性
有機酸で中和後、水分散化することによって行われる。
また中和剤としてギ酸を用いると、つきまわり性に優れ
るので好ましい。また、顔料類を配合せずにクリアー塗
料として使用することも可能である。
【0033】上記、カチオン電着塗料組成物は、適宜純
水で希釈して固形分濃度が約5〜25重量%、pHが
5.5〜8の範囲内になるように調整する。カチオン電
着塗料組成物を用いて被塗物に電着塗装を行う方法及び
装置としては、従来から電着塗装において使用されてい
る既知の方法及び装置を使用することができる。
【0034】その際、電着塗装条件は特に制限されるも
のではないが、一般的には、浴温は、15〜35℃(好
ましくは20〜30℃)、電圧:100〜400V(好
ましくは200〜300V)、通電時間:30秒〜10
分、極面積比(A/C)8/1〜1/8、極間距離10
〜200cm、撹拌状態で電着塗装することが望ましい。
【0035】カチオン電着塗料組成物による電着塗膜の
膜厚は目的とする性能に応じて適宜選定すればよいが、
10〜70μm 、好ましくは15〜40μm の範囲であ
ることがよい。電着塗料組成物として、ビニル系共重合
体を主成分とするカチオン電着塗料組成物を使用するこ
とによって一般に耐候性の良好な塗膜を得ることがで
き、エポキシ樹脂を主成分とするカチオン電着塗料組成
物を使用することによって防食性の良好な塗膜を得るこ
とができる。
【0036】工程(2)は、余分に付着したカチオン電
着塗料組成物を落とすために、ウルトラフィルトレーシ
ョン液、RO透過水、工業用水、純水などにより塗装物
表面にカチオン電着塗料組成物が残らないよう、2回以
上の多くの回数を経て十分に水洗する。この水洗設備
は、ボディを浸漬するディピング水洗、又はスプレー水
洗で行うことができる。この多数回の水洗における最終
水洗の温度が30〜70℃、好ましくは40〜60℃で
あることを、本発明は特徴としている。加温する方法と
しては、塗料循環ポンプ、乾燥設備などの余熱を利用す
ることができ低コストでの対応が可能である。
【0037】ここで、水洗温度が30℃未満では、1回
目の電着塗装を行った際に発生した泡や塗膜中のガス穴
に水分が残り、形成した膜の融着能が低下することから
仕上り性が十分な塗膜が得られなくなる。一方、水洗水
の温度が70℃を超えると、電着塗膜表面が一部硬化し
た状態となるため、次に塗られる中塗り塗膜の塗膜形成
に影響を与え、仕上がり性が低下するなどの不具合が生
じる。
【0038】工程(3)は、さらに上記工程で得られた
カチオン電着塗膜を有する塗装物に、水性中塗り塗料組
成物を塗装して、さらに塗膜を形成する工程である。こ
こで用いる、水性中塗り塗料組成物について以下に述べ
る。本発明におい使用する水性中塗り塗料組成物は、硬
化剤として(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物を
含有する水性塗料組成物であって、具体的には、水酸基
などのイソシアネ−ト基と架橋反応しうる官能基および
樹脂を水溶化もしくは水分散化するのに有用なカルボキ
シル基などの親水性基を有する基体樹脂および(ブロッ
ク化)ポリイソシアネ−ト化合物を含有し、これらを水
に混合分散せしめてなる水性塗料組成物である。
【0039】基体樹脂は、水酸基などのイソシアネ−ト
基と架橋反応しうる官能基と樹脂の水溶化もしくは水分
散化するのに必要量のカルボキシル基などの親水性基を
有する樹脂であり、特に、水酸基およびカルボキシル基
を有するポリエステル樹脂が好適である。
【0040】ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アル
コ−ルとをエステル化反応させることによって製造する
ことができ、その数平均分子量は1,000〜50,0
00、特に2,000〜20,000、水酸基価は20
〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH
/g、酸価は1〜100mgKOH/g、特に10〜7
0mgKOH/gが好ましい。
【0041】多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボ
キシル基を有する化合物であり、例えばフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれ
らの無水物などがあげられる。多価アルコ−ルは1分子
中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えばエ
チレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレン
グリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、
ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ネオ
ペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、トリエ
チレングリコ−ル、グリセリン、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパンおよびペンタエリスリト−
ルなどがあげられる。
【0042】ポリエステル樹脂への水酸基の導入は、ポ
リエステル樹脂の製造に際し、多価アルコ−ル成分とし
てグリセリン、トリメチロ−ルプロパン、トリメチロ−
ルエタン、ペンタエリスリト−ルなどの3価以上のアル
コ−ルを2価アルコ−ルと併用することにより行うこと
ができる。また、カルボキシル基は、得られる水酸基を
有するポリエステル樹脂の該水酸基の一部に上記のごと
き多塩基酸をハ−フエステル化反応させることにより導
入することができる。(ブロック化)ポリイソシアネ−
ト化合物は、基体樹脂の架橋剤であって、前記電着塗料
組成物における架橋剤として説明したブロックポリイソ
シアネ−ト化合物が同様に使用できる。
【0043】水性中塗り塗料組成物において、基体樹脂
と(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物との構成比
率は、特に制限はないが、これら両成分の合計固形分重
量に基づいて、基体樹脂は40〜90重量%、特に50
〜80重量%、ブロックポリイソシアネ−ト化合物は6
0〜10重量%、特に50〜20重量%の範囲内にある
ことが好ましい。
【0044】水性中塗り塗料組成物は、基体樹脂及び
(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物以外に、さら
に、これら両成分による架橋反応を促進するため硬化触
媒、体質顔料、着色顔料、表面調整剤を含有することが
できる。
【0045】硬化触媒としては、架橋反応を促進するた
めに、電着塗料組成物における硬化触媒として説明した
金属化合物が同様に使用でき、錫オクトエ−ト、ジブチ
ル錫ジラウレ−ト、マンガン、コバルト、鉛、ビスマス
錫酸塩、鉛錫酸塩、ジルコニウムオクトエ−トなどの硬
化触媒を配合することができる。その配合量は、通常、
基体樹脂と(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物と
の固形分合計で100重量部あたり、0.1〜10重量
部の範囲内が適している。水性中塗り塗料組成物におい
て、その塗膜の硬化速度を仕上がり性改良の為に、樹脂
の組成を調整することも可能であり、基体樹脂及び(ブ
ロック化)ポリイソシアネ−ト化合物の組成を適宜選択
することにより容易に達成できる。
【0046】具体的には、基体樹脂のポリエステル樹脂
は、例えば、2価以上の多価アルコ−ルと2価以上の多
価カルボン酸を反応させてなるポリエステル樹脂にラク
トンおよび/またはラクタムを反応させてなる側鎖末端
に水酸基を導入してなるポリエステル樹脂;ポリエステ
ル樹脂、ポリエ−テル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂およ
びポリウレタンから選ばれた水酸基含有樹脂に、2価以
上の多価アルコ−ル、2価以上の多価カルボン酸を反応
せしめてなる生成物の水酸基に酸無水物をハ−フエステ
ル化反応せしめてなる水酸基およびカルボキシル基を有
するポリエステル樹脂などが適している。また、ブロッ
クポリイソシアネ−ト化合物(B−2)として、脂肪族
ポリイソシアネ−トの多量体、該多量体のアダクト物、
脂肪族ポリイソシアネ−トのアダクト物などが適してい
る。
【0047】水性中塗り塗料組成物は、基体樹脂及び
(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物などを水中に
均一に混合分散せしめることによって得られ、塗装時の
固形分濃度を20〜70重量%に調製しておくことが好
ましい。
【0048】本発明の方法は、上記のように電着塗料組
成物を塗装し、硬化させることなく、30〜70℃の水
で水洗したのち、次に水性中塗り塗料組成物を塗装した
後、加熱してこの両塗膜を同時に架橋硬化乾燥する。
【0049】水性中塗り塗料組成物の塗装は、静電塗
装、エアレススプレ−、エアスプレ−などによって行わ
れ、その膜厚は硬化塗膜に基いて、約5〜80μm、特
に約15〜45μmが適している。また、電着塗料組成
物よび水性中塗り塗料組成物の両塗膜を架橋硬化させる
ための加熱温度は、塗膜中に含まれる(ブロック化)ポ
リイソシアネ−ト化合物の解離温度以上であるが、通
常、130〜180℃で10〜40分に加熱することに
より両塗膜を架橋硬化乾燥することができる。
【0050】本発明によると、カチオン電着塗料組成物
及び水性中塗り塗料組成物を塗装し、架橋硬化乾燥した
塗面に、ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料及びクリ
ヤ塗料などの上塗り塗料組成物を用いて、既知の方法
で、1コ−ト1ベイク方式(1C1B)、2コ−ト1ベ
イク方式(2C1B)、2コ−ト2ベイク方式(2C2
B)、3コ−ト1ベイク方式(3C1B)などで塗装す
ることができる。
【0051】工程(4)、これらの塗膜を同時に加熱し
て硬化させる工程であるが、電気熱風乾燥機、ガス熱風
乾燥機などを用いて行うことができる。乾燥温度として
は、電着塗膜及び水性中塗り塗膜の両塗膜を硬化させる
ための温度として、被塗物表面の温度で110℃〜20
0℃、好ましくは140〜180℃、乾燥時間としては
10分間〜180分間、好ましくは20分間〜40分間
がよい。
【0052】
【発明の効果】 本発明の複層塗膜形成方法により、プ
レヒート工程などの設備を設置、稼動、メインテナンス
するのに比べ省スペース、省設備、省エネルギー、省工
程にて、仕上がり性、付着性、耐チッピング性良好な塗
膜を得ることができる。その理由として、電着塗装の後
に30〜70℃の純水で最後の水洗を行うことによって
不均一に形成された電着塗装膜が加温されることで熱フ
ローし、ガス穴に溜まった水や泡を排斥し塗膜表面が疎
水性になる。このことから、水性中塗り塗装が容易とな
り、仕上がり性、付着性、耐チッピング性が良好である
と推察される。
【0053】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0054】カチオン電着塗料組成物の製造例 エピコ−ト1002(油化シェルエポキシ株式会社製、
商品名、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂)1260部
をブチルセロソルブ450部に溶解し、p−ノニルフェ
ノ−ル132部およびN−メチルエタノ−ルアミン10
5部を加え、140℃まで昇温させ、同温度で反応させ
て、固形分77%、アミン価52のアミン付加エポキシ
樹脂(A)を得た。このアミン付加エポキシ樹脂(A)
130部にヘキサメチレンジイソシアネートのオキシム
ブロック化物30部及びポリプロピレングリコ−ル(数
平均分子量4000)1.3部を加えた後、酢酸2.1
部を添加して水溶化し、脱イオン水を徐々に加えて分散
し、固形分32%のエマルション(A)とする。一方、
75%アミン型エポキシ系顔料分散樹脂4.7部を88
%ギ酸水溶液0.16部で中和した後、脱イオン水2
2.2部を加え、さらにJR−600E(注1)16
部、精製クレ−7部、カ−ボンブラック0.3部、水酸
化ビスマス2.0部およびジオクチル錫オキサイド3部
を加え、ボ−ルミルで40時間分散して固形分50%の
顔料ペ−ストを作成する。ついで、前記の固形分32%
エマルション(A)318.5部とこの固形分50%の
顔料ペ−スト70部とを混合した後、脱イオン水で希釈
して固形分20%のカチオン電着塗料組成物とした。
【0055】カチオン電着塗料組成物の製造例 エピコ−ト828EL(油化シェルエポキシ株式会社製、
商品名、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂)1400部
にε−カプロラクトン260g、テトラブトキシチタン
0.03gを加え、170℃に昇温し、この温度を保ち
ながら経時でサンプリングを行い、反応を追跡しながら
反応率が98%以上になった時点で120℃に温度を下
げた。次にジエタノールアミン160g、ジエチレント
リアミンのメチルイソブチルジケチミン化物65gを加
え、120℃で4時間反応させ、ブチルセロソルブ42
0gを加え、固形分77%、アミン価52のアミン付加
エポキシ樹脂(B)を得た。
【0056】上記、アミン付加エポキシ樹脂(B)13
0部にジフェニルメタン−4−4'−ジイソシアネート
(MDI)のアルコールブロック化物30部及びポリプ
ロピレングリコ−ル(数平均分子量4000)1.0部
を加えた後、酢酸2.1部を添加して水溶化し、脱イオ
ン水を徐々に加えて分散し、固形分32%のエマルショ
ン(B)とする。
【0057】一方、75%アミン型エポキシ系顔料分散
樹脂4.7部を88%ギ酸水溶液0.16部で中和した
後、脱イオン水22.2部を加え、さらにJR−600
E15部、精製クレ−7部、カ−ボンブラック0.3
部、水酸化ビスマス2.0部およびジオクチル錫オキサ
イド3部を加え、ボ−ルミルで40時間分散して固形分
50%の顔料ペ−ストを作成する。ついで、前記の固形
分32%エマルション318.5部とこの固形分50%
の顔料ペ−スト70部とを混合した後、脱イオン水で希
釈して固形分20%のカチオン電着塗料組成物とし
た。 (注1)JR−600E(テイカ株式会社製、商品名、
チタン白)水性中塗り塗料組成物の製造例 ネオペンチルグリコ−ル348部、トリメチロ−ルプロ
パン150部、アジピン酸128部および無水フタル酸
435部を反応容器に入れ、220℃で5時間反応させ
た後、無水トリメリット酸42部添加し、160℃で1
時間反応させた。さらに、この反応物にεカプロラクト
ン88部およびドデシルベンゼンスルホン酸1部を加
え、150℃で3時間反応させて、数平均分子量約50
00、酸価25mgKOH/g、水酸基価110mgK
OH/gのポリエステル樹脂(1)を得た。上記、ポリ
エステル樹脂(1)1000部(固形分として、以下同
様)、ジメチルアミノエタノ−ル(注2)40部、脂肪
族系6官能型ブロックポリイソシアネ−ト化合物(注
3)410部、JR−806(注4)1400部および
カ−ボンブラックM−100(注5)20部を脱イオン
水1800部に混合分散して水性中塗り塗料組成物を
得た。
【0058】水性中塗り塗料組成物の製造例 ネオペンチルグリコ−ル272部、トリメチロ−ルプロ
パン136部、アジピン酸232部、無水フタル酸29
6部およびFLEXOREZ UD−320−100
(注6)240部を反応容器に入れ、220℃で5時間
反応させた後、無水トリメリット酸28部添加し、16
0℃で1時間反応させた。数平均分子量約4000、酸
価25mgKOH/g、水酸基価110mgKOH/g
のポリエステル樹脂(2)を得た。
【0059】上記、ポリエステル樹脂(2)1000
部、ジメチルアミノエタノ−ル40部、脂肪族系3官能
型ブロックポリイソシアネ−ト化合物410部、JR−
8061400部およびカ−ボンブラックM−100
20部を、脱イオン水1800部に混合分散して水性中
塗り塗料組成物を得た。 (注2)ジメチルアミノエタノ−ル:日本乳化剤株式会
社製、商品名、アミノアルコ−ル (注3)脂肪族系3官能型ブロックポリイソシアネ−ト
化合物:ヘキサメチレンジイソシアネ−トの3量体をメ
チルエチルケトオキシムでブロックした化合物 (注4)JR−806:テイカ株式会社製、商品名、チ
タン白顔料 (注5)カ−ボンブラックM−100:三菱化学株式会
社製、商品名、カ−ボンブラック (注6)FLEXOREZ UD−320−100:キ
ングインダストリ−製、商品名、ポリウレタンジオ−
ル、数平均分子量約1000〜1500 実施例及び比較例 実施例1 カチオン電着塗料組成物の製造例1で得られた、カチオ
ン電着塗料組成物を用いて浴温度28℃に設定し、パル
ボンド#3020(日本パーカーライジング社製、商品名、
りん酸亜鉛処理)により化成処理した冷延鋼板(70×
150×0.8mm)を用いて、以下の工程にて塗装試
験を行った。 工程(1);カチオン電着塗料組成物を用いて電着塗
装を行い、25μmの膜厚の電着塗膜を得た。 工程(2);上記、電着塗装にて余分に付着したカチオ
ン電着塗料組成物を水洗を行い、45℃純水にて10秒
間水洗した。 工程(3);水性中塗り塗料組成物を用い、スプレー
塗装にて35μmの膜厚を得た。 工程(4);上記、工程(1)〜工程(3)に得られた
塗膜を電気熱風乾燥機を用いて170℃−20分焼き付
け、電着塗膜及び中塗り塗膜を得た。
【0060】実施例2、比較例1〜2 表1に示すような工程で塗装試験及び性能試験を行っ
た。その結果を併せて示す。
【0061】
【表1】 (注7)水洗条件:スプレーノズルによる水洗で、各温
度5秒間水洗を行った。 (注8)仕上り性:表1の工程により得られた水性中塗
りまで施した塗板の表面粗度を、サーフテスト301
(MITSUTOYO社製、商品名、表面粗度計)でRa値を測
定した。 (注9)60°鏡面光沢度:表1の工程により得られた
水性中塗りまで施した塗板に、上塗り塗料ネオアミラッ
ク6000白(関西ペイント社製、商品名、アミノアル
キド上塗り塗料)をスプレー塗装にて35μm塗装し1
40℃−20分焼き付けた。その塗板をJIS K−5
400 7.6(1990)の60度鏡面光沢度に従
い、塗膜の光沢の程度を、入射角と受光角とがそれぞれ
60度のときの反射率を測定し、鏡面光沢度の基準面の
光沢度を100としたときの百分率で表す。 (注10)耐チッピング性:表2の工程により得られた
水性中塗りまで施した塗板に、上記と同様の上塗り塗料
ネオアミラック6000白(関西ペイント社製、商品
名、アミノアルキド上塗り塗料)をスプレー塗装にて3
5μm塗装し140℃−20分焼き付けた。その塗板を
グラベロ飛石試験器を用い、下記条件で試験を実施し
た。 試験条件 1.試験機器 :Q-G-Rグラベロメーター(Qパネル会社製品) 2.吹き付けられる石 :7号砕石 3.吹き付けられる石の量 :50g 4.吹き付けられるエア圧力:3.92mPa(4kgf/cm2) 5.試験時の温度 :−20℃ 6.塗面への吹き付け角度 :90度 評価内容 ○は、上塗り塗装面にキズがつくのみである △は、上塗り塗装面のキズ及び中塗り塗膜又は電着塗膜
又は素材の間で塗膜の剥離が認められる ×は、キズが素材にまでほとんど達している (注11)耐水2次密着性:上記と同様に、表1の工程
により得られた水性中塗りまで施した塗板に、上塗り塗
料ネオアミラック6000白(関西ペイント社製、商品
名、アミノアルキド上塗り塗料)をスプレー塗装にて3
5μm塗装し140℃−20分焼き付けた。その塗板を
40℃の温水に240時間浸漬し、2時間程室温で風乾
する。そののち、2mm角のゴバン目カットを入れセロ
テープ(登録商標)剥離を行い塗膜の残存を評価する。
そのゴバン目の残存個数により評価を行った。
【0062】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 靖之 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB26Z BB65Y BB89X BB93Y CA04 CA13 CA48 CB04 DA23 DB02 DB05 DC12 DC13 EA06 EA07 EA13 EB14 EB19 EB22 EB32 EB33 EB35 EB37 EB38 EB39 EB45

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程工程(1);自動車ボディなど
    の袋構造を有する金属製被塗物に、カチオン電着塗料組
    成物を塗装して電着塗膜を形成する工程、 工程(2);次いで、上記で得られた電着塗膜を有する
    被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着塗料組成
    物を除去し、得られた電着塗膜を30〜70℃の純水に
    て最終水洗を行い、空隙に溜まった水及び塗膜中に含包
    した泡を除去する工程、 工程(3);さらに上記工程で得られた電着塗膜を有す
    る被塗物に、(ブロック化)ポリイソシアネ−ト化合物
    を架橋剤として含有する水性中塗り塗料組成物を塗装し
    て中塗り塗膜を形成する工程、 工程(4);更に、これらの塗膜を同時に加熱して硬化
    させる工程、を含むことを特徴とする複層塗膜形成方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006501046A (ja) * 2002-02-13 2006-01-12 ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド 基材上に多層複合コーティングを形成するためのコーティングラインおよびプロセス
JP2006328548A (ja) * 2006-08-22 2006-12-07 Jsr Corp 表面処理液及び表面処理部材

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